JP2011233692A - 光電変換素子、有機太陽電池及びそれらを用いた光電変換装置 - Google Patents

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浩昭 中村
Masahide Matsuura
正英 松浦
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Abstract

【課題】簡易な作製プロセスにより製造可能であり、特に有機太陽電池に用いたときに高効率の光電変換特性を示す光電変換素子を提供する。
【解決手段】基板上に、少なくとも一方が透光性を有する第1及び第2の電極と、この第1及び第2の電極間に、第1の電極側から、正孔輸送性材料と金属酸化物からなる第1の有機化合物層と、電子輸送性材料からなる第2の有機化合物層とを有し、前記第1の有機化合物層が、金属酸化物を、正孔輸送性材料と混合して含むか、又は第1の有機化合物層中に層として含み、前記正孔輸送性材料と金属酸化物のモル比が、100:0.1〜50であることを特徴とする光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、光を受けて電気を発生する光電変換素子に関し、特に有機化合物からなる光電変換層を備えた有機太陽電池及びそれらを用いた光電変換装置に関する。
光電変換素子は、光信号を電気信号に変換するフォトダイオードや撮像素子、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に代表されるように、光入力に対して電気出力を示す装置である。中でも太陽電池は、化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源として近年研究開発が盛んに行なわれるようになってきた。
従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池の登場への要求が高まりつつある。このような背景の中で、有機太陽電池は、安価で毒性が低く、原材料不足の懸念もないことから、シリコン系太陽電池に次ぐ次世代の太陽電池として注目を集めている。
有機太陽電池は、基本的には電子を輸送する電子受容性材料から成るn層と、正孔を輸送する電子供与性材料から成るp層からなる。p層とn層の間にi層(p材料とn材料の混合層)を挿入して積層を増やすことにより、変換効率が向上する。また、p/i/n層を直列に積層するタンデムセル構成によりさらに変換効率が向上する。これら有機薄膜からなる有機薄膜太陽電池は、全固体型のため液漏れ等の欠点がなく、作製が容易であり、精力的に研究がなされている。
一般に有機薄膜太陽電池の動作過程は、光吸収及び励起子生成、励起子拡散、電荷分離、キャリア移動、起電力発生の素過程からなっており、有機薄膜太陽電池の高効率化にはこれらの素過程が高効率であることが求められる。
例えば、特許文献1には、MoOをp材料層へ等量程度のモル比で導入し、電荷移動(CT)錯体を形成、太陽光スペクトル中に新たにCT吸収を生じさせることにより有機EL素子及び太陽電池等の有機素子を高効率化させることが開示されている。ただし具体的に有機太陽電池については、複数の太陽電池ユニットを接続し高性能化させるタンデム技術における接続層の形成に適用する例が示されているだけで、1ユニット素子で高効率化させることは示されていない。しかもMoOはp材料と積層・混合しp材料中にラジカルカチオンを形成させるので、電極と隣接する位置に形成することが望ましいと記載されている。
MoOの混合比はp材料と同等モル程度と多量であるため、MoOを有機物と等量モル程度制御して大型基板上へ挿入するためには特殊な蒸着源等が必要である。
特許文献2には、MoO等金属酸化物を各照明機器等のON/OFF制御用センサーへ展開することが期待できると記載されている。ただし、具体的な太陽電池性能の開示はなく、特許文献1同様、ユニットをn個直列接続することが原理的に可能と記載され、1ユニットの太陽電池についての性能は開示されていない。
特開2006−24791号公報 特開2006−190994号公報
本発明の目的は、簡易な作製プロセスにより製造可能であり、しかも、エレクトロニクス素子として有用な素子構成を提供することにあり、特に有機太陽電池に用いたときに高効率の光電変換特性を示す光電変換素子を提供するものである。
本発明者らは、実用化を目指し、pドーパントしてMoOの機能を最大限に引き出すべく鋭意検討した結果、p材料に対し少ないモル比で、1ユニットの太陽電池においても高効率化することを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、以下の光電変換素子等が提供される。
1.基板上に、少なくとも一方が透光性を有する第1及び第2の電極と、
この第1及び第2の電極間に、第1の電極側から、正孔輸送性材料と金属酸化物からなる第1の有機化合物層と、電子輸送性材料からなる第2の有機化合物層とを有し、
