JP4165092B2 - 電子機器および電子機器の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器、電子機器の制御方法、電子機器の制御プログラムおよび該プログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【背景技術】
ステッピングモータが組み込まれた電子機器、特にアナログ電子時計のように、小型で電源となる電池も小さい場合には、ステッピングモータを駆動するための駆動パルスにおける信号波形のエネルギーを小さくすることで省電力化を図ることが好ましい。但し、エネルギーが小さすぎるとモータのロータが回転しないため、ロータの回転検出装置を組み込み、ロータが回転した場合には、駆動パルスのパルス幅を徐々に小さくして省エネルギ化を図り、ロータが回転しなかった場合には、前記駆動パルスよりパルス幅(実効値)を大幅に大きくしたものであって当該駆動パルスとは同極の補助パルスを出力してロータを確実に回転させるとともに、次に出力される駆動パルスのパルス幅を大きくしてモータを回転させやすくする駆動制御方法が採用されていた。
【0003】
このようなモータの回転駆動検出の方法として、実公平7−29512号公報に記載されたものが知られている。
すなわち、ロータの回転・非回転を検出するには、モータ駆動パルスP1を加えた後の2つ目の逆方向電流が基準電圧以上か未満かを検出すればよい。この際、1つ目の逆方向電流ではなく、2つ目の逆方向電流を検出するためには、駆動パルスP1の入力後、逆方向電流の検出開始タイミングを適切に設定しなければならない。このタイミングは、各機種毎や状況によって相違する。例えば、モータで動かされる指針の太さが相違すると、指針の回転モーメントも異なるため、ロータの自由振動の周期も相違し、逆方向電流の出力タイミングも異なる。また、外部磁界がロータに影響した場合もタイミングが異なる。
このため、逆方向電流のみを検出しようとすると、そのタイミング設定が難しく、うまく設定できない場合には回転状態を誤検出してしまうものであった。
【0004】
これに対し、前記考案では、駆動パルス入力後に出力される同方向電流の出力タイミングから逆方向電流の出力タイミングがほぼ一定であることに着目し、まず、同方向電流を検出した後に、逆方向電流を検出することで、確実にかつ正確にロータの回転検出を行えるようにしている。
具体的には、図16に示すように、回転検出手段は、駆動パルスP1を出力後、コイルの誘起電流のうち駆動電流と同方向に流れる同方向電流を検出するための同方向検出パルス(第1検出パルス)SP1を出力する。
モータのコイルには、駆動パルスによる誘起電流(駆動電流)が流れた後、ロータの自由振動によって、一旦、逆方向の電流が流れた後、前記駆動電流と同方向の電流が再度流れる。前記第1検出パルスSP1は、この同方向電流(第1の検出区間)を検出するためのものであり、同方向電流の電圧が基準電圧Vref以上となって同方向電流を検出すると、回転検出手段は、逆方向に流れる逆方向電流を検出するための逆方向検出パルス(第2検出パルス)SP2を出力する。
【0005】
この第2検出パルスSP2によって、前記同方向電流の後に出力される逆方向電流(第2検出区間)が検出される。この際、ロータが回転していると、逆方向電流の電圧901も基準電圧Vref以上になるが、ロータが回転しなかった場合には、その電圧(図16の点線902)は基準電圧未満になるため、第2検出パルスSP2によって基準電圧以上の逆方向電流を検出できれば、ロータが回転したことが検出でき、逆方向電流を検出できなければロータが回転しなかったことが検出できるため、ロータの回転を正確に検出することができた。
この考案によれば、同方向電流を検出した後に、逆方向電流を検出するため、誤検出を避けるための非検出区間が自動的に設定され、ロータの回転速度に変化が生じても、ロータの回転を正確に検出でき、低消費電流で信頼性の高いアナログ電子時計とすることができた。
【0006】
ところで、前記検出パルスは、ロータのブレーキ制御としても機能する。すなわち、検出パルスSP1が加わっていない場合には、コイルが短絡されてステッピングモータにはショートブレーキ(電磁ブレーキ)が加わることになる。ここで、電磁ブレーキを継続するとブレーキが強すぎてロータの自由振動が急速に減衰し、ロータが回転しても前記2番目の逆方向電流等が検出できなくなり、ロータの回転検出が行えなくなる。
このため、駆動パルス出力直後のタイミングに合わせて検出パルスを加えてチョッピング制御することで、ブレーキ力を弱め、ある程度のロータの自由振動を許容して逆方向電流でロータの回転検出を行えるようにしていた。
【0007】
この検出パルスの出力タイミングは、ブレーキ力を調整するために、前記駆動パルスの出力後、あまり時間を置かずに出力していた。但し、駆動パルスのパルス幅は、モータ駆動制御時に設定範囲内で自動的に変化するため、パルス幅が設定範囲内で最大になった場合でも検出パルスが重なって出力されないように、第1検出パルスSP1は、パルス幅が最大の駆動パルスの出力後に僅かな時間をおいて出力するように設定されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記考案によっても多くの場合は、正確な回転検出を行えたため、ステッピングモータの回転制御を正確にかつ省エネルギ化を図ることができる。
しかしながら、例えば、通常の指針に比べて太くて重い指針を用いた場合のようにモータの負荷が変化した場合や、モータなどの回転軸に用いられる潤滑油の劣化等によって、電流の波形タイミングが変化することがある。
すなわち、図17に示すように、駆動電流の立ち下がりが緩やかになると、前記第1検出パルスでその立ち下がり部分911の電圧を検出してしまい、第1の同方向電流を検出したと誤検出してしまうおそれがある。この場合、ロータの回転・非回転に関係なく、所定の基準電圧を超えてしまう最初の逆方向電流912を第2の逆方向電流と誤検出してしまうので、ロータが回転していない場合も回転したと誤検出するおそれがあるという課題が発生する。
このような問題は、アナログ電子時計に限らず、ステッピングモータを備え、このモータの回転検出を行う各種の電子機器においても発生する可能性がある問題である。
【0009】
本発明の目的は、チョッピングブレーキ制御を行うことでロータの自由振動をある程度許容してロータの回転検出を可能とするとともに、その回転検出を確実にかつ正確に行うことができる電子機器、電子機器の制御方法、電子機器の制御プログラムおよび該プログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともロータおよびコイルを有するステッピングモータと、前記ロータの回転検出を行なうロータ回転検出装置と、前記ロータ回転検出装置によって検出されたロータの回転検出情報に基づいてモータの駆動制御を行うモータ駆動制御手段とを備えた電子機器であって、前記ロータ回転検出装置は、前記モータ駆動制御手段によりモータ駆動パルスが前記コイルに出力された後に、前記ロータの自由振動によって前記コイルに誘起される誘起電流のうち、駆動電流と同方向に流れる同方向電流を検出する第1検出手段と、前記第1検出手段による同方向電流の検出開始タイミングを設定する第1検出タイミング調整手段と、前記ロータの自由振動によって前記コイルに誘起される誘起電流のうち、駆動電流と逆方向に流れる逆方向電流を検出してロータが回転したか否かを検出する第2検出手段とを備え、前記第1検出手段は、前記ロータのチョッピングブレーキ制御および前記同方向電流検出に用いられる第1検出パルスを形成して、前記モータ駆動パルスが前記コイルに入力された後に、前記第1検出パルスを前記コイルに出力する検出パルス形成回路と、前記同方向電流の電圧値を基準電圧値と比較して検出する検出回路とを備え、前記第1検出タイミング調整手段は、前記検出パルス形成回路による第1検出パルスの出力が開始された後、予め設定された所定期間経過後に前記検出回路による前記同方向電流の電圧値の検出を開始して、前記所定期間が経過するまでの期間は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行い、かつ、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出は行わず、前記所定期間経過後は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行うとともに、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出を行い、前記第2検出手段は、前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことを前記検出回路が検出すると、前記逆方向電流の電圧値の検出を開始し、逆方向電流の電圧値が基準電圧値以上となったか否かでロータの回転の有無を検出することを特徴とするものである。
