JP2014075476A - 有機太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】励起子の失活、再結合損失を抑制した有機太陽電池を提供する。
【解決手段】陽極、光電変換層及び陰極を含む有機太陽電池であって、前記光電変換層がn型半導体層及び第1のドーパントを含むドープn型半導体層を含み、前記n型半導体層とドープn型半導体層が接している有機太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機太陽電池に関する。
有機太陽電池(有機薄膜太陽電池)は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードや撮像素子、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に代表されるように、光入力に対して電気出力を示す装置である。
太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年大変注目され、研究開発が盛んに行なわれている。
従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池への要求が高まりつつある。このような背景の中で、有機太陽電池は、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池に次ぐ次世代の太陽電池として大変注目を集めている。
有機太陽電池及びそれを用いた有機太陽電池モジュールにおいて、高効率化及び低コスト化が求められている。
有機太陽電池素子では、光照射により生成された励起子から、正孔と電子の両電荷が分離生成される。従って、有機太陽電池における高効率化は、光活性な光電変換層の中での励起子の失活を抑制し、電荷分離を効果的に行うことによって実現することが可能である。
励起子の再結合を伴わずに励起子拡散を制御することは、有機太陽電池の高効率化において非常に重要である。
励起子の拡散距離は、構造及び化学的な純度に関して完璧な単結晶を用いれば大きくすることができると考えられるが、汎用に単結晶有機材料を使用することは不可能である。
励起子の拡散距離を長くする代わりに、電荷分離をもたらすpn界面までの平均的な距離を小さくすることが提案されている。i層(p材料とn材料の混合層)やバルクヘテロ構造を導入して、光生成された励起子が非常に短い距離を拡散するだけでpn界面に到達すればよいことになり、変換効率が向上することが見出された。
また、低分子材料と同様に高分子材料を用いた有機太陽電池においても、p材料として導電性高分子、n材料として可溶性C60誘導体を用いて、それらを混合、熱処理してミクロ相分離を誘起してヘテロ界面を増やすことにより変換効率を向上させる、所謂バルクヘテロ構造の研究が主に行なわれている。
また、有機太陽電池の特性を改善する策として、他のアプローチは以下のようなものが挙げられる。
有機太陽電池においてnドーピングを行うことで、変換効率を向上する報告がなされている。
例えば、特許文献1において、有機半導体マトリックス材料へのnドーパントとなる金属錯体として、Mhpp(MはCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo又はWである)で表される金属錯体が報告されている。
非特許文献1において、有機太陽電池素子において、n型半導体として用いるC60層に対して、IrC錯体をドーピングしたことが報告されている。
特許文献2において、光活性層よりも大きな光学バンドギャップを有する電荷伝導層として、ドーピングにより導電率を向上した層を用いることが報告されている。
特表2007−526640号公報 特開2011−228752号公報
Appl.Phys.Lett.99,193301(2011)
本発明の目的は、励起子の失活、再結合損失を抑制した有機太陽電池を提供することである。
本発明によれば、以下の有機太陽電池が提供される。
1.陽極、光電変換層及び陰極を含む有機太陽電池であって、前記光電変換層がn型半導体層及び第1のドーパントを含むドープn型半導体層を含み、前記n型半導体層とドープn型半導体層が接している有機太陽電池。
2.陽極、第1の光電変換層、中間電極、第2の光電変換層及び陰極をこの順に含む有機太陽電池であって、前記第1の光電変換層及び第2の光電変換層のうち少なくとも1つがn型半導体層及び第1のドーパントを含むドープn型半導体層を含み、前記n型半導体層とドープn型半導体層が接している有機太陽電池。
3.前記n型半導体層、前記ドープn型半導体層及び前記陰極がこの順に積層されている1又は2に記載の有機太陽電池。
4.前記第1のドーパントが金属錯体である1〜3のいずれかに記載の有機太陽電池。
5.前記金属錯体がイリジウム(Ir)錯体又はルテニウム(Ru)錯体であり、かつ、イオン化ポテンシャル(Ip)が5.7eVよりも小さい4に記載の有機太陽電池。
6.前記第1のドーパントの三重項エネルギーギャップが、前記n型半導体層に含まれるn型半導体材料の三重項エネルギーギャップよりも大きい1〜5のいずれかに記載の有機太陽電池。
7.前記ドープn型半導体層に含まれるn型半導体材料がフラーレン又はフラーレン誘導体である1〜6のいずれかに記載の有機太陽電池。
8.前記光電変換層、又は前記第1の光電変換層及び第2の光電変換層のうち少なくとも1つが、p型半導体層及び第2のドーパントを含むドープp型半導体層を含む1〜7のいずれかに記載の有機太陽電池。
