JP2016085458A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置およびイミド化合物 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置およびイミド化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間繰り返し使用してもポジゴーストが抑制されている電子写真感光体を提供する。
【解決手段】電子写真感光体の下引き層が、式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置、ならびにイミド化合物に関する。
プロセスカートリッジや電子写真装置に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質である電荷発生物質を含有する感光層が支持体上に形成された電子写真感光体が主として用いられている。
近年、感光層に含有される電荷発生物質として、より高い感度を有するものが用いられている。しかしながら、この電荷発生物質の高感度化に伴い電荷の発生量が多くなるため、電荷が感光層中に滞留しやすく、ポジゴーストが発生しやすい。このポジゴーストとは、出力画像において、電子写真感光体の前回転時に光が照射された部分のみ濃度が濃くなる現象である。
このようなポジゴーストの発生を抑制する技術として、支持体と感光層との間に設けられた下引き層に電子輸送物質を含有させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、下引き層に、電子輸送物質、架橋剤および樹脂を含む組成物の重合物を含有させることにより、下引き層における電子輸送物質由来の構造の偏在を抑制し、ポジゴーストの抑制効果が向上することが記載されている。
特開2014−29480号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の電子写真感光体は、ポジゴーストの抑制効果が向上しており、現在求められている画像品質を満足している。しかしながら、近年、電子写真感光体の長寿命化や、画像品質の更なる向上への要求が益々高まりをみせ、ポジゴーストの抑制効果を更に高いレベルで達成することが求められる。
したがって、本発明の目的は、繰り返し使用時のポジゴーストの抑制をより向上させた電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ポジゴーストを抑制することが可能なイミド化合物を提供することにある。
本発明は、支持体と、下引き層と、感光層と、をこの順に有する電子写真感光体であって、該下引き層が、架橋剤および下記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
(式(1)中、
は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換の複素環基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNR12に置き換えて導かれる基を示す。R12は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換シクロアルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基、該置換複素環基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
およびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをNR13に置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアリール基を示す。RおよびRは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される重合性官能基を有する。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。R13は、水素原子またはアルキル基を示す。
〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。)
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置に関する。
また、本発明は、上記式(1)で示されるイミド化合物に関する。
本発明によれば、繰り返し使用時のポジゴーストの抑制をより向上させた電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することが可能である。また、本発明によれば、ポジゴーストを抑制することが可能なイミド化合物を提供することが可能である。
本発明に係る電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の一実施形態における概略構成を示す図である。 ゴースト画像評価の際に用いるゴースト評価用印字を説明する図である。 1ドット桂馬パターン画像を説明する図である。 本発明に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 合成例の化合物のH−NMRスペクトルを示す図である。
本発明は、電子写真感光体の下引き層が、架橋剤と下記式(1)で示される化合物(電子輸送物質)を含む組成物との重合物を含有することを特徴とする。
式(1)中、
は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換の複素環基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNR12に置き換えて導かれる基を示す。R12は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換シクロアルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基、該置換複素環基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
およびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをNR13に置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアリール基を示す。RおよびRは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される重合性官能基を有する。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。R13は、水素原子またはアルキル基を示す。
〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
また、上記式(1)中、R〜R13は、それぞれつぎのものとすることができる。
は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基および複素環基から選ばれる1つの2価基あるいは2つ以上が結合した2価基、または、これらの基がアルキレン基を有する場合は該アルキレン基の主鎖中のCHを酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、あるいはNR12に置き換えて導かれる基を示し、任意の数の置換基を有していてもよい。R12は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。R中の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、オキソ基、チオキシ基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
およびRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルキル基のCHを酸素原子、硫黄原子、あるいはNR13に置き換えて導かれる基、または、アリール基を示し、これらの基はヒドロキシ基、チオール基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される重合性官能基を有しており、且つ、任意の数の置換基を有していてもよい。R13は、水素原子またはアルキル基を示す。RおよびR中の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、オキソ基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、または、アリール基を示し、任意の数の置換基を有していてもよい。R〜R11中の置換基は、それぞれ独立に、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
本発明者らは、下引き層に上述の重合物を含有させることにより、ポジゴーストの抑制が向上する理由について以下のように推測している。
電子輸送物質を含有する下引き層に欠陥があると電子輸送物質が偏在したり、欠陥自体が電子トラップの要因となったりして、ポジゴーストの発生の1つの要因となると考えられる。下引き層中に電子トラップが形成されると、電子輸送性が低下しやすく、残留電荷が発生しやすくなる。これにより、長期間の繰り返し使用時に残留電荷が蓄積しやすくなることで、ポジゴーストの発生が起こると考えられる。この下引き層の欠陥は、下引き層を構成する材料を重合するときの体積変化が大きいほど生じやすいと考えられる。
上記式(1)で示される電子輸送物質は、Rにスペーサーを有して、一分子中に二つの電子輸送能を有する骨格が結合した状態であるため、重合時の体積変化を一分子中に一つの電子輸送能を有する骨格を備える場合に比べて小さく抑えることができる。特に、下引き層の膜厚が厚い場合に本発明の効果が有効に作用し、下引き層の欠陥を少なくでき、ポジゴーストの抑制をさらに向上させることが可能である。
下引き層中における架橋剤および上記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物の含有量は、下引き層の全質量に対して50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。さらに、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
〔電子輸送物質〕
本発明の下引き層には、架橋剤と式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物(硬化物)を含有する。式(1)で示される化合物については、上述の通りである。
式(1)で示される化合物において、Rが、下記式(2)で示される基、下記式(3)で示される基、または下記式(4)で示される基であることが好ましい。これらの基を有すると、電子トラップが抑制され、ポジゴーストをより低減することができる。
式(2)中、
101は、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、NR104、カルボニル基、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
102およびR103は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。m個のR102およびn個のR103は、それぞれ、同一であっても異なってもよい。
104は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m、nが0のとき、(R102)m、(R103)nは水素原子を示す。
式(3)中、
201は、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、NR204、カルボニル基、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、およびハロゲン原子からなる群より選択される。
202およびR203は、それぞれ独立に、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される。s個のR202およびp個のR203は、それぞれ、同一であっても異なってもよい。
204は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。s、pはそれぞれ0〜4の整数を示す。ただし、s、pが0のとき、(R202)s、(R203)pは水素原子を示す。
式(4)中、
301は、水素原子を示す。
302は、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。
303は、置換または無置換のアルキル基を示す。
該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基、該置換アルキル基の置換基は、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜2のアルキル基、アルコシキカルボニル基およびフェニル基からなる群より選択される。
また、式(1)におけるRおよびRが、それぞれ独立に下記式(5)で示される基であることが好ましい。
式(5)中、
401は、水素原子を示す。
402およびR403は、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示し、これらの基は、ヒドロキシ基を有する。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つである。
本発明において、架橋剤および下記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物は、下引き層中において、粒子状態で存在しないことが好ましい。具体的に、「粒子状態で存在しない」とは、下引き層の断面をSEM観察した際に、粒子に由来する形状が観察されない構成を意味する。係る構成を達成するためには、上記重合物を溶解させた下引き層用塗布液を用いて、下引き層を形成する方法が挙げられる。
〔架橋剤〕
架橋剤としては、上記式(1)で示される化合物と重合(硬化)または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)などに記載されている化合物等を用いることができる。
架橋剤は、例えば、以下に示すイソシアネート化合物、アミン化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。また、架橋剤は複数組み合わせて使用してもよい。
イソシアネート化合物は、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を有することが好ましい。また、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を複数個(2個以上)有しているイソシアネート化合物がより好ましい。さらに好ましくは、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を3〜6個有しているイソシアネート化合物である。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリストールとのアダクト変性体が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体が特に好ましい。
