JP2016103486A - 非水電解質二次電池用活物質、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用活物質、非水電解質二次電池用電極及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】放電容量が大きく、高率放電性能が優れた非水電解質二次電池用活物質を提供する。【解決手段】α−NaFeO2型結晶構造を有し、組成式Li1+αMe1−αO2(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、α>0)で表され、遷移金属元素Meに対するリチウムLiの組成比率Li/Meが1.6以下であり、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.63〜0.72であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する非水電解質二次電池用活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、放電末状態において、エックス線回折パターンを基にR3−mを結晶構造モデルに用いたときのリートベルト法による結晶構造解析から求められる酸素位置パラメータが0.260以下であり、且つ、電位5.0V(vs.Li/Li+)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されるものであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用活物質及びそれを用いた非水電解質二次電池に関する。
従来、非水電解質二次電池には、正極活物質として主にLiCoOが用いられている。しかし、放電容量は120〜130mAh/g程度であった。
LiCoOを他の化合物と固溶体を形成させた材料が知られている。α−NaFeO型結晶構造を有し、LiCoO、LiNiO及びLiMnOの3つの成分の固溶体であるLi[Co1−2xNiMn]O(0<x≦1/2)」が、2001年に発表された。前記固溶体の一例である、LiNi1/2Mn1/2やLiCo1/3Ni1/3Mn1/3を活物質として用いた非水電解質二次電池は、150〜180mAh/gの放電容量を有しており、充放電サイクル性能の点でも優れる。
遷移金属(Me)の比率に対するリチウム(Li)の組成比率Li/Meが1より大きく、例えばLi/Meが1.25〜1.6であるいわゆる「リチウム過剰型」活物質が知られている。このような材料は、Li1+αMe1−α(α>0)と表記することができる。ここで、遷移金属(Me)の比率に対するリチウム(Li)の組成比率Li/Meをβとすると、β=(1+α)/(1−α)であるから、例えば、Li/Meが1.5のとき、α=0.2である。
特許文献1には、このような活物質の一種であり、Li[Li1/3Mn2/3]O、LiNi1/2Mn1/2及びLiCoOの3つの成分の固溶体として表すことのできる活物質が記載されている。また、前記活物質を用いた電池の製造方法として、4.3V(vs.Li/Li)を超え4.8V以下(vs.Li/Li)の正極電位範囲に出現する、電位変化が比較的平坦な領域に少なくとも至る充電を行う製造工程を設けることにより、充電時の正極の最大到達電位が4.3V(vs.Li/Li)以下である充電方法が採用された場合であっても、177mAh/g以上の放電容量が得られる電池を製造できることが記載されている。
このような、いわゆる「リチウム過剰型」正極活物質は、高率放電性能の点で劣るという問題点があった。
特許文献2では、層状岩塩型のリチウム含有金属複合酸化物と酸素位置パラメータ及びリチウム−酸素間距離が、初期放電容量や充放電サイクル特性に関係していることが記載されている。
特開2010−086690号公報 特開2002−124261号公報
本発明の課題は、放電容量が大きく、高率放電性能が優れた非水電解質二次電池用活物質、及び、それを用いた非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明の構成及び作用効果について、技術思想を交えて説明する。但し、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、後述の実施の形態若しくは実験例は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、α−NaFeO型結晶構造を有し、組成式Li1+αMe1−α(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、α>0)で表され、遷移金属元素Meに対するリチウムLiの組成比率Li/Meが1.6以下であり、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.63〜0.72であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する非水電解質二次電池用活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、放電末状態において、エックス線回折パターンを基にR3−mを結晶構造モデルに用いたときのリートベルト法による結晶構造解析から求められる酸素位置パラメータが0.260以下であり、且つ、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されるものであることを特徴とする非水電解質二次電池用活物質である。
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、前記Co、Ni及びMnを含む遷移金属元素の化合物の共沈前駆体とリチウム化合物とを混合して焼成したものであることが好ましい。
また、本発明は、前記非水電解質二次電池用活物質を含有する非水電解質二次電池用電極である。
また、本発明は、前記非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池である。
