JP2016092278A - 有機光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命がより長い有機光電変換素子を提供する。【解決手段】第1電極32と、第2電極34と、該第1電極と該第2電極との間に設けられた活性層40と、該活性層と第1電極及び第2電極のうちの一方又は双方それぞれとに接合している中間層50とを備える有機光電変換素子10において、第1電極及び第2電極のうちの一方が、中間層と接合している第1金属層34aと、該第1金属層に接合しており該第1金属層を構成している金属とは異なる金属を含む第2金属層34bとからなり、第1金属層を構成する材料の仕事関数の絶対値が4.9eV以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機光電変換素子、並びにこれを用いた太陽電池モジュール及びイメージセンサーに関する。
有機光電変換素子は、低コストで製造することができ、フレキシブルかつより軽量化することができるため、無機系光電変換素子を代替すべく研究が進められている。
しかしながら有機光電変換素子は、経時的な安定性が低く、寿命が短くなってしまうことが実用化を妨げている。
近年の研究により、有機光電変換素子の安定性の低さ、寿命の短さの主要因が外部環境から有機光電変換素子の内部に浸透及び拡散する水分及び酸素であり、これらが有機光電変換素子の各構成要素の劣化、ひいては特性の低下を引き起こすことが分かってきた。
特に電荷(電子及び正孔)輸送層(中間層)の酸化は絶縁性パッチ(insulation patch)及び電荷障壁の形成を誘導し、有機光電変換素子の特性を経時的に低下させる要因として知られている。
安定性をより高めることを目的として、例えばMoO層、MoO層に接合するAg層、Ag層に接合するAl層からなる積層構造が用いられ、3000時間の寿命(LT80)を示す有機光電変換素子が知られている(非特許文献1参照。)。
IEEE J.Photovoltaics, 2014(Volume:4, Issue:1, pages:265−270)
しかしながら、上記非特許文献1にかかる積層構造をもってしても有機光電変換素子の安定性は十分とはいえない。
そこで本発明は、安定性に優れ、寿命のより長い有機光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、電極の構造を所定の構造とし、かつ電極に所定の材料を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、下記[1]〜[11]を提供する。
[1] 第1電極と、第2電極と、該第1電極と該第2電極との間に設けられた活性層と、該活性層と第1電極及び第2電極のうちの一方又は双方それぞれとに接合している中間層とを備える有機光電変換素子において、
前記第1電極及び前記第2電極のうちの一方が、前記中間層と接合している第1金属層と、該第1金属層に接合しており該第1金属層を構成している金属とは異なる金属を含む第2金属層とからなり、第1金属層を構成する材料の仕事関数の絶対値が4.9eV以上である、有機光電変換素子。
[2] 前記第1金属層が、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属を含む、[1]に記載の有機光電変換素子。
[3] 前記第1金属層がAuを含む、[2]に記載の有機光電変換素子。
[4] 前記第1金属層の厚さが6nm以下である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子。
[5] 前記中間層が電子輸送性材料又は正孔輸送性材料を含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子。
[6] 前記第1金属層に接合している前記中間層が電子輸送性材料を含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の有機光電変換素子。
[7] 前記電子輸送性材料が、Ti、Nb、Ga、Sn、Zn、W、Mo、Ni、Reからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属の金属酸化物である、[6]に記載の有機光電変換素子。
[8] 前記金属酸化物が、Gaをドープした酸化亜鉛である、[7]に記載の有機光電変換素子。
[9] 前記電子輸送性材料が、フルオレン骨格を含む構造単位を有する高分子電解質である、[6]に記載の有機光電変換素子。
[10] 前記フルオレン骨格を含む構造単位を有する高分子電解質が、ポリ[9,9−ビス(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)]である、[9]に記載の有機光電変換素子。
[11] [1]〜[10]に記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
[12] [1]〜[10]に記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
