JP2016074809A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2016074809A
JP2016074809A JP2014205710A JP2014205710A JP2016074809A JP 2016074809 A JP2016074809 A JP 2016074809A JP 2014205710 A JP2014205710 A JP 2014205710A JP 2014205710 A JP2014205710 A JP 2014205710A JP 2016074809 A JP2016074809 A JP 2016074809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
rubber
carbon black
pneumatic tire
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014205710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6042398B2 (ja
Inventor
亮太 北郷
Ryota Kitago
亮太 北郷
隆行 永瀬
Takayuki Nagase
隆行 永瀬
佑紀 川名
Yuki Kawana
佑紀 川名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd, Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2014205710A priority Critical patent/JP6042398B2/ja
Priority to PCT/JP2015/077737 priority patent/WO2016056443A1/ja
Priority to US15/513,514 priority patent/US10414906B2/en
Priority to CN201580051628.7A priority patent/CN107075185B/zh
Priority to EP15849696.8A priority patent/EP3196244B1/en
Publication of JP2016074809A publication Critical patent/JP2016074809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6042398B2 publication Critical patent/JP6042398B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】耐摩耗性と低発熱性を両立できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤであって、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックである空気入りタイヤ。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
カーボンブラックは、比表面積、ストラクチャー、表面性状などの物理特性によって、ゴム組成物に配合した場合に該ゴム組成物の性能に大きな影響を与える。このため、要求されるゴム組成物の性能や、ゴム組成物が使用される環境条件などによって、各種特性の異なるカーボンブラックが選択的に使用されている(例えば、特許文献1)。
地面と接するトレッドゴムには、走行中の摩耗に対する耐性(耐摩耗性)が優れているとともに、走行中のゴムの変形時に発生するヒステリシスロスが少なく低発熱性であることが要求される。この耐摩耗性と低発熱性との両立を図るために、カーボンブラックを高充填する手法や高比表面積(小粒径)、あるいは高ストラクチャーを有するカーボンブラックを用いる手法などが検討されている。しかし、これらのカーボンブラックを用いた場合、耐摩耗性は向上するものの、低発熱性が十分ではなくなる場合がある。
また、カーボンブラックの比表面積やストラクチャー以外の特性で、タイヤの耐摩耗性を改良する手法として、カーボンブラックのアグリゲート径の分布のシャープ性を高める手法が提案されている。しかし、該カーボンブラックが配合されたゴム組成物は、発熱性が低下し、該ゴム組成物をトレッドに使用したタイヤの低発熱性が十分ではなくなる場合がある。また、アグリゲート径の分布のシャープ性を低くすると(ブロード性を高める)、タイヤの低発熱性を向上させることは可能となるが、同時に耐摩耗性が低下する傾向となってしまう。このように、カーボンブラックのアグリゲート径の分布のみを調整する手法も、タイヤの耐摩耗性と低発熱性を両立させるのに有効な手段であるとはいえない。
このように、耐摩耗性と低発熱性とは、二律背反の関係にあり、いずれの性能をも高い次元で両立させる開発が進められているが、難しいのが現状である。
特開2001−081239号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性と低発熱性を両立できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定ゴム成分、硫黄を含むトレッドにおいて、特定の原料油を使用して得られたカーボンブラックなど、特定のアグリゲート特性を有するカーボンブラックをフィラーとして配合することにより、耐摩耗性、低発熱性の性能バランスを顕著かつ相乗的に改善できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤであって、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックである空気入りタイヤに関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックであることが好ましい。