本発明によれば、放電容量が大きく、高率放電性能が優れた非水電解質二次電池用活物質を提供できる。
実施例及び比較例に係る正極活物質を電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したときのエックス線回折図である。 酸素位置パラメータを説明するための参考図である。
本発明に係る非水電解質二次電池用活物質が含有するリチウム遷移金属複合酸化物の組成は、高い放電容量が得られる点から、Co、Ni及びMnを含む遷移金属元素、並びに、Liを含有し、前記遷移金属元素Meに対するLiのモル比Li/Meが1.2〜1.6であればよい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属元素を構成するCo、Ni及びMn等の元素の比率は、求められる特性に応じて任意に選択することができる。
組成式Li1+αMe1−αにおいて(1+α)/(1−α)で表される遷移金属元素Meに対するLiのモル比Li/Meは、1.2以上、又は1.6以下とすることで、放電容量が大きい非水電解質二次電池を得ることができるので、Li/Meは1.6以下とする。
なかでも、初期充放電効率が優れた非水電解質二次電池を得ることができるという観点から、前記Li/Meが1.25〜1.40であるものを選択することが好ましい。
放電容量が大きく、初期充放電効率が優れた非水電解質二次電池を得ることができるという点で、遷移金属元素Meに対するCoのモル比Co/Meは、0.02〜0.23が好ましく、0.04〜0.21がより好ましく、0.06〜0.17が最も好ましい。
また、放電容量が大きく、初期充放電効率が優れた非水電解質二次電池を得ることができるという点で、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meは0.63〜0.72が好ましく、0.65〜0.71がより好ましい。
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、本質的に、金属元素としてLi、Co、Ni及びMnを含む複合酸化物であるが、本発明の効果を損なわない範囲で、少量のNa,Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、Fe,Zn等の3d遷移金属に代表される遷移金属など他の金属を含有することを排除するものではない。
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO構造を有している。空間群としてはP312又はR3−mに帰属可能である。ここで、P312は、R3−mにおける3a、3b、6cサイトの原子位置を細分化した結晶構造モデルであり、R3−mにおける原子配置に秩序性が認められるときに該P312モデルが採用される。なお、「R3−m」は本来「R3m」の「3」の上にバー「−」を施して表記すべきものである。
本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、前記したように、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されるものであることを特徴としている。
ここで、「電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき」とは、リチウム遷移金属複合酸化物を含有する非水電解質二次電池用活物質を含有する電極を作用極とし、対極、参照極および電解質を備えた電気化学セルを構成し、金属リチウムによって構成される参照極の電位に対する作用極の電位を5.0Vとすればよく、具体的な条件としては、後述する実施例に記載する通りとすればよい。
また、「エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察される」との要件を満たすには、エックス線回折測定によって得られた回折パターンが空間群R3−mに帰属されると共に、前記回折パターンのうち、最大強度を示すピークを回折図のフルスケール内に収まるように描画したとき、目視上、ミラー指数(003)面に帰属されるピークにスプリットが観察されないことをもって足る。この測定には、CuKα線源を用いたエックス線回折測定装置のような一般的な装置を用いることができる。CuKα線源を用いた場合、前記ミラー指数(003)面に帰属されるピークは、およそ19°付近に観察される。
さらに、本発明においては、エックス線回折パターンを基にリートベルト法による結晶構造解析から求められる酸素位置パラメータが0.260以下であることを要する。酸素位置パラメータが0.260以下であることにより、高率放電性能が優れた非水電解質二次電池を得ることができる。なお、後述の実施例に示すように、酸素位置パラメータを求める基礎とするエックス線回折パターンを得るためのエックス線回折測定に供する試料は、放電末状態の正極活物質を用いることとする。従って、非水電解質電池を解体して得た正極が含有する非水電解質二次電池用活物質について酸素位置パラメータを評価しようとする場合には、電池を解体する前に、非水電解質二次電池をあらかじめ低率放電によって放電末状態にしておくことが必要である。また、合成後の活物質材料、即ち、非水電解質二次電池用電極に用いる前の活物質材料は放電末状態であるといえるから、活物質材料について酸素位置パラメータを評価する場合には、このままエックス線回折測定に供すればよい。
本願明細書において、酸素位置パラメータとは、空間群R3−mに帰属されるリチウム遷移金属複合酸化物のα―NaFeO型結晶構造について、Me(遷移金属)の空間座標を(0,0,0)、Li(リチウム)の空間座標を(0,0,1/2)、O(酸素)の空間座標を(0,0,z)と定義したときの、zの値をいう。即ち、酸素位置パラメータは、O(酸素)位置がMe(遷移金属)位置からどれだけ離れているかを示す相対的な指標となる。参考図として図2を示す。
次に、本発明の非水電解質二次電池用活物質を製造する方法について説明する。
