JP2014177409A - アントラジチオフェン化合物、アントラジチオフェン化合物を含む有機薄膜太陽電池材料、及び該有機薄膜太陽電池材料を用いた有機薄膜太陽電池 - Google Patents

アントラジチオフェン化合物、アントラジチオフェン化合物を含む有機薄膜太陽電池材料、及び該有機薄膜太陽電池材料を用いた有機薄膜太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】長波長(600nm以上)に吸収域を有する化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)
Figure 2014177409

[式中、R及びRは、それぞれ置換もしくは無置換の電子吸引性置換基を表し、R及びRは、それぞれ、水素原子、炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成原子数5〜30の複素環基を表す]で表わされる化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アントラジチオフェン化合物、アントラジチオフェン化合物を含む有機薄膜太陽電池材料、及び有機薄膜太陽電池に関する。
有機薄膜太陽電池は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードや撮像素子、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に代表されるように、光入力に対して電気出力を示す装置であり、電気入力に対して光出力を示すエレクトロルミネッセンス(EL)素子とは逆の応答を示す装置である。中でも太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年大変注目されてきており、研究開発が盛んに行なわれるようになってきた。従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池への要求が高まりつつある。このような背景の中で、有機太陽電池は、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池に次ぐ次世代の太陽電池として大変注目を集めている。
有機太陽電池は、基本的には電子を輸送するn層と正孔を輸送するp層からなっており、各層を構成する材料によって大きく2種類に分類される。
n層としてチタニア等の無機半導体表面にルテニウム色素等の増感色素を単分子吸着させ、p層として電解質溶液を用いたものは、色素増感太陽電池(所謂グレッツエルセル)と呼ばれ、変換効率の高さから、1991年以降精力的に研究されてきたが、溶液を用いるため、長時間の使用に際して液漏れする等の欠点を有していた。そこでこのような欠点を克服するため、電解質溶液を固体化して全固体型の色素増感太陽電池を模索する研究も最近なされているが、多孔質チタニアの細孔に有機物をしみ込ませる技術は難易度が高く、再現性よく高変換効率が発現できるセルは完成していないのが現状である。
一方、n層、p層ともに有機薄膜からなる有機薄膜太陽電池は、全固体型のため液漏れ等の欠点がなく、作製が容易であり、稀少金属であるルテニウム等を用いないこと等から最近注目を集め、精力的に研究がなされている。
有機薄膜太陽電池は、最初メロシアニン色素等を用いた単層膜で研究が進められてきたが、p層/n層の多層膜にすることで変換効率が向上することが見出され、それ以降多層膜が主流になってきている。このとき用いられた材料はp層として銅フタロシアニン(CuPc)、n層としてペリレンイミド類(PTCBI)であった。
その後、p層とn層の間にi層(p材料とn材料の混合層)を挿入して積層を増やすことにより、変換効率が向上することが見出された。しかしこのとき用いられた材料は、依然としてフタロシアニン類とペリレンイミド類であった。またその後、p/i/n層を何層も積層するというスタックセル構成によりさらに変換効率が向上することが見出されたが、このときの材料系はフタロシアニン類とC60であった。
一方、高分子を用いた有機薄膜太陽電池では、p材料として導電性高分子を用い、n材料としてC60誘導体を用いてそれらを混合し、熱処理することによりミクロ層分離を誘起してヘテロ界面を増やし、変換効率を向上させるという、所謂バルクヘテロ構造の研究が主に行なわれてきた。ここで用いられてきた材料系はおもに、p材料としてP3HTと呼ばれる可溶性ポリチオフェン誘導体、n材料としてPCBMと呼ばれる可溶性C60誘導体であった。
このように、有機薄膜太陽電池では、セル構成及びモルフォロジーの最適化により変換効率の向上がもたらされてきたが、そこで用いられる材料系は初期の頃からあまり進展がなく、依然としてフタロシアニン類、ペリレンイミド類、C60類が用いられてきた。
フタロシアニン類、ペリレンイミド類、C60類以外の有機太陽電池材料としては、例えば特許文献1が開示しているが、それらに代わる新たな材料系の開発が熱望されていた。
特許文献1や非特許文献1―4に記載の化合物は、500nm程度の吸収波長を有する化合物である。
WO2007/066466
Tetrahedron, 67,37,2011,7156-7161 Org. Lett.,2009, 11(12),pp 2563−2566 Org. Lett.,2011, 13(4),pp 548−551 European Journal of Organic Chemistry,2011,17,3131
本発明の目的は、長波長(600nm以上)に吸収域を有する化合物を提供することである。
本発明の一形態によれば、以下の化合物が提供される。
下記式(1)で表わされる化合物。
Figure 2014177409
(式(1)中、
及びRは、それぞれ置換もしくは無置換の電子吸引性置換基である。
及びRは、それぞれ、水素原子、炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成原子数5〜30の複素環基である。)
本発明によれば、長波長(600nm以上)に吸収域を有する化合物が提供できる。
本発明の一形態に係る化合物は、下記式(1)で表わされるアントラジチオフェン化合物である。
Figure 2014177409
(式(1)中、
及びRは、それぞれ置換もしくは無置換の電子吸引性置換基である。
及びRは、それぞれ、水素原子、炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成原子数5〜30の複素環基である。)
アントラジチオフェン骨格は、500nm付近に吸収吸収を有する。式(1)で表わされる化合物は、当該アントラジチオフェン骨格に電子吸引性置換基がさらに置換した構造を含み、より長波長側の600nm以上の波長を吸収することができる。
