JP2016093915A - 転写フィルム及び転写フィルムの製造方法 - Google Patents

転写フィルム及び転写フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剥離層202とAR層111の間の剥離強度を容易に最適化することを目的とする。【解決手段】剥離層202と、剥離層202上に積層されるAR層111と、AR層111上に積層される光触媒層112とを含んで形成され、AR層111は樹脂115内に樹脂115よりも屈折率の低い低屈折率微粒子114を備え、少なくとも剥離層202との界面に低屈折率微粒子114より大きさの小さい複数の空隙119が形成されることにより、剥離層202とAR層111の間の剥離強度を容易に最適化することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、インモールド成形で使用する転写フィルム及び転写フィルムの製造方法に関するものである。
近年、TV、モバイル機器用ディスプレイ、カーナビ用ディスプレイ、タッチパネルディスプレイの表面に外光による表面反射光を低減し、映り込みを抑えるために基材表面に反射防止(Anti−Reflection 以後、ARと称す)処理を施すことが一般的である。処理方法としては、ディスプレイに使用する基材表面にAR材料を直接コーティングしたり、蒸着、スパッタ等により処理する方法や、また、AR処理をしたフィルムを基材表面に転写させる方法等、用途に応じて様々なAR処理法が用いられている。
その中で、近年、安価で大量生産が可能な方法の1つとして、樹脂成形品から成るディスプレイやカバーレンズの場合、プリフォーム用金型を用いて、予めAR処理がされたAR付きPETフィルムをプリフォームし、その後プリフォームされたAR付きPETフィルムを射出成形用の金型内にセットし、ポリカーボネート(PC)樹脂等の射出成形樹脂の表面に一体成形で転写させるインサート成形法がある。
図7を用いて、インサート成形で使用する一般的なインサート成形用ARフィルムについて説明する。図7は従来のインサート成形用ARフィルムの構成を示す断面図である。101はPETやアクリルフィルムから成る、ARフィルム100のベースフィルムである。102は成形品の最表面で外光の成形品表面での反射を減らすAR層である。AR層102は屈折率の違う複数の層で形成されても良い。103はAR層102に強度及び硬度を付与させるための保護層として機能するハードコート層である。104は転写層に溶融した樹脂を接着させる役割を果たす接着層である。以上からインサート成形用ARフィルム100は複数層で構成される。
上記、インサート成形用ARフィルム100を成形品表面に転写させる製造プロセスを図7,図8にて説明する。図8はインサート成形の工程を工程ごとに説明する図である。図8における工程A−1ではまず、プリフォーム用の固定型1Aと可動型2Aの間にインサート成形用ARフィルム100を配置する。インサート成形用ARフィルム100は枚葉フィルムである。この時、インサート成形用ARフィルム100はAR層102が可動型2Aに向き配置される。また、可動型2Aに開けられた吸引穴4でインサート成形用ARフィルム100を吸引する。次に、工程A−2で、稼動型2Aを可動させ型締めを行い、インサート成形用ARフィルム100をプリフォームする。その後、工程A−3で、可動型2Aを元に戻しプリフォームされたインサート成形用ARフィルム100を型内から取り出す。
次に工程B−1で、プリフォームされたインサート成形用ARフィルム100を本成形用の可動型2B及び固定型1B内に配置する。この時、吸引穴4が開いている可動型2B側にAR層102を向けて配置する。この時、吸引穴4でプリフォームされたインサート成形用ARフィルム100吸引させる。工程B−2で型締めを行う。工程B−3で固定型1Bに空いているゲート5から溶融樹脂6を型内に流し込みインサート成形用ARフィルム100のAR層102と反対面に設けた接着層104と接着させる。工程B−4では、型開きを行い図示されていない突き出しピンにて型内からARフィルム100と一体成形されたインサート成形品105を取り出される。
次にインサート成形品105は、工程C−1でインサート成形品105端面の不要なフィルム部位を専用のカッター106にてトリミングする。トリミングが終了される工程C−2で最終のAR付きインサート成形の完成となる。この工程を繰り返し量産する。
インサート成形用のPETフィルムは主に2軸延伸フィルムを使用するのが主流である。2軸延伸フィルムは製造時に送り方向と垂直の幅方向へ延伸を加えながらフィルムを製造する。そのためフィルム内部へ残留応力が残り易く、PETフィルムの面内で残留応力分布が不均一な箇所が発生し易い。残留応力が大きい箇所と、小さい箇所ではPETフィルム内部で屈折率差が生じる。その結果、成形後の樹脂カバーレンズの表面に転写されARインサートフィルムにおいて、ディスプレイの内側から映像を投影させると内側からカバーレンズ内に入射する光がPETフィルムへ進入する際に、残留応力の大きい箇所では基材内部で屈折率差が大きくなり光の反射が大きくなる。一方、残留応力が小さい箇所では残留応力が大きい箇所より基材内部の屈折率差が小さく、光の反射量も小さくなる。そのため残留応力の大きい場所と小さい場所で光の反射の仕方が変わる結果、残留応力の大きい箇所と残留応力の小さい箇所を通った光がそれぞれ、人の目に入る際に、それぞれの箇所の光の反射量の差がディスプレイ上で色ムラとなって認識される。その結果、残留応力の大きい箇所が存在するインサート成形用ARフィルムは使用できず不良の扱いとなりロスが多いモノづくりとなる。また、インサート成形の場合、成形工程もプリフォーム工程、本成形工程、トリミング工程と多くの工程を経由し生産工程が多くなる課題を有していた。
上記課題を解決するために、プリフォーム及びトリミング工程が不要でフィルムを転写させずAR層のみを転写させるインモールド成形方式を用いる場合があった。
図9において、インモールド成形で使用する一般的な転写型ARフィルムの構成について記載する。図9は一般的な転写型ARフィルムの層構成を示す断面図である。転写型ARフィルム301は連続フィルムである。転写型ARフィルム301は大きく分けて、成形品に転写されないキャリア層302と成形品の表面に転写される転写層303で構成される。転写型ARフィルム301を更に詳細に説明すると、201は、ARフィルム301を連続的に金型内へ供給する役割を果たすPETやアクリルフィルム等からなるベースフィルムである。202は、ベースフィルム201と成形品へ転写される転写層303とを剥離させる剥離層である。203は、成形品の最表面で外光の成形品表面での反射を減らすAR層である。204は、AR層203に強度及び硬度を付与させるための保護層であるハードコート層である。205は、転写層303に溶融した樹脂を接着させる役割を果たす接着層である。接着層205に関しては、使用するハードコート層204が溶融樹脂との接着機能も有する場合、特に改めて形成する必要は無い。以上のように転写型ARフィルム301は複数層で構成される。