上記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素であることが好ましい。
上記原料油がトール油を含有することが好ましい。
上記カーボンブラックが、ファーネス法で製造されたカーボンブラックであることが好ましい。
本発明はまた、イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤであって、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラックである空気入りタイヤに関する。
上記ゴム成分100質量%中、上記イソプレン系ゴムの含有量が35〜95質量%、上記ハイシスブタジエンゴムの含有量が5〜65質量%であり、上記ゴム組成物中、上記ゴム成分100質量部に対して、上記硫黄の含有量が0.5〜1.6質量部であることが好ましい。
上記ハイシスブタジエンゴムが、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル含量が1.0質量%以下、シス含量が95質量%以上のハイシスブタジエンゴムであることが好ましい。
上記ゴム組成物中、上記ゴム成分100質量部に対して、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及び脂肪酸亜鉛の合計含有量が2〜6質量部であることが好ましい。
上記ゴム組成物中、上記ゴム成分100質量部に対して、オイルの含有量が7質量部以下、酸化亜鉛の含有量が1.5〜3.99質量部であることが好ましい。
本発明によれば、イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤにおいて、カーボンブラックとして特定のものを用いているので、耐摩耗性、低発熱性の性能バランスが顕著に改善される。
第一の本発明は、イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤであって、前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラック(1)である空気入りタイヤに関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
第二の本発明は、イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤであって、前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラック(1)である空気入りタイヤに関する。
本発明では、イソプレン系ゴム、ハイシスブタジエンゴム、硫黄を含有するトレッドにおいて、特定カーボンブラック、すなわち、カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が特定値以下、脂肪族炭化水素比率が特定値以上の原料油を使用して得られたカーボンブラック(1)、Dmodが特定値以下、△D50/Dmodが特定値以上という特定のアグリゲート特性を有するカーボンブラック(1)、をトレッドに配合することにより、良好な低発熱性を維持又は改善しつつ、耐摩耗性を改善でき、耐摩耗性及び低発熱性の性能バランスを両立できる。特に、イソプレン系ゴムとハイシスブタジエンゴムのブレンドゴムに代えて、他のゴム成分(イソプレン系ゴムのみ、スチレンブタジエンゴムのみ等)を用いる場合に比べ、前記性能バランスを顕著かつ相乗的に改善することが可能となる。
以下においては、先ず、第一、第二の本発明で使用される第一、第二のゴム組成物について説明する。
第一、第二のゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレン系ゴムを含有する。イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性、低発熱性等に優れるという理由から、NRを好適に使用できる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
第一、第二のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、通常、35質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは75質量%以上である。35質量%未満であると、低燃費性を充分に改善できないおそれがある。イソプレン系ゴムの含有量は、通常、95質量%以下、好ましくは85質量%以下である。95質量%を超えると、充分な耐摩耗性を確保できなくなり、低燃費性及び耐摩耗性がバランス良く得られないおそれがある。
第一、第二のゴム組成物は、ゴム成分として、シス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴム(ハイシスBR)も含有する。上記ハイシスBRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できるが、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル含量が1.0質量%以下(好ましくは0.8質量%以下)、シス含量が95質量%以上のハイシスBR(好ましくは、希土類系ブタジエンゴム〔希土類系BR〕)を好適に使用できる。
なお、本発明において、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)及びシス含量(シス−1,4−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定された値である。
第一、第二のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の上記ハイシスBRの含有量は、通常、5質量%以上、好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、充分な耐摩耗性を確保できなくなる。上記ハイシスBRの含有量は、通常、65質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。65質量%を超えると、低燃費性及び耐摩耗性を充分に改善できないおそれがある。
