JP5782703B2 - 高分子化合物及びそれを用いた電子素子 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子化合物及びそれを用いた電子素子に関する。
π共役系構造を含む高分子化合物は、可視光領域及び可視光の周辺領域の光を吸収し、発光特性、導電特性、半導体特性などを有することから、有機エレクトロルミネッセンス素子、スイッチング素子、光電変換素子などの電子素子への適用が検討されている。
π共役系構造を含む高分子化合物であって2種以上の構造単位を有する高分子化合物は、各構造単位に由来する複数の機能を有し、高性能化が見込める化合物として期待されている。そのため、1種類の構造単位のみからなるホモポリマーに比べ、電子素子に好ましい材料として、応用研究が進んでいる。
π共役系構造を含む高分子化合物であって2種類の構造単位を有する高分子化合物としては、式(A)で表される構造単位と式(B)で表される構造単位のみからなる高分子化合物が提案されている(特許文献1)。
Figure 0005782703
(A) (B)
特表2009−506519号公報
しかしながら、上記高分子化合物を含む有機層を有する光電変換素子は、光電変換効率が低いという課題がある。
本発明は、光電変換素子に用いた場合、光電変換素子の光電変換効率が高くなる高分子化合物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は第一に、式(I)で表わされる構造単位及び式(II)で表わされる構造単位を有する高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(I)
(式中、Ar及びArは、同一又は相異なり、3価の複素環基を表す。Zは、2価の基を表す。Yは2価の複素環基を表わす。)
Figure 0005782703
(II)
(式中、Dは、アリーレン基又は縮合環を含有するヘテロアリーレン基を表す。ただし、Yで表わされる2価の複素環基とDで表わされる基とは相異なる。)
本発明は第二に、式(III)で表わされる構造単位及び式(II)で表わされる構造単位を有する高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(III)
(式中、Ar、Ar、Y及びZは前述と同じ意味を表わす。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるZは、同一でも相異なってもよい。)
Figure 0005782703
(II)
(式中、Dは、アリーレン基又は縮合環を含有するヘテロアリーレン基を表す。ただし、Yで表わされる2価の複素環基とDで表わされる基とは相異なる。)
本発明は第三に、式(I)で表わされる構造単位が、式(IV)で表される構造単位である前記高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(IV)
(式中、Xは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。Y及びZは、前述と同じ意味を表す。2個あるXは、同一でも相異なってもよい。)
本発明は第四に、式(III)で表わされる構造単位が、式(V)で表される構造単位である前記高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(V)
(式中、Xは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。Y及びZは、前述と同じ意味を表す。4個あるXは、同一でも相異なってもよい。2個あるZは、同一でも相異なってもよい。)
本発明は第五に、Zで表される2価の基が、式(Z−1)〜式(Z−5)で表される基である前記高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(式中、R〜R10は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。)
本発明は第六に、Yで表される2価の複素環基が、式(Y−1)〜式(Y−5)で表される基である前記高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(式中、X’は、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。R11〜R17は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R11とR12は、連結して環状構造を形成してもよい。X’が複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。)
本発明は第七に、式(II)で表わされる構造単位が、式(D−1)〜式(D−3)で表わされる基である前記高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(式(D−1)〜式(D−3)中、d及びd’環は、置換基を有していてもよい芳香環を表わす。複数個あるd環は、同一でも相異なってもよい。複数個あるd’環は、同一でも相異なってもよい。R21及びR22は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。n1は、1以上の整数を表す。)
本発明は第八に、式(II)で表わされる構造単位が、式(D−4)で表わされる基である前記高分子化合物を提供する。
Figure 0005782703
(式中、d’’環は、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいビフェニル環、置換基を有していてもよいテルフェニル環又は置換基を有していてもよいヘテロ原子を含む縮合環を表わす。)
本発明は第九に、ポリスチレン換算の数平均分子量が3,000以上である前記高分子化合物を提供する。
本発明は第十に、前記高分子化合物を含む薄膜を提供する。
本発明は第十一に、前記高分子化合物と電子受容性化合物とを含む組成物を提供する。
本発明は第十二に、電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である前記組成物を提供する。
本発明は第十三に、前記組成物を含む薄膜を提供する。
本発明は第十四に、前記組成物と溶媒とを含む溶液を提供する。
本発明は第十五に、前記薄膜を用いた電子素子を提供する。
本発明は第十六に、式(VI)で表される化合物を提供する。
Figure 0005782703
(VI)
(式中、Ar及びArは、同一又は相異なり、3価の複素環基を表す。Z’は、2価の炭化水素基を表す。Yは、2価の複素環基を表す。W及びWは、同一又は相異なり、水素原子、ハロゲン原子、有機スズ残基、ボロン酸残基又はホウ酸誘導体残基を表す。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるZ’は、同一でも相異なってもよい。)
本発明は第十七に、式(VI)で表される化合物が、式(VII)で表される化合物である前記化合物を提供する。
Figure 0005782703
(VII)
(式中、Xは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。Y、Z’、W及びWは、前述と同じ意味を表わす。4個あるXは、同一でも相異なってもよい。)
本発明は第十八に、Z’で表される2価の炭化水素基が、式(Z−1)、式(Z−3)又は式(Z−5)で表される基である前記化合物を提供する。
Figure 0005782703
(式中、R、R、R〜R10は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。)
本発明は第十九に、Yで表わされる2価の複素環基が、式(Y−1)〜式(Y−5)で表される基である前記化合物を提供する。
Figure 0005782703
(式中、X’は、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。R11〜R17は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R11とR12は、連結して環状構造を形成してもよい。X’が複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。)
本発明は第二十に、式(VIII)で表される前記化合物を提供する。
Figure 0005782703
(VIII)
(式中、R120〜R125は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。W及びWは、前述と同じ意味を表す。)
本発明は第二十一に、式(IX)で表される化合物を提供する。
Figure 0005782703
(IX)
(式中、R126及びR127は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。W11及びW12は、同一又は相異なり、ボロン酸残基又はホウ酸誘導体残基を表す。)
本発明の高分子化合物は、有機光電変換素子に用いた場合、光電変換効率が高くなるため極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高分子化合物は、式(I)で表わされる構造単位又は式(III)で表される構造単位のいずれかの構造単位と、式(II)で表わされる構造単位とを有する。
Figure 0005782703
(I)
(式中、Ar及びArは、同一又は相異なり、3価の複素環基を表す。Zは、2価の基を表す。Yは、2価の複素環基を表わす。)
Figure 0005782703
(III)
(式(III)中、Ar、Ar、Y及びZは、前述と同じ意味を表す。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるZは、同一でも相異なってもよい。)