式(1)で表わされる化合物が有する電子吸引性基は、好ましくは下記式(2)で表わされる基、又は下記式(3)で表わされる基である。
Figure 2014177409
(式(2)中、
21〜R24は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
但し、R21及びR24の一方は、式(1)と結合する単結合である。
は炭素原子、又は窒素原子のいずれかであり、Xが窒素原子のとき、R23は存在しない。)
Figure 2014177409
(式(3)中、
31〜R34は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
但し、R31及びR34の一方は、式(1)と結合する単結合である。
は、それぞれ酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子である)
上記式(2)及び(3)で表わされる電子吸引性基において、好ましくは式(2)の単結合ではないR21及びR24のいずれか1つ、並びに式(3)の単結合ではないR31及びR34のいずれか1つが、それぞれ水素原子、及び下記式(4−1)〜(4−3)で表わされる基のいずれかである。
Figure 2014177409
(式(4−1)、(4−2)及び(4−3)中、
41〜R49は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
は、それぞれ酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子である。)
尚、式(4−1)、(4−2)及び(4−3)の結合手は、それぞれ式(2)及び式(3)と結合する結合手である。
式(1)において、好ましくはR及びRが、それぞれ炭素数6〜40のアルキル基で置換されたチオフェン基である。
式(2)において、好ましくはR22及びR23が、それぞれ水素原子又はフッ素原子である。
式(3)において、好ましくはR32及びR33が、それぞれ炭素数8〜22のアルキル基である。
以下、本発明の一形態に係るアントラジチオフェン化合物の各置換基について説明する。
尚、本明細書において、アリール基は、単環の芳香族炭化水素環基及び複数の炭化水素環が縮合した縮合芳香族炭化水素環基を含み、ヘテロアリール基は、単環のヘテロ芳香族環基、並びに複数のヘテロ芳香族環が縮合したヘテロ縮合芳香族環基、及び芳香族炭化水素環とヘテロ芳香族環とが縮合したヘテロ縮合芳香族環基を含む。
また、本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数a〜bのXX基」という表現における「炭素数a〜b」は、XX基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、XX基が置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。環形成炭素とは、芳香環を構成する炭素原子を意味し、環形成原子とは複素環(飽和環、不飽和環及び芳香族複素環を含む)を構成する炭素原子及びヘテロ原子を意味する。
「置換若しくは無置換の・・・」の「無置換」とは、水素原子が置換していることを意味し、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、三重水素(tritium)を包含する。
炭素数1〜40のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としては、非縮合アリール基及び縮合アリール基が挙げられ、より具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、9,9−ジフェニルフルオレニル基、9,9’−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル基(スピロビフルオレニル基)、9,9−ジメチルフルオレニル基、ベンゾ[c]フェナントレニル基、ベンゾ[a]トリフェニレニル基、ナフト[1,2−c]フェナントレニル基、ナフト[1,2−a]トリフェニレニル基、ジベンゾ[a,c]トリフェニレニル基、ベンゾ[b]フルオランテニル基等が挙げられ、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基が好ましい。
環形成原子数5〜30の複素環基としては、非縮合ヘテロアリール基及び縮合ヘテロアリール基が挙げられ、より具体的には、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾシロール環、ジベンゾシロール環、イソキノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、フラン環、チオフェン環、キナゾリン環、カルバゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[c]ジベンゾフラン環及びこれらの誘導体から形成される基等が挙げられ、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環及びこれらの誘導体から形成される基が好ましい。
炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としては、上記炭素数1〜40のアルキル基が、上記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基に置換した基が挙げられる。
炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成原子数5〜30の複素環基としては、上記炭素数1〜40のアルキル基が、上記環形成原子数5〜30の複素環基に置換した基が挙げられる。
電子吸引性置換基は、上記式(2)及び(3)で表わされる電子吸引性置換基の他に、以下のる電子吸引性置換基が挙げられる。
Figure 2014177409
(式中、R50〜R59は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
但し、R58及びR59の一方は、式(1)と結合する単結合である。)