本発明によれば、励起子の失活、再結合損失を抑制した有機太陽電池が提供できる。
本発明の有機太陽電池(有機薄膜太陽電池)は、陽極、光電変換層及び陰極を含み、光電変換層が、n型半導体層(n層)及びドーパントを含むドープn型半導体層(ドープn層)を含み、n層とドープn層が接している。
n層、ドープn層及び陰極がこの順に積層されていると好ましい。
n層とドープn層が接していることにより、活性層で生じた励起子の失活や、再結合による損失を抑制することができる。また、変換効率の支配因子である励起子失活や再結合損失を抑制することで、変換効率を高めることができる。
励起子失活、再結合損失は、有機太陽電池の曲線因子(FF)により評価することができ、FF(0〜1)の値が1に近いほど励起子失活や再結合損失が少ない。
光電変換層としては、n層、ドープn層の他、p層、i層(p材料とn材料の混合層)や後述するドープp層等が挙げられるが、ドープn層、ドープp層以外の光電変換層は、電気的な観点でドーピングされていないか(ノンドープ)、又はドープn層、ドープp層と比較してわずかしかドーピングされていないことが好ましい。
ドープn層に用いるドーパント(第1のドーパント、nドーパント)は、好ましくは金属錯体である。金属錯体の中心金属(M)は、好ましくは分子量が40超の遷移金属である。
Mとしては、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ru、Pd、Ag、W、Os、Ir、Pt、Au等が挙げられ、金属錯体としては、イリジウム(Ir)錯体又はルテニウム(Ru)錯体が好ましい。
また、nドーパントは、イオン化ポテンシャル(Ip)が5.7eVよりも小さいと好ましく、5.65eVよりも小さいとより好ましい。
Ipが5.7eVよりも小さいと、nドーパントとしてn層材料に対してドナー性に優れる。
Ipは、ITOガラス基板上に真空蒸着で目的化合物の薄膜を成膜し、ITOガラス基板上の薄膜を用いて大気下で光電子分光装置(理研計器(株)社製:AC−3)を用いて測定することができる。具体的には、目的化合物の薄膜に光を照射し、その際に電荷分離によって生じる電子量を測定することにより測定することができる。
nドーパントの三重項エネルギーギャップ(Eg(T1))は、隣接するn層のn型半導体材料(n材料)のEg(T1)よりも大きいことが好ましく、より好ましくは0.8eV以上大きい。
例えば、n層にフラーレンC60(Eg(T1)=1.56eV)を用いた場合、ドープn層のnドーパントは、Eg(T1)が1.56eVより大きいもの、好ましくは2.36eVより大きいものを用いる。
このような関係を満たすことで、n層で生成した励起子の拡散を、高い三重項エネルギーギャップを有するドープn層によりブロックすることができる。例えば、n層にフラーレンC60を用いた場合、ドープn層により、フラーレンC60層で生成した励起子の拡散をブロックすることができ、励起子の失活、再結合損失を抑制することができる。
三重項エネルギーギャップは、りん光発光のピーク波長により算出することができる。りん光発光スペクトルは、蛍光分光光度計(日立F−4500)を用い、りん光測定モードにて測定することができる。対象の材料をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2)溶媒に濃度:1×10−4Mに溶解した溶液を、温度77Kにて測定を行うことで求められる。
ドープn層におけるドーピングの割合は、ドープn層に含まれるn材料(ホスト材料)に対して、制御が可能である0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
nドーパントを、以下に例示する。また、各材料のIpとEg(T1)を示す。
Figure 2014075476
ドープn層に含まれるn材料(ホスト材料)としては、後述するn材料を用いることができるが、好ましくはフラーレン又はフラーレン誘導体である。
また、上記のnドーパントを用いて、後述するバッファ層をドーピングすることもできる。
ドーピング割合は、上記ドープn層と同様である。
本発明の有機太陽電池は、好ましくは、さらにp型半導体層(p層)及びドーパント(第2のドーパント、pドーパント)を含むドープp型半導体層(ドープp層)を含む。
ドープp層のホスト化合物は、p層よりも光学エネルギーギャップ(三重項エネルギーギャップ)が大きいことが好ましい。
pドーパントは、例えば電子吸引性の置換基を有する有機化合物であり、具体的には、電子吸引性の置換基を有するキノイド誘導体、電子吸引性の置換基を有するピラジン誘導体、電子吸引性の置換基を有するアリールボラン誘導体、電子吸引性の置換基を有するイミド誘導体等が挙げられる。
例えば上記キノイド誘導体としては、キノジメタン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、チオキサンテンジオキシド誘導体、キノン誘導体等が挙げられ、電子吸引性の置換基として、フルオロ基、シアノ基が挙げられ、これら化合物は1種単独で、又は2種以上の混合物として使用できる。
これらのうち、好ましくは電子吸引性基の置換基がシアノ基であるシアノ化合物である。
