JP5859911B2 - 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法 - Google Patents

有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5859911B2
JP5859911B2 JP2012106352A JP2012106352A JP5859911B2 JP 5859911 B2 JP5859911 B2 JP 5859911B2 JP 2012106352 A JP2012106352 A JP 2012106352A JP 2012106352 A JP2012106352 A JP 2012106352A JP 5859911 B2 JP5859911 B2 JP 5859911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
solar cell
polymer
electrode
organic thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012106352A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013235903A (ja
Inventor
中井 義博
義博 中井
寛記 杉浦
寛記 杉浦
野村 公篤
公篤 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012106352A priority Critical patent/JP5859911B2/ja
Publication of JP2013235903A publication Critical patent/JP2013235903A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5859911B2 publication Critical patent/JP5859911B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法に関する。
有機半導体ポリマーは、有機エレクトロニクス分野において近年盛んに研究が行われている。例えば、電気を流すと発光する有機エレクトロルミネッセンス素子、光照射で発電する有機光電変換素子、電流量や電圧量を制御する有機薄膜トランジスタ素子等に使用されている。このような素子では、無機半導体材料と同様、電子供与材料であるp型導電性・半導体材料と電子受容材料であるn型導電性・半導体材料を組み合わせた有機半導体材料が使用される。
近年、石油等の化石エネルギーでは大気中への二酸化炭素の放出が問題となることから、温暖化抑制による地球環境保全のため、太陽電池への需要が高まっている。有機光電変換素子を使用する有機太陽電池には、湿式である色素増感太陽電池(グレッツェルセル)と全固形型である有機薄膜太陽電池が知られている。後者は電解液を使用しないため、この電解液の蒸発や液漏れを考慮する必要がない。また、柔軟性をもたせることが可能であり、太陽電池の構造や製造が前者より簡便となる。
前記有機薄膜太陽電池に用いることができるp型導電性・半導体材料として、有機半導体ポリマーの研究が行なわれている。例えば、特許文献1ではチアジアゾール単位が縮環した多環単量体構造を持つポリマーが開示されている。また、特許文献2ではインダセノジチオフェン構造を持つポリマーが、特許文献3ではナフトジチオフェン構造のポリマーがそれぞれ提案されている。特許文献4では、フルオレン環を含む5員環構造の繰り返し単位を有するポリマーを用いた有機薄膜トランジスタが開示されている。
米国特許出願公開2011/178236号明細書 米国特許出願公開2011/226999号明細書 PCT国際公開2011/078246号明細書 中国特許出願公開102206225号公報
ところで、有機薄膜太陽電池は、その半導体材料の物性から、無機化合物を材料とするものと比べ温度変化による影響を受けやすいといった特性がある。特に0℃付近といった低温で高い発電効率を発揮することは容易ではなく、使用環境の多様化に対応してその改良が求められている。また、工業的規模での生産を見据え効率よく製造するため、広い面積の光電変換層を塗布によって形成したときに厚さにムラができにくいことが要求される。光電変換層厚みにムラがあった場合、薄い箇所では吸光度が低下して吸収する光量不足で発生する励起子数が不足してしまう。逆に厚すぎる箇所では励起子の拡散長が長くなってしまい、励起子寿命が低下する。いずれも発電効率の低下に繋がるために、光電変換層を均一に塗布することは製造上、重要な課題である。
本発明は、かかる課題認識に基づき、光電変換効率が低温でも安定しており、しかも光電変換層製造時の塗布ムラが少なく安定した品質の有機薄膜太陽電池の提供を目的とする。さらに本発明は、上記太陽電池等に用いられる半導体材料として有用な組成物及びポリマー合成に用いられる単量体の提供を目的とする。
前記の課題は以下の手段により達成できた。
〔1〕第一の電極と、第二の電極と、その間に配置された光電変換層とを具備する有機薄膜太陽電池であって、前記光電変換層に下記式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される構造単位を有するポリマーを含有させた有機薄膜太陽電池。
Figure 0005859911
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。X、X、X、Xは、SまたはSi(Rを表す。X、X、XはC(R,N(R),S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。XはC(R,S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。)
〔2〕前記ポリマーが共重合体である〔1〕に記載の有機薄膜太陽電池。
〔3〕前記共重合体における共重合成分が下記式(II−1)〜(II−23)のいずれかで表されるものを含む〔2〕に記載の有機薄膜太陽電池。
Figure 0005859911
Figure 0005859911
(式中、XaはC(Ra)、C=C(Ra)、Si(Ra)、S、Se、S=O、SO、C=O、NH、又はNRbを表す。XbはNH、O、又はSを表す。XcはCRa又はNを表す。Raは水素原子又は置換基を表す。Rbは、水素原子または置換基を表す。複数のRaまたはRbが置換基のとき、それぞれ互いに連結してあるいは縮環して環を形成していてもよい。)
〔4〕前記光電変換層に、さらにn型有機半導体化合物を含有させた〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
〔5〕前記n型有機半導体化合物が、フラーレンもしくはその誘導体である〔4〕に記載の有機薄膜太陽電池。
〔6〕前記フラーレンもしくはその誘導体が、フェニル−C61−酪酸エステル、ジフェニル−C62−ビス(酪酸エステル)、フェニル−C71−酪酸エステル、フェニル−C85−酪酸エステルまたはチエニル−C61−酪酸エステルである〔5〕に記載の有機薄膜太陽電池。
〔7〕前記第一の電極と前記光電変換層との間にホール輸送層を有する〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
〔8〕前記第二の電極と前記光電変換層との間に電子輸送層を有する〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
〔9〕前記第一の電極が透明電極である〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
〔10〕前記第二の電極が金属電極である〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
〔11〕下記式(III−1)〜(III−4)のいずれかで表される化合物からなる単量体。
Figure 0005859911
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。Rはハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリアルキルスズ基、ホウ酸エステル基、またはホウ酸基を示す。X、X、X、Xは、SまたはSi(Rを表す。X、X、XはC(R,N(R),S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。XはC(R,S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。)
〔12〕下記式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される構造単位を有するポリマーと有機溶媒とを含有する組成物。
Figure 0005859911
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。X、X、X、Xは、SまたはSi(Rを表す。X、X、XはC(R,N(R),S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。XはC(R,S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。)