【0011】
このような本発明においては、第1検出パルスの出力が開始された後、前記所定期間が経過するまでの期間は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行い、かつ、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出は行わないように設定する第1検出タイミング調整手段を備えているので、第1検出手段は、駆動パルスの印加によってコイルに誘起する駆動電流が減衰している際に、その駆動電流を同方向電流と誤検出することがなく、その後のロータの自由振動による同方向電流を検出することができる。このため、第1検出手段によって駆動電流を誤検出し、そのため、ロータの回転検出を誤検出してしまうことを確実に防止でき、ロータの回転検出を正確に行うことができる。従って、モータの駆動制御も正確にかつ確実に行うことできる。
また、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出を行っていない間も、第1検出パルスをコイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行っているので、チョッピング制御によるブレーキ力は従来と同様のものに設定でき、ブレーキ力の調整が不要なため従来製品への組み込みも容易に行うことができる。
【0012】
なお、前記第1検出手段の検出開始タイミングは、通常は、本発明を適用した電子機器におけるステッピングモータの特性や、そのモータで駆動される指針等の負荷を考慮し、各電子機器の機種毎などに予め設定すればよい。
さらに、モータ駆動制御手段が駆動パルスのパルス幅を可変制御する場合には、そのパルス幅に応じて検出開始タイミングを調整してもよい。すなわち、パルス幅が大きな場合には、パルス幅が小さい場合に比べて、検出開始タイミングを遅らせるように制御すればよい。
【0016】
また、前記ロータ回転検出装置は、前記第1検出手段で検出される同方向電流の電圧値および前記第2検出手段で検出される逆方向電流の電圧値がそれぞれ入力される2つの入力端子と、比較用の基準電圧が入力される端子とを備えたコンパレータを有するとともに、前記第1検出手段の検出回路において、前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことが検出された後、前記第2検出手段による逆方向電流の電圧値の検出を開始するまでの時間を予め設定された所定期間に設定し、前記コンパレータによる同方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号の出力に遅れが生じた場合に、その信号を逆方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号と誤検出することを防止する第2検出タイミング調整手段を備えていることが好ましい。
本発明では、第1検出手段および第2検出手段で共通のコンパレータを利用できるため、各検出手段毎に別々のコンパレータ、つまり2つの検出コンパレータを用いる場合に比べて、素子のバラツキ(しきい値、応答速度、温度特性など)を低減あるいは無くすことができ、精度の高い検出を行うことができる。
その上、第2検出タイミング調整手段を備えて、第1検出手段から第2検出手段での検出に切り換える際に、ある程度の時間を置くことができる。このため、第1検出手段による検出結果の取り込み時にディレイが生じ、その信号を第2検出手段による結果取り込みと誤検出してしまうことを確実に防止することができる。
【0017】
ここで、前記第2検出手段は、第2検出パルスを形成して前記コイルに出力する検出パルス形成回路、および、前記逆方向電流の電圧値を基準電圧値と比較して検出する検出回路を備え、前記第2検出タイミング調整手段は、前記検出パルス形成回路による第2検出パルスの出力が開始された後、予め設定された所定期間経過後に前記検出回路による前記逆方向電流の電圧値の検出を開始することが好ましい。
第2検出タイミング調整手段としては、前記第1検出タイミング調整手段と同様な構成が採用できるが、特に検出信号の出力開始タイミングを調整する構成を採用すれば、第2検出パルスの出力周期や第2検出手段の駆動周期を変更する必要が無く、第1検出タイミング調整手段との同期も容易に行えて制御を簡単に行うことができる。
【0018】
また、前記第1検出パルスおよび第2検出パルスは、同一の検出パルス形成回路によって形成され、この検出パルス形成回路は形成するパルスのパルス幅を調整可能に構成されていることが好ましい。
各検出パルスのパルス幅が調整可能であれば、各パルスによるチョッピング制御時のブレーキ量を可変することができ、本発明を適用する電子機器のモータ特性などとのマッチングも容易に行うことができる。
さらに、同一の検出パルス形成回路を用いて各検出パルスを形成すれば、各々異なる検出パルス形成部で形成する場合に比べて部品を少なくできてコストを低減できる。
【0019】
電子機器は、電子時計であることが好ましい。すなわち、電子機器としては、前記ステッピングモータによって駆動される輪列と、この輪列によって駆動される指針とを備え、前記モータ駆動制御手段は、基準信号源の基準信号および前記ロータの回転検出信号に基づいてモータを駆動制御することを特徴とする電子時計であることが好ましい。
本発明を輪列、指針を備える電子時計に用いれば、ステッピングモータの回転検出を確実にかつ正確に行うことができるため、このモータを基準信号に合わせて高精度に制御できてモータによって輪列を介して駆動される指針を高精度に駆動でき、指示誤差の少ない時計を提供できる。
【0020】
本発明の電子機器の制御方法は、少なくともロータおよびコイルを有するステッピングモータと、モータ駆動パルス出力後にロータの自由振動によりコイルに誘起される電流を電圧値に変換し電圧値の大小によってロータの回転検出を行なうロータ回転検出装置と、ロータ回転検出装置によるロータの回転検出情報に基づいてモータの駆動制御を行うモータ駆動制御手段とを備えた電子機器の制御方法であって、前記誘起電流のうち駆動電流と同方向に流れる電流を同方向電流、逆方向に流れる電流を逆方向電流と呼ぶとき、前記コイルに検出パルスを出力し、この検出パルスを加えた際に前記同方向電流の電圧値が基準電圧値以上になったことを検出した後で逆方向電流の電圧値の検出を開始してロータの回転検出を行う回転検出工程と、検出されたロータの回転検出情報に基づいてモータの駆動制御を行うモータ駆動制御工程と、前記検出パルスの出力開始タイミングに対する前記同方向電流の電圧値の検出開始タイミングを設定する同方向電流検出タイミング調整工程とを備え、前記回転検出工程は、前記ロータのチョッピングブレーキ制御および前記同方向電流検出に用いられる第1検出パルスを形成し、前記モータ駆動パルスが前記コイルに入力された後に、前記第1検出パルスを前記コイルに出力し、前記同方向電流の電圧値を基準電圧値と比較して検出する同方向電流検出工程と、前記同方向電流検出工程において前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことを検出すると、前記逆方向電流の電圧値の検出を開始し、逆方向電流の電圧値が基準電圧値以上となったか否かでロータの回転の有無を検出する逆方向電流検出工程とを備え、前記同方向電流検出タイミング調整工程は、前記同方向電流検出工程において第1検出パルスの出力が開始された後、予め設定された所定期間経過後に前記同方向電流の電圧値の検出を開始し、前記所定期間が経過するまでの期間は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行い、かつ、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出は行わず、前記所定期間経過後は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行うとともに、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出を行う、ことを特徴とするものである。
