JP2016101157A - 粉末油脂、該粉末油脂を含む飲食品、及び該粉末油脂の製造方法 - Google Patents

粉末油脂、該粉末油脂を含む飲食品、及び該粉末油脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い割合で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含み、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂の提供。【解決手段】中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、及びデキストリンを含み、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物は、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s未満である第1のオクテニルコハク酸処理澱粉と、粘度が30mPa・s以上である第2のオクテニルコハク酸処理澱粉とを含み、第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の含有量は、前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して12〜45質量%であり、デキストリンのデキストロース当量は10以上であり、中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、粉末油脂の全体に対して65〜85質量%である、粉末油脂。前記中鎖脂肪酸トリグリセリドは炭素数が8、10及び12飽和脂肪酸の内から1以上を構成脂肪酸として含む、粉末油脂。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末油脂、該粉末油脂を含む飲食品、及び該粉末油脂の製造方法に関する。
中鎖脂肪酸トリグリセリドは、一般的な植物油と比較して消化及び吸収に優れ、エネルギーとして利用しやすい性質を有する。そのため、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、消化吸収機能が低下した患者のエネルギー補給、手術後の患者の体力回復等の目的で、医療分野で使用されてきた。また、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、高齢者の食事の高カロリー化等の目的で食品分野でも使用されてきた。医薬品や食品等に添加する目的で中鎖脂肪酸トリグリセリドを使用する場合、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、液状の油脂として使用されるだけでなく、粉末油脂の形態に調製されてから使用されることがある。
粉末油脂は、液状又は固形状の油脂よりも他の粉体原料と混合しやすく、さらには、水に分散及び溶解しやすく乳化を必要としない等の利点を持つため、幅広い分野で利用されている。粉末油脂の調製に関する技術としては、特許文献1〜3に記載された技術が挙げられる。
特開2003−73691号公報 特開平11−318332号公報 特開平6−33087号公報
粉末油脂には、取扱いの容易さや、溶解時に外観を損なわないことが要求されるため、粉体としての溶解性及び流動性の高さや、溶解時の油浮きが少ないことが求められる。しかし、従来の技術に基づくと、高い割合(例えば、粉末油脂全体に対して65質量%以上)で中鎖脂肪酸トリグリセリドを粉末油脂に配合した場合、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂が得られない可能性があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、高い割合で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含み、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂の提供を目的とする。
本発明者らは、中鎖脂肪酸トリグリセリドとともに、異なる粘度を有する少なくとも2種のオクテニルコハク酸処理澱粉を所定の割合で含むオクテニルコハク酸処理澱粉混合物と、デキストロース当量が10以上であるデキストリンとを配合することによって上記課題が解決される点を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は下記のものを提供する。
(1) 粉末油脂であって、
中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、及びデキストリンを含み、
前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物は、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s未満である第1のオクテニルコハク酸処理澱粉と、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s以上である第2のオクテニルコハク酸処理澱粉とを含み、
前記第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の含有量は、前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して12質量%以上45質量%以下であり、
前記デキストリンのデキストロース当量は10以上であり、
前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、前記粉末油脂の全体に対して65質量%以上85質量%以下である、粉末油脂。