上記、転写型ARフィルム301を成形品表面にインモールド成形工法で転写させる製造プロセスを図9,図10にて説明する。図10は連続的なインモールド成形の工程を工程ごとに説明する図である。図10において、工程Aではまず、固定型1と可動型2の間に転写型ARフィルム301を箔送り装置3を用いて所定の位置に送る。この時、転写型ARフィルム301は、ベースフィルム201が可動型2に向くよう配置されている。また、フィルムが金型に賦型し易いように、転写型ARフィルム301を図示されていないヒーターで予熱してから、金型内へ送り込んでも良い。次に、転写型ARフィルム301の所定の位置への送り完了後、工程Bで、可動型2のキャビティ面に空けられた吸引穴4で転写型ARフィルム301を吸引し、可動型2のキャビティ面へ転写型ARフィルム301を賦型する。その際に、図示されていないフィルム押さえ機構で転写型ARフィルム301の外周を固定し位置決めする。その後、工程Cで、可動型2を動かして型締めする。次に、工程Dで、固定型1のゲート5より転写型ARフィルム301の接着層に向け溶融した樹脂6を注入し、金型内のキャビティ内に溶融した樹脂6を充填させる。次に、工程Eで、溶融した樹脂6の充填が完了したら、所定の温度まで溶融した樹脂6を冷却する。工程Fで、可動型2を可動させ型開きし、インモールド成形品7を取り出す際に、インモールド成形品7から転写型ARフィルム301のキャリア層302が剥がれ、転写層303のみが転写されて、インモールド成形品7の最表面はAR層203が転写された状態となる。その後、工程Gで、固定型1側の突き出しピン8を押し出して成形品7を金型内より取り出す。工程Hでは、次の成形に備えて可動型2の吸引穴4での転写型ARフィルム301のキャリア層302であるベースフィルム201、剥離層202の可動型2のキャビティ内への吸着を止め、箔送り装置3により、次の成形に使用する転写型ARフィルム301を所定位置まで送り、この動作を繰り返して連続成形する。
インモールド成形方式の場合、ベースフィルム201であるPET等は、金型内へ転写層303を送り込むためのキャリアの役割で、成形品7へは転写されないため、上記インサート成形で課題となるPET内の残留応力の問題は解消される。また、金型内に最初から直接、転写型ARフィルム301を送り込み射出成形し、型内から成形品7を取り出すだけで成形品表面に転写層303を転写させるため、フィルムのプリフォームと成形後のトリミングの工程が不要で生産性が高く、インサート成形方式よりも効率良く製造できる。
特開2012−096412号公報
しかしながら、前述の一般的な転写型ARフィルムにおいて、剥離層上に形成するAR層に使用する樹脂として、耐候性、塗膜強度の観点から無機系材料であるシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂でAR層を形成する場合、AR材料用のコーティング液としてゾルゲル法を用いる方法がある。ゾルゲル法で形成されたコーティング液を用いれば、無機系材料から成るAR層をウエットコーティングで形成できる。グラビアコート、ダイコート等で100nm程度の薄膜を形成可能である。剥離層上に、AR材料を塗工した際にAR材料中に含有される熱硬化性のシリコーン樹脂が熱硬化反応し、3次元架橋構造を取り反応が進む。その際に、剥離層上に存在する微細凹凸部へAR材料が入り込み熱硬化反応が進むことで、剥離層上もしくは剥離層に存在する微細凹凸部で剥離層とAR層の間で接点が増える。結果、剥離層とAR層の密着性が良くなり、剥離層とAR層の間が剥がれにくくなる。このように、剥離層とAR層の密着性が良く、剥離層とAR層の間で剥がれにくくなる方向を剥離強度が重いと定義する。逆に剥離層とAR層の間の密着性が落ち、剥離層とAR層の間が剥がれ易くなる方向を剥離強度が軽いと定義する。そのため、熱硬化等の影響で剥離層とAR層の密着性が高くなり、剥離層とAR層の間の剥離強度が重すぎると、成形時に成形樹脂表面に転写されるはずのAR層が剥離層との間でスムーズに剥離せず、AR層が完全に剥離層から離型されずに剥離層上にAR層の一部が残り、転写不良が発生し易い。
また、転写型ARフィルムでは、成形時に剥離層とAR層の間の剥離強度が重過ぎて、成形品表面へAR層が綺麗に転写されず転写不良が発生している場合、本来、剥離層とAR層の間の剥離強度を軽くする方向へ調整が必要となる。しかし、従来の転写型ARフィルムでは、剥離層とAR層の間の剥離強度の調整で剥離強度を軽くする場合、フィルム側で剥離層とAR層の間の剥離強度を調整する手段として、剥離層の材料組成変更や剥離層の膜厚を変更することで剥離層の剥離強度を調整方法が主流であり、剥離層上に積層する材料毎で都度最適化していた。そのため、剥離層上に積層する材料特定考慮して試行錯誤で剥離層の材料組成及び膜厚変更を繰り返し、最適化までの時間を要する方法であった。つまり、様々な条件に応じて、即時且つ自由度を持って剥離強度を調整することができず、一度組成等を決定すると剥離強度を調整できず、容易に剥離強度を最適化することができなかった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、剥離層と機能層の間の剥離強度を容易に最適化することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の転写型フィルムは、インモールド成形用の転写フィルムであって、ベースフィルムと、前記ベースフィルムに接して形成される剥離層と、前記剥離層の前記ベースフィルムに接する面に対する裏面と接して形成されて、有機鎖を有する樹脂中に前記樹脂よりも屈折率の低い低屈折率微粒子を備える反射防止層と、少なくとも前記剥離層との界面を含んで前記反射防止層内に形成される複数の空隙とを有し、前記空隙は前記低屈折率微粒子より小さく、前記有機鎖の一部が分解される構成であり、前記空隙の量が調整可能であることを特徴とする。
また、本発明の転写型フィルムの製造方法は、ベースフィルムと、剥離層と、有機鎖を有する樹脂中に前記樹脂よりも屈折率の低い低屈折率微粒子を備える反射防止膜と、光触媒層とをこの順で積層する工程と、前記光触媒層に紫外線を照射して前記反射防止膜中の少なくとも前記剥離層との界面に前記低屈折率微粒子より小さい複数の空隙を形成する工程とを有し、前記紫外線の照射により、前記光触媒層に電子を生成し、前記電子が前記反射防止膜層に進入して前記有機鎖の一部を分解して前記空隙を形成し、前記紫外線の照射量により形成される前記空隙の量を調整することを特徴とする。
