JP6671599B2 - 有機材料および光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機材料および光電変換素子に関する。
近年、電子回路における駆動電力が非常に少なくなり、来たるIoT社会に向けて、微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動することができるようになった。さらに、センサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として、環境発電素子への応用が期待されており、その中でも光電変換素子は光があればどこでも発電できる素子として注目を集めている。環境発電素子においては蛍光灯やLEDランプなどの室内光で効率よく発電する素子がより求められている。
一般的に光電変換素子特性において、開放電圧は光量が低下すると大きく低下することが知られており、微弱光下で太陽電池特性が低下する大きな要因となっている。その傾向は従来の有機薄膜太陽電池でも例外ではなく、微弱光下での低い開放電圧の改善が求められている。
また、光電変換素子の特性における短絡電流密度は同じ光源の場合は光量に比例すると知られており、いわゆる有機薄膜太陽電池においても例外ではない。従来の有機薄膜太陽電池は光源として太陽光を対象として開発が進められており、その中でも特にP型有機半導体の開発が精力的に行われている。
一方で、室内光を光源対象とした光電変換素子においては、対象が太陽光ではなく蛍光灯やLEDランプであるため、蛍光灯やLEDランプにおいて高い電流値を示すことが求められている。蛍光灯やLEDランプは太陽光と違い、可視域にしかスペクトルを持たないため、従来の太陽光を対象とした光電変換素子に用いられるP型有機半導体では、スペクトルのマッチングが低いため、蛍光灯やLEDランプにおいて電流値が低い欠点があった。従って、蛍光灯やLEDランプのスペクトルに適した材料開発が必要である。具体的には太陽光を対象としたP型有機半導体の吸収スペクトルよりもより短波長なものが求められる。
非特許文献1には、比較的吸収波長が短波長な材料が公開されており、擬似太陽光下において比較的高い電流値を示す有機材料が公開されている。しかしながら、前記非特許文献1においては、低照度での特性は明記されていない。
また、バルクへテロジャンクション型有機薄膜太陽電池に用いられるP型有機半導体は溶液塗布プロセスにより製膜を行うため、高い溶解性が求められる。特に、膜厚を厚くし、光吸収を十分に行いたい場合は、より高い溶解性が求められる。また、低分子タイプのP型有機半導体は吸収波長を調整するために、アクセプター性の部位を導入する方法がしばしば用いられる。その場合、比較的溶解性が低下しやすく、製膜時に用いる溶媒に溶解しない問題がおこる。そこで、P型有機半導体の骨格に長鎖アルキル基を導入することで、その問題を解決する。上記非特許文献1においても、アクセプター性の部位が導入されており、溶解性を確保するため、長鎖アルキル基が導入されている。
しかしながら、上記従来の有機材料は溶解性としては十分でなく、厚膜化には対応できない。
さらに、一般にバルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池は、太陽電池が高温に置かれた際、変換効率が著しく低下することが知られている。それに対して、耐熱性を向上させるための手段がいくつか報告されている。しかしながら、耐熱性の向上はいまだ不十分であり、特に室内光での特性は太陽光下での特性と比較して、熱に敏感であり、より一層の耐熱性向上が望まれている。
そこで本発明は上記課題を鑑み、室内光のような微弱光の場合であっても高効率で、耐熱性の高い光電変換素子を得ることができる有機材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の有機材料は、下記一般式(1)で表される。
下記一般式(1)で表される有機材料。
ただし、前記一般式(1)中、R1、及びR2は、それぞれ独立に、炭素数2〜8のアルキル基を表し、R3、及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1,2,4,6,12の直鎖アルキル基、または水素原子を表す。nは1または2の整数を表す。
本発明の有機材料は、溶解性が高く、本発明の有機材料を用いることにより、室内光のような微弱光の場合であっても高い変換効率を示し、高い耐熱性を有する光電変換素子を提供することができる。
本発明に係る光電変換素子の一実施の形態における構成を示す概略断面図である。 本発明に係る光電変換素子の他の実施の形態における構成を示す概略断面図である。 実施例I−1で得られた例示化合物1で示される本発明の有機材料の1H−NMRスペクトルである。
以下本発明に係る有機材料および光電変換素子について図面を参照しながら説明する。なお本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果をそうする限り本発明の範囲に含まれるものである。
本発明において光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子あるいは電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を表し、具体的には太陽電池あるいはフォトダイオード等が挙げられる。
以下、詳細を説明する。
《有機材料》
本発明の有機材料は、下記一般式(1)で表される。
ただし、前記一般式(1)中、R1、及びR2は、それぞれ独立に、炭素数2〜8のアルキル基を表し、R3、及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1,2,4,6,12の直鎖アルキル基、または水素原子を表す。nは1または2の整数を表す。
上記一般式(1)で表される有機材料としては、下記一般式(2)で表される有機材料、及び下記一般式(3)で表される有機材料が挙げられる。
ただし、前記一般式(2)中、R1、及びR2は、それぞれ独立に、炭素数2〜8のアルキル基を表し、R3、及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1,2,4,6,12の直鎖アルキル基、または水素原子を表す。
ただし、前記一般式(3)中、R1、及びR2は、それぞれ独立に、炭素数2〜8のアルキル基を表し、R3、及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1,2,4,6,12の直鎖アルキル基、または水素原子を表す。
1、R2は炭素数2〜8のアルキル基を表すが、そのアルキル基としては、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、R1について、好ましくはエチル基、R2について、好ましくはヘキシル基が挙げられる。
3、R4は炭素数1,2,4,6,12の直鎖アルキル基、もしくは水素原子を表すが、そのアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基が挙げられ、好ましくはヘキシル基である。
とくにベンゾジチオフェンのベンゼン環に置換されるチオフェン基の置換基としては、メチレンを介した分岐のアルキル基であることが重要である。前記非特許文献1や中華人民共和国特許出願公開CN−103788111号公報では、ベンゾジチオフェンのベンゼン環に置換されるチオフェン基の置換基としては、直鎖のアルキル基のみ開示されているが、後述するようにそれらとは変換効率、耐熱性とも大きく異なっており、本発明の分岐アルキル基を有する材料のほうが優れている。理由は明確ではないが、分岐のアルキル基にすることで、バルクへテロジャンクション型の光電変換素子に必要な相分離構造が発達し、電荷分離・輸送に適した構造になっているものと考えられる。