Figure 0005782703
(II)
(式中、Dは、アリーレン基又は縮合環を含有するヘテロアリーレン基を表す。ただし、Yで表わされる2価の複素環基とDで表わされる基とは相異なる。)
3価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子3個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は、通常2〜60であり、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜20である。なお複素環に含まれる原子が置換基を有していてもよく、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここで、複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含む有機化合物をいう。3価の複素環基としては、3価の芳香族複素環基が好ましい。
3価の複素環基としては、例えば、以下の基が挙げられる。
Figure 0005782703
Figure 0005782703
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Figure 0005782703
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Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
式(201)〜式(284)中、R’は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R’が置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、アシルオキシ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、シアノ基が挙げられる。置換基が有する炭素数は1〜18が好ましい。R’は、好ましくは、水素原子、炭素数1〜12の置換基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜8の置換基である。
R’’は、同一又は相異なり、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、置換シリル基、アシル基又は1価の複素環基を表す。
ここで、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキル基であってもよい。アルキル基の炭素数は、通常1〜30である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル墓、オクタデシル基、エイコシル基等の鎖状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルコキシ基であってもよい。アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルコキシ基の炭素数は、通常1〜20程度であり、置換基を有していてもよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基が挙げられる。
アルキルチオ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルチオ基であってもよい。アルキルチオ基は、置換基を有していてもよい。アルキルチオ基の炭素数は、通常1〜20程度であり、置換基を有していてもよいアルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
アリール基は、その炭素数が通常6〜60程度であり、置換基を有していてもよい。置換基を有していてもよいアリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
アリールオキシ基は、その炭素数が通常6〜60程度であり、芳香環に含まれる炭素原子が置換基を有していてもよい。置換基を有していてもよいアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。
アリールアルキル基は、その炭素数が通常7〜60程度であり、置換基を有していてもよい。置換基を有していてもよいアリールアルキル基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。
アリールアルコキシ基は、その炭素数が通常7〜60程度であり、置換基を有していてもよい。置換基を有していてもよいアリールアルコキシ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基が挙げられる。
アリールアルキルチオ基は、その炭素数が通常7〜60程度であり、置換基を有していてもよい。置換基を有していてもよいアリールアルキルチオ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基が挙げられる。
置換アミノ基は、その炭素数が通常1〜40程度である。置換基アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
アシルオキシ基は、その炭素数が通常2〜20程度である。アシルオキシ基の具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基が挙げられる。
アミド基は、その炭素数が通常2〜20程度である。アミド基の具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基が挙げられる。
アリールアルケニル基は、通常、その炭素数8〜20であり、アリールアルケニル基の具体例としては、スチリル基が挙げられる。
アリールアルキニル基は、通常、その炭素数8〜20であり、アリールアルキニル基の具体例としては、フェニルアセチレニル基が挙げられる。
置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが挙げられる。
アシル基は、その炭素数が通常2〜20程度である。アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基が挙げられる。
1価の複素環基としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、プラゾリジン、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、チオピラン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、クロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾピラン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、キサンテン、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン、チアントレン、フェノキサチイン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン等の複素環式化合物から水素原子を1個除いた基が挙げられる。1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。
3価の複素環基は、光電変換素子の短絡電流密度の観点からは、式(265)〜式(284)で表わされる基が好ましく、式(265)〜式(274)で表わされる基がより好ましい。
Zで表される2価の基は、式(Z−1)〜式(Z−5)で表される基が好ましい。
Figure 0005782703
式(Z−1)〜式(Z−5)中、R〜R10は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R〜R10が置換基である場合、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基が挙げられる。好ましい置換基は、炭素数6〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基であり、より好ましい置換基は、炭素数6〜18のアルキル基である。
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基の定義、具体例は、前述のR’又はR’’で表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基の定義、具体例と同じである。
Zで表わされる2価の基は、光電変換素子の短絡電流密度の観点からは、式(Z−1)〜(Z−3)、式(Z−5)で表される基が好ましく、式(Z−1)〜(Z−3)で表される基がより好ましく、式(Z−1)、式(Z−2)で表される基がさらに好ましく、式(Z−1)で表される基が特に好ましい。
式(I)で表わされる構造単位は、光電変換素子の短絡電流密度の観点からは、式(IV)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0005782703
(IV)
〔式中、Xは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。Zは、前述と同じ意味を表す。〕
で表わされる置換基は、炭素数1〜30の基が好ましい。該置換基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
式(IV)で表される構造単位は、式(IV−1)で表される構造単位と式(IV−2)で表される構造単位からなる。
Figure 0005782703
(式(IV−1)及び式(IV−2)中、X、Y及びZは、前述と同じ意味を表す。2個あるXは、同一でも相異なってもよい。)
式(IV−1)で表される構造単位は、式(301)〜式(325)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
式中、R48及びR49は、同一又は相異なり、アルキル基を表し、炭素数1〜16のアルキル基が好ましい。該アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基が挙げられる。R50〜R99は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。置換基の具体例は、R〜R10で表される置換基の具体例と同じである。
式(IV−1)で表される構造単位は、式(301)〜式(325)で表される構造単位の中でも、光電変換素子の短絡電流密度の観点からは、式(301)、式(303)、式(306)、式(308)、式(311)、式(313)、式(316)、式(318)で表される構造単位が好ましく、式(301)、式(306)、式(311)、式(316)で表される構造単位がより好ましく、式(301)、式(306)で表される構造単位がさらに好ましく、式(301)で表される構造単位が特に好ましい。
式(IV−2)中、Yで表される2価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、環を構成する炭素数は通常2〜60程度である。
Yで表される2価の複素環基としては、式(Y−1)〜式(Y−5)で表される基が好ましい。
Figure 0005782703
(式中、X’は、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。R11〜R17は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R11とR12は、連結して環状構造を形成してもよい。X’が複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。)
11〜R17が置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、アシルオキシ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、シアノ基、置換シリル基、アシル基、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R11〜R16は、水素原子、炭素数1〜18の置換基が好ましく、水素原子、炭素数6〜16の置換基がより好ましい。R17は、水素原子、フッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。R11とR12は、連結して環状構造を形成してもよい。
アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、アシルオキシ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、シアノ基、置換シリル基、アシル基の定義、具体例は、前述のR’又はR’’で表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、アシルオキシ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、置換シリル基、アシル基の定義、具体例と同じである。
式(Y−1)〜式(Y−4)において、X’は硫黄原子であることが好ましい。式(Y−5)において、X’は−N(R)−であることが好ましい。
11とR12が、連結して環状構造を形成した具体例としては、式(B−1)で表わされる環状構造、式(B−2)で表わされる環状構造が挙げられる。
Figure 0005782703
式(B−1)及び式(B−2)中、X’は、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表し、硫黄原子が好ましい。R35及びR36は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R35及びR36が置換基である場合、該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、1価の複素環基、シアノ基、ハロゲン原子が好ましい。アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子の定義、具体例は、R11で表わされるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子の定義、具体例と同じである。置換基の炭素数は1〜18であることが好ましい。
式(Y−1)〜式(Y−5)で表される構造単位としては、式(y−1)〜(y−10)で表される基が例示される。
Figure 0005782703
式(y−1)〜式(y−10)中、R38〜R45は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R38〜R45が置換基である場合、該置換基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。置換基は、炭素数1〜30の置換基が好ましい。式(y−1)〜式(y−10)で表わされる基の中でも、光電変換素子の短絡電流密度の観点からは、式(y−1)〜式(y−3)、式(y−8)〜式(y−10)で表わされる基が好ましく、式(y−1)、式(y−2)、式(y−3)、式(y−8)、式(y−10)で表わされる基がより好ましく、式(y−1)、式(y−2)で表わされる基がさらに好ましく、式(y−1)で表される基が特に好ましい。
本発明の高分子化合物の好ましい一態様は、式(I−A)で表される繰り返し単位と式(II−A)で表される繰り返し単位とを有する高分子化合物である。式(IV−A)で表される繰り返し単位と式(II−A)で表される繰り返し単位とを有する高分子化合物がより好ましい。
Figure 0005782703
(式(I−A)、式(II−A)及び式(IV−A)中、Ar、Ar、X、Y、Z及びDは、前述と同じ意味を表す。2個あるXは、同一でも相異なってもよい。)
式(III)で表される構造単位を有する高分子化合物は、光電変換素子の短絡電流密度の観点から好ましい。
Figure 0005782703
(III)
(式(III)中、Ar、Ar、Y及びZは、前述と同じ意味を表す。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるZは、同一でも相異なってもよい。)
式(III)で表される構造単位は、光電変換素子の短絡電流密度の観点からは、式(V)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0005782703
(V)
(式(V)中、X、Y及びZは、前述と同じ意味を表す。4個あるXは、同一でも相異なってもよい。2個あるZは、同一でも相異なってもよい。)
式(V)で表される構造単位は、式(501)〜式(600)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
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Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
式(501)〜式(600)中、Rは、水素原子又は置換基を表す。Rが複数個ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Rが置換基である場合、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基などのヘテロアリール基等が挙げられる。置換基がアルキル基又はアルコキシ基である場合、置換基の炭素数は1〜20であることが好ましく、より好ましくは1〜16であり、特に好ましくは6〜16である。
式(501)〜式(600)で表される構造単位の中でも、光電変換素子の短絡電流密度の観点からは、式(501)、式(503)、式(505)、式(507)、式(509)、式(511)、式(521)、式(523)、式(525)、式(527)、式(529)、式(531)、式(541)、式(543)、式(545)、式(547)、式(549)、式(551)、式(561)、式(563)、式(565)、式(567)、式(569)、式(571)、式(581)、式(583)、式(585)、式(587)、式(589)、式(591)で表される構造単位が好ましく、式(501)、式(505)、式(509)、式(521)、式(525)、式(529)、式(541)、式(545)、式(549)、式(561)、式(565)、式(569)、式(581)、式(585)、式(589)で表される構造単位がより好ましく、式(501)、式(505)、式(521)、式(525)、式(541)、式(545)、式(561)、式(565)、式(581)、式(585)で表される構造単位がさらに好ましく、式(501)、式(505)、式(521)、式(525)、式(541)、式(545)、式(581)、式(585)で表される構造単位が特に好ましく、式(501)式(521)、式(541)で表される構造単位がより好ましい。
本発明の高分子化合物の他の好ましい態様は、式(III−A)で表される繰り返し単位と式(II−A)で表される繰り返し単位とを有する高分子化合物である。式(V−A)で表される繰り返し単位と式(II−A)で表される繰り返し単位とを有する高分子化合物がより好ましい。
Figure 0005782703
(式(III−1)、式(II−1)及び式(V−1)中、Ar、Ar、X、Y及びZ、Dは前述と同じ意味を表す。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。4個あるXは、同一でも相異なってもよい。2個あるZは、同一でも相異なってもよい。)
Dで表されるアリーレン基又は縮合環を含有するヘテロアリーレン基の環を構成する炭素数は通常4〜60程度である。
Dで表されるアリーレン基又は縮合環を含有するヘテロアリーレン基としては、式1〜式139で表される基が例示される。
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703

Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
Figure 0005782703
式中、Rは、前述と同じ意味を表す。Rがアルキル基又はアルコキシ基である場合、該基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜16がより好ましく、6〜16がさらに好ましい。Xは炭素原子又は窒素原子を表し、好ましくは窒素原子である。
式1〜式139で表される基の中でも、本発明の高分子化合物を用いて製造した有機光電変換素子の開放端電圧の観点からは、式10、式23〜式29、式32〜式35、式53、式61、式68、式82、式126で表される基が好ましく、式10、式23〜式26、式29、式82、式126で表される基がより好ましく、式10、式24、式25、式29、式126で表される基がさらに好ましい。
Dで表される基の好ましい態様としては、式(D−1)〜式(D−3)で表される基が挙げられる。
Figure 0005782703
(式(D−1)〜式(D−3)中、d及びd’環は、置換基を有していてもよい芳香環を表わす。複数個あるd環は、同一でも相異なってもよい。複数個あるd’環は、同一でも相異なってもよい。R21及びR22は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。n1は、1以上の整数を表す。)
21及びR22が置換基である場合、該置換基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。置換基は、炭素数1〜30の置換基が好ましい。d環又はd’環が置換基を有する場合、該置換基の具体例は、R21で表わされる置換基の具体例と同じ基が挙げられる。
式(D−1)〜式(D−3)中、d環及びd’環は、芳香環を表わす。芳香環としては、ベンゼン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、トリアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ナフタレン環、キノキサリン環などが挙げられる。
Dで表される基の他の好ましい態様としては、式(D−4)で表される基が挙げられる。
Figure 0005782703
(式中、d’’環は、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいビフェニル環、置換基を有していてもよいテルフェニル環又は置換基を有していてもよいヘテロ原子を含む縮合環を表わす。)
d’’環が置換基を有していてもよいヘテロ原子を含む縮合環である場合、ヘテロ原子を含む縮合環としては、ベンゾチアジアゾール環、キノキサリン環が挙げられる。
式(D−1)で表される基は、本発明の高分子化合物を用いて製造した有機光電変換素子の開放端電圧の観点からは、式29、式32、式33、式34で表される基が好ましい。
Figure 0005782703
式(D−2)で表される基は、本発明の高分子化合物を用いて製造した有機光電変換素子の開放端電圧の観点からは、式5、式10、式20、式81、式126で表される基が好ましい。
Figure 0005782703
式(D−3)で表される基は、本発明の高分子化合物を用いて製造した有機光電変換素子の開放端電圧の観点からは、式23、式24で表される基が好ましい。
Figure 0005782703
式(D−4)で表される基は、本発明の高分子化合物を用いて製造した有機光電変換素子の開放端電圧の観点からは、式13、式19、式68、式139で表される基が好ましい。
Figure 0005782703
本発明の高分子化合物は、重量平均分子量が3,000以上の高分子化合物が好ましく、重量平均分子量が3,000〜10,000,000の高分子化合物がより好ましく、重量平均分子量が8,000〜5,000,000の高分子化合物がさらに好ましく、重量平均分子量が10,000〜1,000,000の高分子化合物が特に好ましい。重量平均分子量が3,000より低いと素子作製時に形成した膜に欠陥が生じる場合があり、10,000,000より大きいと溶媒への溶解性や素子作製時の塗布性が低下する場合がある。
本発明における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用い、ポリスチレンの標準試料を用いて算出したポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。
本発明の高分子化合物は光吸収末端波長が700nm以上であることが好ましい。本発明における光吸収末端波長とは以下の方法で求められた値のことを意味する。
測定には、紫外、可視、近赤外の波長領域で動作する分光光度計(例えば、日本分光製、紫外可視近赤外分光光度計JASCO−V670)を用いる。JASCO−V670を用いる場合、測定可能な波長範囲が200〜1500nmであるため、該波長範囲で測定を行う。まず、測定に用いる基板の吸収スペクトルを測定する。基板としては、石英基板、ガラス基板等を用いる。次いで、その基板の上に第1の化合物を含む溶液若しくは第1の化合物を含む溶融体から第1の化合物を含む薄膜を形成する。溶液からの製膜では、製膜後乾燥を行う。その後、薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルを得る。薄膜と基板との積層体の吸収スペクトルと基板の吸収スペクトルとの差を、薄膜の吸収スペクトルとして得る。
該薄膜の吸収スペクトルは、縦軸が第1の化合物の吸光度を、横軸が波長を示す。最も大きい吸収ピークの吸光度が0.5〜2程度になるよう、薄膜の膜厚を調整することが望ましい。吸収ピークの中で一番長波長の吸収ピークの吸光度を100%とし、その50%の吸光度を含む横軸(波長軸)に平行な直線と該吸収ピークとの交点であって、該吸収ピークのピーク波長よりも長波長である交点を第1の点とする。その25%の吸光度を含む波長軸に平行な直線と該吸収ピークとの交点であって、該吸収ピークのピーク波長よりも長波長である交点を第2の点とする。第1の点と第2の点とを結ぶ直線と基準線の交点を光吸収末端波長と定義する。ここで、基準線とは、最も長波長の吸収ピークにおいて、該吸収ピークの吸光度を100%とし、その10%の吸光度を含む波長軸に平行な直線と該吸収ピークの交点であって、該吸収ピークのピーク波長よりも長波長である交点の波長を基準として、基準となる波長より100nm長波長である吸収スペクトル上の第3の点と、基準となる波長より150nm長波長である吸収スペクトル上と第4の点を結んだ直線をいう。
本発明の高分子化合物は、式(I)で表される構造単位を少なくとも1個有していればよい。高分子鎖一本あたり平均2個以上有することが好ましく、高分子鎖一本あたり平均3個以上有することがより好ましい。
本発明の高分子化合物は、素子作製の容易性の観点からは、溶媒への溶解度が高いことが望ましい。具体的には、本発明の高分子化合物が、該高分子化合物を0.01wt%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することが好ましく、0.1wt%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがより好ましく、0.4wt%以上含む溶液を作製し得る溶解性を有することがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物の製造方法としては、特に制限されるものではないが、高分子化合物の合成の容易さからは、Suzukiカップリング反応を用いる方法が好ましい。
Suzukiカップリング反応を用いる方法としては、例えば、式(100):
100−E1−Q200 (100)
〔式中、E1は、式(II)で表される構造単位を表す。Q100及びQ200は、同一又は相異なり、ボロン酸残基(−B(OH))又はホウ酸エステル残基を表す。〕
で表される1種類以上の化合物と、式(200):
1−E2−T2 (200)
〔式中、E2は、式(I)で表される構造単位又は式(III)で表される構造単位を表す。T1及びT2は、同一又は相異なり、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基を表す。〕
で表される1種類以上の化合物とを、パラジウム触媒及び塩基の存在下で反応させる工程を有する製造方法が挙げられる。
この場合、反応に用いる式(200)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計が、式(100)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計に対して、過剰であることが好ましい。反応に用いる式(200)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計を1モルとすると、式(100)で表わされる1種類以上の化合物のモル数の合計が0.6〜0.99モルであることが好ましく、0.7〜0.95モルであることがさらに好ましい。
ホウ酸エステル残基としては、下記式:
Figure 0005782703
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。)
で表される基が例示される。
式(200)における、T1及びT2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ハロゲン原子は、高分子化合物の合成の容易さからは、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、臭素原子がさらに好ましい。
式(200)における、T1及びT2で表されるアルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基が例示される。T1及びT2で表されるアリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基が例示される。T1及びT2で表されるアリールスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基が例示される。
Suzukiカップリング反応に用いるパラジウム触媒は、Pd(0)触媒、Pd(II)触媒が挙げられる。パラジウム触媒の具体例は、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等が挙げられる。反応(重合)操作の容易さ、反応(重合)速度の観点からは、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウムアセテート類が好ましい。
パラジウム触媒の添加量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(100)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001mol〜0.5molであり、好ましくは0.0003mol〜0.1molである。
パラジウム触媒としてパラジウムアセテート類を用いる場合は、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン等のリン化合物をパラジウム触媒の配位子として添加してもよい。配位子の添加量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルであり、好ましくは0.9モル〜20モル、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
Suzukiカップリング反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランが例示される。本発明の高分子化合物の溶解性の観点からは、トルエン、テトラヒドロフランが好ましい。
Suzukiカップリング反応に用いる塩基は、無機塩基、有機塩基、無機塩が挙げられる。無機塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等が挙げられる。有機塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。無機塩としては、例えば、フッ化セシウム等が挙げられる。
塩基の添加量は、式(100)で表される化合物1molに対して、通常、0.5mol〜100mol、好ましくは0.9mol〜20mol、さらに好ましくは1mol〜10molである。塩基は水溶液として加えてもよく、反応を水相と有機相の2相系で行ってもよい。2相系で反応を行う場合は、必要に応じて、第4級アンモニウム塩等の相間移動触媒を加えてもよい。
反応温度は、溶媒にもよるが、通常、50〜160℃程度であり、高分子化合物の高分子量化の観点から、60〜120℃が好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、溶媒を還流させながら反応を行ってもよい。
反応を行う時間(反応時間)は、通常、0.1時間〜200時間程度である。1時間〜30時間程度が効率的で好ましい。
反応は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気下など、Pd(0)触媒が失活しない反応系で行う。例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で、十分脱気された系で行う。具体的には、重合容器(反応系)内の空気を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、この重合容器に、式(100)で表される化合物、式(200)で表される化合物、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を仕込む。さらに、重合容器内の空気を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気したトルエン等の溶媒を加える。その後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した炭酸ナトリウム水溶液等の塩基を反応溶液に滴下する。その後、反応溶液を加熱して昇温し、不活性雰囲気を保持しながら重合を行う。
高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは1×10〜1×10である。ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10以上である場合には、高分子化合物からなる薄膜が強靭になりやすくなる。一方、1×10以下である場合には、高分子化合物の溶媒に対する溶解性が高く、薄膜の作製が容易である。
本発明の高分子化合物の末端に重合活性基が重合後も残っていると、本発明の高分子化合物を用いた素子の特性が低下する可能性があるため、高分子化合物の末端が安定な基で保護されることが好ましい。該安定な基と高分子化合物の末端は、共役結合で結合していることが好ましい。また、ビニレン基を介して該安定な基と高分子化合物の末端が結合していてもよい。
本発明の高分子化合物は、例えば、式(VI)で表される化合物を原料の一つとして用いる重合より合成することが出来る。
Figure 0005782703
(VI)
(式中、Ar及びArは、同一又は相異なり、3価の複素環基を表す。Z’は、2価の炭化水素基を表す。Yは、2価の複素環基を表す。W及びWは、同一又は相異なり、水素原子、ハロゲン原子、有機スズ残基、ボロン酸残基(−B(OH))又はホウ酸誘導体残基を表す。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるArは、同一でも相異なってもよい。2個あるZ’は、同一でも相異なってもよい。)
及びWが、ハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ハロゲン原子は、高分子化合物の合成の容易さからは、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
及びWが、有機スズ残基である場合、W及びWは以下の一般式で表される。
