JP6641692B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。
本明細書において光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子あるいは電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を表わし、具体的には太陽電池あるいはフォトダイオード等が挙げられる。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになった。さらに、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として環境発電素子への応用が期待されており、その中でも太陽電池(光電変換素子の一種)は光があればどこでも発電できる素子として注目を集めている。
太陽電池としては、シリコン系太陽電池が最も普及しており、太陽光下での変換効率が高いものが多く報告されている(たとえば非特許文献1)。
しかしながら、シリコン系太陽電池は太陽光下での変換効率は優れるが、屋内などの微弱光下での変換効率は低いことが一般的に知られている(たとえば非特許文献2)。
一方で、スイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表した色素増感型太陽電池は、微弱光下において、シリコン太陽電池以上の高い光電変換特性を有することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
通常、LEDライトや蛍光灯などの室内光の照度は20Luxから1000Lux程度と微弱光と呼ばれるものであり、太陽の直射光(およそ100000Lux)と比較し、非常に微弱な光である。Graetzelらは、酸化チタン等の金属酸化物半導体電極を多孔質化して表面積を大きくしたこと、並びに色素としてルテニウム錯体を単分子吸着させたことにより光電変換効率を著しく向上させた(例えば、特許文献1、非特許文献4、5参照)。
また、Heegerらが開発したP型有機半導体とフラーレンに代表されるN型有機半導体を混合したバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池も微弱光下において比較的高い発電能を有することが知られている(非特許文献8)。近年、P型有機半導体の開発が精力的に行なわれており、太陽光下における変換効率の向上が進んでいる。
有機薄膜太陽電池の構築において、透明導電性基板上に直接光電変換層を設けた場合、出透明導電性基板と光電変換層が接触してしまうことにより、電極から注入される電荷により、発生した電荷が中和されてしまい、電力低下を引き起こすことが知られている。この欠点を補うものとして、バッファ層と呼ばれるホールまたは電子のみを輸送する機能を持つ中間層を電極と光電変換層の間に設ける手法が報告されている。代表的なものとしてPEDOT:PSS薄膜(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフエン):ポリスチレンスルホン酸薄膜)や酸化亜鉛薄膜が知られている。これらの層を設けることにより、ホールまたは電子の輸送を妨げることなく、電荷再結合を防ぐことができ、光電変換効率を向上させることができる。
さらに近年、バッファ層にいくつかの工夫が施され、擬似太陽光下における変換効率向上が試みられている。
たとえば、酸化亜鉛膜に色素増感太陽電池で用いられるような色素を吸着させる手法(非特許文献6)やフラーレン誘導体を吸着させる手法(非特許文献7)が報告されている。
また、非特許文献8によれば、酸化亜鉛膜の上に塩基性の樹脂をさらに塗布することにより光電変換効率を向上させる手法が報告されている。
非特許文献6については曲線因子が向上したという報告、非特許文献7においては、短絡電流密度、曲線因子が向上したという報告がなされている。非特許文献8においては開放電圧、短絡電流密度、曲線因子とすべての因子が向上したと報告されている。この報告はどれも擬似太陽光下におけるものである。
一般的に太陽電池特性において、微弱光下では短絡電流密度は光量に比例することがしられているが、開放電圧は光量が低下すると大きく低下することが知られており、微弱光下で太陽電池特性が低下する大きな要因となっている。その傾向は従来の有機薄膜太陽電池でも例外ではなく、微弱光下での低い開放電圧の改善が求められている。というのも、太陽光下において有機薄膜太陽電池で得られる開放電圧は単セルあたり約0.7〜0.8V程度である。微弱光下では電圧低下し、開放電圧が1/2以下になる。
この開放電圧の値では、実際の機器を駆動させるには不充分なため、複数個のセルを直列接続して、機器が駆動できる電圧にまで増加する必要がある。直列接続数を増やすと、回路中での損失電流が多くなる、モジュールの開口率が下がる、といった欠点があり、結果的にモジュールとしての特性を落としてしまう。よって、少ない直列接続数にする必要がある。従って、単セルにおいて高い開放電圧が必要とされている。
上記費特許文献6〜8に公開されている技術においても、擬似太陽光下での特性は向上しているが、微弱光下での開放電圧低下は改善されていない。
そこで本発明は上記課題を鑑み、微弱光の場合であっても、擬似太陽光下での開放電圧と比較して開放電圧の低下が少ない光電変換素子を提供することを目的とする。
上記課題は、次の(1)に記載の「光電変換素子」により解決される。
(1)「導電膜上に、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層、電極が順次積層されてなる光電変換素子であって、前記電子輸送層は、金属酸化物を含む第一の層と、前記第一の層と前記光電変換層との間に設けられた第二の層とを有し、前記第二の層は、少なくとも1つのカルボン酸基を有する塩基性化合物を含むことを特徴とする光電変換素子」。
本発明によれば、微弱光下であっても電圧低下が少ない光電変換素子を提供することができる。
本発明の光電子変換素子の1構造例を示す図である。
本発明は、上記(1)に記載の「光電変換素子」に係るものであるが、この「光電変換素子」は、以降の詳細な説明から理解されるように、つぎの(2)〜(7)に記載される態様の「光電変換素子」、「太陽電池モジュール」をも包含する。