以上のように、本発明の転写フィルム及び転写フィルムの製造方法によれば、インモールド成形時の成形品表面への転写不良が起こり難く、剥離層とAR層等の機能層との間の剥離強度を最適にでき、且つ剥離層と機能層の間の剥離強度の微調整が可能な転写型フィルムとなる。
本発明の実施の形態1における転写型ARフィルムの層構成を示す断面図 本発明の実施の形態1における転写型ARフィルムの層構成を示す断面図 本発明の実施の形態1におけるAR層の塗工装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1における光触媒層の塗工装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1における空隙の形成工程を工程ごとに説明する図 本発明の実施の形態1における最終形態の転写型ARフィルム層の構成を示す断面図 本発明の実施の形態2における光触媒層の塗工工程を説明する図 従来のインサート成形用ARフィルムの構成を示す断面図 インサート成形の工程を工程ごとに説明する図 一般的な転写型ARフィルムの層構成を示す断面図 連続的なインモールド成形の工程を工程ごとに説明する図
本発明の転写フィルムは、剥離層と、転写フィルムの機能を発揮するAR層等の機能膜層とを含み、機能膜層の剥離層との界面に複数の微細な空隙を形成することを特徴とする。例えば、本発明の転写フィルムは、剥離層と、剥離層上に積層される反射防止層であるAR層と、AR層上に積層される光触媒層を含んで形成される。AR層は樹脂内に樹脂よりも屈折率の低い低屈折率微粒子を備え、少なくとも剥離層との界面に低屈折率微粒子より大きさの小さい複数の空隙が形成されることを特徴とする。ここで、低屈折率微粒子および空隙の大きさとは、各低屈折率微粒子および空隙における径が最大となる部分の長さをいう。このように、AR層と剥離層との界面に低屈折率微粒子より大きさの小さい複数の空隙を形成することにより、AR層と剥離層との密着性を低下させ、AR層と剥離層とを剥離しやすくすることができる。さらに、空隙の量を調整することにより、AR層と剥離層との剥離性を調整することができる。
以下本発明の具体例である実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の転写フィルムは、ベースフィルム上に剥離層を形成し、次にAR層を低屈折率微粒子と有機鎖を含有する無機系樹脂マトリックスで形成させる。例えば、アルキルシリコーン樹脂等を用いてマトリクスを形成する。次に光触媒作用を有する微粒子を含有する光触媒層が形成させる。光触媒層上には必要に応じて保護層またはハードコート層、加飾等の印刷が必要な場合にはプライマー層またはインク受容層、射出樹脂と接着可能な接着層が形成される。可能であれば光触媒層に保護層やハードコート層、プライマー層やインク受容層、接着層の機能を併用させても良い。
この際、最初にベースフィルム上に剥離層を形成し、その後、上記AR層を形成する。次に光触媒層を形成させた際に、フィルムへ紫外線硬化型ランプを用いて、紫外線を照射させる。この時、光触媒層へ紫外線を照射させることで光触媒層上に形成されたAR層に光触媒作用が働き、AR層内を形成するマトリックス中の有機鎖部位のみが光触媒作用により分解される。その結果、ミクロな視点で分解された有機鎖が無くなった箇所でAR層間に空隙が発生する。そのため、空隙ができた箇所では剥離層とAR層の密着力が弱くなる結果、剥離層とAR層の剥離強度を軽くさせることが可能となる。これにより、成形時に剥離強度が重いと起こり易い転写不良が起こり難い転写型ARフィルムとなる。また、本発明の転写型ARフィルムにおいては、光触媒層に照射させる紫外線の積算光量の調整によりAR層内のマトリックス中の有機鎖を分解させる量を調整でき、結果、剥離層とAR層の間の空隙量が変わるため剥離層とAR層の間の剥離強度の微調整が可能な転写型ARフィルムを得ることができる。
図1A,図1Bは本発明の実施の形態1における転写型ARフィルムの層構成を示す断面図であり、本発明の実施の形態1における転写型ARフィルムの詳細を示す断面図である。図1Aは光触媒層とハードコート層とを別々の層にした構成であり、AR層111および光触媒層112については拡大図も示している。図1Bは光触媒層とハードコート層とを1つの層とする構成であり、ハードコート層としても機能する光触媒層127及びAR層111については拡大図も示している。図1A,図1Bにおいて図6〜図9までと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
図1Aの本発明の転写型ARフィルム110の層構成は、基本的にベースフィルム201、剥離層202、反射防止層であるAR層111、光触媒層112、アフターキュアタイプのハードコート層204、プライマー層113、接着層205である。またベースフィルム201のAR層111と反対側には必要に応じて帯電防止層を設けても良い。
本発明の転写型ARフィルム110の詳細について説明する。一般的にベースフィルム201の厚みは平均膜厚20〜100μmの間のPETフィルムやアクリルフィルム等が使用可能である。今回は、平均膜厚50μmのPETフィルムを使用した。また剥離層202の厚みは平均膜厚が0.03〜0.15μmで形成され、一般的なメラミン樹脂、オレフィン樹脂等が使用可能である。今回、メラミン樹脂を用いて平均膜厚1μmで形成した。
次にAR層111について説明する。図1Aの部分拡大図に示す様に、本発明のAR層111は無機材料から成る低屈折率微粒子114を含有する。本発明での低屈折率微粒子114とはAR層111を構成するマトリクス樹脂よりも屈折率が低い微粒子で、且つ屈折率は1.2以上1.4以下の材料を指す。低屈折率微粒子114として、多孔質シリカ、中空シリカ、フッ化マグネシウム、氷晶石等を挙げることができる。これら以外に同様の低屈折率を得られるものがあればこれらに限定される必要はない。またこれらを単独もしくは2種類以上併用して含有させても良い。AR層111を形成するマトリクス樹脂115は、例えば硬化性樹脂のシリコーン樹脂が挙げられる。使用可能なシリコーン樹脂として分子内に有機鎖を有する例えばアルキルシリコーン樹脂の単体での使用、もしくは分子内に種類の異なる有機鎖を有するシリコーン樹脂を複数併用してマトリクス樹脂を形成しても良い。有機鎖を分子内に有するシリコーン樹脂としては、有機加水分解縮合化合物とその部分加水分解物とのうち少なくとも一方から成り、前記加水分解縮合性化合物の分子が、有機鎖とこの有機鎖の両末端の各々に結合している加水分解性シリル基とを有するものが挙げられる。また、前記有機鎖は、置換基を有しても良い。有機鎖としてアルキレン基、フルオロアルキレン基、エーテル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等が挙げられ、これらを持つシリコーン樹脂を用いても良い。また、有機鎖を含有しないシリコーン樹脂主体とし、有機鎖を有するシランカップリング剤を併用しても良い。これらの有機鎖があるシリコーン樹脂を単独もしくは2種類以上併用してマトリクス樹脂として使用しても良いし、有機鎖を含有しないシリコーン樹脂と有機鎖を持つシランカップリング剤を単独もしくは、異なる種類の有機鎖を持つシランカップリング剤を2種類以上併用しても良い。また、AR層111へ他の機能を付与したい場合、例えば防汚および耐指紋性等をAR層111へ同時に付与する場合、フッ素シリコーン樹脂の添加や、他の撥水剤、帯電防止剤及び帯電防止効果のある金属酸化物微粒子等の添加剤を一緒に添加しても良い。