〔13〕有機半導体材料用である〔12〕に記載の組成物。
〔14〕〔12〕または〔13〕に記載の組成物を用い塗布形成する、光電変換能を有する半導体膜の製造方法
本発明の有機薄膜太陽電池は、光電変換効率(特に低温での光電変換効率)に優れる。さらに、製造時の塗布ムラを少なくすることができ、安定した品質の有機薄膜太陽電池を提供できるという優れた効果を奏する。また、本発明のポリマー及びこれを含む組成物は新規であり、かつ前記太陽電池等に用いられる半導体材料として有用である。
本発明の有機薄膜太陽電池の好ましい実施形態の構成を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池についてその好ましい実施形態を中心に詳細に説明する。図1は、本発明の有機薄膜太陽電池の一例を模式的に示した側面図である。本実施形態の太陽電池10は、下記式特定ポリマーを含む光電変換層(バルクへテロ結合層)3を具備する。有機薄膜太陽電池は、一般に、p−i−n三層構造を有するp−i−n接合型有機薄膜太陽電池とバルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池に分類され、本発明においてはそのいずれでも構わない。高い発電効率が容易に得られることから、図1に示したようなバルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池に特に好ましく適用される。
本実施形態の有機薄膜太陽電池においては、光電変換層3を前記特定のポリマーからなり電子供与化合物であるp型半導体相と、電子受容化合物であるn型半導体相で構成している。この光電変換層3は、第一の電極11と第二の電極12の間に設けられる。本発明においては、第一の電極と光電変換層の間にホール輸送層21を設けるのが好ましく、また第二の電極と光電変換層の間に電子輸送層22を設けることが好ましい。これらのホール輸送層や電子輸送層を設けることにより、光電変換層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となる。なお、本実施形態の太陽電池においてその上下の区別は特に重要ではないが、便宜的に必要により、第1電極11側を「上」もしくは「天」側と位置づけ、第2電極12側を「下」もしくは「底」側と位置づける。
光電変換層においては前記のようにp型半導体相とn型半導体相とが特有の形態で混在し、その界面で光電変換が行われる。その形態は特に限定されないが、理想的な例として挙げると、図示したもののように櫛歯状に互いの相がナノメートルオーダーで入り込んだ状態が好ましい。このような形態を効果的に作出できるよう、p型半導体ポリマーにはn型半導体ポリマーとの特有の相溶性あるいは非相溶があることが好ましい。またp型半導体となる材料は固有の物性のみで定まるものではなく、n型半導体となる材料との相対的な関係で特定されるものである。例えば、n型半導体材料として代表的なフラーレンを例にとれば、これよりも電子供与性が高いものがp型半導体材料となりうる。下記特定ポリマーによれば、上記の要求を好的に満足することができる。
<特定ポリマー>
(特定構成単位)
本発明においては、式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される構造単位を有するポリマーを用いる。
Figure 0005859911
・R
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子(例えばF、Cl、Br、I)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数6〜18)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)または芳香族へテロ環基(好ましくは5〜7員環、ヘテロ原子N、O、S、Si)を表す。好ましくは水素原子、アルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。Rどうしで結合して環を形成してもよい。
・X、X、X、X
、X、X、XはS,Si(Rから選ばれる連結基を表す。Rは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数6〜18)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)または芳香族へテロ環基(好ましくは5〜7員環、ヘテロ原子N、O、S、Si)を表す。
・X、X、X
、X、XはC(R,N(R),S,Si(Rから選ばれる連結基を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子(例えばF、Cl、Br、I)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数6〜18)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)または芳香族へテロ環基(好ましくは5〜7員環、ヘテロ原子N、O、S、Si)を表す。Rは前記と同義である。
・X
はC(R,S,Si(Rから選ばれる連結基を表す。R、Rは前記と同義である。
〜Xの好ましい組合せとしては、下記のものが挙げられる。
式(I−1)
―――――――――――――――――――――――
組合せ X
―――――――――――――――――――――――
1 S N(R
2 S Si(R
3 S C(R
4 Si(R
―――――――――――――――――――――――
式(I−2)
―――――――――――――――――――――――
組合せ X
―――――――――――――――――――――――
1 S Si(R
2 S C(R
3 Si(R
―――――――――――――――――――――――
式(I−3)
―――――――――――――――――――――――
組合せ X
―――――――――――――――――――――――
1 S N(R
2 S Si(R
3 S C(R
4 Si(R
―――――――――――――――――――――――
式(I−4)
―――――――――――――――――――――――
組合せ X
―――――――――――――――――――――――
1 S N(R
2 S Si(R
3 S C(R
4 Si(R
―――――――――――――――――――――――
なお、X〜Xは各々独立に規定され、同じ符号のものであっても分子内で異なる原子(原子群)を選択してよい。本発明においては、なかでも、同じ符号のものが同じ原子(原子群)を表し、異なる符号のものが異なる原子(原子群)を表すことが好ましい。例えば、式I−1で言うと、2つのXが同じ原子(原子群)であり、これとは別のXが選択されることが好ましい。
式(I−1)〜(I−4)で表される構成単位の具体例を下記に示すが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。*は結合手を表す。
Figure 0005859911
Figure 0005859911
Figure 0005859911
Figure 0005859911
(共重合成分)
本発明に用いられる前記ポリマーは前記特定構成単位と他の共重合成分とを有するコポリマーであることが好ましい。共重合成分としては、ベンゼン構成単位、ナフタレン構成単位、アントラセン単位、フェナントレン単位、ベンゾジチオフェン構成単位、ナフトジチオフェン構成単位、カルバゾール構成単位、シラシクロペンタジチオフェン構造単位、シクロペンタジチアゾール構造単位、ベンゾチアジアゾール構造単位、チアジアゾロキノキサリン構造単位、シクロペンタジチオフェン構造単位、酸化シクロペンタジチオフェン構造単位、ベンゾイソチアゾール構造単位、ベンゾチアゾール構造単位、酸化チオフェン構造単位、チエノチオフェン構造単位、酸化チエノチオフェン構造単位、ジチエノチオフェン構造単位、酸化ジチエノチオフェン構造単位、テトラヒドロイソインドール構造単位、フルオレン構造単位、フルオレノン構造単位、チアゾール構造単位、セレノフェンもしくはチオフェン構造単位、シロール構造単位、チアゾロチアゾール部分、チエノチオフェン構造単位、ナフトチアジアゾール構造単位、チエノピラジン構造単位、オキサゾール構造単位、イミダゾール構造単位、ピリミジン構造単位、ベンゾオキサゾール構造単位、ベンゾイミダゾール構造単位、チエノチアゾール構造単位およびシクロペンタジピリジン構造単位が挙げられる。上記の構成単位が縮環したものも好ましい。共重合様式は特に限定されないが、モノマーが2成分であるときは交互共重合体となることが好ましい。
これらの構造単位は、好ましくは、さらに下記式(II−1)〜(II−23)で表されるものが好ましい。*は主鎖に組み込まれる結合手を表す。
Figure 0005859911
Figure 0005859911
・Xa
式(II)でのXaはC(Ra)、C=C(Ra)、Si(Ra)、S、Se、S=O、SO、C=O、NH、又はNRbを表す。
・Xb
式(II)でのXbはNH、O、又はSを表す。
・Xc
式(II)でのXcはCRa又はNを表す。
・Ra
Raは水素原子又は置換基を表す、互いに連結してあるいは縮環して環を形成していてもよい。なお、特定の符号で複数の置換基を表示するとき、それらは各々異なっていてもよい。また、置換基Raが縮環して芳香族環もしくは芳香族複素環を構成するとき、上記で示した共鳴構造と異なる構造をとっていてもよい。Raが置換基のときその好ましいものとしては、後記置換基Tの例が挙げられる。
・Rb
