JP2016086478A - 回転電機のステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】各相のコイルと各相のバスバーとの接合部の耐久性を向上させることができる回転電機のステータを得る。
【解決手段】このモータのステータは、ロータの外周を囲ったステータコアと、このステータコアに巻装された各相のコイルと、前記ステータコアの片側端面に全周にわたって設けられ前記コイルと電気的に接続された配電装置16と、を備えている。配電装置16は、各相の前記コイルと電気的に接続された各相のバスバー22と、各相のバスバー22を囲って設けられているとともに、隣接したバスバー22間を絶縁する隔壁部21を有し、またステータコアの軸線方向の外側に開口部Aを有する樹脂ホルダ20と、開口部Aを覆った樹脂カバー23と、を備えている。樹脂ホルダ20は、開口部Aの外径側縁部に径方向に折曲したリブ30が形成されている。
【選択図】図4

Description

この発明は、ロータの外周を囲ったステータコアと、このステータコアに巻装された各相のコイルと、前記ステータコアの片側端面に全周にわたって設けられ前記コイルと電気的に接続された配電装置と、を備えた回転電機のステータに関する。
エンジン及びモータを搭載するハイブリッド車両においては、エンジンとトランスミッション間に挟み込まれる薄型扁平型のブラシレスモータが多く採用されている。
また、その際、モータは、既存車両への搭載性を考慮して、ステータは大径かつ軸長が短いものが好ましく、そのため、多くの場合にコイルエンドの短縮が図れる集中巻が採用される。
集中巻を採用した場合、ステータコアに巻装された各相のコイル同士の電気的接続を行うための配電用の各相のバスバー、及びその各相のバスバーを収納する樹脂ホルダを有する配電装置が必要となる。
しかしながら、上記薄型扁平型ブラシレスモータの場合には、ステータの外径が大きいことから、ステータの片側端面にリング状に配置された配電装置の外径も大きく、さらに各相のコイルと各相のバスバーとの接合部も外径側に配置されるので、振動印加時の接合部の振動変位が大きくなり、その結果として接合部の破断等の不具合が発生する場合がある。
この問題を解決する手段として、配電装置とステータコアとの間に樹脂を介在させることで、配電装置全体の振動を抑制し、各相のコイルと各相のバスバーとの接合部の振動耐久性を高めた回転電機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−148175号公報
しかしながら、この回転電機の場合、多量の樹脂を使用しなければならないという問題点があった。
また、この樹脂を充填する部位は、鉄心のコアバック部に形成された突起が挿入される、結線リングの支持部の鉄心に対向する面に形成された凹部である。即ち、樹脂は所定の位置に充填しなければならず、面倒な工程が増加するという問題点もあった。
さらに、樹脂は、熱サイクルや、絶縁油等の冷媒により、接着力の低下が顕著となる場合があり、そのような場合には、配電装置の耐振性が著しく低下してしまうという問題点もあった。
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、樹脂を追加することなく、配電装置全体の剛性を高めることで、各相のコイルと各相のバスバーとの接合部の耐久性を向上させることができる回転電機のステータを得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機は、ロータの外周を囲ったステータコアと、このステータコアに巻装された各相のコイルと、前記ステータコアの片側端面に全周にわたって設けられ前記コイルと電気的に接続された配電装置と、を備えた回転電機のステータであって、
前記配電装置は、各相の前記コイルと電気的に接続された各相のバスバーと、
各相の前記バスバーを囲って設けられているとともに、隣接した前記バスバー間を絶縁する隔壁部を有し、また前記ステータコアの軸線方向の外側に開口部を有する樹脂ホルダと、
前記開口部を覆った樹脂カバーと、を備え、
前記樹脂ホルダは、前記開口部の外径側縁部に径方向に折曲したリブが形成されている。
この発明に係る回転電機のステータによれば、樹脂ホルダは、開口部の外径側縁部に径方向に折曲したリブが形成されているので、樹脂を追加することなく、配電装置全体の剛性を高めることができ、各相のコイルと各相のバスバーとの接合部の耐久性を向上させることができる。
この発明の実施の形態1のステータが組み込まれたモータを示す断面図である。 図1のステータの示す斜視図である。 図2の配電装置を示す切り欠き斜視図である。 図3の要部断面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のステータ1が組み込まれたモータを示す断面図、図2は図1のステータ1を示す斜視図である。
なお、図2のステータ1では、フレーム11と配電装置16とが周方向においてずらして示されている。
回転電機であるこのモータは、ハイブリット車両に搭載された薄型扁平型のブラシレスモータである。