ドーパントであるシアノ化合物としては、好ましくは下記式(1)で表わされるテトラシアノキノジメタン誘導体である。式(1)で表わされるテトラシアノキノジメタン誘導体は、より好ましくは4つのRのうち少なくとも1つがシアノ基であり、さらに好ましくは4つのRのうち少なくとも2つがシアノ基である。
Figure 2014075476
(式中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、炭素数2〜20のジアルキルアミン基又はシアノ基である。)
ドープp層に用いるp材料(ホスト材料)としては、後述するp材料を用いることができるが、好ましくは下記式(5)で示される化合物である。
Figure 2014075476
(式中、Lは、フェニレン基、ビフェニレン基、テルフェニレン基、又は置換基として9位に環を形成していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を有するフルオレニレン基である。
Arは、フェニル基、ナフチル基及びフェナントリル基から選ばれるアリール基で置換されたフェニル基、又はナフチル基であり、
Ar〜Arは、それぞれ独立に、フェニル基、ナフチル基置換のフェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、フェニル基置換のナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、又は置換基として9位に環を形成してもよい炭素数1〜6のアルキル基を有するフルオレニル基であり、
Ar〜Arは互いに異なる、又はAr〜Arのいずれか3つは互いに異なる。
但し、Ar〜Arは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子でさらに置換されていてもよい。)
上述の通り、式(5)のAr〜Arのうち少なくとも3つは、置換基(炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子)を除いたアリール骨格部分が互いに異なる。
ドープp層において、pドーパントとp材料の含有比(又はドープ率)は、例えば質量比でp材料に対してpドーパントが0.1〜80%であり、好ましくは0.5〜50%であり、より好ましくは1〜20%である。
また、ドープp層の厚さは、例えば1〜300nmであり、好ましくは5〜250nmであり、より好ましくは10〜200nmである。
本発明の有機太陽電池のセル構造は、一対の電極の間に光電変換層を有し、光電変換層がn層及びドープn層を含み、これらが接している構造であれば特に限定されるものでない。具体的には、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。
(1)下部電極(陽極)/p層/n層/ドープn層/上部電極(陰極)
(2)下部電極/p層/i層(p材料とn材料の混合層)/n層/ドープn層/上部電極
また、必要に応じて電極と光電変換層の間にバッファー層を設けてもよい。例えば、上記構成(1)にバッファー層を設けた場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(3)下部電極/バッファー層/p層/n層/ドープn層/上部電極
(4)下部電極/p層/n層/ドープn層/バッファー層/上部電極
(5)下部電極/バッファー層/p層/n層/ドープp層/バッファー層/上部電極
また、逆の電荷型であるp層にドープp層を接して設ける場合、下記の構成とすることができる。例えば、上記構成(1)にドープp層を設けた場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(6)下部電極/ドープp層/p層/n層/ドープn層/上部電極
(7)下部電極/ドープp層/p層/n層/ドープn層/バッファー層/上部電極
(8)下部電極/バッファー層/ドープp層/p層/n層/ドープn層/バッファー層/上部電極
また、中間電極を介して、第1の光電変換層と第2の光電変換層をスタッキングしたタンデム素子構成としてもよく、この場合、上記第1及び第2の光電変換層のいずれか1つがn層及びドープn層を含み、n層とドープn層が接している構成であればよい。
例えば、上記構成(6)をタンデム素子構成とした場合、下記構成を有する構造が挙げられる。
(9)下部電極/ドープp層/p層/n層/ドープn層/中間電極/ドープp層/p層/n層/ドープn層/上部電極
タンデム素子構成の場合、スタック数には制限がなく、2又は3以上の光電変換層をスタックしてもよい。この場合、複数の光電変換層のいずれか1つがn層及びドープn層を含み、n層とドープn層が接している構成であればよい。
また、各光電変換層を構成する材料が同じ光吸収波長を有していてもよく、互いに異なる吸収スペクトルを有する複数の層から構成して互いに太陽光スペクトルに関して補完しあう構造であってもよい。
また、上記の構成において、p層とn層を置換してもよい(逆構成)。この場合、ドープn層は下部電極とn層の間に設け、ドープp層を設ける場合は、p層と上部電極の間に設ける。例えば上記(1)、(6)を逆構成にした場合、以下のような構造が挙げられる。
(10)下部電極/ドープn層/n層/p層/上部電極
(11)下部電極/ドープn層/n層/p層/ドープp層/上部電極
上記有機太陽電池における各構成部材は、有機太陽電池で使用される公知の部材や材料を使用することができる。以下、各構成部材について簡単に説明する。
[p材料]
p材料は特に限定されないが、正孔受容体としての機能を有する化合物が好ましく、正孔の移動度が高い材料が好ましい。