Rbは、水素原子、または後記置換基Tが挙げられ、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アリールアミノ基、アルキルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基が好ましく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基がより好ましい。Rが置換基をあらわす場合、Rbとしては後記置換基Tが挙げられ、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基であり、アルキル基がより好ましい。Rbが置換基のとき、互いに連結してあるいは縮環して環を形成していてもよい。
式(II)の構造単位は、好ましくは、さらに式(1)〜(61)表されるものである。
Figure 0005859911
Figure 0005859911
Figure 0005859911
式(1)〜(61)において、RaおよびRbは前記と同様である。
これらの中でも、(1)、(2)、(3)、(5)、(6)、(9)、(11)、(12)、(14)、(15)、(17)、(20)、(21)、(25)、(30)、(31)、(32)、(35)、(36)、(37)、(43)、(45)、(48)、(49)、(50)、(51)、(53)、(54)で表される構造単位が好ましく、(1)、(2)、(5)、(6)、(9)、(12)、(15)、(53)、(54)で表される構造単位がより好ましい。
本発明の式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される構造単位を有するポリマーは、(III−1)〜(III−4)のいずれかで表される化合物(モノマー)を用いて合成できる。
Figure 0005859911
、X〜Xは式(I−1)〜(I−4)におけるのと同義であり、好ましい範囲も同じである。
・R
は、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリアルキルスズ基、ホウ酸エステル基、またはホウ酸基を示す。
これらの化合物はジハロゲン化合物やトリフルオロメタンスルホニルオキシ基は、R=水素である前駆体化合物を公知の方法で直接ハロゲン化やトリフルオロメタンスルホニルオキシ体とすることにより合成できる。また、トリアルキルスズ体は、同じくR=水素である前駆体化合物にn−ブチルリチウムおよび塩化トリアルキルスズを順次反応させる方法(特開2004−303890)等の公知の方法により合成できる。さらに、ホウ酸基を有する化合物は、同じくR=水素である前駆体化合物にn−ブチルリチウムとを反応させ、さらにホウ酸トリエチルを反応させた後、塩酸で処理する(特開2004−143133)等、公知の方法により合成できる。
これらの化合物を重合させる方法はカップリング反応、例えばChemical Reviews,2002年,102巻,1358ページなどに記載の方法を用いて合成することができる。すなわち、遷移金属触媒使用した、亜鉛反応剤を用いる根岸カップリング、スズ反応剤を用いる右田−小杉−Stilleカップリング、ホウ素反応剤を用いる鈴木−宮浦カップリング、マグネシウム反応剤を用いる熊田−玉尾−Corriuカップリング、ケイ素反応剤を用いる檜山カップリングなどのクロスカップリングや、銅を使用したUllmann反応、ニッケルを使用した山本重合などを利用して合成することができる。遷移金属触媒としては、パラジウム、ニッケル、銅、コバルト、鉄(Journal of the American Chemical Society,2007年,129巻,9844ページ記載)などの金属を使用することができる。また金属は配位子を有していても良く、PPh3、P(t−Bu)3などのリン配位子や、N−ヘテロサイクリックカルベン配位子(Angewandte Chemie International Edition,2002年,41巻,1290ページ記載)などが好ましく用いられる。原料となるスズ反応剤やホウ素反応剤などの金属反応剤は、Organic Synthesis Collective Volume,11巻,2009年,393ページ、同 9巻,1998年,553ページ、Tetrahedron,1997年,53巻,1925ページ、Journal of Organic Chemistry,1993年,58巻,904ページ、特開2005−290001号公報、特表2010−526853号公報などの記載を参考にして合成することができる。反応はMacromolecular Rapid Communications,2007年,28巻,387ページに記載されているようにマイクロウェーブ照射下でおこなってもよい。
前記特定構造単位を有するポリマーの分子量は特に限定されないが、重量平均分子量で5,000〜500,000が好ましく、10,000〜100,000がより好ましい。
分子量及び分散度は特に断らない限りGPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)法を用いて測定した値とし、分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量とする。GPC法に用いるカラムに充填されているゲルは芳香族化合物を繰り返し単位に持つゲルが好ましく、例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなるゲルが挙げられる。カラムは2〜6本連結させて用いることが好ましい。用いる溶媒は、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドンのアミド系溶媒、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒が挙げられる。測定は、溶媒の流速が0.1〜2mL/minの範囲で行うことが好ましく、0.5〜1.5mL/minの範囲で行うことが最も好ましい。この範囲内で測定を行うことで、装置に負荷がかからず、さらに効率的に測定ができる。測定温度は10〜50℃で行うことが好ましく、20〜40℃で行うことが最も好ましい。使用可能温度が高いカラムを用いて50℃〜200℃で測定をおこなうこともできる。なお、使用するカラム及びキャリアは測定対象となる高分子化合物の物性に応じて適宜選定することができる。
本発明において式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される構造単位(特定構成単位)を含むポリマーが共重合体であるとき、その共重合比は特に限定されないが、特定構造単位がモル比で全体の10〜90モル%であることが好ましく、45〜55モル%であることが好ましい。
コポリマーはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、周期的共重合体のいずれであってもよいが、交互共重合体または周期的共重合体であることが好ましく、交互共重合体であることがより好ましい。
本明細書において化合物やポリマー(重合体)については、当該化合物やポリマーそのもののほか、その塩、錯体、そのイオンの状態にあるものを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、所定の形態で修飾された誘導体を含む意味である。また、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基を含む)については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物やポリマーについても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Tが挙げられる。
置換基Tとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5または6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基((好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−メチルメタンスルスルホンアミド、N−エチルベンゼンスルホンアミド等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ベンジルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等)、アルカンもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニル基、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、アルカンもしくはアリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等)アルコキシもしくはアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシもしくはアリールオキシスルホニル基、例えば、メトキシスルホニル、エトキシスルホニル、フェノキシスルホニル等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、チオール基、ホルミル基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、またはフッ素原子、塩素原子である。