(2)「前記カルボン酸基を有する塩基性化合物が、前記カルボン酸基を有する第3級アミン誘導体であることを特徴とする前記(1)に記載の光電変換素子。」
(3)「前記カルボン酸基を有する塩基性化合物が、下記一般式(1)で表わされるものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の光電変換素子。
Figure 0006641692
(上式(1)中、nは1〜4の整数、mは1〜6整数でn≧mであり、R1、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表わし、Xは炭素数4〜10の2価の芳香族基または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。R1とR2は結合して環を形成してもよい。)」
(4)「前記金属酸化物が、少なくとも1つの酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズから選ばれたものであることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光電変換素子。」
(5)「前記金属酸化物からなる電子輸送層の膜厚が10nm〜60nmであることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光電変換素子。」
(6)「太陽電池として用いることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光電変換素子。」
(7)「前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光電変換素子が2次電池と接続されてなることを特徴とする太陽電池モジュール。」
以下本発明に係る光電変換素子について図面を参照しながら説明する。
なお本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り。本発明の範囲に含まれるものである。
図1に示す態様については、1.基板上に2.導電膜が形成され、2.導電膜上に電子輸送層が形成され、電子輸送層に塩基性カルボン酸誘導体が吸着し、その上に光電変換層が形成され、光電変換層上にホール輸送層が形成され、ホール輸送層上に電極が形成された構成の例が図示されている。
以下、詳細を説明する。
<塩基性カルボン酸誘導体>
本発明において、塩基性カルボン酸誘導体は電子輸送層に吸着される。塩基性カルボン酸誘導体の中でも、カルボン酸機を有する第3級アミン誘導体であることが好ましく、さらには下記に示す一般式(1)で表わされる誘導体がより好ましく、一般式(2)で表わされる誘導体であることがさらに好ましい。
Figure 0006641692
(上式(1)中、nは1〜4の整数、mは1〜6整数でn≧mであり、R1、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表わし、Xは炭素数4〜10の2価の芳香族基または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。R1とR2は結合して環を形成してもよい。)
Figure 0006641692
(上式(2)中、R1、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表わし、Xは炭素数4〜10の2価の芳香族基または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。R1とR2は結合して環を形成してもよい。)
理由は定かではないが、鋭意検討の結果、上記に示す塩基性カルボン酸誘導体を電子輸送層に吸着させることで、微弱光下でも擬似太陽光下と比較して開放電圧の低下量が少ない光電変換素子が得られることができた。
カルボン酸誘導体に代表される酸性基は金属酸化物上に好適に吸着されることが色素増感太陽電池等で知られている。本発明ではその吸着性を巧みに用いることにより、塩基性カルボン酸誘導体を電子輸送層に吸着させている。カルボン酸を持たない塩基性の低分子材料では光電変換層を塗布する際に溶解してしまい、電子輸送層上に残らず、効果を発揮できない。また塩基性のポリマー材料を電子輸送層上に塗布することでも光電変換層と電子輸送層の間に塩基性の層を設けることができる。しかしながら、塩基性のポリマー材料は絶縁性であるため、塩膜厚が厚いと電子輸送性の阻害を起こしてしまう。また、単なる塗布では電子輸送層と塩基性層の密着が悪いためか、微弱光下での電圧低下抑制効果が見られない。
一方で、塩基性カルボン酸誘導体は電子輸送層に単分子層として吸着ができるため、電子輸送性の阻害もなく、カルボン酸で密に接しているためか、微弱光下での電圧抑制効果が高い。
以下に前記一般式(1)で表わされる具体的な例示化合物を示すが、なんらこれらに限定されるものではない。
Figure 0006641692
上記塩基性カルボン酸誘導体を吸着させる方法としては、塩基性カルボン酸誘導体の溶液中あるいは分散液中に電子輸送層を含有する電子集電電極(基板、導電膜、電子輸送層が形成された電極)を浸漬する方法が挙げられる。この他にも、溶液あるいは分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法を用いることができる。
前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナイフ法等を用いることができる。後者の場合、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピンコート法、スプレー法等を用いることができる。
また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
塩基性カルボン酸誘導体を吸着させる際、縮合剤を併用してもよい。前記縮合剤は、無機物表面に物理的あるいは化学的に光増感化合物と電子輸送性材料とが結合すると思われる触媒的作用をするもの、又は化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるもののいずれであってもよい。