また、耐熱性に関しては、バルクへテロジャンクション型においては、その構造の安定性が重要であることが知られているが、本発明においては、前記アルキル鎖が分岐であることにより、分子鎖の絡み合いにより、分子間の相互作用が大きくなり、熱をかけた際のバルクへテロジャンクション構造の安定性が向上しているものと考えられる。
前記一般式(1)で表される有機材料としては、具体的には、下記の構造式で表される化合物などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<上記一般式(1)で表される有機材料の製造方法>
上記一般式(1)で表される有機材料の製造方法としては、例えば以下の第一工程から第四工程により得ることができる。
第一工程
化合物Aに臭素化剤を作用させ、ビチオフェンの2位を臭素化させ、化合物Bを得る。
第二工程
化合物Bのビチオフェンの5’位をホルミル化させ、化合物Cを得る。
第三工程
化合物Cから、脱水縮合により、1,3−インダンジオンを縮合したビチオフェン誘導体Dを得る。
第四工程
Stilleカップリングによりベンゾジチオフェン誘導体のスズ体と第三工程で得られたビチオフェン誘導体Dとを反応させ、目的物を得る。
第一工程での臭素化剤はN−ブロモスクシンイミドや臭素などの一般的な臭素化剤を用いることができる。溶媒は特に制限はないが、ハロゲン系のクロロホルム、ジクロロメタン等やジメチルホルムアミドのアミド系溶媒を用いることができる。また、酢酸のような酸性化合物を触媒として用いることもできる。
第二工程でのホルミル化は、一般的な、n−ブチルリチウムに代表されるアルキルリチウムによるリチオ化に続くジメチルホルムアミドによるホルミル化やビルスマイヤー反応によるホルミル化等を用いることができる。溶媒はそれぞれの反応に適したものを適宜用いることができる。
第三工程では脱水縮合により得ることができるが、溶媒はそれに適したものであれば特に制限はない。
第四工程では、Stilleカップリング反応により得ることができるが、触媒はテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムに代表されるパラジウム触媒を用いることができる。溶媒は一般的に用いられるもの、トルエンやジメチルホルムアミド等を選択することができる。
《光電変換素子》
本発明の光電変換素子は、基板上に第一の電極、電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、第二の電極を有する光電変換素子であって、前記光電変換層が本発明の有機材料とN型半導体材料とを含有する。
本発明の光電変換素子は、基板上に第一の電極、電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、第二の電極が順次積層されてなる光電変換素子、又は基板上に第一の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、第二の電極が順次積層されてなる光電変換素子であることが好ましく、前記光電変換層が本発明の有機材料とN型半導体材料とを含有することが好ましい。
<光電変換層>
光電変換層としては、少なくとも本発明の有機材料とN型半導体材料を含み、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
(N型半導体材料)
N型半導体材料としては、例えば、フラーレン、フラーレン誘導体などが挙げられる。これらの中でも、電荷分離、電荷輸送の点から、フラーレン誘導体が好ましい。
前記フラーレン誘導体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、PC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル)、PC61BM、フラーレンインデン2付加体、下記一般式(4)で表されるフラーレン誘導体などが挙げられる。
上記一般式(4)において、Y1及びY2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、Arはアリール基を示す。但し、Y1とY2が同時に水素原子であることはない。
また、一般式(4)において、
で表される部分は、炭素原子数60個のフラーレン(C60フラーレン)骨格を示すものであり、後述する全ての化学式において同じ意味である。
上記一般式(4)で表されるフラーレン誘導体は、各種の有機溶媒に対して良好な溶解性を示すために塗布法による薄膜の形成が容易な化合物であり、更に、N型半導体材料として用いてバルクバルクヘテロジャンクション構造を有する光変換層を形成した際に高い変換効率を発現する化合物である。このため、該フラーレン誘導体は、有機薄膜太陽電池用のN型半導体材料として優れた性能を有する化合物である。
上記一般式(4)において、Arで表されるアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラリル基、フェナントリル基などを挙げることができる。特に、フェニル基が好ましい。
Arで表されるアリール基は置換基を有するアリール基及び置換基を有しないアリール基を含む。
Arで表される置換基を有するアリール基の置換基としては、酸素原子を除くことが好ましく、例えば、アリール基、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等を例示できる。これらの置換基の内で、アリール基としては、フェニル基等を例示できる。アルキル基、及びアルコキシ基のアルキル基部分としては、後述するY1及びY2で表されるアルキル基と同様に炭素数1〜20程度のアルキル基を例示できる。これらの置換基の数、及び置換位置については特に限定ないが、例えば、1〜3個程度の置換基がArで表されるアリール基の任意の位置に存在することができる。
1及びY2で表される基の内で、アルキル基としては、炭素数1〜20程度のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12程度のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜12程度のアルキル基が特に好ましい。これらのアルキル基は、直鎖状及び分枝鎖状のいずれでもよいが、特に、直鎖状であることが好ましい。尚、アルキル基には、炭素鎖中に更にS、Oなどの異種元素が一個又は二個以上含まれていても良い。
1及びY2で表される基の内で、アルケニル基としては、炭素数2〜10程度のアルケニル基が好ましく、特に好ましい具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1,3−ブタジエニル基等の炭素数2〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基を挙げることができる。
1及びY2で表される基の内で、アルキニル基としては、炭素数1〜10程度のアルキニル基が好ましく、特に好ましい具体例として、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等の炭素数2〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基を挙げることができる。
1及びY2で表される基の内で、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラリル基、フェナントリル基などを例示できる。
1及びY2で表される基の内で、アラルキル基としては、2−フェニルエチル、ベンジル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル等の炭素数7〜20程度のアラルキル基を例示できる。
