JP6690276B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。ここでいう光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子又は電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を意味し、具体的には太陽電池、フォトダイオード等が挙げられる。
近年、電子回路における駆動電力が非常に小さくなり、来たるIoT社会に向けて微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動できるようになった。更にセンサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として環境発電素子への応用が期待されており、その中でも光電変換素子は、光があればどこでも発電できる素子として注目を集めている。特に微弱な光でも効率よく発電できる光電変換素子が必要とされている。微弱光の代表としてはLEDライトや蛍光灯などが挙げられる。それらは主に室内で用いられるので特に室内光と呼ぶ。それらの光の照度は20Luxから1000Lux程度であり、太陽の直射光(およそ100000Lux)と比べて非常に微弱な光である。環境発電素子においては、特に蛍光灯やLEDランプなどの室内光で効率よく発電できる素子が求められている。
光電変換素子としてはシリコン系太陽電池が最も普及しており、太陽光下での変換効率の高いものが多く報告されている(例えば非特許文献1)。しかし、シリコン系太陽電池は太陽光下での変換効率は優れるが、微弱光下での変換効率は低いことが一般的に知られている(例えば非特許文献2)。一方で、スイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表した色素増感型太陽電池は、微弱光下において、シリコン太陽電池以上の高い光電変換特性を有することが報告されている(例えば非特許文献3)。また、Heegerらが開発したP型有機半導体とフラーレンに代表されるN型有機半導体を混合したバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池も微弱光下において比較的高い発電能を有することが知られている(非特許文献4)。しかしバルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池は、高温に置かれた際、変換効率が著しく低下することが知られている(非特許文献5)。そこで耐熱性を向上させるための手段が幾つか報告されている(非特許文献6)が、これらの手段ではいまだ不十分である。特に室内光での特性は太陽光下での特性と比べて熱に敏感であり、より一層の耐熱性向上が望まれている。
本発明は、耐熱性の高い光電変換素子の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 導電膜上に、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層、電極が順次積層された光電変換素子であって、前記電子輸送層が、金属酸化物を含有する第一の層、及び該第一の層と前記光電変換層との間に設けられた第二の層を有し、該第二の層は、少なくとも1つのカルボン酸基を有する第一の化合物と、少なくとも1つのピリジル基を有する第3級アミン誘導体である第二の化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
本発明によれば、耐熱性の高い光電変換素子を提供できる。
本発明の光電変換素子の層構成の一例を示す図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜4)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記第一の化合物が、下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする1)に記載の光電変換素子。
一般式(1)
(上記式中、R1、R2は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又はベンジル基を表し、Xは、炭素数4〜6の2価の芳香族基、又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。また、R1とR2は、結合してヘテロ環を形成してもよい。)
3) 前記第一の化合物と前記第二の化合物の混合比が50:50〜99:1(重量比)であることを特徴とする1)又は2)に記載の光電変換素子。
4) 前記金属酸化物が、酸化亜鉛又は酸化チタンであることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の光電変換素子。
本発明の光電変換素子の層構成の一例を図1に示すが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
図1では、基板1の上に導電膜2、第一の層3と第二の層4からなる電子輸送層、光電変換層5、ホール輸送層6、電極7がこの順に設けられている。
以下、各層について説明する。
<電子輸送層>
電子輸送層は第一の層と第二の層からなる。
電子輸送層の平均厚みは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、10〜60nmがより好ましい。
≪第一の層≫
電子輸送層を形成する第一の層は、後述する第二の層に含まれる塩基性カルボン酸誘導体を吸着させるため金属酸化物を含有する必要がある。金属酸化物の例としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズなどが挙げられる。
前記金属酸化物以外の材料は公知のものの中から適宜選択可能であるが、例えば、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、フラーレン化合物、カーボンナノチューブ(CNT)、シアノ置換したポリフェニレンビニレン(CN−PPV)等の電子受容性有機材料、フッ化リチウム、カルシウム金属等の無機材料が挙げられる。
第一の層は上記材料を用いてゾルゲル法やスパッタリング法で作製することができる。
≪第二の層≫
電子輸送層を形成する第二の層は、少なくとも1つのカルボン酸基を有する第一の化合物と、少なくとも1つのピリジル基を有する第3級アミン誘導体である第二の化合物を含有する必要がある。

〔カルボン酸基を有する第一の化合物〕
第二の層に含まれるカルボン酸基を有する第一の化合物は第一の層に吸着される。前記第一の化合物の中でもカルボン酸基を有する第3級アミン誘導体が好ましく、前記一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
前記一般式(1)中のR1、R2に係る炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられるが、その中でもメチル基、エチル基が好ましい。
Xは炭素数4〜6の芳香族基、又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す、その例としては、フェニレン基、チエニレン基、メチレン基、エチレン基が挙げられ、好ましくはフェニレン基、チエニレン基である。
本発明者等が鋭意検討した結果、理由は定かではないが、カルボン酸基を有する第一の化合物とピリジル基を有する第3級アミン誘導体である第二の化合物とを第一の層に吸着させることにより、微弱光下でも耐熱性の高い太陽電池を得ることができた。
カルボン酸基に代表される酸性基は金属酸化物上に好適に吸着されることが色素増感太陽電池等で知られている。また、ピリジル基も金属酸化物上のカルボン酸基とは異なるサイトに吸着されることが知られている。本発明では、その吸着性を巧みに利用することにより、カルボン酸基を有する第一の化合物とピリジル基を有する第3級アミン誘導体である第二の化合物とを第一の層に吸着させている。カルボン酸基やピリジル基を持たない低分子材料では光電変換層を塗布する際に溶解してしまうため第一の層上に残らず、効果を発揮できない。なお、第3級アミンを有するポリマー材料を第一の層上に塗布しても光電変換層と第一の層の間に塩基性の層を設けることができるが、第3級アミンを有するポリマー材料は絶縁性のため、膜厚が厚くなると電子輸送性を阻害する。また、単なる塗布では第一の層と塩基性の層との密着性が悪いためか、耐熱性の高い光電変換素子は得られない。これに対し、カルボン酸基を有する第一の化合物とピリジル基を有する第3級アミン誘導体である第二の化合物は、第一の層に単分子層として吸着できるため、電子輸送性を阻害せず、カルボン酸基やピリジル基で密に接しているためか、耐熱性を高くできる効果が大きい。
ここで、前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
〔ピリジル基を有する第3級アミン誘導体である第二の化合物〕
上記第二の化合物は、前記第一の層に吸着される。好ましい例としては、ジメチルアミノピリジン、4−(ピロリジノ)ピリジン、1−(4−ピリジル)ピペラジン、4−(4−ピリジル)モルホリン、9−アザジュロリジン、1−(4−ピリジル)−4−ピペラジノン、N,N−ジイソプロピルアミノピリジン、N,N−ジベンジルアミノピリジン等が挙げられる。特に好ましいのは、ジメチルアミノピリジンである
<基板>
基板は特に制限されず公知のものを用いることができるが、透明な材質のものが好ましく、例えばガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。
<導電膜、電極>
導電膜と電極の少なくとも一方は可視光に対して透明なものを使用する必要があるが、他方は透明でも不透明でも構わない。
可視光に対して透明な材料には特に制限はなく、通常の光電変換素子や液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。その例としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物が挙げられる。
前記可視光に対して透明な導電膜又は電極の平均厚みは、5nm〜10μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましい。
前記可視光に対して透明な導電膜は、一定の硬性を維持するため可視光に対して透明な材質からなる基板上に設けることが好ましく、電極と基板が一体となっているものを用いることもできる。その例としては、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜などが挙げられる。
前記可視光に対して透明な導電膜は、メッシュ状、ストライプ状などの光が透過できる構造にした金属膜をガラス基板等の上に設けたものや、カーボンナノチューブ、グラフェン等を透明性を有する程度に積層したものでもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合したり積層したりしてもよい。
更に、基板抵抗を下げる目的で、金属リード線等を用いてもよい。金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。前記金属リード線を設ける方法としては、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
電子集電電極及び正孔集電電極のいずれか一方に不透明な電極を用いる場合の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、Al等の金属やグラファイトが挙げられる。不透明な電極の厚みには特に制限はなく、また、1種を単独用いても、2種以上を積層構成で用いてもよい。
<ホール輸送層>
正孔の収集効率を向上させるためホール輸送層を設けてもよい。具体的にはPEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸)のような導電性高分子、芳香族アミン誘導体のようなホール輸送性有機化合物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル等の正孔輸送性を有する無機化合物を、スピンコート、ゾルゲル法、スパッタリングなどで形成する。本発明では酸化モリブデンが好ましい。
ホール輸送層の平均厚みは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、できるだけ薄く全面を覆うことが好ましく、1〜50nmがより好ましい。
<光電変換層>
光電変換層は電子輸送層とホール輸送層との間に形成する。P型有機半導体とN型有機半導体を混合したバルクへテロ接合型の光電変換層が好ましく、光電変換層内でナノサイズのPN接合が形成され、接合面で生じる光電荷分離を利用して電流を得る。P型有機半導体は電子供与性の材料で構成され、N型半導体は電子受容性の材料で構成される。
P型有機半導体の例としては、ポリチオフェン及びその誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体等、共役高分子や低分子化合物が挙げられ、これらを併用してもよい。
好ましいP型有機半導体は、π共役を有する導電性高分子であるポリチオフェン及びその誘導体である。ポリチオフェン及びその誘導体は、優れた立体規則性を確保することができ、溶媒への溶解性が比較的高い。ポリチオフェン及びその誘導体としては、チオフェン骨格を有する化合物であれば特に限定されない。具体例としては、ポリ−3−ヘキシルチオフェンに代表されるポリアルキルチオフェン、ポリ−3−ヘキシルイソチオナフテン、ポリ−3−オクチルイソチオナフテン、ポリ−3−デシルイソチオナフテン等のポリアルキルイソチオナフテン;ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。
また、近年では、ベンゾジチオフェン、カルバゾール、ベンゾチアジアゾール及びチオフェンからなる共重合体であるPTB7(ポリ({4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b′]ジチオフェン−2,6−ジイル}{3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェネジル}))や、PCDTBT(ポリ[N−9″−ヘプタデカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4′,7′−ジ−2−チエニル−2′,1′,3′−ベンゾチアジアゾール)])などの誘導体が、優れた光電変換効率を得られる化合物として知られている。
更に共役高分子だけでなく、電子供与性ユニットと電子吸引性ユニットとを結合させた低分子化合物でも優れた光電変換効率を得られる化合物が知られており、本発明にも用いることができる。(非特許文献6参照)
N型有機半導体材料の例としては、フラーレン、フラーレン誘導体などが挙げられる。これらの中でも、電荷分離、電荷輸送の点からフラーレン誘導体が好ましい。
前記フラーレン誘導体としては、適宜合成したものを使用しても市販品を使用してもよい。市販品の例としては、フロンティアカーボン社製のPC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル)、PC61BM、フラーレンインデン2付加体などが挙げられる。
光電変換層の形成方法としては、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法などが挙げられる。これらの中から、厚み制御や配向制御など、作製しようとする有機材料薄膜の特性に応じて適宜選択することができる。
例えば、スピンコート塗布を行う場合には、P型有機半導体材料及びN型有機半導体材料の濃度が5〜40mg/mLであることが好ましく、この濃度にすることにより均質な有機材料薄膜を容易に作製することができる。
作製した有機材料薄膜から有機溶媒を除去するため、減圧下又は不活性雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行ってもよい。アニーリング処理の温度は、40℃〜300℃が好ましく、50℃〜200℃がより好ましい。また、アニーリング処理を行うことにより、積層した層が界面で互いに浸透して接触する実効面積が増加し、短絡電流を増大させることができる。なお、アニーリング処理は、電極の形成後に行ってもよい。
有機溶媒としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、キシレン、o−クロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、クロロベンゼン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼンが好ましい。
また、P型有機半導体材料とN型有機半導体材料の相分離構造制御のために、上記溶媒に0.1〜10重量%の添加剤を加えてもよい。添加剤の例としては、ジヨードアルカン(1,8−ジヨードオクタン、1,6−ジヨードヘキサン、1,10−ジヨードデカンなど)、アルカンジチオール(1,8−オクタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオールなど)、1−クロロナフタレン、ポリジメチルシロキサン誘導体などが挙げられる。
前記有機材料薄膜の平均厚みは、50〜400nmが好ましく、60〜250nmがより好ましい。前記平均厚みが50nm以上であれば、有機材料薄膜による光吸収が少なくてキャリア発生が不充分となることはなく、400nm以下であれば、光吸収により発生したキャリアの輸送効率が一段と低下するようなことはない。
<用途>
本発明の光電変換素子は、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。このような電源装置を利用している機器類の例としては、電子卓上計算機や腕時計が挙げられる。この他に、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等にも本発明の光電変換素子を有する電源装置を適用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として本発明の光電変換素子を有する電源装置を用いることもできる。更にイメージセンサーとして応用も可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g、エタノールアミン(aldrich社製)0.28g、メトキシエタノール(和光社製)10mLを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。この酸化亜鉛前駆体溶液を、ITO基板上に膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分間乾燥させて、第一の層を形成した。
4−メチル安息香酸(TCI社製)及び4−ジメチルアミノピリジンを、各々の濃度が1mg/mLになるようにエタノールに溶解させ、第二の層用の混合吸着液を調製した。この混合吸着液を、スピンコーター内で前記第一の層上に0.02mL滴下し、30秒間放置した後、5000rpmで30秒間回転させ、第一の層と第二の層からなる電子輸送層を作製した。
第一の層上の吸着物を、下記の方法で測定した。
電子輸送層を設けたITO基板を、100mLのTHFに10分間浸漬した。THFを1mLまで濃縮し、濃縮液を高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製LC−2010)により分析した。結果を表1に示す。
(光電変換層の作製)
下記構造式Aの化合物3mgと、PC61BM(Aldrich社製)3mgを1vol%の1−クロロナフタレン(TCI社製)を含むクロロホルム0.4mLに溶解させ、光電変換層用溶液を調製した。次いで、この光電変換層用溶液を、前記電子輸送層上に、膜厚100nmとなるようにスピンコート法で塗布し、光電変換層を作製した。
構造式A
(ホール輸送層、電極の作製)
光電変換層上にホール輸送層として酸化モリブデン(高純度化学社製)を厚さ10nm、電極として銀を厚さ100nm、順に真空蒸着法で形成し、光電変換素子(太陽電池)を作製した。
得られた太陽電池の白色LED照射下(0.01mW/cm)における最大出力を測定した。その後、70℃の恒温槽に入れて100時間保持した後、取り出し、2時間室温で放置した後、耐熱試験後の最大出力を測定した。
表1に、次の式により算出した耐熱試験後の最大出力保持率を示す。

最大出力保持率=保持後の最大出力/保持前の最大出力

なお、白色LEDはコスモテクノ社製デスクランプCDS−90α(スタディーモード)を使用し、出力はNF回路設計ブロック社製の太陽電池評価システムAs−510−PV03を用いて測定した。
実施例2
実施例1の電子輸送層の作製における4−メチル安息香酸に代えて、4−ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1の電子輸送層の作製における4−メチル安息香酸に代えて、4−ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)を用い、その濃度を0.33mg/mLにし、かつ4−ジメチルアミノピリジンの濃度を0.66mg/mLに変えた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1の電子輸送層の作製における4−メチル安息香酸に代えて、4−ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)を用い、その濃度を0.99mg/mLにし、かつ4−ジメチルアミノピリジンの濃度を0.01mg/mLに変えた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1の電子輸送層の作製における4−ジメチルアミノピリジンに代えて、4−(ピロリジノ)ピリジン(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1の電子輸送層の作製における4−ジメチルアミノピリジンに代えて、1−(4−ピリジル)ピペラジン(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例7
実施例1の電子輸送層の作製における4−ジメチルアミノピリジンに代えて、4−(4−ピリジル)モルホリン(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例8
実施例1の電子輸送層の作製における4−ジメチルアミノピリジンに代えて、9−アザジュロリジン(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例9
実施例1の電子輸送層の作製における4−メチル安息香酸に代えて、4−ジエチルアミノ安息香酸(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして、太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例10
実施例1の電子輸送層の作製における4−メチル安息香酸に代えて、4−(4−メチルピペラジニルジル)−安息香酸(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例11
実施例1の電子輸送層の作製における4−メチル安息香酸に代えて、4−ジベンジルアミノ安息香酸(TCI社製)を用いた点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
実施例12
実施例2における光電変換層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例2と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
(光電変換層の作製)
PTB7(aldrich社製)10mgとICBA(N型有機半導体材料:frotier carbon社製)15mgを、3vol%のジヨードオクタン(TCI社製)を含むクロロベンゼン1mLに溶解させ、光電変換層用溶液を調製した。この光電変換層用溶液を用いて、実施例1と同様にして電子輸送層上に光電変換層を形成した。
実施例13
実施例2の電子輸送層の作製における第一の層の材料を酸化チタンに変え、下記のようにして第一の層を形成した点以外は、実施例2と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
(電子輸送層の第一の層の形成)