「置換もしくは無置換」という場合の任意の置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、シアノ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜6)のアルキル基、炭素数3〜20(好ましくは5〜12)のシクロアルキル基、炭素数1〜30(好ましくは1〜5)のアルコキシ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜5)のハロアルキル基、炭素数1〜20(好ましくは1〜5)のハロアルコキシ基、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキルシリル基、環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜18)のアリール基(芳香族炭化水素基)、環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜18)のアリールオキシ基、炭素数6〜30(好ましくは6〜18)のアリールシリル基、炭素数7〜30(好ましくは7〜20)のアラルキル基、及び環形成原子数5〜30の(好ましくは5〜18)ヘテロアリール基(複素環基)、炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルアミノ基は、環形成炭素数6〜30(好ましくは環形成炭素数6〜14)のアリールアミノ基が挙げられる。これらの置換基は、さらに上述の任意の置換基により置換されていてもよい。
式(1)で表わされる化合物の具体例を以下に示す。
但し、本発明の一形態に係るアントラジチオフェン化合物は、下記具体例に限定されない。
Figure 2014177409
Figure 2014177409
Figure 2014177409
Figure 2014177409
本発明の一形態に係る材料は、式(1)で表される化合物からなる、即ち、式(1)で表される化合物のみを含んでいてもよいし、また、式(1)で表される化合物と、他の有機態様電池材料化合物や他の成分を含んでいてもよい。
本発明の一形態に係る材料は、有機薄膜太陽電池の活性層に用いることが好ましく、該活性層がp層又はi層であることがより好ましい。
[有機薄膜太陽電池]
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池のセル構造は、一対の電極の間に上記化合物を含有する構造であれば特に限定されるものでない。具体的には、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。
(1)下部電極/有機化合物層/上部電極
(2)下部電極/p層/n層/上部電極
(3)下部電極/p層/i層(又はp材料とn材料の混合層)/n層/上部電極
(4)下部電極/p材料とn材料の混合層/上部電極
上記(2)、(3)の各構成において、p層とn層を置換してもよい。
また、必要に応じて、電極と有機層の間にバッファー層を設けてもよい。例えば具体例として、上記構成(1)にバッファー層を設けた場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(5)下部電極/バッファー層/p層/n層/上部電極
(6)下部電極/p層/n層/バッファー層/上部電極
(7)下部電極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/上部電極
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池用材料は、例えば、有機化合物層、p層、n層、i層、p材料とn材料の混合層、バッファー層に使用できる。
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池は、電池を構成するいずれかの部材に本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池素子用材料を含有していればよい。また、本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池素子用材料を含有する部材は、上記有機薄膜太陽電池素子用材料のみから形成されていてもよく、また、他の成分を併せて含んでいてもよい。本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池素子用材料を含まない部材や混合材料については、有機薄膜太陽電池で使用される公知の部材や材料を使用することができる。
以下、各構成部材について簡単に説明する。
[基板]
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池は、通常、基板上に形成される。該基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明電極又は半透明電極であることが好ましい。
[下部電極及び上部電極]
下部電極、上部電極の材料は特に制限はなく、金属、導電性高分子等を用いることができる。一対の電極のうち一方の電極の材料は仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びそれらの金属のうちの2つ以上の金属の合金、又はそれらの金属のうちの1つ以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうちの1つ以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
上記の透明電極又は半透明電極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性材料を用いて作製された膜、NESA(酸化錫)、金、白金、銀、銅が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
[有機化合物層]
有機化合物層は、p層、p材料とn材料の混合層又はn層のいずれかである。本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池用材料を有機化合物層に使用するとき、具体的には、下部電極/本発明の一形態に係る材料の単独層/上部電極や、下部電極/本発明の一形態に係る材料と、後述するn層材料又はp層材料の混合層/上部電極等の構成が挙げられる。
[p層、n層、i層]
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池用材料をp層に用いるときは、n層は特に限定されないが、電子受容体としての機能を有する化合物が好ましい。
上記電子受容体としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、C60等のフラーレン及びその誘導体、カーボンナノチューブ、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン等のフェナントロリン誘導体が挙げられ、とりわけフラーレン及びその誘導体が好ましい。電子の移動度が高い材料が好ましい。さらに、好ましくは、電子親和力が小さい材料が好ましい。このように電子親和力の小さい材料をn層として組み合わせることで充分な開放端電圧を実現することができる。