第一のゴム組成物では、BMCI値が特定値以下、脂肪族炭化水素比率が特定値以上の原料油を使用して得られたカーボンブラック(1)、第二のゴム組成物では、Dmodが特定値以下、△D50/Dmodが特定値以上という特定のアグリゲート特性を有するカーボンブラック(1)が使用される。上記カーボンブラック(1)を配合することにより、耐摩耗性と低発熱性を両立できる。
第二のゴム組成物において、カーボンブラック(1)のアグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)は、79nm以下、好ましくは69nm以下、より好ましくは63nm以下である。79nmを超えると、本発明の効果(特に、耐摩耗性の向上効果)が充分に得られない。該Dmodの下限は、特に限定されないが、好ましくは50nm以上、より好ましくは56nm以上である。50nm未満であると、分散性に劣り、破壊特性、耐摩耗性が低下する傾向がある。
第二のゴム組成物において、カーボンブラック(1)のアグリゲート特性としてDmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)は、0.78以上であり、好ましくは0.90以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上である。0.78未満であると、本発明の効果(特に、低発熱性の改善効果)が充分に得られない。△D50/Dmodの上限は、特に限定されないが、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下である。2.5を超えると、耐摩耗性が悪化し、所望の効果が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDmod、△D50は、以下の方法で測定される値である。
界面活性剤(SIGMA CHEMICAL社製「NONIDET P−40」)を加えた20%エタノール水溶液に精秤したカーボンブラック試料を加えて、カーボンブラック濃度が0.01重量%の試料液を調製する。この試料液を超音波分散機(超音波工業製「超音波発生装置USV−500V」)を用いて、振動数200kHz、出力100Wとして5分間分散処理することにより、カーボンブラックスラリーを調製する。一方、遠心沈降式の粒度分布測定装置(BROOK HAVEN INSTRUMENTS社製「BI−DCP PARTICLSIZER」)にスピン液(純水)10ミリリットルを注入し、更にバッファー液(20vol%エタノール水溶液)1ミリリットルを注入した後、前記調製したカーボンブラックスラリー各1ミリリットルを注入し、回転数8000rpmで遠心沈降させることによりストークス相当径を測定し、ストークス相当径に対して相対的な発生頻度のヒストグラムを作製する。ヒストグラムのピーク(A)を通るY軸と平行な直線と、ヒストグラムのX軸との交点をCとする。このCでのストークス直径を最大頻度ストークス相当径(Dmod)とする。また線分ACの中点をFとして、Fを通りX軸に平行な直線Gとヒストグラムの分布曲線との2点の交点(D、E)を求め、このDとEのストークス直径の差の絶対値をストークス相当径半値幅値(分布曲線の半値幅(△D50))とする。
カーボンブラック(1)の臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、好ましくは60〜150m/g、より好ましくは80〜145m/g、更に好ましくは100〜140m/g、特に好ましくは105〜135m/gである。CTABが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、JIS K6217−3:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラック(1)のヨウ素吸着量(IA)(mg/g)は、好ましくは100〜400mg/g、より好ましくは110〜300mg/g、更に好ましくは120〜250mg/gである。ヨウ素吸着量(IA)が上記範囲内であると、耐摩耗性の改善効果がより好適に得られ、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)のヨウ素吸着量(IA)(mg/g)に対する臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)の比(CTAB/IA)は、好ましくは0.8〜1.2m/mg、より好ましくは0.85〜1.15m/mg、更に好ましくは0.9〜1.1m/mgである。CTAB/IAが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックのヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6217−1:2008に準拠して測定される値である。
CTAB/IAで表される表面活性指標は、カーボンブラックの結晶化度(グラファイト化率)の指標と考えることができる。すなわち、CTAB/IAが高いほど結晶化が進んでいないことを示し、カーボンブラックとゴム成分との相互作用が大きくなる傾向にある。
また、CTAB/IAは、カーボンブラック表面に存在する酸性官能基の量を評価するパラメーターとしても位置づけられる。カーボンブラック表面の酸性官能基は、ゴム成分との相互作用に寄与するが、CTAB/IAが高いほどカーボンブラックの表面に酸性官能基が多く存在していることを示す。従って、CTAB/IAが上記範囲内であると、ゴム成分に対してより顕著な補強効果を奏することができ、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)の24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、好ましくは50〜120cm/100g、より好ましくは70〜120cm/100g、更に好ましくは90〜115cm/100g、特に好ましくは95〜110cm/100gである。24M4DBPが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、ASTM D3493−85aに準拠して測定される値である。