前記第1の有機化合物層が、金属酸化物を、正孔輸送性材料と混合して含むか、又は第1の有機化合物層中に層として含み、
前記正孔輸送性材料と金属酸化物のモル比が、100:0.1〜50であることを特徴とする光電変換素子。
2.前記金属酸化物層が、厚さ0.05〜10nmの島状構造又は薄膜であることを特徴とする1に記載の光電変換素子。
3.前記金属酸化物層が、前記第2の有機化合物層との界面又は前記第1の電極との界面にあることを特徴とする1又は2に記載の光電変換素子。
4.前記金属酸化物が、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物、インジウム酸化物、スズ酸化物及び亜鉛酸化物の少なくとも一種であることを特徴とする1乃至3のいずれかに記載の光電変換素子。
5.前記第1の電極と第1の有機化合物層の間、及び前記第2の電極と第2の有機化合物層との間の少なくとも一方にバッファー層があることを特徴とする1乃至4のいずれかに記載の光電変換素子。
6.前記基板と共に、前記第1及び第2の電極及び第1及び第2の有機化合物層を封止する封止部材をさらに有することを特徴とする1乃至5のいずれかに記載の光電変換素子。
7.有機太陽電池である1乃至6のいずれかに記載の光電変換素子。
8.1乃至7のいずれかに記載の光電変換素子を有する光電変換装置。
本発明によれば、簡易な方法により製造でき、しかも、高い変換効率の光電変換特性を有する光電変換素子、有機太陽電池及びそれらを用いた光電変換装置が提供される。
実施例4の有機薄膜太陽電池における短絡電流値の励起光波長依存性を示す図である。
本発明の光電変換素子は、基板上に、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極(第1及び第2の電極)と、この一対の電極間に、正孔輸送性材料(p材料)に金属酸化物が微量ドーピング(pドーピング)している第1の有機化合物層と、電子輸送性材料(n材料)からなる第2の有機化合物層とを少なくとも有する。第1の有機化合物層は、金属酸化物を、正孔輸送性材料に混合して含んでもよく、第1の有機化合物層中に層を形成して含んでもよい。層は、第1の有機化合物層の内部に第1の有機化合物層を分離するように介在してもよく、第1の有機化合物層の端にあって、隣りの層と接してもよい。
第1の有機化合物層に含まれる正孔輸送性材料と金属酸化物のモル比は100:0.1〜50である。
また、基板側の電極は第1の電極でも第2の電極でもよい。
pドーピングとは、一般的に正孔輸送性のp材料層に、電子受容性(アクセプター性)の金属酸化物をpドーパントとして挿入するものである。これにより、pドーパントがp材料の電子を引き抜き、p材料には電子の抜けた正孔(カチオンラジカル)がキャリヤとして生成される。
その結果デバイスの正孔輸送性が向上し、導電率の向上にも寄与する。従ってpドーパントはp層の中に分散して混合しているか、又はpドーパント層としてp層と接して位置し、p材料と一体になって機能する。
このようなpドーパントの一連の働きは、所謂ルイス酸によるものであり、このルイス酸は金属酸化物に限らず、例えばBF,ZnCl、SnCl4,FeCl,AlCl等が挙げられる。これらの中では、素子の製造安定性や変換効率の点で、金属酸化物が好ましい。
p材料100に対し、金属酸化物はモル比で0.1〜50、好ましくは0.5〜30、さらに好ましく1〜15であることが望ましい。
上記のように限定する理由として以下のように考えられる。pドーパントをモル比100、即ちp材料と等モル量入れると、CT吸収が増えてキャリヤ数が増加する可能性が高まる。しかしpドーパントはそれ自体が強アクセプターであるので、これが多量に入ると雰囲気等の影響でp材料が酸化されて絶縁化し、キャリヤである正孔の輸送及び注入を妨げる可能性が出てくる。
また、蒸着により製造する場合、金属酸化物は蒸着温度が高いため、有機物と等モル量入れると熱輻射等様々な問題が生じる恐れがある。
金属酸化物層を設けるとき、金属酸化物層を、例えば、第1の有機化合物層の内部(内側)、第2の有機化合物層との界面又は第1の電極との界面に設けることができる。
概ね膜厚範囲は0.05nm〜10nmである。好ましくは0.1nm〜5nm、さらに好ましくは0.3nm〜1nmである。しかしこれらの値はp材料の分子量及び金属酸化物の分子量に依存し、明確に定められない。尚膜厚の薄い1nm程度以下の領域では金属酸化物は膜としては形成されず、島状構造をとっている可能性があるが、そのような小さな膜厚領域でもpドーピング効果が有効に発現する。
金属酸化物は適合する蒸着温度が高い場合が多く、膜厚が10nmを超えると蒸着が難しくなる可能性がある。
本発明の第1の有機化合物層は、蒸着法により、p材料を蒸着中の所望の位置に所望の膜厚で金属酸化物層を挿入できる。また、p材料とともに金属酸化物を共蒸着にてp材料中に分散して形成することもできる。
本発明の光電変換素子は、上記の構成により、光電変換効率が向上する。特に光吸収及び励起子生成の過程を高効率化する。この理由について以下のように考えられる。
