JP2014077042A - ジベンゾピロメテン化合物を含む有機薄膜太陽電池材料 - Google Patents

ジベンゾピロメテン化合物を含む有機薄膜太陽電池材料 Download PDF

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Abstract

【課題】高い開放端電圧を示す有機薄膜太陽電池材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物を含む、有機薄膜太陽電池材料。

(式中、X〜X17は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、又はIであり、但し、X〜X17のうち少なくとも1つ以上が、F、Cl、Br、又はIである。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池用材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池に関する。
有機薄膜太陽電池は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードや撮像素子、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に代表されるように、光入力に対して電気出力を示す装置であり、電気入力に対して光出力を示すエレクトロルミネッセンス(EL)素子とは逆の応答を示す装置である。中でも太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年大変注目されてきており、研究開発が盛んに行なわれるようになってきた。従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池への要求が高まりつつある。このような背景の中で、有機太陽電池は、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池に次ぐ次世代の太陽電池として大変注目を集めている。
有機太陽電池は、基本的には電子を輸送するn層と正孔を輸送するp層からなっており、各層を構成する材料によって大きく2種類に分類される。
n層としてチタニア等の無機半導体表面にルテニウム色素等の増感色素を単分子吸着させ、p層として電解質溶液を用いたものは、色素増感太陽電池(所謂グレッツエルセル)と呼ばれ、変換効率の高さから、1991年以降精力的に研究されてきたが、溶液を用いるため、長時間の使用に際して液漏れする等の欠点を有していた。そこでこのような欠点を克服するため、電解質溶液を固体化して全固体型の色素増感太陽電池を模索する研究も最近なされているが、多孔質チタニアの細孔に有機物をしみ込ませる技術は難易度が高く、再現性よく高変換効率が発現できるセルは完成していないのが現状である。
一方、n層、p層ともに有機薄膜からなる有機薄膜太陽電池は、全固体型のため液漏れ等の欠点がなく、作製が容易であり、稀少金属であるルテニウム等を用いないこと等から最近注目を集め、精力的に研究がなされている。
有機薄膜太陽電池は、最初メロシアニン色素等を用いた単層膜で研究が進められてきたが、p層/n層の多層膜にすることで変換効率が向上することが見出され、それ以降多層膜が主流になってきている。このとき用いられた材料はp層として銅フタロシアニン(CuPc)、n層としてペリレンイミド類(PTCBI)であった。
その後、p層とn層の間にi層(p材料とn材料の混合層)を挿入して積層を増やすことにより、変換効率が向上することが見出された。しかしこのとき用いられた材料は、依然としてフタロシアニン類とペリレンイミド類であった。またその後、p/i/n層を何層も積層するというスタックセル構成によりさらに変換効率が向上することが見出されたが、このときの材料系はフタロシアニン類とC60フラーレンであった。
一方、高分子を用いた有機薄膜太陽電池では、p材料として導電性高分子を用い、n材料としてC60誘導体を用いてそれらを混合し、熱処理することによりミクロ層分離を誘起してヘテロ界面を増やし、変換効率を向上させるという、所謂バルクヘテロ構造の研究が主に行なわれてきた。ここで用いられてきた材料系は主に、p材料としてP3HTと呼ばれる可溶性ポリチオフェン誘導体、n材料としてPCBMと呼ばれる可溶性C60誘導体であった。
このように、有機薄膜太陽電池では、セル構成及びモルフォロジーの最適化により変換効率の向上がもたらされてきたが、そこで用いられる材料系は初期の頃からあまり進展がなく、依然としてフタロシアニン類、ペリレンイミド類、C60類が用いられてきた。従って、それらに代わる新たな材料系の開発が熱望されていた。
例えば、特許文献1にはピロメテン骨格を有する材料が開示されているが、この化合物はイオン化ポテンシャル(Ip)が小さく十分な開放端電圧が得られていない。
特開2010−184880号公報
本発明の目的は、高い開放端電圧を示す有機薄膜太陽電池材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池を提供することである。
本発明によれば、以下の有機薄膜太陽電池素子用材料等が提供される。
1.下記式(1)で表される化合物を含む、有機薄膜太陽電池材料。
(式中、X〜X17は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、又はIであり、但し、X〜X17のうち少なくとも1つ以上が、F、Cl、Br、又はIである。)
