JP2014065685A - アザジピロメテン化合物を含む有機薄膜太陽電池材料 - Google Patents

アザジピロメテン化合物を含む有機薄膜太陽電池材料 Download PDF

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圭一 安川
Hideji Ikeda
秀嗣 池田
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佳美 町田
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Abstract

【課題】より長波長の光を吸収し、光電変換特性を示す有機太陽電池材料、及びそれを用いた有機太陽電池を提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物を含む有機薄膜太陽電池材料。
Figure 2014065685

[Rg及びRgは窒素原子を少なくとも1つ有する五員複素環又は六員複素環、Rg及びRgは芳香族炭化水素環又は複素環、Rgはハロゲン、ヒドロキシ、芳香族炭化水素環又は複素環、nは0又は1、Mは配位金属である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池用材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池に関する。
有機薄膜太陽電池は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードや撮像素子、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に代表されるように、光入力に対して電気出力を示す装置であり、電気入力に対して光出力を示すエレクトロルミネッセンス(EL)素子とは逆の応答を示す装置である。中でも太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年大変注目されてきており、研究開発が盛んに行なわれるようになってきた。従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池への要求が高まりつつある。このような背景の中で、有機太陽電池は、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池に次ぐ次世代の太陽電池として大変注目を集めている。
有機太陽電池は、基本的には電子を輸送するn層と正孔を輸送するp層からなっており、各層を構成する材料によって大きく2種類に分類される。
n層としてチタニア等の無機半導体表面にルテニウム色素等の増感色素を単分子吸着させ、p層として電解質溶液を用いたものは、色素増感太陽電池(所謂グレッツエルセル)と呼ばれ、変換効率の高さから、1991年以降精力的に研究されてきたが、溶液を用いるため、長時間の使用に際して液漏れする等の欠点を有していた。そこでこのような欠点を克服するため、電解質溶液を固体化して全固体型の色素増感太陽電池を模索する研究も最近なされているが、多孔質チタニアの細孔に有機物をしみ込ませる技術は難易度が高く、再現性よく高変換効率が発現できるセルは完成していないのが現状である。
一方、n層、p層ともに有機薄膜からなる有機薄膜太陽電池は、全固体型のため液漏れ等の欠点がなく、作製が容易であり、稀少金属であるルテニウム等を用いないこと等から最近注目を集め、精力的に研究がなされている。
有機薄膜太陽電池は、最初メロシアニン色素等を用いた単層膜で研究が進められてきたが、p層/n層の多層膜にすることで変換効率が向上することが見出され、それ以降多層膜が主流になってきている。このとき用いられた材料はp層として銅フタロシアニン(CuPc)、n層としてペリレンイミド類(PTCBI)であった。
その後、p層とn層の間にi層(p材料とn材料の混合層)を挿入して積層を増やすことにより、変換効率が向上することが見出された。しかしこのとき用いられた材料は、依然としてフタロシアニン類とペリレンイミド類であった。またその後、p/i/n層を何層も積層するというスタックセル構成によりさらに変換効率が向上することが見出されたが、このときの材料系はフタロシアニン類とC60であった。
一方、高分子を用いた有機薄膜太陽電池では、p材料として導電性高分子を用い、n材料としてC60誘導体を用いてそれらを混合し、熱処理することによりミクロ層分離を誘起してヘテロ界面を増やし、変換効率を向上させるという、所謂バルクヘテロ構造の研究が主に行なわれてきた。ここで用いられてきた材料系はおもに、p材料としてP3HTと呼ばれる可溶性ポリチオフェン誘導体、n材料としてPCBMと呼ばれる可溶性C60誘導体であった。
このように、有機薄膜太陽電池では、セル構成及びモルフォロジーの最適化により変換効率の向上がもたらされてきたが、そこで用いられる材料系は初期の頃からあまり進展がなく、依然としてフタロシアニン類、ペリレンイミド類、C60類が用いられてきた。従って、それらに代わる新たな材料系の開発が熱望されていた。
特許文献1〜3に開示されているようなアザジピロメテン骨格を有する化合物は有機太陽電池材料として使用されてきた。しかし,いずれも高い性能は得られていない。特許文献1に開示された材料は電子供与性有機材料と組み合わせることで電子受容性有機材料としての機能を発現することを見出している。開放電圧(Voc)を記載しているのみで変換効率の記載はない。特許文献2に関しては変換効率0.03%と非常に低い値を示す、色素増感太陽電池材料としての特許であった。
特開2008−109097号公報 特開2010−184880号公報 WO2010/133208A1パンフレット
有機太陽電池材料を開発する上で、太陽光をより広く長波長の範囲まで吸収し、かつ電気に変換できることは重要である。