フラーレン及びその誘導体としては、C60、C70、C84及びその誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
上記フラーレン誘導体としては、例えば、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014177409
(式(I)〜(IV)中、
は、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又はエステル構造を有する基である。複数のRは、互いに同一であっても相異なってもよい。
はアルキル基、又はアリール基を表す。複数のRは、互いに同一であっても相異なってもよい。)
Raのエステル構造を有する基は、例えば、下記式式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 2014177409
(式(V)中、
u1は、1〜6の整数を表す。
u2は、0〜6の整数を表す。
Rc、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。)
C60の誘導体の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2014177409
Figure 2014177409
C70の誘導体の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2014177409
n層の材料として無機化合物を用いる場合、n型特性の無機半導体化合物を挙げることができる。具体的には、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、InP、Nb、WO、Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の導電性酸化物が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、酸化チタン、特に好ましくは、二酸化チタンを用いる。
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池用材料をn層に用いるときは、p層は特に限定されないが、正孔受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体が挙げられる。
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池用材料をi層に用いるときは、上記p層化合物もしくはn層化合物と混合してi層を形成してもよいが、本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池用材料を単独でi層として用いることもできる。その場合のp層もしくはn層は、上記例示化合物のいずれも用いることができる。
[バッファー層]
一般に、有機薄膜太陽電池は総膜厚が薄いことが多く、そのため上部電極と下部電極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、バッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。
バッファー層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
Figure 2014177409
(PEDOT:PSSにおいて、n及びmは、それぞれ繰り返し数である。)
バッファー層には、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。この場合、励起子阻止層として好ましい材料としては、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。
正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。具体的には有機EL素子用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられる。
Figure 2014177409
バッファー層には、上記n層材料として例示した無機半導体化合物を用いてもよい。また、p型無機半導体化合物としてはCdTe、p−Si、SiC、GaAs、WO等を用いることができる。
[有機薄膜太陽電池の製造方法]
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法を適用することができる。
各層の膜厚は特に限定されないが、適切な膜厚に設定する。一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られているため、膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため光電変換効率が低くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生してしまうため、充分なダイオード特性が得られないため、変換効率が低下する。通常の膜厚は1nmから10μmの範囲が適しているが、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
乾式成膜法の場合、公知の抵抗加熱法が好ましく、混合層の形成には、例えば、複数の蒸発源からの同時蒸着による成膜方法が好ましい。さらに好ましくは、成膜時に基板温度を制御する。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、適切な溶媒に溶解又は分散させて発光性有機溶液を調製し、薄膜を形成するが、任意の溶媒を使用できる。例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な溶媒は、これらに限定されるものではない。
有機薄膜太陽電池のいずれの有機化合物層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げられる。
また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池を用いることにより、これを具備する装置を提供することができる。本発明の一形態に係る有機薄膜太陽電池は、時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の各種装置、電化製品等の電源又は補助電源として使用できる。充電機能のある二次電池と組み合わせ、暗所においても使用可能とし、適用範囲を拡げることも可能である。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。