また、これらの置換基Tで挙げた各基は、上記の置換基Tがさらに置換していてもよい。
化合物ないし置換基・連結基等がアルキル基・アルキレン基、アルケニル基・アルケニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、同様に置換されていても無置換でもよい。
<有機半導体ポリマー>
本発明の前記特定構造単位を有するポリマーは、有機半導体ポリマーとして有用である。有機半導体ポリマーとは、半導体としての性質を示すことが可能な有機化合物のポリマーであり、本発明のポリマーは、とりわけp型有機半導体ポリマーとして有用である。なお、ポリマーを含むp型有機半導体化合物は、一般的に最高被占軌道(HOMO)準位が−4.5〜−6.0eVのπ電子共役系化合物である。
有機半導体ポリマーは有機エレクトロニクス分野で使用される、電気を流すと発光する有機エレクトロルミネッセンス素子、光照射で発電する有機光電変換素子、電流量や電圧量を制御する有機薄膜トランジスタ素子、電気化学センサー、プリンタブル回路等で利用される。本発明においては、光電池、特に有機薄膜太陽電池で使用するのが好ましい。
<有機半導体材料用組成物>
本発明の有機半導体材料用組成物に関して説明する。
本発明の前記特定構成単位を有するポリマー(特定ポリマー)は、p型有機半導体ポリマーとして有用であり、有機半導体材料用組成物は、この特定ポリマーを有機溶媒中に含有することが好ましい。当該組成物は、さらにn型半導体化合物を含有することが好ましく、特にn型有機半導体化合物を含有することが好ましい。また、必要によっては、特定構成単位を有するポリマー以外のp型有機半導体化合物、半導体以外の化合物(例えば、その他のp型半導体化合物として、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)や、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン(MEH−PPV)、ポリ[2−メトキシ−5−(3’,7’−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MDMO−PPV)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)](F8BT)等が例示され、半導体以外の化合物としては、後述するポリエステル系樹脂やメタクリル樹脂等の他のポリマー)を含有してもよい。
前記組成物に適用される有機溶媒は特に限定されないが、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼンなどが挙げられ、特に、トルエン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなどが好ましい。
特定構成単位を有するポリマーの含有量は特に限定されないが、組成物全量を100質量%としたとき、特定構成単位を有するポリマーを10〜90質量%含有させることが好ましく、30〜70質量%含有させることがより好ましい。
n型有機半導体化合物については、組成物全量の質量を100としたとき、10〜90質量%含有させることが好ましく、30〜70質量%含有させることがより好ましい。特定構成単位を有するポリマー以外の任意のp型有機半導体化合物については、0〜50質量%含有させることが好ましく、0〜30質量%含有させることがより好ましい。半導体以外の化合物については、その成分にもよるが、0〜50質量%程度含有させてもよい。
なお、本発明において組成物とは、2以上の成分が特定の組成で実質的に均一に存在していることを言う。ここで実質的に均一とは発明の作用効果を奏する範囲で各成分が偏在していていもよいことを意味する。また、組成物とは上記の定義を満たす限り形態は特に限定されず、流動性の液体やペーストに限定されず、複数の成分からなる固体や粉末等も含む意味である。さらに、沈降物があるような場合でも、攪拌により所定時間分散状態を保つようなものも組成物に含む意味である。
<有機薄膜太陽電池の部材>
(n型有機半導体化合物)
n型有機半導体化合物としては、特に限定されないが、一般的に、その最低空軌道(LUMO)準位が3.5〜4.5eVであるようなπ電子共役系化合物であり、例えば、フラーレンもしくはその誘導体、オクタアザポルフィリン等、p型有機半導体化合物の水素原子をフッ素原子に置換したパーフルオロ体(例えば、パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
これらのn型有機半導体化合物のうち、本発明の特定構造単位を有する有機半導体ポリマー(p型有機半導体化合物)と高速かつ効率的に電荷分離ができるためフラーレンもしくはその誘導体が好ましく、フラーレンもしくはその誘導体がより好ましい。
フラーレンやその誘導体としては、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C84フラーレン、C240フラーレン、C540フラーレン、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
フラーレン誘導体としては、フェニル−C61−酪酸エステル、ジフェニル−C62−ビス(酪酸エステル)、フェニル−C71−酪酸エステル、フェニル−C85−酪酸エステルまたはチエニル−C61−酪酸エステルが好ましく、上記の酪酸エステルのアルコール部分の好ましい炭素数は1〜30、より好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜4、最も好ましくは1である。
好ましいフラーレン誘導体を例示すると、フェニル−C61−酪酸メチルエステル([60]PCBM)、フェニル−C61−酪酸n−ブチルエステル([60]PCBnB)、フェニル−C61−酪酸イソブチルエステル([60]PCBiB)、フェニル−C61−酪酸n−ヘキシルエステル([60]PCBH)、フェニル−C61−酪酸n−オクチルエステル([60]PCBO)、ジフェニル−C62−ビス(酪酸メチルエステル)(ビス[60]PCBM)、フェニル−C71−酪酸メチルエステル([70]PCBM)、フェニル−C85−酪酸メチルエステル([84]PCBM)、チエニル−C61−酪酸メチルエステル([60]ThCBM)、C60ピロリジントリス酸、C60ピロリジントリス酸エチルエステル、N−メチルフラロピロリジン(MP−C60)、(1,2−メタノフラーレンC60)−61−カルボン酸、(1,2−メタノフラーレンC60)−61−カルボン酸t−ブチルエステル、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7,329,709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレンが挙げられる。
(p型有機半導体化合物)
本発明の有機半導体材料用組成物には、本発明の特定構造単位を有するポリマーとともに、他のp型半導体化合物(例えば、縮合多環芳香族低分子化合物、オリゴマーまたはポリマー)を含有してもよい。
p型半導体化合物である縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
(光電変換層)
本発明における有機半導体材料用組成物は、光電変換層(特にバルクへテロ結合層)の塗工用組成物として好ましく使用される。電子供与材料であるp型有機半導体化合物と電子受容材料であるn型半導体化合物の混合比は光電変換効率が最も高くなるように調整されるが、通常は、質量比で、10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20の範囲から選ばれる。このような混合層の形成方法は、例えば、共蒸着法が用いられる。あるいは、両方の有機材料に共通する溶媒を用いて溶剤塗布することによって作製することも可能である。正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有するためには、塗布法が好ましい。
ここで、光電変換層における電子供与領域(ドナー)と電子受容領域(アクセプター)の相分離促進、光電変換層に含まれる有機材料の結晶化、電子輸送層の透明化などを目的として、種々の方法で加熱処理(アニール)してもよい。蒸着等の乾式製膜法の場合は、例えば、製膜中の基板温度を50℃〜150℃に加熱する方法がある。印刷や塗布等の湿式製膜法の場合は、塗布後の乾燥温度を50℃〜150℃とする方法などがある。また、後の工程、例えば、金属負極の形成が終了した後に50℃〜150℃に加熱してもよい。相分離が促進されることで、キャリア移動度が向上し、高い光電変換効率を得ることができることがある。
(電極)
本発明に関わる光電変換素子においては、少なくとも第一の電極と第二の電極を有する。第一の電極と第二の電極は、いずれか一方が正極で、残りが負極となる。また、タンデム構成をとる場合には中間電極を用いることでタンデム構成を達成することができる。なお、本発明においては主に正孔(ホール)が流れる電極を正極と称し、主に電子が流れる電極を負極と称す。また透光性があるかどうかといった機能面から、透光性のある電極を透明電極と称し、透光性のない電極を対電極または金属電極と称す。通常、正極は透光性のある透明電極であり、負極は透光性のない対電極または金属電極であるが、第一の電極と第二の電極の両方を透明電極とすることもできる。
(第一の電極)
