JP6699418B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。ここでいう光電変換素子とは、光エネルギーを電気エネルギーに変換する素子又は電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を意味し、具体的には太陽電池、フォトダイオード等が挙げられる。
近年、電子回路における駆動電力が非常に小さくなり、来たるIoT社会に向けて微弱な電力(μWオーダー)でもセンサ等の様々な電子部品を駆動できるようになった。更にセンサの活用に際し、その場で発電し消費できる自立電源として環境発電素子への応用が期待されており、その中でも光電変換素子は、光があればどこでも発電できる素子として注目を集めている。特に微弱な光でも効率よく発電できる光電変換素子が必要とされている。微弱光の代表としてはLEDライトや蛍光灯などが挙げられる。それらは主に室内で用いられるので、特に室内光と呼ぶ。それらの光の照度は20Luxから1000Lux程度であり、太陽の直射光(およそ100000Lux)と比べて非常に微弱な光である。環境発電素子においては特に蛍光灯やLEDランプなどの室内光で効率よく発電できる素子が求められている。
光電変換素子としてはシリコン系太陽電池が最も普及しており、太陽光下での変換効率の高いものが多く報告されている(例えば非特許文献1)。しかし、シリコン系太陽電池は太陽光下での変換効率は優れるが、微弱光下での変換効率は低いことが一般的に知られている(例えば非特許文献2)。一方で、スイスローザンヌ工科大学のGraetzelらが発表した色素増感型太陽電池は、微弱光下において、シリコン太陽電池以上の高い光電変換特性を有することが報告されている(例えば非特許文献3)。また、Heegerらが開発したP型有機半導体とフラーレンに代表されるN型有機半導体を混合したバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池も、微弱光下において比較的高い発電能を有することが知られている(非特許文献4)。しかし、バルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池は、高温に置かれた際、変換効率が著しく低下することが知られており(非特許文献5)、加えて、太陽光連続照射によって変換効率が著しく低下することが知られている。そこで、耐熱性及び耐光性を向上させるための手段が幾つか報告されているが(非特許文献6)、これらの手段ではいまだ不十分である。特に室内光のような低照度での特性は太陽光下での特性と比べて熱・光に敏感であり、より一層の耐熱・耐光性向上が望まれている。
本発明は、耐熱性の高い光電変換素子の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 導電膜上に、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層、電極が順次積層された光電変換素子であって、前記光電変換層は、下記一般式1で表される第一の材料と、下記一般式2で表される第二の材料を含有することを特徴とする光電変換素子。

<一般式1>
Figure 0006699418
(上記式中、Rは水素原子又は炭素数2〜6のアルキル基を表し、R、Rは炭素数2〜12のアルキル基を表し、R、Rは炭素数6〜12のアルキル基を表し、前記アルキル基はいずれも直鎖状又は分岐鎖状である。Xは酸素原子又はジシアノメチレン基を表す。nは1〜3の整数を表す。)

<一般式2>
Figure 0006699418
(上記式中、Y及びYは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、Arはアリール基を表す。但し、YとYが同時に水素原子であることはない。また、式中の下記構造Fで表される部分は、炭素原子数60個のフラーレン骨格を表す。)

(構造F)
Figure 0006699418
本発明によれば、耐熱性の高い光電変換素子を提供できる。
本発明の光電変換素子の層構成の一例を示す図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜6)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記第二の材料が下記一般式3で表されることを特徴とする1)に記載の光電変換素子。