1及びY2で表される基の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及びアラルキル基は置換基を有する場合と、置換基を有しない場合を含む。
1及びY2で表される基が有することができる置換基としては、アルキル基、アルコキシカルボニル基、ポリエーテル基、アルカノイル基、アミノ基、アミノカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、基:−CONHCOR'(式中、R'はアルキル基である)、基:−C(=NR')−R''(式中、R'及びR''はアルキル基である)、基:−NR'=CR''R'''(式中、R'、R''及びR'''はアルキル基である)などを例示できる。
これらの置換基の内で、ポリエーテル基としては、例えば、式:Y3−(OY4)n−O−で表される基を例示できる。ここで、Y3はアルキル基等の一価の炭化水素基であり、Y4は、二価の脂肪族炭化水素基である。上記式で表されるポリエーテル基において、−(OY4)n−で表される繰り返し単位の具体例としては、−(OCH2)n−、−(OC24)n−、−(OC36)n−等のアルコキシ鎖が挙げられる。これらの繰り返し単位の繰り返し数nは、1〜20程度であることが好ましく、1〜5程度であることがより好ましい。−(OY4)n−で表される繰り返し単位には、同一の繰り返し単位だけではなく、二種以上の異なる繰り返し単位が含まれていてもよい。上記した繰り返し単位の内で、−OC24−及び−OC36−については、直鎖状及び分枝鎖状のいずれであっても良い。
また、前記置換基の内で、アルキル基と、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ポリエーテル基、基:−CONHCOR'、基:−C(=NR')−R''、及び基:−NR'=CR''R'''におけるアルキル基部分は、前述したアルキル基と同様に、炭素数1〜20程度のアルキル基が好ましく、炭素数1〜12程度のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜12程度のアルキル基が特に好ましい。
アミノ基、及びアミノカルボニル基におけるアミノ基部分としては、特に、炭素数1〜20程度のアルキル基が一個又は二個結合したアミノ基が好ましい。
上記一般式(4)で表されるフラーレン誘導体の内で、好適な性能を有する化合物の例としては、Arが、置換基を有するかもしくは置換基を有しないフェニル基であって、Y1及びY2のいずれか一方が水素原子であり、他方が、置換基としてアルコキシカルボニル基を有するアルキル基、置換基としてアルコキシ基を有するアルキル基、置換基としてポリエーテル基を有するアルキル基、置換基としてアミノ基を有するアルキル基、又は置換基を有するかもしくは置換基を有しないフェニル基である化合物を例示できる。
このような化合物の内で、特に優れた性能を有する化合物の一例としては、Arが置換基としてフェニル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、又はアルキル基を有するかもしくは置換基を有しないフェニル基であって、Y1及びY2のいずれか一方が水素原子であり、他方が、置換基としてアルコキシカルボニル基を有するアルキル基、置換基としてアルコキシ基を有するアルキル基、置換基としてポリエーテル基を有するアルキル基、フェニル基、置換基としてアルキル基を有するフェニル基、置換基としてアルコキシカルボニル基を有するフェニル基、又は置換基としてアルコキシ基を有するフェニル基である化合物を挙げることができる。これらの化合物は、ピロリジン骨格上に適度な極性を有する基を含むものであり、自己組織化性が良好であるために、バルクヘテロジャンクション構造の光変換層を形成する際に、適切な層分離構造を有するバルクヘテロジャンクション構造の光変換部を形成でき、これにより電子移動度などが向上して高い変換効率が発現されるものと考えられる。より好ましい化合物としてはArがフェニル基であり、Y1、Y2のいずれか一方が水素原子であり、他方が無置換のアルキル基(炭素数としては4−6のアルキル基)、もしくは無置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基である化合物、又は下記一般式(5)で表される化合物である。
ただし、一般式(5)中、Zはフェニル基、1−ナフチル基、または2−ナフチル基を表す。
前記Zで表される基の、フェニル基は、置換基を有するフェニル基及び置換基を有しないフェニル基を含み、前記1−ナフチル基は置換基を有する1−ナフチル基及び置換基を有しない1−ナフチル基を含み、前記2−ナフチル基は、置換基を有する2−ナフチル基及び置換基を有しない2−ナフチル基を含む。
なお、光電変換層は、前記N型半導体材料だけではなく、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機化合物を用いてもよい。
前記N型半導体材料の含有量は、光電変換層用溶液全量に対して、0.2質量%〜10質量%が好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジヨードオクタン、オクタンジチオール、クロロナフタレン等の各種添加剤などが挙げられる。
前記光電変換層の平均厚みは、50nm〜400nmが好ましく、60nm〜250nmがより好ましい。前記平均厚みが、50nm未満であると、光電変換層による光吸収が少なくキャリア発生が不充分となることがあり、400nmを超えると、光吸収により発生したキャリアの輸送効率が一段と低下することがある。
本発明においては、前記有機材料及び前記N型半導体材料を、順次、形成して平面的な接合界面を形成させてもよいが、接合界面面積を大きくするため、これらを三次元的に混合させたバルクへテロ接合を形成させることが好ましい。
前記バルクヘテロ接合を形成するためには、溶解性の高い材料の場合には溶媒に溶かし、前記有機材料及びN型半導体材料が分子状で混合された溶液を作製し、塗布後に乾燥させて溶媒を除去して形成することが可能である。更に加熱処理をして、各々の半導体の凝集状態を最適化することもできる。
なお、溶解性が乏しい材料を用いる場合にも、本発明の前記有機材料が溶解した溶媒にN型半導体材料を分散させた溶液を作製し、塗布により混合層を形成することができる。この場合、更に加熱処理をして、各々の半導体の凝集状態を最適化することもできる。
本発明で用いる前記有機材料は、容易に凝集構造が得られ、剛直であるがゆえに、耐熱性に優れるという特徴を有する。更に、HOMO準位が深く、空気安定性に優れると共に、材料起因である開放電圧の向上が見込まれる。加えて、このような剛直な分子骨格に対して、アルキル基に代表されるような溶解性基を導入することで、一般的な有機溶媒に対する溶解性を確保しつつ、結晶性、液晶性、及び配向性といった規則的な集合状態を有する有機半導体膜をより有利に形成できる。このような規則性の高い状態では、高い電荷輸送が期待できる。特に一般式(1)において、ベンゾジチオフェンに置換されるチオフェン基のアルキル基は分岐である。アルキル鎖が分岐であることにより、溶解性が大幅に増大する。それにより、有機薄膜を厚膜化することができる。厚膜化により、多くの光を吸収することができ、発電力向上につながる。
一方で、非特許文献1に記載の有機材料はベンゾジチオフェンに置換されているチオフェン基のアルキル基は直鎖である。この場合、実施例でも明記するが、溶解性が低く、有機薄膜の厚膜化が困難であり、分岐アルキル基を有する一般式(1)に示す有機材料のほうが、溶解性が高く、厚膜化に有利である。
