JP2014195978A - 装飾層付きパネル部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板などとの密着性が良好な装飾層付きパネル部材を得ることができ、また材料コストの点でも優れた、装飾層付きパネル部材の製造方法を提供する。【解決手段】透明基材(2)上に装飾層(3)、穴埋め層(4)、及び粘着層(51)が順次積層された、装飾層付きパネル部材(1)を製造する方法であって、(イ)透明基材(2)の一方の面に、所定パターンの装飾層(3)を形成する工程、(ロ)前記透明基材(2)の上に形成された前記装飾層(3)を覆うように、紫外線硬化性樹脂を含む穴埋め層(4)を形成する工程、(ハ)離型層付きフィルム上に粘着層(51)を形成した粘着フィルム(50)を用意し、前記粘着層(51)と前記穴埋め層(4)とが重なるように貼り合わせる工程、及び(ニ)前記穴埋め層(4)中の紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる工程を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、携帯電話、デジタルカメラ、テレビ、コンピューター、その他の電子機器の表示パネルの形成に用いる装飾層付きパネル部材の製造方法に関する。
電子機器等の表示パネルでは、透明な表示部の外周に、内部配線の隠ぺいやデザイン性を考慮した、所謂装飾部が設けられている。この装飾部は、遮光性やデザイン性を有するパターン、ロゴなどを含むものであって、従来の表示パネルでは、プラスチックフィルムやガラスで構成された透明基板上に、単層または複数のパターンを積層することにより装飾層を形成し、装飾層が形成された透明基板は、両面粘着テープを介して別の透明基板と貼り合わされている。装飾層は、シルク印刷方式で形成されることが多い。一般に、赤外線センサー用の赤外線透過膜や管理用のバーコードなど、透明基板上に1μm以上の膜厚で形成されるものは、装飾層の一つと考えられている。
また、カバーガラス等の最表面に用いられるパネル部材には、ガラスが割れた際の飛散防止効果、耐指紋性などの防汚効果、ハードコートなどの耐擦傷性効果などの各種機能層が形成されたものがあり、パネル部材の機能層とは反対側に装飾層と粘着層を設けたものも用いられている。
このような装飾層を有するパネル部材を製造するための従来の方法は、装飾層上への粘着層の形成や両面粘着テープの貼り合せに関して、装飾層の段差に起因したいくつかの課題を抱えている。例えば、装飾層の段差に対して粘着層が十分に追従することができずに装飾層と粘着層の間に空気咬みが発生したり、粘着層の表面平坦性が不十分なため両面テープを貼り合わせた後に外観上好ましくない凹凸が発生したりするなどの不具合が発生しやすい。
このような課題を解決する方法として、特開2012−022210号公報(特許文献1)には、透視可能なパネル基板の背面に加飾層を施し、パネル基板の背面における加飾層の段差の内側及び加飾層の上面に紫外線硬化性樹脂を連続的に充填し、紫外線硬化性樹脂の背面を平坦状に押圧した状態でUV照射を施すことによって硬化した紫外線硬化性樹脂の背面を平滑にする、画像表示パネルの製造方法が開示されている。
特開2012−022281号公報(特許文献2)には、透視可能なパネル基板の背面に加飾層を施し、加飾層の段差の内側及び加飾層の上面に紫外線硬化性樹脂を連続的に充填し、次いで紫外線硬化性樹脂の上面に離型剤を塗布したセパレータフィルムを被覆した状態でセパレータフィルムを紫外線硬化性樹脂の側へ加圧すると共に、UV照射を行った後、セパレータフィルムを剥離する、画像表示パネルの製造方法が開示されている。
上記の特許文献1、2に開示されている製造方法によれば、装飾層の段差に起因した粘着層の追従性不足に伴う空気咬みや平滑化不足による画像表示パネルの外観不良、画像の視認性低下などの品質上の不具合を大きく改善することが可能となる。また、装飾層付きパネル部材のロール形態での製造も可能であり、タクトや歩留まりの向上等、生産性への大きな効果が期待される。
特開2012−022210号公報 特開2012−022281号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献に開示されている製造方法に従って紫外線硬化性樹脂の上面に離型剤を塗布したセパレータフィルムを被覆した状態でセパレータフィルムを硬化樹脂の側へ加圧し、UV照射を行うと、紫外線硬化樹の表面の物性が大きく変化することを発見した。