この際、前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことを検出した後、逆方向電流の電圧値の検出を開始するまでの時間を予め設定された所定期間に設定し、前記同方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号の出力に遅れが生じた場合に、その信号を逆方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号と誤検出することを防止する逆方向電流検出タイミング調整工程を備えていることが好ましい。
【0021】
これらの制御方法においても、同方向電流の検出タイミングを調整できるので、駆動パルスの印加によってコイルに誘起する駆動電流が減衰して検出できない状態になるタイミングで同方向電流の検出を開始できる。このため、駆動電流を誤検出し、そのため、ロータの回転検出を誤検出してしまうことを確実に防止でき、ロータの回転検出を正確に行うことができる。従って、モータの駆動制御も正確にかつ確実に行うことできる。
【0022】
前記モータ駆動制御手段は、基準信号源の基準信号および前記ロータの回転検出信号に基づいてモータを駆動制御するとともに、前記電子機器は、前記ステッピングモータによって駆動される輪列と、この輪列によって駆動される指針とを備えた電子時計であることが好ましい。
本発明の制御方法を輪列、指針を備える電子時計の制御に用いれば、ステッピングモータの回転検出を確実にかつ正確に行うことができるため、このモータを基準信号に合わせて高精度に制御できてモータによって輪列を介して駆動される指針を高精度に駆動でき、指示誤差の少ない時計を提供できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には本実施形態のアナログ電子時計の一構成例を示すブロック図が示されている。
アナログ電子時計は、水晶発振回路1、分周回路2、アップダウンカウンタ3、モータ制御信号形成回路4、モータドライバおよび検出回路を備えた検出回路内蔵モータドライバ5、表示機構6を備えて構成されている。
表示機構6は、時刻を指示するものであり、図示しないロータ、ステータおよびコイル7Aからなるステッピングモータ7と、ロータに連結され時刻表示針を運針させる輪列機構8と、時刻表示用の指針(時針、分針、秒針)9とで構成されている。
【0027】
水晶発振回路1は、音叉型水晶振動子を源振に例えば32768Hzで発振している。分周回路2は、水晶発振回路1から出力される発振信号11(32768Hz)を順次分周して、モータ制御信号形成回路4等に必要な周波数信号を形成する。
アップダウンカウンタ3は、分周回路2からの分周信号12、例えば1/80Hzの信号がダウンカウント入力とされ、モータ制御信号形成回路4から出力される補正駆動パルスP2がアップカウント入力とされ、これらの各アップ、ダウンカウント入力があった際にカウンタ値をアップあるいはダウンするように構成されている。
そして、アップダウンカウンタ3は、例えば3ビットのカウンタ等で構成されており、その出力データ(α、β、γ)は、モータ制御信号形成回路4に入力される。
【0028】
モータ制御信号形成回路4は、図2のタイミングチャートに示すように、通常駆動パルスP1、補正駆動パルスP2、第1のチョッパ増幅パルス(第1検出パルス)SP1、第2のチョッパ増幅パルス(第2検出パルス)SP2を運針周期ごとに形成し出力する。なお、本実施形態の運針周期は1秒である。
また、駆動パルスP1は、例えば2.20msec〜3.91msecまで0.24msecステップで8種類用意されており、1/8アップダウンカウンタ3のデータ値が大きくなるにつれて幅の広いパルス(デューティ比が大きなパルス)が出力され、カウンタ3のデータ値が小さくなるにつれて幅の小さいパルス(デューティ比が小さなパルス)が出力され、常に最適のパルス幅でステッピングモータ7が駆動されるように構成されている。
さらに、補正駆動パルスP2は、ステッピングモータ7を確実に駆動できるように前記駆動パルスP1よりもパルス幅(実効値)を大幅に大きくしたものであり、かつ駆動パルスP1とは同極のパルスであり、例えば、7.8msecのパルス幅の信号と、0. 24 msecのパルス幅の信号とが順次出力されるように構成されている。
【0029】
モータ制御信号形成回路4は、図3に示すような、第1検出パルスSP1、第2検出パルスSP2等を形成する検出パルス形成回路41と、検出回路内蔵モータドライバ内の検出回路の駆動を制御するコンパレータサンプリング信号SPCONP、マスク信号SP1MSK,SP2MSKを形成する制御信号形成回路42を備えている。
検出パルス形成回路41は、図3に示すように、NOTゲート301,307,308と、ANDゲート302,306,309,310,316と、C端子に入力するクロックパルスの立ち上がりでD端子に入力するデータをQ及びXQ端子に転送するフリップフロップ(FF)303,304と、NORゲート305と、OR回路317とを備えて構成されている。
制御信号形成回路42は、ANDゲート311,312,313と、S端子に入力する信号の立ち上がりでQ端子の出力がHレベル信号になりR端子に信号が入力されるまでその出力を維持するRSフリップフロップ(FF、ラッチ回路)314,315とを備えて構成されている。
【0030】
ここで、フリップフロップ304は第1検出パルスSP1の出力開始を規定するためのものであり、図2および図4のタイミングチャートに示すように、駆動パルスP1が出力され始めてから3.91msecの間は第1検出パルスSP1が出力されないようにしている。
フリップフロップ303は第2検出パルスSP2の出力区間を規定するためのものであり、駆動パルスP1が出力され始めてから23.4msec以降は第2検出パルスSP2が出力されないようにしている。
【0031】
また、第1検出パルスSP1はANDゲート309により検出回路内蔵モータドライバ5から出力される第1検出信号DE1がLow(Lレベル信号)のとき、つまり第1検出パルスによる同方向電流が検出されていないときに出力され、第2検出パルスSP2はANDゲート310により検出回路内蔵モータドライバ5から出力される第1検出信号DE1がHigh(Hレベル信号)で、第2検出信号DE2がLowのとき、つまり第1検出パルスSP1による同方向電流が検出され、かつ第2検出パルスSP2による逆方向電流が検出されていない場合にのみ出力される。
なお、第1検出パルスSP1は、図4に示すように、第1検出信号DE1がHレベル信号になれば、その出力が終了するが、第1検出パルスSP1で同方向電流が検出されなかった場合には、所定期間経過後にその出力が終了するようにされている。本実施形態では、図5に示すように、64M信号(64Hzのマスター信号)の立ち下がりまで、つまり64Hz信号の半周期分(7.8125ms)経過すると、出力が終了するようにされている。この場合、第1検出信号DE1がLレベル信号のままであるため、第2検出パルスSP2は出力されないことになる。一方、第1検出信号DE1がHレベル信号になって出力された第2検出パルスSP2は、図4に示すように、第2検出信号DE2がHレベル信号になれば、その出力が終了するが、第2検出パルスSP2で逆方向電流が検出されなかった場合には、前述したように、フリップフロップ303によって信号S1がHレベル信号となるまで、つまり駆動パルスP1が出力され始めてから23.4msec経過すると、出力が終了するようにされている。