前記一般式(1)で表される有機材料及びN型半導体材料を混合して光電変換層を形成する場合は、前記一般式(1)で表される有機材料とN型半導体材料とを所望の質量比率で溶媒に添加し、加熱、撹拌、超音波照射などの方法を用いて溶解させて溶液を作り、電極上に塗布する。この場合、2種以上の溶媒を混合して用いることで光起電力素子の光電変換効率を向上させることもできる。
前記光電変換層を形成する溶液における、全固形分の濃度としては、1質量%〜10質量%が好ましい。また、前記一般式(1)で表される有機材料とN型半導体材料の比率としては、質量比で40:60〜80:20が好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、キシレン、o−クロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、クロロベンゼン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼンが好ましい。
前記光電変換層となる有機材料薄膜の形成方法としては、例えば、スピンコート塗布、ブレードコート塗布、スリットダイコート塗布、スクリーン印刷塗布、バーコーター塗布、鋳型塗布、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法、スプレー法、真空蒸着法などが挙げられる。これらの中から、厚み制御や配向制御など、作製しようとする有機材料薄膜の特性に応じて適宜選択することができる。
例えば、スピンコート塗布を行う場合には、前記一般式(1)で表される構造を有する有機材料、及びn型半導体材料が5mg/mL〜40mg/mLの濃度(前記一般式(1)で表される構造を有する有機材料とN型半導体材料と溶媒を含む溶液の体積に対する、前記一般式(1)で表される構造を有する有機材料とN型半導体材料の質量)であることが好ましく、この濃度にすることで均質な光電変換層を容易に作製することができる。
作製した光電変換層に対して、有機溶媒を除去するために、減圧下又は不活性雰囲気下(窒素、アルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行ってもよい。前記アニーリング処理の温度は、40℃〜300℃が好ましく、50℃〜150℃がより好ましい。また、前記アニーリング処理を行うことで、積層した層が界面で互いに浸透して接触する実行面積が増加し、短絡電流を増大させることができる場合がある。なお、前記アニーリング処理は、電極の形成後に行ってもよい。
ここで、本発明の光電変換素子について図面を参照して説明する。
図1は、基板1上に、第一の電極2、電子輸送層3、光電変換層4、正孔輸送層5、第二の電極6が順次設けられた構成である。図2は、基板1上に、第一の電極2、正孔輸送層5、光電変換層4、電子輸送層3、第二の電極6が順次設けられた構成である。
<基板>
本発明に用いられる基板としては、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができる。基板1は透明な材質のものが好ましく、例えばガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。
<電極>
第一の電極及び第二の電極は、少なくともいずれか一方は可視光に対して透明なものを使用し、他方は透明であっても不透明であっても構わない。
前記可視光に対して透明な電極としては、特に制限はなく、通常の光電変換素子又は液晶パネル等に用いられる公知のものを使用でき、例えば、スズドープ酸化インジウム(以下、「ITO」と称する)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、アルミニウムやガリウムがドープされた酸化亜鉛(以下、それぞれを「AZO」、「GZO」と称する)等の導電性金属酸化物が挙げられる。
前記可視光に対して透明な電極の平均厚みは、5nm〜10μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましい。
前記可視光に対して透明な電極は、一定の硬性を維持するため、可視光に透明な材質からなる基板上に設けることが好ましく、電極と基板が一体となっているものを用いることもでき、例えば、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜などが挙げられる。
前記可視光に対して透明な電極は、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものや、カーボンナノチューブ、グラフェン等を透明性を有する程度に積層したものでもよい。これらは1種単独あるいは2種以上の混合、又は積層したものでも構わない。
更に、基板抵抗を下げる目的で、金属リード線等を用いてもよい。前記金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。前記金属リード線は、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
第一の電極及び第二の電極のいずれか一方に不透明な電極を用いる場合としては、例えば、白金、金、銀、銅、Al等の金属やグラファイトが挙げられる。前記不透明な電極の場合、厚みとしては、特に制限はなく、また、1種単独あるいは2種以上の積層構成で用いても構わない。
<電子輸送層>
前記電子輸送層は、特に制限されるものではなく、公知のものを用いることができるが、金属酸化物を含む第一の層と、前記第一の層と前記光電変換層との間に設けられた第二の層からなり、前記第二の層は、下記一般式(6)で示されるアミン化合物を含むことが好ましい。前記第二の層を設けることにより特性を向上させることができる。
<電子輸送層(第一の層)>
電子輸送層を形成する材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子受容性有機材料(例えば、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、フラーレン化合物、CNT、CN−PPV等)、酸化亜鉛、酸化チタン、フッ化リチウム、カルシウム金属等の無機材料をゾルゲル法やスパッタリングで形成して用いることができる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ等の金属酸化物が好ましい。
前記電子輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。
<電子輸送層(第二の層)>
電子輸送層の第一の層上に形成される第二の層は、下記一般式(6)で示されるアミン化合物を含むことが好ましい。
5、及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R5とR6は結合して環を形成する場合を含む。
前記アルキル基は、置換基を有するアルキル基及び置換基を有しないアルキル基を含み、具体的にはメチル基、エチル基、ベンジル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
Xは炭素数が6〜14の2価の芳香族基または炭素数が1〜4のアルキレン基を表す。具体的には2価のベンゼン基、2価のナフタレン基、2価のアントラセン基が挙げられるが、好ましくは2価のベンゼン基である。Aは下記置換基のいずれかを表すが、
好ましくは、−COOHである。
第二の層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、0.1nm〜10nmがより好ましい。
<正孔輸送層>