購入可能なイソシアネート化合物(架橋剤)として、例えば、旭化成ケミカルズ社製デュラネートMF−K60B、SBA−70B、住化コベストロウレタン(旧:住化バイエルウレタン)社製デスモジュールBL3175、BL3475、といったイソシアネート系架橋剤、三井化学社製ユーバン20SE60、220、DIC社製、スーパーベッカミンL−125−60、G−821−60といったアミノ系架橋剤、日立化成社製ファンクリルFA−129AS、FA−731Aといったアクリル系架橋剤等が挙げられる。
アミン化合物は、N−メチロール基またはアルキルエーテル化されたN−メチロール基を有することが好ましい。また、N−メチロール基またはアルキルエーテル化されたN−メチロール基を複数個(2個以上)有しているアミン化合物がより好ましい。例えば、メチロール化されたメラミン、メチロール化されたグアナミン、メチロール化された尿素誘導体、メチロール化されたエチレン尿素誘導体、メチロール化されたグリコールウリルおよび、メチロール部位がアルキルエーテル化された化合物、および、これらの誘導体が挙げられる。
購入可能なアミン化合物(架橋剤)としては、例えば、スーパーメラミNo.90(日油(旧:日本油脂)社製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60、L−105−60、L127−60、L110−60、J−820−60、G−821−60(DIC社製)、ユーバン2020(三井化学)、スミテックスレジンM−3(住友化学(旧:住友化学工業)社製)、ニカラックMW−30、MW−390、MX−750LM(三和ケミカル社製)、スーパーベッカミン(R)L−148−55、13−535、L−145−60、TD−126(DIC社製)、ニカラックBL−60、BX−4000(三和ケミカル社製)、ニカラックMX−280、ニカラックMX−270、ニカラックMX−290(三和ケミカル社製)、が挙げられる。
〔樹脂〕
本発明において、組成物は、さらに、重合性官能基を有する樹脂を含有することが好ましい。重合性官能基を有する樹脂とは、式(1)で示される化合物と重合(硬化)することが可能な重合性官能基を有する樹脂のことである。重合性官能基として好ましくは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基が挙げられる。
重合性官能基を有する樹脂としては、例えば、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリアクリルポリオール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、カルボキシル基含有樹脂、ポリアミン樹脂、ポリチオール樹脂が挙げられる。本発明はこれらに限定されるわけではない。また、樹脂は複数組み合わせて使用してもよい。
購入可能な重合性官能基を有する樹脂としては、例えば、東ソー(株)(旧:日本ポリウレタン工業(株))製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成(株)(旧:日立化成工業(株))製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製、バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのようなポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製エスレックBX−1、BM−1、KS−1、KS−5などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド系樹脂、(株)日本触媒製アクアリック、株式会社鉛市製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC社製 ラッカマイドなどのポリアミン樹脂、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂が挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂などが重合性の観点から好ましい。
重合性官能基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上400,000以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは、5,000以上300,000以下である。
ポジゴーストの抑制の観点から、組成物中における、式(1)で示される化合物の含有量に対する、架橋剤の含有量および重合性官能基を有する樹脂の含有量の合計の含有量が、質量比率で0.5倍以上2.5倍以下であることが好ましい。
下引き層は、上述した重合物以外にも、成膜性や電気的特性を高めるために、他の樹脂(重合性官能基を有さない樹脂)、有機粒子、無機粒子、レベリング剤などを含有してもよい。ただし、下引き層におけるそれらの含有量は、下引き層の全質量に対して50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
下引き層は、上記式(1)で示される化合物および架橋剤を含む組成物を含有する下引き層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。下引き層用塗布液の塗膜乾燥時に、上記式(1)で示される化合物と架橋剤が重合(逐次重合)するが、その際に熱や光のエネルギーを印加することで重合反応(硬化反応)が促進される。
下引き層は、支持体からの電荷の注入を防ぐために膜厚を厚くすることが好ましいが、膜厚を厚くすると下引き層中に電荷が滞留しやすく、ゴーストがより発生しやすくなる傾向がある。本発明の上記重合物を含有する下引き層は、下引き層の膜厚が厚くてもゴースト抑制効果が有効に作用する。好ましい下引き層の膜厚は、0.1μm以上10.0μm以下であり、より好ましくは、0.5μm以上5.0μm以下である。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
〔電子輸送物質の具体例〕
以下、電子輸送物質の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。また、電子輸送物質は複数組み合わせて使用してもよい。
式(1)で示される構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)の合成法は特に限定されるものではないが、公知の合成方法、例えば、特開2001−265031号公報に記載の方法、J.Am.Chem.Soc.,120, 3231(1998).や、Tetrahedron Letters,42, 3559(2001).に記載の方法を参考にして合成可能である。また、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)およびジョンソン・マッセイ・ジャパン・合同会社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物を用いて合成可能である。
式(1)で示される化合物は、重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基)を有する。式(1)で示される構造を有する誘導体に重合性官能基を導入する方法としては、2つある。
1つ目は、式(1)で示される構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法である。
2つ目は、式(1)で示される構造を有する誘導体に重合性官能基または重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法である。2つ目の方法としては、式(1)で示される構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、式(1)で示される構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法も挙げられる。また、式(1)で示される構造を有する誘導体のハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法が挙げられる。また、式(1)で示される構造を有する誘導体を合成する際の原料として、前記重合性官能基または、前記重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有するナフタレンテトラカルボン酸二無水物誘導体又はモノアミン誘導体を用いる方法がある。