【0032】
そして、モータ制御信号形成回路4は、上記各パルスP1、P2、SP1、SP2を図7のタイミングチャートに示したa1〜a6の信号にデコードして出力する。なお、補正駆動パルスP2は、回転検出により非回転と判定されたときにだけ出力される。具体的には、第1検出信号DE1がHighで、第2検出信号DE2が第2検出パルスSP2の出力期間経過時点でLowの場合(図6に示す場合)と、第1検出信号DE1が第1検出パルスSP1の出力期間経過時点でLowの場合(図5に示す場合)には、非回転と判定されて補正駆動パルスP2が出力される。
【0033】
検出回路内蔵モータドライバ5は、図8に示すように、Pチャンネル型MOSトランジスタ601,603と、Nチャンネル型MOSトランジスタ602,604と、チョッパ増幅用抵抗605,606と、チョッパ増幅用抵抗をスイッチングするためのPチャンネル型MOSトランジスタ607,608と、チョッパ増幅時に発生する検出電圧が基準電圧Vrefを超えたときに出力がHighになるコンパレータ609と、ANDゲート614,615と、S端子に入力する信号によりセットされR端子に入力するラッチリセット信号によりリセットされるS−Rラッチ(フリップフロップ)620,621とを備えて構成されている。
【0034】
コンパレータ609は、基準電圧Vrefと比較する比較電圧を入力する端子が2つ設けられた2比較電圧入力タイプのコンパレータである。
すなわち、通常使用される1比較電圧入力タイプのコンパレータ610は、図9に示すように、比較電圧が入力される端子(O1/O2入力)651と、基準電圧Vrefが入力される端子652との2つの入力端子を備え、コンパレータサンプリング信号の入力によって、検出時のみ動作、つまり検出時のみ電圧が加わって作動されるように構成されている。このような従来のコンパレータ610は、図9に示すように、10個のトランジスタを組み合わせて構成されている。
このような一般的なコンパレータ610により2つの入力信号をそれぞれ基準信号と比較するには、2つのコンパレータ610を設けなければならず、このため、しきい値、応答速度、温度特性等の素子のバラツキによって検出誤差が発生する虞があるという課題がある。
【0035】
一方、本実施形態で利用したコンパレータ609は、図10に示すように、2つの比較電圧入力端子661,662を備え、基準電圧の入力端子663とで3つの入力端子を備えている。このコンパレータ609は、前記サンプリング信号SPCOMPによって、コンパレータ609による検出が必要な時のみ動作する。具体的には、コンパレータ609の動作開始は、第1検出パルスSP1の出力開始時点である。一方、コンパレータ609の動作終了は、(A)第1検出パルスSP1によって同方向電流を検出後、第2検出パルスSP2で逆方向電流を検出した時点(図4参照)、(B)第1検出パルス出力区間内で第1検出パルスSP1によって同方向電流をできなかった場合の第1検出パルス出力区間終了時(図5参照)、(C)第1検出パルスSP1によって同方向電流を検出後、第2検出パルスSP2で逆方向電流を検出しなかった場合の第2検出パルス出力終了時(図6参照)の3つのパターンがある。従って、本実施形態では、コンパレータ609は、駆動パルスP1が出力され始めてから3.91msec経過時点で動作が開始され、最長でも駆動パルスP1が出力され始めてから23.4msec経過時点で動作が終了するように設定されている。
このコンパレータ609は、11個のトランジスタを組み合わせて構成されており、従来のコンパレータ610と比較しても基本的には僅か1個のトランジスタの増加で構成できる。このため、マスク信号SP1MSK,SP2MSKを形成する制御信号形成回路42等を設けた場合でも、従来のコンパレータ610を2つ設ける場合と同程度のトランジスタ数に抑えることができ、コストやコンパレータ609を組み込むICチップサイズも同程度にできるとともに、素子バラツキを抑えることができるため、高精度の検出を行うことができる。
【0036】
検出回路内蔵モータドライバ5は、ステッピングモータ7のコイル7Aの端子O1,O2にステッピングモータ7を駆動するための駆動パルスP1,P2を供給するとともに、チョッパ増幅パルス(検出パルス)SP1,SP2が出力された時にコイル端子O1,O2に発生する検出電圧が基準電圧Vrefを超えるとHighになる第1検出信号DE1および第2検出信号DE2をモータ制御信号形成回路4に出力するように構成されている。
【0037】
また、モータ制御信号形成回路4からは、マスク信号SP1MSK,SP2MSK、ラッチリセット信号も検出回路内蔵モータドライバ5に対して出力される。
本実施形態では、このマスク信号SP1MSK,SP2MSKを、コンパレータ609の出力信号(検出信号)が入力されるANDゲート614,615に入力することによって、検出信号の出力つまり各ラッチ620,621への入力を禁止(無効化)したり許可(有効化)したりできるようにしている。そして、このマスク信号SP1MSK,SP2MSKを用いることで、検出信号の出力先を各ラッチ620,621に切り換えることによって、駆動パルスが印加された側と同じコイル端に発生する検出電圧で第1検出信号DE1が出力され、駆動パルスが印加された側と逆のコイル端に発生する検出電圧で第2検出信号DE2が出力されるように構成されている。
【0038】
従って、本実施形態では、モータ駆動制御手段は、駆動パルスP1,P2を出力するモータ制御信号形成回路4、駆動パルスP1のパルス幅を設定するアップダウンカウンタ3、検出回路内蔵モータドライバ5によって構成されている。
また、ロータ回転検出装置は、各検出パルスSP1,SP2やサンプリング信号SPCOMP、マスク信号SP1MSK,SP2MSKを出力するモータ制御信号形成回路4、検出回路内蔵モータドライバ5のコンパレータ609、ANDゲート614,615、ラッチ620,621によって構成されている。ここで、第1検出手段は、第1検出パルスSP1を出力するモータ制御信号形成回路4、コンパレータ609、ラッチ620で構成され、第2検出手段は、第2検出パルスSP2を出力するモータ制御信号形成回路4、コンパレータ609、ラッチ621で構成される。
また、第1検出タイミング調整手段は、マスク信号SP1MSKを出力するモータ制御信号形成回路4と、ANDゲート614とを備えて構成されている。また、第2検出タイミング調整手段は、マスク信号SP2MSKを出力するモータ制御信号形成回路4と、ANDゲート615とを備えて構成されている。すなわち、本実施形態においては、各検出タイミング調整手段は、コンパレータ609の検出信号の出力開始タイミングを前記各マスク信号SP1MSK,SP2MSKを用いることで調整している。
【0039】
次に、本実施形態における動作を図11のタイミングチャートおよび図12,13のフローチャートを参照して説明する。
初期状態では、マスク信号S P1MSK,SP2MSKおよびコンパレータサンプリング信号SPCOMPはそれぞれLOW (Lレベル信号)状態に維持される(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)。
時計の駆動制御が開始されると、モータ制御信号形成回路4は分周回路2の信号を利用して上記各パルスP1,P2,SP1,SP2を作成し、これらの信号に基づいて検出回路内蔵モータドライバ5の各端子a1〜a6に各パルス信号を1秒周期で順次入力する。
【0040】
[1.モータ駆動]
具体的には、図11に示すように、モータ制御信号形成回路4は、まず駆動パルスP1を出力する(S2)。
駆動パルスP1の入力に伴いコイル7Aには、図14のT1で示す部分のような電流が流れる。このコイル7Aには、駆動パルスP1の印加後に、ロータの自由振動によって、T2で示す部分のような電流が誘起される。
【0041】
[2.同方向電流検出]
駆動パルスP1の印加後に、モータ制御信号形成回路4は、検出回路内蔵モータドライバ5への第1検出パルスSP1の出力を開始する(S3)。第1検出パルスSP1は、チョッピング信号であるため、コイル7Aに流れる電流は、チョッピングによって増幅される。なお、このチョッピングにより増幅された誘起電流は、駆動パルスP1の印加中にコイル7Aに流れる電流と同方向である。