特許文献1及び特許文献2では、p材料からpドーパントの電荷移動で新たに形成される電荷移動(CT)吸収の出現が光電流増加の一因となっている。しかし、本発明ではドーピング濃度がこれらの従来技術における濃度に比べ小さく、後述する図1に示すように光電流の波長依存性に関し上記CT吸収の寄与は明確にはみられない。
pドーピングの原理によれば、局所的にはCT吸収に相当する電荷移動状態が形成されていると考えられるが、それが電荷移動吸収ピークとして観測されないということは、デバイス全体の分光学的な吸収を変化させるほどの吸収はないということである。
即ち、本発明では、CT吸収に基づく励起状態(CT状態)は従来技術に比べて少ないと考えられる。
しかも、本発明では、p材料で形成される層の中或いはn材料層および陽極或いはバッファー層と接するように、金属酸化物薄膜を単独層の状態で挿入してもpドーピング効果が発現することを確認した。この単独薄膜層で挿入する利点は、製造する際の容易さが挙げられる。
励起状態の増加が少ないにも関わらず、光電流が明確に増加する理由は、そのCT状態が内部電界を形成し、キャリヤ生成効率の向上、或いは、電極へのキャリヤ移動及び注入の向上に寄与していると考えられる。
本発明の光電変換素子は太陽電池として有用である。本発明の太陽電池のセル構造は、一対の電極の間に上記pドーピング層を含有する構造であれば特に限定されるものでない。必要に応じて、電極と有機層の間にバッファー層を設けてもよい。
具体例として、安定な絶縁性基板上に下記の構成を有する構造が挙げられる。下部から光照射とする。下記の構成において、第1の有機化合物層は1以上のp層と金属酸化物層の積層体又はp材料と金属酸化物の混合層であり、第2の有機化合物層はn層である。第1の電極は下部電極であり、第2の電極は上部電極である。
(1)下部電極/[p層/金属酸化物層/p層]/n層/上部電極
(2)下部電極/[(p:金属酸化物)層]/n層/上部電極
(3)下部電極/[p層/金属酸化物層]/n層/上部電極
(4)下部電極/バッファー層/[p層/金属酸化物層/p層]/n層/上部電極
(5)下部電極/バッファー層/[(p:金属酸化物)層]/n層/上部電極
(6)下部電極/バッファー層/[p層/金属酸化物層]/n層/上部電極
(7)下部電極/[p層/金属酸化物層/p層]/n層/バッファー層/上部電極
(8)下部電極/[(p:金属酸化物)層]/n層/バッファー層/上部電極
(9)下部電極/[p層/金属酸化物層]/n層/バッファー層/上部電極
(10)下部電極/バッファー層/[p層/金属酸化物層/p層]/n層/バッファー層/上部電極
(11)下部電極/バッファー層/[(p:金属酸化物)層]/n層/バッファー層/上部電極
(12)下部電極/バッファー層/[p層/金属酸化物層]/n層/バッファー層/上部電極
また有機太陽電池で高効率な構造と知られる、p/i/nの構造においてもpドーピング層をp層の間或いはp層とi層の間に挿入し、pドーピング効果を発現させることができる。
上記(1)の構成にi層を設ける場合は、以下の構成となる。
(13)下部電極/[p層/金属酸化物層/p層]/i層/n層/上部電極
このように、i層を上記構成(2)〜(12)に対し、[p材料と金属酸化物からなる層]とn層との間に挿入することが可能である。
本発明の光電変換素子は、上記(1)〜(13)の素子を直列に積層するタンデムセル構成を採用することもできる。この場合、積層する素子の構成は同一でも異なっていてもよい。
pドーピングされた有機薄膜太陽電池は、従来の有機薄膜太陽電池の各p,i,n層と同程度の膜厚、即ち、総膜厚にて好ましくは30〜500nm、より好ましくは50〜300nm、さらに好ましくは80〜150nmを有する。
またpドーパントは強いアクセプター性を示すものであるから、大気中に放置するとp−ドーパントが大気中の水分或いは酸素と反応し、絶縁体を形成してしまうため、曲線因子(FF)が低下する場合もある。従って素子形成後は封止を施し大気中の水分、酸素等から遮断するのが好ましい。
本発明の有機薄膜太陽電池を構成するpドーパント以外の部材、材料については、公知のものを使用することができる。以下、各構成部材について説明する。
1.下部電極、上部電極(第1及び第2の電極)
下部電極、上部電極の材料は特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、第1の有機化合物層と接続する電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、金(Au)、パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、第2の有機化合物層と接続する電極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In),カルシウム(Ca),白金(Pt)リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の二成分金属系,さらには上記第1の有機化合物層と接続する電極例示材料が使用できる。