金属チタンからなるターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタにより、ITOガラス基板上にチタン金属酸化物からなる第一の層を形成した。スパッタリング製膜にはUNAXIS社製スパッタリング装置(DVD−Sprinter)を用いた。第一の層の膜厚は10nmとした。
比較例1
実施例1において第二の層を形成しなかった点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、第二の層に4−ジメチルアミノピリジンを用いなかった点以外は、実施例2と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例2において、第二の層に4−ジメチルアミノ安息香酸を用いなかった点以外は、実施例2と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例4
実施例12において第二の層を形成しなかった点以外は、実施例12と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例5
実施例12において、第二の層に4−ジメチルアミノ安息香酸を用いなかった点以外は、実施例12と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例6
実施例12において、第二の層に4−ジメチルアミノピリジンを用いなかった点以外は、実施例12と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例7
実施例2の4−ジメチルアミノピリジンに代えて、4−t−ブチルピリジン(TCI社製)を用いた点以外は、実施例2と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例8
実施例13において第二の層を形成しなかった点以外は、実施例13と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例9
実施例13において、第二の層に4−ジメチルアミノ安息香酸を用いなかった点以外は、実施例13と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例10
実施例13において、第二の層に4−ジメチルアミノピリジンを用いなかった点以外は、実施例13と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
比較例11
実施例1の電子輸送層の作製における第一の層を下記のようにして形成した点以外は、実施例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1に示す。
(電子輸送層の第一の層の形成)
ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液、37wt% in HO(ポリマーの分子量110000、aldrich社製)を、2−メトキシエタノール(和光社製)で0.1重量%に希釈した。その溶液を、ITO基板上に膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、第一の層を形成した。
表1から、実施例の太陽電池は比較例と比べて耐熱試験後も最大出力の保持率が高く、高耐久な太陽電池であることが分かる。
1 基板
2 導電膜
3 第一の層
4 第二の層
5 光電変換層
6 ホール輸送層
7 電極
パナソニック電工技報,56(2008)87 Nature,353(1991)737 J.Am.Chem.Soc.,115(1993)6382 Semicond.Sci.Technol.,10(1995)1689 東芝レビュー vol69 No6 2014 ACS Appl.Mater.Interfaces 2014,6,803−810

Claims (7)

  1. 導電膜上に、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層、及び電極が順次積層された光電変換素子であって、
    前記電子輸送層が、金属酸化物を含有する第一の層、及び、該第一の層と前記光電変換層との間に設けられた第二の層を有し、
    該第二の層は、下記一般式(1)で表される第一の化合物と、少なくとも1つのピリジル基を有する第3級アミン誘導体である第二の化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
    一般式(1)
    (上記式中、R1、R2は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又はベンジル基を表し、Xは、炭素数4〜6の2価の芳香族基、又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。また、R1とR2は、結合してヘテロ環を形成してもよい。)
  2. 前記第一の化合物が、下記構造式で表される化合物から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第一の化合物と前記第二の化合物の混合比が50:50〜99:1(重量比)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記金属酸化物が、酸化亜鉛又は酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記第二の化合物が、ジメチルアミノピリジン、4−(ピロリジノ)ピリジン、1−(4−ピリジル)ピペラジン、4−(4−ピリジル)モルホリン、9−アザジュロリジン、1−(4−ピリジル)−4−ピペラジノン、N,N−ジイソプロピルアミノピリジン、及びN,N−ジベンジルアミノピリジンから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子を含むことを特徴とする太陽電池。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子を含むことを特徴とする電源装置
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