このモータは、ステータ1と、このステータ1の内側に配置されたロータ2と、を備え、これらは、ベース3とカバー4からなるハウジング5に収納されている。
ステータ1では、積層鋼板によって構成された複数の分割コア7がリング状のフレーム11に圧入されて構成されたステータコア6を備えている。
このステータコア6には、各相のコイル9がY形結線された三相交流巻線が巻装されている。
複数の分割コア7は、周方向に密接しており、隣接した分割コア7間にはスロットが形成されている。
各分割コア7には、ボビン8を介してU相、V相及びW相の各相のコイル9が巻装されている。電線の集中巻きで構成された各相のコイル9は、周方向に沿って、U相、V相及びV相の順序で繰り返し配置されている。また、各相のコイル9は、分割コア7の軸線方向の両端面から軸線方向に突出したコイルエンド10を有している。
また、ステータコア6のカバー4側の端面であって外周側には、各相のコイル9に給電を行う配電装置16が設けられている。
ロータ2は、シャフト12と、このシャフト12が圧入したボス部14を介して固定され積層鋼板によって構成されたロータコア13と、このロータコア13に埋設された永久磁石(図示せず)と、を備えている。ハウジング5のカバー5とボス部14との間には軸受15が圧入されており、ステータコア6との間で所定の隙間を有するロータ2は、シャフト12とともに回転する。
図3は図2の配電装置16を示す切り欠き斜視図、図4は図3の要部断面図である。
配電装置16は、各分割コア7から軸線方向に延出した各相のコイル9の端末線が接続された各相のバスバー22と、各相のバスバー22間を絶縁する隔壁部21及びステータコア6の軸線方向の外側に開口部Aを有する樹脂ホルダ20と、開口部Aを覆った樹脂カバー23と、各相のコイル9の端末線と各相のバスバー22とが接合する各接合部の中間にそれぞれ配置され隣接した接合部を電気的に隔離する複数の仕切り部34と、を備えている。各仕切り部34は、樹脂カバー23の内周側から外周側まで径方向に延びている。
樹脂ホルダ20の周縁部には、各相の給電端子部24を有する端子台25が設けられている。この各相の給電端子部24は、端子台25の内部で各相のバスバー22と接続されている。
各隔壁部21のうち、最外径側隔壁部33は、全周にわたってステータ1の軸線方向に沿って突出している。この最外径側隔壁部33の先端部には、径外側方向に90°折曲したリブ30が設けられている。この全周にわたって形成されたリブ30の先端部には、L字状に折曲されて形成された溝部31が形成されている。
この溝部31には、樹脂カバー23の周縁部が嵌着されている。
樹脂ホルダ20は、フレーム11の取付フランジ26にホルダフランジ27をネジ止めすることでフレーム11に固定されている。
この起立した取付フランジ26は、根元部で曲面部28を有し、またリブ30と対向している。
また、フレーム11の内周面と、樹脂ホルダ20の最外径側隔壁部33との間では、全周にわたって隙間Bが形成されている。
なお、取付フランジ26は、一対対向して設けられており、またそれぞれ2個の穴が形成されているが、そのうち一方の穴はホルダフランジ27との固定に用いられる穴であり、他方の穴は、ハウジング5にステータ1を組み付ける際、カバー4に取り付けたピンと協同してステータ1のハウジング5に対する位置決めに供される穴である。
なお、取付フランジ26に隣接したステータフランジ32は、カバー4にステータ1を固定するために供されるものである。
上記実施の形態1のステータ1が組み込まれたモータでは、外部から端子台25の給電端子部24を通じて各相のバスバー22に給電することで、各相のコイル9に電流が流れる。
その結果、ステータコア6には回転磁界が発生し、この回転磁界に引っ張られるようにしてロータ2が回転し、またロータ2と一体のシャフト12も回転し、そのトルクは外部に伝達される。
この実施の形態1によるステータ1によれば、樹脂ホルダ20は、各相のバスバー22をステータコア6の軸線方向の外側の形成された開口部Aの外径側縁部に、径方向外側に折曲したリブ30が形成されているので、樹脂ホルダ20の剛性を向上させることができ、各相のバスバー22自体の加振による変位を抑制することができ、各相のコイル9と各相のバスバー22との間の接合部での破断を防止することができる。
また、リブ30は、径方向外側に折曲し、かつ先端部に溝部31を有し、樹脂ホルダ20のこの溝部31に樹脂カバー23の周縁部が嵌着しているので、樹脂カバー23と一体の仕切り部34の位置が安定化し、各相のコイル9と各相のバスバー22との最適な沿面距離を長期間にわたって維持することができる。
また、複数の分割コア7が圧入された円筒形状のフレーム11は、起立した取付フランジ26を有しており、リブ30はこの取付フランジ26と対向しているので、両者で挟まれた空間が冷媒である空気が流通する通路を構成し、リブ30に沿って空気は円滑に流れ、各相のコイル9及び各相のバスバー22の冷却性能が向上する。
また、フレーム11の内周面と、樹脂ホルダ20の外周面との間には、隙間Bが形成されているので、各相のコイル9及び各相のバスバー22の冷却性能が向上する。