例えば、N,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(mTPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’,4’’−トリス(フェニル−3−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等に代表されるアミン化合物、フタロシアニン(Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、チタニルフタロシアニン(TiOPc)、ホウ素フタロシアニン(SubPc)等のフタロシアニン錯体、ナフタロシアニン錯体、ベンゾポルフィリン(BP)、オクタエチルポルフィリン(OEP)、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)等に代表されるポルフィリン錯体が挙げられる。
また、溶液による塗布プロセスを用いる高分子化合物であれば、メトキシエチルヘキシロキシフェニレンビニレン(MEHPPV)、ポリヘキシルチオフェン(P3HT)、シクロペンタジチオフェン‐ベンゾチアジアゾール(PCPDTBT)等の主鎖型共役高分子類、ポリビニルカルバゾール等に代表される側鎖型高分子類等が挙げられる。
また、上記式(2)、(3)、(5)で表される化合物も好適に用いることができる。
[n材料]
n材料は特に限定されないが、正孔供与体としての機能を有する化合物が好ましく、電子の移動度が高い材料が好ましい。
例えば、有機化合物であれば、C60、C70等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF基含有ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体等を挙げることができる。好ましくは、アフィニティ(電子親和力)が小さい材料が好ましい。アフィニティの小さい材料をn層として組み合わせることで充分な開放端電圧を実現することができる。
変換効率の点でフラーレン又はフラーレン誘導体が好ましい。
無機化合物であれば、n型特性の無機半導体化合物を挙げることができる。具体的には、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、InP、Nb,WO,Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体、又、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の導電性酸化物が挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。変換効率の点で好ましくは、酸化チタン、特に好ましくは、二酸化チタンを用いる。
電荷発生層の厚みは、例えば0.5〜200nmであり、好ましくは1〜100nmであり、より好ましくは2〜50nmである。
[バッファー層材料]
一般に、有機薄膜太陽電池は総膜厚が薄いことが多く、そのため正極と負極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、電極に接してバッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。また、発生した電流を効率よく外部に取り出すためにもバッファー層を設けた方が好ましい。
バッファー層に好ましい化合物としては、例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
Figure 2014075476
バッファー層には、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は正極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。
この場合、励起子阻止層として好ましい材料としては、例えば有機EL素子用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。具体的には有機EL用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられる。
Figure 2014075476
さらに、バッファー層には、上記n材料として例示した無機半導体化合物を用いてもよい。また、p型無機半導体化合物としてはCdTe、p−Si、SiC、GaAs、WO等を用いることができる。
バッファ層の厚みは、例えば0.1〜200nmであり、好ましくは0.5〜100nmであり、より好ましくは1〜50nmである。
[正極及び負極]
正極及び負極の材料は特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、正極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、金(Au)、オスミウム(Os),パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、負極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In),カルシウム(Ca),白金(Pt)リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の2成分金属系,さらには正極の例示材料が使用できる。