Figure 0005782703
式中、R100は、同一又は相異なり、アルキル基を表す。高分子化合物の合成の容易さからは、アルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、1〜2がより好ましく、1がさらに好ましい。
及びWが、ホウ酸誘導体残基である場合、W及びWは以下の一般式で表される。
Figure 0005782703
式中、R101は、水素原子又はアルキル基を表す。2個のR101は、同一でも相異なっていてもよい。ただし、少なくとも1つのR101はアルキル基である。アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。2つのR101がともにアルキル基である場合、2個のR101が連結し、環状エステル構造を形成してもよい。環状エステル構造は、エチレングリコールエステル構造、1,3−プロパンジオールエステル構造、ピナコールエステル構造、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールエステル構造、1,1−ジメチル−3−メチル−1,3−プロパンジオールエステル構造が好ましく、エチレングリコールエステル構造、1,3−プロパンジオールエステル構造、ピナコールエステル構造がより好ましく、ピナコールエステル構造がさらに好ましい。
及びWで表されるホウ酸誘導体残基としては、式(WB−1)〜式(WB−8)で表される基が例示される。
Figure 0005782703
(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
ホウ酸誘導体残基は、エチレングリコールエステルを含む基(WB−3)、1,3−プロパンジオールエステルを含む基(WB−4)、ピナコールエステルを含む基(WB−7)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールエステルを含む基(WB−5)、1,1−ジメチル−3−メチル−1,3−プロパンジオールエステルを含む基(WB−6)が好ましく、エチレングリコールエステルを含む基、1,3−プロパンジオールエステルを含む基、ピナコールエステルを含む基がより好ましく、ピナコールエステルを含む基がさらに好ましい。
Z’で表される2価の炭化水素基としては、式(Z−1)、式(Z−3)、式(Z−5)で表される基が好ましい。
Figure 0005782703
(式中、R、R、R〜R10は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。)
式(IV)で表される構造単位を有する高分子化合物は、式(VI−1)で表される化合物を酸化重合して製造することもできる。
Figure 0005782703
(VI−1)
(式中、Ar、Ar、Y及びZ’は、前述と同じ意味を表す。)
酸化重合においては、通常触媒が用いられる。触媒としては、公知の触媒が用いられ、金属ハロゲン化物、金属ハロゲン化物とアミン錯体との混合物(金属ハロゲン化物/アミン錯体)等が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、例えば、銅、鉄、バナジウム、クロムなどの金属の1価のハロゲン化物、2価のハロゲン化物、3価のハロゲン化物が挙げられる。金属ハロゲン化物/アミン錯体は、溶媒中、酸素存在下で金属ハロゲン化物とアミンとを混合して製造することができる。混合に用いるアミンに対する金属ハロゲン化物のモル比は、金属ハロゲン化物/アミン=1/0.l〜1/200が好ましく、1/0.3〜1/100がより好ましい。アミンとしては、例えば、ピリジン、ルチジン、2−メチルイミダゾール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。
酸化重合には、塩化鉄を触媒として用いてもよい(Polym. Prep. Japan, Vol.48, 309 (1999))。また、銅/アミン触媒系を用いてもよい(J. Org. Chem.,64, 2264 (1999)、J. Polym. Sci. PartA, Polym. Chem., 37, 3702 (1999))。銅/アミン触媒系を用いると、高分子化合物の分子量を高めることができる。
酸化重合に用いる溶媒としては、触媒が被毒を受けない溶媒であれば特に制限されない。かかる溶媒としては、例えば、炭化水素溶媒、エーテル系溶媒、アルコール類が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、ナフタリン、テトラリンが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、tert−ブチルメチルエーテルが挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノールが挙げられる。
酸化重合の反応温度は、通常−100℃〜100℃であり、−50〜50℃が好ましい。
本発明の高分子化合物は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であっても、交互共重合体であってもよい。共重合体を製造する方法は、モノマーを2種類以上混合して重合する方法、1種類のモノマーを重合した後に2種目のモノマーを添加する方法などが挙げられる。これらの方法を用いること、又は組み合わせることにより、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、マルチブロック共重合体、グラフト共重合体などを製造することが可能である。
本発明の高分子化合物は、式(VI)で表される化合物の一態様である式(VII)で表される化合物を原料の一つとして用いる重合によっても合成することができる。
Figure 0005782703
(VII)
(式中、Xは、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−NH−又は−N(R)−を表す。Rは、置換基を表わす。Y、Z’、W及びWは、前述と同じ意味を表わす。4個あるXは、同一でも相異なってもよい。)
式(VII)で表される化合物は、式(α)で表される化合物と式(β)で表される化合物とをカップリング反応させて製造することができる。
Figure 0005782703
(α) (β)
式(α)及び式(β)中、X、Y、及びZ’は、前述と同じ意味を表す。W〜Wは、同一又は相異なり、水素原子、ハロゲン原子、有機スズ残基、ボロン酸残基又はホウ酸誘導体残基を表す。ハロゲン原子、有機スズ残基、ホウ酸誘導体残基の定義、具体例としては、Wで表されるハロゲン原子、有機スズ残基、ホウ酸誘導体残基の定義、具体例と同じである。
カップリングの方法には、根岸カップリング反応、右田―小杉―Stilleカップリング反応、鈴木―宮浦カップリング反応、熊田―玉尾―Corriuカップリング反応等を用いることができる。
式(VII)で表される化合物の中でも、W及びWを臭素原子である化合物は、カップリング反応に好適に用いることができる。
及びWが水素原子である式(VII)で表される化合物から、W及びWを臭素原子である式(VII)で表される化合物を製造する方法としては、公知の方法を使用することが出来るが、例えば、W及びWが水素原子である式(VII)で表される化合物と臭素又はN−ブロモスクシンイミド(NBS)とを接触させて臭素化する方法が挙げられる。臭素化の条件は任意に設定することができる。溶媒中でW及びWが水素原子である式(VII)で表される化合物とNBSとを反応させる方法は、臭素化率が高く、かつ臭素原子の導入位置の選択性が高くなるために望ましい。該方法に使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素などが挙げられる。反応時間は通常1分から10時間程度であり、反応温度は通常−50℃〜50℃程度である。使用する臭素の量は、W及びWが水素原子である式(VII)で表される化合物1モルに対して1モル〜5モルが好ましい。反応後は、例えば、反応溶液に水を加えて反応を停止した後、生成物を有機溶媒で抽出し、溶媒を留去するなどの通常の後処理を行い、W及びWが臭素原子である式(VII)で表される化合物を得ることができる。生成物の単離後及び精製はクロマトグラフィーによる分取や再結晶などの方法により行うことができる。
式(I)で表される構造単位を有する高分子化合物は、式(VIII)で表される化合物を原料の一つとして用いる重合によっても合成することができる。
Figure 0005782703
(VIII)
式中、R111〜R116は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R111〜R116が置換基である場合、該置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基などのヘテロアリール基等が挙げられる。R111、R112、R115及びR115は、置換基であることが好ましい。置換基がアルキル基、アルコキシ基である場合、炭素数1〜20の基が好ましく、炭素数1〜16の基がより好ましく、炭素数6〜16の基がさらに好ましい。R113及びR114は、水素原子が好ましい。W及びWは、前述と同じ意味を表す。
式(VIII)で表される化合物は、式(γ)で表される化合物と式(ε)で表される化合物とをカップリング反応させて製造することができる。
Figure 0005782703
(γ) (ε)
式(γ)及び式(ε)中、W〜W10は、同一又は相異なり、水素原子、ハロゲン原子、有機スズ残基、ボロン酸残基又はホウ酸誘導体残基を表す。R117〜R120は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R117〜R120が置換基である場合、該置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基などのヘテロアリール基等が挙げられる。R117及びR118は置換基であることが好ましい。置換基がアルキル基及びアルコキシ基である場合、炭素数1〜20の基が好ましく、炭素数1〜16の基がより好ましく、炭素数6〜16の基がさらに好ましい。R119及びR120は水素原子が好ましい。
カップリングの方法には、根岸カップリング反応、右田―小杉―Stilleカップリング反応、鈴木―宮浦カップリング反応及び、熊田―玉尾―Corriuカップリング反応等を用いることができる。
式(VIII)で表される化合物の好ましい製造方法は、Wが水素原子でありWが臭素原子である式(γ)で表される化合物と、W及びW10がホウ酸エステル残基である式(ε)で表される化合物とを、鈴木―宮浦カップリング反応で反応させて製造する方法である。
式(126)で表される基を含む高分子化合物を、鈴木―宮浦カップリング反応を用いて製造する場合、式(IX)で表される化合物を用いて製造することが好ましい。
Figure 0005782703
(IX)
式中、R126及びR127は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R126及びR127が置換基である場合、該置換基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、チエニル基などのヘテロアリール基等が挙げられる。置換基がアルキル基及びアルコキシ基である場合、炭素数1〜20の基が好ましく、炭素数1〜16の基がより好ましく、炭素数6〜16の基がさらに好ましい。W11及びW12は、同一又は相異なり、ボロン酸残基又はホウ酸誘導体残基を表す。W11及びW12で表されるホウ酸誘導体残基の定義、具体例は、前述のW及びWで表されるホウ酸誘導体残基の定義、具体例と同じである。
本発明の高分子化合物は、高い電子及び/又はホール輸送性を発揮し得ることから、該化合物を含む有機薄膜を素子に用いた場合、電極から注入された電子やホール、或いは、光吸収によって発生した電荷を輸送することができる。これらの特性を活かして光電変換素子、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子等の種々の電子素子に好適に用いることができる。以下、これらの素子について個々に説明する。
<光電変換素子>
本発明の高分子化合物を有する光電変換素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極間に、本発明の高分子化合物を含む1層以上の活性層を有する。
本発明の高分子化合物を有する光電変換素子の好ましい形態としては、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、p型の有機半導体とn型の有機半導体との有機組成物から形成される活性層を有する。本発明の高分子化合物は、p型の有機半導体として用いることが好ましい。
光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
本発明の高分子化合物を有する光電変換素子の他の態様は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極間に、本発明の高分子化合物を含む第1の活性層と、該第1の活性層に隣接して、フラーレン誘導体等の電子受容性化合物を含む第2の活性層を含む光電変換素子である。
透明又は半透明の電極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性材料を用いて作製された膜、NESA、金、白金、銀、銅が用いられる。該材料としては、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
一方の電極は透明でなくてもよく、該電極の電極材料として、金属、導電性高分子等を用いることができる。電極材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、2つ以上の前記金属からなる合金、1種以上の前記金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体が挙げられる。合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
光電変換効率を向上させるための手段として、活性層以外の付加的な中間層を使用してもよい。中間層に用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化チタン等の酸化物、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが挙げられる。
<活性層>
活性層に含まれる本発明の高分子化合物は、一種類であっても二種以上であってもよい。また、活性層のホール輸送性を高めるため、活性層中に電子供与性化合物及び/又は電子受容性化合物として、本発明の高分子化合物以外の化合物が含まれていてもよい。なお、電子供与性化合物、電子受容性化合物は、これらの化合物のエネルギー準位のエネルギーレベルから相対的に決定される。
電子供与性化合物としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体が挙げられる。
電子受容性化合物としては、例えば、カーボンナノチューブ等の炭素材料、酸化チタン等の金属酸化物、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)等のフェナントロリン誘導体、フラーレン、フラーレン誘導体が挙げられ、好ましくは、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレン、フラーレン誘導体であり、特に好ましくはフラーレン、フラーレン誘導体である。
フラーレン、フラーレン誘導体としてはC60、C70、C76、C78、C84及びその誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
フラーレン誘導体としては、例えば、式(X)で表される化合物、式(XI)で表される化合物、式(XII)で表される化合物、式(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005782703