本発明のAR層111の平均膜厚は0.05μm以上0.15μm以下、より好ましくは0.08μm以上0.12μm以下の範囲で形成されることが望ましい。平均膜厚が0.05μmより薄い場合、AR層111の膜の強度が弱く成り易く、0.15μmより厚くなると可視光領域でのAR層111の反射率が高くなり、狙いの反射防止の効果が得られない。また、AR層111の組成におい、AR層111の屈折率を決定する低屈折率微粒子114と無機樹脂の重量比は、固形分100質量%比率で換算した場合、低屈折率微粒子114として平均粒子径が0.04μmの多孔質シリカを使用する場合、30質量%以上85質量%以下の割合で分散せることが望ましい。より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。低屈折率微粒子114を40質量%以上80質量%以下の範囲で含有させた場合、AR層111自体の屈折率は1.31〜1.38程度であった。
30質量%より少ないとAR層111の屈折率が十分に低屈折率化せず、必要な反射防止性能が出にくい。また、多孔質シリカが85質量%よりも多い場合、AR層111の膜の機械強度が弱くなり、耐摩耗性において十分な塗膜強度が得られない。
また、AR層111内に分散される低屈折率微粒子114については、ゾルタイプ、球状タイプ、多孔質タイプ等を用いることができる。低屈折率微粒子114の平均粒子径は0.01μm以上0.1μm以下の間のものを使用することが望ましい。平均粒子径が0.01μmよりも小さい場合、AR層111を狙いの屈折率に調整することが難しく、0.1μmよりも大きい場合、AR層111をグラビアコーター等で塗工した際に低屈折率微粒子114の凝集物が発生しやすく、塗工したフィルム上の塗膜面で凝集物に起因した外観不良が発生しやすい。
次に、本発明の光触媒層112について説明する。図1Aの部分拡大図に示す、光触媒微粒子116として、例えば、比較的に容易に入手可能な酸化チタン、酸化亜鉛を用いることが好ましい。しかし、光触媒として酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化二オブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム等の金属酸化物の他、チタン酸ストロンチウム等で代用することも出来る。しかし、これら以外に同様の効果を得られるものがあればこれらに限定される必要はない。また、これらの光触媒微粒子116を単独もしくは、二種類以上併用して用いても良い。無機系樹脂で構成される樹脂マトリクス115は、例えば有機鎖を含まないシリコーン樹脂等で構成される。光触媒層112の屈折率の観点から、より高屈折率な光触媒層112を得たい時は、他の金属アルコキシド(例えばチタン、ジルコニア等)等を単独もしくは併用させてマトリクス樹脂115を形成させても良い。
光触媒層112の平均膜厚は0.01μm以上0.3μm以下、より好ましくは0.03μm以上0.15μm以下の範囲で形成されることが望ましい。平均膜厚が0.01μmより薄い場合、光触媒層112の光触媒作用が弱くなり、AR層111内の有機物を分解するために十分でない。また、無機系の熱硬化性樹脂で形成されるマトリクス樹脂で光触媒層112を形成する場合、平均膜厚が0.3μmより大きいと可とう性が無くなり、インモールド成形時に割れ、微小クラックが発生し易い。また、光触媒層112の組成において、光触媒作用と屈折率を決定する光触媒微粒子116と無機樹脂の重量比は、固形分100質量%比率で換算し、光触媒微粒子として直径が0.05μmの酸化チタンを使用した場合、20質量%以上90質量%以下の割合で分散させることが望ましい。より好ましくは50質量%以上80質量%以下である。20質量%より少ないと光触媒層112の光触媒作用が十分に発現されない。また90質量%よりも多くなると、樹脂分が少なくなり前後層との密着性など機械的強度が悪くなる。
また、光触媒微粒子116として、比較的容易に入手可能な酸化チタン、酸化亜鉛を用いることで光触媒層112の屈折率も高くでき、AR層111の下部に高屈折率層が配置可能となるため、光学設計上、転写型ARフィルム110としてより外光の反射率の低い、表面への映り込みが少ない転写型ARフィルムを得ることができる。
また、光触媒層112内に分散される光触媒微粒子116についてもゾルタイプ、球状タイプ、多孔質タイプ等を用いることができる。光触媒微粒子116の平均粒子径は0.01μm以上0.1μm以下の間のものを使用することが望ましい。平均粒子径が0.01μmよりも小さい場合、光触媒層112の光触媒効果を十分に得ることが難しく、0.1μmよりも大きい場合、光触媒層112をグラビアコーター等で塗工する際に光触媒微粒子116の凝集物が出来やすく、フィルム上で光触媒微粒子116起因の外観不良発生の要因となる。
次に、ハードコート層204は紫外線硬化型のアフターキュアタイプのものを使用し、乾燥後の平均膜厚が2μm以上10μm以下で形成する。ハードコート層の平均膜厚が2μmより小さい場合、成形後十分な硬度が得られない。また10μmより大きい場合、インモールド成形時に箔切れが悪くなり、箔バリ発生の原因となる。本発明で使用する紫外線硬化型のアフターキュアタイプのハードコート層204は、インモールド成形後に紫外線を当て硬化させるタイプのハードコート層を意味する。よって、インモールド成形前の転写フィルムの段階ではハードコート層204を構成する紫外線硬化型の樹脂は完全に光硬化(重合)されていない未硬化や半硬化の状態で存在する。今回使用した紫外線硬化型の紫外線硬化型のハードコート層204はインモールド成形後にメタルハライドランプで光硬化(重合)させるものを使用した。次にプライマー層113と接着層205それぞれは乾燥後の平均膜厚が1μm以上10μm以下で形成される。またこれらの層に関して、単層でも複数層で形成しても問題ない。