<一般式3>
Figure 0006699418
(上記式中、Zはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、又はnーヘキシル基を表す。)
3) 前記第一の材料と第二の材料の混合比が40:60〜80:20(重量比)であることを特徴とする1)又は2)に記載の光電変換素子。
4) 前記電子輸送層が、酸化チタン又は酸化亜鉛を含むことを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の光電変換素子。
5) 前記電子輸送層が、2級アルキルアミノ基、3級アルキルアミノ基、又は4級アンモニウム塩基のいずれかを有する高分子化合物を含むことを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の光電変換素子。
6) 前記電子輸送層上に、下記一般式4で示される低分子アミン化合物からなる層が積層されていることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載の光電変換素子。
<一般式4>
Figure 0006699418
(上記式中、R、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を表し、Yは炭素数6〜14の2価の芳香族基又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。RとRは結合して環を形成しても良い。Aは下記置換基のいずれかを表す。)
Figure 0006699418
本発明の光電変換素子の層構成の一例を図1に示すが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
図1では、基板1の上に、導電膜2、電子輸送層3、光電変換層4、ホール輸送層5、電極6がこの順に設けられている。
以下、各層について説明する。
<光電変換層>
光電変換層は前記一般式1で表される第一の材料と、前記一般式2で表される第二の材料を含有する。
前記第一の材料と第二の材料の混合比(重量比)は、35:65〜80:20が好ましく、40:60〜75:25がより好ましく、50:50〜70:30が更に好ましい。混合比が前記範囲内であれば、本願発明が目指す高性能の光電変換素子が得られる。
光電変換層の平均厚みは、50〜400nmが好ましく、60〜250nmがより好ましい。平均厚みが50nm以上であれば、光電変換層による光吸収が少ないためキャリア発生が不充分となるようなことはなく、400nm以下であれば、光吸収により発生したキャリアの輸送効率が低下するようなことはない。
(第一の材料)
前記第一の材料において、一般式1中のRは、水素原子又は炭素数2〜6のアルキル基を表し、該アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられるが、水素原子が好ましい。
また、Rは炭素数2〜12のアルキル基を表し、該アルキル基としては、前記Rの場合と同じもの、オクチル基、デシル基等が挙げられるが、好ましくはエチル基である。
また、Rは炭素数2〜12のアルキル基を表し、該アルキル基としては、前記Rの場合と同じもの、オクチル基、デシル基等が挙げられるが、好ましくはブチル基である。
また、R、Rは炭素数6〜12のアルキル基を表し、該アルキル基としては、前記Rの場合と同じもの、オクチル基等が挙げられるが、好ましくはヘキシル基である。
前記第一の材料の具体例としては、下記の例示化合物1〜13が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006699418
Figure 0006699418
(第二の材料)
第二の材料である前記一般式2で表されるフラーレン誘導体は、各種の有機溶媒に対して良好な溶解性を示すため、塗布法による薄膜の形成が容易な化合物であり、更に、n型半導体材料として用いてバルクヘテロジャンクション構造を有する光変換層を形成した際に高い変換効率を発現する化合物である。したがって、該フラーレン誘導体は、有機薄膜太陽電池用のn型半導体材料として優れた性能を有する。
前記一般式2中の、Arの具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラリル基、フェナントリル基などが挙げられるが、特にフェニル基が好ましい。
Arで表されるアリール基の置換基としては、例えば、アリール基、アルキル基、シアノ基等が挙げられる。前記アリール基の例としてはフェニル基が挙げられる。前記アルキル基及びアルコキシ基のアルキル基部分の例としては、後述するY及びYにおけるアルキル基と同様に炭素数1〜20程度のアルキル基が挙げられる。これらの置換基の数及び置換位置については特に限定はないが、例えば、1〜3個程度の置換基がArの任意の位置に存在することができる。
及びYにおけるアルキル基の炭素数は、1〜20程度が好ましく、1〜12程度がより好ましく、6〜12程度が特に好ましい。これらのアルキル基は、直鎖状及び分枝鎖状のいずれでもよいが、直鎖状が好ましい。なお、アルキル基には、炭素鎖中にS、Oなどの異種元素が含まれていても良い。
及びYにおけるアルケニル基の炭素数は、2〜10程度が好ましい。特に好ましい具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1,3−ブタジエニル基等の炭素数2〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基が挙げられる。
及びYにおけるアルキニル基の炭素数は、1〜10程度が好ましい。特に好ましい具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等の炭素数2〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基が挙げられる。
及びYにおけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラリル基、フェナントリル基などが挙げられる。
及びYにおけるアラルキル基としては、2−フェニルエチル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基等の炭素数7〜20程度のアラルキル基が挙げられる。
及びYで表される基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシカルボニル基、ポリエーテル基、アルカノイル基、アミノ基、アミノカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、−CONHCOR′(式中、R′はアルキル基である)、−C(=NR′)−R″(式中、R′及びR″はアルキル基である)、−NR′=CR″R′″(式中、R′、R″及びR′″はアルキル基である)などが挙げられる。
前記ポリエーテル基としては、例えば、Y−(OY)n−O−で表される基が挙げられる。ここで、Yはアルキル基等の一価の炭化水素基であり、Yは、二価の脂肪族炭化水素基である。上記式で表されるポリエーテル基において、−(OY)n−で表される繰り返し単位の具体例としては、−(OCH)n−、−(OC)n−、−(OC)n−等のアルコキシ鎖が挙げられる。これらの繰り返し単位の繰り返し数nは、1〜20程度が好ましく、1〜5程度がより好ましい。−(OY)n−で表される繰り返し単位には、同一の繰り返し単位だけでなく、二種以上の異なる繰り返し単位が含まれていてもよい。上記した繰り返し単位の中で、−OC−及び−OC−については、直鎖状及び分枝鎖状のいずれであっても良い。