さらに、縮合助剤としてチオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
塩基性カルボン酸誘導体を溶解、あるいは分散する溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒等を挙げることができ、これらは単独、あるいは2種以上の混合として用いることができる。
<基板>
本発明に用いられる基板としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。基板1は透明な材質のものが好ましく、例えばガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。
<導電膜、電極>
導電膜及び電極は、少なくともいずれか一方は可視光に対して透明なものを使用し、他方は透明であっても不透明であっても構わない。
前記可視光に対して透明な電極としては、特に制限はなく、通常の光電変換素子又は液晶パネル等に用いられる公知のものを使用でき、例えば、スズドープ酸化インジウム(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛(以下、それぞれを「AZO」、「GZO」と称する)等の導電性金属酸化物が挙げられる。
前記可視光に対して透明な電極の平均厚みは、5nm〜10μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましい。
前記可視光に対して透明な電極は、一定の硬性を維持するため、可視光に透明な材質からなる基板上に設けることが好ましく、電極と基板が一体となっているものを用いることもでき、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜などが挙げられる。
前記可視光に対して透明な電極は、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものや、カーボンナノチューブ、グラフェン等を透明性を有する程度に積層したものでもよい。これらは1種単独あるいは2種以上の混合、又は積層したものでも構わない。
更に、基板抵抗を下げる目的で、金属リード線等を用いてもよい。前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。前記金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
電子集電電極及び正孔集電電極のいずれか一方に不透明な電極を用いる場合としては、例えば、白金、金、銀、銅、Al等の金属やグラファイトが挙げられる。前記不透明な電極の場合、厚みとしては、特に制限はなく、また、1種単独あるいは2種以上の積層構成で用いても構わない。
<電子輸送層>
電子輸送層を形成する材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子受容性有機材料(例えば、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、フラーレン化合物、CNT、CN−PPV等)、酸化亜鉛、酸化チタン、フッ化リチウム、カルシウム金属等の無機材料をゾルゲル法やスパッタリングで形成して用いることができる。これらの中でも、本発明においては、塩基性カルボン酸誘導体を吸着させるため、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ等の金属酸化物が好ましい。
前記電子輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、10nm〜60nmがより好ましい。
<ホール輸送層>
ホール輸送層を設けて、正孔の収集効率を向上させることができる。具体的には、PEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸)のような導電性高分子、芳香族アミン誘導体のようなホール輸送性有機化合物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル等の正孔輸送性を有する無機化合物をスピンコート、ゾルゲル法やスパッタリングで形成する。本発明においては酸化モリブデンを設けることが好ましい。
前記正孔輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、1nm〜50nmがより好ましい。
<光電変換層>
光電変換層は、P型有機半導体とN型有機半導体の混合によりバルクへテロ型の光電変換層として、電子輸送層とホール輸送層との間に形成される。
バルクへテロ接合型は、P型有機半導体とN型有機半導体の混合により、光電変換層内でナノサイズのpn接合を形成し、接合面において生じる光電荷分離を利用して電流を得る。p型有機半導体は、電子供与性の材料で構成される。一方、n型半導体は、電子受容性材料で構成される。
p型有機半導体としては、例えば、ポリチオフェンおよびその誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体等、共役高分子や低分子化合物を使用することができ、これらを併用してもよい。
好ましいp型有機半導体は、π共役を有する導電性高分子であるポリチオフェンおよびその誘導体である。ポリチオフェンおよびその誘導体は、優れた立体規則性を確保することができ、溶媒への溶解性が比較的高い。ポリチオフェンおよびその誘導体は、チオフェン骨格を有する化合物であれば特に限定されない。ポリチオフェンおよびその誘導体の具体例としては、ポリ3−ヘキシルチオフェンに代表されるポリアルキルチオフェン、ポリ3−ヘキシルイソチオナフテン、ポリ3−オクチルイソチオナフテン、ポリ3−デシルイソチオナフテン等のポリアルキルイソチオナフテン;ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。