本発明に使用する化合物等の確認は、以下の方法によって行った。
・核磁気共鳴分光分析(NMR)
使用測定器:(JMN−EX400 JEOL社製)
溶媒:重DMSO
〔電子写真感光体の構成〕
本発明の電子写真感光体は、支持体、下引き層と、感光層と、をこの順に有する電子写真感光体である。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有した単層型感光層であってもよいが、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であることが好ましい。さらに、電子写真特性の観点から、積層型感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であることが好ましい。
図4の(a)および(b)は、本発明に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図4の(a)は単層型感光層を示しており支持体101上に下引き層102、下引き層102上に感光層103が形成される。また、図4の(b)は、積層型感光層を示しており、支持体101上に下引き層102、下引き層102上に電荷発生層104、電荷発生層104上に電荷輸送層105が形成される。なお、本発明に係る電子写真感光体の層構成はこれらに限られるものではなく、必要に応じて他の層を有していてもよい。
下引き層102、電荷発生層104、電荷輸送層105などの電子写真感光体を構成する各層を形成する方法としては、以下の方法が好ましい。すなわち、各層を構成する材料を溶剤に溶解および/または分散させて得られた塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成する方法である。塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法が挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
一般的な電子写真感光体として、円筒状支持体上に感光層(電荷発生層、電荷輸送層)を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状とすることも可能である。
〔支持体〕
支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄の金属または合金製の支持体を用いることができる。これらの他、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスといった絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金といった金属の薄膜を形成した支持体が挙げられる。または、酸化インジウム、酸化スズの如き導電性材料の薄膜を形成した支持体が挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化のような電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理を施してもよい。
支持体と、下引き層との間には、導電層を設けてもよい。導電層は、結着樹脂を含む溶剤中に導電性粒子を分散させた導電層用塗布液の塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで得られる。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
〔感光層〕
下引き層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)が設けられる。電荷発生層や電荷輸送層は、それぞれ複数設けてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質、および結着樹脂を含有する。
電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、キノン顔料、インジゴイド顔料やフタロシアニン顔料、ペリノン顔料が挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンといったビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールが好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1以上1/10以下の範囲であることが好ましく、5/1以上1/5以下の範囲であることがより好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質、および結着樹脂を含有する。
電荷輸送物質としては、例えば、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、エナミン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミンが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーも挙げられる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリスチレンが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。また、これらの重量平均分子量(Mw)は、10,000以上300,000以下の範囲であることが好ましい。
電荷輸送層において、電荷輸送物質と結着樹脂との比率(電荷輸送物質/結着樹脂)は、10/5以上5/10以下の範囲であることが好ましく、10/8以上6/10以下の範囲であることがより好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
なお、支持体と上記下引き層との間や上記下引き層と感光層との間に、本発明の重合体を含有しない第2の下引き層といった別の層を設けてもよい。
また、感光層(電荷輸送層)上には、導電性粒子または電荷輸送物質と結着樹脂とを含有する保護層を設けてもよい。保護層には、潤滑剤の如き添加剤をさらに含有させてもよい。また、保護層の結着樹脂自体に導電性や正孔輸送性を有させてもよく、その場合、保護層には、当該結着樹脂以外の導電性粒子や正孔輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)により硬化してなる硬化性樹脂であってもよい。
〔プロセスカートリッジおよび電子写真装置〕
図1に、本発明に係る電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(例えば、接触系一次帯電器、非接触系一次帯電器など)により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4で露光する。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。二成分現像剤の場合、現像剤はトナーとキャリアとからなり、一成分現像剤の場合、現像剤はトナーそのものである。いずれの場合であっても、トナーが静電潜像に付着してトナー像となる。
さらに、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
