JP2016095200A - 電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ1と出力軸2を複数の歯車3を介して接続し、出力軸2の先端に弁体4を取り付けた遮断弁の出力軸2の平歯車3aに、歯先に対向するようにして歯車センサ5を設ける。そして、前記歯車センサ5で平歯車3aの回転を計数して過負荷またはロック状態を検出することで、前記検出がエンコーダを設けるよりも低コストで、かつ、構造も複雑にならず、しかも、形状も大型化しないようにする。
【選択図】図2
Description
このような問題を解決する一つの方法として、タイマ手段を備えて開閉時間を計時する方法がある。この方法は、タイマ手段でアクチュエータの作動時間を計時し、計時した時間が規定の時間を超えても全閉または全開位置に達しない場合は、過負荷状態やロック状態を生じていると見なす。
しかし、この方法では、例えば、開閉に掛かる時間がt秒であれば、少なくともt秒計時してからでないと過負荷状態あるいはロック状態であると検出できないため、時間が掛かり過ぎてしまうという問題がある。
そこで、機械的にトルクを検出し、一定トルク以上でスイッチを作動させて過負荷を検出する方法も考えられるが、機械構造部品を必要とするため、構造が複雑となりコスト面や耐久性で大きな問題がある。
そのため、他の方法として、モータの電流を計測して過負荷を検出することが考えられる。この場合、直流モータは、比較的簡単に過負荷によるモータの過電流を検出できる。これに対して、交流(誘導)モータの場合は、その構造から定格負荷と過負荷の違いを検出することが難しく、使用するモータの種類によって使用できないという問題がある。
この問題を解決する方法として、例えば特許文献1に、アクチュエータのモータにエンコーダを取り付ける方法が記載されている。
この方法では、エンコーダの出力は、モータの回転が速ければパルスの周期は短くなる。逆に、モータの回転が遅ければパルスの周期は長くなる。したがって、このパルス周期の変化を判定値と比較すれば負荷を検出できるため、モータの種類に係わらず、過負荷状態あるいはロック状態であることを検出できる。
図1は、本願発明の電動アクチュエータを電動弁に適用したものを模式化したものである。アクチュエータは、モータ1と出力軸2を複数の歯車3を介して接続し、出力軸2の先端に弁体(ここでは、円盤状のゲートバルブ)4を取り付けたものに歯車センサ5と検出手段6を設けた構成となっている。
すなわち、図2のように、出力軸2は、弁体4とカム7の間に平歯車3aが取り付けられ、減速用の歯車3bと歯合するようになっている。減速用の歯車3bは、平歯車3aとピッチの異なる伝達ギヤとすることで、所要のトルクが得られるようになっている。ここで、歯車3は、鉄などの磁性体を用いたインボリュート歯車で形成している。
また、前記出力軸2のカム7は、図1のように、2個のカム7を90度の位相差で取り付けたもので、そのカム7に2個のマイクロスイッチ8を係合させて弁体4の全閉、全開状態を検出するようになっている。
一方、モータ1は、交流モータに減速機(ギヤヘッド)3cを取り付けたギヤードモータを採用しており、ギヤヘッド3cの軸に取り付けたピニオンギヤ3dが減速用歯車3bと歯合するようなっている。
このように、モータ1と出力軸2は、複数の歯車3を介して接続されており、出力軸の作動で弁体4を開閉できるようになっている。
このように歯車センサ5を配置することで、回転する平歯車3aの山の部分が電磁ピックアップのポールピース11に近づいたり、離れたりすると、ポールピース11とマグネット12で構成された磁路の状態が変化し、検出コイル10を通る磁束が変化する。
すなわち、平歯車3aの山がポールピース11に接近すると検出コイル10を通る磁束が増加し、山がポールピース11から離れると検出コイル10を通る磁束が減少して誘導起電力を発生する。このとき、出力信号は、図4のようなものとなり、繰り返し周波数は平歯車3aの回転数に比例する。