カーボンブラック(1)は、酸性、中性、塩基性のいずれであってもよいが、JIS K6220−1で測定されるpHが2.0〜10.0であることが好ましく、5.5〜9.5であることがより好ましい。カーボンブラック(1)のpHが上記範囲内であると、より好適にゴム組成物の機械的強度や耐摩耗性を向上でき、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)の製造方法としては、例えば、原料油(原料炭化水素)として、BMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上の原料油を使用する点に特徴がある方法を採用することが好ましい。これにより、上記特性を有するカーボンブラック(1)が好適に得られる。また、この方法によれば、調製した複数のカーボンブラックを混合したり、調製したカーボンブラックに対して表面処理等の後処理を行うことなく、ワンポットで、すなわち、上記原料油を用いてカーボンブラックを調製するだけで、上記特性を有するカーボンブラック(1)を容易に調製できる。
ここで、本明細書において、BMCI値とは、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算される値である。
なお、平均沸点Tは、当該原料油について蒸留試験を実施したときに、質量基準でその50%が溜出したときの温度である。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
第一のゴム組成物において、原料油のBMCI値は、150以下であり、好ましくは140以下、より好ましくは130以下、更に好ましくは120以下、特に好ましくは110以下である。150を超えると、カーボンブラックの粒度分布がシャープとなりすぎ、上述の特定のアグリゲート特性が得られず、耐摩耗性と低発熱性を両立できなくなる。原料油のBMCI値の下限は、特に限定されないが、好ましくは95以上である。95未満では、歩留まりが悪くなる(充分な量のカーボンブラックが得られない)おそれがある。
第一のゴム組成物において、脂肪族炭化水素比率(原料油100質量%中の脂肪族炭化水素の含有量)は、30質量%以上であり、好ましくは40質量%以上である。30質量%未満であると、上述の特定のアグリゲート特性が得られず、耐摩耗性と低発熱性を両立できなくなる。脂肪族炭化水素比率の上限は、特に限定されないが、好ましくは60質量%以下である。60質量%を超えると、歩留まりが悪くなる(充分な量のカーボンブラックが得られない)おそれがある。
原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。該含有量の上限は、特に限定されず、100質量%であってもよい。該含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られるだけではなく、非枯渇資源を原料として上記効果を達成できるため、資源の枯渇や環境にも配慮できる。
上記特性を満たす原料油としては、上記特性を満たすものを単独で使用してもよいし、上記特性を満たすように2種以上を混合したものを使用してもよい。
原料油の具体例としては、例えば、(1)アントラセン等の芳香族炭化水素;クレオソート油等の石炭系炭化水素;EHEオイル(エチレン製造時の複製油)、FCCオイル(流動接触分解残渣油)等の石油系重質油からなる群より選択される少なくとも1種と、(2)脂肪族炭化水素との混合原料油が挙げられる。なお、これらは、改質されていてもよい。なかでも、石炭系炭化水素と脂肪族炭化水素との混合原料油が好ましい。
脂肪族炭化水素としては、例えば、プロセスオイルなどに代表される石油系脂肪族炭化水素、及び大豆油、なたね油、パーム油などの脂肪酸に代表される動植物油等を使用することができる。
ここで動植物油とは、魚類肝臓から得られる脂肪油(肝油)やクジラからとれる海獣油のような水産動物油及び牛脂、豚脂などのような陸産動物油のほか、植物の種子、果実、核などから採取される脂肪酸グリセリドを成分とする油脂等を含有する。
また、原料油としては、石炭系炭化水素と石油系脂肪族炭化水素との混合原料油、石炭系炭化水素と動植物油との混合原料油が好ましく、クレオソート油と石油系脂肪族炭化水素との混合原料油、クレオソート油と大豆油との混合原料油がより好ましい。更に、脂肪族炭化水素を含むトール油も好適に原料油として用いることができる。なお、上記石炭系炭化水素としては、石炭系芳香族炭化水素が好ましい。
カーボンブラック(1)は、上記原料油を使用する点以外は、公知の製造方法により製造でき、その製造方式は特に限定されないが、具体的には、燃焼ガス中に原料油を噴霧してカーボンブラックを製造する方法が採用されることが好ましく、例えば、ファーネス法やチャンネル法等の従来から公知の方法が用いられる。なかでも、上述の特定のアグリゲート特性が好適に得られるという理由から、以下に示すファーネス法が好ましい。
ファーネス法(オイルファーネス法)は、例えば特開2004−43598号公報、特開2004−277443号公報などのように、反応炉内に高温燃焼ガス流を発生させる燃焼帯域、高温燃焼ガス流に原料炭化水素を導入して原料炭化水素を熱分解反応によりカーボンブラックに転化させる反応帯域、及び反応ガスを急冷して反応を停止する反応停止帯域を有する装置を用いるプロセスであって、燃焼条件、高温燃焼ガス流速、反応炉内への原料油の導入条件、カーボンブラック転化から該反応停止までの時間等の諸条件を制御することによって種々の特性のカーボンブラックを製造することができる。