尚、高効率の光電変換特性を得るためには、有機薄膜太陽電池の少なくとも一方の面は太陽光スペクトルにおいて充分透明にすることが望ましい。透明電極は、公知の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保するように形成する。受光面の電極の光透過率は10%以上とすることが望ましい。一対の電極構成の好ましい構成では、電極部の一方が仕事関数の大きな金属を含み、他方は仕事関数の小さな金属を含む。
[中間電極]
本発明のような積層型有機光電変換素子において、中間電極は、電子−正孔再結合ゾーンを形成し、積層型素子の個々の光電変換ユニットを分離することができる。
中間電極は、正極側の光電変換ユニット(フロントセル)のn層と、負極側の光電変換ユニット(バックセル)のp層の間の逆ヘテロ接合の形成を防ぐ役目をする。中間電極は、正極側の光電変換ユニットから入る電子と負極側の光電変換ユニットからの正孔が再結合するゾーンを提供し、効率的な再結合によって光誘起電流を起こすことができる。
中間電極は、好ましくは薄い金属層であり、当該金属層は、光が負極側の(複数の)光電変換ユニットに到達できるように、十分薄く且つ半透明であるとよい。
従って、中間電極の厚さは、好ましくは約20Å以下であり、より好ましくは約5Å程度であり、中間電極は、金属の連続膜でも、孤立した金属ナノ粒子からなる層でもよい。
中間電極の材料は特に限定されず、上記正極及び負極を形成する材料を用いることができ、好ましくは、Pt及びAu、Ca、Mg、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Cd、Mo、V、Ti、In及びSnの金属及び酸化物、並びにMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の2成分金属系から選択される1以上からなる。
上記Ca、Mg、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Cd、Mo、V、Ti、In、Snの酸化物としては、例えばMoO、VO、ZnO、TiO、TiO、In、SnO及びV等が挙げられる。
中間電極は、より好ましくは、銀からなる層、銀及び酸化モリブデン(MoO3)の合金又は積層膜からなる層、金及びカルシウムからなる層、又は酸化モリブデン(MoO)からなる層である。
[基板]
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムが挙げられる。
透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
[有機太陽電池の製造方法]
本発明の有機太陽電池素子の各層の形成には、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法;及びスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法を適用することができる。
上記いずれの成膜プロセス、あるいは組み合わせを適用することができるが、有機薄膜は水分・酸素の影響を受けるため、より好ましくは、成膜プロセスが統一されていることが望ましい。
各層の膜厚は特に限定されないが、適切な膜厚に設定するとよい。
一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られているため、膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため、光電変換効率が低くなるおそれがある。一方、膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生してしまうため、充分なダイオード特性が得らず、変換効率が低下するおそれがある。
従って、膜厚は通常1nmから10μmの範囲であり、好ましくは3nmから0.2μmの範囲である。
乾式成膜法は、公知の抵抗加熱法が好ましく、混合層の形成には、例えば、複数の蒸発源からの同時蒸着による成膜方法が好ましい。さらに好ましくは、成膜時に基板温度を制御する。
湿式成膜法は、各層を形成する材料を、適切な溶媒に溶解又は分散させて有機溶液を調製し、湿式成膜法で形成した薄膜を適切な温度による加熱をして溶媒除去することで実施する。
上記溶媒は任意の溶媒が使用でき、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。
上記溶媒のうち、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。
有機太陽電池素子のいずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げられる。
また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
[有機太陽電池の作製・評価(順構成型素子)]
実施例1
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして、膜厚30nmの化合物Aを抵抗加熱蒸着により、1Å/sで成膜した。続けてその上に膜厚50nmのC60を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。