尚、高効率の光電変換特性を得るためには、有機薄膜太陽電池の少なくとも一方の面は太陽光スペクトルにおいて充分透明にすることが望ましい。透明電極は、公知の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保するように形成する。受光面の電極の光透過率は10%以上とすることが望ましい。一対の電極構成の好ましい構成では、電極部の一方が仕事関数の大きな金属を含み、他方は仕事関数の小さな金属を含む。
2.正孔輸送性材料、電子輸送性材料
正孔輸送性材料は、正孔の移動度が高い材料が好ましい。正孔輸送性材料を含む第1の有機化合物層の典型的な膜厚は10〜150nmである。材料にも依存するが、好ましくは20〜100nm、さらに好ましくは30〜60nmである。
正孔輸送性材料としい、例えば、N,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(mTPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’,4’’−トリス(フェニル−3−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等に代表されるアミン化合物、フタロシアニン(Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZNPc)、チタニルフタロシアニン(TiOPc)等のフタロシアニン類、オクタエチルポルフィリン(OEP)、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZNTPP)等に代表されるポルフィリン類が挙げられる。また、溶液による塗布プロセスを用いる高分子化合物であれば、メトキシエチルヘキシロキシフェニレンビニレン(MEHPPV)、ポリヘキシルチオフェン(P3HT)、シクロペンタジチオフェン‐ベンゾチアジアゾール(PCPDTBT)等の主鎖型共役高分子類、ポリビニルカルバゾール等に代表される側鎖型高分子類等が挙げられる。
電子輸送性材料として、例えば、C60、C70等のフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF基含有ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体等を挙げることができる。電子の移動度が高い材料が好ましく、さらに好ましくは、電子親和力が小さい材料である。電子親和力の小さい材料を用いることで充分な開放端電圧を実現することができる。
また、上記有機化合物に加えて、n型特性の無機半導体化合物等の無機化合物を含むことができる。具体的には、n−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、INP、Nb,WO,Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZNO)、酸化スズ(SNO)等の導電性酸化物が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、酸化チタン、特に好ましくは、二酸化チタンを用いる。
電子輸送性材料を含む第2の有機化合物層の典型的な膜厚は10〜150nm、材料にも依存するが、好ましくは20〜100nm,さらに好ましくは30〜60nmである。
混合i層は上記正孔輸送性材料と電子輸送性材料の混合によって構成され、上記例示化合物のいずれも用いることができる。
正孔輸送性材料と電子輸送性材料の混合比についても材料によっても異なるが、質量比で、正孔輸送性材料:電子輸送性材料が1:9〜9:1の範囲から最適な組み合わせを選択すればよい。典型的な膜厚は10〜100nm、材料にも依存するが、好ましくは20〜80nm,さらに好ましくは30〜50nmである。
3.金属酸化物材料
pドーパントとして用いる金属酸化物は、とり得る酸化数が多いものが望ましい。例えば3酸化モリブデンMoOはMoの酸化数は6であるが、蒸着時には5、4或いは3等の酸化数に対応する酸化物が混入していると考えられる。これらがp材料上に蒸着されると、より安定な6或いは5へ変化するために電子を下地のp材料から取り去り自身は安定化する。このように金属酸化物は自身が強アクセプターであるので、p材料は電子を抜き取られカチオンラジカル即ち、正孔が生成される。
このようなpドーピングとなる金属酸化物の例としてはモリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物、インジウム酸化物、スズ酸化物、亜鉛酸化物等から選ぶことができる。
4.バッファー層
一般に、有機薄膜太陽電池は総膜厚が薄いことが多く、そのため上部電極と下部電極が短絡し、セル作製の歩留まりが低下することが多い。このような場合には、バッファー層を積層することによってこれを防止することが好ましい。また、発生した電流を効率よく外部に取り出すためにもバッファー層を設けることが好ましい。第1の有機化合物層側及び第2の有機化合物層側いずれか一方或いは両側に挿入してもよい。膜厚は材料に依存するが、第1の有機化合物層或いは第2の有機化合物層の膜厚と同程度、即ち10〜100nm、材料にも依存するが、好ましくは20〜80nm,さらに好ましくは30〜50nmである。