なお、歯車センサ5に、例えば、ホールICを使用する場合は、ホールICが波形整形手段を備えているため、検出手段6の波形整形手段20を使用しない場合もある。
この回路は、歯車センサ5の出力を計数するカウンタ手段30、歯車センサ5の出力のカウンタ手段30への入力をt2時間許可するゲート手段31、判定値を記憶させるレジスタ32、前記カウンタ手段30とレジスタ32の値の大小を比較する比較回路33、比較回路33の出力を保持するラッチ手段34及び発振回路35で構成され、歯車センサ5の出力する回転パルスを、発振回路35が出力する基準クロックの1周期であるt2時間計数(カウント)することで回転パルスの周期あるいは周波数を計測する。そして、計測した歯車センサ5の出力をt2時間ごとに比較回路33で判定値と比較し、比較した結果、計数した値が判定値を下回ったとき過負荷あるいはロック状態と判定するというものである。ここでは、この回路をワンチップマイコンとワンチップマイコンが搭載するI/O機能を使用して構成し、次のように処理を行うことで実現する。
そのため、図6の「ワンチップマイコン21の過負荷検出処理(処理100)」では、モータ1の回転が安定するまで、タイマルーチンを実行してt1時間の間待機(処理101〜103)する。次に、タイマルーチンでt2時間ごとに歯車センサ5の出力する回転パルスを計数した内蔵カウンタのカウント値COUNTを読み込んで(処理200〜203)、読み込んだカウント値COUNTと予め設定した判定値REFとを比較し(処理204)、読み込んだカウント値COUNTを判定値REFが下回った場合は、過負荷またはロック状態(ロック状態の場合は、例えば、カウント値は「0」となる)として検出する(処理300)。これは、弁体4にゴミなどが引っ掛かり、平歯車3aの回転が減少していると考えられるからである。また、処理204でカウント値COUNTが判定値REFを下回らなかった場合は、処理101〜処理204を繰り返す。このときの各部のタイムチャートを図7に示す。
このように実施例1では、モータ1のピニオンギヤ3dに近接させて歯車センサ5を配置したことにより、モータ1に連結するギヤヘッド3cの出力軸の回転を検出することができる。
したがって、構造も複雑にならず、しかも、形状も大型化しないので、モータ1の変動に基づいてアクチュエータの過負荷及びロック状態を短時間で検出することができる。
但し、図9では、理解を容易にするため、ギヤヘッド3cを拡大して記載している。このように、歯車センサ5をギヤードモータのギヤヘッド3cを形成するギヤの一つに近接させて配置することで、モータ1に直結するギヤヘッド3cの歯車の回転を検出する。その結果、検出するパルスの周波数が高くなり、微小な変動を素早く検出することができる。
他の構成及び作用効果については、実施形態および実施例1と同じなので説明は省略する。
この遮断弁では、遊星歯車機構のインターナルギヤ3e、モータ1のピニオンギヤ3dの歯先に接近させて歯車センサ5を配置すれば、高価なエンコーダを用いることなく、過負荷やロック状態を検出することができる。そのため、エンコーダを設けるよりも低コストで、かつ、構造も複雑にならず、しかも、形状も大型化しないようにできる。
なお、この実施例3の遊星歯車機構の歯車も磁性体のインボリュート歯車で構成している。
この検出手段6は、歯車センサ5の出力パルスの1周期の間に計数した基準クロックの計測値と、予め設定した判定値とを比較し、その比較結果に基づいてアクチュエータの過負荷を検出する。
すなわち、ダウンカウンタ40は、データ入力IN1〜nに判定値を設定するようになっており、判定値を設定する際に、ロード入力にロード信号を入力する。また、カウンタ40のカウントダウン入力に発振器41を接続して、基準のクロックを入力し、前記基準クロックが入力するごとに減算するようにしてある。この基準クロックとロード信号は、例えば、図11のように、XORゲートとインバータで構成されるトリガ生成回路44と歯車センサ5の出力を用いて作成する。