第一の電極は、正極であり、太陽電池の場合、好ましくは可視光から近赤外光(380〜800nm)の光を透過する透明電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることができる。またポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性ポリマー等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて正極とすることもできる。なお、光透過性が要求されない場合は、ニッケル、モリブデン、銀、タングステン、金などの金属材料によって正極を形成してもよい。透明な太陽電池とする場合は、正極の透過率は、太陽電池に使用する厚さ(例えば、0.2μmの厚さ)で、波長380nm〜800nm領域における平均光透過率が75%以上であることが好ましく85%以上であることがより好ましい。
(第二の電極)
第二の電極は負極であり、標準電極電位が正値である金属負極である。
負極は導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。負極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。負極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
負極の導電材として金属材料を用いれば負極側に到達した光は反射されて第一の電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。また、負極は、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤー、ナノ構造体であってもよく、ナノワイヤーの分散物であれば、透明で導電性の高い負極を塗布法により形成でき好ましい。
また、負極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の負極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、上記正極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性負極とすることができる。
(ホール輸送層)
本発明においては、第一の電極と光電変換層の間にホール輸送層を設けるのが好ましい。
ホール輸送層を形成する導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジアゾール等や、これら導電骨格を複数有するポリマー等が挙げられる。
これらのなかではポリチオフェンおよびその誘導体が好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリチエノチオフェンが特に好ましい。これらのポリチオフェンは導電性を得るために、通常、部分酸化されている。導電性ポリマーの電気伝導率は部分酸化の程度(ドープ量)で調節することができ、ドープ量が多いほど電気伝導率が高くなる。部分酸化によりポリチオフェンはカチオン性となるので、電荷を中和するための対アニオンを要する。そのようなポリチオフェンの例としては、ポリスチレンスルホン酸を対イオンとするポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−PSS)やp−トルエンスルホン酸を対アニオンとするポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT−TsO)が挙げられる。
(電子輸送層)
本発明においては、第二の電極と光電変換層の間に電子輸送層を設けることが好ましく、第一の電極と光電変換層の間にホール輸送層を設け、かつ光電変換層と第二の電極の間に電子輸送層を設けるのが特に好ましい。
電子輸送層に用いることのできる電子輸送材料としては、前記の光電変換層で挙げた電子受容材料であるn型半導体化合物および、ケミカルレビュー第107巻,953〜1010頁(2007年)にElectron−Transporting and Hole−Blocking Materialsとして記載されているものが挙げられる。本発明においては、無機塩や無機酸化物を使用することが好ましい。無機塩としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等が好ましい。各種金属酸化物は安定性が高い電子輸送層の材料として好ましく利用され、例えば、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化バリウムが挙げられる。これらのうち比較的に安定な酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛がより好ましい。電子輸送層の膜厚は0.1〜500nmであり、好ましくは0.5〜300nmである。電子輸送層は、塗布などによる湿式製膜法、蒸着やスパッタ等のPVD法による乾式製膜法、転写法、印刷法など、いずれによっても好適に形成することができる。
なお、光電変換層に用いられるp型半導体化合物のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、光電変換層で生成した正孔(ホール)を負極側には流さないような整流効果を有する、正孔(ホール)ブロック機能が付与される。より好ましくは、n型半導体化合物のHOMO準位よりも深い材料を電子輸送層として用いることである。また、電子を輸送する特性から、電子移動度の高い化合物を用いることが好ましい。このような電子輸送層は、正孔(ホール)ブロック層とも称し、このような機能を有する電子輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体化合物、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、光電変換層に用いたn型半導体化合物単体からなる層を用いることもできる。
(支持体)
光電池を構成する支持体は、その上に少なくとも第一の電極(正極)、光電変換層、第二の電極(金属負極)、より好ましい態様では、第一の電極(正極)、ホール輸送層、光電変換層、電子輸送層、第二の電極(金属負極)を形成して保持することができるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス、プラスチックフィルムなど、目的に応じて適宜選択しうる。
その他、常用のものを適用して、易接着層/下塗り層、機能性層、再結合層、その他の半導体層、保護層、ガスバリア層などを配設してもよい。
本発明の特定構成単位を有するポリマー(特定ポリマー)に対し、光電池について説明してきたが、いくつかの実施形態では、特定ポリマーないしこれを含有する組成物を、その他の素子およびシステムに使用することができる。例えば、電界効果トランジスタ、光検出器(例えば、赤外光検出器)、光起電力検出器、撮像素子(例えば、カメラまたは医用画像撮影システムのRGB撮像素子)、発光ダイオード(LED)(例えば、有機LED、または赤外もしくは近赤外LED)、レーザー素子、変換層(例えば、可視発光を赤外発光に変換する層)、電気通信用の増幅器兼放射器(例えば、ファイバ用ドープ剤)、記憶素子(例えば、ホログラフィック記憶素子)、並びにエレクトロクロミック素子(例えば、エレクトロクロミックディスプレイ)のような好適な有機半導体素子に、これらのポリマーを使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
<ポリマーex1−1の合成>
下記のSchemeのように単量体(1−7)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(1−7):融点138℃、MS(m/z)774.3(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex1−1を下記SchemeのようにJournal of the American Chemical Society,2008年,130巻,7670〜7685ページに記載の方法を参考にして合成した。乾燥後、固体をクロロホルムに溶解させ、セライト濾過し、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、クロロホルム−メタノールで晶析し、濾取した。濾取した固体をアセトンで10時間ソックスレー抽出後、減圧下乾燥させてポリマーex1−1を得た。o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量45,000、数平均分子量37,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex1−2の合成>
下記のSchemeのように単量体(2−7)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(2−7):融点128℃、MS(m/z)789.4(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex1−2をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量50,000、数平均分子量40,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex1−3の合成>