また、近年では、ベンゾジチオフェン、カルバゾール、ベンゾチアジアゾールおよびチオフェンからなる共重合体であるPTB7(Poly({4,8−bis[(2−ethylhexyl)oxy]benzo[1,2−b:4,5−b’]dithiophene−2,6−diyl}{3−fluoro−2−[(2−ethylhexyl)carbonyl]thieno[3,4−b]thiophenediyl}))やPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])などの誘導体が、優れた光電変換効率を得られる化合物として知られている。
さらに共役高分子だけでなく、電子供与性ユニットと電子吸引性ユニットとを結合させた低分子化合物でも優れた光電変換効率を得られる化合物として知られている。(非特許文献9)
<n型有機材料>
n型有機半導体材料としては、例えば、フラーレン、フラーレン誘導体などが挙げられる。これらの中でも、電荷分離、電荷輸送の点から、フラーレン誘導体が好ましい。
前記フラーレン誘導体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、PC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル、フロンティアカーボン社製)、PC61BM、フラーレンインデン2付加体などが挙げられる。
光電変換層の形成方法としては、例えば、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法などが挙げられる。これらの中から、厚み制御や配向制御など、作製しようとする有機材料薄膜の特性に応じて適宜選択することができる。
例えば、スピンコート塗布を行なう場合には、P型有機半導体材料、及びn型有機半導体材料が5mg/mL〜30mg/mLの濃度であることが好ましく、この濃度にすることで均質な有機材料薄膜を容易に作製することができる。
作製した有機材料薄膜に対して、有機溶媒を除去するために、減圧下又は不活性雰囲気下(窒素、アルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行なってもよい。前記アニーリング処理の温度は、40℃〜300℃が好ましく、50℃〜200℃がより好ましい。 また、前記アニーリング処理を行なうことで、積層した層が界面で互いに浸透して接触する実行面積が増加し、短絡電流を増大させることができる。なお、前記アニーリング処理は、電極の形成後に行なってもよい。
前記有機材料薄膜の平均厚みは、50nm〜400nmが好ましく、60nm〜250nmがより好ましい。前記平均厚みが、50nm未満であると、有機材料薄膜による光吸収が少なくキャリア発生が不充分となることがあり、400nmを超えると、光吸収により発生したキャリアの輸送効率が一段と低下することがある。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、キシレン、o−クロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、クロロベンゼン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼンが好ましい。
またp型有機半導体材料とn型有機半導体材料の相分離構造制御のために、上記溶媒に0.1質量%〜10質量%の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、ジヨードアルカン(例えば、1,8−ジヨードオクタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,10−ジヨードデカンなどが挙げられる)、アルカンジチオール(例えば、1,8−オクタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオールなどが挙げられる)、1−クロロナフタレン、ポリジメチルシロキサン誘導体などが挙げられる。
<用途>
本発明の光電変換素子は、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。このような電源装置を利用している機器類として、例えば、電子卓上計算機や腕時計が挙げられる。この他、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等に本発明の光電変換素子を有する電源装置を適用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として本発明の光電変換素子を有する電源装置を用いることもできる。さらには、イメージセンサーとして応用も可能である。
[実施例1]
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g,エタノールアミン(aldrich社製)0.28g,メトキシエタノール(和光社製)10mlを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調整した。ITO基板上に酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分乾燥後、電子輸送層を形成した。
(塩基性カルボン酸誘導体の被覆)
4−ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)を5mMになるようTHFに溶解させ、吸着液を作成した。スピンコーター内で、上記電子輸送層上に吸着液を0.02mL滴下し、30秒放置後、2000rpmで30秒回転させ、4−ジメチルアミノ安息香酸を吸着させた。
(光電変換層の作製)
PTB7(aldrich社製)10mg、ICBA(frotier carbon社製)15mgを3vol%のジヨードオクタン(TCI社製)を含むクロロベンゼン1mlに溶解させ、光電変換溶液を作成した。上記記載の吸着剤が吸着された電子輸送層上に光電変換溶液を膜厚100nmになるようスピンコートを用いて塗布し、光電変換層を形成した。
(ホール輸送層、金属電極の作成)
光電変換層上に酸化モリブデン(高純度化学社製)を10nm、銀を100nm順次真空蒸着にて形成して太陽電池素子を作製した。