(2) 前記デキストリンの含有量は、前記粉末油脂の全体に対して5.0質量%以上30質量%以下である、(1)に記載の粉末油脂。
(3) 前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の含有量は、前記粉末油脂の全体に対して5.0質量%以上20質量%以下である(1)又は(2)に記載の粉末油脂。
(4) 前記中鎖脂肪酸トリグリセリドは、炭素数が8、10、及び12の飽和脂肪酸のうちいずれか1以上を構成脂肪酸として含む、請求項1〜3のいずれかに記載の粉末油脂。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の粉末油脂を含む飲食品。
(6) 中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、デキストリン、及び水を含む水中油型乳化液を調製する工程と、
前記水中油型乳化液を乾燥粉末化することによって粉末油脂を調製する工程と、を含み、
前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物は、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s未満である第1のオクテニルコハク酸処理澱粉と、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s以上である第2のオクテニルコハク酸処理澱粉とを含み、
前記第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の含有量は、前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して12質量%以上45質量%以下であり、
前記デキストリンのデキストロース当量は10以上であり、
前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、前記粉末油脂の全体に対して65質量%以上85質量%以下である、粉末油脂の製造方法。
(7) 前記水中油型乳化液の油滴のメディアン径は、0.3μm以上1.5μm以下である、(6)に記載の粉末油脂の製造方法。
本発明によれば、高い割合で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含み、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
[粉末油脂]
本発明の粉末油脂は、中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、及びデキストリンを含む。本発明の粉末油脂は、中鎖脂肪酸トリグリセリド等を含む微細な油滴が、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物及びデキストリン等によって被覆された構造を有する。以下、本発明の粉末油脂を構成する各成分について説明する。
(中鎖脂肪酸トリグリセリド)
中鎖脂肪酸トリグリセリドとは、MCT(Medium Chain Triglycerides)とも称され、構成脂肪酸が炭素数6〜12(好ましくは8〜10)の飽和脂肪酸(ヤシ油分解脂肪酸等)であるトリグリセリドである。
炭素数6〜12の飽和脂肪酸としては、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデカン酸が挙げられる。これらのうち、炭素数が偶数の飽和脂肪酸が好ましく、炭素数が8、10、及び12の飽和脂肪酸(n−オクタン酸、n−デカン酸、及びn−ドデカン酸)のうちいずれか1以上の組み合わせがより好ましく、炭素数が8及び/又は10の飽和脂肪酸(n−オクタン酸及び/又はn−デカン酸)がさらに好ましい。
粉末油脂中の中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、粉末油脂の全体に対して65質量%以上85質量%以下であり、好ましくは70質量%以上85質量%以下、さらに好ましくは75質量%以上85質量%以下である。従来は、粉末油脂の全体に対して65質量%以上もの中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む粉末油脂を調製すると、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂を得ることは困難であった。しかし、本発明によれば、後述するオクテニルコハク酸処理澱粉混合物及びデキストリンを中鎖脂肪酸トリグリセリドとともに配合することで、高い割合で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含みながらも溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少なく、さらには食品にコクを付与できる粉末油脂を得ることができる。粉末油脂中の中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量を粉末油脂の全体に対して85質量%以下とすることにより、後述するオクテニルコハク酸処理澱粉混合物及びデキストリン等を、その効果を奏するのに十分な量で配合することができる。
本発明の効果を損なわない範囲において、粉末油脂には中鎖脂肪酸トリグリセリド以外の油脂が配合されていてもよい。中鎖脂肪酸トリグリセリド以外の油脂としては、食用油脂であれば特に限定されないが、植物性油脂(ナタネ油、コーン油、大豆油、綿実油、サフラワー油、パーム油、米糠油等)、動物性油脂(牛脂、ラード、乳脂、魚油等)、及び、これらの油脂の硬化油もしくはエステル交換油、又は、これらの油脂を分別して得られる液体油もしくは固体脂等が挙げられる。これらの油脂は1種又は2種以上を用いてもよい。