また、意匠性、隠蔽性などを付与したい場合は、プライマー層113と接着層205の間に適宜、図示されていない加飾用の印刷層を必要に応じて適当な厚みで形成できる。プライマー層113、印刷層、接着層205を形成する方法はグラビアコーター、コンマコーター、ロールコート、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等で形成可能である。また、印刷層はインキ以外の金属蒸着、スパッタ、塗装等の求められる意匠によりその都度、適切な工法で形成できる。ハードコート層204にプライマー層113、接着層205の機能も付与して、プライマー層113、接着層205を省いた層構成にしても良い。
また、図1Bに示す様に、転写型ARフィルム126として、光触媒層112とハードコート層204(図1A参照)を兼用した形で、光触媒微粒子116を含有させ、保護層もしくはハードコート層としても機能する光触媒層127を形成しても良い。その際は部分拡大図で示す様に、AR層111の次に構成される光触媒層127をAR層111よりも厚膜で形成し、平均膜厚を2μm以上10μm以下にすることが望ましい。2μmより薄いとAR層111を支えるための十分な硬さが出難く、10μmより厚いと転写時に箔切れが悪く、箔バリが発生し易い状態となる。光触媒層127は、AR層111よりも十分に厚膜であり、光触媒微粒子116による光触媒作用でも分解し難いため、熱可塑性、熱硬化性、紫外線及び電子線硬化系のアクリル樹脂など、比較的耐久性の高い有機樹脂を使用して形成することも可能である。また、意匠性、隠蔽性などを付与したい場合は図1Aと同様に、プライマー層113と接着層205の間に適宜、図示されていない加飾用の印刷層を必要に応じて適当な厚みで形成できる。プライマー層113、印刷層、接着層205を形成する方法はグラビアコーター、コンマコーター、ロールコート、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等で形成可能である。また、印刷層はインキ以外の金属蒸着、スパッタ、塗装等の求められる意匠によりその都度、適切な工法で形成できる。光触媒層127にプライマー層113、接着層205の機能も付与して、プライマー層113、接着層205を省いた層構成にしても良い。
次に、図2は本発明の実施の形態1におけるAR層の塗工装置の構成を示す図であり、本発明の実施の形態1における転写型ARフィルムにおけるAR液の塗工装置の構成の断面図である。図2において図1A,図1B及び図6〜図9までと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。図1A,図1B,図2を用いて、本発明の転写型ARフィルム製造時のAR液の塗工プロセスについて説明する。最初にベースフィルム210に剥離層付きのPETフィルムを使用し、剥離層を塗工面に向けて配置する。塗工装置には、AR液を塗工するために連続的に供給されるベースフィルム210の巻き出し部120と、AR液が塗工されたベースフィルム210を巻き取る巻取り部121とが有り、ベースフィルム210は連続的に図2中のX1→X2方向へ搬送される仕組みとなっている。またベースフィルム210は、搬送時の剥離帯電によるベースフィルム210へのシワ発生防止のために、剥離層と逆側の面に予め帯電防止層も形成されている。PETフィルムであるベースフィルム210以外のベースフィルムとして、一般的にポリアクリル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等の素材からなるプラスチックフィルムやプラスチックシートなどが用いられても良い。ベースフィルム210を構成するPETフィルムの平均厚さは目的に応じて適宜選択されるが、ロールトゥロールの塗工で使用する基材の平均厚さは20μm以上250μm以下の範囲であることが好ましい。20μmより小さいとPETフィルムが薄く搬送時の張力の制御が難しく、塑性変形してしまい伸びシワが入ることや、ベースフィルム210に形成していく各種の層の積層時に、塗剤の乾燥時の熱硬化収縮等によりPETフィルムが反り易くなり、後工程での扱いが難しくなる。また250μmより大きいと、ロール作成時に塗工長さが長くなりロール巻き取り時のロールの巻き芯径が大きくなり過ぎることにより、後工程で扱い難いことやPETフィルムとしてのコストも高くなることが挙げられる。しかし上記範囲に限らず、その時のニーズ、用途に応じて、上記範囲以外の平均厚みのPETフィルム、他の樹脂フィルムを使用しても問題ない。本発明の実施の形態1ではロールトゥロール塗工設備でAR層111を塗工し、ベースフィルム210のPETフィルムとして平均厚み50μmのPETフィルムを使用した。
ベースフィルム210の剥離層202面へAR液を塗工するためにグラビアコーターを使用して塗工したため、塗工部はAR液を剥離層202上に塗工するためのグラビアローラー122と、ガイドローラー125とで構成される。ガイドローラー125は、グラビアローラー122でベースフィルム210へAR液を転写する際に、ベースフィルム210に張力をかけるため、ベースフィルム210を、ガイドローラー125とグラビアローラー122とで挟むように構成される。ガイドローラー125は、他にもベースフィルム210を誘導するためや、張力を維持するために必要な箇所等に配置される。グラビアローラー122には図示されていない細線から成る深さ数十μmの溝が螺旋状に形成されており、その溝の中にAR液が供給される仕組みである。またグラビアローラー122は図2中に示すよう様に時計回りに回転しており、AR液を供給するためのAR液が入った液パン124を通り、グラビアローラー122の螺旋状の溝部へAR液が供給される。次に所定の液量までグラビアローラー122表面からAR液をかき取る役割をするドクターブレード123を通り、剥離層202と接触する前にグラビアローラー122にはAR液が溝部の中だけに残った状態となる。その後、グラビアローラー122と剥離層202が接触した際に、グラビアローラー122の溝部のAR液が剥離層面へ転写され、ベースフィルム210の剥離層202上にAR液のウエット状態の膜が形成される。つまり、ベースフィルム210の上に均一に広がったAR層111が作られる。
本発明の転写型ARフィルムの製造プロセスにおける塗工方法としては、グラビア印刷以外にダイコート、カレンダーコート、ロールコート等の他のあらゆる塗工方式を用いてAR液の塗工をしても良い。
次の工程では、ベースフィルム210の剥離層202上のAR液を熱硬化させるため熱乾燥炉211へ搬送される。熱乾燥炉211としては温風炉もしくは赤外線ヒーター(IR)炉、もしくは熱風とIRを併用した熱乾燥炉等の一般的な熱乾燥工程を設ければ良い。本発明では、熱風循環炉を使用してAR層111を150℃1分で熱乾燥及び熱硬化させ、屈折率が1.36で乾燥後の平均膜厚が0.1μmのAR層111を剥離層202上に形成した。本発明で使用したAR液は、低屈折率微粒子114として多孔質シリカゾルを使用し、バインダーとして、アルキルシランを分散させて水と硝酸を加えて加水分解させ、固形分が5%になるようにイソプロピルアルコールにて希釈したものを使用した。したがって、この例では、AR層111には、少量であるがシロキサン結合も含まれている。