本発明は、より長波長の光を吸収し、光電変換特性を示す有機太陽電池材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行い、特定の構造を有するアザジピロメテン骨格を有する化合物が、700nm以上の長波長の光を吸収し、光電変換特性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の有機薄膜太陽電池材料、有機薄膜太陽電池、及び有機薄膜太陽電池を具備する装置が提供される。
1.下記式(I)で表される化合物を含む有機薄膜太陽電池材料。
Figure 2014065685
[式中、
Rg及びRgは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の、窒素原子を少なくとも1つ有する五員複素環、又は置換もしくは無置換の、窒素原子を少なくとも1つ有する六員複素環であり、
Rg及びRgは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環であり、
Rgは、ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環であり、
nは、0又は1であり、
Mは、配位金属である。]
2.前記Mが、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、鉄、銅、及び亜鉛からなる群から選択される1に記載の有機薄膜太陽電池材料。
3.前記式(I)で表される化合物が、下記式(II)で表される1又は2に記載の有機薄膜太陽電池材料。
Figure 2014065685
[式中、
〜R12は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキルアミノ、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、R〜R12のうち隣接する基が前記置換基である場合、互いに結合して環を形成してもよい。]
4.前記式(II)で表される化合物のR及びR、並びにR及びRのいずれか一方又は両方が、前記置換基であるが、R及びR12、並びにR及びRが互いに結合して同時に環を形成する場合を除く3記載の有機薄膜太陽電池材料。
5.前記R及びRが、それぞれ独立して、置換フェニルである3又は4に記載の有機太陽電池材料。
6.前記R及びRが、それぞれ独立して、前記置換基である3〜5のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料。
7.1〜6のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料を活性層に用いる有機薄膜太陽電池。
8.前記活性層がp層又はi層である7に記載の有機薄膜太陽電池。
9.7又は8に記載の有機薄膜太陽電池を具備する装置。
本発明によれば、700〜1000nmの波長範囲に吸収極大を有し、優れた光吸収特性を有するアザジピロメテン骨格を有する化合物を含む有機太陽電池材料を提供することができる。
本発明の有機太陽電池材料を、特に、有機太陽電池のp層やi層に用いたときに700nm以上の長波長の光を吸収し光電変換特性を示す、有機太陽電池を提供することができる。
化合物A、B−1、C−1、及び比較例化合物のジクロロメタン溶液中での光吸収スペクトルを示すチャートである。
本発明の有機薄膜太陽電池材料(以下、本発明の材料という)は、下記式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする。
Figure 2014065685
[式中、
Rg及びRgは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の、窒素原子を少なくとも1つ有する五員複素環、又は置換もしくは無置換の、窒素原子を少なくとも1つ有する六員複素環であり、
Rg及びRgは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環であり、
Rgは、ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環であり、
nは、0又は1であり、
Mは、配位金属である。]
窒素原子を少なくとも1つ有する五員複素環としては、ピロール、ピロリジン、イミダゾール等が挙げられ、イミダゾールであることが特に好ましい。
窒素原子を少なくとも1つ有する六員複素環としては、ピリジン、ピペリジン、ピリミジン等が挙げられる。
環形成炭素数6〜30(好ましくは環形成炭素数6〜14)の芳香族炭化水素環としては、非縮合芳香族炭化水素環及び縮合芳香族炭化水素環が挙げられ、より具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、フェナントレン、フルオレン、スピロフルオレン等が挙げられ、ベンゼンが特に好ましい。
環形成原子数5〜40(好ましくは環形成原子数5〜14)の複素環としては、非縮合複素環及び縮合複素環が挙げられ、具体的には、ピロール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[c]ジベンゾフラン環及びこれらの誘導体から形成される基等が挙げられ、ピロール環が特に好ましい。
本発明において、Mで表される「配位金属」には、金属元素だけでなく、半金属元素も含む。
Mは、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、鉄、銅、又は亜鉛であることが好ましく、ホウ素であることが特に好ましい。
Rgは、Mがケイ素等の5価以上となり得る金属元素である場合に存在する基である。
Rgが存在しない場合、nは0である。