2.X〜X17のうち少なくとも2つ以上が、それぞれ独立して、F、Cl、Br、又はIである1記載の有機薄膜太陽電池材料。
3.XがHであることを特徴とする1又は2に記載の有機薄膜太陽電池材料。
4.X〜Xのうち少なくとも1つと、X〜Xのうち少なくとも1つと、X10〜X13のうち少なくとも1つと、X14〜X17のうち少なくとも1つが、F、Cl、Br、又はIである1〜3のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料。
5.1〜4のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料を活性層に用いる有機薄膜太陽電池。
6.前記活性層がp層又はi層である5に記載の有機薄膜太陽電池。
7.5又は6に記載の有機薄膜太陽電池を具備する装置。
本発明によれば、高い開放端電圧を示す有機薄膜太陽電池材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池を提供することができる。
本発明の有機薄膜太陽電池材料(以下、「本発明の材料」という)は、下記式(1)で表される化合物を含む。
式中、X〜X17は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、又はIであり、但し、X〜X17のうち少なくとも1つ以上が、F、Cl、Br、又はIである。
本発明の材料は、式(1)で表されるジベンゾピロメテン骨格にF、Cl、Br、I等の電子吸引性基を導入した化合物を含むものである。かかる有機太陽電池材料を用いることにより高い開放端電圧を示す有機薄膜太陽電池を得ることができる。
本発明において、水素(H)とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
式(1)で表される化合物は、X〜X17のうち少なくとも2つ以上が、それぞれ独立して、F、Cl、Br、又はIであることが好ましい。
また、式(1)で表される化合物は、XがHであることが好ましい。
また、式(1)で表される化合物は、X〜Xのうち少なくとも1つと、X〜Xのうち少なくとも1つと、X10〜X13のうち少なくとも1つと、X14〜X17のうち少なくとも1つが、F、Cl、Br、又はIであることが好ましい。
本発明の式(1)で示されるジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物は、例えば以下のようにして合成できる。
即ち、中間体A1と中間体A2を適当な酸触媒(例えば、臭化水素等)の存在下、適当な溶媒中で反応させて、ジピリン系化合物である中間体A3を得る。適当な酸触媒としては臭化水素酸等を用いることができる。適当な溶媒としては、ジクロロエタン、エタノールやテトラヒドロフラン等を用いることができる。
次いで、中間体A3を三フッ化ホウ素類と反応させて中間体A4を得る。最後に、中間体A4を三臭化ホウ素と反応させ、式(1)で示されるジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物を合成する。
また、式(2)のような左右対称なジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物は、例えば以下のようにして合成できる。
即ち、中間体B1をアンモニア水と酢酸で処理し、中間体B2を得る。次いで、中間体B2を三フッ化ホウ素類と反応させて、中間体B3を得る。最後に、中間体B3を三臭化ホウ素と反応させ、式(2)で示されるジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物を合成する。
式(1)及び式(2)で表される化合物の具体例を以下に示す。
本発明の材料は、式(1)で表される化合物からなる、即ち、式(1)で表される化合物のみを含んでいてもよいし、また、式(1)で表される化合物と、他の有機態様電池材料化合物や他の成分を含んでいてもよい。
本発明の材料を用いる有機薄膜太陽電池は、高い開放端電圧を示す。
本発明の材料は、有機薄膜太陽電池の活性層に用いることが好ましく、該活性層がp層又はi層であることがより好ましい。
本発明の有機薄膜太陽電池のセル構造は、一対の電極の間に上記化合物を含有する構造であれば特に限定されるものでない。具体的には、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。
(1)下部電極/有機化合物層/上部電極
(2)下部電極/p層/n層/上部電極
(3)下部電極/p層/i層(又はp材料とn材料の混合層)/n層/上部電極
(4)下部電極/p材料とn材料の混合層/上部電極
上記(2)、(3)の各構成において、p層とn層を置換してもよい。
また、必要に応じて、電極と有機層の間にバッファー層を設けてもよい。例えば具体例として、上記構成(1)にバッファー層を設けた場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(5)下部電極/バッファー層/p層/n層/上部電極
(6)下部電極/p層/n層/バッファー層/上部電極
(7)下部電極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/上部電極