また、前記置換基の中で、アルキル基、及びアルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ポリエーテル基、−CONHCOR′、−C(=NR′)−R″、−NR′=CR″R′″におけるアルキル基部分の炭素数は、前述したアルキル基と同様に、1〜20程度が好ましく、1〜12程度がより好ましく、6〜12程度が特に好ましい。
アミノ基、及びアミノカルボニル基におけるアミノ基部分は、炭素数1〜20程度のアルキル基が一個又は二個結合したアミノ基が好ましい。
前記フラーレン誘導体の中でも好適な性能を有する化合物としては、Arが置換基を有することもあるフェニル基であり、Y及びYのいずれか一方が水素原子であり、他方が、置換基としてアルコキシカルボニル基を有するアルキル基、置換基としてアルコキシ基を有するアルキル基、置換基としてポリエーテル基を有するアルキル基、置換基としてアミノ基を有するアルキル基、又は置換基を有することもあるフェニル基である化合物が挙げられる。これらの化合物の中で、特に優れた性能を有する化合物のとしては、Arが置換基としてフェニル基、シアノ基、又はアルキル基を有することもあるフェニル基であり、Y及びYのいずれか一方が水素原子であり、他方が、置換基としてアルコキシカルボニル基を有するアルキル基、置換基としてアルコキシ基を有するアルキル基、置換基としてポリエーテル基を有するアルキル基、フェニル基、置換基としてアルキル基を有するフェニル基、置換基としてアルコキシカルボニル基を有するフェニル基、又は置換基としてアルコキシ基を有するフェニル基である化合物が挙げられる。
これらの化合物はピロリジン骨格上に適度な極性を有する基を含み、自己組織化特性が良好なため、バルクヘテロジャンクション構造の光変換層を形成する際に、適切な層分離構造を有するバルクヘテロジャンクション構造の光変換部を形成でき、その結果、電子移動度などが向上して高い変換効率が得られるものと考えられる。特に好ましい化合物としては、Arがフェニル基であり、R、Rのいずれか一方が水素原子であり、他方が無置換のアルキル基(炭素数4〜6のアルキル基)又は無置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられる。
<基板>
基板は特に制限されず公知のものを用いることができるが、透明な材質のものが好ましく、例えばガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体等が挙げられる。
<導電膜、電極>
導電膜と電極の少なくとも一方は可視光に対して透明なものを使用する必要があるが、他方は透明でも不透明でも構わない。
可視光に対して透明な材料には特に制限はなく、通常の光電変換素子や液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。その例としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物が挙げられる。
前記可視光に対して透明な導電膜又は電極の平均厚みは、5nm〜10μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましい。
前記可視光に対して透明な導電膜は、一定の硬性を維持するため可視光に対して透明な材質からなる基板上に設けることが好ましく、電極と基板が一体となっているものを用いることもできる。その例としては、FTOコートガラス、ITOコートガラス、酸化亜鉛:アルミニウムコートガラス、FTOコート透明プラスチック膜、ITOコート透明プラスチック膜などが挙げられる。
前記可視光に対して透明な導電膜は、メッシュ状、ストライプ状などの光が透過できる構造にした金属膜をガラス基板等の上に設けたものや、カーボンナノチューブ、グラフェン等を透明性を有する程度に積層したものでもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合したり積層したりしてもよい。
更に、基板抵抗を下げる目的で、金属リード線等を用いてもよい。金属リード線の材質としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が挙げられる。前記金属リード線を設ける方法としては、基板に蒸着、スパッタリング、圧着等で設置し、その上にITOやFTOを設ける方法が挙げられる。
電子集電電極及び正孔集電電極のいずれか一方に不透明な電極を用いる場合の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、Al等の金属やグラファイトが挙げられる。不透明な電極の厚みには特に制限はなく、また、1種を単独用いても、2種以上を積層構成で用いてもよい。
<ホール輸送層>
正孔の収集効率を向上させるためホール輸送層を設けてもよい。具体的にはPEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸)のような導電性高分子、芳香族アミン誘導体のようなホール輸送性有機化合物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニッケル等の正孔輸送性を有する無機化合物を、スピンコート、ゾルゲル法、スパッタリングなどで形成する。本発明では酸化モリブデンが好ましい。
ホール輸送層の平均厚みは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、できるだけ薄く全面を覆うことが好ましく、1〜50nmがより好ましい。
<電子輸送層>
電子輸送層の材料は目的に応じて適宜選択することができる。その例としては電子受容性有機材料(例えば、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、フラーレン化合物、CNT、CN−PPV等)、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、フッ化リチウム、カルシウム金属等の無機材料、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン末端エトキシ化体、ポリ[(9,9−ビス(3′−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−2,7−フルオレン)−オルト−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)]、ポリ[(9,9−ビス(3′−((N,N−ジメチル)−N−エチルアンモニウム)プロピル)−2,7−フルオレン)−オルト−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)]等のアミノ系ポリマーが挙げられる。これらの中でも、本発明では、塩基性カルボン酸誘導体を吸着させるため、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ等の金属酸化物、及びポリエチレンイミン等のアミノ系ポリマーが好ましい。
電子輸送層は積層構造でも構わない。また、電子輸送層上に低分子アミン化合物からなる層を積層しても構わない。低分子アミン化合物としては、下記一般式4で表されるものが挙げられる。