バッファー層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
Figure 2011233692
また、バッファー層には、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。この場合、励起子阻止層として好ましい材料としては、例えば有機EL用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。具体的には有機EL用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPheN)等が陰極側の正孔障壁層材料として挙げられる。これらの材料はHOMO〜LUMO間のエネルギー差も大きく、励起子が電極付近まで接近し、電極により失活するのを防ぐことができる。
Figure 2011233692
さらに、バッファー層には、n型無機半導体化合物としてn−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、INP、Nb,WO,Fe等の半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZNO)、酸化スズ(SNO)等の導電性酸化物を用いることができる。また、p型無機半導体化合物としてはCdTe、P−Si、SiC、GaAs、WO等を用いることができる。
5.基板
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明の有機薄膜太陽電池の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法を適用することができる。上記いずれの成膜プロセス、あるいは組み合わせを適用することができる。高性能な均質で高純度なデバイスが得られるため真空蒸着法が望ましい。有機薄膜は水分・酸素の影響を受けるため、より好ましくは、成膜プロセスが統一されていることが望ましい。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、適切な溶媒に溶解又は分散させて有機溶液を調製し、薄膜を形成するが、任意の溶媒を使用できる。例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。
各層の膜厚は特に限定されないが、適切な膜厚に設定する。一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られているため、膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため光電変換効率が低くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生してしまうため、充分なダイオード特性が得られないため、変換効率が低下する。通常の膜厚は1nmから10μmの範囲であるが、5nmから0.2μmの範囲から適宜選択することが好ましい。ここで、金属酸化物層の膜厚については、前記の理由で0.05〜10nmの範囲から適宜選択することが好ましい。
本発明においては、有機薄膜太陽電池のいずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂等が挙げられる。また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等が挙げられる。
本発明の光電変換素子において、p−ドーパントとして使用する金属酸化物が大気中の水分或いは酸素と反応して絶縁体を形成し、曲線因子(FF)が低下する恐れがある場合には、素子形成後に封止を施すことが好ましい。この場合に用いる封止部材としては、ガラスや、ステンレス等の金属材料、水分や酸素のバリヤ性を有するプラスチック等を挙げることができる。これらの部材は、中央部を凹状に加工した形状で用いることができる。この凹状に加工した部分に封止液等を満たすことも可能で、封止機能の向上に寄与する。このような形状に加工したガラスはザグリガラスと呼ばれる。封止液としては、シリコーンオイル等を用いることができる。また、封止液に代えてヘリウムやアルゴンガス等の不活性ガスを封入してもよい。
前記の封止部材と素子基板を接着して素子を封止する接着剤として、例えばUV硬化性、加熱接着性、或いはUV硬化・加熱併用タイプのものが挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等が挙げられる。
さらに、封止デシカント(乾燥剤)として、アルミナ等の乾燥剤を封入することができる。この場合、封止デシカントは、例えばシリコーン系樹脂に配合して封入することができる。
