JP6162513B2 - ステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計 - Google Patents

ステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計 Download PDF

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Description

本発明は、ステッピングモータ制御回路、前記ステッピングモータ制御回路を備えたムーブメント及び前記ムーブメントを用いたアナログ電子時計に関する。
従来から、ロータ収容用貫通孔及びロータの安定静止位置を決める複数の位置決め部を有するステータと、前記ロータ収容用貫通孔内に配設されたロータと、前記ステータに巻回された駆動コイルとを有するステッピングモータがアナログ電子時計等に使用されている。前記ステッピングモータをより確実に回転させるために回転検出を行い、回転検出結果に応じた駆動を行うように構成している(例えば特許文献1〜4参照)。
特許文献1、2に記載された回転検出方式は、駆動パルス遮断後のロータ運動状態を検知する第1検出区間、その結果に基づいて最終的な回転判別を行うために第1検出区間と逆方向の誘起信号を検出する第2検出区間を有するように構成し、これによりステッピングモータの回転検出を行い、回転検出結果に応じた駆動パルスによって回転駆動するようにしている。
係る構成によって回転検出が可能ではあるが、負荷変動(カレンダ負荷、大きな針モーメントの負荷)が大きい場合に誘起信号が変動し、正確な回転検出が困難になるという問題がある。
一方、特許文献3に記載された回転検出方式は、主駆動パルスP11でロータを回転した後、誘起信号の検出電圧が基準電圧Vcompを下回ると補正駆動パルスP2によって駆動し、次の主駆動パルスP1は主駆動パルスP11よりエネルギの大きい主駆動パルスP12に変更(パルスアップ)して駆動する、又、主駆動パルスP12で回転したときの検出時刻が基準時間より早いことを検出した場合は、主駆動パルスP12から主駆動パルスP11にパルスダウンして、適切な主駆動パルスP1で駆動するように構成している。
しかしながら、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い誘起信号の検出時刻が遅くなると共に前記誘起信号のレベルが低下することを利用した回転検出方式であるため、一定以上の負荷変動(カレンダ負荷、大きな針モーメントの負荷)が生じたときロータの角速度が低下し、回転しているにも拘わらず誘起信号が低下してしまう。このため、回転を非回転と誤検出し、補正駆動パルスによって駆動してしまうという問題がある。その結果、消費電流が増加し、電池寿命が低下するという問題がある。
また、特許文献4に記載された回転検出方式は、負荷増大に伴い誘起信号の検出時刻が遅くなることを利用すると共に、検出区間を複数に区分した区間における誘起信号VRsのパターンがステッピングモータの回転状況によって異なることを利用した回転検出方式であるが、特許文献3記載の発明と同様に、負荷変動の影響によって誤った回転検出を行う可能性があり、電力消費が増加する可能性があるという問題がある。
特許第3302804号公報 特許第4165092号公報 国際公開第2005/119377号 特開2010−166798号公報
本発明は、前記問題点に鑑み成されたもので、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことを課題としている。
本発明の第1の視点によれば、複数の区間に区分された検出区間においてステッピングモータの自由振動によって駆動コイルに流れる誘起電流を検出し、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い前記誘起電流の検出時刻が遅くなると共にレベルが低下することを利用して、前記各区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かを表すパターンに基づいて前記ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出部と、相互にエネルギが相違する複数種類の駆動パルスの中から前記回転検出部が検出した回転状況に応じた駆動パルスを選択し、前記選択した駆動パルスによって前記駆動コイルに駆動電流を供給して前記ステッピングモータを回転駆動する制御部とを備え、前記回転検出部は、前記検出区間における最初の区間である第1区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かに基づいて、前記第1区間より後の区間において誘起電流の検出方向を選定して検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とするステッピングモータ制御回路が提供される。
本発明の第2の視点によれば、複数の区間に区分された検出区間においてステッピングモータの自由振動によって駆動コイルに流れる誘起電流を検出し、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い前記誘起電流の検出時刻が遅くなると共にレベルが低下することを利用して、前記各区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かを表すパターンに基づいて前記ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出部と、相互にエネルギが相違する複数種類の駆動パルスの中から前記回転検出部が検出した回転状況に応じた駆動パルスを選択し、前記選択した駆動パルスによって前記駆動コイルに駆動電流を供給して前記ステッピングモータを回転駆動する制御部とを備え、前記回転検出部は、前記ステッピングモータの自由振動によって前記駆動コイルを相互に逆方向に流れる誘起電流を検出する第1、第2検出素子を有すると共に、前記検出区間において、前記ステッピングモータの駆動コイルと前記検出素子とを含む第1閉回路と、前記駆動コイルと低インピーダンス素子とによって構成される第2閉回路とを交互に繰り返すことによって前記誘起電流を検出するようにして成り、前記検出区間における最初の区間である第1区間において前記第1、第2検出素子を用いて前記誘起電流を検出した結果に基づいて、前記第1区間より後の区間において用いる検出素子を選定して検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とするステッピングモータ制御回路が提供される。
また、本発明の第3の視点によれば、前記ステッピングモータ制御回路を備えて成ることを特徴とするムーブメントが提供される。
また、本発明の第4の視点によれば、前記ムーブメントを備えて成ることを特徴とするアナログ電子時計が提供される。
本発明に係るステッピングモータ制御回路によれば、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になる。
本発明に係るムーブメントによれば、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になアナログ電子時計を構築することができる。
また、本発明に係るアナログ電子時計によれば、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になり、したがって、正確な運針や低消費電力化が可能になる。
本発明の各実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計に共通するブロック図である。 本発明の各実施の形態に係るアナログ電子時計に使用するステッピングモータの構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計の判定チャートである。 本発明の第1、第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計の部分詳細回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計の判定チャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計に共通する部分詳細回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計の判定チャートである。 本発明の第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のタイミング図である。 本発明の第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。尚、各実施の形態の図面において同一機能を有する部分には同一符号を付している。
図1は、本発明の各実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、前記ステッピングモータ制御回路を備えたムーブメント、前記ムーブメントを備えたアナログ電子時計に共通するブロック図で、アナログ電子腕時計の例を示している。
図1において、アナログ電子時計は、所定周波数の信号を発生する発振回路101、発振回路101で発生した信号を分周して計時の基準となる時計信号を発生する分周回路102、前記時計信号を計数することによって行う計時動作をはじめとして電子時計を構成する各電子回路要素の制御や駆動パルスの変更制御(パルス制御)等の各種制御を行う制御回路103を備えている。
また、アナログ電子時計は、制御回路103からの主駆動パルス制御信号に基づいて相互にエネルギが異なる複数種類の主駆動パルスP1中のいずれかを選択し出力する主駆動パルス発生回路104、制御回路103からの補正駆動パルス制御信号に基づいて前記各主駆動パルスP1よりもエネルギが大きい補正駆動パルスP2を出力する補正駆動パルス発生回路105を備えている。
また、アナログ電子時計は、主駆動パルス発生回路104からの主駆動パルスP1、補正駆動パルス発生回路105からの補正駆動パルスP2に基づいてステッピングモータ107を駆動するモータドライバ回路106、ステッピングモータ107を備えている。
また、アナログ電子時計は、時計ケース111、時計ケース111の外面側に配設され、ステッピングモータ107によって駆動される時刻針(時針114、分針115、秒針116)やカレンダ表示部(図示せず)を有するアナログ表示部112、時計ケース111内に配設されたムーブメント113を備えている。
また、アナログ電子時計は、主駆動パルスP1によってステッピングモータ107を駆動した直後の検出区間Tにおいてステッピングモータ107の自由振動によって発生し所定の複数の基準値(第1基準値と第2基準値の2種類)を超える誘起電流Ikを検出する回転検出回路108、回転検出回路108が前記基準値を超える誘起電流Ikを前記検出区間T内のどの区間において検出したかを判別する検出区間判別回路109を備えている。
尚、詳細は後述するが、前記基準値を超える誘起電流Ikを検出するために、誘起電流Ikを検出素子によって電圧に変換して検出するように構成している。所定の第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出した場合には第1基準値を超える誘起電流Ikを検出したのと等価であり、また、所定の第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出した場合には第2基準値を超える誘起電流Ikを検出したのと等価であるように構成している。第2基準値は第1基準値よりも大きくまた、第2基準電圧Vcompは第1基準電圧Vinvよりも大きい値に設定されている。第1基準電圧Vinvは駆動エネルギの余裕の程度を判定する基準であると共に他方の極性での回転検出を行う際の基準電圧であり、第2基準電圧Vcompは一方の極性での回転検出を行う際の基準電圧である。第1基準電圧Vinv、第2基準電圧Vcompとして、同一極性で一方の極性の電圧を用いている。
また、検出区間判別回路109は、回転検出回路108が第1基準電圧Vinvまたは第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを前記検出区間T内のどの区間において検出したかを判別することにより、前記第1基準値または第2基準値を超える誘起電流Ikを検出区間T内のどの区間において検出したかを判別するように構成している。
ステッピングモータ107の回転状況を検出する検出区間Tは、主駆動パルスP1遮蔽直後に設けられると共に、複数の区間(本実施の形態では区間T1〜T3の3区間)に区分されている。
検出区間判別回路109は、回転検出回路108が検出した誘起電圧信号VRsが基準電圧Vinv、Vcompを超えるか否かを検出区間Tの各区間において判定し(判定値)、各区間における判定値の組み合わせパターン(誘起電圧信号VRsのパターン)によって、駆動するエネルギの余裕の程度や非回転等の回転状況を表す検出信号を制御回路103に出力する。
発振回路101、分周回路102、制御回路103、主駆動パルス発生回路104、補正駆動パルス発生回路105、モータドライバ回路106、ステッピングモータ107、回転検出回路108および検出区間判別回路109は、ムーブメント113の構成要素である。
一般に、時計の動力源、時間基準等の装置から成る時計の機械体をムーブメントと称する。電子式のものをモジュールと呼ぶことがある。時計としての完成状態では、ムーブメントには文字板、針が取り付けられ、時計ケースの中に収容される。
制御回路103は、検出区間T内の各区間において誘起電圧信号VRsが基準電圧Vinv、Vcompを超えるか否かの判定値のパターンによってステッピングモータ107の回転状況(回転したか否か、主駆動パルスP1のエネルギの余裕の程度等)を判定する機能等も有している。
回転検出回路108は、ステッピングモータ107回転駆動直後の自由振動によって発生する誘起電圧信号VRsのレベルを判定し、基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsの発生時点を検出する。基準電圧Vinv、Vcompは、基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsが検出された区間の組み合わせパターンによって、回転や非回転等の回転状況の判定や駆動パルスの変更制御(パルス制御)を行うことができるような値に設定されている。
ステッピングモータ107が回転した場合等のようにステッピングモータ107のロータが一定速度を超える動きをする場合には第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出し、ステッピングモータ107が回転しなかった場合等のようにステッピングモータ107のロータが一定速度を超える動きをしない場合には第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出しないように構成されている。第1基準電圧Vinvは、第2基準電圧Vcompよりも低い値に設定されている。例えば、第2基準電圧Vcompを電源電圧に設定する。またステッピングモータ制御回路を集積回路(IC)化した際のインバータの閾値電圧を第1基準電圧Vinvとして利用することにより、第1基準電圧を電源電圧の1/2に設定するように構成することができる。
ここで、発振回路101及び分周回路102は信号発生部を構成し、アナログ表示部112は表示部を構成している。制御回路103、回転検出回路108及び検出区間判別回路109は回転検出部を構成している。主駆動パルス発生回路104及び補正駆動パルス発生回路105は駆動パルス発生部を構成している。モータドライバ回路106はモータ駆動部を構成している。発振回路101、分周回路102、制御回路103、主駆動パルス発生回路104、補正駆動パルス発生回路105及びモータドライバ回路106は制御部を構成している。また、発振回路101、分周回路102、制御回路103、主駆動パルス発生回路104、補正駆動パルス発生回路105、モータドライバ回路106、回転検出回路108及び検出区間判別回路109はステッピングモータ制御回路を構成している。
前記回転検出部は、複数の区間に区分された検出区間においてステッピングモータ107の自由振動によって駆動コイル209に流れる誘起電流Ikを検出し、ステッピングモータ107の駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い誘起電流Ikの検出時刻が遅くなると共に誘起電流Ikのレベルが低下することを利用して、前記各区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かを表すパターンに基づいてステッピングモータ107の回転状況を検出するものである。
通常動作である時刻針(時針114、分針115、秒針116)運針動作を概略説明すると、図1において、発振回路101は所定周波数の信号を発生し、分周回路102は発振回路101で発生した前記信号を分周して計時の基準となる時計信号(例えば1秒周期の信号)を発生し、制御回路103に出力する。
制御回路103は、前記時計信号を計数して所定周期でステッピングモータ107を、負荷に対する電源電圧の大きさ(即ち駆動エネルギの余裕の程度)に応じたエネルギの主駆動パルスP1で回転駆動するように主駆動パルス発生回路104に主駆動パルス制御信号を出力する。
本発明の各実施の形態では、ステッピングモータ107を回転駆動するための駆動パルスとして複数種類の駆動パルスが用意されている。前記駆動パルスとして、相互にエネルギが異なる複数種類(即ち複数ランク)の主駆動パルスP1、前記各主駆動パルスP1よりもエネルギが大きい補正駆動パルスP2を用いるようにしている。
主駆動パルスP1は、通常動作時においてステッピングモータ107を正常に回転させて時刻針114〜116を運針するための駆動パルスである。また、補正駆動パルスP2は、通常動作時において主駆動パルスP1による駆動ではステッピングモータ107を回転(正常回転)できない場合にステッピングモータ107を強制的に回転させるための駆動パルスである。
主駆動パルス発生回路104は、制御回路103からの主駆動パルス制御信号に対応するエネルギランクの主駆動パルスP1をモータドライバ回路106に出力する。モータドライバ回路106は前記主駆動パルスP1によってステッピングモータ107を回転駆動する。ステッピングモータ107は前記主駆動パルスP1によって回転駆動されて、時刻針114〜116を回転駆動する。これにより、ステッピングモータ107が正常に回転した場合には、アナログ表示部112では、時刻針114〜116による現在時刻表示が行われる。
回転検出回路108の動作が各実施の形態によって異なっており、その詳細は後述するが、概略説明すると、本発明の第1の実施の形態では回転検出回路108は、2種類の基準しきい電圧Vinv、Vcompを用いて、所定の検出区間Tにおいて、ステッピングモータ107の回転自由振動によって駆動コイル209に発生する誘起電流Ikを検出素子によって誘起電圧信号VRsに変換し、基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを、所定の基準値(第1基準値、第2基準値)を超える誘起電流Ikと等価なものとして検出する。即ち、回転検出回路108は、検出区間Tにおいて、基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出することにより、等価的に、所定の基準値(第1基準値、第2基準値)を超える誘起電流Ikを検出する。
本発明の第2の実施の形態では回転検出回路108は、1種類の基準しきい電圧Vcompを用いて、所定の検出区間Tにおいて、ステッピングモータ107の回転自由振動によって駆動コイル209に発生する誘起電流Ikを検出素子によって誘起電圧信号VRsに変換し、基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを、所定の基準値を超える誘起電流Ikと等価なものとして検出する。即ち、回転検出回路108は、検出区間Tにおいて、基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出することにより、等価的に、所定の基準値を超える誘起電流Ikを検出する。