粉末油脂に中鎖脂肪酸トリグリセリド以外の油脂が含まれる場合、該油脂の含有量は、好ましくは粉末油脂の全体に対して0.0質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.0質量%以上5.0質量%以下、最も好ましくは0.0質量%以上3.0質量%以下である。本発明における配合は、油脂が中鎖脂肪酸トリグリセリドである場合に特に適するため、粉末油脂には中鎖脂肪酸トリグリセリド以外の油脂が含まれないことが好ましい。
粉末油脂に中鎖脂肪酸トリグリセリド以外の油脂が含まれる場合、粉末油脂中の全油脂の含有量(つまり、中鎖脂肪酸トリグリセリド及び中鎖脂肪酸トリグリセリド以外の油脂の総量)は、好ましくは粉末油脂の全体に対して65質量%以上85質量%以下、さらに好ましくは70質量%以上85質量%以下、最も好ましくは75質量%以上85質量%以下である。
中鎖脂肪酸トリグリセリドは、従来公知の方法で製造でき、例えば、中鎖脂肪酸とグリセリンとを常法によりエステル化反応させることにより製造することができる。中鎖脂肪酸トリグリセリドの原料として使用する中鎖脂肪酸は、例えば、中鎖脂肪酸を含有するパーム核油やヤシ油等を加水分解した後、精製することで得られる。中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、商品名「ODO」(日清オイリオグループ(株)製)等の市販の食用油脂を使用してもよい。
粉末油脂中の中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、下記の方法で測定する。まず、粉末油脂を熱湯中に溶解させた後、レーゼゴットリーブ法を準用して粉末油脂中の油脂を抽出する。次いで、油脂中のトリグリセリドの組成を、ガスクロマトグラフィーにより測定し、中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量を特定する。ガスクロマトグラフィーにおけるカラムとしては、例えば、アジレント・テクノロジー社製の「DB−1ht」を使用できる。
(オクテニルコハク酸処理澱粉混合物)
本発明の粉末油脂は、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s未満である第1のオクテニルコハク酸処理澱粉と、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s以上である第2のオクテニルコハク酸処理澱粉とを含むオクテニルコハク酸処理澱粉混合物を含む。第1のオクテニルコハク酸処理澱粉の粘度は、10質量%水溶液(25℃)において、好ましくは1.0mPa・s以上25mPa・s以下、さらに好ましくは2.0mPa・s以上20mPa・s以下、最も好ましくは5.0mPa・s以上10mPa・s以下である。第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の粘度は、10質量%水溶液(25℃)において、好ましくは30mPa・s以上60mPa・s以下、さらに好ましくは35mPa・s以上55mPa・s以下、最も好ましくは35mPa・s以上45mPa・s以下である。オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の粘度は、10質量%水溶液の25℃において、好ましくは8.0mPa・s以上14.0mPa・s以下である。
第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の含有量は、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して12質量%以上45質量%以下であり、好ましくは15質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上35質量%以下、さらにより好ましくは15質量%以上30質量%以下、最も好ましくは20質量%以上25質量%以下である。本発明においては、粘度の異なる2種のオクテニルコハク酸処理澱粉を粉末油脂に配合し、かつ、第1のオクテニルコハク酸処理澱粉を、第2のオクテニルコハク酸処理澱粉よりも多く配合することで、高い割合で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含み、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂が得られる。
第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の配合量がオクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して12質量%未満であると、粉末油脂の乳化が不安定となるため、粉末油脂の流動性が劣りやすく、また、粉末油脂の溶解時の油浮きが生じやすくなる。第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の配合量がオクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して45質量%超であると、粉末油脂から調製した水中油型乳化液の粘度が高くなるため生産性が低下したり、粉末油脂の溶解性が低下したりしやすい。
粉末油脂中のオクテニルコハク酸処理澱粉混合物の含有量は、特に限定されないが、好ましくは粉末油脂の全体に対して5.0質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは7.0質量%以上18質量%以下、最も好ましくは10質量%以上15質量%以下である。粉末油脂中のオクテニルコハク酸処理澱粉混合物の含有量が上記の範囲であると、溶解性及び流動性に優れた粉末油脂を得やすい。