本発明における式(I)で表される化合物は、下記式(II)で表されるアザジピロメテンホウ素キレート化合物であることが好ましい。
Figure 2014065685
[式中、
〜R12は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキルアミノ置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、R〜R12のうち隣接する基が前記置換基である場合、互いに結合して環を形成してもよい。]
本発明において、水素とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
ハロゲンとしては、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルには、直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基が含まれ、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、ネオペンチル、1−メチルペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、アダマンチル等が挙げられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましい。
炭素数1〜20のアルキルアミノは−NAと表され、A及びAは、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルを表す。A及びAの具体例としては、上記炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が挙げられ、メチル及びエチルが特に好ましい。
環形成炭素数6〜30(好ましくは環形成炭素数6〜14)のアリールとしては、非縮合芳香族炭化水素基及び縮合芳香族炭化水素基が挙げられ、非縮合芳香族炭化水素基には、上記基が単結合によって複数連続した基が含まれる。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、9,9−ジフェニルフルオレニル基、9,9’−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ベンゾ[c]フェナントレニル基、ベンゾ[a]トリフェニレニル基、ナフト[1,2−c]フェナントレニル基、ナフト[1,2−a]トリフェニレニル基、ジベンゾ[a,c]トリフェニレニル基、ベンゾ[b]フルオランテニル基等が挙げられ、フェニル基が特に好ましい。
炭素数2〜30(好ましくは炭素数2〜6)のアルケニルとしては、直鎖状、分岐状及び環状のアルケニルを含み、具体的には、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、s−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン、n−オクチレン、n−ノニレン、n−デシレン、n−ウンデシレン、n−ドデシレン、n−トリデシレン、n−テトラデシレン、n−ペンタデシレン、n−ヘキサデシレン、n−ヘプタデシレン、n−オクタデシレン、ネオペンチレン、1−メチルペンチレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン等が挙げられ、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、s−ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンが好ましい。
環形成炭素数6〜30のアリールアミノは−NArArと表され、Ar及びArは、それぞれ独立に、炭素数6〜30の非縮合芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を表す。Ar及びArの具体例としては、上記環形成炭素数6〜30(好ましくは環形成炭素数6〜14)のアリールが挙げられ、フェニル基が特に好ましい。
環形成原子数5〜40(好ましくは環形成原子数5〜14)のヘテロアリールとしては、前記環形成原子数5〜40(好ましくは環形成原子数5〜14)の複素環の1価の基が挙げられ、チオフェニル基が特に好ましい。
非縮合複素環基には、前記各複素環が単結合によって複数連続した基、及び前記複素環と芳香族炭化水素環が単結合によって複数連続した基を含み、その具体例としては、チオフェンが2個連続した1価の基、チオフェンとベンゼンが連続した1価の基等が挙げられる。
「置換若しくは無置換の」上記各基が、置換基を有する場合の置換基の具体例としては、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルキルアミノ、環形成炭素数6〜30のアリール、炭素数2〜30のアルケニル、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ、及び環形成原子数5〜40のヘテロアリールが挙げられる。
また、上記各基の置換基は、さらに置換基を有していてもよい。
〜R12のうち隣接する2つの基、即ち、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、R10とR11、R11とR12、R12とRが、それぞれ独立して、かつ共に上記置換基である場合には、互いに結合して、ピロール環及び/又はベンゼン環と縮合した環を形成してもよい。
及びR、並びにR及びRのいずれか一方又は両方が、上記置換基であることが好ましい。但し、RとR12、並びにRとRが互いに結合して同時に環を形成する場合は除かれる。
及びRは、それぞれ独立して、置換フェニルであることが好ましい。
及びRは、それぞれ独立して、上記置換もしくは無置換の置換基であることが好ましい。