具体的には、セパレータフィルムを被覆した状態でセパレータフィルムを紫外線硬化性樹脂の側へ加圧すると共にUV照射を行った後、セパレータフィルムを剥離すると、紫外線硬化樹脂の表面がセパレータの離型層と同程度の低い表面張力となり、紫外線硬化性樹脂に後で積層される粘着層との密着性が得られなく場合があることを見出した。この原因としては、離型層の成分であるシリコーンやフッ素成分が紫外線硬化性樹脂の表面に転移しているか、あるいは紫外線硬化性樹脂に含有される極性官能基とセパレータの離型層成分との相互作用に伴う紫外線硬化性樹脂の配向により極性官能基が表面に露出しないことが考えられる。
さらに、上記特許文献に開示されている製造方法は、平坦化のためにセパレータを用いるものであり、このセパレータはパネル部材の最終構成に含まれないものであるため、副資材の浪費につながるのではないかとの懸念もある。
本発明は、これら従来技術の課題を解決して、ガラス基板などとの密着性が良好な装飾層付きパネル部材を得ることができ、また材料コストの点でも優れた、装飾層付きパネル部材の製造方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、透明基材上に装飾層、穴埋め層、及び粘着層が順次積層された、装飾層付きパネル部材を製造する方法であって、(イ)透明基材の一方の面に、所定パターンの装飾層を形成する工程、(ロ)前記透明基材の上に形成された前記装飾層を覆うように、紫外線硬化性樹脂を含む穴埋め層を形成する工程、(ハ)離型層付きフィルム上に粘着層を形成した粘着フィルムを用意し、前記粘着層と前記穴埋め層とが重なるように貼り合わせる工程、及び(ニ)前記穴埋め層中の紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる工程を含む。
前記工程(ハ)の後、前記工程(ニ)の前に、加圧および/またはテンションにより前記装飾層による段差を平滑化する工程をさらに含んでもよい
また、前記透明基材がロール状のフィルム形態を有し、前記工程(イ)から前記工程(ニ)を連続した工程で行うこととしてもよい。
本発明の製造方法において、前記穴埋め層の厚さが前記装飾層の厚さより大きいこととすることができる。
また、前記紫外線硬化樹脂が揮発性溶剤を含有しないこととするのが望ましい。
本発明の製造方法において、前記紫外線硬化性樹脂の粘度が500mPa・s以上である場合、前記粘着層の厚さが10μm以上であるのが好ましい。
また、前記紫外線硬化性樹脂の粘度が100mPa・s以上である場合、前記粘着層の厚さが20μm以上であるのが好ましい。
本発明の製造方法において、前記透明基材の他方の面に、ハードコート層、飛散防止層、防汚層、反射防止層のいずれか1つを形成することができる。
また、前記透明基材の他方の面に、粘着層を形成することもできる。
本発明によれば、従来法とは異なり、セパレータによる紫外線硬化性樹脂の表面物性の変化を抑制することが可能となることから、品質安定性の高い装飾層付きパネル部材を製造することが可能となる。また、セパレータ等の副資材の浪費を抑制することも可能なる。さらに、ロール状のフィルム形態を有する透明基材を使用して、本発明に含まれる各工程を連続した工程で行うこととすることにより、生産性の大きな向上を期待することができる。
本発明の製造方法で作製したパネル部材の模式的な正面図(a)及び断面図(b)である。 本発明の製造方法における各工程を説明するための、パネル部材の模式的な断面図による概略的な製造工程図(a)〜(e)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の製造方法で作製したパネル部材の模式的な正面図(a)及び断面図(b)である。
図1(a)に示されているとおり、本発明の製造方法で作製されるパネル部材1を正面から見ると、透明基材2の上に設けられた装飾層3で縁取られた部分の内側(パネル部材1をガラス基板などに貼り付けて製造される表示パネルの表示部に相当する部分)には、穴埋め層4が形成され、さらに粘着層(図示せず)が穴埋め層に貼り合わされている。
これを断面で見ると、図1(b)に示されているとおり、本発明の製造方法で作製されるパネル部材1は、透明基材2の上に、装飾層3、穴埋め層4、及び粘着層51が順次積層されている。なお、図1(b)では、本発明の製造方法で作製されるパネル部材1をガラス基板などに貼り付ける前の、離型層付きフィルム52上に粘着層51を形成した粘着フィルム50から離型層付きフィルム52が剥離されていない状態が示されている。
図2は、本発明の製造方法における各工程を説明するための、パネル部材の模式的な断面図による概略的な製造工程図(a)〜(e)である。