<一般式4>
Figure 0006699418
上記式中、R、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を表し、アルキル基としてはメチル基、エチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。また、R、Rは結合して環を形成しても良い。Yは炭素数6〜14の2価の芳香族基又は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、具体的には2価のベンゼン基、2価のナフタレン基、2価のアントラセン基が挙げられるが、ベンゼン基が好ましい。Aは下記〔化10〕の置換基のいずれかを表すが、−COOHが好ましい。
Figure 0006699418
電子輸送層は、上記材料を用いてスピンコート法、ゾルゲル法、スパッタリングなどで形成する。
電子輸送層の平均厚みには特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、できるだけ薄く全面を覆うことが好ましく、10〜100nmがより好ましい。
<その他の部材>
その他の部材としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスバリア層、保護層、バッファ層などが挙げられる。
前記ガスバリア層の材料としては、例えば、窒化珪素、酸化珪素等の無機物などが挙げられる。
本発明の光電変換素子は、1つ以上の中間電極を介して2層以上の光電変換層を積層(タンデム化)して直列接合を形成してもよい。
例えば、基板1/下部電極2/正孔輸送層3/第1の光電変換層4/中間電極/第2の光電変換層/電子輸送層5/上部電極6という積層構成などが挙げられる。このように積層することにより、開放電圧を向上させることができる。
このような積層構成の場合には、光電変換層の少なくとも1層が前記一般式1で表される有機材料からなる有機材料薄膜を含み、他の層には、短絡電流を低下させないために、前記一般式1で表される有機材料とは吸収波長の異なる他の有機材料を含むことが好ましい。
前記有機材料としては、例えば、ポリチオフェン化合物、ポリフェニレンビニレン化合物、ポリフルオレン化合物、ポリフェニレン化合物等の高分子材料、各種ポルフィリンやフタロシアニン等の低分子材料などが挙げられる。
<用途>
本発明の光電変換素子は、発生した電流を制御する回路基盤等と組み合わせることにより電源装置に応用できる。このような電源装置を利用している機器類の例としては、電子卓上計算機や腕時計が挙げられる。この他に、携帯電話、電子手帳、電子ペーパー等にも本発明の光電変換素子を有する電源装置を適用することができる。また、充電式や乾電池式の電気器具の連続使用時間を長くするための補助電源として本発明の光電変換素子を有する電源装置を用いることもできる。更にイメージセンサーとして応用も可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g、エタノールアミン(aldrich社製)0.28g、メトキシエタノール(和光社製)10mLを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。次いで、ITO基板上に前記酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分間乾燥させて、酸化亜鉛からなる電子輸送層を形成した。
(光電変換層の作製)
前記例示化合物1と下記構造式Aの化合物を、重量比35:65で混合し、1vol%の1−クロロナフタレン(TCI社製)を含むクロロホルム0.4mLに溶解させ、光電変換溶液を作製した。固形分濃度は20mg/mLとした。次いで、前記電子輸送層上に1000rpmでスピンコートにより塗布し、光電変換層を形成した。