【0042】
モータ制御信号形成回路4は、当初、マスク信号SP1MSKをLow 状態に維持するとともに、コンパレータサンプリング信号SPCOMPをコンパレータ609に入力せず、コンパレータ609を停止状態に維持している(S1)。この状態は、各パルスの出力タイミングの基準となる正秒から予め設定された所定時間(SP1マスク区間)が経過するまで続行される(S4)。
【0043】
なお、本実施形態では、図11にも示すように、SP1マスク区間は、駆動パルスP1の出力後に、最初に出力される第1検出パルスSP1の出力タイミングよりも遅れて終了するように設定されている。このため、仮に1つ目の第1検出パルスSP1によって駆動電流を検出してしまいコイル7Aに誘起電流が発生したとしても、コンパレータ609が作動されておらず、また、コンパレータ609からの出力信号もマスク信号SP1MSKで無効化されていることから、ラッチ620の第1検出信号DE1はLowのままであり、同方向電流は検出されていないことになる。
【0044】
モータ制御信号形成回路4は、予め設定された所定時間(SP1マスク区間)が経過すると(S4)、前記マスク信号SP1MSKをHighにするとともに、第1検出パルスSP1に同期したコンパレータサンプリング信号SPCOMPをコンパレータ609に入力してコンパレータ609の駆動を開始する(S5)。
そして、図14に示すように、コンパレータ609により基準電圧Vref以上の誘起電流(同方向電流)が検出されると(S6)、第1検出信号DE1がHighとなり、この信号がモータ制御信号形成回路4に入力されて同方向電流が検出されたことになる(S7)。なお、モータ制御信号形成回路4は、第1検出信号DE1の入力により、第1検出パルスSP1の出力を停止する(S7)。
【0045】
[2.逆方向電流検出]
モータ制御信号形成回路4は、第1検出信号DE1がHighとなって同方向電流を検出すると(S6,7)、図11に示すように、第2検出パルスSP2の出力を開始する(S8)。
そして、予め設定された所定期間(SP2マスク区間)経過後(S9)、マスク信号SP2MSKをHighにする(S10)。
本実施形態では、1つのコンパレータ609を用いているため、このSP2マスク区間を設けずに同方向電流を検出した直後に、マスク信号SP2MSKを直ちにHレベル信号にすると、コンパレータ609の検出結果取り込みに遅れ(ディレイ)が生じた場合、同方向電流の検出による信号がラッチ621で検出されて逆方向電流の第2検出信号DE2がHighになってしまい、誤検出が生じてしまう。このため、本実施形態では、SP2マスク区間経過後に、マスク信号SP2MSKをHighにしている。
なお、前記ディレイは、コンパレータ609等の検出回路の特性で生じ、その時間も短いため、SP2マスク区間は、SP1マスク区間に比べて非常に短く設定されている。なお、SP2マスク区間においても、コンパレータサンプリング信号SPCOMPの出力は続行されている。
【0046】
モータ制御信号形成回路4は、マスク信号SP2MSKがHighとなると、逆方向電流の検出を開始する。
【0047】
[2−1.回転検出]
ここで、ロータが回転していれば、図14に示すように、基準電圧V ref以上の電圧値となる逆方向電流が発生するため、コンパレータ609によりその誘起電流(逆方向電流)が検出され(S11)、第2検出信号DE2がHighとなってモータ制御信号形成回路4に入力される(S12)。
そして、モータ制御信号形成回路4は、第2検出信号DE2の入力により、第2検出パルスSP2の出力を停止する(S12)。また、コンパレータサンプリング信号SPCOMPの出力も停止される(S13)。
なお、コンパレータ609が逆方向電流を検出した際に、その検出信号は、ラッチ621だけでなく、ラッチ620にも入力されるが、ラッチ620の出力DE1は既にHighに切り換えられているので、ラッチリセット信号が入力されるまでその出力はHighに維持されており、影響はない。
【0048】
[2−2.回転非検出]
一方、ロータが回転していないと、第2検出パルスSP2によって所定期間、逆方向電流の検出を行っても、基準電圧Vref以上にならない。従って、モータ制御信号形成回路4は、まず、第2検出パルスSP2の出力区間(所定期間)が終了したか否かを判断し(S14)、終了していなければS11の電流検出を繰り返す。一方、出力区間が終了した場合には、第2検出パルスSP2の出力を停止し(S15)、コンパレータサンプリング信号SPCOMPの出力も停止する(S16)。
この第2検出パルス出力区間内に第2検出信号DE2が入力されなかった場合には、ロータが回転していないと判断し、ロータを確実に回転させることができる補正駆動パルスP2を出力し、ロータを回転させる(S17)。
また、図12に示すように、第1検出パルスSP1によって同方向電流を検出できなかった場合(S6)、第1検出パルスSP1の出力区間(所定期間)が終了したか否かを判断し(S18)、終了していなければS6の同方向電流検出を繰り返す。一方、出力区間が終了した場合には、第1検出パルスSP1の出力を停止する(S19)。この第1検出パルス出力区間内に第1検出信号DE1が入力されなかった場合には、第2検出パルスSP2による逆方向電流の検出処理を行うことなく、ロータが回転していないと判断し、コンパレータサンプリング信号停止処理(S16)および補正駆動パルスP2の出力によるロータ回転処理(S17)を実行する。
【0049】
[3.駆動パルス幅制御]
駆動パルスP1のパルス幅は、アップダウンカウンタ3のカウンタ値によって、例えば8段階に切換可能とされている。このため、モータ制御信号形成回路4から補正駆動パルスP2が出力された場合(S17)には、カウンタ3の値が増加するため、駆動パルスP1のパルス幅も大きくされる(S20)。
一方、ロータの回転が検出され(S11)、補正駆動パルスP2が出力されない場合には、分周回路2からのクロック信号の入力によってカウンタ値が低下するため、駆動パルスP1のパルス幅が小さくされる(S21)。
【0050】
[4.リセット制御]
第2検出パルスSP2による所定の検出期間が経過すると、つまり駆動パルスP1が出力されてから1秒経過する前に、モータ制御信号形成回路4はラッチリセット信号を出力し、各ラッチ620,621をリセットする(S22)。
以上の処理は、時計の運針駆動が継続される限り、1秒間隔で繰り返される。
【0051】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)モータ制御信号形成回路4は、マスク信号SP1MSKを用いて、コンパレータ609で同方向電流を検出しても、その検出をキャンセルしてラッチ620側に入力しない非検出区間(SP1マスク区間)を設定したので、特に、駆動パルスP1のパルス幅が大きくなって第1検出パルスSP1との間隔が非常に小さくなった場合に、潤滑油の劣化等によってロータの回転速度が変化して駆動パルスP1による駆動電流の減衰タイミングが遅れ、この駆動電流を第1検出区間の同方向電流と間違えて誤検出してしまうことを確実に防止できる。
このため、第1検出区間の同方向電流を基準に第2検出区間の逆方向電流を検出することで、ロータの回転・非回転を判断している回転検出処理を正確にかつ確実に行うことができる。従って、ステッピングモータ7の駆動制御を確実にかつ正確に行うことができ、指針9による時刻指示誤差の発生も防止することができる。
【0052】
(2)SP1マスク区間では、コンパレータサンプリング信号も出力せず、コンパレータ609の駆動を停止しているので、コンパレータ609の駆動電力を最小限に抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。さらに、コンパレータ609は、その駆動が必要でない場合、つまり第2検出パルスSP2によって逆方向電流を検出した後や、SP1検出パルス出力区間が終了し、第1検出パルスSP1によって同方向電流を検出できなかった場合にもコンパレータサンプリング信号SPCOMPの出力を停止しているので(S13,S16)、コンパレータ609の駆動電力を最小限に抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。