本発明の製造方法では、(イ)透明基材2の一方の面に、所定パターンの装飾層3を形成し(図2(a))、(ロ)透明基材2の上に形成された装飾層3を覆うように、紫外線硬化性樹脂を含む穴埋め層4を形成し(図2(b))、(ハ)離型層付きフィルム52上に粘着層51を形成した粘着フィルム50を用意し、粘着層51と穴埋め層4とが重なるように貼り合わせ(図2(c))、(ニ)穴埋め層4中の紫外線硬化性樹脂に紫外線UVを照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させて(図2(d))、パネル部材1を得る。さらに、得られたパネル部材1を、抜き型PB等を用いて所定の形状にカットして(図2(e))、別の透明基板等に貼り合せることにより、表示パネルとして用いることができる。
図2(a)を参照して、本発明の製造方法ではまず、透明基材2の一方の面に、所定パターンの装飾層3を形成する(工程(イ))。
透明基材2としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル、ポリビニルアセテート(PVA)、エチレンビニルアセテート(EVA)等のプラスチックフィルムや、薄膜ガラスなどを使用することができる。必要に応じ、装飾層3や穴埋め層との密着性を得ることを目的として、透明基材2の上に易接着層を予め形成したものを使用してもよい。
透明基材2の厚さは任意であるが、例えば25〜500μm、好ましくは50〜200μmである。透明基材2の厚さは、パネル部材の生産性や用途を考慮して適切に設定される。
装飾層3は、透明基板2上に所望のデザインの色やパターンを有するものとして形成される。装飾層3の形成方法としては、装飾層3に、内部回路の隠蔽性、ロゴなどの商標表示、赤外線受信用の赤外線透過部などの様々な機能が盛り込まれること、画像表示パネルの最終的なデザインに基づき、所定の寸法で各機能を有するパターンが配置されることから、パターン形成及び積層体の形成が可能な手段が用いられる。具体的には、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などの印刷方式を例として挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。例えば、ロゴや商標などを表示する際に、金属光沢が求められるような場合には、金属箔の転写や蒸着など、印刷以外の方式を利用しても構わない。装飾層3を形成するための塗料やインクには、形成方法に合わせて消泡剤やぬれ性向上剤などを添加することができ、必要により硬化剤などを配合してもよい。
装飾層3の厚さは任意であるが、画像表示パネルの最終的な構成や機能上の制約から、できるだけ薄く形成することが望ましく、例えば5〜60μm、好ましくは10〜30μmである。
図2(b)を参照して、本発明の製造方法では次いで、透明基材2の上に形成された装飾層3を覆うように、紫外線硬化性樹脂を含む穴埋め層4を形成する(工程(ロ))。穴埋め層4は、パネル部材をガラス基板などに貼り付けて製造される表示パネルの表示部に相当する部分をも覆うように形成される。
穴埋め層4は、装飾層3を形成することにより生じた透明基材2の上の段差を埋め、さらに透明基材2の上に平滑な層を形成することを目的としている。穴埋め層4はまた、表示パネルの表示部に相当する部分にも形成されるものであるため、透明性を必要とする。
本発明で使用する穴埋め層4は、紫外線硬化性樹脂を含む。具体的には、穴埋め層4として、汎用性や価格の面から、ポリエステルウレタン、アクリル酸エステル、メタクリ酸エステルなど紫外線硬化性を有するアクリレート系モノマーやオリゴマー、光開始剤を主成分とした塗料を使用するのが好ましい。この塗料の粘度や濡れ性等の物性を調整するため、塗料に反応性希釈剤やレベリング剤等を必要に応じて添加して用いてもよい。
特に、本発明では、装飾層3による段差を埋め、透明基材上に平滑な層を形成する観点から、揮発性溶剤を含有しない紫外線硬化性樹脂を用いるのが好ましい。揮発性溶剤を含有しない紫外線硬化性樹脂を主成分とする無溶剤系塗料を使用することにより、溶剤の揮発に伴う体積変化を無くし、より安定的な穴埋め層の平滑化が可能となる。無溶剤系塗料を使用するその他のメリットとして、溶剤のシートアタックによる装飾層のダメージが大きく低減され、品質上の安定性も向上することが挙げられる。
穴埋め層4の形成方法には、グラビアコータ、ナイフコータ、ノズルコータ、ダイコータ、コンマコータ、バーコータなど種々の方式が適用可能である。
穴埋め層4に使用する紫外線硬化性樹脂は、前述した塗布方式によって透明基材2の上に安定的に供給することが可能である必要があること、粘着フィルムを貼り合わせた際装飾層3の段差を埋め、透明基材2の上に平滑な層を形成するのが好ましいことから、適度な流動性を有していることが望ましい。具体的には、穴埋め層4に使用する紫外線硬化性樹脂は、80〜8000mPa・sec(25℃)の粘度を有するのが好ましい。80mPa・secより低いと、流動性が高すぎてしまい、均一な膜厚が得られない、またハジキを生じるなどの外観に関わる欠陥を生じやすい。また、穴埋め層4の塗布面に対して粘着層を直接貼り合わせたとき、紫外線硬化性樹脂成分の粘着層への溶解や粘着層中への拡散などの作用が強くなるため、粘着層の粘着力低下などの特性低下が起こりやすい。一方、8000mPa・secよりも高くなると、塗料の供給能力低下による著しい塗布速度の低下、スジ等の欠陥の発生が懸念され、また粘着フィルムを貼り合わせた時に流動性が不十分となって十分な平滑性が得られにくくなる可能性もある。
透明基材上に平滑な層を形成する観点からは、穴埋め層4の厚さを、装飾層の厚さより大きくすることが好ましい。穴埋め層4の厚さを大きくするほど、平滑性が向上する。穴埋め層4の厚さは、例えば10〜70μmとすることができ、好ましくは20〜40μmである。
本発明の製造方法により得られるパネル部材をガラス基板などに貼り付けて、画像表示パネルを製造する場合、穴埋め層4の厚さに制限が生じる。例えば、画像表示パネルがタッチパネルである場合には、パネル内部に組み込まれているセンサー部と指やペン状のデバイスにより走査が行われるため、穴埋め層4の厚さが厚くなり過ぎた結果パネル表面からセンサー部までの距離が大きくなり過ぎると、感度が低下し動作不具合を起こしやすくなる。また、穴埋め層4の厚さの増加に伴い、透明性が劣化するなど光学特性が低下することが懸念される。この観点からは、透明基材や各層の厚さは、できるだけ薄い方が好ましい。
図2(c)を参照して、本発明の製造方法では次に、離型層付きフィルム52上に粘着層51を形成した粘着フィルム50を用意し、粘着層51と穴埋め層4とが重なるように貼り合わせる(工程(ハ))。
粘着フィルム50としては、粘着層51が支持体としての離型層付きフィルム52の上に形成され、セパレータが貼り合わされた粘着フィルムを使用することが好ましい。離型層付きフィルム52としては、PET等のプラスチックフィルム上に、例えばシリコーンやフッ素成分による離型層が形成されたものを使用することができる。
粘着層51に使用する材料は、OCA(Optical Clear Adhesive)等の光学用途向けの一般的な感圧性接着剤であれば特に限定されないが、汎用性や価格の面から、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどを主骨格とするアクリル酸系ポリマーが好ましい。特に、アクリル酸系ポリマーは、モノマー種が多く共重合比率や分子量の制御などが容易であることから、粘着力等、種々の要求への対応が容易である点からも好ましい。また、穴埋め層4に使用する紫外線硬化性のモノマーやオリゴマーの溶解や拡散に対する耐久性を向上することなどを目的として、粘着層51に使用する材料を、イソシアネートやエポキシなどにより架橋することも可能である。
穴埋め層4は、平滑である限り薄いことが好ましいが、薄膜になると、装飾層3の上に穴埋め層4を塗布しただけでは、特に穴埋め層4中の紫外線硬化性樹脂の粘度が高い場合には、レベリングが不十分となり、穴埋め層4を形成することによる平滑化が達成されにくくなる。
このような観点からは、工程(ハ)の後、次の工程(ニ)の前に、加圧(図中PR)および/またはテンションを粘着フィルム50に印加して、穴埋め層4の塗料を透明基材2の上に均一に押し広げる作用を利用することで、良好な平滑性が得られる。同時に、この手法によれば、加圧等印加時の塗料の体積変化により、穴埋め層4の薄膜化が可能となる。具体的には、粘着層と穴埋め層とを重なるように貼り合わせた後、平板やローラーで加圧する方法や、透明基板上に粘着フィルム貼り合せを行う際に長手方向に張力(テンション)を掛ける方法、及び前記加圧方法と張力を掛ける方法の組み合わせにより装飾層による段差を穴埋め層と粘着層で平滑化することができる。
穴埋め層4中の紫外線硬化性樹脂の粘度が低いと、紫外線硬化性樹脂のモノマーやオリゴマーが溶解し、あるいは拡散することにより、粘着層51の粘着性を低下させてしまうおそれがある。
このような観点からには、紫外線硬化性樹脂の粘度が500mPa・s以上の場合には、粘着層51の厚さを10μm以上とするとよい。また、紫外線硬化性樹脂の粘度が100mPa・s以上の場合には、粘着層51の厚さを20μm以上とするとよい。
図2(d)を参照して、本発明の製造方法ではさらに、穴埋め層4中の紫外線硬化性樹脂に紫外線UVを照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させる(工程(ニ))。
従来の方法のように、紫外線硬化性樹脂からなる穴埋め層の上面に離型剤を塗布したセパレータフィルムを被覆した状態で、セパレータフィルムを硬化樹脂の側へ加圧し、UV照射を行うと、セパレータフィルムの離型層に含まれるシリコーンやフッ素成分の影響により、紫外線硬化樹の表面の物性が大きく変化し、紫外線硬化性樹脂と、後に積層される粘着層との密着性が低下する。
本発明の方法では、紫外線硬化性樹脂の表面にセパレータフィルムの離型層などが直接接触することのないように、粘着フィルム50の粘着層51を紫外線硬化性樹脂を含む穴埋め層4に直接貼り合わせ、粘着層51と穴埋め層4とで透明基材2の上に形成された装飾層3により生じた段差を平坦化したのち、紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させることとしている。
図2(e)を参照して、本発明の製造方法で得られたパネル部材1を、ビグ刃等の抜き型(図中PB)やレーザーカッター等を用いて所定の形状にカットして、別の透明基板等に貼り合せることにより、表示パネルとして用いることができる。
本発明の製造方法で得られたパネル部材1の用途に応じて、透明基材2の他方の面に、ハードコート層、飛散防止層、防汚層、反射防止層のいずれか1つを形成することが可能である。
また、透明基材2の他方の面に、粘着層を形成することとして、両面粘着性の装飾層付きパネル部材を製造することも可能である。
以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
透明基材として、厚さ50μmのPETフィルム(帝人デュポンフィルム製:G2-P2)を用意した。このPETフィルムの上に、シルバーミラー塗料(セイコーアドバンス製:クロムシルバー300MR)をスクリーン印刷し、100℃で5分間乾燥して、膜厚1μmのロゴパターン形成した。さらにその上に、黒塗料(帝国インキ製:GLS−HF919−墨)をスクリーン印刷し、100℃で5分間乾燥して、膜厚10μmの黒層の額縁状パターンの装飾層を形成した。ここで形成した装飾層は、表示パネルの外周部に相当する。また、ここで形成した額縁状パターンの装飾層の内側が、表示パネルの表示部に相当する。
次に、紫外線硬化性モノマーとして、ジペンタヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬製:KAYARD DPHA)と、光開始剤(BASF製:DAROCURE 1173)とを、モノマー/光開始剤=100/5の重量比率で配合した無溶剤の紫外線硬化性樹脂塗料を作製した。この紫外線硬化性樹脂塗料の粘度は、6600mPa・sec(25℃)であった。この紫外線硬化性樹脂塗料を、額縁状パターンの装飾層の内側(表示部)の膜厚が20μmとなるような厚さで、アプリケータにより装飾層を覆うように塗布して、穴埋め層を形成した。
別途、粘着フィルムを用意した。すなわち、まず、セパレータフィルムとして、厚さ38μmのシリコーン離型層付きPETフィルム(帝人デュポン製:A43)を準備した。一方、アクリル系粘着塗料(新中村化学工業製:GH6069)と、イソシアネート系硬化剤(日本合成化学製:コロネートL55E)とを、塗料/硬化剤=100/0.7の重量比率で配合した粘着層塗料を作製した。この粘着層塗料を、セパレータフィルムの離型層が設けられている面に粘着層の膜厚が10μmとなるような厚さでアプリケータにより塗布し、100℃で3分間乾燥して、粘着フィルムを作製した。このように作製した粘着フィルムの粘着層に、もう1枚用意したセパレータフィルムの離型層が設けられている面を貼り合わせ、45℃で2日間エージング処理を行った。
次に、このように用意した厚さ10μmの粘着層を有する粘着フィルムから1枚のセパレータフィルムを剥離して粘着層を露出させ、粘着層と上記穴埋め層とが重なるように貼り合わせた。貼り合わせには、ハンドローラを使用した。
粘着層と穴埋め層とを貼り合わせた後、メタルハライドランプを使用して、穴埋め層中の紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、装飾層付きパネル部材を作製した。なお、紫外線の照射条件は、照度400mW/cm2であり、積算光量1600mJ/cm2とした。
(実施例2)
紫外線硬化性モノマーとして、カプロラクトン3モル変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPCA)(日本化薬製:KAYARD DPCA30)を使用して作製した粘度1800mPa・sec(25℃)の紫外線硬化性樹脂塗料を使用したことを除き、実施例1と同様に、装飾層付きパネル部材を作製した。
(実施例3)
紫外線硬化性モノマーとして、ペンタエリスリトールトリorテトラアクリレート(PETA)(新中村化学工業製:NKエステル A-TMM-3)を使用して作製した粘度790mPa・sec(25℃)の紫外線硬化性樹脂塗料を使用したことを除き、実施例1と同様に、装飾層付きパネル部材を作製した。
(実施例4)
紫外線硬化性モノマーとして、ペンタエリスリトールトリorテトラアクリレート(PETA)(新中村化学工業製:NKエステル A-TMM-3L)を使用して作製した粘度490mPa・sec(25℃)の紫外線硬化性樹脂塗料を使用したことを除き、実施例1と同様に、装飾層付きパネル部材を作製した。
(実施例5)
紫外線硬化性モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)(日本化薬製:KAYARD TMPTA)を使用して粘度117mPa・sec(25℃)の紫外線硬化性樹脂塗料を作製するとともに、粘着層の厚さを20μmとした粘着フィルムを使用したことを除き、実施例1と同様に、装飾層付きパネル部材を作製した。
(比較例)
粘着層と穴埋め層とが重なるように貼り合わせる前に、厚さ38μmの離形層付きセパレータフィルム(帝人デュポンフィルム製:A31)を穴埋め層の塗布面にハンドローラを用いて貼り合わせておき、実施例1と同様の条件で紫外線を照射した後にこのセパレータフィルムを剥離し、その後粘着層と穴埋め層とが重なるように貼り合わせたことを除き、実施例1と同様に、装飾層付きパネル部材を作製した。
(評価)
実施例1〜5及び比較例で作製した装飾層付きパネル部材について、装飾層付きパネル部材から離形層付きフィルムを剥がし、ガラス基板への貼りつけを行った。 実施例1〜5の装飾層付きパネル部材はいずれも、装飾層付きパネル部材から離形層付きフィルムを剥がすことができ、ガラス基板へ貼り付けたきとの密着性も十分で、外観上も気泡の発生や著しい外観上の変形は見られず良好であった。
一方、比較例の装飾層付きパネル部材では、装飾層付きパネル部材から粘着層側の離形層付きフィルムを剥がすときに、穴埋め層と粘着層との界面で剥離が発生してしまい、ガラス基板への貼りつけを行うことができなかった。
1:パネル部材
2:透明基材
3:装飾層
4:穴埋め層
50.粘着フィルム
51.粘着層
52.離形層付きフィルム

Claims (9)

  1. 透明基材上に装飾層、穴埋め層、及び粘着層が順次積層された、装飾層付きパネル部材を製造する方法であって、以下の工程:
    (イ)透明基材の一方の面に、所定パターンの装飾層を形成する工程、
    (ロ)前記透明基材の上に形成された前記装飾層を覆うように、紫外線硬化性樹脂を含む穴埋め層を形成する工程、
    (ハ)離型層付きフィルム上に粘着層を形成した粘着フィルムを用意し、前記粘着層と前記穴埋め層とが重なるように貼り合わせる工程、及び
    (ニ)前記穴埋め層中の紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる工程
    を含むことを特徴とする、前記製造方法。
  2. 前記工程(ハ)の後、前記工程(ニ)の前に、加圧および/またはテンションにより前記装飾層による段差を平滑化する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記透明基材がロール状のフィルム形態を有し、前記工程(イ)から前記工程(ニ)を連続した工程で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記穴埋め層の厚さが前記装飾層の厚さより大きいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記紫外線硬化樹脂が揮発性溶剤を含有しないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記紫外線硬化性樹脂の粘度が500mPa・s以上であって、前記粘着層の厚さが10μm以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記紫外線硬化性樹脂の粘度が100mPa・s以上であって、前記粘着層の厚さが20μm以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記透明基材の他方の面に、ハードコート層、飛散防止層、防汚層、反射防止層のいずれか1つを形成することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記透明基材の他方の面に、粘着層を形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
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