そして、歯車センサ5の出力する回転パルスの間隔が判定値以下であれば、カウンタ40の出力がゼロになる前に判定値を再ロードする。逆に、歯車センサ5の検出パルスの間隔が規定以上になると、カウンタ40の出力はゼロになるため、ボロー出力が“0”→「JK−フリップフロップ」出力が“1”になって異常を出力するというものである(後述するワンチップマイコンの処理では“0”で異常を検出する)。その様子を図12のタイミングチャートに示す。
なお、カウンタ40のボロー出力を、図11のように「JK−フリップフロップ」のセット入力に接続して正論理としてある。
上記のように構成される検出手段6は、ここでは、ワンチップマイコンとワンチップマイコンが搭載するI/O機能を使用して構成しており、次の処理を実行することで、実現している。
そのため、図13のワンチップマイコン21の過負荷検出処理(処理1000)では、モータ1の回転が安定するまで、タイマルーチンを実行してt1時間の間待機(処理1001〜1003)する。
次に、過負荷の判定値をダウンカウンタ40に設定して歯車センサ5からの回転パルスの立ち上がりで、発振回路41のクロックによりカウンタ40の減算を開始する(処理2000〜2001)。そして、次の回転パルスの立ち上がりで、カウンタ40の値の値を読み込み(処理2002)、読み込んだカウンタの値が0の場合は(処理2003)、過負荷とする(処理3000)。
一方、処理2003でカウンタの値が0でない場合は、処理2000〜2003を繰り返す。このタイミングチャートを図14に示す。図14のタイミングチャートでは、例えば、符号(イ)の矢印のタイミングでは、カウンタ値が0になる前に回転パルスの立ち上がりを検出したので、NREFをプリセットする。また、符号(ロ)の矢印のタイミングでダウンカウンタが0になり過負荷を検出する(図12参照)。
また、このように、高価なエンコーダを用いることなく、モータの種別に係わらず、過負荷またはロック状態を検出することができるため、過負荷やロック状態の検出が低コストで、かつ、構造も複雑にならず、しかも、形状も大型化しないようにできる。
2 出力軸
3 歯車
3a 平歯車
3b 減速用歯車
3c ギヤヘッド
3d ピニオンギヤ
3e インターナルギヤ
3f 遊星ギヤ
3g 太陽ギヤ
4 弁体
5 歯車センサ
6 検出手段
Claims (7)
- モータと出力軸を複数の歯車を介して接続し、前記出力軸を作動する電動アクチュエータであって、
前記複数の歯車の一つの歯車の歯先に近接させた歯車センサを設け、前記センサで計数した歯車の回転に基づいてアクチュエータの過負荷を検出することを特徴とする電動アクチュエータ。 - 上記歯車センサを近接させる歯車が出力軸に設けられた出力ギヤであることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。
- 上記モータがギヤードモータであって、上記歯車センサを近接させる歯車が前記ギヤードモータのギヤヘッドの出力軸に設けられたピニオンギヤであることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。
- 上記歯車センサを近接させる歯車がギヤードモータのギヤヘッドを形成するギヤであることを特徴とする請求項3に記載の電動アクチュエータ。
- 上記出力軸の先端に弁体を取り付けた遮断弁であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電動アクチュエータ。
- 上記請求項1〜5のいずれかの歯車センサの出力パルスを、基準とするクロックの1周期の間に計数した計測値と、予め設定した判定値とを比較し、前記比較結果に基づいてアクチュエータの過負荷を検出する電動アクチュエータの過負荷検出方法。
- 上記請求項1〜5のいずれかの歯車センサの出力パルスの1周期の間に計数した基準とするクロック計測値と、予め設定した判定値とを比較し、前記比較結果に基づいてアクチュエータの過負荷を検出する電動アクチュエータの過負荷検出方法。
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