(構造式A)
Figure 0006699418
(ホール輸送層、電極の作製)
光電変換層上にホール輸送層として酸化モリブデン(高純度化学社製)を厚さ10nm、電極として銀を厚さ100nm、順に真空蒸着法で形成し、光電変換素子(太陽電池)を作製した。
(1)70℃、100時間保存試験後の最大出力保持率
得られた太陽電池の白色LED照射下(0.01mW/cm)における最大出力を測定した。その後、70℃の恒温槽に入れて100時間保持した後、取り出し、2時間室温で放置した後、耐熱試験後の最大出力を測定した。
表1−1に、次の式により算出した耐熱試験後の最大出力保持率を示す。

最大出力保持率(%)=(保持後の最大出力/保持前の最大出力)×100

なお、白色LEDはコスモテクノ社製デスクランプCDS−90α(スタディーモード)を使用し、出力はNF回路設計ブロック社製の太陽電池評価システムAs−510−PV03を用いて測定した。
(2)85℃、100時間保存試験後の最大出力保持率
得られた太陽電池を85℃の恒温槽(窒素雰囲気)に入れて、100時間保持した後、最大出力を測定し、前記(1)の場合と同様の式により、最大出力保持率を算出した。
(3)擬似太陽光10時間連続照射後の最大出力保持率
得られた太陽電池に、ソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm)から発生させた疑似太陽光を10時間連続照射(窒素雰囲気)した後、最大出力を測定し、前記(1)の場合と同様の式により、最大出力保持率を算出した。
実施例2〜10
実施例1における例示化合物1と構造式Aの化合物の混合重量比を以下のように変えた点以外は、実施例1と同様にして実施例2〜10の各太陽電池を作製し評価した。
結果を表1−1に示す。
実施例2=40:60、 実施例3=45:55、 実施例4=50:50、
実施例5=55:45、 実施例6=60:40、 実施例7=65:35、
実施例8=70:30、 実施例9=75:25、 実施例10=80:20
実施例11
実施例5における例示化合物1を例示化合物10に変えた点以外は、実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例12
実施例4における例示化合物1を例示化合物2に変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例13
実施例4における例示化合物1を例示化合物13に変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例14
実施例4における構造式Aの化合物を下記構造式Bの化合物に変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。