封止方法としては、グローブボックス等の不活性雰囲気中で、ザグリガラス等のザグリ加工した封止部材に封止デシカントを挿入し、UV硬化型接着剤を用いて、素子が形成された基板と接着させる方法が例示される。
本発明の光電変換素子を有する光電変換装置としては、例えば太陽電池や光センサーを挙げることができる。
実施例1:p−ドーパントMoOの例
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール、純水、イソプロピルアルコールの順で各5分間超音波洗浄を行なった後、UVオゾン洗浄を30分間実施した。洗浄後の透明電極パターン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに下面が、透明電極がパターンされた側となるように装着し、真空蒸着装置を真空排気した。真空度が5.0×10−4Paとなったところで、下部電極である透明電極パターンが形成されている側の面上に、正孔輸送性であるp材料のmTPDを0.5Å/sで15nm形成した。次にpドーパントとして、三酸化モリブデンMoOを0.5Å/sで1nm蒸着形成した。さらにこの上にp材料のmTPDを0.5Å/sで15nm形成し、次に電子輸送性であるn材料C60を0.5Å/sで60nm蒸着形成した。続けてこの上にバッファー層として、10nmのバソクプロイン(BCP)を抵抗加熱蒸着により0.5Å/sで10nm成膜した。最後に対向電極として金属Alを膜厚100nm蒸着し、有機薄膜太陽電池を形成した。素子面積は0.6cmであった。
尚、mTPD層30nmと三酸化モリブデン層1nmは、mTPD:三酸化モリブデンのモル比100:12に相当する。
このように作製された有機薄膜太陽電池を素子作製後、素早く大気中でAM1.5条件下(光強度Pin:100mW/cm)でI−V特性を測定した。その結果、開放端電圧(Voc)は0.87V、短絡電流密度(Jsc)は3.11mA/cm、曲線因子(FF)は0.30、変換効率(η)は0.81であった。
Figure 2011233692
尚、光電変換効率は下記式によって導出した。
Figure 2011233692
同じPinに対して、Voc、Jsc及びFFのいずれかが大きな素子ほど優れた変換効率を示す。
比較例1:p−ドーパントなしの例
p−ドーパントを蒸着しなかった以外は実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。素子面積は0.6cmであった。開放端電圧(Voc)は0.88V、短絡電流密度(Jsc)は2.39mA/cm、曲線因子(FF)は0.39、変換効率(η)が0.82であった。
実施例2:p−ドーパントWOの例
p−ドーパントとしてWOを用いた以外は実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。結果を表1に示す。
実施例3:p−ドーパントVの例
p−ドーパントとしてVを用いた以外は実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。結果を表1に示す。
実施例4:封止したp−ドーパントMoOの例
実施例1と同じ構成の太陽電池素子をグローブボックスが接続した蒸着装置で作製し、素子を大気に晒すことなく封止した。封止は、ザグリガラスに、素子が4つ入るサイズのものを用い、UV硬化・加熱併用タイプの接着剤(スリーボンド社製、液晶デバイス向け接着剤)でザグリガラスを上記ITO付ガラス基板に固定した。このように作製した有機薄膜太陽電池を実施例1と同様に評価した。その結果、開放端電圧(Voc)が0.87V、短絡電流密度(Jsc)が3.38mA/cm、曲線因子(FF)が0.39、変換効率(η)が1.19であった。
さらに実施例4で作製した有機薄膜太陽電池について、短絡電流値の励起光波長依存性を測定した。図1に結果を示す。縦軸は量子収率即ち入射単位フォトンに対して生成された光キャリヤの数を示す。即ち、このグラフは、どの波長の光が光キャリヤをどのくらい生成させているか示している。
特許文献1には、800〜2000nmの近赤外領域に吸収のピークが生じると記載されているが、本実施例においては、このような波長域で明確なピークは観測できなかった。
ピークは、p材料であるmTPD及びn材料であるC60の吸収と対応している。これらピークを形成している吸収波長に比べれば、800〜2000nmの波長域はたとえ吸収はあってもわずかである。
このことは、ドーピング量が特許文献1と異なり数パーセントレベルと非常に少なく、しかも薄膜単独層の形で挿入しても、本実施例のJscは高く、多くの光キャリヤを生成できることを示す。
比較例2:封止したp−ドーパントなしの例
太陽電池素子として比較例1と同じ構成の素子を用いた以外は実施例4と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。結果を表1に示す。
実施例5:ドーピング位置の変化
p材料及びpドーパントの蒸着を以下のように変更した以外は実施例4と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。