オクテニルコハク酸処理澱粉としては、粘度が上記の要件を満たせば特に限定されないが、植物由来の澱粉(馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ等)、又は、これらの加水分解物を、オクテニルコハク酸でエステル化したものを好ましく使用できる。エステル化を経て得られたオクテニルコハク酸処理澱粉としては、例えば、オクテニルコハク酸における一方のカルボン酸基と、澱粉又はその加水分解物とがエステルを構成しているものが挙げられる。かかるエステルを有するオクテニルコハク酸処理澱粉において、オクテニルコハク酸における、エステルを構成していない他方のカルボン酸基は遊離であってもよく、ナトリウム、カリウム、アンモニア、又はアミン類等の塩を構成していてもよい。本発明の効果を奏しやすいという観点から、オクテニルコハク酸処理澱粉において、オクテニルコハク酸における、エステルを構成していない他方のカルボン酸基はナトリウムの塩を構成しているもの(つまり、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム)が好ましい。第1のオクテニルコハク酸処理澱粉と、第2のオクテニルコハク酸処理澱粉は同種の澱粉であってもよいが、異なる種類の澱粉であってもよい。第1及び第2のオクテニルコハク酸処理澱粉は、それぞれ、同種の澱粉からなるものであってもよいが、異なる種類の澱粉を混合して粘度を調整したものであってもよい。
第1及び第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の粘度を調整する方法としては、上記の澱粉(又は上記の澱粉の加水分解物)をオクテニルコハク酸によってエステル化したオクテニルコハク酸処理澱粉に対して、塩酸、硫酸等による酸分解や、アミラーゼによる酵素分解等の処理をする方法が挙げられる。また、第1及び第2のオクテニルコハク酸処理澱粉は、上記の第1又は第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の粘度の範囲内にある澱粉を2種以上組み合わせて、粘度を調整したものであってもよい。
第1及び第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の粘度は実施例に示した方法で特定する。
第1のオクテニルコハク酸処理澱粉としては、商品名「ピュリティガムBE」(インディグレオン社製)、商品名「ピュリティガム1773」(インディグレオン社製)、商品名「カプシュール」(インディグレオン社製)、商品名「エマルスターA1」(松谷化学社製)、商品名「エマルスター500」(松谷化学社製)等の市販品を使用してもよい。
第2のオクテニルコハク酸処理澱粉としては、商品名「エヌクリーマー46」(インディグレオン社製)等の市販品を使用してもよい。
粉末油脂中のオクテニルコハク酸処理澱粉混合物の含有量は、「食品、添加物等の規格基準(食品衛生法)」に記載の「オクテニルコハク酸デンプンナトリウム 純度試験(1)(2)」を準用することによって特定する。
(デキストリン)
本発明の粉末油脂は、デキストロース当量が10以上であるデキストリンを含む。該デキストリンが粉末油脂に配合されることにより、粉末油脂の溶解性を高めやすくなる。また、該デキストリンを粉末油脂に配合することで、賦形性が向上する。さらには、デキストリンと、上記のオクテニルコハク酸処理澱粉混合物とを併用することで、高い割合で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含んでいても、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂を安定的に調製することができる。
デキストリンのデキストロース当量は、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きの少ない粉末油脂が特に得られ、さらには、粉末油脂の甘味を抑制し、他素材の風味低下を抑制する観点から、好ましくは10以上50以下、さらに好ましくは10以上40以下、さらにより好ましくは10以上30以下、最も好ましくは10以上20以下である。
粉末油脂中のデキストリンの含有量は、溶解性及び流動性が良好な粉末油脂を得られやすいという観点から、好ましくは粉末油脂の全体に対して5.0質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは7.0質量%以上20質量%以下、最も好ましくは10質量%以上15質量%以下である。
デキストロース当量とは、DE(Dextrose Equivalent)とも称され、澱粉の加水分解の程度を表す指標であり、値が高いほど加水分解が進んでいること示す。デキストロース当量は、還元糖をグルコースとして測定し、その還元糖の固形分100に対する比(デキストロース当量=直接還元糖(グルコースとして表示)/固形分×100)として算出される。還元糖の測定方法としては、ウィルシュテッター・シューデル法が使用される。
デキストリンの製造方法は特に限定されないが、植物由来の澱粉(米粉澱粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、さつまいも澱粉、片栗澱粉、コーンスターチ等の澱粉等)を、酸又は酵素で加水分解する方法が挙げられる。
粉末油脂中のデキストリンの含有量は、高速液体クロマトグラフ法によって特定する。
(その他の原料)