また、フレーム11の起立部29の根元部では曲面部28が形成されており、空気は円滑に隙間Bを流通することができる。
なお、上記実施の形態では、ハイブリット車両に搭載された薄型扁平型のブラシレスモータに組み込まれたステータ1について説明したが、勿論このものは一例であり、発電機のステータ、発電電動機のステータであっても適用できる。
また、ステータコア6は、複数の分割コア7がフレーム11に圧入されて構成されたが、フレーム11を用いない、一体のステータコアであってもよい。
また、リブ30は、径方向の外側に折曲されたが、径方向の内側に折曲されたものであっても樹脂ホルダの剛性を向上させることができる。
1 ステータ、2 ロータ、3 ベース、4 カバー、5 ハウジング、6 ステータコア、7 分割コア、8 ボビン、9 コイル、10 コイルエンド、11 フレーム、12 シャフト、13 ロータコア、14 ボス部、15 軸受、16 配電装置、20 樹脂ホルダ、21 隔壁部、22 バスバー、23 樹脂カバー、24 給電端子部、25 端子台、26 取付フランジ、27 ホルダフランジ、28 曲面部、30 リブ、31 溝部、32 ステータフランジ、33 最外径側隔壁部、A 開口部、B 隙間。
この発明に係る回転電機は、ロータの外周を囲ったステータコアと、このステータコアに巻装された各相のコイルと、前記ステータコアの片側端面に全周にわたって設けられ前記コイルと電気的に接続された配電装置と、を備えた回転電機のステータであって、
前記配電装置は、各相の前記コイルと電気的に接続された各相のバスバーと、
各相の前記バスバーを囲って設けられているとともに、隣接した前記バスバー間を絶縁する隔壁部を有し、また前記ステータコアの軸線方向の外側に開口部を有する樹脂ホルダと、
前記開口部を覆った樹脂カバーと、を備え、
前記樹脂ホルダは、前記開口部の最外径側の最外径側縁部の先端部から径外側方向に折曲したリブが全周にわたって形成され、
前記リブは、先端部にL字状に折曲されて形成された溝部を有しており、
前記樹脂カバーは、周縁部が前記溝部に嵌着しており、
また、前記ステータコアは、複数の分割コアが周方向に沿って密接して構成され、
複数の前記分割コアを収納した円筒形状のフレームは、前記樹脂ホルダのホルダフランジに固定される、起立した取付フランジを有し、
この取付フランジは、前記リブと対向している
ロータ2は、シャフト12と、このシャフト12が圧入したボス部14を介して固定され積層鋼板によって構成されたロータコア13と、このロータコア13に埋設された永久磁石(図示せず)と、を備えている。ハウジング5のカバーとボス部14との間には軸受15が圧入されており、ステータコア6との間で所定の隙間を有するロータ2は、シャフト12とともに回転する。

Claims (7)

  1. ロータの外周を囲ったステータコアと、このステータコアに巻装された各相のコイルと、前記ステータコアの片側端面に全周にわたって設けられ前記コイルと電気的に接続された配電装置と、を備えた回転電機のステータであって、
    前記配電装置は、各相の前記コイルと電気的に接続された各相のバスバーと、
    各相の前記バスバーを囲って設けられているとともに、隣接した前記バスバー間を絶縁する隔壁部を有し、また前記ステータコアの軸線方向の外側に開口部を有する樹脂ホルダと、
    前記開口部を覆った樹脂カバーと、を備え、
    前記樹脂ホルダは、前記開口部の外径側縁部に径方向に折曲したリブが形成されている回転電機のステータ。
  2. 前記リブは、径方向の外側に折曲し、かつ先端部に溝部を有しており、
    前記樹脂カバーは、周縁部が前記溝部に嵌着している請求項1に記載の回転電機のステータ。
  3. 前記ステータコアは、複数の分割コアが周方向に沿って密接して構成され、
    複数の前記分割コアを収納した円筒形状のフレームは、前記樹脂ホルダのホルダフランジに固定される、起立した取付フランジを有し、
    この取付フランジは、前記リブと対向している請求項2に記載の回転電機のステータ。
  4. 前記ステータコアは、複数の分割コアが周方向に沿って密接して構成され、
    複数の前記分割コアを収納した円筒形状のフレームの内周面と、前記樹脂ホルダの外周面との間には、隙間が形成されている請求項1または2に記載の回転電機のステータ。
  5. 前記ステータコアは、複数の分割コアが周方向に沿って密接して構成され、
    複数の前記分割コアを収納した円筒形状のフレームは、前記樹脂ホルダのホルダフランジに固定される、起立した取付フランジを有し、
    この取付フランジは、前記リブと対向し、
    また、前記フレームの内周面と、前記樹脂ホルダの外周面との間には、隙間が形成されている請求項2に記載の回転電機のステータ。
  6. 前記隙間の前記取付フランジ側では、前記ステータコアの軸線方向の外側に向かって拡大した曲面部が形成されている請求項5に記載の回転電機のステータ。
  7. 薄型扁平型のブラシレスモータに組み込まれている請求項1〜6の何れか1項に記載の回転電機のステータ。
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