(X) (XI) (XII) (XIII)

(式(X)〜(XIII)中、Rは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はエステル構造を有する基である。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。Rはアルキル基又はアリール基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。)
及びRで表されるアルキル基は、その炭素数が通常1〜20である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。
及びRで表されるアリール基は、その炭素数が通常6〜60である。アリール基は置換基を有していてもよい。アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、トリル基、キシリル基が挙げられる。
で表されるヘテロアリール基は、通常、炭素数が3〜60であり、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。
で表されるエステル構造を有する基は、例えば、式(XIV)で表される基が挙げられる。
Figure 0005782703
(XIV)
(式中、u1は、1〜6の整数を表す、u2は、0〜6の整数を表す、Rは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
で表されるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基の定義、具体例は、Rで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基の定義、具体例と同じである。
60フラーレンの誘導体の具体的構造としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 0005782703
70フラーレンの誘導体の具体的構造としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 0005782703
また、フラーレン誘導体の例としては、[6,6]フェニル−C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]-Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C71酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]-Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C85酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]-Phenyl C85 butyric acid methyl ester)、[6,6]チエニル−C61酪酸メチルエステル([6,6]-Thienyl C61 butyric acid methyl ester)などが挙げられる。
活性層中に本発明の高分子化合物とフラーレン誘導体とを含む場合、フラーレン誘導体の量は、本発明の高分子化合物100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、20〜500重量部であることがより好ましい。
活性層の厚さは、1nm〜100μmが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、より好ましくは20nm〜200nmである。
活性層の製造方法は、如何なる方法で製造してもよく、例えば、高分子化合物を含む溶液からの成膜や、真空蒸着法による成膜方法が挙げられる。
<光電変換素子の製造方法>
光電変換素子の好ましい製造方法は、第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有する素子の製造方法であって、該第1の電極上に本発明の高分子化合物と電子受容性化合物と溶媒とを含む溶液(インク)を塗布法により塗布して活性層を形成する工程、該活性層上に第2の電極を形成する工程を有する素子の製造方法である。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、本発明の高分子化合物を溶解させるものであればよい。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。本発明の高分子化合物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液を用いて成膜する場合、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットコート法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スリットコート法、キャピラリーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、インクジェットコート法、スピンコート法が好ましい。
成膜性の観点からは、25℃における溶媒の表面張力が15mN/mより大きいことが好ましく、15mN/mより大きく100mN/mよりも小さいことがより好ましく、25mN/mより大きく60mN/mよりも小さいことがさらに好ましい。
<光電変換素子の用途>
本発明の高分子化合物を用いた光電変換素子は、透明又は半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明又は半透明の電極から光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
上述の有機薄膜トランジスタは、例えば電気泳動ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画面輝度の均一性や画面書き換え速度を制御するために用いられる画素駆動素子等として用いることができる。
<太陽電池モジュール>
有機薄膜太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の有機薄膜太陽電池も使用目的や使用場所及び環境により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
代表的なスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプのモジュールは、片側 又は両側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定間隔にセルが配置され、隣り合うセル同士が金属リード又はフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、発生した電力を外部に取り出される構造となっている。基板とセルの間には、セルの保護や集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルム又は充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、又は上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周囲は、内部の密封及びモジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチ状に固定し、支持基板とフレームの間は封止材料で密封シールする。また、セルそのものや支持基板、充填材料及び封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池を構成することもできる。
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出しながら順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより電池本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48,p383-391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた太陽電池は曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
<有機エレクトロルミネッセンス素子>
本発明の高分子化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に用いることもできる。有機EL素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極間に発光層を有する。有機EL素子は、発光層の他にも、正孔輸送層、電子輸送層を含んでいてもよい。該発光層、正孔輸送層、電子輸送層のいずれかの層中に本発明の高分子化合物が含まれる。発光層中には、本発明の高分子化合物の他にも、電荷輸送材料(電子輸送材料と正孔輸送材料の総称を意味する)を含んでいてもよい。有機EL素子としては、陽極と発光層と陰極とを有する素子、さらに陰極と発光層の間に、該発光層に隣接して電子輸送材料を含有する電子輸送層を有する陽極と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子、さらに陽極と発光層の間に、該発光層に隣接して正孔輸送材料を含む正孔輸送層を有する陽極と正孔輸送層と発光層と陰極とを有する素子、陽極と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子等が挙げられる。
<有機トランジスタ>
本発明の高分子化合物は、有機薄膜トランジスタにも用いることができる。有機薄膜トランジスタとしては、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となる有機半導体層(活性層)と、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備えた構成を有するものが挙げられ、有機半導体層が上述した有機薄膜によって構成されるものである。このような有機薄膜トランジスタとしては、電界効果型、静電誘導型等が挙げられる。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、有機半導体層とゲート電極との間に配置される絶縁層を備えることが好ましい。
特に、ソース電極及びドレイン電極が、有機半導体層(活性層)に接して設けられており、さらに有機半導体層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが好ましい。電界効果型有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層が、本発明の高分子化合物を含む有機薄膜によって構成される。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、並びに電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を有し、このゲート電極が有機半導体層中に設けられていることが好ましい。特に、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層中に設けられたゲート電極が、有機半導体層に接して設けられていることが好ましい。ここで、ゲート電極の構造としては、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成され、且つゲート電極に印加した電圧で電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし形電極が挙げられる。静電誘導型有機薄膜トランジスタにおいても、有機半導体層が、本発明の高分子化合物を含む有機薄膜によって構成される。
本発明の高分子化合物を静電誘導型有機薄膜トランジスタとして用いる場合、トランジスタ特性向上の観点からは、式(Z−1)〜式(Z−5)中のR〜R10は、直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数3〜20の直鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数6〜18の直鎖のアルキル基がさらに好ましい。
Figure 0005782703
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(NMR測定)
NMR測定は、化合物を重クロロホルムに溶解させ、NMR装置(Varian社製、INOVA300)を用いて行った。
(数平均分子量及び重量平均分子量の測定)
数平均分子量及び重量平均分子量については、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)によりポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。測定する高分子化合物は、約0.5重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに30μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.6mL/分の流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。
合成例1
(化合物2の合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコに、化合物1(2.674g、15.00mmol)、ブロモオクタン(6.083g、31.50mmol)、ヨウ化カリウム(62.25mg、2.5mol%)、ジメチルスルホキシド(50mL)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。アイスバスを用いて0℃まで冷却後、水酸化カリウム(2.525g、45.00mmol)を加え、6日間反応させた。反応溶液を液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し、原料の消失を確認した。
その後、反応溶液に純水を加え、ヘキサンを用いて有機層の抽出を行った。その後、展開溶媒にヘキサンを用いたカラムで有機層の分離を行い、分離して得られた成分を乾燥させることで、化合物2を4.11g得た。
合成例2
(化合物3の合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコに、化合物2(4.11g、10.2mmol)、N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)(200mL)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。−20℃まで冷却後、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(1.91g、10.71mmol)を加え、6時間かけて室温(25℃)まで昇温した。昇温中、さらにNBS(182mg、1.02mmol)を2回加えた。
その後、反応溶液に純水を加え、ジエチルエーテルを用いて有機層の抽出を行った。その後、展開溶媒にヘキサンを用いたカラムで有機層の分離を行い、分離して得られた成分を乾燥させることで、化合物3を3.17g得た。
実施例1
(化合物5の合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコに、化合物4(1.173g、3.021mmol)、化合物3 (3.178g、6.042mmol)、トルエン(90mL)及びメチルトリアルキルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、アルドリッチ社製)(606mg、1.50mmol)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。90℃に昇温後、酢酸パラジウム(6.7mg、1mol%)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(37.0mg、3.5mol%)を加えた。その後、100℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウム水溶液(16.7wt%、19.0g、30.0 mmol)を30分かけて滴下した。2時間後、応溶液をHPLCで分析し、化合物3の消失を確認した。なお反応はアルゴン雰囲気下で行った。
その後、反応液に純水を加え、トルエン層を分離後乾燥し、反応生成物を得た。その後、ヘキサンを展開溶媒に用いたカラムで反応生成物の分離を行うことで、化合物5を1.196g得た。
1H-NMR(CDCl3, δ(ppm)) : 0.822(t, 12H), 1.055(m, 8H), 1.167(m, 40H),1.919(t, 8H), 6.981(d, 2H), 7.234(d, 2H), 7.852(s, 2H), 8.046(s, 2H)
実施例2
(化合物6の合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコに、化合物5(1.190g、1.269mmol)、DMF(15mL)及びテトラヒドロフラン(THF)(15mL)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。−60℃まで冷却後、NBS(474.3mg、2.665mmol)を加え、6時間かけて0℃まで昇温した。昇温中、さらにNBS(22.6mg、0.127mmol)を2回加えた。
その後、反応溶液に純水を加え、ヘキサンを用いて有機層の抽出を行った。その後、展開溶媒にヘキサンを用いたカラムで有機層の分離を行い、分離して得られた成分を乾燥させることで、化合物6を1.612g得た。
1H-NMR(CDCl3, δ(ppm)) : 0.829(t, 12H), 1.026(m, 8H), 1.169(m, 40H), 1.876(t, 8H), 6.990(s, 2H), 7.837(s, 2H), 8.009(s, 2H)
実施例3
(重合体Aの合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコに、化合物7(157.8mg、0.298mmol)、化合物6 (343.2mg、0.313mmol)、トルエン(10mL)及びメチルトリアルキルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、アルドリッチ社製)(60.6mg、0.15mmol)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。90℃に昇温後、酢酸パラジウム(0.67mg、1mol%)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.70mg、3.5mol%)を加えた。その後、100℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウム水溶液(16.7wt%、1.90g、3.00mmol)を30分かけて滴下した。4時間後、フェニルホウ酸(3.66mg、0.03mmol)、酢酸パラジウム(0.67mg、1mol%)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.70mg、3.5mol%)を加え、さらに1時間攪拌した後、反応を停止した。なお、反応はアルゴン雰囲気下で行った。
その後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(1g)及び純水(10mL)を加え、1時間還流しながら攪拌を行った。反応液中の水層を除去後、有機層を水10mlで2回、酢酸水溶液(3重量(wt)%)10mLで2回、さらに水10mLで2回洗浄し、メタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、得られたポリマーをトルエン(15mL)に再溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムを通し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーろ過後、乾燥し、重合体Aを160mg得た。
GPCで測定した重合体Aの分子量(ポリスチレン換算)は、重量平均分子量(Mw)が98,000、数平均分子量(Mn)が49,000であった。
重合体Aは、式(IV)で表される構成単位と(II)で表される構成単位からなる。式6−aで表される構成単位は式(IV)で表される構成単位の一態様であり、式7−aで表される構成単位は式(II)で表される構成単位の一態様である。
Figure 0005782703
(IV) (II)