本発明の非水電解質二次電池用活物質は、基本的に、活物質を構成する金属元素(Li,Mn,Co,Ni)を、目的とする活物質(リチウム遷移金属複合酸化物)の組成通りに含有するように原料を調整し、最終的にこの原料を焼成すること、によって得ることができる。但し、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成を有するリチウム遷移金属複合酸化物を作製するための方法として、Li,Co,Ni,Mnのそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめCo,Ni,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi塩を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはCo,Niに対して均一に固溶しにくい。このため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。本発明に係る非水電解質二次電池用活物質を製造するにあたり、前記「固相法」と前記「共沈法」のいずれを選択するかについては限定されるものではない。しかしながら、「固相法」を選択した場合には、本発明に係る正極活物質を製造することは極めて困難である。「共沈法」を選択する方が原子レベルで均一相を得ることが容易である点で好ましい。
共沈前駆体を作製するにあたって、Co,Ni,MnのうちMnは酸化されやすく、Co,Ni,Mnが2価の状態で均一に分布した共沈前駆体を作製することが容易ではないため、Co,Ni,Mnの原子レベルでの均一な混合は不十分なものとなりやすい。特に本発明の組成範囲においては、Mn比率がCo,Ni比率に比べて高いので、水溶液中の溶存酸素を除去することが重要である。溶存酸素を除去する方法としては、酸素を含まないガスをバブリングする方法が挙げられる。酸素を含まないガスとしては、限定されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素(CO)等を用いることができる。なかでも、後述する実施例のように、共沈炭酸塩前駆体を作製する場合には、酸素を含まないガスとして二酸化炭素を採用すると、炭酸塩がより生成しやすい環境が与えられるため、好ましい。
溶液中でCo、Ni及びMnを含有する化合物を共沈させて前駆体を製造する工程におけるpHは限定されるものではないが、前記共沈前駆体を共沈炭酸塩前駆体として作製しようとする場合には、8.5〜11とすることができる。タップ密度を大きくするためには、pHを制御することが好ましい。pHを9.4以下とすることにより、タップ密度を1.25g/cc以上とすることができ、高率放電特性を向上させることができる。
前記共沈前駆体の作製は、MnとNiとCoとが均一に混合された化合物であることが好ましい。ただし前駆体は炭酸塩に限定されるものではなく、他にも水酸化物、クエン酸塩などの元素が原子レベルで均一に存在した難溶性塩であれば炭酸塩と同様に使用することができる。また、錯化剤を用いた晶析反応等を用いることによって、より嵩密度の大きな前駆体を作製することもできる。その際、Li源と混合・焼成することでより高密度の活物質を得ることができるので電極面積あたりのエネルギー密度を向上させることができる。
前記共沈前駆体の原料は、Mn化合物としては酸化マンガン、炭酸マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガン等を、Ni化合物としては、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等を、Co化合物としては、硫酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を一例として挙げることができる。
前記共沈前駆体の作製に用いる原料としては、アルカリ水溶液と沈殿反応を形成するものであればどのような形態のものでも使用することができるが、好ましくは溶解度の高い金属塩を用いるとよい。
本発明における非水電解質二次電池用活物質は前記共沈前駆体とLi化合物とを混合した後、熱処理することで好適に作製することができる。Li化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム等を用いることで好適に製造することができる。
可逆容量の大きな活物質を得るにあたって、焼成温度の選択は極めて重要である。
焼成温度が高すぎると、得られた活物質が酸素放出反応を伴って崩壊すると共に、主相の六方晶に加えて単斜晶のLi[Li1/3Mn2/3]O型に規定される相が、固溶相としてではなく、分相して観察される傾向があり、このような材料は、活物質の可逆容量が大きく減少するので好ましくない。このような材料では、X線回折図上35°付近及び45°付近に不純物ピークが観察される。従って、焼成温度は、活物質の酸素放出反応の影響する温度未満とすることが重要である。活物質の酸素放出温度は、本発明に係る組成範囲においては、概ね1000℃以上であるが、活物質の組成によって酸素放出温度に若干の差があるので、あらかじめ活物質の酸素放出温度を確認しておくことが好ましい。特に試料に含まれるCo量が多いほど前駆体の酸素放出温度は低温側にシフトすることが確認されているので注意が必要である。活物質の酸素放出温度を確認する方法としては、焼成反応過程をシミュレートするために、共沈前駆体とリチウム化合物を混合したものを熱重量分析(DTA−TG測定)に供してもよいが、この方法では測定機器の試料室に用いている白金が揮発したLi成分により腐食されて機器を痛めるおそれがあるので、あらかじめ500℃程度の焼成温度を採用してある程度結晶化を進行させた組成物を熱重量分析に供するのが良い。
一方、焼成温度が低すぎると、結晶化が十分に進まず、電極特性も大きく低下するので好ましくない。焼成温度は少なくとも800℃以上とすることが必要である。十分に結晶化させることは結晶粒界の抵抗を軽減し、円滑なリチウムイオン輸送を促すために重要である。結晶化の度合いの見極め方として走査型電子顕微鏡を用いた視覚的な観察が挙げられる。本発明の正極活物質について走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、試料合成温度が800℃以下ではナノオーダーの一次粒子から形成されているものであったが、さらに試料合成温度を上昇させることでサブミクロン程度まで結晶化するものであり、電極特性向上につながる大きな一次粒子を得られるものであった。