本発明の有機薄膜太陽電池用材料は、例えば、有機化合物層、p層、n層、i層、p材料とn材料の混合層、バッファー層に使用できる。
本発明の有機薄膜太陽電池は、電池を構成するいずれかの部材に本発明の有機薄膜太陽電池素子用材料を含有していればよい。また、本発明の有機薄膜太陽電池素子用材料を含有する部材は、上記有機薄膜太陽電池素子用材料のみから形成されていてもよく、また、他の成分を併せて含んでいてもよい。本発明の有機薄膜太陽電池素子用材料を含まない部材や混合材料については、有機薄膜太陽電池で使用される公知の部材や材料を使用することができる。
以下、各構成部材について簡単に説明する。
1.下部電極、上部電極
下部電極、上部電極の材料は特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、p層と接続する電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)や金(Au)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、n層と接続する電極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、カルシウム(Ca)、白金(Pt)、リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の二成分金属系、さらには上記P層と接続する電極例示材料が使用できる。
尚、高効率の光電変換特性を得るためには、例えば有機薄膜太陽電池が太陽電池の場合、太陽電池の少なくとも一方の面は太陽光スペクトルにおいて充分透明にすることが望ましい。透明電極は、公知の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性を確保するように形成する。受光面の電極の光透過率は10%以上とすることが望ましい。一対の電極構成の好ましい構成では、電極部の一方が仕事関数の大きな金属を含み、他方は仕事関数の小さな金属を含む。
2.有機化合物層
有機化合物層は、p層、p材料とn材料の混合層又はn層のいずれかである。本発明の有機薄膜太陽電池用材料を有機化合物層に使用するとき、具体的には、下部電極/本発明の材料の単独層/上部電極や、下部電極/本発明の材料と、後述するn層材料又はp層材料の混合層/上部電極等の構成が挙げられる。
3.p層、n層、i層
本発明の有機薄膜太陽電池用材料をp層に用いるときは、n層は特に限定されないが、電子受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば有機化合物であれば、C60、C70等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体等を挙げることができる。電子の移動度が高い材料が好ましい。さらに、好ましくは、電子親和力が小さい材料が好ましい。このように電子親和力の小さい材料をn層として組み合わせることで充分な開放端電圧を実現することができる。
また、無機化合物であれば、n型特性の無機半導体化合物を挙げることができる。具体的には、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、InP、Nb、WO、Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の導電性酸化物が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、酸化チタン、特に好ましくは、二酸化チタンを用いる。
本発明の有機薄膜太陽電池用材料をn層に用いるときは、p層は特に限定されないが、正孔受容体としての機能を有する化合物が好ましい。例えば有機化合物であれば、N,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(mTPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’,4’’−トリス(フェニル−3−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等に代表されるアミン化合物、フタロシアニン(Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、チタニルフタロシアニン(TiOPc)等のフタロシアニン類、オクタエチルポルフィリン(OEP)、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)等に代表されるポルフィリン類、高分子化合物であれば、ポリヘキシルチオフェン(P3HT)、メトキシエチルヘキシロキシフェニレンビニレン(MEHPPV)等の主鎖型共役高分子類、ポリビニルカルバゾール等に代表される側鎖型高分子類等が挙げられる。
本発明の有機薄膜太陽電池用材料をi層に用いるときは、上記p層化合物もしくはn層化合物と混合してi層を形成してもよいが、本発明の有機薄膜太陽電池用材料を単独でi層として用いることもできる。その場合のp層もしくはn層は、上記例示化合物のいずれも用いることができる。
4.バッファー層
一般に、有機薄膜太陽電池は総膜厚が薄いことが多く、そのため上部電極と下部電極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、バッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。
バッファー層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
また、バッファー層には、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。この場合、励起子阻止層として好ましい材料としては、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。具体的には有機EL素子用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられる。
さらに、バッファー層には、上記n層材料として例示した無機半導体化合物を用いてもよい。また、p型無機半導体化合物としてはCdTe、p−Si、SiC、GaAs、WO等を用いることができる。
5.基板
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明の有機薄膜太陽電池の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法を適用することができる。
各層の膜厚は特に限定されないが、適切な膜厚に設定する。一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られているため、膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため光電変換効率が低くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生してしまうため、充分なダイオード特性が得られないため、変換効率が低下する。通常の膜厚は1nmから10μmの範囲が適しているが、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
乾式成膜法の場合、公知の抵抗加熱法が好ましく、混合層の形成には、例えば、複数の蒸発源からの同時蒸着による成膜方法が好ましい。さらに好ましくは、成膜時に基板温度を制御する。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、適切な溶媒に溶解又は分散させて発光性有機溶液を調製し、薄膜を形成するが、任意の溶媒を使用できる。例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な溶媒は、これらに限定されるものではない。
本発明においては、有機薄膜太陽電池のいずれの有機化合物層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げられる。
また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
本発明の有機薄膜太陽電池を用いることにより、これを具備する装置を提供することができる。本発明の有機薄膜太陽電池は、時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の各種装置、電化製品等の電源又は補助電源として使用できる。充電機能のある二次電池と組み合わせ、暗所においても使用可能とし、適用範囲を拡げることも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
合成例1:化合物aの合成
化合物aを下記の合成スキームに従って合成した。
(1)中間体a1の合成
2−メトキシベンズヒドラジド(2-Methoxybenzhydrazide)(25g,151mmol)、5’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノン(5'-Fluoro-2'-hydroxyacetophenone)(23g,151mmol)を1−プロパノール(150ml)中に溶かし、10時間加熱撹拌還流した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体a1を黄色固体(47g,139mmol、収率92%)として得た。
(3)中間体a2の合成
中間体a1(47g,139mmol)、酢酸鉛(IV)(72.5g,164mmol)にテトラヒドロフラン(THF)(500ml)を注ぎ、2時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過で除き、ろ液からエバポレータにて溶媒を除去した。中間体a2を黄色の液体を得た。
(4)中間体a3の合成
上記で得られた中間体a2にメタノール(250ml)、30%アンモニア水(100ml)、酢酸(120ml)を注ぎ12時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体a3を緑色固体(8.2g,16.7mmol、収率24%)として得た。
(5)中間体a4の合成
窒素雰囲気下、中間体a3(8.2g,16.7mmol)にトルエン(200ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(53g,167mmol)、ボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(31ml,250mmol)を加えて8時間80℃で加熱撹拌した。反応混合物を水100mlで希釈し、減圧ろ過して青色のろ物を得た。この固体をメタノール、酢酸エチルで十分洗浄し、中間体a4を青色の粉体(4.3g,8mmol,48%)として得た。