得た太陽電池の疑似太陽光照射下(AM1.5、100mW/cm)における開放電圧および白色LED照射下(0.01mW/cm)における開放電圧を測定した。擬似太陽光照射下での開放電圧をVs、白色LED照射下における開放電圧をVrとし、Vr/Vsを測定した。
擬似太陽光は英弘精機社製ソーラーシミュレーターSS−80XIL白色LEDはコスモテクノ社製デスクランプCDS−90α(スタディーモード)、評価機器はNF回路設計ブロック社製太陽電池評価システムAs−510−PV03にて測定した。結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1において、4−ジメチルアミノ安息香酸の代わりに4−(4−メチルピペラジニル)安息香酸(TCI社製)を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1において、4−ジメチルアミノ安息香酸の代わりに4−ピペリジニル−安息香酸(和光社製)を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
[実施例4]
実施例1において、4−ジメチルアミノ安息香酸の代わりにN,N−ジメチルグリシン(TCI社製)を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1において、4−ジメチルアミノ安息香酸の代わりに3−(ジエチルアミノ)プロピオン酸(TCI社製)を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例1の光電変換層の作製を下記のように変更した。
ポリチオール系p型有機半導体材料(aldrich社製 P3HT)10mg、ICBA(frotier carbon社製)10mgをクロロベンゼン1mlに溶解させ、光電変換溶液を作成した。実施例1に記載の吸着剤が吸着された電子輸送層上に光電変換溶液を膜厚100nmになるようスピンコートを用いて塗布し、150℃で10分乾燥させ、光電変換層を形成した。
その他は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例1の光電変換素子を下記のように変更した。
構造式Aに示す化合物 10mg、フラーレン系n型有機半導体材料(frotier carbon社製 ICBA)15mgを1vol%のジヨードオクタン(TCI社製)を含むクロロベンゼン1mlに溶解させ、光電変換溶液を作成した。実施例2記載の吸着剤が吸着された電子輸送層上に光電変換溶液を膜厚100nmになるようスピンコートを用いて塗布し、光電変換層を形成した。
その他は実施例1と同様にして作製、評価した。
Figure 0006641692
上記構造式Aに示す化合物は下記に示す合成方法によって合成した。
下記のスキームに従い、構造式Aを合成した。なお、前記スキーム中の化合物7は、Angewandte Chemie,International Edition(2011),50,(41),9697−9702に従い、合成した。
Figure 0006641692
<化合物2の合成>
前記化合物1(10.0g、33.3mmol)、2−エチルヘキシルブロミド(19.3g、99.9mmol)、及びKCO(18.4g、133mmol)を乾燥DMF(300mL)中で混合し、120℃で24時間攪拌した。室温まで冷却した後、沈殿物を形成するために反応混合物を大量の氷水に注いだ。得られた沈殿物を濾過により回収し、水及びメタノールで洗浄した。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/ヘキサン=1:1、v/v)で精製し、CHCl/メタノールで再結晶化し、真空下で乾燥し、赤茶色の固体である化合物2を得た(収率=8.89g、51%)。
得られた化合物2について、H NMR、及び13C NMRの結果を以下に示した。
なお、H NMR、及び13C NMRは、 Bruker社製AVANCE III 500により行なった。以下同様にして分析した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.89(dd,J=4.0Hz,1.5Hz,2H),7.63(dd,J=5.0Hz,1.5Hz,2H),7.27(dd,J=5.0Hz,4.0Hz,2H),4.07−3.98(m,4H),1.89−1.84(m,2H),1.40−1.20(m,16H),0.89−0.84(m,12H).
13C NMR(125MHz,CDCl3):δ 161.78,140.45,135.25,130.49,129.87,128.42,107.98,45.89,39.11,30.24,28.39,23.58,23.06,14.01,10.50.
<化合物3の合成>
乾燥CHCl(300mL)中で、前記化合物2(5.00g、9.52mmol)を攪拌した溶液に、0℃でN−ブロモスクシンイミド(NBS、1.69g、9.52mmol)をゆっくりと添加した。
得られた混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。得られた反応混合物に水を注ぎ、次いで、CHClで抽出した。得られた有機相を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥した。濾過及び蒸発後、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/ヘキサン=4:1、v/v)で精製し、CHCl/メタノールで再結晶化し、真空下で乾燥することにより、赤茶色の固体である化合物3を得た(収率=2.59g、45%)。
得られた化合物3について、H NMR、及び13C NMRの結果を以下に示した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.90(dd,J=4.0Hz,1.5Hz,1H),8.63(d,J=4.0Hz,1H),7.64(dd,J=5.0Hz,1.0Hz,1H),7.28−7.26(m,2H),7.22(d,J=4.5Hz,1H),4.03−3.99(m,2H),3.98−3.92(m,2H),1.88−1.80(m,2H),1.38−1.23(m,16H),0.90−0.84(m,12H).