本発明の粉末油脂には、上記の成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、公知の添加剤が含まれていてもよい。その種類や配合量は、得ようとする効果に応じて適宜調整できる。また、本発明の粉末油脂には、粉末油脂の全体に対して3.0質量%未満の少量の水分が含まれていてもよい。公知の添加剤としては、糖類(例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖等)、ビタミン類(例えば、ビタミンCやビタミンE等)、増粘多糖類(例えば、ゼラチン、キサンタンガム、アラビアガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、カラギーナン、寒天、ペクチン等)、微量栄養成分(例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)、抗酸化剤、香料等が挙げられる。
高い割合(例えば、粉末油脂全体に対して65質量%以上)で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む粉末油脂において乳糖が配合されていると、粉末油脂の溶解性が劣りやすくなるため、本発明の粉末油脂には乳糖が含まれないことが好ましい。
本発明の粉末油脂は、原料として少なくとも中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、及びデキストリンを含んでいればよい。従来の粉末油脂には、賦形剤としてタンパク質(カゼイン等)が含まれていたが、本発明においてはこのようなタンパク質を含んでいなくとも、溶解時の油浮き等が抑制された粉末油脂が得られる。したがって、本発明の粉末油脂は、タンパク質が含まれていないか、又は、極微量のタンパク質を含む粉末油脂として調製することで、タンパク質を凝集させる作用を有し得る酸性食品(ヨーグルト、野菜飲料等)や、タンパク質の摂取制限を受けている腎臓病患者用食品に好適に用いることができる。
[粉末油脂の製造方法]
本発明の粉末油脂は、上記の成分(中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、デキストリン等)を含む水中油型乳化液を乾燥粉末化することで得られる。
水中油型乳化液は、公知のエマルジョン調製方法によって得られ、例えば、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物及びデキストリンを水に溶解することで得た水相と、中鎖脂肪酸トリグリセリドを含む油相とを混合し、ホモミキサー等で撹拌後、ホモジナイザー等で均質化して得ることができる。
水中油型乳化液の粘度は、好ましくは1200mPa・s以下、さらに好ましくは1000mPa・s以下である。水中油型乳化液の粘度は、B型粘度計(55℃、20rpm、ローターNo.1を使用する。ただし、500mPa・sを超える場合は、ローターNo.2を使用する。)で特定する。
水中油型乳化液の油滴のメディアン径は、特に限定されないが、溶解時の油浮きが少ない粉末油脂が得られやすいという観点から、好ましくは0.3μm以上1.5μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上1.0μm以下、最も好ましくは0.6μm以上0.8μm以下である。水中油型乳化液の油滴のメディアン径は、実施例に記載されたレーザー回折式粒度分布計で測定することで特定する。
水中油型乳化液の乾燥粉末化は、公知の噴霧乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法等を利用できるが、粉末油脂を調製しやすいという観点から噴霧乾燥法が好ましい。
[粉末油脂の用途]
本発明の粉末油脂は、一般的な飲食品(パン、和菓子、洋菓子、惣菜、フライ類、スープ類、飲料、水産練り製品、ミックス粉等)、調味料、健康食品、介護食品(特に、腎臓病患者用食品)等における原料や、これらの食品の喫食時に添加するものとして好適に使用することができる。特に、本発明の粉末油脂はタンパク質を含んでいなくともよいので、腎臓病患者用食品や、酸性食品に好適に使用することができる。また、本発明の粉末油脂はそのままで摂取したり、水等に溶かして摂取したりできる。
[粉末油脂の特性]
本発明の粉末油脂は、高い割合で中鎖脂肪酸トリグリセリドを含んでいながら、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少ない。本発明において、粉末油脂の溶解性とは、粉末油脂の水への溶けやすさを指す。本発明において、粉末油脂の流動性とは、粉末油脂の粉体としての流れやすさを指す。本発明において、溶解時の油浮きとは、粉末油脂を温水に溶解させた際に、水溶液の表面に油が浮いてくることを指す。
粉末油脂の溶解性、流動性、及び溶解時の油浮きは、実施例に記載された方法によって評価する。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[粉末油脂の調製]
表1及び2に記載の各油脂を70℃に調温し油相を調製した。表1及び2に記載にされた各油脂、各オクテニルコハク酸処理澱粉、各デキストリン、並びに乳糖の合計質量と同質量の水に、オクテニルコハク酸澱粉及びデキストリン、乳糖を溶解させ水相を調製した。次いで、水相と油相とを混合した後、圧力式ホモジナイザーを用いて150kg/cmの圧力で水相と油相とを均質化し、水中油型乳化液を得た。得られた水中油型乳化液を、ノズル式スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥し、水分が1.8質量%である粉末油脂を得た。なお、噴霧乾燥において、噴霧乾燥用空気の入口温度を210℃に設定した。
表1及び2に記載の各油脂の詳細は下記のとおりである。