また、本発明の第3の実施の形態では回転検出回路108は、前記第1の実施の形態と同様に2種類の基準しきい電圧Vinv、Vcompを用いて、所定の検出区間Tにおいて、ステッピングモータ107の回転自由振動によって駆動コイル209に発生する誘起電流Ikを検出素子によって誘起電圧信号VRsに変換し、基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを、所定の基準値(第1基準値、第2基準値)を超える誘起電流Ikと等価なものとして検出する。即ち、回転検出回路108は、検出区間Tにおいて、基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出することにより、等価的に、所定の基準値(第1基準値、第2基準値)を超える誘起電流Ikを検出する。
本発明の各実施の形態において、ステッピングモータ107が回転した場合等のようにステッピングモータ107のロータが一定の速い動きを行う場合には誘起電圧信号VRsは基準電圧Vinv、Vcompを越え、又、ステッピングモータ107が回転しない場合等のようにロータが一定の速い動きを行わない場合には誘起電圧信号VRsは基準電圧Vinv、Vcompを越えないように基準電圧Vinv、Vcompは設定されている。
検出区間判別回路109は、回転検出回路108が検出した基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsの検出時刻と区間とを比較して、誘起電圧信号VRsのパターンを生成し、駆動エネルギの余裕の程度を判別する。
このように、回転検出回路108はステッピングモータ107が発生した基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRs(換言すれば基準値を超える誘起電流Ik)を検出する。検出区間判別回路109は前記誘起電圧信号VRsが検出期間Tにおけるどの区間に属するかを判定し、誘起電圧信号VRsの属する区間を表すパターンに基づいて、その時駆動した駆動パルスの駆動余裕の程度を判別する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からの誘起電圧信号VRsのパターンに基づいて、主駆動パルスP1のエネルギを1ランク上げる動作(パルスアップ)や主駆動パルスP1のエネルギを1ランク下げる動作(パルスダウン)あるいは主駆動パルスP1を変更せずに維持するように主駆動パルス発生回路104に主駆動パルス制御信号を出力してパルス制御を行い、又、補正駆動パルスP2によって駆動するように補正駆動パルス発生回路105に補正駆動パルス制御信号を出力するようにパルス制御を行う。
主駆動パルス発生回路104や補正駆動パルス発生回路105は前記制御信号に応じた駆動パルスをモータドライバ回路106に出力し、モータドライバ回路106は当該駆動パルスによってステッピングモータ107を回転駆動する。
図2は、本発明の各実施の形態で使用するステッピングモータ107の構成図で、アナログ電子時計で一般に用いられている時計用ステッピングモータの例を示している。
図2において、ステッピングモータ107は、ロータ収容用貫通孔203を有するステータ201、ロータ収容用貫通孔203に回転可能に配設されたロータ202、ステータ201と接合された磁心208、磁心208に巻回された駆動コイル209を備えている。ステッピングモータ107をアナログ電子時計に用いる場合には、ステータ201及び磁心208はネジ(図示せず)によって地板(図示せず)に固定され、互いに接合される。駆動コイル209は、第1端子OUT1、第2端子OUT2を有している。
ロータ202は、2極(S極及びN極)に着磁されている。磁性材料によって形成されたステータ201の外端部には、ロータ収容用貫通孔203を挟んで対向する位置に複数(本実施の形態では2個)の切り欠き部(外ノッチ)206、207が設けられている。各外ノッチ206、207とロータ収容用貫通孔203間には可飽和部210、211が設けられている。
可飽和部210、211は、ロータ202の磁束によっては磁気飽和せず、駆動コイル209が励磁されたときに磁気飽和して磁気抵抗が大きくなるように構成されている。ロータ収容用貫通孔203は、輪郭が円形の貫通孔の対向部分に複数(本実施の形態では2つ)の半月状の切り欠き部(内ノッチ)204、205を一体形成した円孔形状に構成されている。
切り欠き部204、205は、ロータ202の停止位置を決めるための位置決め部を構成している。駆動コイル209が励磁されていない状態では、ロータ202は、図2に示すように前記位置決め部に対応する位置、換言すれば、ロータ202の磁極軸Aが、切り欠き部204、205を結ぶ線分と直交するような位置(角度θ0位置)に安定して停止している。ロータ202の回転軸(回転中心)を中心とするXY座標空間を4つの象限(第1象限I〜第4象限IV)に区分している。
いま、モータドライバ回路106から矩形波の駆動パルスを駆動コイル209の端子OUT1、OUT2間に供給して(例えば、第1端子OUT1側を正極、第2端子OUT2側を負極)、図2の矢印方向に駆動電流iを流すと、ステータ201には破線矢印方向に磁束が発生する。これにより、可飽和部210、211が飽和して磁気抵抗が大きくなり、その後、ステータ201に生じた磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は図2の矢印方向に180度回転し、磁極軸が角度θ1位置で安定的に停止する。尚、ステッピングモータ107を回転駆動することによって通常動作(本実施の形態ではアナログ電子時計であるため運針動作)を行わせるための回転方向(図2では反時計回り方向)を正方向とし、その逆(時計回り方向)を逆方向としている。
次に、モータドライバ回路106から、逆極性の矩形波の駆動パルスを駆動コイル209の端子OUT1、OUT2に供給して(前記駆動とは逆極性となるように、第1端子OUT1側を負極、第2端子OUT2側を正極)、図2の反矢印方向に駆動電流iを流すと、ステータ201には反破線矢印方向に磁束が発生する。これにより、可飽和部210、211が先ず飽和し、その後、ステータ201に生じた磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は前記と同一方向(正方向)に180度回転し、磁極軸が角度θ0位置で安定的に停止する。
以後、このように、駆動コイル209に対して極性の異なる信号(交番信号)を供給することによって、前記動作が繰り返し行われて、ロータ202を180度ずつ矢印方向に連続的に回転させることができるように構成されている。
制御回路103は、相互に極性の異なる主駆動パルスP1で交互に駆動することによってステッピングモータ107を回転駆動し、主駆動パルスP1で回転できなかった場合には、当該主駆動パルスP1と同極性の補正駆動パルスP2で回転駆動する。
図3は、本発明の第1の実施の形態において、主駆動パルスP1によってステッピングモータ107を駆動した場合のタイミング図で、負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギの余裕の程度、ステッピングモータ107のロータ202の回転位置、回転状況を表す誘起電圧信号VRsのパターン及びパルス制御動作をあわせて示している。
図3は、通常駆動時(アナログ電子時計の電源電圧が定格電圧で時刻針114〜116を主駆動パルスP1によって運針駆動する時)の状態である。また図3において、P1は主駆動パルスP1を表すと共にロータ202が主駆動パルスP1によって回転駆動される駆動区間を表し、又、a〜eは主駆動パルスP1で駆動した際のロータ202の磁極軸Aの回転位置を表す領域である。
主駆動パルスP1駆動終了直後の所定時間を回転状況を検出するための検出区間Tとし、検出区間Tを連続する複数の区間(本第1の実施の形態では3つの区間T1〜T3)に区分している。本実施の形態では、主駆動パルスP1の駆動終了後の最初の所定時間を第1区間T1、第1区間T1よりも後の所定時間を第2区間T2、第2区間T2よりも後の所定時間を第3区間T3としている。
ロータ202を中心として、その回転によってロータ202の磁極軸Aが位置するXY座標空間を第1象限I〜第4象限IVに区分した場合、区間T1〜区間T3は次のように表すことができる。
例えば、主駆動パルスP1のランクを変更せずに維持する負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態において、第1区間T1は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況を判別する区間、第2区間T2は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、第3区間T3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間である。
また、主駆動パルスP1をパルスダウン制御する負荷増分中駆動(余裕中回転)の状態において、第1区間T1は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況を判別する区間、第2区間T2は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、第3区間T3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間である。負荷増分中駆動(余裕中回転)の状態は、負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態よりも、負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが大きい状態である。
また、主駆動パルスP1をパルスダウン制御する負荷増分小駆動(余裕大回転)の状態において、第1区間T1は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況を判別する区間、第2区間T2は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況及び最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間、第3区間T3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間である。負荷増分小駆動(余裕大回転)の状態は、負荷増分中駆動(余裕中回転)の状態よりも、負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが大きい状態である。
また、主駆動パルスP1をパルスダウン制御する負荷増分極小駆動(余裕極大回転)の状態において、第1区間T1は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、第2区間T2は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況及び最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間、第3区間T3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域cの後の状況を判別する区間である。負荷増分極小駆動(余裕極大回転)の状態は、負荷増分小駆動(余裕大回転)の状態よりも、負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが大きい状態である。
また、主駆動パルスP1をパルスアップ制御する負荷増分大駆動(ぎりぎり回転)の状態において、第1区間T1は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況を判別する区間、第2区間T2は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、第3区間T3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間である。負荷増分大駆動(ぎりぎり回転)の状態は、負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態よりも、負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが小さい状態である。
また、主駆動パルスP1による駆動では回転しなかった状態(補正駆動パルスP2による駆動及び主駆動パルスP1をパルスアップ制御する負荷増分極大駆動(非回転))の状態において、第1区間T1は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況を判別する区間、第2区間T2は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況及び第2象限II、第1象限Iにおけるロータ202の最初の逆方向領域dの回転状況を判別する区間、第3区間T3は第1象限Iにおけるロータ202の最初の逆方向領域dの回転状況及び第1象限Iにおけるロータ202の2度目の正方向領域eの回転状況を判別する区間である。負荷増分極大駆動(非回転)の状態は、負荷増分大駆動(ぎりぎり回転)の状態よりも、負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが小さい状態である。
誘起電圧信号VRsを検出する基準電圧を複数(本第1の実施の形態では第1基準電圧Vinvと第2基準電圧Vcompの2種類)用意している。
区間T1においては駆動電流iと同じ方向に駆動コイル209を流れる誘起電流Ikに対応する誘起電圧信号VRsを検出する。
区間T1は、駆動電流iと誘起電流Ikが同方向に流れる領域である。主駆動パルスP1のエネルギに対する負荷が大きくなると、ロータ202の回転が遅くなるため、誘起電流の発生時刻が遅くなる。区間T1より前に発生していた誘起電流Ikが遅れて区間T1で検出されることになる。
即ち、主駆動パルスP1のエネルギに対する負荷が所定値よりも小さい場合には、区間T1ではロータ202が一定速度よりも早く回転して所定値を超える誘起電流Ikは検出されないが、主駆動パルスのエネルギに対する負荷が所定値よりも大きくなると区間T1においてロータ202の回転が遅くなり、所定値を超える誘起電流Ikが検出されることになる。
本第1の実施の形態では係る現象を利用して、区間T1において所定の基準電圧を超える誘起電圧信号VRsが複数(本実施の形態ではT1、T1nextの2つ)検出されたか否かに基づいて、区間T2、T3で使用する基準電圧の選択を行い、又、駆動電流iと同じ方向又は逆方向に流れる誘起電流Ikの選択を切り換えて検出することにより、回転状況の判別やパルス制御を行うようにしている。
このように、最初の区間T1において所定の基準値を超える誘起電流Ikを複数検出したか否かに基づいて、区間T1の後の区間T2、T3において誘起電流Ikを検出する極性(検出方向)を切り換えて検出し、前記各区間T1〜T3における誘起電流Ik(実際には誘起電流Ikと等価な誘起電圧信号VRs)に基づいてステッピングモータ107の回転状況を検出するようにしている。したがって、負荷が大きくロータ202の回転が遅い場合でも、ロータ202の回転の早い段階で回転検出することができ、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になる。
また、回転が遅い場合には、基準値を小さくすることによって正確に回転状況を検出することができるようにしている。また、最初の区間T1において所定の基準値を超える誘起電流Ikを複数検出できないような、ロータ202が一定速度を超える速度で回転した場合には、誘起電流Ikの方向を切り換えなくても十分に大きい誘起電圧信号VRsが検出できるため、誘起電流Ikの方向を切り換えることなく、主駆動パルスP1と同方向に流れる誘起電流Ikに対応する誘起電圧信号VRsに基づいて、回転検出を行うことにより検出処理を簡素化することができるようにしている。
例えば、図3において、負荷増分極小駆動(余裕極大回転)の状態、負荷増分小駆動(余裕大回転)の状態および負荷増分極大駆動(非回転)の状態では、区間T1では、第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsは1つしか検出されていないため、その後の区間T2、T3での回転検出は、第2基準電圧Vcompを用いて行う。
一方、負荷増分中駆動(余裕中回転)の状態、負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態および負荷増分大駆動(ぎりぎり回転)の状態では、区間T1では、複数の基準値を超える誘起電流を複数回(本実施の形態では、第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsが2つ、第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsが1つ)検出されているため、その後の回転検出は、第2基準電圧Vcompを用いて区間T2R、T3Rにおいて行うようにしている。尚、図3には、区間T1〜T3を用いる場合をout1、区間T2R、T3Rを用いる場合をout2として示している。
このように、区間T1において複数の基準値を超える誘起電流Ikを複数回検出できない場合は、主駆動パルスP1のエネルギが十分に大きいため問題なく回転する場合かエネルギが不足して回転できない場合のいずれかであるため、その後の回転検出動作を変更することなく正確に回転、非回転の検出が可能である。
これに対して、区間T1において複数の基準値を超える誘起電流Ikを複数回検出できる場合は、主駆動パルスP1のエネルギが全く不足しているという訳ではないが必ずしも十分に大きいとはいえない状態であり、回転が遅くなって正確な回転判別が困難になる恐れがある。しかしながら、その後の区間T2、T3での回転検出を、前述したように誘起電流Ikの検出方向を切り換えることにより、駆動電流iと誘起電流Ikが同方向の場合の領域cにおける回転検出から、駆動電流iと誘起電流Ikが逆方向の場合の領域bにおける回転検出に切り換え、回転検出精度を高めるようにしている。
図4は本発明の第1の実施の形態におけるパルス制御動作をまとめた判定チャートである。
図4において、T1は区間T1を表すと共に区間T1内で基準電圧Vinv、Vcompを超える1つめの誘起電圧信号VRsを検出したか否かの判定値を表している。また、T1nextは、区間T1内で基準電圧Vinv、Vcompを超える2つめの誘起電圧信号VRsを検出したか否かの判定値を示している。
区間T1、T2、T3は、駆動電流iと誘起電流Ikが同方向に流れるときに検出する区間であり、区間T2R、T3Rは、区間T2、T3とは検出方向を逆方向にして誘起電流Ikを検出する区間である。区間T2と区間T2Rの幅及び位置は同じであり、又、区間T3と区間T3Rの時間幅及び位置は同じである。即ち、区間T2、T3と区間T2R、T3Rは、誘起電流Ikの検出方向が逆になっている点でのみ異なっている。
前述したとおり、第1基準電圧Vinv、第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出した場合を各々判定値「1」、第1基準電圧Vinv、第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出できなかった場合を各々判定値「0」と表している。「1/0」は、判定値が「1」、「0」のどちらでもよいことを表している。また、「−」は、誘起電圧信号VRsのパターンとして考慮しないことを示している。
誘起電圧信号VRsのパターンは、区間T1、T2、T3を用いたパターンの場合、(区間T1内で基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを最初に検出したか否かの判定値(T1),区間T1内で基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを2つめに検出したか否かの判定値(T1next),区間T2内で第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かの判定値(T2),区間T3内で第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かの判定値(T3))と表している。
区間T1、T2R、T3Rを用いたパターンの場合、(区間T1内で基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを最初に検出したか否かの判定値(T1),区間T1内で基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsを2つめに検出したか否かの判定値(T1next),区間T2R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かの判定値(T2R),区間T3R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かの判定値(T3R))と表している。