下記のSchemeのように単量体(3−7)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(3−7):融点122℃、MS(m/z)773.3(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex1−3をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量46,000、数平均分子量37,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex1−4の合成>
下記のSchemeのように単量体(4−6)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(4−6):融点146℃、MS(m/z)955.8(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex1−4をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量44,000、数平均分子量31,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex2−1の合成>
下記のSchemeのように単量体(6−8)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(6−8):融点125℃、MS(m/z)789.4(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex2−1をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量52,000、数平均分子量43,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex2−2の合成>
下記のSchemeのように単量体(7−7)を合成した。
[化合物(7−7):融点120℃、MS(m/z)773.3(M+H)]
Figure 0005859911
引き続き、下記ポリマーex2−2をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量39,000、数平均分子量31,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex2−3の合成>
下記のSchemeのように単量体(8−6)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(8−6):融点149℃、MS(m/z)955.8(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex2−3をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量35,000、数平均分子量22,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex3−1の合成>
下記のSchemeのように単量体(9−7)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(9−7):融点121℃、MS(m/z)774.3(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex3−1をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量33,000、数平均分子量27,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex3−2の合成>
下記のSchemeのように単量体(10−6)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(10−6):融点122℃、MS(m/z)789.4(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex3−2をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量41,000、数平均分子量35,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex3−3の合成>
下記のSchemeのように単量体(11−7)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(11−7):融点142℃、MS(m/z)773.3(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex3−3をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量37,000、数平均分子量19,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex3−4の合成>
下記のSchemeのように単量体(12−6)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(12−6):融点153℃、MS(m/z)955.8(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex3−4をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量51,000、数平均分子量29,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex4−1の合成>
下記のSchemeのように単量体(13−7)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(13−7):融点132℃、MS(m/z)774.3(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex4−1をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量55,000、数平均分子量40,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex4−2の合成>
下記のSchemeのように単量体(14−5)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(14−6):融点128℃、MS(m/z)789.4(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex4−2をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量39,000、数平均分子量28,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex4−3の合成>
下記のSchemeのように単量体(15−7)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(15−7):融点146℃、MS(m/z)773.3(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex4−3をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量35,000、数平均分子量26,000であった。
Figure 0005859911
<ポリマーex4−4の合成>
下記のSchemeのように単量体(16−6)を合成した。
Figure 0005859911
[化合物(16−6):融点135℃、MS(m/z)955.8(M+H)]
引き続き、下記ポリマーex4−4をポリマーex1−1と同様に下記Schemeのように重合を行い、o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量49,000、数平均分子量31,000であった。
Figure 0005859911
〔比較用ポリマーC−1の合成〕
公開特許WO2008/106019号公報p41に記載の方法で下記比較用ポリマーC−1を合成した。o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量31,000、数平均分子量19,000であった。
Figure 0005859911
〔比較用ポリマーC−2の合成〕
中国公開特許CN102286013号公報に記載の方法で下記単量体1および単量体2を合成し、下記Schemeに従って比較用ポリマーC−2を合成した。o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量31,000、数平均分子量19,000であった。
Figure 0005859911
〔比較用ポリマーC−3の合成〕
米国公開特許US2011/0178236号公報に記載の方法で下記比較用ポリマーC−3を合成した。o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量18,000、数平均分子量14,000であった。
Figure 0005859911