(構造式B)
Figure 0006699418
実施例15
実施例4における例示化合物1を例示化合物2に変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例16
実施例4における例示化合物1を例示化合物10に変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例17
電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
金属チタンからなるターゲットを用いた酸素ガスによる反応性スパッタにより、ITOガラス基板上に酸化チタンからなる電子輸送層を形成した。スパッタリング製膜には、UNAXIS社製スパッタリング装置(DVD−Sprinter)を用いた。電子輸送層の膜厚は10nmとした。
実施例18
実施例5における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例19
実施例5における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は、実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例20
実施例4における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)をエタノールアミン(aldrich社製)で希釈してポリエチレンイミン濃度が0.2重量%の塗工液を調製した。次いで、ITO基板上に前記塗工液を膜厚3nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、電子輸送層を形成した。
実施例21
実施例20における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例20と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例22
実施例20における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は、実施例20と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例23
実施例20の電子輸送層の作製におけるポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)を、ポリ[(9,9−ビス(3′−((N,N−ジメチル)−N−エチルアンモニウム)プロピル)−2,7−フルオレン)−オルト−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)](Lumtec社製)に変えた点以外は、実施例20と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例24
実施例23における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例23と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例25
実施例23における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は、実施例23と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例26
実施例4における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g、エタノールアミン(aldrich社製)0.28g、メトキシエタノール(和光社製)10mLを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。次いで、ITO基板上に前記酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分間乾燥させて、酸化亜鉛層を形成した。
更に、ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)をエタノールアミン(aldrich社製)で希釈してポリエチレンイミン濃度が0.2重量%の塗工液を調製し、酸化亜鉛層上に前記塗工液を膜厚3nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、酸化亜鉛とポリエチレンイミンが積層された電子輸送層を形成した。
実施例27
実施例26における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例26と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例28
実施例26における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は、実施例26と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例29
実施例4における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)をエタノールアミン(aldrich社製)で希釈してポリエチレンイミン濃度が0.2重量%の塗工液を調製した。次いで、ITO基板上に前記塗工液を膜厚3nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、ポリエチレンイミン層を形成した。
更に、酢酸亜鉛(aldrich社製)1g、エタノールアミン(aldrich社製)0.28g、メトキシエタノール(和光社製)10mLを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。次いで、ポリエチレンイミン層上に前記酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分間乾燥させて、ポリエチレンイミンと酸化亜鉛が積層された電子輸送層を形成した。
実施例30
実施例29における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例29と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例31
実施例29における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は実施例29と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例32
実施例4における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g、エタノールアミン(aldrich社製)0.28g、メトキシエタノール(和光社製)10mLを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。次いで、ITO基板上に前記酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分間乾燥させて、酸化亜鉛層を形成した。
更に、ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)をエタノールで希釈して濃度1mg/mLの塗工液を調製し、酸化亜鉛上に前記塗工液をスピンコートで塗布し、酸化亜鉛とジメチルアミノ安息香酸が積層された電子輸送層を形成した。
実施例33
実施例32における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例32と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例34
実施例32における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は、実施例32と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例35
実施例4における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)をエタノールアミン(aldrich社製)で希釈してポリエチレンイミン濃度が0.2重量%の塗工液を調製した。次いで、ITO基板上に前記塗工液を膜厚3nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、ポリエチレンイミン層を形成した。
更に、ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)をエタノールで希釈して濃度1mg/mLの塗工液を調製し、酸化亜鉛上に前記塗工液をスピンコートで塗布し、ポリエチレンイミンとジメチルアミノ安息香酸が積層された電子輸送層を形成した。
実施例36
実施例35における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例35と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例37
実施例35における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は実施例35と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例38
実施例4における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
酢酸亜鉛(aldrich社製)1g、エタノールアミン(aldrich社製)0.28g、メトキシエタノール(和光社製)10mLを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。次いで、ITO基板上に前記酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分間乾燥させて、酸化亜鉛層を形成した。
ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)をエタノールアミン(aldrich社製)で希釈してポリエチレンイミン濃度が0.2重量%の塗工液を調製した。次いで、酸化亜鉛層上に前記塗工液を膜厚3nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、ポリエチレンイミン層を形成した。
更に、ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)をエタノールで希釈して濃度1mg/mLの塗工液を調製し、酸化亜鉛とポリエチレンイミンが積層された膜上に前記塗工液をスピンコートで塗布し、酸化亜鉛とポリエチレンイミンとジメチルアミノ安息香酸が積層された電子輸送層を形成した。
実施例39
実施例38における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例38と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例40
実施例38における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は、実施例38と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例41
実施例4における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、実施例4と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
(電子輸送層の作製)
ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)をエタノールアミン(aldrich社製)で希釈してポリエチレンイミン濃度が0.2重量%の塗工液を調製した。次いで、ITO基板上に前記塗工液を膜厚3nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、ポリエチレンイミン層を形成した。
更に、酢酸亜鉛(aldrich社製)1g、エタノールアミン(aldrich社製)0.28g、メトキシエタノール(和光社製)10mLを終夜室温で撹拌し、酸化亜鉛前駆体溶液を調製した。次いで、ポリエチレンイミン層上に前記酸化亜鉛前駆体溶液を膜厚20nmになるようにスピンコートで塗布し、200℃で10分間乾燥させて、ポリエチレンイミンと酸化亜鉛が積層された膜を形成した。
更に、ジメチルアミノ安息香酸(TCI社製)をエタノールで希釈して濃度1mg/mLの塗工液を調製し、酸化亜鉛とポリエチレンイミンが積層された膜上に前記塗工液をスピンコートで塗布し、酸化亜鉛とポリエチレンイミンとジメチルアミノ安息香酸が積層された電子輸送層を形成した。
実施例42
実施例41における例示化合物1を例示化合物9に変えた点以外は、実施例41と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
実施例43
実施例41における例示化合物1を例示化合物12に変えた点以外は、実施例41と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−1に示す。
比較例1
実施例5における例示化合物1をP3HT(merck社製)に変えた点以外は、実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。
結果を表1−2に示す。
P3HT=ポリ(3−ヘキシルチオフェン)
比較例2
実施例5における例示化合物1をPTB7(1−material社製)に変えた点以外は実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
PTB7=ポリ{4,8−ビス〔(2−エチルヘキシル)オキシ〕ベンゾ[1,2−b:4,5−b′]ジチオフェン−2,6−ジイル−オルト−3−フルオロ−2−〔(2−エチルへキシル)カルボニル〕チエノ[3,4−b]チオフェン−4,6−ジイル}
比較例3
実施例5における例示化合物1をPCE−10(1−material社製)に変えた点以外は、実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
PCE−10=ポリ{4,8−ビス〔5−(2−エチルヘキシル)チオフェン−2−イル〕ベンゾ[1,2−b;4,5−b′]ジチオフェン−2,6−ジイル−オルト−〔4−(2−エチルヘキシル)−3−フルオロチエノ[3,4−b]チオフェン〕−2−カルボキシレート−2−6−ジイル}
比較例4
実施例9における例示化合物1をP3HT(merck社製)に変えた点以外は、実施例9と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例5
実施例5における構造式Aの化合物をPC61BM(aldrich社製)に変えた点以外は、実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
PC61BM=フェニル−C61−酪酸メチル
比較例6
実施例5における構造式Aの化合物をPC71BM(aldrich社製)に変えた点以外は、実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
PC71BM=フェニル−C71−酪酸メチル
比較例7
実施例5における構造式Aの化合物を下記構造式Cの化合物に変えた点以外は実施例5と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。