13C NMR(125MHz,CDCl):δ 161.69,161.52,140.92,138.98,135.53,135.09,131.40,131.29,130.82,129.78,128.51,118.62,108.20,107.84,45.98,45.95,39.15,39.09,30.22,28.36,23.60,23.57,23.05,23.04,14.01,10.49.
<化合物4の合成>
乾燥THF(200mL)中で、1−ブロモ−4−ヘキシルベンゼン(5.00g、20.7mmol)を攪拌した溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.62M、15.4mL、24.9mmol)を滴下して加えた。得られた混合物をその温度で1時間反応させた。次いで、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(4.63g、24.9mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。
得られた反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。得られた有機相を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥した。濾過及び蒸発後、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、真空下で乾燥させて、無色の油である化合物4を得た(収率=4.09g、68%)
得られた化合物4について、H NMR、及び13C NMRの結果を以下に示した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ 7.73(d,J=8.0Hz,2H),7.18(d,J=8.0Hz,2H),2.60(t,J=8.0Hz,2H),1.63−1.57(m,2H),1.33(s,12H),1.30−1.27(m,6H),0.87(t,J=7.0Hz,3H).
13C NMR(125MHz,CDCl):δ 146.39,134.91,127.93,83.58,36.26,31.79,31.37,29.03,24.91,22.66,14.14.
<化合物5の合成>
乾燥THF(40mL)中で、前記化合物3(2.50g、4.14mmol)、及び前記化合物4(1.70g、4.55mmol)を混合した混合液に、Pd(PPh(0.24g、0.21mmol)、及びKCO水溶液(2.0M、20mL;使用前に窒素でバブリングした)を添加した。
得られた混合物を60℃で24時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を水に注ぎ、次いで、CHClで抽出した。得られた有機相を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥した。濾過及び蒸発後、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl)により精製し、CHCl/メタノールで再結晶化し、真空下で乾燥させて、固体暗紫色の化合物5を得た(収率=2.75g、96%)
得られた化合物5について、H NMR、及び13C NMRの結果を以下に示した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.98(d,J=4.0Hz,1H),8.87(dd,J=4.0Hz,1.0Hz,1H),7.61(dd,J=5.0Hz,1.0Hz,1H),7.59(d,J=8.5Hz,2H),7.43(d,J=4.0Hz,1H),7.28−7.26(m,1H),7.24(d,J=8.0Hz,2H),4.10−4.00(m,4H),2.64(t,J=7.5Hz,2H),1.97−1.92(m,1H),1.90−1.85(m,1H),1.67−1.60(m,2H),1.42−1.23(m,22H),0.92−0.84(m,15H).
13C NMR(125MHz,CDCl):δ161.91,161.68,150.31,144.22,140.63,139.74,137.10,135.00,130.62,130.28,129.97,129.23,128.40,128.23,126.10,124.04,108.21,107.83,45.98,45.93,39.24,39.12,35.76,31.71,31.29,30.28,30.26,28.95,28.59,28.40,23.71,23.60,23.12,23.07,22.61,14.09,14.06,14.02,10.58,10.53.
<化合物6の合成>
乾燥CHCl(50mL)中で、前記化合物5(2.50g、3.65mmol)を撹拌した溶液に、0℃で、N−ブロモスクシンイミド(NBS、0.71g、4.01mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。得られた反応混合物を水に注ぎ、次いで、CHClで抽出した。
得られた有機相を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥した。濾過及び蒸発後、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl)により精製し、CHCl/メタノールで再結晶化し、真空下で乾燥させて、暗褐色の固体である化合物6を得た(収率=2.70g、97%)。
得られた化合物6について、H NMR、及び13C NMRの結果を以下に示した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ 8.99(d,J=4.0Hz,1H),8.61(d,J=4.0Hz,1H),7.58(d,J=8.5Hz,2H),7.43(d,J=4.5Hz,1H),7.24(d,J=8.5Hz,2H),7.21(d,J=4.0Hz,1H),4.10−4.01(m,2H),4.00−3.90(m,2H),2.64(t,J=8.0Hz,2H),1.96−1.90(m,1H),1.87−1.82(m,1H),1.66−1.60(m,2H),1.41−1.23(m,22H),0.92−0.89(m,15H).
13C NMR(125MHz,CDCl):δ 161.80,161.39,150.65,144.31,141.04,138.19,137.41,134.81,131.42,131.36,130.55,129.24,128.13,126.10,124.09,118.28,108.43,107.67,46.02,39.23,39.15,35.77,31.71,31.28,30.36,30.24,28.95,28.57,28.37,23.70,23.62,23.11,23.05,22.97,22.61,14.08,14.06,14.02,10.57,10.52.