トナー像を転写した後の転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像が転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りのトナー(転写残トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、転写手段6、およびクリーニング手段7から選択される1つ以上と、を容器に納めてプロセスカートリッジ9として一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジ9を電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7と、を一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
また、図1に示す例では電子写真装置本体側に転写手段6、定着手段8および不図示の露光手段などが設けられている。ただし、本発明に係る電子写真装置はこれに何ら限定されるものではなく、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有するものであれば特に制限はない。
〔イミド化合物〕
本発明に係るイミド化合物は、上記式(1)で示されるイミド化合物である。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
まず、上記式(1)で示されるイミド化合物(電子輸送物質)の合成例を示す。NMRスペクトルの測定は、上述の条件でおこなった。
(合成例)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびL−ロイシノール2.6部を加え、3時間還流を行った。更に4,4’−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)2.9部を加え、3時間還流を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/トルエン)で分離した後、目的物を含有するフラクションを濃縮した。その濃縮物を酢酸エチル/トルエン混合溶液で再結晶を行い、目的の化合物を2.0部得た。得られた化合物を、核磁気共鳴装置を用いてNMRスペクトルの測定を行ったところ、例示化合物101であった。そのNMRスペクトルを図5に示す。
次に、電子写真感光体の製造および評価について示す。
(実施例1)
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO)が被覆されている酸化チタン(TiO)粒子214部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部、および、1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を調製した。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂(固形分換算)の合計質量に対して10質量%になるように、シリコーン樹脂粒子を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂(固形分換算)の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイルを分散液に添加して撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。シリコーン樹脂粒子は、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のトスパール120(平均粒径2μm)を用いた。シリコーンオイルは、東レ・ダウコーニング(株)製のSH28PAを用いた。
次に、例示化合物101 4部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製;樹脂固形分10質量%)1.5部、触媒としてのオクチル酸亜鉛(II)0.0005部を、ジメチルアセトアミド100部とテトラヒドロフラン100部の混合溶媒に溶解した。この溶液に、固形分6部相当のブロックイソシアネート(商品名:デスモジュールBL3175、住化コベストロウレタン製)を加え、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱硬化させることによって、膜厚が2.0μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、2時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間、温度95℃で乾燥することによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(4)で示される化合物(正孔輸送物質)8部と、下記式(5)で示される構造単位を有するポリアリレート樹脂10部とを、ジメトキシメタン40部およびクロロベンゼン60部の混合溶剤に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。このポリアリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は100000であった。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間温度120℃で乾燥することによって、膜厚が15μmの電荷輸送層(正孔輸送層)を形成した。
このようにして、支持体上に導電層、下引き層、感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を有する電子写真感光体を製造した。
製造した電子写真感光体を、温度23℃、湿度50%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機に装着して、表面電位の測定および出力画像の評価を行った。改造点は、一次帯電をローラー接触DC帯電、プロセススピードを120mm/秒、レーザー露光をおこなう点である。詳しくは以下のとおりである。
(表面電位の測定)
上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。そして、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。電子写真感光体の表面電位は、初期暗部電位(Vd)が−600V、初期明部電位(Vl)が−150Vになるように、画像露光の光量を設定した。
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、製造した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力をおこなった。次に、10,000枚のフルカラー画像(各色印字率1%の文字画像)の出力を行い、その後、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。なお、画像出力はそれぞれA4サイズの普通紙を用いて行った。
ゴースト評価用画像は図2に示すように、画像の先頭部の「白画像21」中に四角の「ベタ画像22」を出した後、図3にその拡大したものを示す「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像23」を作成したものである。「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像23」とは、主走査方向rおよび副走査方向rについて、「1つのドット31」を図3に示すようなパターンで所望の画像形成領域の全域にわたって形成し、得られたものである。なお、図2中、「ゴースト24」部は、「ベタ画像22」に起因するゴーストが出現し得る部分である。