油脂A:中鎖脂肪酸トリグリセリド−1(商品名「ODO」、構成脂肪酸:n−オクタン酸/n−デカン酸=3/1(n−オクタン酸75質量%、n−デカン酸25質量%)、凝固点約−5℃、日清オイリオグループ(株)製)
油脂B:大豆油(商品名「大豆白絞油」、日清オイリオグループ(株)製)
油脂C:菜種硬化油(融点36℃、ミヨシ油脂(株)製造品)
油脂D:中鎖脂肪酸トリグリセリド−2(構成脂肪酸:n−オクタン酸40質量%、n−デカン酸40質量%、及びn−ドデカン酸20質量%、日清オイリオグループ(株)製造品)
表1及び2に記載の各オクテニルコハク酸処理澱粉の詳細は下記のとおりである。各オクテニルコハク酸処理澱粉の粘度は、10質量%溶液、25℃において振動粘度計(商品名「VIBRO VISCOMETER SV−10」、A&D社製)により測定30秒後の粘度として特定した。なお、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムA、B、Cが「第1のオクテニルコハク酸処理澱粉」に相当し、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムDが「第2のオクテニルコハク酸処理澱粉」に相当する。
オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムA(粘度2.22mPa・s、商品名「エマルスターA1」、松谷化学工業(株)製)
オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムB(粘度2.34mPa・s、商品名「カプシュール」、インディグレオン社製)
オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムC(粘度7.14mPa・s、商品名「ピュリティガムBE」、インディグレオン社製)
オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムD(粘度38.7mPa・s、商品名「エヌクリーマー46」、インディグレオン社製)
表1及び2に記載の各デキストリンの詳細は下記のとおりである。
デキストリンA(デキストロース当量=8、商品名「パインデックス#1」、松谷化学工業(株)製)
デキストリンB(デキストロース当量=11、商品名「パインデックス#2」、松谷化学工業(株)製)
デキストリンC(デキストロース当量=18、商品名「TK−16」、松谷化学工業(株)製)
デキストリンD(デキストロース当量=40、商品名「パインデックス#6」、松谷化学工業(株)製)
デキストリンE(デキストロース当量=45、商品名「MR25−45」、敷島スターチ(株)製)
デキストリンF(デキストロース当量=50、商品名「サンマルトS」、三和澱粉工業(株)製)
表1及び2に記載の乳糖の詳細は下記のとおりである。
乳糖(商品名「アメリカ グランデラクトース 80メッシュ」、グランデカスタムイングレディエンツ社製)
なお、表1及び2中、「オクテニルコハク酸処理澱粉Dの割合」とは、「オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の量」に対するオクテニルコハク酸澱粉Dの割合である。
[試験1:粉末油脂の評価]
下記の方法に基づき、得られた水中油型乳化液又は粉末油脂の特性を評価した。
(水中油型乳化液の粘度)
各水中油型乳化液の粘度を、B型粘度計((株)日本計器社製)を用いて回転速度20rpm、ローターNo.1又は2(500mPa・sを超える場合は、ローターNo.2を使用した。)、温度55℃、30秒の条件で測定した。その結果を、表1及び2の「噴霧乾燥前の乳化液の粘度」の項に示す。
(水中油型乳化液中の油滴のメディアン径)
水中油型乳化液中の油滴のメディアン径を、(株)島津製作所製SALD−2100湿式レーザー回折装置を用いて測定し、水中油型乳化液中の油滴のメディアン径を特定した。その結果を、表1及び2の「乳化粒子のメディアン径」の項に示す。
(溶解性)
20℃の水194gに粉末油脂6gを添加し、スリーワンモーターで350rpmで1分間撹拌した後、溶け残りの状態を目視観察し、粉末油脂の溶解性を以下の基準で評価した。その結果を、表1及び2の「溶解性」の項に示す。
3点:粉末油脂の溶け残りがほとんど認められない
2点:粉末油脂の溶け残りがあまり認められない
1点:粉末油脂の溶け残りが若干ある
0点:粉末油脂の溶け残りがある
(流動性)
粉末油脂10gを粉体特性測定器(筒井理化学器機(株))に投入し、振動を与えながら約15cm下部の土台へ投下した。その際の粉末油脂の流出状態を目視観察し、粉末油脂の流動性を以下の基準で評価した。その結果を、表1及び2の「流動性」の項に示す。
3点:滞りなく流出し、流動性も良好である
2点:粉末油脂がほぼ滞りなく流出し、流動性も良好である
1点:粉末油脂の流出が滞り、流動性もやや悪い
0点:粉末油脂の流出がかなり滞り、流動性も悪い
(溶解時の油浮き)
60℃の温水27gに粉末油脂3gを添加し、薬さじを用いて撹拌溶解した際の水溶液表面に浮いてきた油の状態を目視観察し、粉末油脂の溶解時の油浮きを以下の基準で評価した。その結果を、表1及び2の「溶解時の油浮き」の項に示す。
3点:油浮きが認められない
2点:油浮きがあまり認められない
1点:油浮きがある
0点:油浮きがかなりある
(総合評価)
溶解性、流動性及び溶解時の油浮きの評価点を加算し、その値に基づき、粉末油脂の総合評価を以下の基準で行った。その結果を、表1及び2の「評価結果」の項に示す。なお、評価が「良」である場合、括弧内に評価点を併記した。
良:溶解性、流動性及び溶解時の油浮きの各評価点の合計が6点以上である
不良:溶解性、流動性及び溶解時の油浮きの各評価点の合計が5点以下であるか、又は溶解性、流動性及び溶解時の油浮きのいずれかが0点である