続いて、C60を1Å/sで10nm、化合物Bを0.02Å/sで0.2nmになるように同時蒸着し、nドープ層(混合層)を形成した。続けてその上に、10nmのバソクプロイン(BCP)を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。最後に、連続して対向電極として金属Alを膜厚100nm蒸着させ、有機太陽電池を作製した。素子面積は1.0cmであった。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/化合物A(30)/C60(50)/C60:化合物B(10:0.2)/BCP(10)/Al(100)
このように作製した有機太陽電池をAM1.5条件下(光強度(Pin)100mW/cm)でI−V特性を測定した。開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)、光電変換効率(η)を表2に示す。
光電変換効率(η)は次式によって求めた。
Figure 2014075476
(式中、Vocは開放端電圧、Jscは短絡電流密度、FFは曲線因子、Pinは入射光エネルギーである。)従って、同じPinに対して、Voc、Jsc及びFFがいずれも大きな化合物ほど優れた変換効率を示す。
実施例2
nドープ層を、C60を1Å/sで10nm、化合物Bを0.05Å/sで0.5nmとなるように同時蒸着して形成した他は、実施例1と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例3
nドープ層を、C60を1Å/sで10nm、化合物Bを0.2Å/sで2nmとなるように同時蒸着して形成した他は、実施例1と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例1
60層の膜厚を60nmとし、nドープ層を設けなかった他は実施例1と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/化合物A(30)/C60(60)/BCP(10)/Al(100)
比較例2
60層を設けず、nドープ層を、C60を1Å/sで60nm、化合物Bを0.05Å/sで3nmとなるように同時蒸着して形成した他は、実施例1と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/化合物A(30)/C60:化合物B(60:3)/BCP(10)/Al(100)
実施例4
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして、膜厚10nmの化合物Cを抵抗加熱蒸着により、1Å/sで成膜した。続けてその上に膜厚10nmのSubNcを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した後、続けてその上に膜厚50nmのC60を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。
続いて、C60を1Å/sで10nm、化合物Bを0.05Å/sで0.5nmになるように同時蒸着し、nドープ層を形成した。その上に、10nmの化合物Dを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。最後に、連続して対向電極として金属Alを膜厚100nm蒸着させ、有機薄膜太陽電池を作製した。素子面積は1.0cmであった。
このように作製した有機太陽電池について、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/化合物C(10)/SubNc(10)/C60(50)/C60:化合物B(10:0.5)/化合物D(10)/Al(100)
実施例5
60層の膜厚を55nmとし、nドープ層をC60を1Å/sで5nm、化合物Bを0.05Å/sで0.25nmとなるように同時蒸着して形成した他は、実施例4と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例3
60層の膜厚を60nmとし、nドープ層を設けなかった他は実施例4と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/化合物C(10)/SubNc(10)/C60(60)/化合物D(10)/Al(100)
比較例4
60層を設けず、nドープ層を、C60を1Å/sで60nm、化合物Bを0.05Å/sで3nmになるように同時蒸着して形成した他は、実施例4と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/化合物C(10)/SubNc(10)/C60:化合物B(60:3)/化合物D(10)/Al(100)
[有機太陽電池の作製・評価(逆構成型素子)]
実施例6
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず下部電極である透明電極ラインが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆うようにして、膜厚0.5nmのCaを抵抗加熱蒸着により、3Å/sで成膜した。