<2DPP−TBDTの合成>
乾燥DMF(20mL)中で、前記化合物6(0.80g、0.88mmol)、及び化合物7(1.42g、1.86mmol)を混合した混合液に、Pd(PPh(0.05g、00.04mmol)を添加した。
得られた混合物を85℃で24時間撹拌した。
室温に冷却した後、得られた反応混合物を水に注ぎ、次いで、CHClで抽出した。 得られた有機相を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥した。濾過及び蒸発後、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl)で精製し、CHCl/メタノールで再結晶化し、真空下で乾燥させて、暗紫色の固体である2DPP−TBDTを得た。得られた化合物は、使用前に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で更に精製した(収率=1.39g、81%)。
得られた2DPP−TBDTについて、H NMR、及び13C NMRの結果を以下に示した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ 9.02(d,J=4.0Hz,2H),9.00(d,J=4.0Hz,2H),7.62(s,2H),7.48(d,J=7.5Hz,4H),7.39(d,J=3.5Hz,2H),7.34(d,J=4.0Hz,2H),7.25(d,J=4.0Hz,2H),7.12(d,J=7.5Hz,4H),6.99(d,J=3.5Hz,2H),4.00−3.94(m,8H),2.96(d,J=6.5Hz,4H),2.54−2.50(m,4H),1.91−1.85(m,4H),1.82−1.77(m,2H),1.57−1.28(m,64H),1.03(t,J=7.5Hz,6H),0.97(t,J=6.8Hz,6H),0.95−0.87(m,30H).
13C NMR(125MHz,CDCl):δ 161.41,161.36,149.97,146.26,144.03,141.79,139.77,138.96,138.52,137.36,136.75,136.65,136.52,130.42,129.07,128.99,128.18,128.08,125.74,125.54,123.74,120.56,120.29,108.41,107.89,45.88,41.43,39.45,39.34,35.72,34.50,32.67,31.69,31.15,30.40,29.03,29.01,28.61,25.78,23.66,23.20,23.16,23.13,22.62,14.24,14.14,14.09,10.93,10.68,10.58.
118150の分析した計算値:C,72.87;H,7.77;N,2.88;O,3.29;S,13.19。
実測値:C,72.75;H,7.70;N,2.80。
結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例1において、電子輸送層の膜厚を10nmにした以外は実施例1と同様に作製評価した。
結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例1において、電子輸送層の膜厚を60nmにした以外は実施例1と同様に作製評価した。
結果を表2に示す。
[実施例10]
実施例1において、電子輸送層を酸化チタンに変更した。作製方法を下記に示す。
金属チタンからなるターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタにより、ITOガラス基板上にチタン金属酸化物からなる電子輸送層を形成した。スパッタリング製膜には、UNAXIS社製スパッタリング装置(DVD−Sprinter)を用いた。電子輸送層の膜厚は10nmとした。
その他は実施例1と同様にして作製・評価した。
結果を表2に示す。
[実施例11]
実施例9において酸化チタンの膜厚を60nmに変更した以外は実施例9と同様に作製評価した。
結果を表2に示す。
[実施例12]
実施例9において、電子輸送層を酸化チタンから酸化スズに変更した以外は実施例9と同様にして、作製評価した。
結果を表2に示す。
[実施例13]
実施例10において酸化チタンを酸化スズに変更した以外は実施例10と同様に作製評価した。
結果を表2に示す。
[実施例14]
実施例1において、酸化亜鉛からなる電子輸送層の膜厚を3nmにした以外は実施例1と同様にして作製・評価した。
結果を表2に示す。
[実施例15]
実施例1において、酸化亜鉛からなる電子輸送層の膜厚を65nmにした以外は実施例1と同様にして作製・評価した。
結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1において4−ジメチルアミノ安息香酸を吸着させなかった以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1において4−ジメチルアミノ安息香酸の代わりに下記構造のカルボン酸誘導体を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
Figure 0006641692
(ACS Appl,Mater.Interfaces 2010,2,1892を参照して合成した。)
結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1において4−ジメチルアミノ安息香酸の代わりに下記構造のカルボン酸誘導体を用いた以外は実施例1と同様にして作製、評価した。
Figure 0006641692
結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例1において4−ジメチルアミノ安息香酸の代わりにポリエチレンイミン80%エトキシ化溶液(37w%H2O、aldrich社製)をメトキシエタノールで0.4w%になるよう希釈し、その溶液を5000rpmで1分スピンコートした以外は実施例1と同様にして作成評価した。
[比較例5]