式(II)において、R、R、R、及びRは、チオフェン、アリールアミノ等の電子供与基であるか、電子供与基で置換された基であることが好ましい。電子供与基を有することによって、より長波長の光の吸収特性が高くなると期待される。
上記式(II)で表される化合物は、下記式(III)で表される分子構造が対象なアザジピロメテンホウ素キレート化合物であることが好ましい。
Figure 2014065685
[式中、
〜Rは、式(II)で定義した通りであり、
21〜R25は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、又は炭素数1〜20のアルキル、環形成炭素数6〜30のアリール、炭素数2〜30のアルケニル、環形成炭素数6〜30のアリールアミノ、及び環形成原子数5〜40のヘテロアリールからなる群から選択される置換基である。]
式(III)で表される化合物は、式(II)におけるR及びRが、置換若しくは無置換のベンゼン環である場合に相当する。
次に、式(II)及び式(III)で表されるアザジピロメテンホウ素キレート化合物の製造方法について説明する。
式(II)で示されるアザジピロメテンホウ素キレート化合物は、例えば、以下のようにして合成できる。即ち、中間体II−1と中間体II−2を酢酸と無水酢酸を用いて脱水反応させて、中間体II−3のアザジピロメテン系化合物を得る。次いで中間体II−3を三フッ化ホウ素類と反応させて式(II)で示される化合物を得る。
Figure 2014065685
式(III)で示される分子構造が対象なアザジピロメテンホウ素キレート化合物は、例えば、以下のようにして合成できる。即ち、中間体III−1をニトロ化し、中間体III−2を合成する。得られた中間体III−2に対して酢酸アンモニウムを用いて中間体III−3のアザジピロメテン系化合物を得る。次いで中間体III−3を三フッ化ホウ素類と反応させて式(III)で示される化合物を得る。
Figure 2014065685
式(I)〜(III)で表される化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2014065685
Figure 2014065685
Figure 2014065685
本発明の材料は、式(I)で表される化合物のみを含んでいてもよいし、式(I)で表される化合物と、他の有機太陽電池材料化合物や他の成分を含んでいてもよい。
本発明の材料を用いる有機薄膜太陽電池は、高効率の光電変換特性を示す。
本発明の材料は、有機薄膜太陽電池の活性層に用いることが好ましく、該活性層がp層又はi層であることがより好ましい。
本発明の有機薄膜太陽電池のセル構造は、一対の電極の間に上記本発明の材料を含有する層を有する構造であれば特に限定されるものでない。具体的には、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。
(1)下部電極/有機化合物層/上部電極
(2)下部電極/p層/n層/上部電極
(3)下部電極/p層/i層(又はp材料とn材料の混合層)/n層/上部電極
(4)下部電極/p材料とn材料の混合層/上部電極
及び上記(2)、(3)の構成のp層とn層を置換した構造が挙げられる。
また、必要に応じて、電極と有機層の間にバッファー層を設けてもよい。例えば具体例として、上記構成(1)にバッファー層を設けた場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(5)下部電極/バッファー層/p層/n層/上部電極
(6)下部電極/p層/n層/バッファー層/上部電極
(7)下部電極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/上部電極
本発明の有機薄膜太陽電池用材料は、例えば、有機化合物層、p層、n層、i層、p材料とn材料の混合層、バッファー層に使用できる。
本発明の有機薄膜太陽電池では、電池を構成するいずれかの部材に本発明の材料を含有していればよい。また、本発明の材料を含有する部材は、他の成分を併せて含んでいてもよい。本発明の材料を含まない部材や混合材料については、有機薄膜太陽電池で使用される公知の部材や材料を使用することができる。以下、各構成部材について簡単に説明する。
1.下部電極、上部電極
下部電極、上部電極の材料は特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、p層と接続する電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)や金(Au)、オスミウム(Os),パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、n層と接続する電極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In),カルシウム(Ca),白金(Pt)リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の二成分金属系,さらには上記P層と接続する電極例示材料が使用できる。
尚、高効率の光電変換特性を得るためには、例えば有機薄膜太陽電池が太陽電池の場合、太陽電池の少なくとも一方の面は太陽光スペクトルにおいて充分透明にすることが望ましい。透明電極は、公知の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保するように形成する。受光面の電極の光透過率は10%以上とすることが望ましい。一対の電極構成の好ましい構成では、電極部の一方が仕事関数の大きな金属を含み、他方は仕事関数の小さな金属を含む。
2.有機化合物層
p層、p材料とn材料の混合層又はn層のいずれかである。本発明の材料を有機化合物層に使用するとき、具体的には、下部電極/本発明の材料の単独層/上部電極や、下部電極/本発明の材料と、後述するn層材料又はp層材料の混合層/上部電極等の構成が挙げられる。