実施例1
[化合物Aの合成]
アントラジチオフェン化合物である化合物Aを下記合成スキームに従って調製した。
Figure 2014177409
Figure 2014177409
中間体A1の合成
窒素雰囲気下、2−ブロモ−5−ヘキシルチオフェン(25g、100mmol)、2−チオフェンボロン酸(15.5g、121mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(0.91g、1.00mmol、2%Pd),トリ−tert−ブチルホスフィン(Tri−tert−butylphosphine)(4.0mmol、0.12eq.)をテトラヒドロフラン200mlに溶かし、りん酸三カリウム(KPO)(28g、133mmol、4eq.)を加えて10時間還流した。
得られた反応混合物に水50ml、酢酸エチル150mlを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mlで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し黄色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(ヘキサン)で精製して無色透明液体(18.8g、95%)である中間体A1を得た。
中間体A2の合成
窒素雰囲気下、中間体A1(18.8g、95mmol)、テトラヒドロフラン200mlに溶かし、メタノール/ドライアイスバスを用いて‐78℃に冷却する。n−ブチルリチウム2.65Mヘキサン溶液(37.6ml,99.75mmol,1.05eq)をゆっくりと加え徐々に室温に戻した。次にもう一度メタノール/ドライアイスバスを用いて‐78℃に冷却し、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(20.1ml,99.75mmol,1.05eq)をゆっくりと加え徐々に室温に戻した。
得られた反応混合物に水50ml、酢酸エチル150mlを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mlで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し黄色の液体(28g、91%)である中間体A2を得た。
中間体A3の合成
窒素雰囲気下、中間体A2(16g、50mmol、1.0eq.)、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(15g、50mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.6g、0.05mmol、1%Pd)を1、2−ジメトキシエタン200mlに溶かし、2M炭酸ナトリウム水溶液(15g、150mmol、3eq./70ml)を加えて10時間還流した。
得られた反応混合物を水50ml、酢酸エチル150mlに加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mlで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し、赤色の個体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+30%ジクロロメタン)で精製して橙色固体(10g、45%)である中間体A3を得た。
中間体A4の合成
窒素雰囲気下、2−ヘキシルチオフェン(19g、95mmol)、テトラヒドロフラン300mlに溶かし、0℃に冷却する。n−ブチルリチウム2.65Mヘキサン溶液(37.6ml,99.75mmol,1.05eq)をゆっくりと加え徐々に室温に戻した。更に60℃まで加熱し1時間還流した。次にanthradithiophene−5,11−dione(10g、31mmol)、塩化スズ(II)(47.5g,250mmol)、5Mの塩酸50ml加え、室温で2時間撹拌した。
得られた反応混合物を酢酸エチル100mlに加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mlで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し、赤色の個体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(ヘキサン)で精製して橙色固体(15g、72%)である中間体A4を得た。
中間体A5の合成
窒素雰囲気下、中間体A4(10g、16mmol)、テトラヒドロフラン200mlに溶かし、メタノール/ドライアイスバスを用いて‐78℃に冷却した。n−ブチルリチウム2.65Mヘキサン溶液(13.2ml,35mmol,2.2eq)をゆっくりと加え徐々に室温に戻した。次にもう一度メタノール/ドライアイスバスを用いて‐78℃に冷却し、トリブチルすずクロリド(11g,35mmol,2.2eq)をゆっくりと加え徐々に室温に戻した。
得られた反応混合物に2Mの炭酸カリウム水溶液100ml、酢酸エチル100mlを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mlで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し赤色の液体(18.2g、95%)である中間体A5を得た。
化合物Aの合成
窒素雰囲気下、中間体A5(6g、5mmol)、中間体A3(5.1g、11mmol、2.2eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(92mg、0.1mmol、2%Pd)、トリ−tert−ブチルホスフィン(Tri−tert−butylphosphine)(0.5mmol、0.1eq.)をテトラヒドロフラン50mlに溶かし、りん酸三カリウム(KPO)(3.2g、15mmol、3eq.)を加えて5時間還流した。得られた固体をろ過し、トルエン、メタノール、水で洗浄した。黒色の固体(2.6g、38%)である化合物Aを得た。
MALDI/TOFMSにより1389のピークを確認し、化合物Aを同定した。
実施例2
[化合物Bの合成]
アントラジチオフェン化合物である化合物Bを下記合成スキームに従って調製した。
Figure 2014177409
中間体B1の合成