mTPDを0.5Å/sで7.5nm形成してから、三酸化モリブデンMoOを0.5Å/sで1nm形成し、さらにこの上にmTPDを0.5Å/sで22.5nm形成した。即ち、7.5nmのmTPD層/1nmの三酸化モリブデン層/22.5nmのmTPD層の積層構造とした。即ち実施例4と比較し、本実施例はpドーパントをドーピングする位置が陽極ITO界面からp層の厚みの丁度1/4の位置に相当している。結果を表1に示す。
実施例6:ドーピング位置の変化
p材料及びpドーパントの蒸着を以下のように変更した以外は実施例4と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。
mTPDを0.5Å/sで22.5nm形成してから、三酸化モリブデンMoOを0.5Å/sで1nm形成し、さらにこの上にmTPDを0.5Å/sで7.5nm形成した。即ち、22.5nmのmTPD層/1nmの三酸化モリブデン層/7.5nmのmTPD層の積層構造とした。結果を表1に示す。
実施例7:ドーピング位置の変化
p材料及びpドーパントの蒸着を以下のように変更した以外は実施例4と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。
mTPDを0.5Å/sで30nm形成してから、三酸化モリブデンMoOを0.5Å/sで1nm形成した。即ち、30nmのmTPD層/1nmの三酸化モリブデン層の積層構造とした。結果を表1に示す。
実施例8:ドーピング量の変化
三酸化モリブデン層の厚みを0.3nmにした以外は実施例4と同様にして有機薄膜太陽電池を形成し評価した。mTPD層30nmと三酸化モリブデン層0.3nmは、mTPD:三酸化モリブデンのモル比100:4に相当する。結果を表1に示す。
Figure 2011233692
実施例1〜3と比較例1を比較すると、実施例では短絡電流密度(Jsc)が約30%増加しpドーパントの効果が見られた。しかし曲線因子(FF)が低下したため変換効率は向上しなかった。pドーパントが大気中の水分又は酸素と反応して、キャリヤの移動の障害となる絶縁体を形成したため、曲線因子(FF)が低下したと考えられる。
本実施例では、p材料層の中に微量のMoOを挿入した簡単な構成でも、1ユニットの太陽電池の効率が向上することが確認できた。
実施例4と比較例2を比較すると、短絡光電流値(Jsc)が増加し、曲線因子(FF)もほぼ同等であったため、変換効率も向上した。
本発明の光電変換素子は、有機太陽電池等に用いることができる。特に、有機太陽電池として用いたときに高効率のエネルギー変換特性を示す。有機太陽電池は時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の装置に使用できる。

Claims (8)

  1. 基板上に、少なくとも一方が透光性を有する第1及び第2の電極と、
    この第1及び第2の電極間に、第1の電極側から、正孔輸送性材料と金属酸化物からなる第1の有機化合物層と、電子輸送性材料からなる第2の有機化合物層とを有し、
    前記第1の有機化合物層が、金属酸化物を、正孔輸送性材料と混合して含むか、又は第1の有機化合物層中に層として含み、
    前記正孔輸送性材料と金属酸化物のモル比が、100:0.1〜50であることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記金属酸化物層が、厚さ0.05〜10nmの島状構造又は薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記金属酸化物層が、前記第2の有機化合物層との界面又は前記第1の電極との界面にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記金属酸化物が、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、ルテニウム酸化物、レニウム酸化物、インジウム酸化物、スズ酸化物及び亜鉛酸化物の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記第1の電極と第1の有機化合物層の間、及び前記第2の電極と第2の有機化合物層との間の少なくとも一方にバッファー層があることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記基板と共に、前記第1及び第2の電極及び第1及び第2の有機化合物層を封止する封止部材をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 有機太陽電池である請求項1乃至6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の光電変換素子を有する光電変換装置。
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