次に、図3は本発明の実施の形態1における光触媒層の塗工装置の構成を示す図であり、本発明の実施の形態1における転写型ARフィルムにおける光触媒層の塗工装置の構成を示す断面図である。図4は本発明の実施の形態1における空隙の形成工程を工程ごとに説明する図である。図3,図4において、図1A,図1B,図2及び図6〜図9までと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。図3において図2のAR液の塗工プロセスと同様に、光触媒塗料の塗工プロセスもロールトゥロール方式のグラビアコーターにて塗工した。図1A,図1B,図3,図4を用いて、本発明の転写型ARフィルム製造時の光触媒塗料の塗工プロセスについて説明する。
巻き出し部120に、先ほどAR層111を塗工したベースフィルム210をAR層111が塗工面となるようにベースフィルム210を配置し、光触媒塗料をベースフィルム210のAR層111上に塗工した。本発明で使用した光触媒塗料は光触媒微粒子116として酸化チタンを含有し、バインダーはシリコーン樹脂が主体である光触媒含有塗料を乾燥後の平均膜厚が0.12μmとなるようにグラビアコーターで塗工した後、熱乾燥炉211により150℃2分で熱乾燥及び熱硬化させた。光触媒層112の屈折率は1.80であった。こうして、AR層111上に、均一に光触媒層112が形成される。
その後、熱乾燥炉211の後に配置された紫外線照射部212でメタルハライドランプ213により紫外線を照射する。紫外線ランプとしては、低圧水銀、高圧水銀、LED−UVランプ等を使用しても良い。
次に、図4で説明するメカニズムで、ベースフィルム210上の剥離層202とAR層111の間の剥離強度の調整が可能となる。工程(a)では、紫外線照射部212にベースフィルム210が搬送されると、メタルハライドランプ213から紫外線214が光触媒層112へ照射される。その際に工程(b)で、光触媒層112中の光触媒微粒子116の酸化チタンから反応性の高い電子118が外へ多量に放出されることで、光触媒層112内で反応性の高い電子118が多数発生した状態となる。光触媒層112を形成するマトリクス樹脂115には有機鎖は存在せず、シロキサン結合のみが存在する。電子118はシロキサン結合よりもエネルギー量が小さいため、光触媒層112内では、マトリクス樹脂115と電子118との間で酸化還元反応は起こらない。そのため放出された電子118は光触媒層112中を動き回り、隣接するAR層111内に移動する。AR層111を構成するマトリクス樹脂115中の有機鎖の結合エネルギーは、シロキサン結合よりも小さく、また電子118の持つエネルギー量よりも小さい。そのため、エネルギー量の高い電子118と、電子118のエネルギー量よりも結合エネルギーが小さいAR層111内の有機鎖117との間では酸化還元反応が起こり、有機鎖117から+の電荷を奪い電子118は安定化する。その結果、+の電荷を奪われた有機鎖117はマトリクス樹脂115内で、+の電荷を奪われた有機鎖の結合が外れ、マトリクス樹脂115中の有機鎖が分解される。この光触媒微粒子116から出た多量の電子118がAR層111中の有機鎖117との間で酸化還元反応を繰り返し、AR層111中のマトリクス樹脂115に存在する有機鎖117から+の電子を奪うことが繰り返され、AR層111内ではマトリクス樹脂115との間で有機鎖117の分子結合が次々に切れ、AR層111中の有機鎖117の分解が進む。
これにより、最終的に特定の積算光量の紫外線214を照射し終わった工程(c)では、AR層111内のマトリクス樹脂115中の有機鎖117が分解された箇所に空隙119ができ、結果、AR層111内で低屈折微粒子114の大きさよりも微小な無数の空隙119が生成される。AR層111内の低屈折微粒子114よりも微小な無数の空隙119部により、剥離層202とAR層111の間で接点がない部位ができ、剥離層202とAR層111の間の密着性が悪くなる。これにより転写型ARフィルム110は、剥離層202とAR層111との間の低屈折微粒子114の大きさよりも小さい無数の空隙119の効果で、剥離層202とAR層111の間の剥離強度が軽くなる方向となる。この時、光触媒層112に照射させる紫外線214のエネルギー量の増減でAR層111中の有機鎖117の分解量を調整できるので、剥離層202とAR層111との間の層剥離強度に関係するAR層111中の有機鎖117の分解量を調整でき、空隙119の形成量を調整できる。また、AR層111中の有機鎖117の分解をより効率的に促進させる場合は、剥離層202へ光触媒微粒子116を含有させて剥離層202を形成させても良い。そうすることで、図4の光触媒層116への紫外線214を照射する際に、AR層111へ剥離層202側と光触媒層112側の2方向から光触媒作用が働き、AR層111中の有機鎖が短時間で効率よく分解できる。転写フィルムの剥離層202を特に平滑に保ちたい場合は、剥離層202を構成する樹脂を、シリコーン樹脂等の無機系の樹脂を使用して構成すれば、光触媒微粒子116による光触媒作用から剥離層202の分解を防ぐことができる。
今回、実施の形態1では光触媒層112塗工後、紫外線照射部212でメタルハライドランプ213から発生する紫外線214の波長を365nmとし、積算光量が1200mJ/cmとなる様に調整した。実施の形態1では、光触媒層112に照射させる紫外線の積算光量の幅としては、700mJ/cm以上5000mJ/cm以下で照射されることが望ましい。700mJ/cmより少ないと光触媒層112による光触媒作用でAR層111内の有機鎖117を分解させるのに十分な電子118が発生せず、また、5000mJ/cmより大きい場合ベースフィルムが劣化する要因となる。しかし、上記の積算光量の範囲外に限定される訳でなく、使用するベースフィルムの種類、光触媒層112内含有される光触媒微粒子の量、AR層112内の有機鎖117の含有量及び求めるAR層112内の有機鎖117の分解量により、適宜調整すれば良く、同様に発明の効果を得られれば積算光量は上記範囲外でも問題ない。
この後、図2で説明したAR層111の塗工プロセスと同様にしてアフターキュアタイプのハードコート層204を、乾燥後の平均膜厚が5μmとなる様にグラビアコーターで塗工し、その後、射出成形用樹脂のポリカーボネートと接着可能な接着層205を、乾燥後の平均膜厚2μmになる様にグラビアコーターで塗工する。