本発明の有機光電変換素子によれば、経時的な特性の劣化を抑制することができ、より寿命の長い光電変換素子を提供することができる。
図1は、本発明の有機光電変換素子の構成例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照してさらに詳細に説明する。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。有機光電変換素子においては電極のリード線等の部材も存在するが、本発明の説明には直接的に要しないため記載を省略している。本発明の有機光電変換素子は、必ずしも図示例の配置により製造又は使用等がなされるわけではなく、必要に応じて適宜変更し得る。
1.有機光電変換素子
有機光電変換素子の動作機構の概要を説明すると次のとおりである。透明又は半透明の電極から入射した光エネルギーが電子受容性化合物(n型の半導体材料)及び/又は共役高分子化合物等の電子供与性化合物(p型の半導体材料)で吸収され、電子と正孔とが結合した励起子を生成する。生成した励起子が移動して、電子受容性化合物と電子供与性化合物とが隣接しているヘテロ接合界面に達すると、界面でのそれぞれのHOMOエネルギー及びLUMOエネルギーの違いにより電子と正孔とが分離し、独立に動くことができる電荷(電子及び正孔)が発生する。発生した電荷は、それぞれ電極へ移動することにより光電変換素子の外部へ電気エネルギー(電流)として取り出すことができる。
本発明の有機光電変換素子は、第1電極と、第2電極と、該第1電極と該第2電極との間に設けられた活性層と、該活性層と第1電極及び第2電極のうちの一方又は双方それぞれとに接合している中間層とを備え、第1電極及び第2電極のうちの一方が、中間層と接合している第1金属層と、該第1金属層に接合しており該第1金属層を構成している金属とは異なる金属を含む第2金属層とからなり、第1金属層を構成する材料の仕事関数の絶対値が4.9eV以上である。
<第1の構成例>
以下、有機光電変換素子の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、有機光電変換素子の構成例を示す模式的な断面図である。
図1に示されるように、有機光電変換素子10は、一対の電極30、すなわち第1電極32と、第2電極34との間に活性層40が設けられて積層体とされ、この積層体がさらに基板20、すなわち第1基板22と第2基板24との間に設けられている。
第1の構成例の有機光電変換素子10は、より具体的には、第1基板22に設けられた第1電極32と、第1電極32に接合する第1中間層52と、第1中間層52に接合する活性層40と、活性層40に接合する第2中間層54と、第2中間層54に接合する第1金属層54aと、第1金属層54aに接合する第2金属層54bと、第2金属層54bに接合する第2基板24を含んでいる。
(基板)
第1基板22及び第2基板24のうち少なくとも一方の光を取り込む側の基板は透明又は半透明とされる。有機光電変換素子10において、通常、基板20は任意の構成要素である。
基板20は、電極30を形成し、活性層等の有機材料の層を形成する際に化学的に変化しない板状体であればよい。基板20の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等が挙げられる。基板20としてフレキシブルな基板(フィルム)を用いることもできる。
(電極)
電極30は、第1基板22に近い側に設けられる第1電極32、第1電極32と相対し、第2基板24に近い側に設けられる第2電極34により構成されている。電極30は、複数の配線を含む配線層である。
第1電極32及び第2電極34のうち少なくとも一方は透明又は半透明である。例えば第1基板22側から光を取り込む場合には、第1電極32は透明又は半透明とされる。
第1電極32及び第2電極34のうちの一方の電極が陽極であり、他方が陰極である。第1電極32及び第2電極34のうちのいずれが陽極又は陰極となるかは、特に制限されず、適宜設計変更可能である。
透明又は半透明の電極30としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウムスズオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)等からなる導電性材料を用いて形成された膜、NESA等、金、白金、銀、銅等の膜が用いられ、ITO、IZO、酸化スズの膜が好ましい。電極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、めっき法等が挙げられる。また、電極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機材料を含む透明導電膜を用いてもよい。
本発明の有機光電変換素子10では、第1電極32及び第2電極34のうちの一方が、中間層50と接合している第1金属層と、第1金属層に接合する第2金属層とからなる電極30として構成される。第2金属層は第1金属層を構成している金属とは異なる金属を含む。