正孔輸送層を設けて、正孔の収集効率を向上させることができる。具体的には、PEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸)のような導電性高分子、芳香族アミン誘導体のようなホール輸送性有機化合物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル等の正孔輸送性を有する無機化合物をスピンコート、ゾルゲル法やスパッタリングで形成する。本発明においては酸化モリブデンを設けることが好ましい。
前記正孔輸送層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ全面を薄く覆うことが好ましく、1nm〜50nmがより好ましい。
<その他の部材>
本発明の光電変換素子は、前記基板、第一の電極、電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、第二の電極以外に、その他の部材を有していてもよい。前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスバリア層、保護層、バッファ層などが挙げられる。
前記ガスバリア層の材料としては、例えば、窒化珪素、酸化珪素等の無機物などが挙げられる。
本発明の光電変換素子は、1つ以上の中間電極を介して2層以上の光電変換層を積層(タンデム化)して直列接合を形成してもよい。
例えば、基板/第一の電極/正孔輸送層/第一の光電変換層/中間電極/第二の光電変換層/電子輸送層/第二の電極という積層構成などが挙げられる。このように積層することにより、開放電圧を向上させることができる。
このような積層構成の場合には、光電変換層の少なくとも1層が前記一般式(1)で表される有機材料からなる有機材料薄膜を含み、他の層には、短絡電流を低下させないために、前記一般式(1)で表される有機材料とは吸収波長の異なる他の有機材料を含むことが好ましい。
前記他の有機材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物等の高分子材料、各種ポルフィリンやフタロシアニン等の低分子材料などが挙げられる。
<用途>
近年、特に環境発電素子としては、微弱な光でも効率よく発電する光電変換素子が必要とされている。微弱光の代表として、LEDライトや蛍光灯などが挙げられる。それらは主に室内で用いられ、特に室内光と呼ぶ。それらの光の照度は20Luxから1000Lux程度であり、太陽の直射光(およそ100000Lux)と比較し、非常に微弱な光である。
本発明の光電変換素子は、上記室内光のような微弱光の場合であっても高い変換効率を示し、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。このような電源装置を利用している機器類として、例えば、電子卓上計算機や腕時計が挙げられる。この他、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等に本発明の光電変換素子を有する電源装置を適用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として本発明の光電変換素子を有する電源装置を用いることもできる。さらには、イメージセンサーとして応用も可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例I−1
下記のスキームに従い、例示化合物1を合成した。
(1−1) 5'-bromo-3,4'-dihexyl-2,2'-bithiopheneの合成
3,4'-dihexyl-2,2'-bithiophene(5.0g,15mmol)及び脱水DMF(50mL)を−5℃の窒素雰囲気下でシュレンク管に入れ撹拌した。NBS(2.7g,15mmol)をゆっくりと加えた後,2時間撹拌した。反応溶液に水を注ぎヘキサンで抽出後,硫酸ナトリウムで乾燥し,エバポレーターで溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン)で分離し,黄色のオイル(5.9g,収率95%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.16 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 2.70 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.55 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.67-1.55 (m, 4H), 1.39-1.25 (m, 12H), 0.92-0.85 (m, 6H)
(1−2) 5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophene]-5-carbaldehydeの合成
5'-bromo-3,4'-dihexyl-2,2'-bithiophene(3.3g,8.0mmol)及び脱水DMF(25mL)を0℃の窒素雰囲気下でシュレンク管に入れ撹拌した。POCl3(1.8g,12mmol)を加えた後,80℃で24時間撹拌した。反応溶液に水を注ぎクロロホルムで抽出後,硫酸ナトリウムで乾燥し,エバポレーターで溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=1:1)で分離し,暗黄色のオイル(2.0g,収率57%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.82 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 2.74 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.70-1.57 (m, 4H), 1.44-1.23 (m, 12H), 0.96-0.83 (m, 6H)
(1−3) 2-((5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophen]-5-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dioneの合成
5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophene]-5-carbaldehyde(1.6g,3.6mmol)及び1H-indene-1,3(2H)-dione(0.82g,5.4mmol),無水酢酸(10mL)を窒素雰囲気下のシュレンク管に加え,120℃で12時間撹拌した。反応溶液に水を注ぎクロロホルムで抽出後,硫酸ナトリウムで乾燥し,エバポレーターで溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=2:1)で分離し,橙色の固体(1.3g,収率61%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.96 (m, 2H), 7.88 (s, 1H), 7.78 (m, 3H), 7.13 (s, 1H), 2.78 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.59 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.73-1.59 (m, 4H), 1.45-1.26 (m, 12H), 0.91 (m, 6H)
(1−4) 例示化合物1の合成