ポジゴーストの評価は、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の画像濃度と、ゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite(株)製)で、1枚のゴースト評価用画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト評価用画像10枚すべてでおこない、合計100点の平均を算出し、初期画像出力時のマクベス濃度差(初期)を評価した(表12中のマクベス濃度差の「初期」の欄)。次に、10,000枚の出力後のマクベス濃度差と初期画像出力時のマクベス濃度差の差(変化分)を算出して、マクベス濃度差の変動分を求めた(表12中のマクベス濃度差の「変動分」の欄)。結果を表12に示す。上記濃度差(マクベス濃度差)が大きいほど、ポジゴーストが強く生じていることになる。上記濃度差(マクベス濃度差)が小さいほど、ポジゴーストが抑制されたことを意味する。そして、10,000枚の出力後のマクベス濃度差と初期画像出力時のマクベス濃度差との差が小さい程、ポジゴーストの変動変化が小さいことを意味する。
(実施例2〜35、38、39)
式(1)で示される化合物、架橋剤、重合性官能基を有する樹脂の種類および部数を表12に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
(実施例36)
上記式(4)で示される化合物を下記式(6)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
(実施例37)
上記式(4)で示される化合物を下記式(7)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
(比較例1)
以下の下引き層用塗布液を用いて下引き層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
下記式(8)で示される化合物3部、ポリアミド樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)7部をブタノール120部、メタノ−ル100部、DMF30部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。なお、DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドを意味する。
(比較例2)
以下の下引き層用塗布液を用いて下引き層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
下記式(9)で示される化合物5部、ポリアミド樹脂(アミランCM8000、東レ(株)製)5部をブタノール120部、メタノール100部、DMF30部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。
(比較例3)
以下の下引き層用塗布液を用いて下引き層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
下記式(10)で示される化合物10部、フェノール樹脂(PL−4804、群栄化学工業(株)製)5部をジメチルホルムアミド200部、ベンジルアルコール150部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。
(比較例4)
以下の下引き層用塗布液を用いて下引き層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
下記式(11)で示される化合物25部、ポリカーボネート(PCZ−200、三菱ガス化学(株)製)25部、トルエン200部をボールミルで50時間混合分散し、下引き層用塗布液を調製した。
(比較例5)
以下の下引き層用塗布液を用いて下引き層を形成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にゴーストの評価をおこなった。結果を表12に示す。
式(8)で示される化合物8部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製;樹脂固形分10質量%)1.5部、触媒としてのオクチル酸亜鉛(II)0.0005部を、ジメチルアセトアミド100部とテトラヒドロフラン100部の混合溶媒に溶解した。この溶液に、固形分6部相当のブロックイソシアネート(商品名:デスモジュールBL3175、住化コベストロウレタン製)を加え、下引き層用塗布液を調製した。
表12中、架橋剤1は、イソシアネート系架橋剤(商品名:デスモジュールBL3175、住化コベストロウレタン社製(固形分60%))である。架橋剤2は、イソシアネート系架橋剤(商品名:デスモジュールBL3575、住化コベストロウレタン社製(固形分60%))である。架橋剤3は、アルキルエーテル化されたN−メチロール基を有するブチル化メラミン系架橋剤(商品名:スーパーベッカミンJ821−60、DIC社製(固形分60%))である。架橋剤4は、アルキルエーテル化されたN−メチロール基を有するブチル化尿素系架橋剤(商品名:ベッカミンP138、DIC社製(固形分60%)である。
表12中、樹脂1(重合性官能基を有する樹脂)は、1g当たりのヒドロキシ基のmol数が3.3mmol、分子量1×10のポリビニアセタール樹脂である。樹脂2は、1g当たりのヒドロキシ基のmol数が3.3mmol、分子量2×10のポリビニアセタール樹脂である。樹脂3は、1g当たりのヒドロキシ基のmol数が2.5mmol、分子量3.4×10のポリビニアセタール樹脂である。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
21 白画像
22 ベタ画像
23 1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像
31 1つのドット
101 支持体
102 下引き層
103 感光層
104 電荷発生層
105 正孔輸送層

Claims (10)

  1. 支持体と、下引き層と、感光層と、をこの順に有する電子写真感光体であって、 該下引き層が、架橋剤および下記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    (式(1)中、
    は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換の複素環基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNR12に置き換えて導かれる基を示す。R12は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換シクロアルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基、該置換複素環基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
    およびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをNR13に置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアリール基を示す。RおよびRは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される重合性官能基を有する。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。R13は、水素原子またはアルキル基を示す。
    〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。)
  2. 前記式(1)におけるRが、下記式(2)で示される基、下記式(3)で示される基または下記式(4)で示される基である請求項1に記載の電子写真感光体。
    (式(2)中、
    101は、O、S、SO、NR104、カルボニル基、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