(6)化合物aの合成
窒素雰囲気下、中間体a4(4.3g,8mmol)をジクロロメタン300mlに溶解させ、撹拌しながら−40℃でゆっくりと三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液(80ml,80mmol)を加え、4時間かけて室温に戻しさらに3時間撹拌した。反応混合物を水50mlで希釈し、これを減圧ろ過し緑色のろ物を得た。このろ物をソックスレー抽出器を用いてトルエン(300ml)で精製して緑色固体(2.0g,4.32mmol,収率54%)を得た。1H−NMR、FD−MASSを用いて目的物の化合物aであることを確認した。
合成例2:化合物bの合成
化合物bを下記の合成スキームに従って合成した。
(1)中間体b1の合成
2−メトキシベンズヒドラジド(2-Methoxybenzhydrazide)(25g,151mmol)、4’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノン(4'-Fluoro-2'-hydroxyacetophenone)(23g,151mmol)を1−プロパノール(150ml)中に溶かし、10時間加熱撹拌還流した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体b1を黄色固体(47g,139mmol、収率92%)として得た。
(3)中間体b2の合成
中間体b1(47g,139mmol)、酢酸鉛(IV)(72.5g,164mmol)にテトラヒドロフラン(THF)(500ml)を注ぎ、2時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過で除き、ろ液からエバポレータにて溶媒を除去した。中間体b2を黄色の液体を得た。
(4)中間体b3の合成
上記で得られた中間体b2にメタノール(250ml)、30%アンモニア水(100ml)、酢酸(120ml)を注ぎ12時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体b3を緑色固体(21g,49mmol、収率70%)として得た。
(5)中間体b4の合成
窒素雰囲気下、中間体b3(21g,49mmol)にトルエン(200ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(49ml,490mmol)、ボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(90ml,735mmol)を加えて8時間80℃で加熱撹拌した。反応混合物を水100mlで希釈し、減圧ろ過して青色のろ物を得た。この固体をメタノール、酢酸エチルで十分洗浄し、中間体b4を青色の粉体(10g,18.6mmol,38%)として得た。
(6)化合物bの合成
窒素雰囲気下、中間体b4(10g,18.6mmol)をジクロロメタン300mlに溶解させ、撹拌しながら−40℃でゆっくりと三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液(186ml,186mmol)を加え、4時間かけて室温に戻しさらに3時間撹拌した。反応混合物を水50mlで希釈し、これを減圧ろ過し緑色のろ物を得た。このろ物をソックスレー抽出器を用いてトルエン(300ml)で精製して緑色固体(6.7g、13.6mmol収率73%)を得た。1H−NMR、FD−MASSを用いて目的物の化合物bであることを確認した。
合成例3:化合物cの合成
化合物cを下記の合成スキームに従って合成した。
(1)中間体c1の合成
窒素雰囲気下、メチル5−クロロ−2−メトキシベンゾアート(25g,125mmol)に、ヒドラジンモノハイドレート(20ml,625mmol)、エタノール(100ml)を加えて10時間加熱撹拌還流した。反応混合物からエバポレータを用いて溶媒を除去し、中間体c1を白色固体(25g,収率98%)として得た。
(2)中間体c2の合成
中間体c1(25g,125mmol)、2’−ヒドロキシアセトフェノン(20g,150mmol)を1−プロパノール(150ml)中に溶かし、10時間加熱撹拌還流した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体c2を黄色固体(35g,収率87%)として得た。
(3)中間体c3の合成
中間体c2(31g,109mmol)、酢酸鉛(IV)(72.5g,164mmol)にテトラヒドロフラン(THF)(500ml)を注ぎ、2時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過で除き、ろ液からエバポレータにて溶媒を除去した。中間体c3を黄色の液体(31g,収率87%)として得た。
(4)中間体c4の合成
中間体c3(35g,109mmol)にメタノール(250ml)、30%アンモニア水(100ml)、酢酸(120ml)を注ぎ12時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体c4を緑色固体(18g,収率62%)として得た。
(5)中間体c5の合成