2-((5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophen]-5-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dione(0.60g,1.1mmol)及び(4,8-bis(5-(2-ethylhexyl)thiophen-2-yl)benzo[1,2-b:4,5-b']dithiophene-2,6-diyl)bis(trimethylstannane)(0.45g,0.5mmol),脱水DMF(20mL),Pd(PPh3)4(0.046g,0.04mmol)を窒素雰囲気下のシュレンク管に加え,85℃で24時間撹拌した。反応溶液にメタノールを注ぎ析出した固体を濾過し,酢酸エチル及びアセトンで洗浄した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム)で分離し,暗紫色の固体である例示化合物1(0.63g,収率80%)を得た。得られた例示化合物1の1H−NMRスペクトルを図3に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.03-7.90 (m, 4H), 7.85 (s, 2H), 7.79-7.74 (m, 6H), 7.71 (s, 2H), 7.38 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 7.30 (s, 2H), 6.95 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 2.98-2.74 (m, 12H), 1.83-1.61 (m, 10H), 1.53-1.26 (m, 40H), 1.00-0.86 (m, 24H)
13C NMR (400 MHz, CDCl3): δ 190.27, 189.66, 146.04, 145.29, 144.78, 142.05, 141.87, 140.93, 140.52, 139.15, 137.00, 136.78, 136.57, 136.63, 135.63, 134.90, 134.66, 134.31, 133.62. 130.94, 127.88, 125.51, 123.86, 123.51, 122.90, 122.74, 122.00, 41.50 , 34.35 , 32.59, 31.64, 31.62, 30.55, 30.00, 29.65, 29.32, 29.15, 28.95, 25.76 , 23.03, 22.63, 22.59, 14.10, 14.09, 14.06, 10.90
MS (MALDI-TOF): m/z 1555.59 [M]+; calcd for C94H106O4S8 1556.07.
実施例I−2
実施例I−1で得られた2-((5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophen]-5-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dioneを用いて、下記例示化合物9を合成した。
(2−1) 例示化合物9の合成
2-((5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophen]-5-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dione(0.84g,1.5mmol)及び(4,8-bis(5-(2-butyloctyl)thiophen-2-yl)benzo[1,2-b:4,5-b']dithiophene-2,6-diyl)bis(trimethylstannane)(0.71g,0.7mmol),脱水DMF(40mL),Pd(PPh3)4(0.032g,0.03mmol)を窒素雰囲気下のシュレンク管に加え,85℃で24時間撹拌した。反応溶液にメタノールを注ぎ析出した固体を濾過し,酢酸エチル及びアセトンで洗浄した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=1:1)で分離し,暗紫色の固体である例示化合物9(0.85g,収率72%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.01-7.90 (m, 4H), 7.87 (s, 2H), 7.79-7.75 (m, 6H), 7.72 (s, 2H), 7.38 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 7.31 (s, 2H), 6.94 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 2.95-2.79 (m, 12H), 1.84-1.62 (m, 10H), 1.47-1.25 (m, 56H), 0.95-0.82 (m, 24H)
13C NMR (400 MHz, CDCl3): 190.28, 189.66, 146.03, 145.28, 144.78, 142.05, 141.89, 140.94, 140.53, 139.18, 137.01, 136.77, 136.56, 135.64, 134.90, 134.67, 134.33, 133.61, 130.93, 127.87, 125.52, 123.88, 123.54, 122.91, 122.74, 122.07, 40.04, 34.76, 33.48, 33.06, 31.91, 31.64, 31.62, 30.55, 30.01, 29.69, 29.63, 29.31, 29.14, 28.91, 26.67, 23.04, 22.67, 22.64, 22.59, 14.15, 14.08
MS (MALDI-TOF): m/z 1667.36 [M]+; calcd for C102H122O4S8 1667.71
実施例I−3
下記スキームに従い、例示化合物6を合成した。
(3−1) (4-hexylthiophen-2-yl)trimethylstannaneの合成
10mLの脱水THFにdiisopropylamine(4mL,28.5mmol)を−10℃で加えた。2.6Mのn−BuLi(ヘキサン溶液)(9.88mL,26.2mmol)をゆっくり滴下し−10℃で30分間撹拌した後,室温に戻しlithium diisopropylamide(LDA)を調製した。脱水THF200mLに3-hexylthiophene (4.03g,23.8mmol)を加え−78℃で30分間撹拌し,LDAをゆっくり滴下し1時間撹拌を行った。trimethyltin chloride(5.69g,28.6mmol)をゆっくり加え−78℃で更に2時間撹拌した後,室温に戻し12時間撹拌した。反応容器に水を加えヘキサンを用いて抽出を行い,溶媒を除去し,真空乾燥を行った後,薄い黄色のオイル(7.92g,収率100%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.19 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 2.64 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.66-1.58 (m, 2H), 1.39-1.21 (m, 6H), 0.92-0.81 (m, 3H), 0.36 (s, 9H)
(3−2) 5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophene]-5-carbaldehydeの合成