このため、電池で駆動されるアナログ電子時計における持続時間を長くすることができる。
【0053】
(3)さらに、前記実施形態では、SP1検出パルス出力区間が終了し、第1検出パルスSP1によって同方向電流を検出できなかった場合(S18)には、第2検出パルスSP2による逆方向電流の検出を行わず、補正駆動パルスP2を出力するようにしているので、第2検出パルスSP2による逆方向電流の検出を行う場合に比べて、低消費電流になり、より一層の省エネルギー化を図ることができて、アナログ電子時計における持続時間もより長くすることができる。
【0054】
(4)SP1マスク区間においては、コンパレータ609の作動を停止したり、コンパレータ609の検出信号を無効化しているが、第1検出パルスSP1はSP1マスク区間でもコイル7Aに印加されるようにしているので、第1検出パルスSP1を利用したブレーキ制御を行うことができる。すなわち、第1検出パルスSP1を加えないと、ロータに電磁ブレーキが加わりすぎて自由振動時の誘起電圧が減少し、回転検出もできなくなる可能性があるが、本実施形態では、SP1マスク区間に関係なく第1検出パルスSP1によるチョッピング信号を加え、電磁ブレーキを解除するハイインピーダンス期間をある程度確保しているので、回転検出に必要な誘起電圧を確実に確保できる。このため、各種時計において前記SP1マスク区間をより長くする必要がある場合でも、SP1マスク区間の長さに関係なく第1検出パルスSP1を印加できるため、適切なブレーキ制御を行うことができる。
【0055】
(5)SP2マスク区間を設けたので、同方向電流および逆方向電流を検出するための検出回路であるコンパレータ609を2比較電圧入力タイプにして、各電流検出で共通化することができる。すなわち、コンパレータ609を用いると、検出結果取込時にディレイが生じ、同方向電流の検出から直ちに逆方向電流の検出に切り換えると誤検出してしまうおそれがあるが、本実施形態ではSP2マスク区間を設けて時間を置いてから切り換えるようにしているので、ディレイが生じても誤検出することを防止できる。
このため、2つのコンパレータを設ける必要が無くなり、2つのコンパレータを用いた場合に比べて、しきい値、応答速度、温度特性等の素子毎のバラツキを低減あるいは無くすことができ、各信号の検出精度を向上することができる。
【0056】
(6)ロータが非回転の場合には、カウンタ3の値が大きくなって駆動パルスP1のパルス幅が大きくなり、ロータが回転した場合には、カウンタ3の値が小さくなって駆動パルスP1のパルス幅が小さくなるため、常に最低限のパルス幅の駆動パルスP1でロータを駆動制御でき、その分、エネルギー消費量を低減できる。なお、駆動パルスP1は、ロータを駆動するのに最低限のパルス幅になるため、その信号のみではロータが回転しない場合もあるが、その場合には前記ロータの回転検出によって非回転が検出されることで、パルス幅が十分に大きな補正駆動パルスP2が印加されるため、ロータを確実に回転させるように駆動制御することができる。
【0057】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記実施形態においては、SP1マスク区間では、コンパレータ609の出力を無効化するとともに、コンパレータ609の駆動自体も停止していたが、いずれか一方のみを行ってもよい。
すなわち、コンパレータ609の出力のみを無効化し、SP1マスク区間でもコンパレータ609は駆動しているようにしてもよい。但し、省エネルギー化の点ではコンパレータ609を停止したほうが好ましい。
逆に、コンパレータ609の駆動のみを停止してもよい。コンパレータ609が停止していれば、出力側で信号を無効化する必要はないためである。
従って、検出手段であるコンパレータ609の駆動・停止を制御する検出手段駆動制御手段を設けることによってもSP1マスク区間の設定、つまり検出タイミングの調整を行える。
【0058】
また、前記実施形態では、SP1マスク区間においても、第1検出パルスSP1は出力していたが、図15に示すように、第1検出パルスSP1の出力自体を禁止してもよい。この際、コンパレータ609の駆動停止や信号無効化も同時に行ってもよいし、第1検出パルスSP1の出力のみを停止し、コンパレータ609の駆動等は行うようにしてもよい。
検出パルスSP1の出力を停止すれば、コンパレータ609等が駆動していても、各電流検出が行われないため、この検出パルスの出力を禁止する検出パルス禁止手段を設けて検出パルスSP1の出力タイミングを調整することで、SP1マスク区間を設定することができる。
なお、検出パルスSP1の出力を停止すれば、ロータの電磁ブレーキ量が大きくなり、停止しなければ電磁ブレーキ量を小さくできるので、SP1マスク区間における検出パルスSP1の出力の有無は必要な電磁ブレーキ量に応じて設定することが好ましい。
【0059】
さらに、前記実施形態では、SP2マスク区間において、コンパレータ609を駆動し続けていたが、このSP2マスク区間においてもコンパレータの609の駆動を停止し、マスク信号SP2MSKがHighになったらコンパレータ609の駆動を再開するように設定してもよい。
【0060】
さらに、前記実施形態では、2入力式のコンパレータ609を用いていたが、従来のコンパレータ610を2台設けて検出してもよい。
但し、本発明のような2入力式のコンパレータ609を用いたほうが、同時に入力されない信号でなければ検出できないという制約はあるものの、検出精度を向上できるなどの利点がある。
すなわち、2入力式のコンパレータは、第1の入力信号が入力される第1の入力端子と、前記第1の入力信号とは同時に入力されることがない第2の入力信号が入力される第2の入力端子と、各入力信号と比較するための基準信号が入力される基準信号入力端子とを備えて構成されたものが好ましい。
ここで、コンパレータの出力端子は1つであるため、各入力信号と基準信号との比較結果(検出結果)は、各入力信号のタイミングに合わせて出力信号がどちらの入力信号の検出結果であるかを判断すればよい。例えば、コンパレータの出力を各入力信号の入力タイミングに合わせて第1検出信号出力端子および第2検出信号出力端子に切り換えて出力する切換手段等を設ければよい。
また、コンパレータとしては、入力信号の切換時に出力信号にディレイが生じる可能性があるため、各入力信号の切換時に所定時間入力を停止する入力タイミング調整手段か、各入力信号の切換時に所定時間出力信号の出力を停止する出力タイミング調整手段を備えることが好ましい。
なお、前記実施形態においては、第1検出手段による検出後に第2検出手段の検出開始タイミングを調整する第2検出タイミング調整手段により、出力タイミング調整手段が構成されている。
また、前記切換手段としては、前記実施形態で用いた、コンパレータの出力がそれぞれ入力される第1のANDゲート614および第2のANDゲート615と、各ANDゲート614,615に入力されるマスク信号を出力する制御信号形成回路42と、各ANDゲート614,615の出力が入力される第1および第2のラッチ620,621とを備えるものなどが利用できる。
【0061】
前記実施形態では、アップダウンカウンタ3のカウンタ値によって駆動パルスP1のパルス幅を調整していたが、この駆動パルスP1のパルス幅を一定にしてもよい。駆動パルスP1のパルス幅が一定の場合であっても、潤滑油の劣化や外部磁界の影響などによって駆動電流の減衰状態が変化し、検出パルスSP1によって駆動電流を検出してしまう可能性があるが、本発明を適用すれば誤検出を確実に無くすことができる。
【0062】