このプロセスで出来た本発明の転写型ARフィルム110の断面図を図5に示す。図5は本発明の実施の形態1における最終形態の転写型ARフィルム層の構成を示す断面図である。図5に示すように、実施の形態1における転写型ARフィルム110には、剥離層202とAR層111との界面において、AR層111には低屈折微粒子114の大きさよりも微小な無数の空隙119が存在する。無数の空隙部119が形成される領域では、剥離層202とAR層111間で接点がないため、密着性が悪い状態となる。その結果、本発明の転写型ARフィルム110は、剥離層202とAR層111の間に無数に存在する空隙部119により、剥離層202とAR層111の間の剥離強度が従来の転写型ARフィルムよりも軽くすることができる。また、照射する紫外線量により、形成される空隙119の量を調整できるため、容易に剥離強度を調整し、剥離強度を最適にすることができる。また、AR層111内にできた低屈折微粒子114の大きさよりも小さい無数の空隙119により、AR層111内に空気層ができ、AR層111はより低屈折率な膜となる。また、AR層111と光触媒層112との界面において、AR層111中にできた低屈折微粒子114の大きさよりも小さい無数の空隙部119では、AR層111の次に配置される光触媒層112の一部が、AR層111から露出した状態となる。これにより成形品へAR層111が転写された後に、AR層111の表面に紫外線を照射させることで光触媒層112の光触媒効果も得ることも可能で、AR層111表面に付いた有機物などの汚染物を分解させることもできる。また、成形品で光触媒層112の光触媒作用からハードコート層204を保護したい場合、光触媒層112とハードコート層204の間に1層、無機材料で形成されたガード層を必要に応じて適当な厚みで設けることで、ハードコート層204は光触媒層112の光触媒作用の影響を受けない構成にできる。実施の形態1で作成した転写型ARフィルム110を用いてポリカーボネート樹脂によりインモールド成形を実施した結果、光触媒層112がない従来の転写型ARフィルムよりも剥離層202とAR層111の間の剥離強度が軽いため、成形後、剥離層202からのAR層111の離型時に成形品へのAR層111の転写不良が安定して起こり難い転写型ARフィルム110となる。
(実施の形態2)
転写型ARフィルムにおいて、成形品に転写する箇所の、剥離層とAR層の間の剥離強度は比較的軽い状態に設定するが、逆に転写されない箇所の剥離層とAR層の間の剥離強度は軽い方が、剥離層から転写層が剥がれ易く、転写型ARフィルムの幅を揃える際に、スリット工程により剥離層からAR層以降の転写層が剥がれ落ち箔粉飛散の要因となる。箔粉がフィルムのスリット時に飛散し、スリット加工中の転写型ARフィルムロール内に一部混入すると、それが異物となり、混入した箔粉が転写型ARフィルム面に付着し、そのまま巻き取られると、その部位の転写層が凹凸に変形し、印刷不良となる。そのため、スリット加工する箇所の剥離層とAR層の間の剥離強度は、転写される箇所よりも重い状態に保つ方が好ましい。
しかしながら、転写型ARフィルムの剥離強度をフィルム面内で変更したい場合、従来の剥離層とAR層の間の剥離強度の調整法では、基本的に剥離層が形成されたフィルム全体の剥離強度は面内で同一に調整されるため、同一フィルム上に形成された剥離層とAR層の間の剥離強度は同じ程度の値となる。そのため、転写型ARフィルム面内で特定の部位のみの剥離層とAR層の間の剥離強度を変えることは難しかった。
剥離層とAR層との間の剥離強度を容易に最適化すると共に、このような課題をも解決する転写フィルム及び転写フィルムの製造方法について、図1A,図6を用いて実施の形態2として説明する。
図6は本発明の実施の形態2における光触媒層の塗工工程を説明する図であり、本発明の実施の形態2における転写型ARフィルムの、光触媒層112の塗工プロセスの構成の断面図である。図6において図1A,図1B,図2〜図4及び図6〜図9までと同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。実施の形態1と同様の剥離層付きPETフィルムからなるベースフィルム210を用いて、AR層111の塗工までは実施の形態1と同様のプロセスでロールトゥロールのグラビアコーターにて塗工する。光触媒層112の塗工において、光触媒層112の熱乾燥工程後、紫外線照射部212のメタルハライドランプ213にて光触媒層112へ紫外線214を照射する工程は、次のプロセスで行う。図6において、紫外線照射部212内での光触媒層112へ紫外線214を照射する様子を示す部分拡大図として(a)と(b)の2通り構成を示す。部分拡大図(a),(b)は紫外線214を照射した際の紫外線照射部212内部を、紫外線214の照射方向と直交する方向から見た平面図である。
図6の(a)に示す構成において、転写型ARフィルムの全層の塗工後に、矢印のベースフィルム210の送り方向とは垂直な幅方向の、ベースフィルム210の端面をスリット加工して転写型ARフィルム表面の凸部をなくし、転写型ARフィルムロールの中心部と端部の高さ、つまり転写型ARフィルムロールの中心部と端部の厚みを合わせる。これはグラビアコーターでの塗工の際に、矢印のベースフィルム210の送り方向とは垂直な幅方向の両側で、塗工フィルムの中心部よりも塗剤の塗工量が多くなり、中心部と端部とで厚みが異なるため、転写型ARフィルムフィルムをスリット加工して転写型ARフィルム中心部と端部の高さを揃える必要があるからである。スリット加工時に問題となるのが、剥離層202とAR層111の間で、スリット加工時に層間剥離が起こり、剥離層202から一部AR層111以降の転写層が剥がれ、箔粉となり周囲に飛散する点である。飛散した箔粉がスリット加工中の転写型ARフィルムロール内に混入することで、箔粉が混入した箇所で箔粉により凹凸が出来、転写型ARフィルムの転写層を変形させたり、後工程での加飾印刷及び成形工程で異物となり不良となる。箔粉発生防止には、剥離層202とAR層111の間の剥離強度が重い方が良い。
実施の形態2では、転写型ARフィルムのスリット加工時に箔粉が出難い転写型ARフィルムとするため、図6における(a)に示すように、矢印のベースフィルム210の送り方向とは垂直な幅方向でフィルムの塗工幅よりも小さい幅のメタルハライドランプ213もしくは照射強度が中心部の紫外線照射量(照度)より端部の紫外線照射量(照度)が弱いメタルハライドランプ213を使用し、紫外線214照射を行うことで、光触媒層112によるAR層111中の有機鎖117の分解量を中心部よりも端面の方を少なくする。これにより矢印のベースフィルム210の送り方向とは垂直な幅方向の両側端部の剥離層202とAR層111の間の剥離強度を、転写型ARフィルムの中心部よりも重い状態に保つことができる。そのため、スリット加工時にAR層111以降の転写層を剥離層202から剥がれ難い状態とし、箔粉の発生を抑制させスリット加工で箔粉が出難い転写型ARフィルムとする。これによりスリット加工で発生する箔粉の発生を抑え、スリット加工で転写型ARフィルムロール内への箔粉の混入を低減させることが可能となる。