5'-bromo-3,4'-dihexyl-2,2'-bithiophene(3.3g,8.0mmol)及び脱水DMF(25mL)を0℃の窒素雰囲気下でシュレンク管に入れ撹拌した。POCl3(1.8g,12mmol)を加えた後,80℃で24時間撹拌した。反応溶液に水を注ぎクロロホルムで抽出後,硫酸ナトリウムで乾燥し,エバポレーターで溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=1:1)で分離し,暗黄色のオイル(2.0g,収率57%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.82 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 2.74 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.70-1.57 (m, 4H), 1.44-1.23 (m, 12H), 0.96-0.83 (m, 6H)
(3−3) 3,4',4''-trihexyl-[2,2':5',2''-terthiophene]-5-carbaldehydeの合成
(4-hexylthiophen-2-yl)trimethylstannane(1.35g,4.08mmol)及び5'-bromo-3,4'-dihexyl-[2,2'-bithiophene]-5-carbaldehyde,脱水トルエン(40mL),Pd(PPh3)4(0.092g,0.08mmol)を窒素雰囲気下のシュレンク管に加え,100℃で12時間撹拌した。反応溶液に水を注ぎクロロホルムで抽出後,硫酸ナトリウムで乾燥し,エバポレーターで溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=2:1)で分離し,黄色のオイル(1.80g,収率84%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.82 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.94 (s, 1H), 2.83-2.74 (m, 4H), 2.64-2.60 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.74-1.61 (m, 6H), 1.43-1.28 (m, 18H), 0.93-0.85 (m, 9H)
(3−4) 5''-bromo-3,4',4''-trihexyl-[2,2':5',2''-terthiophene]-5-carbaldehydeの合成
3,4',4''-trihexyl-[2,2':5',2''-terthiophene]-5-carbaldehyde(1.60g,3.03mmol)及び脱水DMF(40mL)を0℃の窒素雰囲気下でシュレンク管に入れ撹拌した。NBS(0.54g,3.03mmol)をゆっくりと加えた後,2時間撹拌した。
反応溶液に水を注ぎジクロロメタンで抽出後,硫酸ナトリウムで乾燥し,エバポレーターで溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=2:1)で分離し,暗黄色のオイル(1.65g,収率89%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.83 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 2.82-2.78 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.74-2.70 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.59-2.52 (m, J = 7.8 Hz, 2H), 1.71-1.57 (m, 6H), 1.45-1.22 (m, 18H), 0.95-0.84 (m, 9H)
(3−5) 2-((5''-bromo-3,4',4''-trihexyl-[2,2':5',2''-terthiophen]-5-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dioneの合成
5''-bromo-3,4',4''-trihexyl-[2,2':5',2''-terthiophene]-5-carbaldehyde(1.45g,2.38mmol)及び1H-indene-1,3(2H)-dione(0.70g,4.76mmol),無水酢酸(10mL)を窒素雰囲気下のシュレンク管に加え,120℃で12時間撹拌した。反応溶液に水を注ぎクロロホルムで抽出後,硫酸ナトリウムで乾燥し,エバポレーターで溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム:ヘキサン=2:1)で分離し,暗緑色の固体(1.40g,収率80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.99-7.94 (m, 2H), 7.89 (s, 1H), 7.82-7.76 (m, 3H), 7.28 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 2.86-2.82 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.76-2.72 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 2.60-2.56 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 1.75-1.61 (m, 6H), 1.44-1.25 (m, 18H), 0.97-0.86 (m, 9H)
(3−6) 例示化合物6の合成
2-((5''-bromo-3,4',4''-trihexyl-[2,2':5',2''-terthiophen]-5-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dione(0.60g,1.4mmol)及び(4,8-bis(5-(2-ethylhexyl)thiophen-2-yl)benzo[1,2-b:4,5-b']dithiophene-2,6-diyl)bis(trimethylstannane)(0.45g,0.66mmol),脱水DMF(20mL),Pd(PPh3)4(0.031g,0.03mmol)を窒素雰囲気下のシュレンク管に加え,85℃で24時間撹拌した。反応溶液にメタノールを注ぎ析出した固体を濾過し,酢酸エチル及びアセトンで洗浄した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム)で分離し,暗紫色の固体である例示化合物6(0.66g,収率53%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.98-7.94 (m, 4H), 7.88 (s, 2H), 7.80-7.76 (m, 6H), 7.69 (s, 2H), 7.38-7.37 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 7.31 (s, 2H), 7.06 (s, 2H), 6.93-6.92 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 2.93-2.77 (m, 16H), 1.80-1.67 (m, 14H), 1.49-1.31 (m, 52H), 1.00-0.88 (m, 30H)
MS (MALDI-TOF): m/z 1887.75 [M]+; calcd for C114H134O4S10 1887.39.