Figure 0005782703
実施例4
(重合体Bの合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコを用いて、特開2004−168999号公報の実施例10の記載に従って合成した化合物8(83.6mg、0.158mmol)、化合物6 (181.9mg、0.166mmol)、トルエン(10mL)及びメチルトリアルキルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、アルドリッチ社製)(60.6mg、0.15mmol)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。90℃に昇温後、酢酸パラジウム(0.67mg、1mol%)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.70mg、3.5mol%)を加えた。その後、100℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウム水溶液(16.7wt%、1.90g、3.00mmol)を30分かけて滴下した。4時間後、フェニルホウ酸(3.66mg、0.03mmol)、酢酸パラジウム(0.67mg、1mol%)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.70mg、3.5mol%)を加え、さらに1時間攪拌した後、反応を停止した。なお、反応はアルゴン雰囲気下で行った。
その後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(1g)及び純水(10mL)を加え、1時間還流しながら攪拌を行った。反応液中の水層を除去後、有機層を水10mlで2回、酢酸水溶液(3wt%)10mLで2回、さらに水10mLで2回洗浄し、メタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、得られたポリマーをトルエン(15mL)に再溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムを通し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーろ過後、乾燥し、重合体Bを89mg得た。
GPCで測定した重合体Bの分子量(ポリスチレン換算)は、Mwが51,000、Mnが15,000であった。
重合体Bは、式(IV)で表される構成単位と(II)で表される構成単位からなる。式6−aで表される構成単位は式(IV)で表される構成単位の一態様であり、式8−aで表される構成単位は式(II)で表される構成単位の一態様である。
Figure 0005782703
(IV) (II)