続いて、C60を1Å/sで5nm、化合物Bを0.05Å/sで0.25nmになるように同時蒸着し、nドープ層(混合層)を形成した。その上に膜厚15nmのC70を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。続いて、SubNcを0.1Å/sで5nm、C70を0.4Å/sで20nmになるように同時蒸着し、i層(混合層)を形成した。続いて、膜厚10nmの化合物Cを抵抗加熱蒸着により、1Å/sで成膜した。続いて、化合物Cを1Å/sで30nm、化合物Eを0.05Å/sで1.5nmになるように同時蒸着し、pドープ層(混合層)を形成した。
その上に、5nmのMoOを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。最後に、連続して対向電極として金属Alを膜厚100nm蒸着させ、有機薄膜太陽電池を作製した。素子面積は1.0cmであった。
本実施例の素子は、ITOを陰極として用い、対抗電極であるAlを陽極として用いる逆構成型の素子である。このように作製した有機太陽電池について、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/Ca(0.5)/C60:化合物B(5:0.25)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(5)/Al(100)
実施例7
nドーパントである化合物Bを化合物Fに変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例8
nドーパントである化合物BをCuPcに変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例9
nドーパントである化合物Bを化合物Gに変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例10
nドーパントである化合物BをIr(ppy)に変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例11
nドーパントである化合物BをIr(ppz)に変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例12
nドーパントである化合物BをRu(acac)に変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例13
nドーパントである化合物BをFirpicに変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例14
nドーパントである化合物BをPTCBIに変更した他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例5
nドープ層の成膜において、化合物Bを用いなかった(即ち、非ドープのC60層とした)他は、実施例6と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/Ca/C60(5)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(5)/Al(100)
実施例15
実施例6と同様にしてITO透明電極付きガラス基板にCaを成膜後、化合物Dを1Å/sで5nmになるように抵抗加熱蒸着により成膜した。続いて、実施例6と同様にしてnドープ層以降を形成して有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/Ca/化合物D(5)/C60:化合物B(5:0.25)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(5)/Al(100)
実施例16
実施例6と同様にしてITO透明電極付きガラス基板にCaを成膜後、化合物Dを1Å/sで5nmになるように抵抗加熱蒸着により成膜した。続いて、実施例6と同様にしてnドープ層を成膜し、その上にC60を1Å/sで5nmになるように抵抗加熱蒸着により成膜した。その後、実施例6と同様にしてC70層以降を形成して有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/Ca/化合物D(5)/C60:化合物B(5:0.25)/C60(5)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(5)/Al(100)
比較例6
実施例6と同様にしてITO透明電極付きガラス基板にCaを成膜後、化合物Dを1Å/sで5nmになるように抵抗加熱蒸着により成膜した。続いて、nドープ層を成膜せずに、C60を1Å/sで5nmになるように抵抗加熱蒸着により成膜した。その後、実施例6と同様にしてC70層以降を形成して有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/Ca/化合物D(5)/C60(5)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(5)/Al(100)
[有機太陽電池の作製・評価(タンデム型素子)]
実施例17
実施例6と同様にしてpドープ層(混合層)まで形成した。
続けて、2nmのMoOを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜し、金属Alを膜厚1nm蒸着させ、膜厚0.5nmのCaを抵抗加熱蒸着により、3Å/sで成膜して中間電極を形成した。