燃焼帯域では、高温燃焼ガスを形成させるため、酸素含有ガスとして空気、酸素またはそれらの混合物とガス状または液体の燃料炭化水素を混合燃焼させる。燃料炭化水素としては、一酸化炭素、天然ガス、石炭ガス、石油ガス、重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料が使用される。燃焼は、燃焼温度が1400℃〜2000℃の範囲となるように制御されるのが好ましい。
反応帯域では、燃焼帯域で得られた高温燃焼ガス流に並流又は横方向に設けたバーナーから原料炭化水素を噴霧導入し、原料炭化水素を熱分解させてカーボンブラックに転化させる。好ましくは、ガス流速が100〜1000m/sの範囲の高温燃焼ガス流に、原料油を1本以上のバーナーにより導入する。原料油は、2本以上のバーナーにより分割し導入することが好ましい。また、反応効率を向上させる為に反応ゾーンに絞り部を設けることが好ましい。絞り部の絞り部径/絞り部上流域径の比は、0.1〜0.8が好ましい。
反応停止帯域では、高温反応ガスを1000〜800℃以下に冷却する為、水スプレー等が行われる。原料油を導入してからの反応停止までの時間は2〜100m秒が好ましい。冷却されたカーボンブラックは、ガスから分離回収された後、造粒、乾燥等の公知のプロセスをとることができる。
第一、第二のゴム組成物において、カーボンブラック(1)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。20質量部未満であると、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。該カーボンブラック(1)の含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。70質量部を超えると、低発熱性や耐摩耗性が悪化するおそれがある。
本発明では、カーボンブラック(1)と共に、カーボンブラック(1)以外のカーボンブラックを配合してもよい。
第一、第二のゴム組成物は、硫黄を含有する。硫黄としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄が挙げられる。なお、本発明における硫黄には、硫黄含有カップリング剤等、架橋性を有する硫黄含有化合物中の硫黄も含まれる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.6質量部以上である。0.5質量部未満であると、充分に加硫されず、所望の強度が得られないおそれがある。硫黄の含有量は、好ましくは1.6質量部以下、より好ましくは1.1質量部以下である。1.6質量部を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、本明細書において、硫黄の含有量とは、ゴム組成物に配合される加硫剤の純硫黄分の総量を意味する。例えば、加硫剤として、オイル含有硫黄や、ランクセス社製のVulcuren KA9188、フレキシス社製のDURALINK HTSなどの硫黄含有カップリング剤を用いた場合、オイル含有硫黄に含まれる硫黄分、硫黄含有カップリング剤中の硫黄分の合計量である。
第一、第二のゴム組成物は、架橋剤(硫黄含有カップリング剤)として、下記式(I)で表される化合物を使用してもよい。これにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができる。
Figure 2016074809
(式(I)において、Aは炭素数2〜10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、窒素原子を含む1価の有機基を表す。)
Aのアルキレン基(炭素数2〜10)としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものが挙げられるが、直鎖状のアルキレン基が好ましく、ヘキサメチレン基がより好ましい。R及びRとしては、窒素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。
第一、第二のゴム組成物が式(I)で表される化合物を含有する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。
第一、第二のゴム組成物は、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及び脂肪酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。脂肪酸亜鉛としては、炭素数14〜20の複数の炭素数からなる飽和脂肪酸亜鉛を好適に使用できる。
第一、第二のゴム組成物において、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及び脂肪酸亜鉛の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは3.5質量部以上である。該合計含有量が2質量部未満であると、充分な加工性(ムーニー粘度、押出し加工性)を確保できないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。該合計含有量が6質量部を超えると、耐摩耗性及び破断時伸びが低下するおそれがある。
第一、第二のゴム組成物は、酸化亜鉛を含有することが好ましい。酸化亜鉛としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1.5質量部未満であると、低燃費性等が低下するおそれがある。酸化亜鉛の含有量は、好ましくは3.99質量部以下、好ましくは3質量部以下である。3.99質量部を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
第一、第二のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、老化防止剤、オイル、ワックス、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは1.0質量部以下であり、0質量部でもよい。