3.p層、n層、i層
本発明の材料をp層に用いるときは、n層は特に限定されないが、電子受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば有機化合物であれば、C60、C70等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体等を挙げることができる。電子の移動度が高い材料が好ましい。さらに、好ましくは、電子親和力が小さい材料が好ましい。このように電子親和力の小さい材料をn層として組み合わせることで充分な開放端電圧を実現することができる。
また、無機化合物であれば、n型特性の無機半導体化合物を挙げることができる。具体的には、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、InP、Nb,WO,Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の導電性酸化物が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、酸化チタン、特に好ましくは、二酸化チタンを用いる。
本発明の材料をn層に用いるときは、p層は特に限定されないが、正孔受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば有機化合物であれば、N,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(mTPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’,4’’−トリス(フェニル−3−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等に代表されるアミン化合物、フタロシアニン(Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、チタニルフタロシアニン(TiOPc)等のフタロシアニン類、オクタエチルポルフィリン(OEP)、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)等に代表されるポルフィリン類、高分子化合物であれば、ポリヘキシルチオフェン(P3HT)、メトキシエチルヘキシロキシフェニレンビニレン(MEHPPV)等の主鎖型共役高分子類、ポリビニルカルバゾール等に代表される側鎖型高分子類等が挙げられる。
本発明の材料をi層に用いるときは、上記p層化合物もしくはn層化合物と混合してi層を形成してもよいが、本発明の材料を単独でi層として用いることもできる。その場合のp層もしくはn層は、上記例示化合物のいずれも用いることができる。
4.バッファー層
一般に、有機薄膜太陽電池は総膜厚が薄いことが多く、そのため上部電極と下部電極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、バッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。
バッファー層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
Figure 2014065685
また、バッファー層には、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。この場合、励起子阻止層として好ましい材料としては、例えば有機EL用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。具体的には有機EL用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられる。
Figure 2014065685
さらに、バッファー層には、上記n層材料として例示した無機半導体化合物を用いてもよい。また、p型無機半導体化合物としてはCdTe、p−Si、SiC、GaAs、WO等を用いることができる。
5.基板
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明の有機薄膜太陽電池の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法を適用することができる。
各層の膜厚は特に限定されないが、適切な膜厚に設定する。一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られているため、膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため光電変換効率が低くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生してしまうため、充分なダイオード特性が得られないため、変換効率が低下する。通常の膜厚は1nmから10μmの範囲が適しているが、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
乾式成膜法の場合、公知の抵抗加熱法が好ましく、混合層の形成には、例えば、複数の蒸発源からの同時蒸着による成膜方法が好ましい。さらに好ましくは、成膜時に基板温度を制御する。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、適切な溶媒に溶解又は分散させて発光性有機溶液を調製し、薄膜を形成するが、任意の溶媒を使用できる。例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な溶媒は、これらに限定されるものではない。