また、発明者らは、本発明活物質の回折ピークの半値幅を詳細に解析することで800℃までの温度で合成した試料においては格子内にひずみが残存しており、それ以上の温度で合成することでほとんどひずみを除去することができることを確認した。また、結晶子のサイズは合成温度が上昇するに比例して大きくなるものであった。よって、本発明活物質の組成においても、系内に格子のひずみがほとんどなく、かつ結晶子サイズが十分成長した粒子を志向することで良好な放電容量を得られるものであった。具体的には、格子定数に及ぼすひずみ量が1%以下、かつ結晶子サイズが100nm以上に成長しているような合成温度(焼成温度)を採用することが好ましいことがわかった。これらを電極として成型して充放電をおこなうことで膨張収縮による変化も見られるが、充放電過程においても結晶子サイズは50nm以上を保っていることが得られる効果として好ましい。即ち、焼成温度を上記した活物質の酸素放出温度にできるだけ近付けるように選択することにより、はじめて、可逆容量が顕著に大きい活物質を得ることができる。
上記のように、好ましい焼成温度は、活物質の酸素放出温度により異なるから、一概に焼成温度の好ましい範囲を設定することは難しいが、本発明においては、組成比率Li/Meが1.25〜1.60である場合に放電容量を充分なものとするために、焼成温度を800〜1000℃とすることが好ましく、850〜1000℃とすることがより好ましい。さらにいえば、組成比率Li/Meが1.5を下回る場合には850〜900℃付近が好ましく、組成比率Li/Meが1.5〜1.6の場合には1000℃付近が好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
非水電解質に用いる電解質塩としては、例えば、LiClO4,LiBF4,LiAsF6,LiPF6,LiSCN,LiBr,LiI,Li2SO4,Li210Cl10,NaClO4,NaI,NaSCN,NaBr,KClO4,KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23,(CH34NBF4,(CH34NBr,(C254NClO4,(C254NI,(C374NBr,(n−C494、NClO4,(n−C494NI,(C254N−maleate,(C254N−benzoate,(C254N−phtalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
さらに、LiPF6又はLiBF4と、LiN(C25SO22のようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いることにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また、自己放電を抑制することができ、より望ましい。
また、非水電解質として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、0.5mol/l〜2.5mol/lである。
負極材料としては、限定されるものではなく、リチウムイオンを出あるいは吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]Oに代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb,Sn系などの合金系材料リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム,リチウム−鉛,リチウム−スズ,リチウム−アルミニウム−スズ,リチウム−ガリウム,及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
正極活物質の粉体および負極材料の粉体は、平均粒子サイズ100μm以下であることが望ましい。特に、正極活物質の粉体は、非水電解質電池の高出力特性を向上する目的で10μm以下であることが望ましい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
以上、正極及び負極の主要構成成分である正極活物質及び負極材料について詳述したが、前記正極及び負極には、前記主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。
これらの中で、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。導電剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して0.1重量%〜50重量%が好ましく、特に0.5重量%〜30重量%が好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると必要炭素量を削減できるため望ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。結着剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極または負極の総重量に対して添加量は30重量%以下が好ましい。
正極及び負極は、前記主要構成成分(正極においては正極活物質、負極においては負極材料)、およびその他の材料を混練し合剤とし、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒又は水に混合させた後、得られた混合液を下記に詳述する集電体の上に塗布し、または圧着して50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度加熱処理することにより好適に作製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが望ましいが、これらに限定されるものではない。
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
また、セパレータは、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。非水電解質を上記のようにゲル状態で用いると、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
さらに、セパレータは、上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電解質の保液性が向上するため望ましい。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィルムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等が挙げられる。該モノマーは、ラジカル開始剤を併用して加熱や紫外線(UV)を用いたり、電子線(EB)等の活性光線等を用いて架橋反応を行わせることが可能である。
非水電解質二次電池の構成については特に限定されるものではなく、正極、負極及びロール状のセパレータを有する円筒型電池、角型電池、扁平型電池等が一例として挙げられる。
従来の正極活物質も、本発明の活物質も、正極電位が4.5V(vs.Li/Li)付近に至って充放電が可能である。しかしながら、使用する非水電解質の種類によっては、充電時の正極電位が高すぎると、非水電解質が酸化分解され電池性能の低下を引き起こす虞がある。したがって、使用時において、充電時の正極の最大到達電位が4.3V(vs.Li/Li)以下となるような充電方法を採用しても、充分な放電容量が得られる非水電解質二次電池が求められる場合がある。本発明の活物質を用いると、使用時において、充電時の正極の最大到達電位が4.5V(vs.Li/Li)より低くなるような、例えば、4.4V(vs.Li/Li)以下や4.3V(vs.Li/Li)以下となるような充電方法を採用しても、約200mAh/g以上という従来の正極活物質の容量を超える放電電気量を取り出すことが可能である。
本発明に係る正極活物質が、高い放電容量を備えたものとするためには、リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属元素が層状岩塩型結晶構造の遷移金属サイト以外の部分に存在する割合が小さいものであることが好ましい。これは、焼成工程に供する前駆体において、Co,Ni,Mnといった遷移金属元素が十分に均一に分布していること、及び、活物質試料の結晶化を促すための適切な焼成工程の条件を選択することによって達成できる。焼成工程に供する前駆体中の遷移金属の分布が均一でない場合、十分な放電容量が得られないものとなる。この理由については必ずしも明らかではないが、焼成工程に供する前駆体中の遷移金属の分布が均一でない場合、得られるリチウム遷移金属複合酸化物は、層状岩塩型結晶構造の遷移金属サイト以外の部分、即ちリチウムサイトに遷移金属元素の一部が存在するものとなる、いわゆるカチオンミキシングが起こることに由来するものと本発明者らは推察している。同様の推察は焼成工程における結晶化過程においても適用でき、活物質試料の結晶化が不十分であると層状岩塩型結晶構造におけるカチオンミキシングが起こりやすくなる。前記遷移金属元素の分布の均一性が高いものは、X線回折測定による(003)面と(104)面の回折ピークの強度比が大きいものとなる傾向がある。本発明において、X線回折測定による(003)面と(104)面の回折ピークの強度比は、I(003)/I(104)≧1.20であることが好ましい。また、充放電を経た放電末の状態においてI(103)/I(104)>1であることが好ましい。前駆体の合成条件や合成手順が不適切である場合、前記ピーク強度比はより小さい値となり、しばしば1未満の値となる。
本願明細書に記載した合成条件及び合成手順を採用することにより、上記のような高性能の正極活物質を得ることができる。とりわけ、充電上限電位を4.5Vより低く設定した場合、例えば4.4Vや4.3Vといった充電上限電位を設定した場合でも高い放電容量を得ることができる非水電解質二次電池用正極活物質とすることができる。
(実施例1)
硫酸コバルト7水和物4.6959g、硫酸ニッケル6水和物7.0043g及び硫酸マンガン5水和物21.766gを秤量し、これらの全量をイオン交換水200mlに溶解させ、Co:Ni:Mnのモル比が12.5:19.94:67.56となる0.67Mの硫酸塩水溶液を作製した。一方、2dmの反応槽に750mlのイオン交換水を注ぎ、COガスを30minバブリングさせることにより、イオン交換水中にCOを溶解させた。反応槽の温度を50℃(±2℃)に設定し、攪拌モーターを備えたパドル翼を用いて反応槽内を700rpmの回転速度で攪拌しながら、前記硫酸塩水溶液を3ml/minの速度で滴下した。ここで、滴下の開始から終了までの間、0.67Mの炭酸ナトリウム及び0.067Mのアンモニアを含有する水溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHが常に8.6(±0.05)を保つように制御した。滴下終了後、反応槽内の攪拌をさらに1h継続した。攪拌の停止後、12h以上静置した。
次に、吸引ろ過装置を用いて、反応槽内に生成した共沈炭酸塩の粒子を分離し、さらにイオン交換水を用いて粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄除去し、電気炉を用いて、空気雰囲気中、常圧下、100℃にて乾燥させた。その後、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、共沈炭酸塩前駆体を作製した。
前記共沈炭酸塩前駆体2.2780gに、炭酸リチウム0.9699gを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が130:100である混合粉体を調製した。ペレット成型機を用いて、6MPaの圧力で成型し、直径25mmのペレットとした。ペレット成型に供した混合粉体の量は、想定する最終生成物の質量が2gとなるように換算して決定した。前記ペレット1個を全長約100mmのアルミナ製ボートに載置し、箱型電気炉(型番:AMF20)に設置し、空気雰囲気中、常圧下、900℃で10h焼成した。前記箱型電気炉の内部寸法は、縦10cm、幅20cm、奥行き30cmであり、幅方向20cm間隔に電熱線が入っている。焼成後、ヒーターのスイッチを切り、アルミナ製ボートを炉内に置いたまま自然放冷した。この結果、炉の温度は5時間後には約200℃程度にまで低下するが、その後の降温速度はやや緩やかである。一昼夜経過後、炉の温度が100℃以下となっていることを確認してから、ペレットを取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、実施例1に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、組成分析の結果、Li1.13Co0.11Ni0.17Mn0.59という組成を有していた。また、CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO型結晶構造を有し、空間群R3−mに帰属される単一相であることが認められた。
(実施例2)
ペレット成型に供する混合粉体として、実施例1で作製した共沈炭酸塩前駆体2.2278gに、炭酸リチウム1.0216gを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Co,Ni,Mn)のモル比が140:100である混合粉体を用いたことを除いては、実施例1と同様の手順で、実施例2に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、組成分析の結果、Li1.17Co0.10Ni0.17Mn0.56という組成を有していた。また、CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO型結晶構造を有し、空間群R3−mに帰属される単一相であることが認められた。
(比較例1)
本実施例に用いた反応槽は、上部に反応晶析物スラリーを常に一定流量で系外に排出するためのオーバーフローパイプを備えた円筒形のもので、容積は5リットルである。この反応槽に純水を4L入れた。さらにpH=11.6となるよう、32%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。パドルタイプの攪拌羽根を備えた攪拌機を用いて回転速度1350rpmで攪拌し、ヒーターにより反応槽内溶液温度は50℃に保った。
濃度1.0mol/lの硫酸ニッケル(NiSO)水溶液、濃度1.0mol/lの硫酸マンガン(MnSO)水溶液、濃度1.0mol/lの硫酸コバルト(CoSO)水溶液、濃度6mol/lの硫酸アンモニウム((NHSO)水溶液及び4wt%ヒドラジン(NHNH)水溶液をそれぞれ体積比で0.33:0.33:0.33:0.05:0.01の割合で混合し、Co:Ni:Mnのモル比が1:1:1となる硫酸塩水溶液を作製した。
この硫酸塩水溶液を13mL/minの流量で前記反応槽に連続的に滴下した。また、反応槽内溶液pHが11.3と一定になるよう、32%水酸化ナトリウム水溶液を断続的に投入した。また反応槽内溶液温度が50℃と一定になるよう断続的にヒーターで制御した。
原料溶液の投入を開始してから50時間後にオーバーフローパイプから連続的に24時間反応晶析物であるNi−Mn−Co複合酸化物のスラリーを採取した。採取したスラリーを水洗、ろ過した。これを100℃で20時間乾燥し、共沈水酸化物塩前駆体の乾燥粉末を得た。
得られた共沈水酸化物塩前駆体と水酸化リチウム一水塩粉末をLi:(Co,Ni,Mn)のモル比が102:100となるように秤量し、十分に混合した。これをアルミナ製こう鉢に充てんし、電気炉を用いて、ドライエア流通下、100℃/時間で1000℃まで昇温、1000℃にて15時間保持し、100℃/時間で600℃まで冷却し、その後放冷した。このようにして、比較例1に係るリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、組成分析の結果、Li1.0Co0.33Ni0.33Mn0.33という組成を有していた。また、CuKα線源を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO型結晶構造を有し、空間群R3−mに帰属される単一相であることが認められた。
(比較例2)
Co、Ni及びMnの各元素がそれぞれ12.5:18.75:68.75のモル比で溶解している硫酸塩水溶液を作製した。一方、イオン交換水を満たした反応槽の温度を50℃に保ち、NaOH水溶液を滴下してpHを11.5に調整した。次いで、不活性ガスをバブリングさせることによって、溶存酸素を除去した。反応槽内を攪拌させながら、前記硫酸塩水溶液を3ml/minの送液速度で滴下した。同時に、還元剤としてヒドラジン水溶液を0.83ml/minの送液速度で滴下した。滴下操作を継続している間、反応槽の温度を50℃に保つと共に、pHを監視しながらpHが常に11.5±0.05の範囲内に収まるようにNaOH水溶液を適宜滴下した。滴下終了後、攪拌を停止し、12h以上静止した。次に、共沈生成物を濾別し、空気雰囲気中、常圧下において、オーブンで100℃にて乾燥させた。乾燥後、共沈生成物を粒径を揃える程度に軽く粉砕した。これにより乾燥粉体を得た。
前記乾燥粉体に、Li:(Co+Ni+Mn)のモル比が150:100となるように水酸化リチウムを加え、乾式混合し、混合粉体を調製した。次に、混合粉体5kgを電気炉に入れ、空気雰囲気中、常圧下において、1000℃で12hにわたって焼成した。焼成後、ヒーターのスイッチを切り、粉体を炉内に置いたまま自然放冷した。一昼夜経過後、炉の温度が100℃以下となっていることを確認してから、粉体を取り出し、粒径を揃える程度に軽く粉砕した。このようにして、比較例2に係るリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、組成分析の結果、Li1.2Co0.1Ni0.15Mn0.55という組成を有していた。また、CuKα線源を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO型結晶構造を有し、空間群R3−mに帰属される単一相であることが認められた。