Figure 2016101157
Figure 2016101157
表1に示されるとおり、本発明の粉末油脂は、溶解性及び流動性に優れ、溶解時の油浮きが少なかった。特に、デキストロース当量が11又は18であるデキストリンを使用すると、特に良好な結果が得られた(実施例1〜5、7、12)。さらに、「オクテニルコハク酸処理澱粉ナトリウムDの割合」(この値は、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対する第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の含有量に相当する。)が16.7質量%以上25.0質量%以下の範囲であると、顕著に良好な結果が得られた(実施例2〜5、12)。
粉末油脂の配合に乳糖が含まれていると、溶解性に劣る傾向にあった(実施例10〜11)。
他方、表2に示されるとおり、「オクテニルコハク酸処理澱粉ナトリウムDの割合」が本発明における範囲ではなかったり(比較例1〜3)、デキストリンのデキストロース当量が本発明における範囲ではなかったりすると(比較例4)、溶解性、流動性及び溶解時の油浮きのいずれかが顕著に劣っていた。
油脂が中鎖脂肪酸トリグリセリドではない場合(比較例5及び6)、その他の条件が本発明の要件を満たしていても、溶解性、流動性及び溶解時の油浮きのいずれかが顕著に劣っていた。したがって、本発明における配合は、油脂が中鎖脂肪酸トリグリセリドである場合に特に適することが分かる。
[試験2:ヨーグルトへの粉末油脂の添加と評価]
市販のヨーグルト(pH=4)70gに実施例3の粉末油脂を6g加え、スプーンで混合したところ、粉末油脂は凝集せず、粉末油脂はヨーグルト中に速やかに分散し、油浮きは認められなかった。得られたヨーグルトは、コク味が増し、ヨーグルト本来の風味を損なわないものであった。
[試験3:味噌汁への粉末油脂の添加と評価]
市販のインスタント味噌汁1杯(160mL)に実施例3の粉末油脂を6g加え、スプーンで混合したところ、粉末油脂は味噌汁中に速やかに溶解し、溶け残りや油浮きは認められなかった。得られた味噌汁は、コク味が増し、味噌汁本来の風味を損なわないものであった。

Claims (7)

  1. 粉末油脂であって、
    中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、及びデキストリンを含み、
    前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物は、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s未満である第1のオクテニルコハク酸処理澱粉と、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s以上である第2のオクテニルコハク酸処理澱粉とを含み、
    前記第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の含有量は、前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して12質量%以上45質量%以下であり、
    前記デキストリンのデキストロース当量は10以上であり、
    前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、前記粉末油脂の全体に対して65質量%以上85質量%以下である、粉末油脂。
  2. 前記デキストリンの含有量は、前記粉末油脂の全体に対して5.0質量%以上30質量%以下である、請求項1に記載の粉末油脂。
  3. 前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の含有量は、前記粉末油脂の全体に対して5.0質量%以上20質量%以下である請求項1又は2に記載の粉末油脂。
  4. 前記中鎖脂肪酸トリグリセリドは、炭素数が8、10、及び12の飽和脂肪酸のうちいずれか1以上を構成脂肪酸として含む、請求項1〜3のいずれかに記載の粉末油脂。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の粉末油脂を含む飲食品。
  6. 中鎖脂肪酸トリグリセリド、オクテニルコハク酸処理澱粉混合物、デキストリン、及び水を含む水中油型乳化液を調製する工程と、
    前記水中油型乳化液を乾燥粉末化することによって粉末油脂を調製する工程と、を含み、
    前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物は、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s未満である第1のオクテニルコハク酸処理澱粉と、10質量%水溶液の25℃における粘度が30mPa・s以上である第2のオクテニルコハク酸処理澱粉とを含み、
    前記第2のオクテニルコハク酸処理澱粉の含有量は、前記オクテニルコハク酸処理澱粉混合物の全体に対して12質量%以上45質量%以下であり、
    前記デキストリンのデキストロース当量は10以上であり、
    前記中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有量は、前記粉末油脂の全体に対して65質量%以上85質量%以下である、粉末油脂の製造方法。
  7. 前記水中油型乳化液の油滴のメディアン径は、0.3μm以上1.5μm以下である、請求項6に記載の粉末油脂の製造方法。
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