Figure 0005782703
実施例5
(化合物10の合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコを用いて、化合物9(6.847g、10.00mmol)、ビスピナコラートジボロン(10.16g、40.00mmol)及びジオキサン (150mL)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。ジフェニルホスフィノフェロセンパラジウムジクロリド(408.3mg、5mol%)、ジフェニルホスフィノフェロセン (277.2mg、5mol%)及び酢酸カリウム (3.926g、40.00mmol)を加えた後、加熱環流を10時間行った。反応後、反応液をHPLCで分析し、原料の消失を確認した。
その後、フィルターを用いて反応溶液に難溶である塩基を分離した。次いで、溶液をエバポレータで30分程乾燥させ、ジオキサンを取り除いた。その後、展開溶媒にヘキサンを用いたカラムを用いて反応生成物の分離を行い、分離して得られた成分のメタノール洗浄を3時間行うことで、淡褐色粉末を得た。該粉末をヘキサン(100 mL)に溶解させた後、エタノール(100 mL)を加えた状態で放置することで再結晶を行い、化合物10を1.386g得た。
1H-NMR(CDCl3, δ(ppm)) : 0.880 (t, 6H), 1.261 (m, 36H) , 1.409 (m, 24H) , 1.793 (m, 4H) , 3.208 (t, 4H) , 8.022 (s, 2H)
実施例6
(重合体Cの合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコを用いて、化合物10(91.2mg、0.117mmol)、化合物6 (135.0mg、0.123mmol)、トルエン(10mL)及びメチルトリアルキルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、アルドリッチ社製)(60.6mg、0.15mmol)を加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。90℃に昇温後、酢酸パラジウム(0.67mg、1mol%)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.70mg、3.5mol%)を加えた。その後、100℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウム水溶液(16.7wt%、1.90g、3.00mmol)を30分かけて滴下した。4時間後、フェニルホウ酸(3.66mg、0.03mmol)、酢酸パラジウム(0.67mg、1mol%)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.70mg、3.5mol%)を加え、さらに1時間攪拌した後、反応を停止した。なお、反応はアルゴン雰囲気下で行った。
その後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(1g)及び純水(10mL)を加え、1時間還流しながら攪拌を行った。反応液中の水層を除去後、有機層を水10mlで2回、酢酸水溶液(3wt%)10mLで2回、さらに水10mLで2回洗浄し、メタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、得られたポリマーをトルエン(15mL)に再溶解させ、アルミナ/シリカゲルカラムを通し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーろ過後、乾燥し、重合体Cを60mg得た。
GPCで測定した重合体Cの分子量(ポリスチレン換算)は、Mwが29,000、Mnが15,000であった。
重合体Cは式(IV)で表される構成単位と(II)で表される構成単位からなる。式6−aで表される構成単位は式(IV)で表される構成単位の一態様であり、式10−aで表される構成単位は式(II)で表される構成単位の一態様である。
Figure 0005782703
(IV) (II)

Figure 0005782703
合成例3
(化合物12の合成)
Figure 0005782703
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、化合物1(1.78g、10.0mmol)、2−エチルヘキシルブロミド(5.83g、25.0mmol)、ヨウ化カリウム(41.5mg、0.25mmol)、水酸化カリウム(1.68g、30.0mmol)を入れ、ジメチルスルホキシド(35mL)に溶解させて、室温(25℃)で24時間攪拌した。反応後、水100mLを加え、ヘキサンで生成物を抽出し、シリカゲルカラム(展開溶媒はヘキサン)で精製を行い、化合物12を2.61g得た。
合成例4
(化合物13の合成)
Figure 0005782703
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、合成例3で合成した化合物12(1.31g、3.25mmol)及び、DMF(25mL)を加え、フラスコを0℃に冷却して、NBS(1.21g)を加え、12時間攪拌した。反応液中に水100mLを入れて反応を停止し、エーテルで生成物を抽出した。シリカゲルカラム(展開溶媒はヘキサン)で精製を行い、化合物13を1.70g得た。
合成例5
(重合体Dの合成)
Figure 0005782703
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、合成例4で合成した化合物13(561mg、1.00mmol)、化合物4(4,7−bis(4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolan−2−yl)−2,1,3−benzothiadiazole)(Aldrich社製)(388.1mg、1.00mmol)、メチルトリアルキルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、アルドリッチ社製)202mgを加え、トルエン20mlに溶解させ、得られたトルエン溶液をアルゴンで30分バブリングした。その後、酢酸パラジウム2.25mg、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(Tris(2−methoxyphenyl)phosphine)12.3mg、炭酸ナトリウム水溶液(16.7wt%)6.5mLを加え、100℃で5時間攪拌を行った。その後、フェニルホウ酸50mgを加え、さらに70℃で2時間反応させた。その後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム2gと水20mLを加え、2時間還流下で攪拌を行った。反応液中の水層を除去後、有機層を水20mlで2回、酢酸水溶液(3wt%)20mLで2回、さらに水20mLで2回洗浄し、メタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン30mLに再度溶解し、アルミナ/シリカゲルカラムを通し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーをろ過後、乾燥し、精製した重合体280mgを得た。以下、この重合体を重合体Dと呼称する。GPCで測定した重合体Dの分子量(ポリスチレン換算)はMwが30,000、Mnが14,000であった。
実施例7
(重合体Eの合成)
Figure 0005782703
四つ口フラスコに、化合物15(64.8mg、0.177mmol)、化合物6 (203.9mg、0.186mmol)及び、テトラヒドロフラン(10mL)を入れ、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。その後、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(5.49mg、0.006mmol)、[トリ(ターシャリーブチル)ホスホニウム]テトラフルオロボレート(6.96mg、0.024mmol)を加えた。80℃で攪拌しながら、27.6wt%の炭酸カリウム水溶液(1.50g、3.00mmol)を30分かけて滴下した。15分後、フェニルホウ酸(3.66mg、0.03mmol)を加え、さらに1時間攪拌した後、反応を停止した。なお、反応はアルゴン雰囲気下で行った。
その後、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(1g)及び純水(10mL)を加え、1時間還流しながら攪拌を行った。反応液中の水層を除去後、有機層を水10mlで2回、3重量(wt)%の酢酸水溶液10mLで2回、さらに水10mLで2回洗浄し、メタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、得られたポリマーをトルエンに溶解させた。トルエン溶液をアルミナ/シリカゲルカラムに通し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、重合体Eを64mg得た。
GPCで測定した重合体Eの分子量(ポリスチレン換算)は、重量平均分子量(Mw)が8,000、数平均分子量(Mn)が6,000であった。
重合体Eは式(IV)で表される構成単位と(II)で表される構成単位からなる。式6−aで表される構成単位は式(IV)で表される構成単位の一態様であり、式15−aで表される構成単位は式(II)で表される構成単位の一態様である。
Figure 0005782703
(IV) (II)