(比較例3)
焼成条件について、1000℃で10h焼成したことを除いては、実施例1と同様の手順で、比較例3に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、組成分析の結果、Li1.13Co0.11Ni0.17Mn0.59という組成を有していた。また、CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO型結晶構造を有し、空間群R3−mに帰属される単一相であることが認められた。
(比較例4)
Co:Ni:Mnのモル比が12.5:19.94:67.56となる硫酸塩水溶液を用いたことを除いては比較例1と同様の手順で共沈水酸化物前駆体を作製した。次に、焼成工程については、得られた共沈水酸化物塩前駆体と水酸化リチウム一水塩粉末とを用いてLi:(Co,Ni,Mn)のモル比が130:100である混合粉体を作製したことを除いては実施例1と同様の手順を採用して、比較例4に係るリチウム遷移金属複合酸化物を作製した。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、組成分析の結果、Li1.13Co0.11Ni0.17Mn0.59という組成を有していた。また、CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO型結晶構造を有し、空間群R3−mに帰属される単一相であることが認められた。
(比較例5)
炭酸リチウム(LiCO)と水酸化コバルト(Co(OH))と水酸化ニッケル(Ni(OH))とオキシ水酸化マンガン(MnOOH)とを、Li、Co、Ni、Mnの各元素が、130:12.50:19.94:67.56の比率となるように秤量し、乳鉢をもちいて各原料を十分に混合および粉砕し、原料混合物を得た。前記原料混合物から3gを取り出し、空気中において900℃で10時間焼成した。このようにして、比較例5に係るリチウム遷移金属複合酸化物を得た。
得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、組成分析の結果、Li1.13Co0.11Ni0.17Mn0.59という組成を有していた。また、CuKα管球を用いた粉末エックス線回折測定の結果、α−NaFeO型結晶構造を有し、空間群R3−mに帰属される単一相であることが認められた。
(非水電解質二次電池の作製及び評価)
実施例1、2及び比較例1〜5のそれぞれのリチウム遷移金属複合酸化物を非水電解質二次電池用正極活物質として用いて、以下の手順で非水電解質二次電池を作製し、電池特性を評価した。
正極活物質、アセチレンブラック(AB)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、質量比85:8:7の割合で混合した。この混合物を、分散媒としてN−メチルピロリドンを加えて混練分散し、塗布液を調製した。なお、PVdFについては、固形分が溶解分散された液を用いることによって、固形質量換算した。該塗布液を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に塗布し、正極板を作製した。
対極(負極)には、正極の単独挙動を観察するため、リチウム金属を用いた。このリチウム金属は、ニッケル箔集電体に密着させた。ただし、非水電解質二次電池の容量が十分に正極規制となるような調製が実施された。
電解液としては、EC/EMC/DMCの体積比が6:7:7である混合溶媒に、LiPFを、その濃度が1mol/lとなるように溶解させたものを用いた。セパレータとしては、ポリアクリレートを用いて表面改質することによって電解質の保持性を向上させた、ポリプロピレン製の微孔膜を用いた。また、ニッケル板にリチウム金属箔をはりつけたものを、参照極として用いた。外装体には、ポリエチレンテレフタレート(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用いた。この外装体に、正極端子、負極端子および参照極端子の開放端部が、外部に露出するように電極を収納した。前記金属樹脂複合フィルムの内面同士が向かい合った融着代を、注液孔となる部分を除いて、気密封止した。
上記のようにして作製された非水電解質二次電池に対して、25℃の下、2サイクルの初期充放電工程を実施した。電圧制御は、全て、正極電位に対して行った。充電は、電流0.1CmA、電圧4.6Vの定電流定電圧充電とした。充電終止条件については、電流値が0.02CmAに減衰した時点とした。放電は、電流0.1CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。全てのサイクルにおいて、充電後及び放電後に、30分の休止時間を設定した。このようにして、実施例及び比較例に係る非水電解質二次電池を完成した。
完成した非水電解質二次電池について、3サイクルの充放電を行った。電圧制御は、全て、正極電位に対して行った。この充放電サイクルの条件は、充電電圧を4.3V(vs.Li/Li)としたことを除いては、前記初期充放電工程の条件と同一である。全てのサイクルにおいて、充電後及び放電後に、30分の休止時間を設定した。
次に、次の手順にて高率放電試験を行った。まず、電流0.1CmA、電圧4.3Vの定電流定電圧充電を行った。30分の休止後、電流1CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電を行い、このときの放電容量を「高率放電容量(mAh/g)」として記録した。
(酸素位置パラメータの測定)