[実施例II−1]
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g,エタノールアミン(aldrich社製)0.28g,メトキシエタノール(和光社製)10mlを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。ITO基板上に酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分乾燥後、電子輸送層を形成した。
(光電変換層の作製)
例示化合物1を7.5mg、PC71BM(frotier carbon社製)7.5mgをクロロホルム1mlに溶解させ、光電変換層用溶液を作製した。上記記載の電子輸送層上に光電変換層用溶液を膜厚100nmになるようスピンコートを用いて塗布し、光電変換層を形成した。
(正孔輸送層、金属電極の作製)
光電変換層上に酸化モリブデン(高純度化学社製)を20nm、銀を100nm順次真空蒸着にて形成して光電変換素子を作製した。
得た光電変換素子の白色LED照射下(0.07mW/cm2)における変換効率を測定した。
白色LEDはコスモテクノ社製デスクランプCDS−90α、評価機器はNF回路設計ブロック社製太陽電池評価システムAs−510−PV03にて測定した。LED光源の出力の測定はセコニック社製分光色彩照度計C−7000を用いた。結果を表1に示す。
〔実施例II−2〕
実施例II−1において、例示化合物1を9に変えた以外は実施例II−1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−3〕
実施例II−1において、例示化合物1を11に変えた以外は実施例II−1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−4〕
実施例II−1において、PC71BMを下記構造式Aのフラーレン誘導体に変えた以外は実施例II−1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−5〕
実施例II−2において、PC71BMを上記構造式Aのフラーレン誘導体に変えた以外は実施例II−2と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−6〕
実施例II−3において、PC71BMを上記構造式Aのフラーレン誘導体に変えた以外は実施例II−3と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−7〕
実施例II−4において、構造式Aのフラーレン誘導体を下記構造式Bのフラーレン誘導体に変えた以外は実施例II−4と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−8〕
実施例II−5において、構造式Aのフラーレン誘導体を上記構造式Bのフラーレン誘導体に変えた以外は実施例II−5と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−9〕
実施例II−6において、構造式Aのフラーレン誘導体を上記構造式Bのフラーレン誘導体に変えた以外は実施例II−6と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−10〕
実施例II−7において、電子輸送層の作製を以下に変更した以外は実施例II−7と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g,エタノールアミン(aldrich社製)0.28g,メトキシエタノール(和光社製)10mlを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。ITO基板上に酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分乾燥した。その上にジメチルアミノ安息香酸エタノール溶液(1mg/ml)を5000rpmでスピンコートし、電子輸送層を形成した。
〔実施例II−11〕
実施例II−8において、電子輸送層の作製を実施例II−10と同様に変更した以外は実施例II−8と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例II−12〕
実施例II−9において、電子輸送層の作製を実施例II−10と同様に変更した以外は実施例II−9と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例II−7において、例示化合物1を非特許文献1に記載の下記比較化合物1に変更した以外は実施例II−7と同様にして、光電変換素子を作製し、評価した。比較化合物1は非特許文献1に記載の方法で合成した。結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例II−7において、例示化合物1を非特許文献1に記載の下記比較化合物2に変更した以外は実施例II−7と同様にして、光電変換素子を作製し、評価した。比較化合物1は非特許文献1に記載の方法で合成した。結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例1において、電子輸送層を実施例II−10と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
比較例2において、電子輸送層を実施例II−10と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例II−1において、例示化合物1をPTB7(Poly[[4,8-bis[(2-ethylhexyl)oxy]benzo[1,2-b:4,5-b']dithiophene-2,6-diyl][3-fluoro-2-[(2-ethylhexyl)carbonyl]thieno[3,4-b]thiophenediyl]]、1-material社製)6mgに変え,PC71BMを9mgに変え、1,8−ジヨードオクタンを1vol%加え、溶媒をクロロベンゼンに変えた以外は実施例II−1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例6)
比較例5において、電子輸送層を実施例II−10と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例7)
実施例II−1に記載の計測方法にて、パナソニック社製アモルファスシリコン太陽電池AM−1801を評価した。結果を表1に示す。
また、実施例II−1〜II−12で作製した光電変換素子および比較例1〜6で作製した光電変換素子に対してそれぞれ封止後、85℃保存試験を100時間行った。比較例7で用いた太陽電池に関しても同様に保存試験を行った。85℃100時間保存試験後の変換効率をそれぞれ測定し、初期変換効率に対する保持率を算出した。結果を表1に示す。
このように本発明の有機材料を用いて作製した光電変換素子は、比較例の光電変換素子と比較して、0.07mW/cm2の微弱光において変換効率が高く、非常に優れていることが言える。
また、このように本発明の有機材料を用いて作製した光電変換素子は、比較例の光電変換素子と比較して、耐熱性が高く、耐久性の面においても非常に優れていることが言える。
Chem.Mater.2013,25,2274−2281

Claims (6)

  1. 下記化合物2〜5、7〜12のいずれかの化合物からなる有機材料。
  2. 基板上に第一の電極、電子輸送層、光電変換層、正孔輸送層、第二の電極を有する光電変換素子であって、
    前記光電変換層が請求項1に記載の有機材料とN型半導体材料とを含有する光電変換素子。
  3. 前記光電変換層に含有されるN型半導体材料がフラーレン誘導体である請求項に記載の光電変換素子。
  4. 前記フラーレン誘導体が下記一般式(4)で表される化合物である請求項に記載の光電変換素子。
    ただし、一般式(4)中、Y1及びY2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を示し、Arはアリール基を示す。但し、Y1とY2が同時に水素原子であることはない。また、式中
    で表される部分は、炭素原子数60個のフラーレン骨格を示す。
  5. 前記フラーレン誘導体が下記一般式(5)で表される化合物である請求項またはに記載の光電変換素子。
    ただし、一般式(5)中、Zはフェニル基、1−ナフチル基、または2−ナフチル基をす。
  6. 前記電子輸送層が、金属酸化物を含む第一の層と、前記第一の層と前記光電変換層との間に設けられた第二の層からなり、前記第二の層は、下記一般式(6)で示されるアミン化合物を含む請求項のいずれかに記載の光電変換素子。
    ただし、一般式(6)中、R5、及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基をし、Xは炭素数が6〜14の2価の芳香族基または炭素数が1〜4のアルキレン基をす。また、R5とR6は結合して環を形成する場合を含む。Aは下記置換基のいずれかを示す。
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