Figure 0005782703
実施例8
(インク及び有機薄膜太陽電池の作製、評価)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板を、オゾンUV処理して表面処理を行った。次に、重合体A及びフラーレンC60PCBM(フェニルC61−酪酸メチルエステル)(phenyl C61-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製)(重合体A/C60PCBMの重量比=1/3)をオルトジクロロベンゼンに溶解し(重合体AとC60PCBMとの重量の合計は2.0重量%)、インク1を製造した。該インク1を用い、スピンコートによりガラス基板上に塗布して、重合体Aを含む有機膜を作製した(膜厚約100nm)。このようにして作製した有機膜の光吸収端波長は750nmであった。その後、有機膜上に真空蒸着機によりフッ化リチウムを厚さ2nmで蒸着し、次いでAlを厚さ100nmで蒸着し、有機薄膜太陽電池を製造した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正四角形であった。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して光電変換効率、短絡電流密度、開放端電圧、フィルファクターを求めた。Jsc(短絡電流密度)は5.46mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.70Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.47であり、光電変換効率(η)は1.80%であった。結果を表1に表す。
実施例9
重合体Aにかえて重合体Bを用いた以外は実施例8と同様の方法でインク及び有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。Jsc(短絡電流密度)は4.85mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.72Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.45であり、光電変換効率(η)は1.57%であった。結果を表1に表す。
実施例10
重合体Aにかえて重合体Eを用いた以外は実施例8と同様の方法でインク及び有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。Jsc(短絡電流密度)は9.90mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.61Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.44であり、光電変換効率(η)は2.64%であった。結果を表1に表す。
比較例1
重合体Aにかえて重合体Dを用いた以外は実施例8と同様の方法でインク及び有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。Jsc(短絡電流密度)は4.61mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は0.60Vであり、ff(フィルファクター(曲線因子))は0.33であり、光電変換効率(η)は0.91%であった。結果を表1に表す。
表1.光電変換素子評価結果
Figure 0005782703
実施例11
(有機トランジスタの作製)
厚さ300nmの熱酸化膜を有する高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板をアセトン中で10分間超音波洗浄した後、オゾンUVを20分間照射した。その後、トルエン10mlに5滴(シリンジで採取して滴下)の割合で希釈したベータフェネチルトリクロロシランをスピンコートすることにより熱酸化膜表面をシラン処理した。
次に実施例6で製造した重合体Cを、クロロホルムに溶解し、重合体Cの濃度が0.5重量%の溶液を調製し、該溶液をメンブランフィルターでろ過して塗布液を作製した。該塗布液を、上記表面処理した基板上にスピンコート法により塗布し、重合体Cの塗布膜(厚み:約60nm)を形成した。さらに該塗布膜を窒素雰囲気中で120℃にて30分熱処理することにより、重合体Cの有機半導体薄膜を形成した。
更に、メタルマスクを用いた真空蒸着法により、有機半導体薄膜上に、有機半導体薄膜側から三酸化モリブデン及び金の積層構造を有するソース電極及びドレイン電極を作製することにより、有機トランジスタを製造した。
実施例12
(有機トランジスタの評価)
有機トランジスタの電気特性を、半導体パラメータ4200(KEITHLEY社製)を用いて測定した。その結果、ドレイン電圧(Vd)に対するドレイン電流(Id)の変化曲線は、良好であり、ゲート電極に印加する負のゲート電圧を増加させると、負のドレイン電流も増加することから、有機トランジスタは、p型の有機トランジスタであることを確認することができた。有機トランジスタにおけるキャリアの飽和電界効果移動度μは、有機トランジスタの電気特性の飽和領域におけるドレイン電流Idを表す下記式(a)を用いて算出した。
Id=(W/2L)μCi(Vg−Vt) ・・・(a)
(式中、Lは有機トランジスタのチャネル長、Wは有機トランジスタのチャネル幅、Ciはゲート絶縁膜の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vtはゲート電圧のしきい値電圧を表す。)
その結果、キャリアの電界効果移動度(キャリア移動度)は2.35×10−2cm/Vsであり、オン/オフ電流比は10であった。
実施例13
重合体Cにかえて重合体Aを用いた以外は、実施例11と同様の方法で有機トランジスタ素子を作製し、実施例12と同様の方法でトランジスタ特性を評価した。キャリア移動度は3.84×10−3cm/Vsであり、オン/オフ電流比は10であった。
実施例14
重合体Cにかえて重合体Eを用いた以外は、実施例11と同様の方法で有機トランジスタ素子を作製し、実施例12と同様の方法でトランジスタ特性を評価した。キャリア移動度は1.62×10−3cm/Vsであり、オン/オフ電流比は10であった。
比較例2
重合体Cにかえて重合体Dを用いた以外は、実施例11と同様の方法で有機トランジスタ素子を作成し、実施例12と同様の方法でトランジスタ特性を評価した。キャリア移動度は1.57×10−3cm/Vsであり、オン/オフ電流比は10であった。
表2.有機トランジスタ素子評価結果
Figure 0005782703

Claims (9)

  1. 式(V−A)で表される繰り返し単位と式(II−A)で表される繰り返し単位とを有する高分子化合物。
    Figure 0005782703

    (式中、Xは、硫黄原子を表す。Yは、下記式(Y−1)で表される基を表す。Zは、下記式(Z−1)で表される基を表す。Dは,下記式25、式29、式126または式139で表される基を表す。2個あるZは、同一でも相異なってもよい。)
    Figure 0005782703

    Figure 0005782703

    (式中、Rは、水素原子又は置換基を表す。複数個あるRは、同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0005782703

    (式中、X’は、硫黄原子を表す。R11およびR12は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。R11とR12は、連結して環状構造を形成してもよい。)

    Figure 0005782703

    (式中、RおよびRは、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。)
  2. ポリスチレン換算の数平均分子量が3,000以上である請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 請求項1又は2に記載の高分子化合物を含む薄膜。
  4. 請求項1又は2に記載の高分子化合物と電子受容性化合物とを含む組成物。
  5. 電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項4又は5に記載の組成物を含む薄膜。
  7. 請求項4又は5に記載の組成物と溶媒とを含む溶液。
  8. 請求項3又は6に記載の薄膜を用いた電子素子。
  9. 式(VIII)で表される化合物。
    Figure 0005782703
    (VIII)
    (式中、R120〜R125は、同一又は相異なり、水素原子又は置換基を表す。W及びWは、同一又は相異なり、ハロゲン原子を表す。)
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