窒素雰囲気下、中間体c4(18g,34mmol)にトルエン(300ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(53g,408mmol)、ボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(50ml,510mmol)を加えて8時間80℃で加熱撹拌した。反応混合物を水100mlで希釈し、減圧ろ過して青色のろ物を得た。この固体をメタノール、酢酸エチルで十分洗浄し、中間体c5を青色の粉体(7.8g,40%)として得た。
(6)化合物cの合成
窒素雰囲気下、中間体c5(7.8g,14mmol)をジクロロメタン300mlに溶解させ、撹拌しながら−40℃でゆっくりと三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液(140ml,140mmol)を加え、4時間かけて室温に戻しさらに3時間撹拌した。反応混合物を水50mlで希釈し、これを減圧ろ過し緑色のろ物を得た。このろ物をソックスレー抽出器を用いてトルエン(300ml)で精製して緑色固体(1.7g、収率24%)を得た。1H−NMR、FD−MASSを用いて目的物の化合物cであることを確認した。
合成例4:化合物dの合成
化合物dを下記の合成スキームに従って合成した。
(1)中間体d1の合成
中間体c1(25g,125mmol)、2’,5’−クロロヒドロキシアセトフェノン(21g,125mmol)を1−プロパノール(150ml)中に溶かし、10時間加熱撹拌還流した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体d1を黄色固体(38g,109mmol,収率87%)として得た。
(2)中間体d2の合成
中間体d1(38g,109mmol)、酢酸鉛(IV)(72.5g,164mmol)にテトラヒドロフラン(THF)(500ml)を注ぎ、2時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過で除き、ろ液からエバポレータにて溶媒を除去した。中間体d2を黄色の液体を得た。
(3)中間体d3の合成
中間体d3にメタノール(250ml)、30%アンモニア水(100ml)、酢酸(120ml)を注ぎ12時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体d3を緑色固体(26g,44mmol,収率80%)として得た。
(4)中間体d4の合成
窒素雰囲気下、中間体d3(26g,44mmol)にトルエン(300ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(44ml,440mmol)、ボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(81ml,660mmol)を加えて8時間80℃で加熱撹拌した。反応混合物を水100mlで希釈し、減圧ろ過して青色のろ物を得た。この固体をメタノール、酢酸エチルで十分洗浄し、中間体d4を青色の粉体(16g,25mmol,57%)として得た。
(5)化合物dの合成
窒素雰囲気下、中間体d4(16g,25mmol)をジクロロメタン300mlに溶解させ、撹拌しながら−40℃でゆっくりと三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液(250ml,250mmol)を加え、4時間かけて室温に戻しさらに3時間撹拌した。反応混合物を水50mlで希釈し、これを減圧ろ過し緑色のろ物を得た。このろ物をソックスレー抽出器を用いてトルエン(300ml)で精製して緑色固体(9.2g,16mmol,収率64%)を得た。1H−NMR、FD−MASSを用いて目的物の化合物dであることを確認した。
合成例5:化合物eの合成
化合物eを下記の合成スキームに従って合成した。
(1)中間体e1の合成
2−メトキシベンズヒドラジド(2-Methoxybenzhydrazide)(25g,151mmol)、5’−ブロモ−2’−ヒドロキシアセトフェノン(5'-Bromo-2'-hydroxyacetophenone)(32g,151mmol)を1−プロパノール(150ml)中に溶かし、10時間加熱撹拌還流した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体e1を黄色固体(54g,148mmol,収率98%)として得た。
(3)中間体e2の合成
中間体e1(54g,148mmol)、酢酸鉛(IV)(72.5g,164mmol)にテトラヒドロフラン(THF)(500ml)を注ぎ、2時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過で除き、ろ液からエバポレータにて溶媒を除去した。中間体e2を黄色の液体を得た。
(4)中間体e3の合成
上記で得られた中間体e2にメタノール(250ml)、30%アンモニア水(100ml)、酢酸(120ml)を注ぎ12時間室温で撹拌した。反応終了後、沈殿した固体を吸引濾過し、中間体e3を緑色固体(16.2g,26.6mmol,収率36%)として得た。
(5)中間体e4の合成
窒素雰囲気下、中間体e3(16.2g,26.6mmol)にトルエン(200ml)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(27ml,266mmol)、ボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(31ml,400mmol)を加えて8時間80℃で加熱撹拌した。反応混合物を水100mlで希釈し、減圧ろ過して青色のろ物を得た。この固体をメタノール、酢酸エチルで十分洗浄し、中間体e4を青色の粉体(9.0g,13.6mmol,51%)として得た。