窒素雰囲気下、3,6−ジ(2−チエニル)−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(30g、100mmol)、炭酸カリウム(42g、300mmol、3.0eq)、DMF400mlを加えて2時間加熱還流した。次に1−ブロモヘキサン(83g、500mmol、5.0eq)を加え10時間加熱還流した。
得られた固体をろ過し、メタノールで洗浄した。これをカラムクロマトグラフィ(トルエン)で精製して黒色固体(30g、65%)である中間体B1を得た。
中間体B2の合成
窒素雰囲気下、中間体B1(35g、65mmol)、クロロホルム1000mlを加えて0℃で撹拌し。次にN−ブロモスクシンイミド(12g、65mmol)をDMF50mlに溶解させ、この溶液を反応溶液にゆっくりと加え0℃で12時間撹拌した。クロロホルムをエバポレータを用いて除去した。これをカラムクロマトグラフィ(トルエン)で精製して黒色固体(19g、53%)である中間体B2を得た。
化合物Bの合成
窒素雰囲気下、中間体A5(6g、5mmol)、中間体B2(6g、11mmol、2.2eq),トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(92mg、0.1mmol、2%Pd),トリ−tert−ブチルホスフィン(Tri−tert−butylphosphine)(0.5mmol、0.1eq.)をテトラヒドロフラン50mlに溶かし、りん酸三カリウム(KPO)(3.2g、15mmol、3eq.)を加えて5時間還流した。
得られた固体をろ過し、トルエン、メタノール、水で洗浄した。茶色の固体(2.6g、62%)である化合物Bを得た。
MALDI/TOFMSにより1641のピークを確認し、化合物Bを同定した。
実施例3
[有機太陽電池の作製]
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。次に、化合物A及びフラーレンC60PCBM(フェニルC61−酪酸メチルエステル)(phenyl C61−butyric acid methyl ester)(化合物A/C60PCBMの重量比=1/1)をオルトジクロロベンゼンに溶解しインクを製造した。該インクを用い、スピンコートにより洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板の下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして基板上に塗布して、化合物Aを含む有機膜を作製した(膜厚約100nm)。その後、有機膜上に真空蒸着機によりフッ化リチウムを厚さ2nmで蒸着し、次いでAlを厚さ100nmで蒸着した。
このように作製した有機太陽電池をAM1.5条件下(光強度(Pin)100mW/cm)でI−V特性を測定した。
有機太陽電池の作製に用いた材料を以下に示す。
Figure 2014177409
このように作製した有機太陽電池をAM1.5条件下(光強度(Pin)100mW/cm)でI−V特性を測定した。その結果、開放端電圧(Voc)は0.5V、短絡電流密度(Jsc)は4.09mA/cm、曲線因子(FF)は0.39、光電変換効率(η)は0.8%であった。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表わされる化合物。
    Figure 2014177409
    (式(1)中、
    及びRは、それぞれ置換もしくは無置換の電子吸引性置換基である。
    及びRは、それぞれ、水素原子、炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数1〜40のアルキル基で置換された環形成原子数5〜30の複素環基である。)
  2. 前記電子吸引性置換基が、下記式(2)で表わされる基、又は下記式(3)で表わされる基である請求項1に記載の化合物。
    Figure 2014177409
    (式(2)中、
    21〜R24は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
    但し、R21及びR24の一方は、式(1)と結合する単結合である。
    は炭素原子、又は窒素原子のいずれかであり、Xが窒素原子のとき、R23は存在しない。)
    Figure 2014177409
    (式(3)中、
    31〜R34は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
    但し、R31及びR34の一方は、式(1)と結合する単結合である。
    は、それぞれ酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子である)
  3. 前記式(2)の単結合ではないR21及びR24のいずれか1つ、並びに前記式(3)の単結合ではないR31及びR34のいずれか1つが、それぞれ水素原子、及び下記式(4−1)〜(4−3)で表わされる基のいずれかである請求項2に記載の化合物。
    Figure 2014177409
    (式(4−1)、(4−2)及び(4−3)中、
    41〜R49は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜40のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の複素環基である。
    は、それぞれ酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子である。)
  4. 前記式(2)のR22及びR23が、それぞれ水素原子又はフッ素原子である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 前記式(3)中のR32及びR33が、それぞれ炭素数8〜22のアルキル基である請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 前記式(1)のR及びRが、それぞれ炭素数6〜40のアルキル基で置換されたチオフェン基である請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物を含む有機薄膜太陽電池材料。
  8. 請求項7に記載の有機薄膜太陽電池材料を活性層に用いる有機薄膜太陽電池。
  9. 前記活性層がp層又はi層である請求項8に記載の有機薄膜太陽電池。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物と溶媒とを含むインク。
  11. 請求項8又は9に記載の有機薄膜太陽電池を具備する装置。

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