(構造式C)
Figure 0006699418
比較例8
比較例1における電子輸送層を下記のようにして作製したものに変えた点以外は、比較例1と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
(電子輸送層の作製)
ポリエチレンイミンの80%エトキシ化溶液(aldrich社製)をエタノールアミン(aldrich社製)で希釈してポリエチレンイミン濃度が0.2重量%の塗工液を調製した。次いで、ITO基板上に前記塗工液を膜厚3nmになるようにスピンコートで塗布し、100℃で10分間乾燥させて、電子輸送層を形成した。
比較例9
比較例8におけるP3HTをPTB7に変えた点以外は、比較例8と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例10
比較例8におけるP3HTをPCE−10に変えた点以外は、比較例8と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例11
実施例38における例示化合物1をP3HTに変えた点以外は、実施例38と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例12
比較例11におけるP3HTをPTB7に変えた点以外は、比較例11と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例13
比較例11におけるP3HTをPCE−10に変えた点以外は、比較例11と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例14
実施例41における例示化合物1をP3HTに変えた点以外は、実施例41と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例15
比較例14におけるP3HTをPTB7に変えた点以外は、比較例14と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
比較例16
比較例14におけるP3HTをPCE−10に変えた点以外は、比較例14と同様にして太陽電池を作製し評価した。結果を表1−2に示す。
Figure 0006699418
Figure 0006699418
上記表1−1、1−2から分かるように、実施例の太陽電池は比較例と比べて、70℃や85℃のような高温での耐熱試験後も最大出力の保持率が著しく高く、耐熱性が非常に優れている。また、擬似太陽光連続照射試験後も最大出力の保持率が著しく高く、耐光性が非常に優れている。
即ち、本発明では、光電変換層に前記第一の材料と第二の材料を組み合わせて用いることにより、比較例のような従来公知の材料を用いた場合に比べて、耐熱性・耐光性が非常に優れた光電変換素子を提供できる。
1 基板
2 導電膜
3 電子輸送層
4 光電変換層
5 ホール輸送層
6 電極
パナソニック電工技報,56(2008)87 Nature,353(1991)737 J.Am.Chem.Soc.,115(1993)6382 Semicond.Sci.Technol.,10(1995)1689 東芝レビュー vol69 No6 2014 ACS Appl.Mater.Interfaces 2014,6,803−810