第1金属層及び第2金属層からなる電極30は、通常、反射電極として構成される。すなわち、有機光電変換素子10は、通常、第1金属層及び第2金属層に対向する反対側の電極側から光が入射され、入射光は第1金属層及び第2金属層からなる電極30により反射される構成を有している。
第1金属層を構成する材料の仕事関数の絶対値は4.9eV以上とされる。第1金属層を構成する材料の仕事関数の絶対値は、より具体的には4.9eV以上5.3eV以下とされることが好ましい。このようにすれば、第1金属層は極めて酸化されにくいため、第1金属層と後述する中間層との界面近傍での絶縁性パッチの形成及びこれに起因する層同士の剥離の発生を効果的に抑制することができ、結果として有機光電変換素子の経時的な特性の劣化を抑制することができ、より寿命の長い有機光電変換素子を提供することができる。
なお、材料の仕事関数は、金属薄膜を作成し、光電子分光法で測定することによって求めることができ、また従来公知の文献から得ることもできる。
この構成例では、陰極である第2電極34が、第2中間層54に接合している第1金属層34aと第1金属層34aに接合しており第1金属層34aを構成している金属とは異なる金属を含む第2金属層34bとからなる。
第1金属層34aを構成する材料の仕事関数の絶対値は4.9eV以上とされ、第1金属層34aは、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属を含むことが好ましく、有機光電変換素子の安定性を高め寿命をより長くする観点から第1金属層34aがAuを含むか又はAuからなることがより好ましい。
第1金属層34aの厚さは、特に限定されないが、2nmから40nmであることが好ましく、2nmから20nmであることがより好ましく、2nmから10nmであることが特に好ましい。
第2金属層34bの材料は、いかなる金属材料であってもよく特に限定されないが、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、V、Zn、Y、In、Ce、Sm、Eu、Tb、Yb、Au、Ag、Pt、Cu、Mn、Ti、Co、Ni、W、Snからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属を含むことが好ましく、中でもAu、Al、Ag、Ptがより好ましく、Agであることが特に好ましい。
第2属層34bの厚さは、特に限定されないが、好ましくは40nmから500nmであり、より好ましくは40nmから200nmであり、特に好ましくは40nmから100nmである。
(中間層)
有機光電変換素子10の好ましい態様は、第1電極32及び第2電極34のうちの一方又は双方それぞれと活性層40との間に中間層50が設けられている態様である。中間層50には光電変換効率を向上させるため、有機光電変換素子の安定性をより高めるための種々の機能を持たせることができる。発明の目的及び効果を損なわないことを条件として中間層の機能は特に限定されない。中間層50は、例えば、電荷輸送層(正孔輸送層又は電子輸送層)であり得る。中間層50は、単層であっても互いに異なる材料を含む2層以上の積層構造であってもよい。なお、中間層50の総数は2以上であってもよい。換言すると、本実施形態にかかる有機光電変換素子10は、第1電極32及び第2電極34のうちの一方又は双方それぞれと活性層40との間に、第1電極32及び第2電極34のいずれにも非接合である中間層50をさらに有していてもよい。
第2電極34が陰極であり、第1電極32が陽極である場合には、第1中間層52は、例えば、正孔輸送層、電子ブロック層及びその他の機能を有する層であり得る。また第2中間層54は、例えば電子輸送層、正孔ブロック層及びその他の機能を有する層であり得る。電極を入れ替え、第1電極32を陰極とし、第2電極34を陽極とした場合、これに応じてそれぞれ位置が入れ替わることになる。
中間層50は、電子輸送性材料又は正孔輸送性材料を含むことが好ましい。すなわち中間層50は、電子輸送層又は正孔輸送層であることが好ましい。中間層50が含み得る材料は、電子輸送性材料としては酸化チタンのような金属酸化物が挙げられ、正孔輸送性材料としてはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が挙げられる。
第1金属層34aに接合している中間層50は、電子輸送性材料を含む電子輸送層であることが好ましい。この場合、電子輸送性材料は、Ti、Nb、Ga、Sn、Zn、W、Mo、Ni、Reからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属の金属酸化物であることが好ましく、Gaをドープした酸化亜鉛(GZO)であることがより好ましい。
このように電極30を第1金属層34aと第2金属層34bとを接合して構成すれば、第1金属層34aに接合する中間層50が有機光電変換素子10内に浸透し、拡散する水分、酸素による劣化、特に第1金属層34aの酸化に起因する絶縁性パッチの形成及び絶縁性パッチによる層の剥離に起因する経時的な特性の劣化を効果的に抑制することができる。結果として有機光電変換素子の安定性を高めることができ、寿命をより長くすることができる。
中間層50の厚さは、好ましくは0.1nmから200nmであり、より好ましくは0.1nmから50nmであり、特に好ましくは0.1nmから25nmである。
前記金属酸化物としてはナノ粒子を用いることがより好ましい。ナノ粒子を用いればより効果的に層の剥離を抑制することができる。中間層50の材料としてGZOのナノ粒子を用いることがより好ましい。
中間層50の材料としてGZOを用い、第1金属層34aとGZOを含む中間層50とを接合させる構成とすれば、GZOは水分、酸素により酸化されにくいこともあり、より効果的に有機光電変換素子の経時的な特性の劣化を抑制し、寿命をより長くすることができる。
中間層50が電子輸送性材料として有機材料を含む場合には、該有機材料はフルオレン骨格を含む構造単位を有する高分子電解質であることが好ましく、ポリフルオレンからなる高分子電解質であることがより好ましい。
中間層50を構成し得るフルオレン骨格を含む構造単位を有する高分子電解質としては、ポリ[9,9−ビス(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−alt−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)](PFN)又はその誘導体(PFN誘導体)を用いることが好ましい。
フルオレン骨格を含む構造単位を有する高分子電解質として用いられ得るPFN誘導体の例としては、下記式(1)で示される構造単位を有する化合物が挙げられる。
Figure 2016092278
中間層50の材料として、絶縁性又は半導体性を有する無機化合物を用いてもよい。絶縁性の無機化合物の例としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属化合物が挙げられ、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS又はCaSが好ましい。半導体性を有する無機化合物の例としては、K、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnからなる群から選ばれる1種又は2種以上の元素の酸化物、窒化物並びに酸化窒化物が挙げられる。
(活性層)
第1の構成例では、単層の活性層40が設けられている。有機光電変換素子10に設けられる活性層40は、電子供与性化合物(p型半導体材料)及び電子受容性化合物(n型半導体材料)を含む。
第1の構成例の有機光電変換素子10における活性層40はバルクへテロ接合型の活性層であり、電子供与性化合物と電子受容性化合物とが活性層40中でミクロ相分離構造を形成している。
なお、電子供与性化合物、電子受容性化合物は、これらのエネルギー準位から相対的に決定される。
活性層40の材料として用いられ得る電子供与性化合物の例としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を含むポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体が挙げられる。
前記式(1)で示される構造単位を有する化合物は、下記式(2)で示される構造単位をさらに含むことが好ましい。
Figure 2016092278
前記式(2)中、Ar及びArは互いに同一であっても異なっていてもよい3価の複素環基である。Xは−O−で示される2価の基、−S−で示される2価の基、−C(=O)−で示される2価の基、−S(=O)−で示される2価の基、−SO−で示される2価の基、−Si(R)(R)−で示される2価の基、−N(R)−で示される2価の基、−B(R)−で示される2価の基、−P(R)−で示される2価の基、−P(=O)(R)−で示される2価の基であって、R、R、R、R、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミノ基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロシクリルオキシ基、ヘテロシクリルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、カルボキシ基、又はシアノ基である。R50は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミノ基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロシクリルオキシ基、ヘテロシクリルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、カルボキシ基、又はシアノ基である。R51は炭素原子数6以上のアリール基、炭素原子数6以上のアリールオキシ基、炭素原子数6以上のアリールチオ基、炭素原子数7以上のアリールアルキル基。炭素原子数7以上のアリールアルキルオキシ基、炭素原子数7以上のアリールアルキルチオ基、炭素原子数6以上のアシル基、又は炭素原子数6以上のアシルオキシ基である。X及びArは隣接位となるようにArに含まれる複素環に結合され、C(R50)(R51)及びArは隣接位となるようにArに含まれる複素環に結合される。
式(2)で示される構造単位を含む化合物の例としては、下記式(3)及び下記式(4)で示される化合物を重合して得ることができるポリマーが挙げられる。
Figure 2016092278
Figure 2016092278
電子受容性化合物の例としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、C60フラーレン等のフラーレン及びその誘導体、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体、酸化チタンなどの金属酸化物、カーボンナノチューブ等が挙げられる。電子受容性材料としては、カーボンナノチューブ、フラーレン及びフラーレン誘導体が好ましい。
フラーレン及びその誘導体の例としてはC60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C84フラーレン及びこれらの誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体としては、下記の構造を有するフラーレン誘導体が挙げられる。
Figure 2016092278
フラーレン誘導体が電子受容性化合物として用いられる場合には、フラーレン誘導体の量は、電子供与性化合物100重量部に対して、好ましくは10重量部から1000重量部であり、より好ましくは20重量部から500重量部である。
活性層40の厚さは、1nm〜100μmとすることが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましくは20nm〜200nmである。
<第2の構成例>
第2の構成例において、活性層40は、第1活性層及び第2活性層の2層が接合されて構成されているpnヘテロ接合型の活性層である。第1活性層及び第2活性層のうちの一方が電子受容性層でありn型半導体材料を含む層として設けられる。他方の層が電子供与性層であり、p型半導体材料を含む層として設けられる。互いに接合している第1活性層及び第2活性層のうちの第1活性層には、第1中間層52が接合しており、第2活性層には第2中間層54が接合している。第1活性層及び第2活性層のいずれが電子受容性層又は電子供与性層となるかは特に限定されず、適宜設計変更可能である。
なお、第2の構成例では、活性層40が2層が接合されて構成されている例を説明した。しかしながら、活性層40の構成はこの例に限定されず、活性層40は3層以上の層により構成されていてもよい。
<太陽電池モジュール>
有機光電変換素子10は、透明又は半透明の電極側に太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生させることができ、これにより太陽電池として動作させることができる。このような有機光電変換素子を複数集積することにより太陽電池モジュールとすることができる。
太陽電池モジュールは、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとり得る。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、このセルを充填樹脂、保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明な支持基板側から光を取り込む構造としてもよい。このような構造としては、具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の太陽電池モジュールも使用目的、使用場所及び環境により、適宜これらのモジュール構造を選択することができる。
代表的なスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプの太陽電池モジュールは、片側又は両側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード又はフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、発生した電力が外部に取り出される構造となっている。基板とセルとの間には、セルの保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルム又は充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、又は上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周囲は、内部の密封及び太陽電池モジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板とフレームとの間は封止材料で密封シールする。また、セル自体、支持基板、充填材料及び封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面上に太陽電池モジュールを構成することもできる。
ポリマーフィルム等のフレキシブルな支持体を用いた太陽電池モジュールの場合、ロール状の支持体を送り出しながら順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより太陽電池モジュールを作製することができる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,p383−391に記載されている「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。さらに、フレキシブル支持体を用いた太陽電池モジュールは曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
<イメージセンサー>
有機光電変換素子50の電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明又は半透明の電極側に光を照射すると光電流が流れる。このようにして有機光電変換素子50を光センサーとして動作させることができる。このような光センサーを複数集積することによりイメージセンサーとすることができる。
2.有機光電変換素子の製造方法
有機光電変換素子10は、例えば、第1基板22に、第1電極32、第1中間層52、活性層40、第2中間層54、第1金属層54a、第2金属層54b、及び第2基板24を順次に形成して積層することにより製造することができる。
有機光電変換素子10を構成する前記の各構成要素は、既に説明した材料を用いて任意好適な方法により形成することができ、また市場にて入手可能な部材を準備して用いてもよい。
<有機材料を含む層の形成方法>
有機光電変換素子10を構成する層(活性層40、中間層50、電極30)は、有機材料(有機化合物)を含む層であり得る。有機材料を含む層の形成方法としては、例えば、高分子化合物等の成分を含む溶液又は分散液、すなわちインキを用いる塗布法、真空蒸着法などが挙げられる。
溶液の調製に用いられる溶媒、分散液の調製に用いられる分散媒は、有機材料を含む層を構成する材料に応じて任意好適な溶媒又は分散媒を選択することができる。
溶媒又は分散媒としては、水、有機溶媒などを用い得る。有機溶媒の例としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒が挙げられる。分散媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの飽和炭化水素が挙げられる。
塗布法の例としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法などが挙げられる。塗布法としては、好ましくは、スピンコート法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法である。
バルクへテロ接合型の活性層40を塗布法により形成する方法としては、例えば、塗布液として、p型有機半導体材料とn型半導体材料との2成分を含む混合液を調製し、これを用いて前記塗布法により活性層を形成する方法が挙げられる。
pnヘテロ接合型の活性層40を形成する場合には、電子受容性層及び電子供与性層のそれぞれについて別々に順次に形成すればよい。形成方法は各層の材料に応じて適宜選択し得る。例えば、まずp型有機半導体材料を溶解させた塗布液を調製し、これを電極又は中間層に塗工し、溶媒を揮発させて電子供与性層を形成する。続いて、n型有機半導体材料を溶解させた塗布液を調製し、電子供与性層に塗工し、溶媒を揮発させて電子受容性層を形成する。このようにして2層構成の活性層を形成し得る。電子供与性層及び電子受容性層の形成順序は前記説明の逆でもよい。
<他の層の形成方法>
有機材料を含む層以外の他の層の形成方法に特に制限はなく、その材料の種類や設計される層の厚さなどの条件を勘案し、任意好適な形成方法を選択し得る。溶液、分散液を用いる場合には、前記塗布法を用いることができる。他の層の形成方法の例としては、その他に真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)、めっき法などを挙げることができる。例えば電極30、すなわち第1電極32、第1金属層54a及び第2金属層54bは、真空蒸着法、スパッタリング法、めっき法などにより形成することができる。
まず、後述する実施例1において用いられる高分子化合物1の合成例を説明する。高分子化化合物1の分子量は、GPCラボラトリー製のGPC装置(PL−GPC2000)を用い、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量として求めた。
高分子化合物1の分子量は、具体的には高分子化合物1の濃度が約1重量%となるようにo−ジクロロベンゼンに重合体を溶解させ、移動相としてo−ジクロロベンゼンを用い、測定温度140℃で、1mL/分の流速で流すことにより求めた。カラムは、PLラボラトリー製PLGEL 10μm MIXED−Bを3本直列に繋いだ構成として用いた。
合成例1
(化合物2の合成)
下記のとおり、化合物1から化合物2を合成した。
Figure 2016092278