本発明においては、有機薄膜太陽電池のいずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げられる。
また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に記載するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
合成例1:化合物Aの合成
下記スキームに従って化合物Aを製造した。
Figure 2014065685
(1)中間体A2の合成
窒素雰囲気下、2’−Hydroxychalcone(中間体A1;25g,110mmol),Nitromethane(30mL,550mmol,5eq),Diethylamine(58mL,560mmol,5.0eq)をMethanol(250mL)に溶かし10時間加熱撹拌還流した。反応混合物に10%の塩酸(200mL)をゆっくり注いだ。さらに酢酸エチル150mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い,適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し茶色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジクロロメタン、)で精製して茶色の液体(29.6g,94%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体A2であること確認した。
(2)中間体A3の合成
1Lの丸底1口フラスコに中間体A2(29.6g,0.1mol),Ethanol(500mL)を入れ、Ammonium acetate(220g,2.85mol,27eq)を加えて48時間加熱撹拌還流した。反応終了後,沈殿物を吸引濾過して緑色の固体を得た。これをMethanolで洗浄し緑色固体(11.1g,44%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体A3であること確認した。
(3)化合物Aの合成
窒素雰囲気下、中間体A3(4g,8.3mmol),Toluene(260mL)を入れ、N,N−Diisopropylethylamine(15mL,86mmol,10eq)、Boron Trifluoride Diethyl Ether Complex(15mL,120mmol,15eq)を加えて2時間加熱撹拌還流した。反応混合物を水100mLで希釈し、ろ液を得た。トルエン100mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し茶色の固体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%ジクロロメタン)で精製して茶色固体(1.3g,32%)を得た。H−NMRを用いて目的物の化合物Aであること確認した。
合成例2:化合物B−1及びB−2の合成
下記スキームに従って、化合物B−1及びB−2を製造した。
Figure 2014065685
(1)中間体B1の合成
窒素雰囲気下、2’−Hydroxyacetophenone(25g,183mmol),4−Bromobenzaldehyde(34g,183mmol),THF(250mL)に溶かし4時間室温で撹拌した。反応混合物に水(200mL)をゆっくり注いだ。さらに酢酸エチル150mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い,適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し黄色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジクロロメタン、)で精製して茶色固体(30g,54%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体B1であること確認した。
(2)中間体B2の合成
窒素雰囲気下、中間体B1(30g,110mmol),Nitromethane(30mL,550mmol,5eq),Diethylamine(58mL,560mmol,5.0eq)をMethanol(250mL)に溶かし10時間加熱撹拌還流した。反応混合物に10%の塩酸(200mL)をゆっくり注いだ。さらに酢酸エチル150mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い,適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し茶色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジクロロメタン、)で精製して茶色の液体(35g,91%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体B2であること確認した。
(3)中間体B3の合成
1Lの丸底1口フラスコに中間体B2(35g,0.1mol),Ethanol(500mL)を入れ、Ammonium acetate(220g,2.85mol,27eq)を加えて48時間加熱撹拌還流した。反応終了後,沈殿物を吸引濾過して緑色の固体を得た。これをMethanolで洗浄し緑色固体(10.5g,45%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体B3であること確認した。
(4)中間体B4の合成