さらに、前記実施形態においては、SP1マスク区間つまりマスク信号SP1MSKがHレベル信号となるまでの時間は一定であったが、駆動パルスP1のパルス幅等によってSP1マスク区間の時間(幅、期間)を可変させてもよい。すなわち、第1検出パルスSP1の出力開始タイミングは、図4,11に示すように、一定であるため、駆動パルスP1のパルス幅が大きくなり、第1検出パルスSP1との間隔が狭くなれば、最初(1番目)の第1検出パルスSP1によって駆動電流を誤検出する可能性が高まるため、前記実施形態のように、SP1マスク区間をある程度確保する必要がある。これに対し、駆動パルスP1のパルス幅が小さくなって、第1検出パルスSP1との間隔が広くなれば、最初の第1検出パルスSP1によっても駆動電流を誤検出する可能性も小さくなる。従って、駆動パルスP1のパルス幅が大きくなればSP1マスク区間も大きくし、パルス幅が小さくなればSP1マスク区間も小さくしたり無くしたりすることで、誤検出がなく、かつ確実に誘起電流を検出することができる。
【0063】
また、前記実施形態では、第1検出パルスSP1,SP2のパルス幅(デューティ比)は一定であったが、パルス幅を可変としてブレーキ量を調整できるように制御してもよい。この調整は、通常は、各時計の種類毎、例えば指針9の太さ(重量)が異なるために、同じステッピングモータ7を用いた場合でもブレーキ量を変える必要がある場合に行えばよい。このような場合、各検出パルスSP1,SP2のパルス幅を初期設定などによってパルス幅(デューティ比)を調整可能に、例えばDuty1/4と、Duty1/2とを切り換え可能などとしておけば、電磁ブレーキ量を変えることができ、各種の時計に対するマッチングも容易に行うことができる。
この際、検出パルスSP1,SP2のパルス幅を可変する際に、各々のパルスを独立して調整、例えば検出パルスSP1をDuty1/4とし、検出パルスSP2をDuty1/2と個別に調整するのではなく、統一して調整するほうが、検出パルスの形成部を共通化できてコストを低減でき、サイズも小さくできる点で好ましい。
【0064】
また、本発明の電子機器は、前記実施形態のようなアナログ電子時計に限らず、置き時計、クロック等の各種アナログ時計や、オルゴール、メトロノーム、電気かみそり等のステッピングモータ7を備える各種の電子機器にも適用することができる。
【0065】
また、モータ駆動制御手段やロータ回転検出手段を構成するモータ制御信号形成回路4、検出回路内蔵モータドライバ5、アップダウンカウンタ3等は、アップダウンカウンタ、フリップフロップ、ラッチ、各種論理素子等のハードウェアで構成されたものに限らず、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータを電子機器に設け、このコンピュータに所定のプログラムを組み込んで前記モータ駆動制御手段やロータ回転検出手段の各機能を実現させるように構成したものでもよい。
例えば、時計等の電子機器内にCPUやメモリを配置してコンピュータとして機能できるように構成し、このメモリに所定の制御プログラムをインターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介してインストールし、このインストールされたプログラムでCPU等を動作させて、モータ駆動制御手段やロータ回転検出手段の各機能を実現させればよい。
【0066】
なお、時計等の電子機器内に所定のプログラムをインストールするには、その電子機器にメモリカードやCD−ROM等を直接差し込んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読み取る機器を外付けで電子機器に接続してもよい。さらには、LANケーブル、電話線等を電子機器に接続して通信によってプログラムを供給しインストールしてもよいし、無線によってプログラムを供給してインストールしてもよい。
このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される本発明の制御プログラムを電子機器に組み込めば、ロータの回転検出を正確に行えてモータの駆動制御も正確に行える等の前記実施形態と同様の作用効果が得られる上、各電子機器の特性に応じた制御を行うことができ、各電子機器毎により正確な回転制御を行うことができる。
なお、この各種記録媒体や通信手段等で供給されるプログラムとしては、前記回転検出のタイミング調整を行うためのプログラムが含まれていればよく、それ以外の制御などを行うプログラムが含まれていてもよい。
【0067】
(本発明の別形態)
本発明の電子機器としては、少なくともロータおよびコイルを有するステッピングモータと、モータ駆動パルス出力後にロータの自由振動によりコイルに誘起される電流を電圧値に変換し電圧値の大小によってロータの回転検出を行なうロータ回転検出装置と、ロータ回転検出装置によるロータの回転検出情報に基づいてモータの駆動制御を行うモータ駆動制御手段とを備えた電子機器であって、
前記誘起電流のうち駆動電流と同方向に流れる電流を同方向電流、逆方向に流れる電流を逆方向電流と呼ぶとき、
前記ロータ回転検出装置は、同方向電流の電圧値を検出する第1検出手段を備え、前記第1検出手段によって所定期間の間に同方向電流を検出できなかった場合には、前記ロータが非回転と判断することを特徴とするものでもよい。
【0068】
実公平7−29512号公報に記載された従来の回転検出方法は、駆動パルス入力後に出力される同方向電流を検出した後に、逆方向電流を検出することで、つまり同方向電流を検出するまでを逆方向電流を検出しないマスク期間とすることで、ロータの回転検出を行うものである。
しかしながら、この場合、同方向電流自体を検出できないと、マスク期間の設定を行うこともできず、ロータの回転検出を判断できないという課題がある。
これに対し、前述のように、前記第1検出手段によって所定期間の間に同方向電流を検出できなかった場合には、前記ロータが非回転と判断するようにロータ回転検出装置を構成すれば、同方向電流を検出できない場合でも、正しい回転検出を行うことができる。従って、ロータの回転状態に伴う適切な回転制御処理を行うこともできる。その上、同方向電流を検出できなかった場合には、逆方向電流の検出を行わず、ロータ非回転と判断しているので、逆方向電流の検出を行ってから判断する場合に比べて、消費電流を低減でき、省エネルギー化を図ることができて、電子機器の持続時間もより長くすることができる。
なお、この電子機器において、第1検出手段により同方向電流の電圧値を検出した後に作動されて逆方向電流の電圧値を検出する第2検出手段を設ければ、第1検出手段で同方向電流を検出した際に、第2検出手段で逆方向電流を検出したか否かでロータの回転検出を行うことができる。
【0069】
【発明の効果】
このような本発明の電子機器、電子機器の制御方法、電子機器の制御プログラムおよび該プログラムが記録された記録媒体によれば、チョッピングブレーキ制御を行うことでロータの自由振動をある程度許容してロータの回転検出を可能とするとともに、その回転検出を確実にかつ正確に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のアナログ電子時計を示すブロック図。
【図2】モータ制御信号形成回路で形成される信号のタイミングチャート。
【図3】検出パルス形成回路および制御信号形成回路の回路図。
【図4】図3に示す回路のタイミングチャート。
【図5】図3に示す回路において同方向電流を検出しなかった場合のタイミングチャート。
【図6】図3に示す回路において逆方向電流を検出しなかった場合のタイミングチャート。
【図7】モータドライバに印加する信号のタイミングチャート。
【図8】検出回路内蔵モータドライバの回路図。
【図9】従来のコンパレータの回路図。
【図10】本実施形態のコンパレータの回路図。
【図11】検出回路内蔵モータドライバに入力される信号のタイミングチャート。
【図12】本実施形態の制御方法を示すフローチャート。
【図13】図12の続きを示すフローチャート。
【図14】本実施形態のパルス波形およびコイルの電流波形を示す図。
【図15】本発明の変形例におけるパルス波形およびコイルの電流波形を示す図。
【図16】本発明の従来例におけるパルス波形およびコイルの電流波形を示す図。
【図17】本発明の従来例におけるパルス波形およびコイルの電流波形を示す図。
【符号の説明】
1…水晶発振回路、2…分周回路、3…アップダウンカウンタ、4…モータ制御信号形成回路、5…検出回路内蔵モータドライバ、6…表示機構、7…ステッピングモータ、7A…コイル、8…輪列機構、9…指針、41…検出パルス形成回路、42…制御信号形成回路、609…コンパレータ、614,615…ANDゲート、620,621…ラッチ。