(6)化合物eの合成
窒素雰囲気下、中間体e4(9g,13.6mmol)をジクロロメタン300mlに溶解させ、撹拌しながら−40℃でゆっくりと三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液(136ml,136mmol)を加え、4時間かけて室温に戻しさらに3時間撹拌した。反応混合物を水50mlで希釈し、これを減圧ろ過し緑色のろ物を得た。このろ物をソックスレー抽出器を用いてトルエン(300ml)で精製して緑色固体(5.8g、9.8mmol収率72%)を得た。1H−NMR、FD−MASSを用いて目的物の化合物eであることを確認した。
実施例1
[化合物のイオン化ポテンシャル(Ip)の測定]
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして実施例1で合成した化合物aを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜し、膜厚100nmの化合物a膜(p層)を形成した。化合物a膜について理研計器株式会社製のAC−3でイオン化ポテンシャル(Ip)を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例2〜5
化合物aの代わりにそれぞれ化合物b〜eを用いた以外は実施例1の方法に従い、Ipを測定した。結果を表1に示す。
比較例1
化合物aの代わりに下記の比較化合物を用いた以外は実施例1の方法に従い、Ipを測定した。結果を表1に示す。
実施例6
[有機薄膜太陽電池の作製]
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして実施例1で合成した化合物a(p層化合物)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜し、膜厚30nmの化合物a膜(p層)を形成した。
続けて、この化合物a膜上に加熱蒸着によりC60(n層化合物)を1Å/sで成膜し、膜厚60nmのC60膜(n層)を形成した。さらに、バッファー層としてバソクプロイン(BCP)を1Å/sで成膜し、10nmの膜を形成した。最後に対向電極として金属Alを膜厚80nmで蒸着させ、有機薄膜太陽電池素子(素子面積0.25cm)を製造した。
上記の有機薄膜太陽電池素子の製造に用いた材料を以下に示す。
得られた有機薄膜太陽電池素子について、エアマスAM1.5条件下(光強度(Pin)100mW/cm)で電流−電圧特性(I−V特性)を測定した。開放端電圧(Voc)を表2に示す。
尚、太陽電池特性の測定時は、上記の素子に光学マスクを被せて面積0.00225cmの範囲の太陽電池特性を測定した。また、光電変換効率(η)は次式によって求めた。
(式中、Vocは開放端電圧、Jscは短絡電流密度、FFは曲線因子、Pinは入射光エネルギーである。)
光電変換効率ηは、入射光エネルギーPinが一定であるので、Voc、Jsc及びFFのいずれか1つ以上が大きな化合物ほど優れた変換効率を示すことになる。
実施例7〜10
p層化合物として用いた化合物aをそれぞれ化合物b〜eに変更した以外は、実施例6の方法に従って有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例2
p層化合物として用いた化合物aを上記の比較化合物に変更した他は、実施例6の方法に従って有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
本発明の有機薄膜太陽電池材料は有機薄膜太陽電池に使用でき、本発明の有機薄膜太陽電池は、時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の各種装置、電化製品の電源として使用できる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される化合物を含む、有機薄膜太陽電池材料。
    (式中、X〜X17は、それぞれ独立して、H、F、Cl、Br、又はIであり、但し、X〜X17のうち少なくとも1つ以上が、F、Cl、Br、又はIである。)
  2. 〜X17のうち少なくとも2つ以上が、それぞれ独立して、F、Cl、Br、又はIである請求項1記載の有機薄膜太陽電池材料。
  3. がHであることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機薄膜太陽電池材料。
  4. 〜Xのうち少なくとも1つと、X〜Xのうち少なくとも1つと、X10〜X13のうち少なくとも1つと、X14〜X17のうち少なくとも1つが、F、Cl、Br、又はIである請求項1〜3のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池材料を活性層に用いる有機薄膜太陽電池。
  6. 前記活性層がp層又はi層である請求項5に記載の有機薄膜太陽電池。
  7. 請求項5又は6に記載の有機薄膜太陽電池を具備する装置。
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