窒素雰囲気下、中間体B3(10.5g,45mmol),Toluene(260mL)を入れ、N,N−Diisopropylethylamine(125mL,450mmol,10eq)、Boron Trifluoride Diethyl Ether Complex(75mL,625mmol,15eq)を加えて2時間加熱撹拌還流した。反応混合物を水100mLで希釈し、ろ液を得た。トルエン100mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し茶色の固体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%ジクロロメタン)で精製して茶色固体(13.2g,91%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体B4であること確認した。
(5)化合物B−1の合成
窒素雰囲気下、中間体B4(6.5g,10mmol),Diphenylamine(2g、12mmol)、cesium
fluoride(4.5g、30mmol),(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(18mg、0.2mmol),Tri−t−butylphosphonium
Tetrafluoroborate(0.19g、1.0mmol)をTHF,50mLに溶かして7時間加熱撹拌還流をおこなった。反応混合物に水50mL、酢酸エチル150mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し黄色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン)で精製して茶色固体(7g、85%)を得た。H−NMRを用いて目的物の化合物B−1であること確認した。
(6)化合物B−2の合成
窒素雰囲気下、中間体B4(6.5g,10mmol),2−Thiopheneboronic
Acid(1.5g、12mmol)、Tripotassium phosphate(6.4g、30mmol),(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(18mg、0.2mmol),Tri−t−butylphosphonium
Tetrafluoroborate(0.19g、1.0mmol)をTHF,50mLに溶かして4時間加熱撹拌還流をおこなった。反応混合物に水50mL、を加えて沈殿物をろ過した。さらにジクロロメタン100mLでろ物を洗浄し、茶色固体(4.8g、74%)を得た。H−NMRを用いて目的物の化合物B−2であること確認した。
合成例3:化合物C−1及びC−2の合成
下記スキームに従って、化合物C−1及びC−2を製造した。
Figure 2014065685
(1)中間体C1の合成
窒素雰囲気下、4’−Bromo−2’−hydroxyacetophenone(25g,116mmol),Benzaldehyde(12g,116mmol),THF(200mL)に溶かし4時間室温で撹拌した。反応混合物に水(200mL)をゆっくり注いだ。さらに酢酸エチル150mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い,適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し黄色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジクロロメタン、)で精製して黄色固体(25g,72%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体C1であること確認した。
(2)中間体C2の合成
窒素雰囲気下、中間体C1(25g,83mmol),Nitromethane(25mL,415mmol),Diethylamine(50mL,415mmol,5.0eq)をMethanol(200mL)に溶かし8時間加熱撹拌還流した。反応混合物に10%の塩酸(200mL)をゆっくり注いだ。さらに酢酸エチル150mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い,適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し茶色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ジクロロメタン、)で精製して茶色の液体(28g,96%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体C2であること確認した。
(3)中間体C3の合成
1Lの丸底1口フラスコに中間体C2(28g,80mmol),Ethanol(500mL)を入れ、Ammonium acetate(200g,2.16mol,27eq)を加えて48時間加熱撹拌還流した。反応終了後,沈殿物を吸引濾過して緑色の固体を得た。これをMethanolで洗浄し緑色固体(9.5g,38%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体C3であること確認した。
(4)中間体C4の合成
窒素雰囲気下、中間体C3(9.5g,30mmol),Toluene(200mL)を入れ、N,N−Diisopropylethylamine(115mL,300mmol,10eq)、Boron Trifluoride Diethyl Ether Complex(58mL,450mmol,15eq)を加えて2時間加熱撹拌還流した。反応混合物を水100mLで希釈し、ろ液を得た。トルエン100mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し茶色の固体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン+50%ジクロロメタン)で精製して茶色固体(17g,88%)を得た。H−NMRを用いて目的物の中間体C4であること確認した。