Claims (8)
- 少なくともロータおよびコイルを有するステッピングモータと、
前記ロータの回転検出を行なうロータ回転検出装置と、
前記ロータ回転検出装置によって検出されたロータの回転検出情報に基づいてモータの駆動制御を行うモータ駆動制御手段とを備えた電子機器であって、
前記ロータ回転検出装置は、
前記モータ駆動制御手段によりモータ駆動パルスが前記コイルに出力された後に、前記ロータの自由振動によって前記コイルに誘起される誘起電流のうち、駆動電流と同方向に流れる同方向電流を検出する第1検出手段と、
前記第1検出手段による同方向電流の検出開始タイミングを設定する第1検出タイミング調整手段と、
前記ロータの自由振動によって前記コイルに誘起される誘起電流のうち、駆動電流と逆方向に流れる逆方向電流を検出してロータが回転したか否かを検出する第2検出手段とを備え、
前記第1検出手段は、
前記ロータのチョッピングブレーキ制御および前記同方向電流検出に用いられる第1検出パルスを形成して、前記モータ駆動パルスが前記コイルに入力された後に、前記第1検出パルスを前記コイルに出力する検出パルス形成回路と、
前記同方向電流の電圧値を基準電圧値と比較して検出する検出回路とを備え、
前記第1検出タイミング調整手段は、
前記検出パルス形成回路による第1検出パルスの出力が開始された後、予め設定された所定期間経過後に前記検出回路による前記同方向電流の電圧値の検出を開始して、
前記所定期間が経過するまでの期間は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行い、かつ、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出は行わず、
前記所定期間経過後は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行うとともに、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出を行い、
前記第2検出手段は、
前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことを前記検出回路が検出すると、前記逆方向電流の電圧値の検出を開始し、逆方向電流の電圧値が基準電圧値以上となったか否かでロータの回転の有無を検出する
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項1に記載の電子機器において、
前記ロータ回転検出装置は、前記第1検出手段で検出される同方向電流の電圧値および前記第2検出手段で検出される逆方向電流の電圧値がそれぞれ入力される2つの入力端子と、比較用の基準電圧が入力される端子とを備えたコンパレータを有するとともに、前記第1検出手段の検出回路において、前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことが検出された後、前記第2検出手段による逆方向電流の電圧値の検出を開始するまでの時間を予め設定された所定期間に設定し、前記コンパレータによる同方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号の出力に遅れが生じた場合に、その信号を逆方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号と誤検出することを防止する第2検出タイミング調整手段を備えていることを特徴とする電子機器。 - 請求項2に記載の電子機器において、
前記第2検出手段は、第2検出パルスを形成して前記コイルに出力する検出パルス形成回路、および、前記逆方向電流の電圧値を基準電圧値と比較して検出する検出回路を備え、
前記第2検出タイミング調整手段は、前記検出パルス形成回路による第2検出パルスの出力が開始された後、予め設定された所定期間経過後に前記検出回路による前記逆方向電流の電圧値の検出を開始することを特徴とする電子機器。 - 請求項3に記載の電子機器において、
前記第1検出パルスおよび第2検出パルスは、同一の検出パルス形成回路によって形成され、この検出パルス形成回路は形成するパルスのパルス幅を調整可能に構成されていることを特徴とする電子機器。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の電子機器において、
前記モータ駆動制御手段は、基準信号源の基準信号および前記ロータの回転検出信号に基づいてモータを駆動制御するとともに、
前記ステッピングモータによって駆動される輪列と、この輪列によって駆動される指針とを備えた電子時計であることを特徴とする電子機器。 - 少なくともロータおよびコイルを有するステッピングモータと、モータ駆動パルス出力後にロータの自由振動によりコイルに誘起される電流を電圧値に変換し電圧値の大小によってロータの回転検出を行なうロータ回転検出装置と、ロータ回転検出装置によるロータの回転検出情報に基づいてモータの駆動制御を行うモータ駆動制御手段とを備えた電子機器の制御方法であって、
前記誘起電流のうち駆動電流と同方向に流れる電流を同方向電流、逆方向に流れる電流を逆方向電流と呼ぶとき、前記コイルに検出パルスを出力し、この検出パルスを加えた際に前記同方向電流の電圧値が基準電圧値以上になったことを検出した後で逆方向電流の電圧値の検出を開始してロータの回転検出を行う回転検出工程と、
検出されたロータの回転検出情報に基づいてモータの駆動制御を行うモータ駆動制御工程と、
前記検出パルスの出力開始タイミングに対する前記同方向電流の電圧値の検出開始タイミングを設定する同方向電流検出タイミング調整工程とを備え、
前記回転検出工程は、
前記ロータのチョッピングブレーキ制御および前記同方向電流検出に用いられる第1検出パルスを形成し、前記モータ駆動パルスが前記コイルに入力された後に、前記第1検出パルスを前記コイルに出力し、前記同方向電流の電圧値を基準電圧値と比較して検出する同方向電流検出工程と、
前記同方向電流検出工程において前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことを検出すると、前記逆方向電流の電圧値の検出を開始し、逆方向電流の電圧値が基準電圧値以上となったか否かでロータの回転の有無を検出する逆方向電流検出工程とを備え、
前記同方向電流検出タイミング調整工程は、
前記同方向電流検出工程において第1検出パルスの出力が開始された後、予め設定された所定期間経過後に前記同方向電流の電圧値の検出を開始し、
前記所定期間が経過するまでの期間は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行い、かつ、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出は行わず、
前記所定期間経過後は、前記第1検出パルスを前記コイルに加えてチョッピングブレーキ制御を行うとともに、前記検出回路による同方向電流の電圧値の検出を行う、
ことを特徴とする電子機器の制御方法。 - 請求項6に記載の電子機器の制御方法において、
前記同方向電流の電圧値が前記基準電圧値以上になったことを検出した後、逆方向電流の電圧値の検出を開始するまでの時間を予め設定された所定期間に設定し、前記同方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号の出力に遅れが生じた場合に、その信号を逆方向電流の電圧値と基準電圧との比較結果の信号と誤検出することを防止する逆方向電流検出タイミング調整工程を備えていることを特徴とする電子機器の制御方法。 - 請求項6または請求項7に記載の電子機器の制御方法において、
前記モータ駆動制御手段は、基準信号源の基準信号および前記ロータの回転検出信号に基づいてモータを駆動制御するとともに、
前記電子機器は、前記ステッピングモータによって駆動される輪列と、この輪列によって駆動される指針とを備えた電子時計であることを特徴とする電子機器の制御方法。
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