〔比較用ポリマーC−4の合成〕
米国公開特許US2011/0226999号公報に記載の方法で下記比較用ポリマーC−4を合成した。o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量65,000、数平均分子量37,000であった。
Figure 0005859911
〔比較用ポリマーC−5の合成〕
国際公開特許WO2011/078246号公報に記載の方法で下記比較用ポリマーC−5を合成した。o−ジクロロベンゼン(140℃)溶媒でのGPC測定の結果、重量平均分子量16,000、数平均分子量8,000であった。
Figure 0005859911
(光電池の作成・・・塗布ムラの測定)
各ポリマー試料を使用して、以下の手順にてガラスITO基板上に光電池を形成した。
UVオゾン処理した清浄な25個(5行×5列)の素子パターンを持つ100mm□ガラスITO基板上に、ホール輸送層として使用するPEDOT:PSS(H.C.Stark社CleviosP VP AI4083)層をスピンコートし、120℃×15分間乾燥させた。
引き続き、自動コーターを用いて各ポリマーの各p型半導体ポリマーとPC61BM(Solenne社製[60]PCBM)との混合物(質量比1:1)をo−ジクロロベンゼンに溶解させた後、上記PEDOT:PSS層の上にスピンコートし、120℃で15分間乾燥させ、光電変換層を形成させた。10mm間隔で10mm□の素子が25個となる様に不要部をエタノールの付いた綿棒で除去した。その後も上記と同様にして処理し、25個の素子が形成された光電池素子を10枚作製した(合計250素子)。
これら素子一つ一つについて光電変換層の厚みを測定し、その厚みの標準偏差を求めた。
さらに、この光電変換層上にチタンイソプロポキシド(シグマアルドリッチ社製)の脱水エタノール溶液(2質量%)をスピンコートし、室温で1時間乾燥させ酸化チタン層の電子輸送層を形成させた。
その後、アルミニウムの高真空蒸着により上部電極を形成させることにより、素子サイズ10mm□の光電池素子とした。
(光電池の評価)
素子の電流密度−電圧(J−V)特性
上記のようにして作製した1cm□素子を以下のようにして性能評価した。
得られた素子を窒素雰囲気下(酸素濃度1ppm以下、水分濃度1ppm以下)で、ケースレー社(Keithley)製SMU2400型I−V測定装置を用いて、素子の電流密度−電圧(J−V)特性を評価した。オリエル(Oriel)社製太陽光シミュレータからの濾波キセノン灯光を使用して、100mW/cmのAM1.5Gスペクトルに近づけた。上記装置にて、出力された光電変換効率を下記表1に記載した。
この際、測定温度環境を23℃および0℃の2水準にて評価を行った。実用上、0℃での光電変換効率が23℃での光電変換効率に対し50ないし60%以上であることが好ましい。
Figure 0005859911
*1 cで始まるものが比較例、それ以外は本発明例
*2 23℃測定に対する比率
この結果から分かるとおり、本発明の有機半導体ポリマーを用いた太陽電池素子は、室温環境下での発電効率ηが高く、さらに0℃環境でも発電効率の低下が抑制されている。さらに、コーターで広い面積を塗布した時の光電変換層の厚みムラが少ない。
一方、比較例の有機半導体ポリマーを用いた太陽電池素子は、上記のいずれかの項目の特性で劣ることがわかる。
7 透明支持体
10 バルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池
11 透明電極(第1電極)
12 対極(第2電極)
21 ホール輸送層
22 電子輸送層
3 光電変換層
31 p型半導体相
32 n型半導体相
L 光
P 電動モータ(旋風機)

Claims (14)

  1. 第一の電極と、第二の電極と、その間に配置された光電変換層とを具備する有機薄膜太陽電池であって、前記光電変換層に下記式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される構造単位を有するポリマーを含有させた有機薄膜太陽電池。
    Figure 0005859911
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。X、X、X、Xは、SまたはSi(Rを表す。X、X、XはC(R,N(R),S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。XはC(R,S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。)
  2. 前記ポリマーが共重合体である請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記共重合体における共重合成分が下記式(II−1)〜(II−23)のいずれかで表されるものを含む請求項2に記載の有機薄膜太陽電池。
    Figure 0005859911
    Figure 0005859911
    (式中、XaはC(Ra)、C=C(Ra)、Si(Ra)、S、Se、S=O、SO、C=O、NH、又はNRbを表す。XbはNH、O、又はSを表す。XcはCRa又はNを表す。Raは水素原子又は置換基を表す。Rbは、水素原子または置換基を表す。複数のRaまたはRbが置換基のとき、それぞれ互いに連結してあるいは縮環して環を形成していてもよい。)
  4. 前記光電変換層に、さらにn型有機半導体化合物を含有させた請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 前記n型有機半導体化合物が、フラーレンもしくはその誘導体である請求項4に記載の有機薄膜太陽電池。
  6. 前記フラーレンもしくはその誘導体が、フェニル−C61−酪酸エステル、ジフェニル−C62−ビス(酪酸エステル)、フェニル−C71−酪酸エステル、フェニル−C85−酪酸エステルまたはチエニル−C61−酪酸エステルである請求項5に記載の有機薄膜太陽電池。
  7. 前記第一の電極と前記光電変換層との間にホール輸送層を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  8. 前記第二の電極と前記光電変換層との間に電子輸送層を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  9. 前記第一の電極が透明電極である請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  10. 前記第二の電極が金属電極である請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  11. 下記式(III−1)〜(III−4)のいずれかで表される化合物からなる単量体。
    Figure 0005859911
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。Rはハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トリアルキルスズ基、ホウ酸エステル基、またはホウ酸基を示す。X、X、X、Xは、SまたはSi(Rを表す。X、X、XはC(R,N(R),S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。XはC(R,S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。)
  12. 下記式(I−1)〜(I−4)のいずれかで表される構造単位を有するポリマーと有機溶媒とを含有する組成物。
    Figure 0005859911
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。X、X、X、Xは、SまたはSi(Rを表す。X、X、XはC(R,N(R),S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。XはC(R,S,およびSi(Rから選ばれる連結基を表す。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表す。)
  13. 有機半導体材料用である請求項12に記載の組成物。
  14. 請求項12または13に記載の組成物を用い塗布形成する、光電変換能を有する半導体膜の製造方法
JP2012106352A 2012-05-07 2012-05-07 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5859911B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106352A JP5859911B2 (ja) 2012-05-07 2012-05-07 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106352A JP5859911B2 (ja) 2012-05-07 2012-05-07 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013235903A JP2013235903A (ja) 2013-11-21