Claims (6)

  1. 導電膜上に、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層、電極が順次積層された光電変換素子であって、前記光電変換層は、下記一般式1で表される第一の材料と、下記一般式2で表される第二の材料を含有することを特徴とする光電変換素子。

    <一般式1>
    Figure 0006699418
    (上記式中、Rは水素原子又は炭素数2〜6のアルキル基を表し、R、Rは炭素数2〜12のアルキル基を表し、R、Rは炭素数6〜12のアルキル基を表し、前記アルキル基はいずれも直鎖状又は分岐鎖状である。Xは酸素原子又はジシアノメチレン基を表す。nは1〜3の整数を表す。)

    <一般式2>
    Figure 0006699418
    (上記式中、Y及びYは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、Arはアリール基を表す。但し、YとYが同時に水素原子であることはない。また、式中の下記構造Fで表される部分は、炭素原子数60個のフラーレン骨格を表す。)

    (構造F)
    Figure 0006699418
  2. 前記第二の材料が下記一般式3で表されることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。

    <一般式3>
    Figure 0006699418
    (上記式中、Zはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、又はnーヘキシル基を表す。)
  3. 前記第一の材料と第二の材料の混合比が40:60〜80:20(重量比)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記電子輸送層が、酸化チタン又は酸化亜鉛を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記電子輸送層が、2級アルキルアミノ基、3級アルキルアミノ基、4級アンモニウム塩基のいずれかを有する高分子化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記電子輸送層上に、下記一般式4で示される低分子アミン化合物からなる層が積層されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子。

    <一般式4>
    Figure 0006699418
    (上記式中、R、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基を表し、Yは炭素数6〜14の2価の芳香族基又は炭素数1〜4のアルキレン基を表す。RとRは結合して環を形成しても良い。Aは下記置換基のいずれかを表す。)
    Figure 0006699418
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