その後、C60を1Å/sで5nm、化合物Bを0.05Å/sで0.25nmになるように同時蒸着し、nドープ層(混合層)を形成した。その上に膜厚15nmのC70を抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。続いて、SubNcを0.1Å/sで5nm、C70を0.4Å/sで20nmになるように同時蒸着し、i層(混合層)を形成した。続いて、膜厚10nmの化合物Cを抵抗加熱蒸着により、1Å/sで成膜した。続いて、化合物Cを1Å/sで30nm、化合物Eを0.05Å/sで1.5nmになるように同時蒸着し、pドープ層(混合層)を形成した。
その上に、5nmのMoOを抵抗加熱蒸着により1Å/sで成膜した。最後に、連続して対向電極として金属Alを膜厚100nm蒸着させ、有機薄膜太陽電池を作製した。素子面積は1.0cmであった。
本実施例の素子はタンデム型の素子である。このように作製した有機太陽電池について、実施例6と同様に評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/Ca(0.5)/C60:化合物B(5:0.25)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(2)/Al(1)/Ca(0.5)/C60:化合物B(5:0.25)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(5)/Al(100)
実施例18
中間電極に金属Alを用いなかった他は、実施例17と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
比較例7
2つのnドープ層の成膜において、化合物Bを用いなかった(即ち、非ドープのC60層とした)他は、実施例17と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子構成を以下に示す(カッコ内の数値は膜厚(nm)を表す)。
ITO/Ca(0.5)/C60(5)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(2)/Al(1)/Ca(0.5)/C60(5)/C70(15)/SubNc:C70(5:20)/化合物C(10)/化合物C:化合物E(30:1.5)/MoO(5)/Al(100)
比較例8
中間電極に金属Alを用いなかった他は、比較例7と同様にして有機太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
素子作製に用いた化合物の構造を以下に示す。

Figure 2014075476
Figure 2014075476
Figure 2014075476
本発明の有機太陽電池は時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の各種装置、電化製品等の電源又は補助電源として使用できる。充電機能のある二次電池と組み合わせ、暗所においても使用可能とし、適用用途を拡げることも可能である。

Claims (8)

  1. 陽極、光電変換層及び陰極を含む有機太陽電池であって、前記光電変換層がn型半導体層及び第1のドーパントを含むドープn型半導体層を含み、前記n型半導体層とドープn型半導体層が接している有機太陽電池。
  2. 陽極、第1の光電変換層、中間電極、第2の光電変換層及び陰極をこの順に含む有機太陽電池であって、前記第1の光電変換層及び第2の光電変換層のうち少なくとも1つがn型半導体層及び第1のドーパントを含むドープn型半導体層を含み、前記n型半導体層とドープn型半導体層が接している有機太陽電池。
  3. 前記n型半導体層、前記ドープn型半導体層及び前記陰極がこの順に積層されている請求項1又は2に記載の有機太陽電池。
  4. 前記第1のドーパントが金属錯体である請求項1〜3のいずれかに記載の有機太陽電池。
  5. 前記金属錯体がイリジウム(Ir)錯体又はルテニウム(Ru)錯体であり、かつ、イオン化ポテンシャル(Ip)が5.7eVよりも小さい請求項4に記載の有機太陽電池。
  6. 前記第1のドーパントの三重項エネルギーギャップが、前記n型半導体層に含まれるn型半導体材料の三重項エネルギーギャップよりも大きい請求項1〜5のいずれかに記載の有機太陽電池。
  7. 前記ドープn型半導体層に含まれるn型半導体材料がフラーレン又はフラーレン誘導体である請求項1〜6のいずれかに記載の有機太陽電池。
  8. 前記光電変換層、又は前記第1の光電変換層及び第2の光電変換層のうち少なくとも1つが、p型半導体層及び第2のドーパントを含むドープp型半導体層を含む請求項1〜7のいずれかに記載の有機太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016015487A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 ピョクサン ペイント アンド コーティングス カンパニー,リミテッド 燐光ホスト用化合物及びこれを含んだ有機発光素子
JP2016529705A (ja) * 2013-07-24 2016-09-23 アイメック・ヴェーゼットウェーImec Vzw 改良された光電流を有する有機太陽電池

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