また、図6の(b)に示すように、転写型ARフィルムにおいて、矢印のベースフィルム210の送り方向とは垂直な幅方向で塗工幅が広く、例えば全層の塗工後矢印のベースフィルム210の送り方向とは垂直な幅方向において中心部もスリット加工して、幅方向に2つ以上に分割する場合は、予め端部と中心部の光触媒層112への紫外線照射量が少なくなる様にスリット幅に合わせて、メタルハライドランプ213を2個設置する。、もしくは1本で中心部のみ紫外線量の調整が可能な様にメタルハライドランプのスリット加工する場所に相当する所に、特定の紫外線エネルギー量に調整可能な紫外線カットフィルターを付けて、紫外線214を転写型ARフィルムへ照射させても良い。これにより、転写型ARフィルムの端部と中心部のAR層111中の有機鎖117の分解量を減らし、その箇所の剥離層202とAR層111の間の剥離強度を、他の成形で転写させる箇所よりも重い状態に保つことが可能となる。これにより、図6の(a)に示す構成と同様に、スリット加工時に、スリット箇所で剥離層202から剥がれ落ちるAR層111以降の転写層による箔粉の発生を抑えることができ、スリット加工時の箔粉の飛散を防止し、スリット加工における転写型ARフィルムロール内への箔粉の飛散による異物混入を防止させ、箔粉混入による不良の少ない転写型ARフィルムの提供が可能となる。
この様に、剥離層とAR層の間の剥離強度を容易に最適化しながら、塗工後の転写型ARフィルムのスリットの形態に合わせて紫外線214の照射量をフィルム幅方向でスリット位置に合わせて、スリット加工部のみ紫外線214の照射量を少なく調整することで、その部分の剥離強度を重くし、転写型ARフィルムのスリット加工時に箔粉の飛散を防止することが可能となる。
なお、実施の形態2では、中央部と端部で紫外線214の照射量を調整したが、紫外線214の照射量は一定とし、AR層111中の有機鎖17の量を中央部と端部とで差を持たせて調整しても良い。
本発明は、剥離層と機能層との間の剥離強度を最適に調整でき、インモールド成形で使用する転写フィルム及び転写フィルムの製造方法等に有用である。
1・・・インモールド成形用固定型
2・・・インモールド成形用可動型
3・・・箔送り装置
4・・・吸引穴
5・・・ゲート
6・・・溶融樹脂
7・・・成形品
8・・・突き出しピン
1A・・・固定型
2A・・・可動型
1B・・・固定型
2B・・・可動型
100・・・ARフィルム
101・・・ベースフィルム
102・・・AR層
103・・・ハードコート層
104・・・接着層
105・・・インサート成形品
106・・・カッター
110・・・転写型ARフィルム
111・・・AR層
112・・・光触媒層
113・・・プライマー層
114・・・低屈折微粒子
115・・・マトリクス樹脂
116・・・光触媒微粒子
117・・・マトリクス樹脂中の有機鎖
118・・・電子
119・・・空隙
120・・・巻き出し部
121・・・巻取り部
122・・・グラビアローラー
123・・・ドクターブレード
124・・・液パン
125・・・ガイドローラー
126・・・転写型ARフィルム
127・・・光触媒層
201・・・ベースフィルム
202・・・剥離層
203・・・AR層
204・・・ハードコート層
205・・・接着層
210・・・剥離層付きベースフィルム
211・・・熱乾燥炉
212・・・紫外線照射部
213・・・メタルハライドランプ
214・・・紫外線
301・・・ARフィルム
302・・・キャリア層
303・・・転写層

Claims (10)

  1. インモールド成形用の転写フィルムであって、
    ベースフィルムと、
    前記ベースフィルムに接して形成される剥離層と、
    前記剥離層の前記ベースフィルムに接する面に対する裏面と接して形成されて、有機鎖を有する樹脂中に前記樹脂よりも屈折率の低い低屈折率微粒子を備える反射防止層と、
    少なくとも前記剥離層との界面を含んで前記反射防止層内に形成される複数の空隙と
    を有し、前記空隙は前記低屈折率微粒子より小さく、前記有機鎖の一部が分解される構成であり、前記空隙の量が調整可能であることを特徴とする転写フィルム。
  2. 前記反射防止層の前記剥離層に接する面に対する裏面と接して形成される光触媒層をさらに有し、
    前記光触媒層は、前記有機鎖の結合エネルギーより結合エネルギーの大きな樹脂中に光触媒粒子を備えることを特徴とする請求項1記載の転写フィルム。
  3. 前記光触媒層がシロキサン結合を有することを特徴とする請求項2記載の転写フィルム。
  4. 前記反射防止層の平均膜厚が0.05μm以上0.15μm以下の範囲で形成され、且つ前記反射防止層の屈折率が1.31以上1.38以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  5. 前記空隙が前記光触媒層との界面にも形成され、前記空隙によって、前記光触媒層が前記反射防止層から露出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  6. 前記剥離層が、光触媒粒子を含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  7. 前記剥離層と前記反射防止層との間の剥離強度が、1つの幅方向における中心部よりも両端部の方が重いことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  8. 前記反射防止層において、前記中心部よりも前記両端部の方が、前記反射防止層を構成する樹脂中に有機鎖が多く含有されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  9. ベースフィルムと、剥離層と、有機鎖を有する樹脂中に前記樹脂よりも屈折率の低い低屈折率微粒子を備える反射防止膜と、光触媒層とをこの順で積層する工程と、
    前記光触媒層に紫外線を照射して前記反射防止膜中の少なくとも前記剥離層との界面に前記低屈折率微粒子より小さい複数の空隙を形成する工程と
    を有し、前記紫外線の照射により、前記光触媒層に電子を生成し、前記電子が前記反射防止膜層に進入して前記有機鎖の一部を分解して前記空隙を形成し、前記紫外線の照射量により形成される前記空隙の量を調整することを特徴とする転写フィルムの製造方法。
  10. 前記光触媒層の前記紫外線が照射される面において、前記紫外線の照射量に差異を設け、前記反射防止膜と前記剥離等の界面と平行な方向で、形成される前記空隙の量に差異を持たせることを特徴とする請求項9記載の転写フィルムの製造方法。
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