    102およびR103は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。m個のR102およびn個のR103は、それぞれ、同一であっても異なってもよい。
    104は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m、nが0のとき、(R102)m、(R103)nは水素原子を示す。)
    (式(3)中、
    201は、O、S、SO、NR204、カルボニル基、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、およびハロゲン原子からなる群より選択される。
    202およびR203は、それぞれ独立に、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される。s個のR202およびp個のR203は、それぞれ、同一であっても異なってもよい。
    204は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。s、pはそれぞれ0〜4の整数を示す。ただし、s、pが0のとき、(R202)s、(R203)pは水素原子を示す。)
    (式(4)中、
    301は、水素原子を示す。
    302は、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。
    303は、置換または無置換のアルキル基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基、該置換アルキル基の置換基は、O、S、炭素数1〜2のアルキル基、アルコシキカルボニル基およびフェニル基からなる群より選択される。)
  3. 前記式(1)におけるRおよびRが、それぞれ独立に下記式(5)で示される基である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
    (式(5)中、
    401は、水素原子を示す。
    402およびR403は、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示し、これらの基は、ヒドロキシ基を有する。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1つである。)
  4. 前記架橋剤が、
    イソシアネート基あるいはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、または、
    N−メチロール基あるいはアルキルエーテル化されたN−メチロール基を有するアミン化合物
    である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記組成物が、さらに重合性官能基を有する樹脂を含有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記組成物中における、前記式(1)で示される化合物の含有量に対する、前記架橋剤の含有量および前記重合性官能基を有する樹脂の含有量の合計の含有量が、質量比率で0.5倍以上2.5倍以下である請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
  9. 下記式(1)で示されるイミド化合物。
    (式(1)中、
    は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、置換または無置換の複素環基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つをNR12に置き換えて導かれる基を示す。R12は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換シクロアルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基、該置換複素環基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。
    およびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをOに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをSに置き換えて導かれる基、置換または無置換のアルキル基の炭素原子の1つをNR13に置き換えて導かれる基、または、置換または無置換のアリール基を示す。RおよびRは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される重合性官能基を有する。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、フェニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。R13は、水素原子またはアルキル基を示す。
    〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換アリール基の置換基は、それぞれ独立に、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコシキカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。)
  10. 前記式(1)におけるRが、下記式(2)で示される基、下記式(3)で示される基または下記式(4)で示される基である請求項9のイミド化合物。
    (式(2)中、
    101は、O、S、SO、NR104、カルボニル基、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、およびハロゲン原子からなる群より選択される。
    102およびR103は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子からなる群より選択される。m個のR102およびn個のR103は、それぞれ、同一であっても異なってもよい。
    104は水素原子、アルキル基、またはアリール基を示す。m、nはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m、nが0のとき、(R102)m、(R103)nは水素原子を示す。)
    (式(3)中、
    201は、O、S、SO、NR204、カルボニル基、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、およびハロゲン原子からなる群より選択される。
    202およびR203は、それぞれ独立に、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される。s個のR202およびp個のR203は、それぞれ、同一であっても異なってもよい。
    204は水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。s、pはそれぞれ0〜4の整数を示す。ただし、s、pが0のとき、(R202)s、(R203)pは水素原子を示す。)
    (式(4)中、
    301は、水素原子を示す。
    302は、置換または無置換のアルキレン基、または、置換または無置換のアリーレン基を示す。
    303は、置換または無置換のアルキル基を示す。
    該置換アルキレン基の置換基、該置換アリーレン基の置換基、該置換アルキル基の置換基は、O、S、炭素数1〜2のアルキル基、アルコシキカルボニル基およびフェニル基からなる群より選択される。)
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