容量200mLのフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換し、国際公開第2011/052709号に記載の方法に従って合成した化合物1を2.00g(3.77mmol)、脱水テトラヒドロフランを100mL、フラスコに入れて均一な溶液とした。得られた溶液を−78℃に保ち、該溶液に1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液5.89mL(9.42mmol)を10分間かけて滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分間攪拌し、次いで、室温(25℃)で2時間攪拌した。その後、フラスコを−78℃に冷却し、反応液にトリブチルスズクロリドを3.37g(10.4mmol)加えた。添加後、反応液を−78℃で30分間攪拌し、次いで、室温(25℃)で3時間攪拌した。その後、反応液に水200mLを加えて反応を停止させ、酢酸エチルを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。抽出された有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過後、濾液をエバポレーターで濃縮し、溶媒を留去してオイル状の物質を得た。得られたオイル状の物質を展開溶媒をヘキサンとしてシリカゲルカラムで精製した。シリカゲルカラムに充填されたシリカゲルは、あらかじめ10重量%のトリエチルアミンを含むヘキサンに5分間浸し、その後、ヘキサンで濯いで用いた。精製後、化合物2を3.55g(3.20mmol)得た。
合成例2
(高分子化合物1の合成)
下記の化合物2、化合物3及び化合物4を用いて高分子化合物1を合成した。
Figure 2016092278
容量300mLのフラスコ内の気体をアルゴンガスで置換し、国際公開第2011/052709号に記載の方法に従って合成した化合物3を800mg(0.760mmol)、前記化合物2を840mg(0.757mmol)、国際公開第2011/052709号に記載の方法に従って合成した化合物4を471mg(1.43mmol)、トルエンを107mL、フラスコに入れて均一な溶液(トルエン溶液)とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンガスで30分間バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを19.6mg(0.0214mmol)、トリス(2−トルイル)ホスフィンを39.1mg(0.128mmol)加え、100℃で6時間攪拌した。その後、得られた反応液にフェニルブロミドを660mg加え、さらに5時間攪拌した。その後、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノール2000mLに注いだ。析出したポリマーを濾過して集め、得られたポリマーを円筒濾紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトン及びヘキサンでそれぞれ5時間抽出した。円筒濾紙内に残ったポリマーを、o−ジクロロベンゼン53mLに溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム1.21gと水12mLとを加え、8時間還流下で攪拌を行った。水層を除去後、有機層を水200mLで2回洗浄し、次いで、3重量%の酢酸水溶液200mLで2回洗浄し、次いで、水200mLで2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾取した後、乾燥させ、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン62mLに再度溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムに通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーを濾取した後、乾燥させ、精製されたポリマー802mgを得た。以下、このポリマーを高分子化合物1と称する。
<実施例1>
(有機光電変換素子の製造)
スパッタリング法により150nmの厚さでITO膜を形成したガラス基板(基板)を、アセトンにて洗浄した後、低圧水銀ランプを備えた紫外線オゾン照射装置(テクノビジョン社製、型式:UV−312)を用いて、15分間UVオゾン洗浄処理し、清浄な表面を有するITO電極(第1電極、陽極)を形成した。
次いで、ITO電極の表面上にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)の懸濁液(スタルク社製、商品名Baytron P AI4083、lot.HCD070109)をスピンコート法により塗布した。その後、大気中で140℃で10分間乾燥させ、PEDOT層(第1中間層)を形成した。
電子供与性材料である前記高分子化合物1び電子受容性材料であるPC70BM(NanoC製)の混合物(高分子化合物1:PC70BM=1:2(重量比))の1,2−オルトジクロロベンゼンとの溶液(0.52重量%)を85℃で1時間撹拌し、25℃まで冷却し、回転速度650rpmで30秒間スピンコートして、厚さ100nm以下の活性層を形成した。
Ga(ガリウム)がドープされたZnOナノ粒子(ハクスイテック社製)の2−プロパノール(IPA)溶液を、回転速度4000rpmで10秒間スピンキャストして、厚さ20nmの金属酸化物層(第2中間層)を形成した。
次いで、厚さ4nmとしてAu(金)を金属酸化物層上に真空蒸着機で蒸着してAu層(第1金属層)を形成した。蒸着工程中の真空度は、1×10Pa〜9×10Paとした。
最後に、前記Au層の形成と同一の真空条件でAg(銀)を蒸着してAu層上に厚さ80nmのAg層(第2金属層)を形成することにより有機光電変換素子を製造した。
得られた有機光電変換素子の形状は、2mm×2mmの正四角形とした。得られた有機光電変換素子の発電特性は、ソーラシミュレーター(山下電装社製、商品名YSS−80)を用い、AM1.5Gフィルターを通した放射照度100mW/cmの光を照射して、発生した電流及び電圧を測定したところ、発電が認められた。
(有機光電変換素子の安定性の評価)
製造された本実施例にかかる有機光電変換素子の安定性(寿命)を評価するために試験機器(ATLAS社製、Ci4000)を用い、晴れ、温度60℃、湿度65%の気候条件として有機光電変換素子の寿命を測定する耐候性試験を行った。なお、有機光電変換素子の「寿命」とは、光電変換効率が初期値からその80%の値まで低下するまでの時間(T80)で定義される。
製造された本実施例にかかる有機光電変換素子は、前記試験(T80)において7000時間程度の寿命、すなわち優れた安定性を示した。
<比較例1>
第1金属層をAg層とし、かつ第2金属層をAu層とした以外は前記実施例1と同様にして有機光電変換素子を製造した。
比較例1にかかる有機光電変換素子は、前記実施例1における評価と同一の加速条件下で前記実施例1にかかる有機光電変換素子の50%程度の寿命しか有していなかった。
<比較例2>
電極を単層のAg層(第2金属層)のみとした以外は前記実施例1と同様にして、有機光電変換素子を製造した。
比較例2にかかる有機光電変換素子は、前記記実施例1における評価と同一の加速条件下で前記実施例1にかかる有機光電変換素子の50%程度の寿命しか有していなかった。
10 有機光電変換素子
20 基板
22 第1基板
24 第2基板
30 電極
32 第1電極
34 第2電極
34a 第1金属層
34b 第2金属層
40 活性層
42 第1活性層
44 第2活性層
50 中間層
52 第1中間層
54 第2中間層

Claims (12)

  1. 第1電極と、第2電極と、該第1電極と該第2電極との間に設けられた活性層と、該活性層と第1電極及び第2電極のうちの一方又は双方それぞれとに接合している中間層とを備える有機光電変換素子において、
    前記第1電極及び第2電極のうちの一方が、前記中間層と接合している第1金属層と、該第1金属層に接合しており該第1金属層を構成している金属とは異なる金属を含む第2金属層とからなり、第1金属層を構成する材料の仕事関数の絶対値が4.9eV以上である、有機光電変換素子。
  2. 前記第1金属層が、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属を含む、請求項1に記載の有機光電変換素子。
  3. 前記第1金属層がAuを含む、請求項2に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記第1金属層の厚さが6nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記中間層が電子輸送性材料又は正孔輸送性材料を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  6. 前記第1金属層に接合している前記中間層が電子輸送性材料を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  7. 前記電子輸送性材料が、Ti、Nb、Ga、Sn、Zn、W、Mo、Ni、Reからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属の金属酸化物である、請求項6に記載の有機光電変換素子。
  8. 前記金属酸化物が、Gaをドープした酸化亜鉛である、請求項7に記載の有機光電変換素子。
  9. 前記電子輸送性材料が、フルオレン骨格を含む構造単位を有する高分子電解質である、請求項6に記載の有機光電変換素子。
  10. 前記フルオレン骨格を含む構造単位を有する高分子電解質が、ポリ[9,9−ビス(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)]である、請求項9に記載の有機光電変換素子。
  11. 請求項1〜10に記載の有機光電変換素子を含む太陽電池モジュール。
  12. 請求項1〜10に記載の有機光電変換素子を含むイメージセンサー。
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