(5)化合物C−1の合成
窒素雰囲気下、中間体C4(6.5g,10mmol),Diphenylamine(2g、12mmol)、caesium
fluoride(4.5g、30mmol),(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(18mg、0.2mmol),Tri−t−butylphosphonium
Tetrafluoroborate(0.19g、1.0mmol)をTHF,50mLに溶かして10時間加熱撹拌還流をおこなった。反応混合物に水50mL、酢酸エチル150mLを加えて有機層を抽出した。さらに飽和食塩水30mLで有機層を洗い、適量のMgSOで有機層を乾燥した。エバポレーターを用いて溶媒を除去し黄色の液体を得た。これをカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン)で精製して茶色固体(1.7g、21%)を得た。H−NMRを用いて目的物の化合物C−1であること確認した。
(6)化合物C−2の合成
窒素雰囲気下、中間体C4(6.5g,10mmol),2−Thiopheneboronic
Acid(1.5g、12mmol)、Tripotassium phosphate(6.4g、30mmol),(Tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(18mg、0.2mmol),Tri−t−butylphosphonium
Tetrafluoroborate(0.19g、1.0mmol)をTHF,50mLに溶かして7時間加熱撹拌還流をおこなった。反応混合物に水50mL、を加えて沈殿物をろ過した。さらにジクロロメタン100mLでろ物を洗浄し、茶色固体(5.3g、81%)を得た。H−NMRを用いて目的物の化合物C−2であること確認した。
実施例:ジクロロメタン溶液中の吸収スペクトル
化合物A、化合物B−1、化合物C−1、及び下記式で示される従来のアザジピロメテン誘導体(比較例化合物)を、それぞれジクロロメタンに溶解させ10−5Mの溶液を調製した。次に、これらの溶液を石英セルに入れ、日立ハイテク社製のU−3310 Spectrophotometerを用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルを図1に示す。
Figure 2014065685
図1から分かるように、化合物A、B−1及びC−1は、従来のアザジピロメテン誘導体(比較例化合物)に比べ長波長に吸収を持つ有用な有機薄膜太陽電池材料であることが明らかになった。
本発明の有機薄膜太陽電池材料は有機薄膜太陽電池に使用でき、本発明の有機薄膜太陽電池は、時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の各種装置、電化製品の電源として使用できる。

Claims (9)

  1. 下記式(I)で表される化合物を含む有機薄膜太陽電池材料。
    Figure 2014065685
    [式中、
    Rg及びRgは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の、窒素原子を少なくとも1つ有する五員複素環、又は置換もしくは無置換の、窒素原子を少なくとも1つ有する六員複素環であり、
    Rg及びRgは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環であり、
    Rgは、ハロゲン、ヒドロキシ、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40の複素環であり、
    nは、0又は1であり、
    Mは、配位金属である。]
  2. 前記Mが、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、鉄、銅、及び亜鉛からなる群から選択される請求項1に記載の有機薄膜太陽電池材料。
  3. 前記式(I)で表される化合物が、下記式(II)で表される請求項1又は2に記載の有機薄膜太陽電池材料。
    Figure 2014065685
    [式中、
    〜R12は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキルアミノ、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール、置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールアミノ、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜40のヘテロアリールからなる群から選択される置換基であり、R〜R12のうち隣接する基が前記置換基である場合、互いに結合して環を形成してもよい。]
  4. 前記式(II)で表される化合物のR及びR、並びにR及びRのいずれか一方又は両方が、前記置換基であるが、R及びR12、並びにR及びRが互いに結合して同時に環を形成する場合を除く請求項3記載の有機薄膜太陽電池材料。
  5. 前記R及びRが、それぞれ独立して、置換フェニルである請求項3又は4に記載の有機太陽電池材料。
  6. 前記R及びRが、それぞれ独立して、前記置換基である請求項3〜5のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料を活性層に用いる有機薄膜太陽電池。
  8. 前記活性層がp層又はi層である請求項7に記載の有機薄膜太陽電池。
  9. 請求項7又は8に記載の有機薄膜太陽電池を具備する装置。
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