回転検出回路108が基準電圧Vinv、Vcompを超える誘起電圧信号VRsの有無を検出し、検出区間判別回路109が誘起電圧信号VRsのパターン(主駆動パルスP1のエネルギの余裕度を表す。)を判定し、制御回路103は、制御回路103内部に記憶した図4の判定チャートを参照して前記パターンに基づいて、主駆動パルスP1のパルスアップやパルスダウンあるいは補正駆動パルスP2による駆動等の後述するパルス制御を行ってステッピングモータ107を回転制御する。
図5は、本発明の第1、第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計で使用する部分詳細回路図で、モータドライバ回路106及び回転検出回路108の部分詳細回路図である。
動作の詳細は後述するが、スイッチ制御回路303は、回転駆動時、主駆動パルス発生回路104又は補正駆動パルス発生回路105から供給される制御信号Viに応答して、トランジスタQ2、Q3を同時にオン状態とする、あるいは、トランジスタQ1、Q4を同時にオン状態とすることによって駆動コイル209に対して正方向あるいは逆方向に駆動電流を供給し、これによってステッピングモータ107を回転駆動する。
尚、本発明の各実施の形態では、主駆動パルスP1と補正駆動パルスP2は、駆動エネルギを供給する供給状態と駆動エネルギの供給を停止する供給停止状態を所定周期で交互に繰り返す波形(櫛歯状)の駆動パルスを用いている。
また、スイッチ制御回路303は、回転検出時、トランジスタQ3〜Q6をオン状態、オフ状態、スイッチング状態のいずれかに制御して、第1検出抵抗301又は第2検出抵抗302に誘起電圧信号VRsが発生するように制御する。
トランジスタQ1、Q2はモータドライバ回路106の構成要素であり又、トランジスタQ5、Q6及び検出抵抗301、302は回転検出回路108の構成要素である。トランジスタQ3、Q4、スイッチ制御回路303は、モータドライバ回路106及び回転検出回路108の双方に兼用される構成要素である。また、検出抵抗301、302、コンパレータ304、インバータ305、306、NAND回路307は回転検出回路108の構成要素である。検出抵抗301、302は抵抗値が同一の素子であり、検出素子を構成している。また、トランジスタQ1〜Q6は、各々、オン状態ではオン抵抗が小さく、低インピーダンス素子を構成する。検出抵抗301、302は、トランジスタQ1〜Q6のオン抵抗に比べて大きい値であり、高インピーダンス素子を構成している。
コンパレータ304の基準信号入力部には第2基準電圧Vcompが入力され、その第1、第2入力部には各々検出抵抗301、302が検出した誘起電圧信号VRsが入力されるように構成されている。検出抵抗301又は302に第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsが生じた場合、コンパレータ304から高レベル信号「1」の検出信号Vsが検出区間判別回路109に出力される。
また、インバータ305、306の閾値は、各々、第1基準電圧Vinvに設定されている。検出抵抗301に第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsが生じた場合には、インバータ306から低レベル信号「0」が出力され、NAND回路307からは高レベル「1」の検出信号Vsが検出区間判別回路109に出力される。検出抵抗302に第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsが生じた場合には、インバータ305から低レベル信号「0」が出力され、NAND回路307からは高レベル「1」の検出信号Vsが検出区間判別回路109に出力される。
検出区間判別回路109は、誘起電流Ikの検出方向や、使用する基準電圧Vinv、Vcompに応じて、コンパレータ304又はNAND回路307からの検出信号Vsを選択して、誘起電圧信号VRsがどの区間T1〜T3、T2R、T3Rに属するのかを判別する。
図6は、本発明の第1の実施の形態のタイミング図で、誘起電流Ikの検出方向を切り換えないで検出する場合のタイミング図である。図6は、負荷増分小駆動(余裕大回転)の状態のときのタイミング図であり、誘起電流Ikが駆動電流iと同一方向に流れる状態(区間T1、T2、T3)で検出するときのタイミングを示している。
ステッピングモータ107を回転駆動する場合、スイッチ制御回路303は駆動期間P1である時刻ta〜tbの間、トランジスタQ3をオンにした状態でトランジスタQ2を所定周期でオン状態(供給状態)とオフ状態(供給停止状態)を繰り返してスイッチングすることにより櫛歯状の主駆動パルスP1を生成し、ステッピングモータ107の駆動コイル209に図6矢印方向の駆動電流iを供給する。これにより、ステッピングモータ107が回転する場合は、ロータ202が正方向に180度回転する。
一方、主駆動パルスP1の駆動期間P1終了時刻tbから時刻tcまでの検出区間Tにおいて回転状況の検出が行われる。
即ち、時刻tbから始まる区間T1において、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ3、Q6をオン状態にした状態でトランジスタQ4を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗302に駆動電流iと同方向に誘起電流Ikが流れるようにする。これによって検出抵抗302には誘起電圧信号VRsが発生する。
コンパレータ304は、誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、インバータ305は、誘起電圧信号VRsが第1基準電圧Vinvを超えていれば「0」、超えていなければ「1」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「1」又は「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
検出区間判別回路109は、コンパレータ304とNAND回路307からの検出信号Vsに基づいて、区間T1において所定の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRs(本実施の形態では少なくとも第1基準電圧Vcompを超える2つの誘起電圧信号VRs)が検出されたか否かを判定する。
図6の例では、区間T1において所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されていないため、回転検出回路108のスイッチ制御回路303は区間T2、T3においても、誘起電流Ikの流れる方向を変更せずに検出動作を行う。したがって、区間T2、T3においても、各トランジスタに対して上記と同じ動作を行うように駆動制御する。
この場合、区間T2、T3では、第1基準電圧Vinvは使用せず、第2基準電圧Vcompを用いて判別した誘起電圧信号VRsの判定値のみが用いられる。即ち、検出区間判別回路109には、NAND回路307とコンパレータ304の両方から検出信号Vsが入力されるが、検出区間判別回路109は区間T2、T3においては、コンパレータ304からの検出信号Vsに対してのみ区間T2、T3に属するか否かの判別を行う。これにより、区間T1において所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されていない非回転の状況でも、レベルの高い第2基準電圧Vcompを用いて判別することによって、より正確に回転状況の判別が可能になる。また、励起電流Ikの検出方向を切り換えないため、検出動作が簡単になる。
検出区間判別回路109はその判別結果を、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1における最初の判定値,区間T1における次の判定値(T1next),区間T2の判定値,区間T3の判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、図4の判定チャートを参照してステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスダウン、パルスアップ+補正駆動パルスP2による駆動等のパルス制御を行う。
図6に示したサイクルの終了後、次のサイクルでも、区間T1において所定の所定基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されない場合には、同様の動作を行うように、各トランジスタQ1〜Q6が駆動制御される。即ち、トランジスタQ3の代わりにトランジスタQ4がオン状態にされると共に、トランジスタQ2の代わりにトランジスタQ1がトランジスタQ2と同じ周期でスイッチング駆動され、前サイクルとは逆極性の櫛歯状主駆動パルスP1による駆動が行われる。また、検出区間Tでは、トランジスタQ4の代わりにトランジスタQ3がトランジスタQ4と同じ周期でスイッチングされ、トランジスタQ3、Q6の代わりにトランジスタQ4、Q5がオン状態に駆動される。これにより、誘起電流Ikに基づく回転検出が行われる。
ステッピングモータ107の回転によって発生する誘起電圧信号VRsは検出抵抗301に生じ、コンパレータ304は誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompを比較した結果を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。また、インバータ306は誘起電圧信号VRsと第1基準電圧Vinvを比較し、比較結果に応じて「1」又は「0」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「0」又は「1」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
区間T1において所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されていない場合には前記同様の動作が行われ、区間T2、T3において前サイクルと同様に、検出区間判別回路109がコンパレータ304からの検出信号Vsについてのみ区間判定を行う。
検出区間判別回路109は、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1における最初の判定値,区間T1における次の判定値(T1next),区間T2の判定値,区間T3の判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、ステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスダウン、パルスアップ+補正駆動パルスP2による駆動等のパルス制御を行う。
区間T1において所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されない場合には、前記2つのサイクルを交互に繰り返すことにより、ステッピングモータ107の回転制御が行われる。
図7は、本発明の第1の実施の形態のタイミング図で、誘起電流Ikの検出方向を切り換えて検出する場合のタイミング図であり、負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態のときのタイミングを示している。図7では、区間T2R、T3Rにおいて誘起電流Ikの検出方向を逆方向に切り換えて検出するために、誘起電圧信号VRsの極性を反転して検出するようにする。これにより、図6のように時間的に遅い領域cにおいて検出するのではなく、時間的に早い領域bにおいて誘起電圧信号VRsを検出できるように構成して、回転が遅い場合でも、より高精度に回転検出できるようにしている。
ステッピングモータ107を回転駆動する場合、スイッチ制御回路303は駆動期間P1である時刻ta〜tbの間、トランジスタQ3をオンにした状態でトランジスタQ2を所定周期でオン状態(供給状態)とオフ状態(供給停止状態)を繰り返すようにスイッチングすることにより、櫛歯状の主駆動パルスP1で、ステッピングモータ107の駆動コイル209に図5矢印方向の駆動電流iを供給する。これにより、ステッピングモータ107が回転する場合は、ロータ202が正方向に180度回転する。
一方、主駆動パルスP1の駆動期間P1終了時刻tbから時刻tcまでの検出区間Tにおいて回転状況の検出が行われる。
即ち、時刻tbから始まる区間T1において、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ3、Q6をオン状態にした状態でトランジスタQ4を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗302に駆動電流iと同方向に誘起電流Ikが流れるようにする。これによって検出抵抗302には誘起電圧信号VRsが発生する。
コンパレータ304は、誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、インバータ305は、誘起電圧信号VRsが第1基準電圧Vinvを超えていれば「0」、超えていなければ「1」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「1」又は「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
検出区間判別回路109は、コンパレータ304とNAND回路307からの検出信号Vsに基づいて、区間T1において所定の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRs(本実施の形態では第1基準電圧Vinvを超える2つの誘起電圧信号VRs)が検出されたか否かを判定する。即ち、検出区間判別回路109は、区間T1において、ロータ202の回転が所定速度よりも遅いか否かを判定する。
図7の例では、区間T1において所定の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRs(本実施の形態では第1基準電圧Vinvを超える2つの誘起電圧信号VRs)が検出されているため(ロータ202の回転が遅い状態である。)、スイッチ制御回路303は、区間T1に続く区間(区間T2R、区間T3R)において、誘起電流Ikの検出方向をそれまでとは逆方向に切り換えて検出するように動作する。
区間T2R、T3Rにおいて、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ4、Q5をオン状態、トランジスタQ6をオフ状態にした状態でトランジスタQ3を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗301に誘起電流Ikが流れるようにする。検出抵抗301には、区間T2、T3とは検出方向が逆方向の誘起電圧信号VRsが発生し、検出方向が逆方向に切り換えられた誘起電流Ikの検出が行われることになる。これにより、領域bで発生する誘起電圧信号VRsの検出が行われることになる。
コンパレータ304は、誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、インバータ306は、誘起電圧信号VRsが第1基準電圧Vinvを超えていれば「0」、超えていなければ「1」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「1」又は「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
区間T2R、T3Rでは、回転が遅く誘起信号VRsのレベルが低いため検出感度を上げるべく、第2基準電圧Vcompは使用せずに、第1基準電圧Vinvを用いて判別した誘起電圧信号VRsの判定値のみが用いられる。即ち、検出区間判別回路109にはNAND回路307とコンパレータ304の両方から検出信号Vsが入力されるが、検出区間判別回路109は区間T2R、T3Rにおいては、NAND回路307からの検出信号Vsに対してのみ区間T2R、T3Rに属するか否かの判別を行う。
検出区間判別回路109はその判別結果として、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1における最初の判定値,区間T1における次の判定値(T1next),区間T2の判定値,区間T3の判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、ステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスダウン、維持、パルスアップ等のパルス制御を行う。
このように、区間T1において負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが小さくロータ202の回転が遅いと判別した場合には、区間T1より後の区間において誘起電流Ikの検出方向を逆に切り換えて検出し、回転状況の判別を行うことにより、ロータの回転の早い段階(ロータ202の回転領域b)において回転検出が可能になるため、より正確に回転状況を検出することが可能になる。また、ロータ202の回転が遅く誘起電圧信号VRsのレベルが低い場合でも、区間T1において所定の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRs(本実施の形態では第1基準電圧Vinvを超える2つの誘起電圧信号VRs)が検出されているため、確実に切欠き部204、205を結ぶ線分と直交するような位置に安定静止することができ、より低い基準電圧である第1基準電圧Vinvを用いることによって、より正確な回転状況の判別が可能になる。
図7に示したサイクルの終了後、次のサイクルにおいても、区間T1において複数の所定基準電圧Vinv、Vcompを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出された場合には、前記同様の動作を行うように、各トランジスタQ1〜Q6が駆動制御される。即ち、トランジスタQ3の代わりにトランジスタQ4がオン状態にされると共にトランジスタQ2の代わりにQ1がトランジスタQ2と同じ周期でスイッチング駆動され、前サイクルとは逆極性の櫛歯状主駆動パルスP1による駆動が行われる。
検出区間Tの区間T1では、トランジスタQ4の代わりにトランジスタQ3がトランジスタQ4と同じ周期でスイッチングされ、トランジスタQ3、Q6の代わりにトランジスタQ4、Q5がオン状態に駆動される。これにより、検出抵抗301に駆動電流iと同方向に誘起電流Ikが流れ、検出抵抗301には誘起電圧信号VRsが発生する。これにより、駆動電流iと同方向に流れる誘起電流Ikに基づく回転検出が行われる。
また、区間T2R、T3Rでは、トランジスタQ4、Q5の代わりにトランジスタQ3、Q6をオン状態にした状態で、トランジスタQ3の代わりにトランジスタトランジスタQ4を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗302に誘起電流Ikが流れるようにする。検出抵抗302には誘起電圧信号VRsが発生し、これにより、検出方向が逆方向に切り換えられた誘起電流Ikの検出が行われることになる。
前サイクルと同様にして、ステッピングモータ107の回転によって発生する誘起電圧信号VRsは、区間T1では第1基準電圧Vinv及び第2基準電圧Vcompに基づいて判定値が得られ、又、区間T2R、T3Rでは第1基準電圧Vinvのみに基づいて判定値が得られる。
検出区間判別回路109はその判別結果として、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1における最初の判定値,区間T1における次の判定値(T1next),区間T2の判定値,区間T3の判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、ステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスダウン、維持、パルスアップ等のパルス制御を行う。
区間T1において所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出された場合には、前記2つのサイクルを交互に繰り返すことにより、ステッピングモータ107の回転制御が行われる。
上述した4つのサイクルの組み合わせによって、負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギの大きさに応じた回転駆動動作、回転検出動作、パルス制御動作が行われる。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計の動作を示すフローチャートであり、主として制御回路103の処理を示すフローチャートである。
以下、図1〜図8を参照して、本発明の第1の実施の形態の動作を詳細に説明する。
図1において、発振回路101は所定周波数の基準クロック信号を発生し、分周回路102は発振回路101で発生した前記信号を分周して計時の基準となる時計信号を発生し、制御回路103に出力する。
制御回路103は、前記時計信号を計数して計時動作を行い、先ず主駆動パルスP1nのエネルギランクn及び同一主駆動パルスP1による連続駆動回数を表す計数値Nを0にリセットする(図8のステップS501)。
制御回路103は、回転検出回路108が、駆動電流iと同方向に流れる誘起電流Ik(換言すれば誘起電圧信号VRs)に基づいて回転検出を行う(Rs−Nとする)ように初期設定する(ステップS502)。
次に制御回路103は、処理ステップS501で設定した最小エネルギの主駆動パルスP10でステッピングモータ107を回転駆動するように主駆動パルス制御信号を出力する(ステップS503、S504)。
主駆動パルス発生回路104は、制御回路103からの前記制御信号に応答して、前記制御信号に対応する主駆動パルスP10をモータドライバ回路106に出力する。モータドライバ回路106は主駆動パルスP10によってステッピングモータ107を回転駆動する。ステッピングモータ107は主駆動パルスP10によって回転駆動されて、アナログ表示部112の時刻針114〜116を回転駆動する。これにより、ステッピングモータ107が正常に回転した場合、アナログ表示部112では、時刻針114〜116によって随時現在時刻が表示される。また、ステッピングモータ107によって図示しないカレンダ表示部が回転駆動された場合には、カレンダ表示が翌日の表示に切り換えられる。
回転検出回路108は、駆動電流iと同方向に流れ所定基準値を超える誘起電流Ikの有無を検出する。換言すれば、回転検出回路108は、区間T1において複数の所定基準電圧Vinv、Vcompを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されたか否かを判定する。即ち、回転検出回路108は先ず、図6、図7で説明したようにして、誘起電流Ikが駆動電流iと同方向に流れるように駆動しながら、誘起電圧信号VRsを検出する。制御回路103は、回転検出回路108が第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS505)。
制御回路103は、処理ステップS505において第1基準電圧Vinvを超える誘起信号を検出していないと判定した場合、以降の区間では図6に示したようにして、誘起電流Ikの検出方向は変えずに維持しながら第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定するように回転検出回路108を制御する。検出区間判別回路109は、回転検出回路108が検出した第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsがどの区間T2、T3に属するのかを判別する。
制御回路103は、区間T2において第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判別し(ステップS506)、区間T2内で第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合、区間T3において第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS507)。
制御回路103は、処理ステップS507において区間T3内で第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合(負荷増分極大駆動(非回転)の場合である。)、補正駆動パルスP2で駆動するように補正駆動パルス発生回路105に制御信号を出力する(ステップS508)。補正駆動パルス発生回路105は制御回路103からの前記制御信号に応答して補正駆動パルスP2をモータドライバ回路106に出力する。モータドライバ回路106は補正駆動パルスP2でステッピングモータ107を強制的に回転させる。
次に制御回路103は、今回駆動した主駆動パルスP1(処理ステップS504の主駆動パルス)のエネルギのランクnが最大ランクmでない場合には(ステップS509)、次回駆動する主駆動パルスP1のランクnを1ランクパルスアップした後、処理ステップS502に戻る(ステップS510)。主駆動パルス発生回路104は、次回の処理ステップS504では1ランクパルスアップした主駆動パルスP1(n+1)によって回転駆動する。
制御回路103は、処理ステップS509において主駆動パルスP1のランクnが最大ランクmと判定した場合には、主駆動パルスP1のランクnは上げることができず又回転させることもできないため、省電力化を図るべく主駆動パルスP1のランクを所定ランクa下げた主駆動パルスP1(n−a)に設定した後に処理ステップS502に戻る(ステップS511)。
制御回路103は、処理ステップS506において第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを区間T2内で検出したと判定した場合(負荷増分極小(余裕極大回転)の場合である。)、主駆動パルスP1が最低ランク0か否かを判定する(ステップS530)。
制御回路103は、処理ステップS530において主駆動パルスP1のランクnが最低ランク0ではないと判定した場合、連続駆動回数の計数値Nに1加算し(ステップS532)、計数値Nが所定回数(本第1の実施の形態では80回)になったか否かを判定する(ステップS533)。
制御回路103は、処理ステップS533において、前記所定回数になっていないと判断した場合には主駆動パルスP1のランクnは変更せずに処理ステップS502に戻り(ステップS531)、前記所定回数になったと判断した場合には主駆動パルスP1のランクnを1ランクパルスダウンすると共に計数値Nを0にリセットして処理ステップS502に戻る(ステップS534)。
制御回路103は、処理ステップS530において主駆動パルスP1が最低ランク0であると判定した場合には、処理ステップS531へ移行して、主駆動パルスP1のランクnは変更せずに処理ステップS502に戻る。
一方、制御回路103は、処理ステップS505において回転検出回路108が第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、当該誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えるか否かを判定する(ステップS520)。
制御回路103は、処理ステップS520において当該誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えないと判定した場合、処理ステップS506に移行する。
制御回路103は、処理ステップS520において当該誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えたと判定すると、回転検出回路108が次に検出した誘起電圧信号VRs(T1next)が区間T1内で第1基準電圧Vcompを超えたか否かを判定する(ステップS521)。
制御回路103は、処理ステップS521において前記次に検出した誘起電圧信号VRs(T1next)が区間T1内で第1基準電圧Vcompを超えないと判定すると、処理ステップS506に移行する。
制御回路103は、処理ステップS521において前記次に検出した誘起電圧信号VRs(T1next)が区間T1内で第1基準電圧Vinvを超えると判定した場合(複数の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRsが検出された場合である。)、図7で説明したように、回転検出回路108が誘起電流Ik(換言すれば誘起電圧信号VRs)の検出方向を逆方向に切り換えて回転検出を行う(Rs−Rとする)ように制御する(ステップS522)。
回転検出回路108は、以下、図7で説明したように区間T2R、T3Rにおいて、検出抵抗301、302を切り換えることによって誘起電流Ikの検出方向を逆方向に切り換えて、第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsの有無を検出する。検出区間判別回路109は、回転検出回路108が検出した第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsが区間T2R、T3Rに属するか否かを判別し、誘起電圧信号VRsのパターンを制御回路103に出力する。
即ち、制御回路103は、前記次に検出した誘起電圧信号VRsが区間T1内で第2基準電圧Vcompを超えたか否かを判定し(ステップS523)、前記次に検出した誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えると判定した場合には、区間T2R内で第1基準電圧Vinvを超える他の誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS525)。
制御回路103は、処理ステップS525において区間T2R内で第1基準電圧Vinvを超える他の誘起電圧信号VRsを検出していないと判定すると、区間T3R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS526)。
制御回路103は、処理ステップS526において、区間T3R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合(負荷増分極大駆動(非回転)の場合である。)は処理ステップS508に移行し、区間T3R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合(負荷増分大駆動(ぎりぎり回転)の場合である。)は処理ステップS509に移行する。
制御回路103は、処理ステップS525において区間T2R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合(負荷増分大駆動(余裕小回転)の場合である。)は処理ステップS531に移行する。
制御回路103は、処理ステップS523において前記次に検出した誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えていないと判定した場合、区間T2R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS524)。
制御回路103は、処理ステップS524において、区間T2R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合は処理ステップS526に移行し、区間T2R内で第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合(負荷増分中駆動(余裕中回転)の場合である。)は処理ステップS530に移行する。
前記処理を繰り返すことにより、ステッピングモータ107の回転状況に応じたエネルギの駆動パルスP1、P2を選択してステッピングモータ107の回転駆動が行われる。
以上述べたように本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路は、複数の区間T1〜T3に区分された検出区間Tにおいてステッピングモータ107の自由振動によって駆動コイル209に流れる誘起電流Ikを検出し、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い誘起電流Ikの検出時刻が遅くなると共にレベルが低下することを利用して、各区間T1〜T3において所定の基準値Vinvを超える誘起電流Ikを検出したか否かを表すパターンに基づいてステッピングモータ107の回転状況を検出する回転検出部と、相互にエネルギが相違する複数種類の駆動パルスの中から前記回転検出部が検出した回転状況に応じた駆動パルスを選択し、前記選択した駆動パルスによって駆動コイル209に駆動電流iを供給してステッピングモータ107を回転駆動する制御部とを備え、前記回転検出部は、検出区間Tにおける最初の区間である第1区間T1において所定の基準値Vinvを超える誘起電流Ikを検出したか否かに基づいて、第1区間T1の後の区間T2、T3において誘起電流Ikの検出方向を選定して検出し、各区間T1〜T3において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出することを特徴としている。
ここで、前記回転検出部は、前記第1区間T1において所定の基準値Vinvを超える誘起電流Ikを検出した場合には第1区間T1より後の区間T2、T3において誘起電流Ikの検出方向を第1の方向に選定して検出し、第1区間T1において前記所定の基準値Vinvを超える誘起電流Ikを検出しなかった場合には第1区間T1よりも後の区間T2、T3において誘起電流Ikの検出方向を前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に選定して検出し、各区間T1〜T3において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出するように構成することができる。
また、前記回転検出部は、検出区間Tにおける最初の第1区間T1において所定の基準値Vinvを超える誘起電流Ikを複数検出したか否かに基づいて、第1区間T1の後の区間T2、T3において誘起電流Ikの検出方向を選定して検出し、各区間T1〜T3において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出するように構成することができる。
また、前記回転検出部は、検出区間Tにおける最初の第1区間T1において所定の基準値Vinvを超える誘起電流Ikを複数検出した場合、第1区間T1の後の区間T2、T3では第1区間T1とは逆方向に誘起電流Ikの検出方向を切り換えて検出し、各区間T1〜T3において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出するように構成することができる。
また、前記回転検出部は、検出区間Tにおける最初の第1区間T1において所定の基準値Vinvを超える誘起電流Ikを複数検出しなかった場合、第1区間T1の後の区間T2、T3では検出方向を第1区間T1と同方向にして誘起電流Ikを検出し、各区間T1〜T3において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出するように構成することができる。
また、第1区間T1において駆動電流iと誘起電流Ikが同方向に流れるようにして検出するように構成することができる。
また、前記複数の基準値として、第1基準値Vinvと、第1基準値Vinvよりも大きい第2基準値Vcompが設けられて成るように構成することができる。
また、前記回転検出部は、検出区間Tにおける最初の第1区間T1において第1基準値を超える誘起電流Ikを複数検出した場合、第1区間T1の後の区間T2、T3では前記第1基準値に基づいて誘起電流Ikを検出するように構成することができる。
また、前記回転検出部は、検出区間Tにおける最初の第1区間T1において第1基準値を超える誘起電流Ikを複数検出することがなかった場合、第1区間T1の後の区間T2、T3では第2基準値に基づいて誘起電流Ikを検出するように構成することができる。
また、検出区間Tは主駆動パルスP1による駆動直後の第1区間T1、第1区間T1よりも後の第2区間T2、第2区間T2よりも後の第3区間T3に区分されると共に、駆動パルスのランクnを維持してステッピングモータ107を駆動する状態において、第1区間T1はステッピングモータ107のロータ202を中心とする空間の第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第2区間T2は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第3区間T3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、前記回転検出部は、第1区間T1において第1基準値を超える誘起電流Ik複数検出した場合、第2区間T2及び第3区間T3では第1基準値を用いて誘起電流Ikを検出するように構成することができる。
また、検出区間Tは主駆動パルスP1による駆動直後の第1区間T1、第1区間T1よりも後の第2区間T2、第2区間T2よりも後の第3区間T3に区分されると共に、主駆動パルスP1のランクnを維持してステッピングモータ107を駆動する状態において、第1区間T1はステッピングモータ107のロータ202を中心とする空間の第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第2区間T2は第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第3区間T3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、前記回転検出部は、第1区間T1において第1基準値を超える誘起電流Ikを複数検出することがなかった場合、第2区間T2及び第3区間T3では第2基準値を用いて誘起電流Ikを検出するように構成することができる。
また、前記回転検出部は、ステッピングモータ107の自由振動によって駆動コイル209を相互に逆方向に流れる誘起電流Ikを検出する第1、第2検出抵抗301、302を有すると共に、検出区間Tにおいて、ステッピングモータ107の駆動コイル209と検出抵抗301又は302とを含む第1閉回路と、駆動コイル208と低インピーダンス素子とによって構成される第2閉回路とを交互に繰り返すことによって誘起電流Ikを検出するようにして成り、検出する誘起電流Ikの方向に応じて、第1閉回路を構成する検出抵抗を第1検出抵抗301又は第2検出抵抗302に切り換えて検出するように構成することができる。
したがって、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路によれば、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になる。
また、回転が遅くなった場合に、主駆動パルスP1遮断後ロータ202の速度が最大になる区間(b領域)における回転を検出することにより、高レベルで安定した誘起電流Ik(換言すれば誘起電圧信号VRs)を得ることができ、負荷変動に対しても影響を受けにくく安定した検出性能を提供することが可能になる。
また、主駆動パルスP1遮断直後の回転検出を行うことにより、負荷変動の影響を受けにくく、誘起電圧信号VRs発生時刻に基づく駆動制御動作の精度向上を図ることが可能になり、無駄な消費電力を低減できるという効果を奏する。
また、回転検出精度が向上するため、回転したにも拘わらず非回転と誤検出して補正駆動パルスP2駆動することを低減でき、消費電力の浪費を抑制することができる。
また、負荷増大に伴い回転検出時間が遅くなることを利用して回転状況を検出する際、一定以上の負荷変動(カレンダ負荷、大きな針モーメントの負荷)にロータ202の角速度が低下し、回転はしているが誘起電圧信号VRsが低下し、補正駆動パルスP2によって駆動してしまう事態の発生を低減することが可能になり、したがって、消費電力の低減、ひいては電源として使用する電池の寿命を長くすることが可能になる。
また、負荷増大に伴い誘起電圧信号VRsの検出時刻が遅くなることを利用したステッピングモータ制御回路において、負荷変動の影響を受け難く安定した検出が可能になる。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
前記第1の実施の形態では片方の極性の誘起信号VRsを検出することによって回転状況を判別し、当該判別結果に基づいて誘起電流Ikの方向を選択して回転検出するように構成したが、本発明の第2の実施の形態では、両方の極性の誘起信号VRsを検出することによって回転状況を判別し、当該判別結果に基づいて誘起電流Ikの方向を選択して回転検出するように構成している。これにより、負荷に対する駆動エネルギが相対的に低下した場合でも適切な誘起電流Ikを選択して、領域cではなく領域bでの回転検出を確実に行い、正確な回転検出を可能にしている。尚、第1の実施の形態では基準電圧として2種類の基準電圧Vinv、Vcompを用いたが、本第2の実施の形態では基準電圧として1種類の基準しきい電圧Vcompを用いるように構成している。
図9は、本発明の第2の実施の形態において、主駆動パルスP1によってステッピングモータ107を駆動した場合のタイミング図である。
図9は、通常駆動時(アナログ電子時計の電源電圧が定格電圧で時刻針114〜116を主駆動パルスP1によって運針駆動する時)の状態である。また図9において、P1は主駆動パルスP1を表すと共にロータ202が主駆動パルスP1によって回転駆動される駆動区間を表し、又、a〜eは主駆動パルスP1で駆動した際のロータ202の磁極軸Aの回転位置を表す領域である。
主駆動パルスP1駆動終了後の所定期間を回転状況を検出するための検出区間Tとし、検出区間Tを連続する複数の区間に区分している。主駆動パルスP1によって駆動したとき駆動コイル209に流れる駆動電流と同方向の誘起電流Ikを検出する場合には第1区間T1bと第4区間T2の2つの区間を使用し、又、主駆動パルスP1によって駆動したとき駆動コイル209に流れる駆動電流と逆方向の誘起電流Ikを検出する場合には第1区間T1b、第2区間T2R、第3区間T3Rの3つの区間を使用している。区間T2Rと区間T3Rの時間幅の和は区間T2の時間幅と等しくなる。尚、区間T1aは主駆動パルス駆動直後に設けたマスク区間であり、この区間T1aにおいて発生した誘起電流Ikは回転状況の判定には使用しない。
ロータ202を中心として、その回転によってロータ202の磁極軸Aが位置するXY座標空間を第1象限I〜第4象限IVに区分した場合、区間T1b、T2、T2R、T3Rは次のように表すことができる。
例えば、主駆動パルスP1のランクを変更せずに維持する負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態において、駆動電流iとは逆方向(他方向)の誘起電流Ikを検出する場合、区間T2Rは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、区間T3Rは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間である。
主駆動パルスP1をパルスダウンする余裕大回転の状態において、駆動電流iと同方向(一方向)の誘起電流Ikを検出する場合、区間T1bは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、区間T2は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域c以後の回転状況を判別する区間である。
誘起電圧信号VRsを検出する基準電圧として1種類の基準電圧Vcompを用いている。
区間T1bにおいては、駆動電流iと同じ方向に駆動コイル209を流れる誘起電流Ikに対応する誘起電圧信号VRsと、駆動電流iとは逆方向に駆動コイル209を流れる誘起電流Ikに対応する誘起電圧信号VRsの双方を検出する。
主駆動パルスP1のエネルギに対する負荷が大きくなると、ロータ202の回転が遅くなるため、誘起電流Ikの発生時刻が遅くなる。この場合、区間T1bより前に発生していた誘起電流Ikが遅れて区間T1bで検出されることになる。
即ち、区間T1bにおいては、主駆動パルスP1のエネルギに対する負荷が所定値以下の場合、ロータ202が一定速度よりも早く回転するため、駆動電流iと同方向に流れ所定値を超える誘起電流Ikは検出されず、駆動電流iとは逆方向に流れ所定値を超える誘起電流Ikが検出される。
逆に、主駆動パルスP1のエネルギに対する負荷が所定値よりも大きくなる場合には、区間T1bではロータ202の回転速度が一定速度以下に遅くなるため、駆動電流iと同方向に流れ所定値を超える誘起電流Ikが検出され、駆動電流iとは逆方向に流れ所定値を超える誘起電流Ikが検出されない。
本第2の実施の形態では係る現象を利用して、各極性の区間T1bにおいて所定の基準電圧を超える誘起電圧信号VRsが検出されたか否かに基づいて、後続する区間で検出する誘起電流Ikの方向を選択して検出することにより、回転状況の判別やパルス制御を行うようにしている。
このように、両方の極性の最初の区間T1bにおいて所定の基準値を超える誘起電流Ikを検出したか否かに基づいて、区間T1bの後の区間T2、T2R、T3Rにおいて誘起電流Ikを検出する極性(検出方向)を切り換えて検出し、前記各区間T1b、T2、T2R、T3Rにおける誘起電流Ik(実際には誘起電流Ikと等価な誘起電圧信号VRs)に基づいてステッピングモータ107の回転状況を検出するようにしている。したがって、負荷が大きくロータ202の回転が遅い場合でも、ロータ202の回転の早い段階で回転検出することができ、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になる。
また、最初の区間T1bにおいて所定の基準値を超える誘起電流Ikを一方の極性において検出できないような、ロータ202が一定速度を超える速度で回転した場合には、誘起電流Ikの方向を切り換えなくても十分に大きい誘起電圧信号VRsが検出できるため、誘起電流Ikの方向を切り換えることなく、主駆動パルスP1と同方向に流れる誘起電流Ikに対応する誘起電圧信号VRsに基づいて、回転検出を行うことにより検出処理を簡素化することができるようにしている。
このように、区間T1bにおいて基準値を超える誘起電流Ikを両方の極性で検出し、その後の区間での検出対象を切り換えることにより、回転検出精度を高めるようにしている。
図10は本発明の第2の実施の形態におけるパルス制御動作をまとめた判定チャートである。
区間T1b、T2は、駆動電流iと誘起電流Ikが同方向に流れるときに検出する区間であり、区間T2R、T3Rは、区間T2とは検出方向を逆方向にして誘起電流Ikを検出する区間である。区間T2の幅と、区間T2Rと区間R3の幅の合計とは同じである。
前述したとおり、基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出した場合を各々判定値「1」、基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出できなかった場合を各々判定値「0」と表している。「1/0」は、判定値が「1」、「0」のどちらでもよいことを表している。また、「−」は、誘起電圧信号VRsのパターンとして考慮しないことを示している。
回転検出回路108が基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsの有無を検出し、検出区間判別回路109が誘起電圧信号VRsのパターン(主駆動パルスP1のエネルギの余裕度を表す。)を判定し、制御回路103は、制御回路103内部に記憶した図10の判定チャートを参照して前記パターンに基づいて、主駆動パルスP1のパルスアップやパルスダウンあるいは補正駆動パルスP2による駆動等の後述するパルス制御を行ってステッピングモータ107を回転制御する。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計で使用する部分詳細回路図で、モータドライバ回路106及び回転検出回路108の部分詳細回路図である。図5と同一部分には同一符号を付している。
検出抵抗301に生じる誘起信号VRsを検出するためのコンパレータ310、検出抵抗302に生じる誘起信号VRsを検出するためのコンパレータ311を備えている。コンパレータ310、311は回転検出回路108の構成要素である。
各コンパレータ310、311の基準電圧として、同じ基準しきい電圧Vcompが入力される。コンパレータ310、311は、対応する検出抵抗301、302で検出した誘起電圧信号VRsが基準しきい電圧Vcompを超える場合には判定値「1」を検出信号として出力し、誘起電圧信号VRsが基準しきい電圧Vcompを超えない場合には判定値「0」を検出信号Vsとして出力する。検出区間判別回路109は、検出する誘起電流Ikの方向に対応するコンパレータ310、311の出力を選択して、各区間の判定値を判別して出力する。
図12は、本発明の第2の実施の形態のタイミング図で、誘起電流Ikの検出方向を切り換えないで検出する場合のタイミング図である。図12は、負荷増分小駆動(余裕大回転)の状態のときのタイミング図であり、誘起電流Ikが駆動電流iと同一方向に流れる状態で検出するときのタイミングを示している。この場合、第1区間T1bと第4区間T2における誘起信号VRsの判定値のパターンによって回転状況が判定される。
ステッピングモータ107を回転駆動する場合、スイッチ制御回路303は駆動期間P1である時刻ta〜tbの間、トランジスタQ3をオンにした状態でトランジスタQ2を所定周期でオン状態(供給状態)とオフ状態(供給停止状態)を繰り返してスイッチングすることにより櫛歯状の主駆動パルスP1を生成し、ステッピングモータ107の駆動コイル209に図11矢印方向の駆動電流iを供給する。これにより、ステッピングモータ107が回転する場合は、ロータ202が正方向に180度回転する。
一方、主駆動パルスP1の駆動期間P1終了時刻tbから時刻tcまでの検出区間Tにおいて回転状況の検出が行われる。
回転状況の検出においては、先ず、時刻tbから始まる区間T1(区間T1bにマスク区間T1aを付加した区間)において、両方の極性の誘起信号VRsを検出する。この場合、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ1、Q2はオフにした状態で、(1)トランジスタQ3、Q6をオン状態にした状態でトランジスタQ4を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより検出抵抗302に駆動電流iと同方向に誘起電流Ikが流れるようにして検出する第1検出状態と、(2)トランジスタQ4、Q5をオン状態にした状態でトランジスタQ3を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより検出抵抗301に駆動電流iと逆方向に誘起電流Ikが流れるようにして検出する第2検出状態と、を交互に繰り返すように各トランジスタQ1〜Q6を制御する。
これにより、第1検出状態では検出抵抗302に誘起電圧信号VRsが発生し、第2検出状態では検出抵抗301に誘起電圧信号VRsが発生する。
コンパレータ311は、検出抵抗302に発生した誘起電圧信号VRsと基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、コンパレータ311は、検出抵抗301に発生した誘起電圧信号VRsと基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
検出区間判別回路109は、マスク区間T1aにおける誘起電圧信号VRsは無視して判定を行わなず、区間T1bにおける誘起電圧信号VRsの判別を行う。
検出区間判別回路109は、一方の極性OUT1では判定値が「0」、他方の極性OUT2では判定値が「1」のため、後の区間では駆動電流iと同一方向に流れる誘起電流Ikを検出する。即ち、検出区間判別回路109は区間T2において基準しきい電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsが検出されたか否かを判定する。
この場合、検出区間判別回路109にはコンパレータ310、311の両方から検出信号Vsが入力されるが、検出区間判別回路109は区間T2においては、コンパレータ311からの検出信号Vsに対してのみ区間T2に属するか否かの判別を行う。これにより、より正確に回転状況の判別が可能になる。また、励起電流Ikの検出方向を切り換えないため、検出動作が簡単になる。
検出区間判別回路109はその判別結果を、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1bにおける判定値,区間T2における判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、図10の判定チャートを参照してステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスダウン、パルスアップ+補正駆動パルスP2による駆動等のパルス制御を行う。
図12に示したサイクルの終了後、次のサイクルでも、区間T1bにおいて両方の極性の誘起電圧信号VRsに基づいて区間T1より後の区間において検出する誘起電圧信号VRsの極性を決定し、回転検出動作を行う。
図13は、本発明の第2の実施の形態のタイミング図で、誘起電流Ikの検出方向を切り換えて検出する場合のタイミング図であり、負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態のときのタイミングを示している。図13では、区間T2R、T3Rにおいて誘起電流Ikの検出方向を逆方向に切り換えて検出するために、誘起電圧信号VRsの極性を反転して検出する。これにより、図12のように時間的に遅い領域cにおいて検出するのではなく、時間的に早い領域bにおいて誘起電圧信号VRsを検出できるように構成して、回転が遅い場合でも、より高精度に回転検出できるようにしている。
即ち図13において、図12と同様に、時刻ta〜tbの間ステッピングモータ107を回転駆動した後、時刻tbから始まる区間T1(区間T1a+区間T1b)において、両方の極性の誘起信号VRsを検出する。
検出区間判別回路109は、一方の極性OUT1では判定値が「1」、他方の極性OUT2では判定値が「0」のため、後の区間では駆動電流iと逆方向に流れる誘起電流Ikを検出する。即ち、検出区間判別回路109は区間T2R、区間T3Rにおいて基準しきい電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsが検出されたか否かを判定する。
この場合、検出区間判別回路109にはコンパレータ310、311の両方から検出信号Vsが入力されるが、検出区間判別回路109は区間T2R、TR3においては、コンパレータ310からの検出信号Vsに対してのみ区間T2R、TR3に属するか否かの判別を行う。これにより、回転状況を早期に検出するため、より正確に回転状況の判別が可能になる。
検出区間判別回路109はその判別結果を、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1bにおける判定値,区間T2Rにおける判定値,区間T3Rにおける判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、図10の判定チャートを参照してステッピングモータ107の回転状況を判定し、維持、パルスアップ等のパルス制御を行う。
図13において、スイッチ制御回路303は、区間T1bに続く区間(第3区間T2R、第4区間T3R)では、誘起電流Ikの検出方向をそれまでとは逆方向に切り換えて検出するように動作する。区間T2Rと区間T3Rの時間幅の和は区間T2と同じになるように構成されている。
区間T2R、T3Rにおいて、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ4、Q5をオン状態、トランジスタQ6をオフ状態にした状態でトランジスタQ3を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗301に誘起電流Ikが流れるようにする。検出抵抗301には、区間T1bとは検出方向が逆方向の誘起電圧信号VRsが発生し、検出方向が逆方向に切り換えられた誘起電流Ikの検出が行われることになる。これにより、領域bで発生する誘起電圧信号VRsの検出が行われることになる。
コンパレータ310は、誘起電圧信号VRsと基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、コンパレータ311は、誘起電圧信号VRsと基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
検出区間判別回路109はその判別結果として、コンパレータ310からの検出信号に基づいて、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1bにおける判定値,区間T2Rの判定値,区間T3Rの判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、ステッピングモータ107の回転状況を判定し、維持、パルスアップ等のパルス制御を行う。
このように、区間T1bにおいて両方の極性OUT1、OUT2の誘起電流Ikに基づいて負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが小さくロータ202の回転が遅いと判別した場合には、区間T1より後の区間において誘起電流Ikの検出方向を逆に切り換えて検出し、回転状況の判別を行うことにより、ロータの回転の早い段階(ロータ202の回転領域b)において回転検出が可能になるため、より正確に回転状況を検出することが可能になる。
図13に示したサイクルの終了後、次のサイクルでも、区間T1bにおいて両方の極性の誘起電圧信号VRsに基づいて区間T1より後の区間において検出する誘起電圧信号VRsの極性を決定し、回転検出動作を行うように、各トランジスタQ1〜Q6が駆動制御される。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計の動作を示すフローチャートであり、主として制御回路103の処理を示すフローチャートである。図8と同一内容の処理を行う部分には同一符号を付している。
以下、図1、図2、図9〜図14を参照して、本発明の第2の実施の形態の動作を詳細に説明する。
制御回路103は、分周回路102からの時計信号を計数して計時動作を行い、先ず主駆動パルスP1nのエネルギランクn及び同一主駆動パルスP1による連続駆動回数を表す計数値Nを0にリセットする(図14のステップS501)。
制御回路103は、回転検出回路108が、駆動電流iと同方向に流れる誘起電流Ik(換言すれば誘起電圧信号VRs)に基づいて回転検出を行う(Rs−Nとする)ように初期設定する(ステップS502)。
次に制御回路103は、処理ステップS501で設定した最小エネルギの主駆動パルスP10でステッピングモータ107を回転駆動するように主駆動パルス制御信号を出力する(ステップS503、S504)。
主駆動パルス発生回路104は、制御回路103からの前記制御信号に応答して、前記制御信号に対応する主駆動パルスP10をモータドライバ回路106に出力する。モータドライバ回路106は主駆動パルスP10によってステッピングモータ107を回転駆動する。ステッピングモータ107は主駆動パルスP10によって回転駆動されて、アナログ表示部112の時刻針114〜116を回転駆動する。これにより、ステッピングモータ107が正常に回転した場合、アナログ表示部112では、時刻針114〜116によって随時現在時刻が表示される。また、ステッピングモータ107によって図示しないカレンダ表示部が回転駆動された場合には、カレンダ表示が翌日の表示に切り換えられる。
回転検出回路108は、駆動電流iと同方向に流れ所定基準値を超える誘起電流Ikの有無を検出する。換言すれば、回転検出回路108は、区間T1bにおいて所定の基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsが検出されたか否かを判定する。即ち、回転検出回路108は先ず、図12、図13で説明したようにして、誘起電流Ikが駆動電流iと同方向に流れるように駆動しながら、誘起電圧信号VRsを検出する。制御回路103は、回転検出回路108が基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS505)。
制御回路103は、処理ステップS505において基準電圧Vcompを超える誘起信号VRsを検出していないと判定した場合、以降の区間では図12に示したようにして、誘起電流Ikの検出方向は変えずに維持しながら基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定するように回転検出回路108を制御する。検出区間判別回路109は、回転検出回路108が区間T2において基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判別する。
制御回路103は、区間T2において基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判別し(ステップS506)、区間T2内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合には、処理ステップS508〜S511の処理を行った後、処理ステップS502に戻る。
制御回路103は、処理ステップS506において区間T2内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、処理ステップS530〜S534の処理を行った後、処理ステップS502に戻る。
一方、制御回路103は、処理ステップS505において回転検出回路108が基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、図13で説明したように、回転検出回路108が誘起電流Ik(換言すれば誘起電圧信号VRs)の検出方向を逆方向に切り換えて回転検出を行う(Rs−Rとする)ように制御する(ステップS522)。
回転検出回路108は、以下、図13で説明したように区間T2R、T3Rにおいて、検出抵抗301、302を切り換えることによって誘起電流Ikの検出方向を逆方向に切り換えて、基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsの有無を検出する。検出区間判別回路109は、回転検出回路108が検出した基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsが区間T2R、T3Rに属するか否かを判別し、誘起電圧信号VRsのパターンを制御回路103に出力する。
即ち、制御回路103は、区間T1bにおいて検出した誘起電圧信号VRsが基準電圧Vcompを超えると判定した場合には、区間T2R内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS525)。
制御回路103は、処理ステップS525において区間T2R内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定すると、区間T3R内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS526)。
制御回路103は、処理ステップS526において、区間T3R内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合は処理ステップS508
〜SS511の処理を行った後に処理ステップS502に戻り、区間T3R内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合は処理ステップS509〜S511の処理を行った後に処理ステップS502に戻る。
制御回路103は、処理ステップS525において区間T2R内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合は処理ステップS531に移行する。
以上述べたように本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路は、複数の区間に区分された検出区間においてステッピングモータの自由振動によって駆動コイルに流れる誘起電流を検出し、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い前記誘起電流の検出時刻が遅くなると共にレベルが低下することを利用して、前記各区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かを表すパターンに基づいて前記ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出部と、相互にエネルギが相違する複数種類の駆動パルスの中から前記回転検出部が検出した回転状況に応じた駆動パルスを選択し、前記選択した駆動パルスによって前記駆動コイルに駆動電流を供給して前記ステッピングモータを回転駆動する制御部とを備え、前記回転検出部は、前記ステッピングモータの自由振動によって前記駆動コイルを相互に逆方向に流れる誘起電流を検出する第1、第2検出素子を有すると共に、前記検出区間において、前記ステッピングモータの駆動コイルと前記検出素子とを含む第1閉回路と、前記駆動コイルと低インピーダンス素子とによって構成される第2閉回路とを交互に繰り返すことによって前記誘起電流を検出するようにして成り、前記検出区間における最初の区間である第1区間T1bにおいて前記第1、第2検出素子を用いて前記誘起電流を検出した結果に基づいて、前記第1区間より後の区間において用いる検出素子を選定して検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴としている。
ここで、前記検出区間は駆動パルスによる駆動後の第1区間T1b、第1区間T1bよりも後の第2区間T2R、第2区間T2Rよりも後の第3区間T3Rに区分されると共に、主駆動パルスP1のランクを維持してステッピングモータ107を駆動する状態において、第1区間T1bはステッピングモータ107のロータ202を中心とする空間の第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第2区間T2Rは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第3区間T3Rは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、前記回転検出部は、駆動電流iとは逆方向の所定値を超える誘起電流Ikを検出した場合、第2区間T2R以後は駆動電流iと同方向の誘起電流Ikの検出を行い、回転状況の判定を行うように構成することができる。
また、前記回転検出部は、駆動電流iとは逆方向の所定値を超える誘起電流Ikを検出した場合、第2区間T2R及び第3区間T3Rを統合した1つの第4区間T2として誘起電流Ikの検出を行い、第1区間T1b及び第4区間T2において検出した誘起電流Ikのパターンに基づいて回転状況の判定を行うように構成することができる。
また、検出区間Tは駆動パルスによる駆動後の第1区間T1b、第1区間T1bよりも後の第2区間T2R、第2区間T2Rよりも後の第3区間T3Rに区分されると共に、駆動パルスのランクを維持して前記ステッピングモータを駆動する状態において、第1区間T1bはステッピングモータ107のロータ202を中心とする空間の第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第2区間T2Rは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間、第3区間TR3は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、前記回転検出部は、駆動電流iと同方向の所定値を超える誘起電流Ikを検出した場合、第2区間T2R以後は駆動電流iとは逆方向の誘起電流Ikの検出を行い、回転状況の判定を行うように構成することができる。
また、前記回転検出部は、駆動電流iと同方向の所定値を超える誘起電流Ikを検出した場合、第1区間T1b乃至第3区間T3Rにおいて検出した誘起電流Ikのパターンに基づいて回転状況の判定を行うように構成することができる。
このように本発明の第2の実施の形態は、駆動余力(駆動エネルギに対する負荷の大きさ)の変動を区間T1bにおける両極性(out1,2)の誘起信号VRsにより、適正な回転検出電流方向を選択し、精度の高い回転判別を実現提供するものである。
したがって、前記第1の実施の形態と同様の効果を奏するばかりでなく、駆動パルスP1遮断後のロータ速度が最大となる領域bにおいて検出することにより、領域cにおいて検出するよりも高レベルで安定した誘起信号VRsが得られ、負荷変動に対しても影響を受けにくく安定した検出性能を得ることが可能になる。
また、駆動パルスP1遮断直後の回転検出により、負荷変動の影響を受けにくく、所定レベルを超える誘起信号VRsの発生時刻に基づいて駆動余裕を判定する制御動作の精度向上が図れ、無駄な消費電力を低減できるという効果がある。
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
本発明の第1の実施の形態では、時間幅を固定した最初の区間T1において片方の極性の誘起信号VRsを検出することによって回転状況を判別し、当該判別結果に基づいて誘起電流Ikの方向を選択して回転検出するように構成したが、本発明の第3の実施の形態では、時間幅が変化する最初の区間において片方の極性の誘起信号VRsを検出することによって回転状況を判別し、当該判別結果に基づいて誘起電流Ikの方向を選択して回転検出するように構成している。また、第1の実施の形態と同様に、基準電圧として2種類の基準電圧Vinv、Vcompを用いるように構成している。
これにより、負荷に対する駆動エネルギが相対的に低下した場合でも、回転状況を正確に把握して、領域cではなく領域bでの回転検出を確実に行うことにより、正確な回転検出を可能にしている。
図15は、本発明の第3の実施の形態において、主駆動パルスP1によってステッピングモータ107を駆動した場合のタイミング図である。図15は、通常駆動時(アナログ電子時計の電源電圧が定格電圧で時刻針114〜116を主駆動パルスP1によって運針駆動する時)の状態である。
主駆動パルスP1駆動終了後の所定期間を回転状況を検出するための検出区間Tとし、検出区間Tを連続する複数の区間に区分している。主駆動パルスP1によって駆動したとき駆動コイル209に流れる駆動電流iと同方向の誘起電流Ikを検出する場合には第5区間T1a、第6区間T1b、第4区間T2の3つの区間を使用し、又、主駆動パルスP1によって駆動したとき駆動コイル209に流れる駆動電流iと逆方向の誘起電流Ikを検出する場合には第5区間T1a、第6区間T1b、第2区間T2R、第3区間T3Rの4つの区間を使用している。
区間T1aの時間幅は一定値に固定されている。区間T1bの時間幅は検出される誘起信号VRsに応じて変化するが、その最長時間幅が所定値に設定されている。区間T3Rの時間幅は所定幅に固定されている。また、区間T1b、区間T2R及び第3区間T3Rの時間幅の和は区間T2の時間幅と等しくなるように構成されている。区間T1aと区間T1bは区間T1を構成する。検出区間Tの時間幅は変化しないように構成されている。尚、本第3の実施の形態ではマスク区間は設けていない。
ロータ202を中心として、その回転によってロータ202の磁極軸Aが位置するXY座標空間を第1象限I〜第4象限IVに区分した場合、区間T1、T1a、T1b、T2、T2R、T3Rは次のように表すことができる。
例えば、主駆動パルスP1のランクを変更せずに維持する負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態において、区間T1aは及び区間T1bは第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況を判別する区間、区間T2Rは第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向領域aの回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、区間T3Rは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域cの回転状況を判別する区間である。
また、主駆動パルスP1のランクをパルスダウンする負荷増分小駆動(余裕極大回転であり、区間T1bは用いない)状態において、区間T1aは第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況を判別する区間、区間T2は第3象限IIIにおけるロータ202の最初の正方向領域bの回転状況及び第3象限IIIにおけるロータ202の最初の逆方向領域c以後の回転状況を判別する区間である。
前記第1の実施の形態と同様に、誘起電圧信号VRsを検出する基準電圧として、所定の2種類の基準電圧Vinv、Vcompを用いている。第1基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出した場合には第1基準値を超える誘起電流Ikを検出したのと等価であり、また、第2基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出した場合には第2基準値を超える誘起電流Ikを検出したのと等価であるように構成している。第2基準値は第1基準値よりも大きくまた、第2基準電圧Vcompは第1基準電圧Vinvよりも大きい値に設定されている。第1基準電圧Vinvは駆動エネルギの余裕の程度を判定する基準であると共に駆動電流iとは逆極性の誘起電流Ikに基づいて回転検出を行う際の基準電圧であり、第2基準電圧Vcompは駆動電流iと同極性の誘起電流Ikに基づいて回転検出を行う際の基準電圧である。
区間T1a、T1bでは、基準電圧Vinvによる回転判別を行い、検出結果に応じて検出方向及び基準電圧を選択して回転検出を行う。
例えば、区間T1aにおいて複数の誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超えない場合、主駆動パルスP1の駆動電流iと同じ電流方向の誘起電流Ikに対応する誘起信号VRsを検出するようにし、非回転の判別を確実にするため高い基準電圧Vcompを用いて判定を行う。即ち、区間T2における回転検出が行われる。この場合、図15の例では余裕極大回転となり、主駆動パルスP1がパルスダウンされる。
区間T1aにおいて基準電圧Vinvを超える複数の誘起信号VRs検出がされた場合、基準電圧Vinvを下回る誘起信号VRsが発生するまで検出を継続する。区間T1aにおいて複数の誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超え、その後、区間T1a内において誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超えなくなった場合あるいは区間T1b内において誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超えなくなった場合、区間T1a終了時点あるいは誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超えなくなった時点で、主駆動パルスP1の駆動電流iと逆方向の誘起電流Ikによる回転検出に切り替えて、基準電圧Vinvを用いて回転検出が行われる。即ち、区間T2R、区間T3Rにおける回転検出が行われる。この場合、図15の例では、余裕中回転となって主駆動パルスP1がパルスダウンされる。
区間T1aにおいて基準電圧Vinvを超える複数の誘起信号VRs検出がされた場合において、区間T1aの全域において誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超え、区間T1b内においても誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超えた場合、区間T1bにおいて基準電圧Vinvを下回る誘起信号VRsが発生するまで検出する。区間T1b内において基準電圧Vinvを下回る誘起信号VRsが発生した場合、その時点で、基準電圧Vinvを用いて、主駆動パルスP1の駆動電流iと逆方向の誘起電流Ikによる回転検出に切り替えられる。即ち、区間T2R、区間T3Rにおける回転検出が行われる。この場合、図15の例では余裕小回転となり、主駆動パルスP1が維持される。
区間T1aにおいて基準電圧Vinvを超える複数の誘起信号VRs検出がされた場合において、区間T1aの全域において誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超え、区間T1bの全域おいても誘起信号VRsが基準電圧Vinvを超える場合、区間T1bの最大幅が終了時点で、基準電圧Vinvを用いて、主駆動パルスP1の駆動電流iと逆方向の誘起電流Ikによる回転検出に切り替えられる。即ち、区間T2R、区間T3Rにおける回転検出が行われる。この場合、図15の例では余裕小回転となり、主駆動パルスP1はパルスアップされる。尚、区間T1bの最大幅は、第7区間として所定幅に設定されている。また、区間T1aと区間T1bの時間幅の和の最大長は検出区間Tの1/2以下としている。
図16は本発明の第3の実施の形態におけるパルス制御動作をまとめた判定チャートである。
区間T1a、T1b、T2は、駆動電流iと誘起電流Ikが同方向に流れるときに検出する区間であり、区間T2R、T3Rは、区間T2とは検出方向を逆方向にして誘起電流Ikを検出する区間である。
回転検出回路108が基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsの有無を検出し、検出区間判別回路109が誘起電圧信号VRsのパターン(主駆動パルスP1のエネルギの余裕度を表す。)を判定し、制御回路103は、制御回路103内部に記憶した図16の判定チャートを参照して前記パターンに基づいて、主駆動パルスP1のパルスアップやパルスダウンあるいは補正駆動パルスP2による駆動等の後述するパルス制御を行ってステッピングモータ107を回転制御する。
図17は、本発明の第3の実施の形態のタイミング図で、誘起電流Ikの検出方向を切り換えないで検出する場合のタイミング図である。図17は、負荷増分小駆動(余裕極大回転)の状態のときのタイミング図であり、誘起電流Ikが駆動電流iと同一方向に流れる状態で検出するときのタイミングを示している。この場合、区間T1aと区間T2における誘起信号VRsの判定値のパターンによって回転状況が判定される。
ステッピングモータ107を回転駆動する場合、スイッチ制御回路303は駆動期間P1である時刻ta〜tbの間、トランジスタQ3をオンにした状態でトランジスタQ2を所定周期でオン状態(供給状態)とオフ状態(供給停止状態)を繰り返してスイッチングすることにより櫛歯状の主駆動パルスP1を生成し、ステッピングモータ107の駆動コイル209に図5矢印方向の駆動電流iを供給する。これにより、ステッピングモータ107が回転する場合は、ロータ202が正方向に180度回転する。
一方、主駆動パルスP1の駆動期間P1終了時刻tbから時刻tcまでの検出区間Tにおいて回転状況の検出が行われる。
即ち、時刻tbから始まる区間T1aにおいて、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ3、Q6をオン状態にした状態でトランジスタQ4を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗302に駆動電流iと同方向に誘起電流Ikが流れるようにする。これによって検出抵抗302には誘起電圧信号VRsが発生する。
コンパレータ304は、誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、インバータ305は、誘起電圧信号VRsが第1基準電圧Vinvを超えていれば「0」、超えていなければ「1」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「1」又は「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
検出区間判別回路109は、コンパレータ304とNAND回路307からの検出信号Vsに基づいて、区間T1aにおいて所定の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRs(本実施の形態では少なくとも第1基準電圧Vcompを超える2つの誘起電圧信号VRs)が検出されたか否かを判定する。
図17の例では、区間T1aにおいて所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されていないため、回転検出回路108のスイッチ制御回路303は区間T2においても、誘起電流Ikの流れる方向を変更せずに検出動作を行う。したがって、区間T2においても、各トランジスタに対して上記と同じ動作を行うように駆動制御する。
この場合、区間T2では、第1基準電圧Vinvは使用せず、第2基準電圧Vcompを用いて判別した誘起電圧信号VRsの判定値のみが用いられる。即ち、検出区間判別回路109には、NAND回路307とコンパレータ304の両方から検出信号Vsが入力されるが、検出区間判別回路109は区間T2においては、コンパレータ304からの検出信号Vsに対してのみ区間T2に属するか否かの判別を行う。これにより、区間T1aにおいて所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されていない非回転の状況でも、レベルの高い第2基準電圧Vcompを用いて判別することによって、非回転を回転と誤判定する恐れがなく、より正確に回転状況の判別が可能になる。また、励起電流Ikの検出方向を切り換えないため、検出動作が簡単になる。
検出区間判別回路109はその判別結果を、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1aの判定値,区間T1bの判定値,区間T2の判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、図16の判定チャートを参照してステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスアップ等のパルス制御を行う。
図17に示したサイクルの終了後、次のサイクルでも、区間T1aにおいて所定の所定基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されない場合には、同様の動作を行うように、各トランジスタQ1〜Q6が駆動制御される。即ち、トランジスタQ3の代わりにトランジスタQ4がオン状態にされると共に、トランジスタQ2の代わりにトランジスタQ1がトランジスタQ2と同じ周期でスイッチング駆動され、前サイクルとは逆極性の櫛歯状主駆動パルスP1による駆動が行われる。また、検出区間Tでは、トランジスタQ4の代わりにトランジスタQ3がトランジスタQ4と同じ周期でスイッチングされ、トランジスタQ3、Q6の代わりにトランジスタQ4、Q5がオン状態に駆動される。これにより、誘起電流Ikに基づく回転検出が行われる。
ステッピングモータ107の回転によって発生する誘起電圧信号VRsは検出抵抗301に生じ、コンパレータ304は誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompを比較した結果を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。また、インバータ306は誘起電圧信号VRsと第1基準電圧Vinvを比較し、比較結果に応じて「1」又は「0」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「0」又は「1」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
区間T1aにおいて所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されていない場合には前記同様の動作が行われ、区間T2において前サイクルと同様に、検出区間判別回路109がコンパレータ304からの検出信号Vsについてのみ区間判定を行う。
検出区間判別回路109は、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1aの判定値,区間T1bの,区間T2の判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、ステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスアップ等のパルス制御を行う。
区間T1aにおいて所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されない場合には、前記2つのサイクルを交互に繰り返すことにより、ステッピングモータ107の回転制御が行われる。尚、非回転の場合には、補正駆動パルスP2による駆動が行われるが、この場合は回転検出動作は行わない。
図18は、本発明の第3の実施の形態のタイミング図で、誘起電流Ikの検出方向を切り換えて検出する場合のタイミング図であり、負荷増分大駆動(余裕小回転)の状態のときのタイミングを示している。図18では、区間T2R、T3Rにおいて誘起電流Ikの検出方向を逆方向に切り換えて検出するために、誘起電圧信号VRsの極性を反転して検出するようにする。これにより、図17のように時間的に遅い領域cにおいて検出するのではなく、時間的に早い領域bにおいて誘起電圧信号VRsを検出できるように構成して、回転が遅い場合でも、より高精度に回転検出できるようにしている。
ステッピングモータ107を回転駆動する場合、スイッチ制御回路303は駆動期間P1である時刻ta〜tbの間、トランジスタQ3をオンにした状態でトランジスタQ2を所定周期でオン状態(供給状態)とオフ状態(供給停止状態)を繰り返すようにスイッチングすることにより、櫛歯状の主駆動パルスP1で、ステッピングモータ107の駆動コイル209に図5矢印方向の駆動電流iを供給する。これにより、ステッピングモータ107が回転する場合は、ロータ202が正方向に180度回転する。
一方、主駆動パルスP1の駆動期間P1終了時刻tbから時刻tcまでの検出区間Tにおいて回転状況の検出が行われる。
即ち、時刻tbから始まる区間T1aにおいて、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ3、Q6をオン状態にした状態でトランジスタQ4を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗302に駆動電流iと同方向に誘起電流Ikが流れるようにする。これによって検出抵抗302には誘起電圧信号VRsが発生する。
コンパレータ304は、誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、インバータ305は、誘起電圧信号VRsが第1基準電圧Vinvを超えていれば「0」、超えていなければ「1」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「1」又は「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
検出区間判別回路109は、コンパレータ304とNAND回路307からの検出信号Vsに基づいて、区間T1aにおいて所定の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRs(本実施の形態では第1基準電圧Vinvを超える少なくとも2つの誘起電圧信号VRs)が検出されたか否かを判定する。即ち、検出区間判別回路109は、区間T1aにおいて、ロータ202の回転が所定速度よりも遅いか否かを判定する。
図18の例では、区間T1aの全域において第1基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されているため(ロータ202の回転が遅い状態である。)、スイッチ制御回路303は、区間T1aに続く区間T1bにおいても第1基準電圧Vinvを用いて、誘起電流Ikの検出方向は変えずに検出するように動作する。これにより、区間T1bにおいて、基準電圧Vinvを超える誘起信号が検出される。
区間T1bにおいて、誘起信号VRsのレベルが第1基準電圧Vinv以下になると、スイッチ制御回路303は、その時点から、区間T2R、区間T3Rにおいて、誘起電流Ikの検出方向をそれまでとは逆方向に切り換えて検出するように動作する。この場合、回転が遅い場合でも正確な回転検出が行えるように検出感度を上げるため、基準電圧としては第1基準電圧Vinvを使用する。
区間T2R、T3Rにおいて、スイッチ制御回路303は、トランジスタQ4、Q5をオン状態、トランジスタQ6をオフ状態にした状態でトランジスタQ3を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗301に誘起電流Ikが流れるようにする。検出抵抗301には、区間T2、T3とは検出方向が逆方向の誘起電圧信号VRsが発生し、検出方向が逆方向に切り換えられた誘起電流Ikの検出が行われることになる。これにより、領域bで発生する誘起電圧信号VRsの検出が行われることになる。
コンパレータ304は、誘起電圧信号VRsと第2基準電圧Vcompとを比較し、誘起電圧信号VRsが第2基準電圧Vcompを超えていれば「1」、超えていなければ「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
また、インバータ306は、誘起電圧信号VRsが第1基準電圧Vinvを超えていれば「0」、超えていなければ「1」を出力し、NAND回路307はこれを反転した信号「1」又は「0」を検出信号Vsとして検出区間判別回路109に出力する。
区間T2R、T3Rでは、回転が遅く誘起信号VRsのレベルが低いため検出感度を上げるべく、第2基準電圧Vcompは使用せずに、第1基準電圧Vinvを用いて判別した誘起電圧信号VRsの判定値のみが用いられる。即ち、検出区間判別回路109にはNAND回路307とコンパレータ304の両方から検出信号Vsが入力されるが、検出区間判別回路109は区間T2R、T3Rにおいては、NAND回路307からの検出信号Vsに対してのみ区間T2R、T3Rに属するか否かの判別を行う。
検出区間判別回路109はその判別結果として、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1aの判定値,区間T1bの判定値,区間T2Rの判定値,区間T3Rの判定値)を制御回路103に出力する。
制御回路103は、検出区間判別回路109からのパターンに基づいて、ステッピングモータ107の回転状況を判定し、パルスアップ等のパルス制御を行う。
このように、区間T1a(区間T1bを用いる場合には区間T1bも含む。)において負荷に対する主駆動パルスP1のエネルギが小さくロータ202の回転が遅いと判別した場合には、区間T1aより後の区間において誘起電流Ikの検出方向を逆に切り換えて検出し、回転状況の判別を行うことにより、ロータの回転の早い段階(ロータ202の回転領域b)において回転検出が可能になるため、より正確に回転状況を検出することが可能になる。また、ロータ202の回転が遅く誘起電圧信号VRsのレベルが低い場合でも、区間T1aにおいて所定の基準電圧を超える複数の誘起電圧信号VRs(本実施の形態では第1基準電圧Vinvを超える2つの誘起電圧信号VRs)が検出されているため、確実に切欠き部204、205を結ぶ線分と直交するような位置に安定静止することができ、より低い基準電圧である第1基準電圧Vinvを用いることによって、より正確な回転状況の判別が可能になる。
図18に示したサイクルの終了後、次のサイクルにおいても、区間T1aにおいて複数の所定基準電圧Vinv、Vcompを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出された場合には、前記同様の動作を行うように、各トランジスタQ1〜Q6が駆動制御される。即ち、トランジスタQ3の代わりにトランジスタQ4がオン状態にされると共にトランジスタQ2の代わりにQ1がトランジスタQ2と同じ周期でスイッチング駆動され、前サイクルとは逆極性の櫛歯状主駆動パルスP1による駆動が行われる。
検出区間Tの区間T1aでは、トランジスタQ4の代わりにトランジスタQ3がトランジスタQ4と同じ周期でスイッチングされ、トランジスタQ3、Q6の代わりにトランジスタQ4、Q5がオン状態に駆動される。これにより、検出抵抗301に駆動電流iと同方向に誘起電流Ikが流れ、検出抵抗301には誘起電圧信号VRsが発生する。これにより、駆動電流iと同方向に流れる誘起電流Ikに基づく回転検出が行われる。
また、区間T2R、T3Rでは、トランジスタQ4、Q5の代わりにトランジスタQ3、Q6をオン状態にした状態で、トランジスタQ3の代わりにトランジスタトランジスタQ4を所定周期でオン状態とオフ状態にスイッチングすることにより、検出抵抗302に誘起電流Ikが流れるようにする。検出抵抗302には誘起電圧信号VRsが発生し、これにより、検出方向が逆方向に切り換えられた誘起電流Ikの検出が行われることになる。
前サイクルと同様にして、ステッピングモータ107の回転によって発生する誘起電圧信号VRsは、区間T1aでは第1基準電圧Vinvに基づいて判定値が得られ、又、区間T2R、T3Rでは第1基準電圧Vinvのみに基づいて判定値が得られる。
検出区間判別回路109はその判別結果として、誘起電圧信号VRsのパターン(区間T1aの判定値,区間T1bの判定値,区間T2の判定値,区間T3の判定値)を制御回路103に出力する。
図19は、本発明の第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路、ムーブメント及びアナログ電子時計の動作を示すフローチャートであり、主として制御回路103の処理を示すフローチャートである。図8と同一内容の処理を行う部分には同一符号を付している。
以下、図1、図2、図5、図15〜図19を参照して、本発明の第3の実施の形態の動作を詳細に説明する。
制御回路103は、分周回路102からの時計信号を計数して計時動作を行い、先ず主駆動パルスP1nのエネルギランクn及び同一主駆動パルスP1による連続駆動回数を表す計数値Nを0にリセットする(図19のステップS501)。
制御回路103は、回転検出回路108が、駆動電流iと同方向に流れる誘起電流Ik(換言すれば誘起電圧信号VRs)に基づいて回転検出を行う(Rs−Nとする)ように初期設定する(ステップS502)。
次に制御回路103は、処理ステップS501で設定した最小エネルギの主駆動パルスP10でステッピングモータ107を回転駆動するように主駆動パルス制御信号を出力する(ステップS503、S504)。
主駆動パルス発生回路104は、制御回路103からの前記制御信号に応答して、前記制御信号に対応する主駆動パルスP10をモータドライバ回路106に出力する。モータドライバ回路106は主駆動パルスP10によってステッピングモータ107を回転駆動する。
回転検出回路108は、駆動電流iと同方向に流れ所定基準値を超える誘起電流Ikの有無を検出する。換言すれば、回転検出回路108は、区間T1aにおいて所定の基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsが検出されたか否かを判定する。即ち、回転検出回路108は先ず、図17、図18で説明したようにして、誘起電流Ikが駆動電流iと同方向に流れるように駆動しながら、誘起電圧信号VRsを検出する。制御回路103は、回転検出回路108が基準電圧Vinvを超える複数の誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS505)。
制御回路103は、処理ステップS505において基準電圧Vinvを超える複数の誘起信号VRsを検出していないと判定した場合、その後の区間T2では図17に示したようにして、誘起電流Ikの検出方向は変えずに維持しながら基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定するように回転検出回路108を制御する。また、検出区間判別回路109は、回転検出回路108が区間T2において基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判別する。
制御回路103は、区間T2において基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判別し(ステップS506)、区間T2内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合には、処理ステップS508〜S511の処理を行った後、処理ステップS502に戻る。
制御回路103は、処理ステップS506において区間T2内で基準電圧Vcompを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、処理ステップS530〜S534の処理を行った後、処理ステップS502に戻る。
一方、制御回路103は、処理ステップS505において回転検出回路108が基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、図18で説明したように、区間T2R、T3Rにおいては回転検出回路108が誘起電流Ik(換言すれば誘起電圧信号VRs)の検出方向を逆方向に切り換えて回転検出を行う(Rs−Rとする)ように制御する(ステップS522)。
回転検出回路108は、区間T1bにおいては、駆動電流iと同方向に流れる誘起電流Ikの有無の検出、即ち、基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsの有無を検出し、検出区間判別回路109は回転検出回路108が検出した基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsが区間T1bに含まれるか否かを判定する。
制御回路103は、回転検出回路108が基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS191)。
制御回路103は、処理ステップS191において区間T1bでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合(ステップS191)、回転検出回路108が区間T2Rにおいて基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS192)。
制御回路103は、処理ステップS192において、検出回路108が区間T2Rにおいて基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合、処理ステップS530に移行する。
制御回路103は、処理ステップS192において、検出回路108が区間T2Rにおいて基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、処理ステップS531に移行する。
制御回路103は、処理ステップS191において区間T1bでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、制御回路103は、区間T2Rでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したか否かを判定する(ステップS193)。
制御回路103は、処理ステップS193において区間T1bでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定した場合、処理ステップS531に移行する。
制御回路103は、処理ステップS193において区間T1bでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定した場合、制御回路103は、処理ステップS194において区間T3Rでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出しかいなかを判定する(ステップS194)。
制御回路103は、処理ステップS194において区間T3Rでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出していないと判定すると、処理ステップS508に移行する(ステップS194)。
制御回路103は、処理ステップS194において区間T3Rでは基準電圧Vinvを超える誘起電圧信号VRsを検出したと判定すると、処理ステップS509に移行する。
以上述べたように本発明の第3の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路は、複数の区間に区分された検出区間においてステッピングモータの自由振動によって駆動コイルに流れる誘起電流を検出し、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い前記誘起電流の検出時刻が遅くなると共にレベルが低下することを利用して、前記各区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かを表すパターンに基づいて前記ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出部と、相互にエネルギが相違する複数種類の駆動パルスの中から前記回転検出部が検出した回転状況に応じた駆動パルスを選択し、前記選択した駆動パルスによって前記駆動コイルに駆動電流を供給して前記ステッピングモータを回転駆動する制御部とを備え、
前記回転検出部は、前記検出区間における最初の区間である第1区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かに基づいて、前記第1区間より後の区間において誘起電流の検出方向を選定して検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出するように構成され、
第1区間T1には当該第1区間T1の初めから所定時間幅の第5区間T1aが設けられて成り、
前記回転検出部は、第5区間T1aにおいて所定の基準値を超える誘起電流Ikを複数検出したか否かに基づいて第5区間T1aの後の区間において誘起電流Ikの検出方向を選定して検出し、第5区間T1a及び第5区間T1a以後の区間において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出することを特徴としている。
ここで、前記回転検出部は、第5区間T1aにおいて前記基準値を超える誘起電流Ikを複数検出しなかった場合、第5区間T1aを第1区間T1とし、第1区間T1の後の区間では検出方向を第1区間T1と同方向にして誘起電流Ikを検出し、第1区間T1及び第1区間T1以降の区間において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出するように構成することができる。
また、前記回転検出部は、第5区間T1aにおいて前記基準値を超える誘起電流Ikを複数検出した場合には、第5区間T1aが終了した後前記基準値を下回る誘起電流Ikを検出するまでの区間を第6区間T1bとし、第6区間T1bの後の区間では検出方向を第5区間T1aと逆方向にして誘起電流Ikを検出し、第5区間T1a、第6区間T1b及びその他の区間において検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出するように構成することができる。
また、前記回転検出部は、第5区間T1aにおいて前記基準値を超える誘起電流Ikを複数検出した場合において、第5区間T1aが終了した後前記基準値を下回る誘起電流を検出するまでの第7区間(区間T1bの最大幅)が所定時間幅を越える場合、第7区間より後の区間では検出方向を第5区間T1aと逆方向にして前記誘起電流を検出し、第5区間T1a、第7区間及びその他の区間T2R、T3Rにおいて検出した誘起電流Ikに基づくパターンによりステッピングモータ107の回転状況を検出するように構成することができる。
また、主駆動パルスP1のランクを維持してステッピングモータ107を駆動する状態において、第5区間T1a及び第7区間はステッピングモータ107のロータ202を中心とする空間の第2象限IIにおけるロータ202の最初の正方向の回転状況を判別する区間であるように構成することができる。
また、前記回転検出部は、ステッピングモータ107の自由振動によって駆動コイル209を相互に逆方向に流れる誘起電流Ikを検出する第1、第2検出抵抗301、302を有すると共に、検出区間Tにおいて、ステッピングモータ107の駆動コイル209と検出抵抗301、302とを含む第1閉回路と、駆動コイル209と低インピーダンス素子とによって構成される第2閉回路とを交互に繰り返すことによって誘起電流Ikを検出するようにして成り、検出する誘起電流Ikの方向に応じて、第1閉回路を構成する検出素子を第1検出抵抗301又は第2検出抵抗302に切り換えて検出するように構成することができる。
前記第1の実施の形態では、検出する誘起電流Ikの電流方向を切り替えを判定する区間T1は一定時間幅に設定されているため、適正な切り換えタイミングを得ることができず、回転したにも拘わらず非回転と誤判定することが懸念されるが、本第3の実施の形態では、検出する誘起電流Ikの方向を切り替えを判定する検出区間(T1a+T1b)は、区間T2Rが開始するときのロータ202の位置は水平磁極軸Xになるように変化するため、早期に正確な回転検出を行うことが可能になる。また、誘起電流Ikの電流方向を決定した後、適正なタイミングで回転検出に移行するため、安定した回転検出を行うことが可能になる。また、回転誤判定の回避と無駄な電力消費を抑えることが可能になる。
また、本発明の各実施の形態に係るムーブメントは前記各ステッピングモータ制御回路を備えているため、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になアナログ電子時計を構築することができる。
また、本発明の各実施の形態に係るアナログ電子時計は前記各ムーブメントを備えているため、負荷変動の影響を低減して正確な回転検出を行うことが可能になり、したがって、正確な運針や低消費電力化が可能になる。
尚、本発明の各実施の形態では、検出区間Tを基本的に3つの区間T1〜T3に区分した例で説明したが、区間数が複数であれば適用可能である。
また、本発明の各実施の形態では、最初の区間T1において複数の基準値を超える誘起電流Ikを複数検出した場合に、区間T1の後の全ての区間において誘起電流Ikが駆動コイル209を区間T1とは逆方向に流れるようにして、回転検出を行うように構成したが、区間T1の後の一部の区間のみにおいて誘起電流Ikが駆動コイル209を区間T1とは逆方向に流れるようにして、回転検出を行うように構成してもよい。
また、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路は、時刻針やカレンダ以外のものを駆動するステッピングモータにも適用可能である。
また、ステッピングモータの応用例として電子時計の例で説明したが、モータを使用する電子機器に適用可能である。
本発明に係るステッピングモータ制御回路は、ステッピングモータを使用する各種電子機器に適用可能である。
また、本発明に係るムーブメント及びアナログ電子時計は、カレンダ機能付きアナログ電子腕時計、カレンダ機能付きアナログ電子置時計等の各種カレンダ機能付きアナログ電子時計をはじめ、各種のアナログ電子時計に適用可能である。
101・・・発振回路
102・・・分周回路
103・・・制御回路
104・・・主駆動パルス発生回路
105・・・補正駆動パルス発生回路
106・・・モータドライバ回路
107・・・ステッピングモータ
108・・・回転検出回路
109・・・検出区間判別回路
111・・・時計ケース
112・・・アナログ表示部
113・・・ムーブメント
114・・・時針
115・・・分針
116・・・時針
201・・・ステータ
202・・・ロータ
203・・・ロータ収容用貫通孔
204、205・・・切り欠き部(内ノッチ)
206、207・・・切り欠き部(外ノッチ)
208・・・磁心
209・・・駆動コイル
210、211・・・可飽和部
OUT1・・・第1端子
OUT2・・・第2端子
301、302・・・検出抵抗
303・・・スイッチ制御回路
304、310、311・・・コンパレータ
305、306・・・インバータ
307・・・NAND回路
Q1〜Q6・・・トランジスタ

Claims (22)

  1. 複数の区間に区分された検出区間においてステッピングモータの自由振動によって駆動コイルに流れる誘起電流を検出し、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い前記誘起電流の検出時刻が遅くなると共にレベルが低下することを利用して、前記各区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かを表すパターンに基づいて前記ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出部と、
    相互にエネルギが相違する複数種類の駆動パルスの中から前記回転検出部が検出した回転状況に応じた駆動パルスを選択し、前記選択した駆動パルスによって前記駆動コイルに駆動電流を供給して前記ステッピングモータを回転駆動する制御部とを備え、
    前記回転検出部は、前記検出区間における最初の区間である第1区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かに基づいて、前記第1区間より後の区間において誘起電流の検出方向を選定して検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とするステッピングモータ制御回路。
  2. 前記回転検出部は、前記検出区間における最初の第1区間において所定の基準値を超える誘起電流を複数検出したか否かに基づいて、前記第1区間より後の区間において誘起電流の検出方向を選定して検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ制御回路。
  3. 前記回転検出部は、前記第1区間において前記所定の基準値を超える誘起電流を複数検出した場合、前記第1区間より後の区間では前記第1区間とは逆方向に前記誘起電流の検出方向を切り換えて検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とする請求項2記載のステッピングモータ制御回路。
  4. 前記回転検出部は、前記第1区間において前記所定の基準値を超える誘起電流を複数検出しなかった場合、前記第1区間より後の区間では検出方向を前記第1区間と同方向にして前記誘起電流を検出し、前記各区間において検出した誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とする請求項2又は3記載のステッピングモータ制御回路。
  5. 前記第1区間において前記駆動電流と誘起電流が同方向に流れるようにして検出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
  6. 前記所定の基準値として、第1基準値と、前記第1基準値よりも大きい第2基準値が設けられて成り、
    前記回転検出部は、前記第1区間において前記第1基準値を超える誘起電流を複数検出した場合、前記第1区間より後の区間では前記第1区間とは逆方向に前記誘起電流の検出方向を切り換えると共に前記第1基準値に基づいて前記誘起電流を検出することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
  7. 前記所定の基準値として、第1基準値と、前記第1基準値よりも大きい第2基準値が設けられて成り、
    前記回転検出部は、前記第1区間において前記第1基準値を超える誘起電流を複数検出することがなかった場合、前記第1区間より後の区間では検出方向を前記第1区間と同方向にすると共に前記第2基準値に基づいて前記誘起電流を検出することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
  8. 前記検出区間は駆動パルスによる駆動後の前記第1区間、前記第1区間よりも後の第2区間、前記第2区間よりも後の第3区間に区分されると共に、駆動パルスのランクを維持して前記ステッピングモータを駆動する状態において、前記ステッピングモータのロータの回転軸を中心として、前記駆動パルスによる印加電流方向に略水平な軸をX軸とした場合、前記第1区間は前記ステッピングモータのロータを中心とする空間の第2象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第2区間は第2象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況及び第3象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第3区間は第3象限における前記ロータの最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、
    前記回転検出部は、前記第1区間において前記第1基準値を超える誘起電流を複数検出した場合、前記第2区間及び第3区間では前記第1基準値を用いて前記誘起電流を検出することを特徴とする請求項6又は7記載のステッピングモータ制御回路。
  9. 前記検出区間は駆動パルスによる駆動直後の第1区間、前記第1区間よりも後の第2区間、前記第2区間よりも後の第3区間に区分されると共に、駆動パルスのランクを維持して前記ステッピングモータを駆動する状態において、前記ステッピングモータのロータの回転軸を中心として、前記駆動パルスによる印加電流方向に略水平な軸をX軸とした場合、前記第1区間は前記ステッピングモータのロータを中心とする空間の第2象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第2区間は第2象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況及び第3象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第3区間は第3象限における前記ロータの最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、
    前記回転検出部は、前記第1区間において前記第1基準値を超える誘起電流を複数検出することがなかった場合、前記第2区間及び第3区間では前記第2基準値を用いて前記誘起電流を検出することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
  10. 複数の区間に区分された検出区間においてステッピングモータの自由振動によって駆動コイルに流れる誘起電流を検出し、駆動エネルギに対する相対的な負荷増加に伴い前記誘起電流の検出時刻が遅くなると共にレベルが低下することを利用して、前記各区間において所定の基準値を超える誘起電流を検出したか否かを表すパターンに基づいて前記ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出部と、
    相互にエネルギが相違する複数種類の駆動パルスの中から前記回転検出部が検出した回転状況に応じた駆動パルスを選択し、前記選択した駆動パルスによって前記駆動コイルに駆動電流を供給して前記ステッピングモータを回転駆動する制御部とを備え、
    前記回転検出部は、前記ステッピングモータの自由振動によって前記駆動コイルを相互に逆方向に流れる誘起電流を検出する第1、第2検出素子を有すると共に、前記検出区間において、前記ステッピングモータの駆動コイルと前記検出素子とを含む第1閉回路と、前記駆動コイルと低インピーダンス素子とによって構成される第2閉回路とを交互に繰り返すことによって前記誘起電流を検出するようにして成り、前記検出区間における最初の区間である第1区間において前記第1、第2検出素子を用いて前記誘起電流を検出した結果に基づいて、前記第1区間より後の区間において用いる検出素子を選定して検出し、前記各区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とするステッピングモータ制御回路。
  11. 前記検出区間は駆動パルスによる駆動後の前記第1区間、前記第1区間よりも後の第2区間、前記第2区間よりも後の第3区間に区分されると共に、駆動パルスのランクを維持して前記ステッピングモータを駆動する状態において、前記ステッピングモータのロータの回転軸を中心として、前記駆動パルスによる印加電流方向に略水平な軸をX軸とした場合、前記第1区間は前記ステッピングモータのロータを中心とする空間の第2象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第2区間は第3象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第3区間は第3象限における前記ロータの最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、
    前記回転検出部は、駆動電流とは逆方向の所定値を超える誘起電流を検出した場合、前
    記第2区間以後は前記駆動電流と同方向の誘起電流の検出を行い、回転状況の判定を行うことを特徴とする請求項10記載のステッピングモータ制御回路。
  12. 前記回転検出部は、駆動電流とは逆方向の所定値を超える誘起電流を検出した場合、前記第2区間及び第3区間を統合した1つの第4区間として誘起電流の検出を行い、前記第1区間及び第4区間において検出した誘起電流のパターンに基づいて回転状況の判定を行うことを特徴とする請求項11記載のステッピングモータ制御回路。
  13. 前記検出区間は駆動パルスによる駆動後の前記第1区間、前記第1区間よりも後の第2区間、前記第2区間よりも後の第3区間に区分されると共に、駆動パルスのランクを維持して前記ステッピングモータを駆動する状態において、前記ステッピングモータのロータの回転軸を中心として、前記駆動パルスによる印加電流方向に略水平な軸をX軸とした場合、前記第1区間は前記ステッピングモータのロータを中心とする空間の第2象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第2区間は第3象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間、前記第3区間は第3象限における前記ロータの最初の逆方向の回転状況を判別する区間であり、
    前記回転検出部は、駆動電流と同方向の所定値を超える誘起電流を検出した場合、前記第2区間以後は前記駆動電流とは逆方向の誘起電流の検出を行い、回転状況の判定を行うことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
  14. 前記回転検出部は、駆動電流と同方向の所定値を超える誘起電流を検出した場合、前記第1区間乃至第3区間において検出した誘起電流のパターンに基づいて回転状況の判定を行うことを特徴とする請求項13記載のステッピングモータ制御回路。
  15. 前記第1区間には当該第1区間の初めから所定時間幅の第5区間が設けられて成り、
    前記回転検出部は、前記第5区間において所定の基準値を超える誘起電流を複数検出したか否かに基づいて前記第5区間より後の区間において誘起電流の検出方向を選定して検出し、前記第5区間及び前記第5区間より後の区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ制御回路。
  16. 前記回転検出部は、前記第5区間において前記所定の基準値を超える誘起電流を複数検出しなかった場合、前記第5区間を前記第1区間とし、前記第1区間より後の区間では検出方向を前記第1区間と同方向にして前記誘起電流を検出し、前記第1区間及び前記第1区間以降の区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とする請求項15記載のステッピングモータ制御回路。
  17. 前記回転検出部は、前記第5区間において前記所定の基準値を超える誘起電流を複数検出した場合には、前記第5区間が終了した後前記基準値を下回る誘起電流を検出するまでの区間を第6区間とし、前記第6区間より後の区間では検出方向を前記第5区間と逆方向にして前記誘起電流を検出し、前記第5区間、第6区間及びその他の区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回転状況を検出することを特徴とする請求項15又は16記載のステッピングモータ制御回路。
  18. 前記回転検出部は、前記第5区間において前記所定の基準値を超える誘起電流を複数検出した場合において、前記第5区間が終了した後前記基準値を下回る誘起電流を検出するまでの第7区間が所定時間幅を越える場合、前記第7区間より後の区間では検出方向を前記第5区間と逆方向にして前記誘起電流を検出し、前記第5区間、第7区間及びその他の区間において検出した前記誘起電流に基づくパターンにより前記ステッピングモータの回
    転状況を検出することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
  19. 主駆動パルスのランクを維持して前記ステッピングモータを駆動する状態において、前記ステッピングモータのロータの回転軸を中心として、前記駆動パルスによる印加電流方向に略水平な軸をX軸とした場合、前記第5区間及び第7区間は前記ステッピングモータのロータを中心とする空間の第2象限における前記ロータの最初の正方向の回転状況を判別する区間であることを特徴とする請求項18記載のステッピングモータ制御回路。
  20. 前記回転検出部は、前記ステッピングモータの自由振動によって前記駆動コイルを相互に逆方向に流れる誘起電流を検出する第1、第2検出素子を有すると共に、前記検出区間において、前記ステッピングモータの駆動コイルと前記検出素子とを含む第1閉回路と、前記駆動コイルと低インピーダンス素子とによって構成される第2閉回路とを交互に繰り返すことによって前記誘起電流を検出するようにして成り、検出する誘起電流の方向に応じて、前記第1閉回路を構成する検出素子を前記第1検出素子又は前記第2検出素子に切り換えて検出することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
  21. 請求項1乃至20のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路を備えて成ることを特徴とするムーブメント。
  22. 請求項21記載のムーブメントを備えて成ることを特徴とするアナログ電子時計。
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