前記高率放電試験を行った後の電池は、さらに電流0.1CmA、終止電圧2.0Vの定電流放電条件にて残存放電を行った後、ドライルーム内で電池外装体から正極板を取り出した。取り出した正極板は、洗浄等の操作を行わず、合剤が集電体に接着した状態のままエックス線回折測定を行った。金属箔集電体として用いたアルミニウムに起因するピークを除くすべての回折線についてリートベルト法による結晶構造解析を実施した。リートベルト解析に使うプログラムはRIETAN-2000(Izumi et al., Mat. Sci. Forum,
321-324, 198 (2000))を用いた。解析に使用したプロファイル関数は、TCHの擬フォークト関数とした。ピーク位置シフトパラメータは格子定数既知のシリコン標準試料(Nist 640c)を用いてあらかじめ精密化を行ったものを用いた。正極活物質の結晶構造モデルを空間群R3−mとし、各原子位置において次のパラメータについて精密化した。
・バックグラウンドパラメータ
・格子定数
・酸素位置パラメータz
・ガウス関数の半値幅パラメータ
・ローレンツ関数の半値幅パラメータ
・非対称パラメータ
・選択配向パラメータ
・等方性原子変位パラメータ(但し、Li原子は0.75に固定)
実データは15〜85°(CuKα)の間の回折データを使用して、結晶構造モデルとの差を示すS値が1.3を切る程度にまで精密化を行った。
上記試験に供した電池とは別に、実施例1、2及び比較例1〜5に係るリチウム遷移金属複合酸化物を非水電解質二次電池用正極活物質として用いて、上記と同一の手順にてそれぞれの非水電解質二次電池を作製し、初期充電を行った。電圧制御は、全て、正極電位に対して行った。前記初期充電の条件は、電圧5.0V、電流0.1CmAの定電圧定電流充電とし、充電終止条件については、電流値が0.02CmAに減衰した時点とした。
これらの電池について、ドライルーム内にて電池を解体して正極板を取り出した。取り出した正極板は、洗浄等の操作を行わず、そのまま測定用試料ホルダーに貼付し、CuKα線源を用いたエックス線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を行いてエックス線回折測定を行った。結果を図1に示す。
図1の左側のシリーズは、回折角度の範囲を15°〜50°として描画した回折図であり、図1の右側のシリーズは、19°付近の回折ピークを詳細に観察するために回折角度の範囲を15°〜25°として再描画した回折図である。これらの回折図から、実施例1、2及び比較例1〜4においては、R3−mに帰属される単一相であることがわかる。一方、比較例5においては、19°付近の回折ピークがスプリットしていることに特徴的に表されているように、結晶構造はR3−mに帰属されるものの、複相となっていることがわかる。
以上の高率放電容量の測定結果、酸素位置パラメータの測定結果、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化した後のエックス線回折測定結果を表1に示す。
Figure 2016103486
以上の知見から、α−NaFeO型結晶構造を有し、組成式Li1+αMe1−α(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、α>0)で表され、遷移金属元素Meに対するリチウムLiの組成比率(1+α)/(1−α)が1.2〜1.6であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する非水電解質二次電池用活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されるものであり、且つ、エックス線回折パターンを基にリートベルト法による結晶構造解析から求められる酸素位置パラメータが0.260以下であるという特徴を備えることにより、これを用いた非水電解質二次電池の高率放電性能を優れたものとすることができることがわかった。
電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されるもののうち、酸素位置パラメータが0.260以下であるものが、酸素位置パラメータが0.260を超えるものに比べて高率放電性能が優れる理由については必ずしも明らかではないが、酸素位置パラメータの値がより小さいことは、O(酸素)位置がLi(リチウム)位置から、より離れていることを意味するから、Liが電気化学的に挿入脱離する際に酸素原子からの相互作用を受けにくいことと関連するのではないかと本発明者は推察している。
本発明の非水電解質二次電池用活物質は、放電容量が大きく、かつ、高率放電特性が優れたものであるから、電気自動車用電源、電子機器用電源、電力貯蔵用電源等の非水電解質二次電池に有効に利用できる。

Claims (3)

  1. α−NaFeO型結晶構造を有し、組成式Li1+αMe1−α(MeはCo、Ni及びMnを含む遷移金属元素、α>0)で表され、遷移金属元素Meに対するリチウムLiの組成比率Li/Meが1.6以下であり、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.63〜0.72であるリチウム遷移金属複合酸化物を含有する非水電解質二次電池用活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、放電末状態において、エックス線回折パターンを基にR3−mを結晶構造モデルに用いたときのリートベルト法による結晶構造解析から求められる酸素位置パラメータが0.260以下であり、且つ、電位5.0V(vs.Li/Li)まで電気化学的に酸化したとき、エックス線回折図上空間群R3−mに帰属される単一相として観察されるものであることを特徴とする非水電解質二次電池用活物質。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用活物質を含有する非水電解質二次電池用電極。
  3. 請求項に記載の非水電解質二次電池用電極を備えた非水電解質二次電池。
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