JP5859911B2 true JP5859911B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=49761800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012106352A Expired - Fee Related JP5859911B2 (ja) 2012-05-07 2012-05-07 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5859911B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015128779A1 (en) * 2014-02-25 2015-09-03 Basf Se Heteroacenes for organic electronics
JP6246150B2 (ja) 2014-03-26 2017-12-13 富士フイルム株式会社 非発光性有機半導体デバイス用塗布液、有機トランジスタ、化合物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、有機トランジスタの製造方法および有機半導体膜の製造方法の提供
JP6082927B2 (ja) * 2014-03-26 2017-02-22 富士フイルム株式会社 有機トランジスタ、化合物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布液、有機トランジスタの製造方法、有機半導体膜の製造方法、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜、有機半導体材料の合成方法
JP6274529B2 (ja) 2015-02-09 2018-02-07 富士フイルム株式会社 有機半導体素子及びその製造方法、有機半導体膜形成用組成物、並びに、有機半導体膜の製造方法
JP6573840B2 (ja) * 2016-02-29 2019-09-11 富士フイルム株式会社 有機半導体素子、並びに、これに用いる有機半導体膜、化合物及び有機半導体組成物
WO2020261938A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30 富士フイルム株式会社 光電変換素子、撮像素子、光センサ、光電変換素子用材料
US11552250B2 (en) 2019-07-30 2023-01-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Polymer and organic thin film and thin film transistor and electronic device

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102206225B (zh) * 2011-04-08 2013-07-24 中国科学院长春应用化学研究所 聚合物半导体材料和有机薄膜晶体管

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013235903A (ja) 2013-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5869420B2 (ja) 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物、単量体および半導体膜の製造方法
Lin et al. Oligomer molecules for efficient organic photovoltaics
Huang et al. Molecular engineering on conjugated side chain for polymer solar cells with improved efficiency and accessibility
JP5859911B2 (ja) 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および半導体膜の製造方法
Wu et al. Organic molecules based on dithienyl-2, 1, 3-benzothiadiazole as new donor materials for solution-processed organic photovoltaic cells
JP5848280B2 (ja) 有機薄膜太陽電池、これに用いられる組成物および単量体、ならびに膜の製造方法
WO2013122063A1 (ja) 有機光電変換素子組成物、これを含む薄膜、光電池、これに用いられる有機半導体ポリマー、化合物およびポリマーの製造方法
Bianchi et al. New Benzo [1, 2-d: 4, 5-d′] bis ([1, 2, 3] thiadiazole)(iso-BBT)-Based Polymers for Application in Transistors and Solar Cells
Zhao et al. Application of biuret, dicyandiamide, or urea as a cathode buffer layer toward the efficiency enhancement of polymer solar cells
JP5662916B2 (ja) 有機薄膜太陽電池、これに用いられる有機半導体ポリマーおよび有機半導体材料用組成物
Zhao et al. Highly efficient all-polymer solar cells from a dithieno [3, 2-f: 2′, 3′-h] quinoxaline-based wide band gap donor
Chen et al. Dibenzothiophene-S, S-dioxide and bispyridinium-based cationic polyfluorene derivative as an efficient cathode modifier for polymer solar cells
Mikroyannidis et al. Synthesis of a low-band-gap small molecule based on acenaphthoquinoxaline for efficient bulk heterojunction solar cells
JP5616273B2 (ja) 有機半導体ポリマー、有機半導体材料用組成物および光電池
KR20190036189A (ko) 중합체 및 이를 포함하는 유기 태양 전지
Xian et al. Efficient Exciton Dissociation Enabled by the End Group Modification in Non-Fullerene Acceptors
Mori et al. Alkoxy-substituted anthra [1, 2-c: 5, 6-c′] bis ([1, 2, 5] thiadiazole)(ATz): a new electron-acceptor unit in the semiconducting polymers for organic electronics
An et al. Exploring a fused 2-(thiophen-2-yl) thieno [3, 2-b] thiophene (T-TT) building block to construct n-type polymer for high-performance all-polymer solar cells
Chen et al. Small organic additive to improve the charge separation in an inverted bulk heterojunction organic photovoltaic
KR101815755B1 (ko) 확장된 공액 구조의 페나진 유도체 및 이를 적용한 유기광전변환 고분자
WO2014157497A1 (ja) 有機光電変換素子、有機薄膜太陽電池、これに用いる組成物、塗布膜、これに有用な化合物および化合物の製造方法
dos Santos et al. Influence of alkyne spacers on the performance of thiophene-based donors in bulk-heterojunction organic photovoltaic cells
Lee et al. Synthesis of random copolymers based on 3-hexylthiophene and quinoxaline derivative: Influence between the intramolecular charge transfer (ICT) effect and π-conjugation length for their photovoltaic properties
KR102106669B1 (ko) 유기 태양 전지
JP5616272B2 (ja) 有機半導体ポリマー、有機半導体材料用組成物および光電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5859911

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees