JP2003100361A - 半導体電極の作製方法、並びにそれを用いた光電変換素子 - Google Patents

半導体電極の作製方法、並びにそれを用いた光電変換素子

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JP2003100361A
JP2003100361A JP2001294288A JP2001294288A JP2003100361A JP 2003100361 A JP2003100361 A JP 2003100361A JP 2001294288 A JP2001294288 A JP 2001294288A JP 2001294288 A JP2001294288 A JP 2001294288A JP 2003100361 A JP2003100361 A JP 2003100361A
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photoelectric conversion
semiconductor
conversion element
dye
resin
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JP2001294288A
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Tamotsu Horiuchi
保 堀内
Taketoshi Miura
偉俊 三浦
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】色素の吸着効率を上げることにより、優れた光
電変換特性を有する光電変換素子を提供すること。 【解決手段】表面に導電性を有する基板と、その導電性
表面上に被覆された半導体層と、その半導体層の表面に
吸着した色素からなる半導体電極において、カルボジイ
ミド誘導体、ヘテロ環化合物、酸クロリドとアミド化合
物の組合せ等から選ばれた少なくとも一種以上の縮合剤
の存在下、色素を半導体層に吸着させた半導体電極を用
いて光電変換素子を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縮合剤の存在下、
色素を半導体層へ吸着して作製された半導体電極を用い
た光電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化石燃料の燃焼で生じた多量のCO2
よる地球温暖化、人口増加に伴うエネルギー需要の増大
は、人類の存亡に関わる大問題となっている。太陽光
は、太古より地球環境を育み、人類を含む全ての生物の
エネルギー源となってきた。最近、無限かつ有害物質の
発生しないクリーンなエネルギー源である太陽光の利用
が精力的に検討されている。実用化されているものには
住宅用及び遠隔地用、あるいは携帯用電子機器の電源と
なる単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電
池、アモルファスシリコン太陽電池およびテルル化カド
ミウムやセレン化インジウム銅等の化合物太陽電池が挙
げられる。
【0003】しかし、この太陽電池に用いられているシ
リコンは、非常に高純度なものが必要であり、精製工程
に多大なエネルギーと複雑な工程を要するために高い製
造コストがかかる。その結果、既存の商用電力に比べて
太陽光発電システムは発電コストが高く、広く普及する
ためには問題があった。また、ユーザーにとってもエネ
ルギーペイバックタイムが長い等の問題点もある。
【0004】一方、低価格化を目指し、大面積化も容易
な有機材料を感光材料として用いた太陽電池もこれまで
に多く提案されている。有機太陽電池としては、p型有
機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショット
キー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導
体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を
接合させるヘテロ接合型光電変換素子等がある。これら
に用いられる有機半導体としては、クロロフィル、ペリ
レン等の合成色素や顔料、ポリアセチレン等の導電性高
分子材料、またはそれらの複合材料等であり、これらを
真空蒸着法、キャスト法、またはディッピング法等によ
り、薄膜化したもので形成されている。しかしながら、
変換効率は1%以下と低く、また耐久性も悪いという問
題があった。
【0005】こうした状況の中で、Nature(第353巻、P7
37、1991)および米国特許4927721号に報告された、色素
増感された半導体微粒子を使う光電変換素子および太陽
電池が画期的であった。この文献には作製に必要な材料
および製造技術も開示されている。提案された電池は、
グレッツェル型と呼ばれるルテニウム錯体によって分光
増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿
式太陽電池である。この方式の利点は二酸化チタン等の
安価な酸化物半導体を高純度まで精製する必要がなく使
えることであり、そのため安価な光電変換素子が提供で
きること、及び、用いられる色素の吸収が広い可視光の
波長域にわたっており太陽光を有効に電気へ変換できる
ことである。
【0006】この電池における色素の吸着方法は、二酸
化チタンの多孔質膜を被覆した導電性基板を、色素を溶
解した溶液中に浸漬して吸着させるのが一般的である。
しかし、この吸着方法では色素の吸着量が低いので一昼
夜放置したり、色素溶液を加熱還流する等の方法を用い
て、より高い吸着量を稼ごうとしている場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色素
を二酸化チタンへより簡便な方法により色素の吸着効率
を上げることであり、その吸着方法を用いることによっ
て、高い性能を発揮する光電変換素子を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、縮合剤の存在下、色素の
吸着処理を行うことによって色素の吸着効率を上げるこ
とができた。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光電変換素子は、導電性
支持体、導電性支持体上に設置した色素によって増感さ
れた半導体層、電荷移動層及び対極からなる。感光層は
単層構成でも積層構成でもよく、目的に応じて設計され
る。また、導電性支持体の導電層と感光層の境界、感光
層と移動層の境界等、この素子における境界において
は、各層の構成成分は相互に拡散、または混合していて
もよい。
【0010】導電性支持体は、金属のように支持体その
ものに導電性があるもの、または表面に導電剤を含む導
電層を有するガラスもしくはプラスチックの支持体を用
いることができる。後者の場合、導電剤としては白金、
金、銀、銅、アルミニウム等の金属、炭素、あるいはイ
ンジウム−スズ複合酸化物(以降「ITO」と略記す
る)、フッ素をドーピングした酸化スズ等の金属酸化物
(以降「FTO」と略記する)等が挙げられる。導電性
支持体は、光を10%以上透過する透明性を有している
ことが好ましく、50%以上透過することがより好まし
い。この中でも、ITOやFTOからなる導電膜をガラ
ス上に堆積した導電性ガラスが特に好ましい。
【0011】透明導電性基板の抵抗を下げる目的で、金
属リード線を用いることが好ましい、金属リード線の材
質はアルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金
属が好ましい。金属リード線は、透明基板に蒸着、スパ
ッタリング等で設置し、その上にITOやFTOを設け
たり、あるいは透明導電層上に金属リード線を設置する
方法がある。
【0012】半導体としては、シリコン、ゲルマニウム
のような単体半導体の他に、金属のカルコゲニドに代表
されるような化合物半導体またはペロブスカイト構造を
有する化合物等を使用することができる。金属のカルコ
ゲニドとしては好ましくはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タ
ングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウ
ム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、
バナジウム、ニオブ、あるいはタンタルの酸化物、カド
ミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化
物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル
化物等が挙げられる。他の化合物半導体としては亜鉛、
ガリウム、インジウム、カドミウム、等のリン化物、ガ
リウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジ
ウム−硫化物等が挙げられる。また、ペロブスカイト構
造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、
チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バ
リウム、ニオブ酸カリウム等が挙げられる。
【0013】本発明に用いられる半導体は、単結晶でも
多結晶でもよい。変換効率としては単結晶が好ましい
が、製造コスト、原材料確保等の点では多結晶が好まし
く、特にナノメートルからマイクロメ−トルサイズの微
粒子半導体がより好ましい。
【0014】導電性支持体上に半導体層を形成する方法
としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を
導電性支持体上に塗布する方法、ゾル−ゲル法等があ
る。その分散液の作製方法としては、前述のゾル−ゲル
法、乳鉢等で機械的に粉砕する方法、ミルを使って粉砕
しながら分散する方法、あるいは半導体を合成する際に
溶媒中で微粒子として析出させ、そのまま使用する方法
等が挙げられる。
【0015】機械的粉砕、あるいはミルを使用して粉砕
して作製する分散液の場合、少なくとも半導体微粒子と
結着樹脂とを水あるいは有機溶剤に分散して形成され
る。用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によ
るビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹
脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹
脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。
【0016】好ましい溶媒としては、水、メタノール、
エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアル
コール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるい
はメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチ
ル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル
系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等の
エーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−
ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブ
ロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナ
フタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘ
キサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−
キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはク
メン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。これら
は単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いること
ができる。
【0017】塗布方法としては、ローラ法、ディップ
法、エアナイフ法、ブレード法、ワイヤーバー等、スラ
イドホッパ法、エクストルージョン法、カーテン法、ス
ピン法、あるいはスプレー法が好ましい。
【0018】更に半導体層は、単層に限定する必要はな
い。粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布した
り、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異な
る塗布層を多層塗布することもできる。また、一度の塗
布で膜厚が不足する場合には多層塗布は有効な手段であ
る。
【0019】一般的に、半導体層の膜厚が増大するほど
単位投影面積当たりの担持色素量も増えるため光の捕獲
率が高くなるが、生成した電子の拡散距離も増えるため
に電荷の再結合も多くなってしまう。従って、半導体層
には0.1〜100μmが好ましく、1〜30μmがよ
り好ましい。
【0020】半導体微粒子は導電性支持体上に塗布した
後、加熱処理してもしなくともよいが、粒子同士の電子
的コンタクト及び塗膜強度の向上や支持体との密着性向
上の点から、加熱処理することが好ましい。その際の加
熱処理温度は40〜700℃が好ましく、100〜60
0℃がより好ましい。また、加熱処理時間は5分〜20
時間が好ましく、10分〜10時間がより好ましい。た
だし、加熱処理は支持体が損傷しない温度以下で行う必
要があり、支持体にポリマーフィルムを用いる場合は劣
化の原因となるため好ましくない。
【0021】半導体微粒子は多くの色素を吸着できるよ
うに表面積の大きなものが好ましい。このため半導体層
を支持体上に塗設した状態での表面積は、投影面積に対
して10倍以上であることが好ましく、100倍以上で
あることがより好ましい。
【0022】本発明の光電変換素子における色素の具体
例は、特表平7−500630号公報、特開平10−2
33238号公報、特開2000−26487号公報、
特開2000−323191号公報、特開2001−5
9062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平11
−86916号公報、特開平11−214730号公
報、特開2000−106224号公報、特開2001
−76773号公報、特願2001−186599号公
報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731
号公報、特開平11−238905号公報、特開200
1−52766号公報、特開2001−76775号公
報、特願2001−192395号等に記載メロシアニ
ン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−
273754号公報、特開平11−273755号公
報、特願2001−214126号等に記載の9−アリ
ールキサンテン化合物、特開平10−93118号公
報、特願2001−214126号等に記載のトリアリ
ールメタン化合物、特開平10−93118号公報等に
記載のクマリン化合物、アクリジン化合物、特開昭47
−37543号公報、特開昭53−95033号公報、
特開昭53−132347号公報、特開昭53−133
445号公報、特開昭54−12742号公報、特開昭
54−20736号公報、特開昭54−20737号公
報、特開昭54−21728号公報、特開昭54−22
834号公報、特開昭55−69148号公報、特開昭
55−69654号公報、特開昭55−79449号公
報、特開昭55−117151号公報、特開昭56−4
6237号公報、特開昭56−116039号公報、特
開昭56−116040号公報、特開昭56−1191
34号公報、特開昭56−143437号公報、特開昭
57−63537号公報、特開昭57−63538号公
報、特開昭57−63541号公報、特開昭57−63
542号公報、特開昭57−63549号公報、特開昭
57−66438号公報、特開昭57−74746号公
報、特開昭57−78542号公報、特開昭57−78
543号公報、特開昭57−90056号公報、特開昭
57−90057号公報、特開昭57−90632号公
報、特開昭57−116345号公報、特開昭57−2
02349号公報、特開昭58−4151号公報、特開
昭58−90644号公報、特開昭58−144358
号公報、特開昭58−177955号公報、特開昭59
−31962号公報、特開昭59−33253号公報、
特開昭59−71059号公報、特開昭59−7244
8号公報、特開昭59−78356号公報、特開昭59
−136351号公報、特開昭59−201060号公
報、特開昭60−15642号公報、特開昭60−14
0351号公報、特開昭60−179746号公報、特
開昭61−11754号公報、特開昭61−90164
号公報、特開昭61−90165号公報、特開昭61−
90166号公報、特開昭61−112154号公報、
特開昭61−269165号公報、特開昭61−281
245号公報、特開昭61−51063号公報、特開昭
62−267363号公報、特開昭63−68844号
公報、特開昭63−89866号公報、特開昭63−1
39355号公報、特開昭63−142063号公報、
特開昭63−183450号公報、特開昭63−282
743号公報、特開昭64−21455号公報、特開昭
64−78259号公報、特開平1−200267号公
報、特開平1−202757号公報、特開平1−319
754号公報、特開平2−72372号公報、特開平2
−254467号公報、特開平3−95561号公報、
特開平3−278063号公報、特開平4−96068
号公報、特開平4−96069号公報、特開平4−14
7265号公報、特開平5−142841号公報、特開
平5−303226号公報、特開平6−324504号
公報、特開平7−168379号公報、特願2001−
161942号、特願2001−175875号等に記
載のアゾ化合物、特開平9−199744号公報、特開
平10−233238号公報、特開平11−20482
1号公報、特開平11−265738号公報等に記載の
フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物等を挙げる
ことができ、これらは少なくとも1種、または2種以上
の混合として光電変換材料として用いる。
【0023】
【化1】
【0024】本発明の特徴は、酸化チタンや酸化亜鉛等
の半導体層を被覆した電極に浸漬法で色素を吸着する際
に、縮合剤の存在下行うことであり、これにより吸着効
率を上げることにある。色素と酸化チタンは、吸着処理
により化1の(1)のようなエステル結合、(2)のよ
うなキレート結合、(3)のようなブリッジ結合の何れ
かを形成すると言われている(柳田祥三「色素増感型太
陽電池の基礎と応用」)。本発明で用いられる縮合剤
は、無機物表面に物理的あるいは化学的に色素を結合す
ると思われる触媒的作用するもの、また化学量論的に作
用し化学平衡を有利に移動させるもの何れであってもよ
い。縮合剤の具体例としては、N,N−ジイソプロピル
カルボジイミド、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、3−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチ
ルカルボジイミド等のカルボジイミド誘導体、アゾジカ
ルボン酸ジエチルとトリフェニルフォスフィン等のアゾ
ジカルボン酸エステル化合物とフォスフィン化合物の組
み合わせ、N−エチル−2−フルオロピリジニウムテト
ラフルオロボレート、N,N−ジメチル−2−クロロイ
ミダゾリニウムクロリド等の四級アンモニウム塩、2−
クロロ−3,5−ジニトロピリジン、炭酸ジ−2−ピリ
ジルエステル、N,N−カルボニルジイミダゾール、シ
アヌル酸クロリド等のヘテロ環化合物、アジドリン酸ジ
フェニル、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジ
メチルアミノ)フォスフォニウムヘキサフルオロリン化
物塩等のリン化合物、ジブチルスズオキシド等の有機ス
ズ化合物、メチルスルホニルクロリドとトリエチルアミ
ン、クロロギ酸ベンジルエステルと4−ジメチルアミノ
ピリジンのような酸クロリドと三級アミンの組み合わ
せ、フェノキシフォスフォリルジクロリドとトリエチル
アミンのような酸クロリドとアミド化合物の組み合わ
せ、濃硫酸、濃硝酸、塩酸、リン酸等の鉱酸等を挙げる
ことができるがこれらに限定されるものではない。これ
らは単独、あるいは2種以上の混合として用いることが
できる。
【0025】更に、縮合助剤としてチオール、あるいは
ヒドロキシ化合物を添加しても良い。チオール化合物の
具体例としては、1−ヘキサンチオール、2−メルカプ
トエタノール、シクロヘキサンチオール、ベンゼンチオ
ール、ヘキサンチオ−S−酸、ジチオ安息香酸、2−メ
ルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキ
サゾール等のチオール化合物を挙げることができる。ヒ
ドロキシ化合物の具体例としては、N−ヒドロキシコハ
ク酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−
ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,
3−ベンゾトリアジン等を挙げることができる。これら
は単独、あるいは2種以上の混合として用いることがで
きる。
【0026】色素を溶解させる溶媒は、アセトン、メチ
ルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸
n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジ
メトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あ
るいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、
ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化
メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロ
ロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、
フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、
あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素
系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、
1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、
o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベ
ンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げるこ
とができ、これらは単独、あるいは2種以上の混合とし
て用いることができる。特にその中でも、エーテル系溶