実施例6において、4−ジメチルアミノ安息香酸を吸着させなかった以外は実施例6と同様にして作製、評価した。
結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例7において、4−ジメチルアミノ安息香酸を吸着させなかった以外は実施例7と同様にして作製、評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0006641692
このように本発明に基づいて作製した太陽電池は比較太陽電池と比較して、微弱光において開放電圧の低下が少なく、優れていることがいえる。
[実施例16]
実施例1で作成した光電変換素子で発電した電力を充電する二次電池(半導体電池)の作製条件を、以下に記述する。
ガラス基板上に、ITOをスパッタにより厚さ200nm形成した。その上に、トルエン(1.28mL)に2−エチルヘキサン酸スズ(0.24g)とシリコンオイル(TSF433、1.2g)を溶解した溶液をスピンコートにより塗布し、自然乾燥後、500℃で1時間焼成した。得られた膜に、波長254nmの紫外線を40mW/cmの強度で5時間照射した。
次に、酸化ニッケルを150nm、ITOを200nmスパッタにより形成して半導体電池を作製した。最後に、実施例1で作製した光電変換素子を3セル直列接続した後、光電変換素子の第二電極と、上記で得た半導体電池の第一電極をワニ口クリップで接続し、光電変換素子の第一電極と半導体電池の第二電極をワニ口クリップで接続した。
このように作成した光電変換素子・半導体電池複合素子の性能を、以下のようにして評価した。
開回路とした条件で、擬似太陽光を光電変換素子の第一電極側から照射した。この照射の間、電極の光起電力を測った結果、光照射により光電極(第一電極)が対極に対して負の起電力を生じていることが確認された。即ち、この光照射によって、光電極を構成する電極活物質が還元され、電池が充電された。光照射を継続し光電極の電圧が飽和したのを確認して、光照射を止め充電を終了した。
充電の終了した電池を暗中に置き、外部回路を閉じてポテンショスタットにより出力電圧を測定したところ、1.7Vであった。また、光電極を負極、対極を正極として10μA/cmの定電流密度で放電を行なったところ、放電容量は0.533μAh/cmであった。
[比較例7]
実施例14において使用した光電変換素子を、比較例1で作成した光電変換素子(3セル直列)に変更した以外は実施例14と同様に作成評価を行なった。その結果、実施例14と同様にして二次電池(半導体電池)に充電を行なったが、充電することができなかった。これは、半導体電池の出力電圧が1.7Vのため、比較例1の光電変換素子を3セル直列にした際の電圧では電圧が足りず、充電できないことを示している。
以上の結果から、本発明の光電変換素子は、微弱光下でも高い電圧を保つため、少ないセル数で2次電池への充電を行なうことができるため、従来のものと比較してセル数を少なくできるため、製造が容易である。
特許第2664194号公報
パナソニック電工技報,56(2008)87 Nature,353(1991)737 J.Am.Chem.Soc.,115(1993)6382 Semicond.Sci.Technol.,10(1995)1689 東芝レビュー Vol.69 No.6 2014 ACS Appl.Mater.Interfaces 2014,6,803−810 ACS Appl.Mater.Interfaces 2010,2,1892−1902 Adv.Mater.2013,25,2397−2402 Yongsheng Chen,Xiangjian Wan and Guannkui Long, Accounts of chemical research,3b2,ver.9, Mac;ar−2013−00088c, www pubs.aca.org/accounts(Nov,2013)

Claims (7)

  1. 導電膜上に、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層、電極が順次積層されてなる光電変換素子であって、前記電子輸送層は、金属酸化物を含む第一の層と、前記第一の層と前記光電変換層との間に設けられた第二の層とを有し、前記第二の層は、少なくとも1つのカルボン酸基を有する塩基性化合物を含むことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記カルボン酸基を有する塩基性化合物が、前記カルボン酸基を有する第3級アミン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記カルボン酸基を有する塩基性化合物が、下記一般式(1)で表わされるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
    Figure 0006641692
    (上式(1)中、nは1〜4の整数、mは1〜6整数でn≧mであり、R1、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表わし、Xは炭素数4〜10の2価の芳香族基または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。R1とR2は結合して環を形成してもよい。)
  4. 前記金属酸化物が、少なくとも1つの酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズから選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記金属酸化物からなる電子輸送層の膜厚が10nm〜60nmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 太陽電池として用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の光電変換素子が2次電池と接続されてなることを特徴とする太陽電池モジュール。
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