媒、アミド系溶媒、ハロゲン化炭化系水素溶媒が本発明
では好ましい。
【0027】色素を吸着させる際の、色素と縮合剤の比
は、色素1質量部に対して0.0001質量部以上、1
0質量部以下が好ましく、0.001質量部以上、3質
量部以下がより好ましい。チオール化合物、あるいはヒ
ドロキシ化合物を添加する場合は、縮合剤1質量部に対
して0.01質量部以上、100質量部以下が好まし
く、0.1質量部以上、10質量部以下がより好まし
い。
【0028】これらを用い、色素を吸着する際の温度と
しては、−50℃以上、200℃以下が好ましい。ま
た、この吸着においては攪拌しながら行っても構わな
い。攪拌する場合の方法としては、スターラー、ボール
ミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトラ
イター、ディスパーザー、あるいは超音波分散等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。吸着に要
する時間は、5秒以上、1000時間以下が好ましく、
10秒以上、500時間以下がより好ましく、1分以
上、150時間が更に好ましい。
【0029】本発明の電荷移動層としては、酸化還元対
を有機溶媒に溶解した電解液、酸化還元対を有機溶媒に
溶解した液体をポリマーマトリックスに含浸したゲル電
解質、酸化還元対を含有する溶融塩、固体電解質、有機
正孔輸送材料等を用いることができる。
【0030】本発明で使用される電解液は、電解質、溶
媒、及び添加物から構成されることが好ましい。好まし
い電解質はヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化
カリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム等の金属
ヨウ化物−ヨウ素の組み合わせ、テトラアルキルアンモ
ニウムヨ−ダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾ
リウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素
塩−ヨウ素の組み合わせ、臭化リチウム、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化セシウム、臭化カルシウム等の
金属臭化物−臭素の組み合わせ、テトラアルキルアンモ
ニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級ア
ンモニウム化合物の臭素塩−臭素の組み合わせ、フェロ
シアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシ
ニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アル
キルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合
物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げら
れる。上述の電解質は単独の組み合わせであっても混合
であってもよい。また、電解質として、室温で溶融状態
の塩を用いることもできる。この溶融塩を用いた場合
は、特に溶媒を用いなくともよい。
【0031】電解液における電解質濃度は、0.05〜
20Mが好ましく、0.1〜15Mが更に好ましい。電
解液に用いる溶媒としては、エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、3−メ
チル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、ジオキ
サン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキ
ルエーテル等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等
のアルコール系溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル
等のニトリル系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン等の非プロトン性極性溶媒等が好ましい。
【0032】また、t−ブチルピリジン、2−ピコリ
ン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を添加すること
もできる。
【0033】本発明では、電解質はポリマー添加、オイ
ルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマ
ーの架橋反応等の手法によりゲル化させることもでき
る。ポリマー添加によりゲル化させる場合の好ましいポ
リマーとしては、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビ
ニリデン等を挙げることができる。オイルゲル化剤添加
によりゲル化させる場合の好ましいゲル化剤としては、
ジベンジルデン−D−ソルビトール、コレステロール誘
導体、アミノ酸誘導体、トランス−(1R,2R)−
1,2−シクロヘキサンジアミンのアルキルアミド誘導
体、アルキル尿素誘導体、N−オクチル−D−グルコン
アミドベンゾエート、双頭型アミノ酸誘導体、4級アン
モニウム誘導体等を挙げることができる。
【0034】多官能モノマーによって重合する場合の好
ましいモノマーとしては、ジビニルベンゼン、エチレン
グルコールジメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート等を挙げることができる。更に、アク
リルアミド、メチルアクリレート等のアクリル酸やα−
アルキルアクリル酸から誘導されるエステル類やアミド
類、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジエチル等のマレイ
ン酸やフマル酸から誘導されるエステル類、ブタジエ
ン、シクロペンタジエン等のジエン類、スチレン、p−
クロロスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等の芳
香族ビニル化合物、ビニルエステル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、含窒素複素環を有するビニル
化合物、4級アンモニウム塩を有するビニル化合物、N
−ビニルホルムアミド、ビニルスルホン酸、ビニリデン
フルオライド、ビニルアルキルエーテル類、N−フェニ
ルマレイミド等の単官能モノマーを含有してもよい。モ
ノマー全量に占める多官能性モノマーは、0.5〜70
重量%が好ましく、1.0〜50重量%がより好まし
い。
【0035】上述のモノマーは、ラジカル重合によって
重合することができる。本発明で使用できるゲル電解質
用モノマーは、加熱、光、電子線あるいは電気化学的に
ラジカル重合することができる。架橋高分子が加熱によ
って形成される場合に使用される重合開始剤は、2,2
´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,
2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ
系開始剤、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系開始
剤等が好ましい。これらの重合開始剤の添加量は、モノ
マー総量に対して、0.01〜20質量部が好ましく、
0.1〜10質量部がより好ましい。
【0036】ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化
させる場合、架橋反応に必要な反応性基を含有するポリ
マー及び架橋剤を併用することが望ましい。架橋可能な
反応性基に好ましい例としては、ピリジン、イミダゾー
ル、チアゾール、オキサゾール、トリアゾール、モルフ
ォリン、ピペリジン、ピペラジン等の含窒素複素環を挙
げることができ、好ましい架橋剤は、ハロゲン化アルキ
ル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無
水物、酸クロリド、イソシアネート等の窒素原子に対し
て求電子反応可能な2官能以上の試薬を挙げることがで
きる。
【0037】無機固体化合物を電解質の代わりに用いる
場合、ヨウ化銅、チオシアン化銅等をキャスト法、塗布
法、スピンコート法、浸漬法、電解メッキ等の手法によ
り電極内部に導入することができる。
【0038】また、本発明では電解質の代わりに有機電
荷輸送物質を用いることができる。電荷輸送物質には正
孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例としては、
例えば特公昭34−5466号公報等に示されているオ
キサジアゾール類、特公昭45−555号公報等に示さ
れているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188
号公報等に示されているピラゾリン類、特公昭55−4
2380号公報等に示されているヒドラゾン類、特開昭
56−123544号公報等に示されているオキサジア
ゾール類、特開昭54−58445号公報に示されてい
るテトラアリールベンジジン類、特開昭58−6544
0号公報、あるいは特開昭60−98437号公報に示
されているスチルベン類等を挙げることができる。その
中でも、本発明に使用される電荷輸送物質としては、特
開昭60−24553号公報、特開平2−96767号
公報、特開平2−183260号公報、並びに特開平2
−226160号公報に示されているヒドラゾン類、特
開平2−51162号公報、並びに特開平3−7566
0号公報に示されているスチルベン類が特に好ましい。
また、これらは単独、あるいは2種以上の混合物として
用いることができる。
【0039】一方、電子輸送物質としては、例えばクロ
ラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8
−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン、あるいは1,3,7−トリニトロ
ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド等がある。こ
れらの電子輸送物質は単独、あるいは2種以上の混合物
として用いることができる。
【0040】また、更に増感効果を増大させる増感剤と
して、ある種の電子吸引性化合物を添加することもでき
る。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキ
ノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン
類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、9
−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−
ジニトロベンゾフェノン、あるいは3,3′,5,5′
−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水フタ
ル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、テレ
フタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマ
ロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、あ
るいは4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマ
ロノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリ
ド、あるいは3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)
−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド
類等を挙げることができる。
【0041】これらの電荷輸送材料を用いて電荷移動層
を形成する場合、樹脂を併用することが好ましく、ポリ
スチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げ
られる。これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアリレート樹脂が優れている。又、これら
の樹脂は、単独あるいは共重合体として2種以上を混合
して用いることができる。
【0042】これらの樹脂の中には、引っ張り、曲げ、
圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良
するために、可塑性を与える物質を加えることができ
る。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、D
BP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP
等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニト
リルゴム、塩素化炭化水素等があげられる。これらの物
質は、必要以上に添加すると特性に悪影響を及ぼすの
で、その割合は結着剤樹脂に対し20%以下が好まし
い。その他、酸化防止剤やカール防止剤等を必要に応じ
て添加することができる。用いられる樹脂量は、電荷輸
送物質1質量部に対して0.001〜20質量部が好ま
しく、0.01〜5質量部以下がより好ましい。
【0043】電荷移動層の形成方法は大きく2通りの方
法が考えられる。1つは増感色素を担持した半導体微粒
子含有層の上に、先に対極を貼り合わせ、その隙間に液
状の電荷移動層を挟み込む方法である。もう一つは、半
導体微粒子含有層の上に直接電荷移動層を付与する方法
である。この場合、対極はその後新たに付与することに
なる。
【0044】前者の場合、電荷移動層の挟み込み方法と
して、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセスと
常圧より低い圧力にして気相を液相に置換する真空プロ
セスが挙げられる。後者の場合、湿式の電荷移動層にお
いては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防
止を施す必要がある。また、ゲル電解液の場合において
は、湿式で塗布して重合等の方法により固体化する方法
もある。その場合、乾燥、固定化した後に対極を付与し
てもよい。電解液の他、有機電荷輸送材料の溶解液やゲ
ル電解質を付与する方法としては、半導体微粒子含有層
や色素の付与と同様に、浸漬法、ローラ法、ディップ
法、エアーナイフ法、エクストルージョン法、スライド
ホッパー法、ワイヤーバー法、スピン法、スプレー法、
キャスト法、各種印刷法等が挙げられる。
【0045】対極は通常前述の導電性支持体と同様に導
電性層を有する支持体を用いることもできるが、強度や
密封性が十分に保たれるような構成では支持体は必ずし
も必要ではない。対極に用いる材料の具体例としては、
白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウ
ム等の金属、炭素、ITO、FTO等の導電性金属酸化
物等が挙げられる。対極の厚さに制限はないが、3nm
〜10μmが好ましい。
【0046】感光層に光が到達するためには、前述の導
電性支持体と対極の少なくとも一方は実質的に透明でな
ければならない。本発明の光電変換素子においては、導
電性支持体が透明であり、太陽光を支持体側から入射さ
せる方法が好ましい。この場合、対極には光を反射させ
る材料を使用することが好ましく、金属、導電性酸化物
を蒸着したガラス、プラスチック、あるいは金属薄膜が
好ましい。
【0047】対極の塗設については前述の通り、電荷移
動層の上に付与する場合と半導体微粒子層上に付与する
場合の2通りがある。何れの場合も対極材料の種類や電
荷移動層の種類により、適宜、電荷移動層上または半導
体微粒子含有層上に対極材料を塗布、ラミネート、蒸
着、貼り合わせ等の手法により形成可能である。また、
電荷移動層が固体の場合には、その上に直接、前述の導
電性材料を塗布、蒸着、CVD等の手法で対極を形成す
ることができる。
【0048】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0049】実施例1 二酸化チタン(日本アエロジル社、P−25)10g、
アセチルアセトン1g、界面活性剤(アルドリッチ社、
Triton X-100)2gを水37.0gに分散し、この分散
液をFTOガラス基板上にワイヤーバーを用いて塗布し
た。塗布後、100℃で1時間乾燥し、次いで空気中、
450℃で30分間焼成した。
【0050】
【化2】
【0051】(4)で示される色素0.1g、N,N−
ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05gをテトラヒ
ドロフラン100gに溶解した。この溶液に、先に作製
した半導体電極を室温で1時間浸漬して吸着処理を施し
た。この電極のUV吸収スペクトル(島津製UV−31
00)を測定した。その結果、520nmの吸光度は
1.08であった。
【0052】電解液としては、ヨウ素0.60g、テト
ラ−n−プロピルアンモニウムヨーダイド0.46gを
プロピレンカーボネート800gとアセトニトリル20
0gに溶解したものを使用した。対極にはFTO上に白
金をスパッタリングしたものを使用した。
【0053】両電極間に電解液を浸して光電変換素子を
作製した。ここに、作用電極側から東芝製カットフィル
ターUV−39で400nm以下の光をカットした50
mW/cm2強度のキセノンランプを照射した。その結
果、開放電圧0.55V、短絡電流密度3.9mA/c
2、形状因子0.58、変換効率2.48%と良好な
値を示した。
【0054】実施例2 N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05g
を、アゾカルボン酸ジエチル0.03g、トリフェニル
フォスフィン0.03gに変更した以外は実施例1と同
様にして吸着処理を施した。この電極の520nmの吸
光度は1.03であった。また、この電極を実施例1と
同様にして光電変換素子を作製し評価し。その結果、開
放電圧0.58V、短絡電流密度4.0mA/cm2
形状因子0.56、変換効率2.60%と良好な値を示
した。
【0055】実施例3 N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05g
を、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.04
g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール0.04gに変
更した以外は実施例1と同様にして吸着処理を施した。
この電極の520nmの吸光度は1.05であった。ま
た、この電極を実施例1と同様にして光電変換素子を作
製し評価し。その結果、開放電圧0.61V、短絡電流
密度3.9mA/cm2、形状因子0.59、変換効率
2.81%と良好な値を示した。
【0056】実施例4 N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05g
を、N,N−カルボニルジイミダゾール0.05gに変
更した以外は実施例1と同様にして吸着処理を施した。
この電極の520nmの吸光度は0.96であった。ま
た、この電極を実施例1と同様にして光電変換素子を作
製し評価し。その結果、開放電圧0.58V、短絡電流
密度3.7mA/cm2、形状因子0.59、変換効率
2.53%と良好な値を示した。
【0057】実施例5 N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05g
を、クロロギ酸ベンジル0.03gと4−ジメチルアミ
ノピリジン0.04gに変更した以外は実施例1と同様
にして吸着処理を施した。この電極の520nmの吸光
度は0.99であった。また、この電極を実施例1と同
様にして光電変換素子を作製し評価し。その結果、開放
電圧0.57V、短絡電流密度3.9mA/cm2、形
状因子0.58、変換効率2.58%と良好な値を示し
た。
【0058】比較例1 N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05g
を、テトラヒドロフラン0.05gに変更した以外は実
施例1と同様にして吸着処理を施した。この電極のUV
吸収スペクトルを実施例1と同様にして測定した。52
0nmの吸光度は0.38と低い結果であった。また、
この電極を実施例1と同様にして光電変換素子を作製し
評価した。その結果、開放電圧0.54V、短絡電流密
度1.0mA/cm2、形状因子0.60、変換効率
0.65%と低い値であった。
【0059】比較例2 N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05g
を、テトラヒドロフラン0.05gに、更に吸着時間を
1時間から12時間に変更した以外は実施例1と同様に
して吸着処理を施した。この電極のUV吸収スペクトル
を実施例1と同様にして測定した。520nmの吸光度
は0.44と低い結果であった。また、この電極を実施
例1と同様にして光電変換素子を作製し評価し。その結
果、開放電圧0.53V、短絡電流密度1.1mA/c
2、形状因子0.60、変換効率0.70%と低い値
であった。
【0060】比較例3 N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05g
を、テトラヒドロフラン0.05gに、更に吸着温度を
室温から60℃に変更した以外は実施例1と同様にして
吸着処理を施した。この電極のUV吸収スペクトルを実
施例1と同様にして測定した。520nmの吸光度は
0.42と低い結果であった。また、この電極を実施例
1と同様にして光電変換素子を作製し評価し。その結
果、開放電圧0.54V、短絡電流密度1.1mA/c
2、形状因子0.58、変換効率0.69%と低い値
であった。
【0061】
【発明の効果】以上から明らかなように、縮合剤の存在
下、色素の吸着処理を行うことによって吸着効率が上が
り、その結果、良好な変換効率を有する光電変換素子を
提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に導電性を有する基板と、その導電
    性表面上に被覆された半導体層と、その半導体層の表面
    に吸着した色素からなる半導体電極において、少なくと
    も一種以上の縮合剤の存在下、色素を半導体層に吸着処
    理することを特徴とする半導体電極の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記縮合剤と、縮合助剤としてチオー
    ル、あるいはヒドロキシ化合物を併用することを特徴と
    する請求項1記載の半導体電極の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造方法によって作製さ
    れた半導体電極を用いることを特徴とする光電変換素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017143150A (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 株式会社リコー 光電変換素子

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