第一、第二のゴム組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロールやバンバリーのような公知の混合機で混練する方法を用いることができる。
第一、第二のゴム組成物は、イソプレン系ゴムと、カーボンブラック(1)とを混練りして得られるマスターバッチを含有することが好ましい。すなわち、イソプレン系ゴム、カーボンブラック(1)を混練りしてマスターバッチを調製した後、得られたマスターバッチと他の配合剤とを混練りして製造することが好ましい。このように、イソプレン系ゴム、カーボンブラック(1)を予め混練りしておくことで、カーボンブラック(1)の分散性を向上できる。
なお、カーボンブラックとして、カーボンブラック(1)に加え、微粒子カーボンブラックも併用する場合は、上記マスターバッチの調製工程では、窒素吸着比表面積(NSA)が大きいカーボンブラック(1)を混練することが好ましい。この場合、後の工程で、マスターバッチと、微粒子で分散性が劣るカーボンブラックを、他の配合剤とともに混練することで、カーボンブラックが効率よく分散される。
上記マスターバッチの調製工程において、イソプレン系ゴム以外のゴム成分や、オイル、加工助剤、ステアリン酸、老化防止剤を混練りすると、ゴムの粘度が低下しカーボンブラック(1)の分散性が低下するおそれがある。そのため、イソプレン系ゴム以外のゴム成分、オイル、加工助剤、ステアリン酸、老化防止剤は、後の工程で混練りすることが好ましい。つまり、マスターバッチの調製工程では、イソプレン系ゴム、カーボンブラック(1)のみを混練りすることが好ましい。
マスターバッチの調製工程において、排出温度は、130〜170℃とすることが好ましい。また、混練り時間は、使用する混練り機の大きさなどによって異なるが、通常、2〜5分程度とすればよい。
上記マスターバッチにおいて、イソプレン系ゴム100質量部に対するカーボンブラック(1)の配合量は、好ましくは30〜80質量部、より好ましくは45〜65質量部である。
第一、第二のゴム組成物は、タイヤのトレッドに使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明の空気入りタイヤを製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、重荷重用タイヤなどに使用でき、なかでも、イソプレン系ゴムを多量に配合する重荷重用タイヤに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
[カーボンブラック製造設備]
空気導入ダクトと燃焼バーナーを備える内径500mm、長さ1750mmの燃焼帯域、該燃焼帯域に連なっており、周辺から原料ノズルを貫通設置した内径55mm、長さ700mmの狭径部からなる原料導入帯域、クエンチ装置を備えた内径200mm、長さ2700mmの後部反応帯域を順次接合したカーボンブラック製造設備を用いた。
[製造条件](ファーネス法)
この製造設備を用い、燃料に天然ガスを用い、特性を表1に示した油及び石油系炭化水素を原料油として用い、その他条件として表2に示した各条件によりカーボンブラックを製造した。各製造例により得られたカーボンブラックの歩留まり、各種特性を表2に併せて示した。なお、カーボンブラックの各種特性の測定は、上述の方法により行った。また、製造例2−5、7−14により得られたカーボンブラックは、上記カーボンブラック(1)に相当する。なお、製造例12−14により得られたカーボンブラックについては、歩留まりが悪く、評価を行えるほどのカーボンブラックが得られなかったため、該製造条件における原料油量の値は確認できず、更に、カーボンブラックの各種特性の測定、及び後述するカーボンブラックをゴム組成物に配合する試験は行わなかった。
Figure 2016074809
Figure 2016074809
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20(天然ゴム)
ハイシスBR:ランクセス(株)製のBUNA−CB25(Nd系触媒を用いて合成した希土類系BR、ビニル含量:0.7質量%、シス含量:97質量%)
カーボンブラック:製造例1〜11により得られたカーボンブラック
ワックス:日本精蝋(株)製のOzoace355
老化防止剤1:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
5%オイル含有粉末硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5(加硫剤、オイル分5質量%)
架橋剤:ランクセス(株)製のVulcuren KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、化合物中の硫黄元素含有率28質量%)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS−G
〔実施例及び比較例〕
[製造方法A]
(ベース練り工程1)
(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、全量のNR、カーボンブラックを4分間混練りし、150℃で排出することで、マスターバッチを得た。
(ベース練り工程2)
得られたマスターバッチに、ハイシスBRと、硫黄、加硫促進剤及びKA9188以外の材料とを添加し、上記バンバリーミキサーで4分間混練りし、150℃で排出することで、混練り物を得た。
(仕上げ練り工程)
得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤及びKA9188を添加し、オープンロールで2分間混練りし、105℃で排出することで、未加硫ゴム組成物を得た。
(加硫工程)
得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
[製造方法B]
ベース練り工程1で、全量のゴム成分、カーボンブラックを投入する以外は製造方法Aと同様の手法により、加硫ゴム組成物を調製した。
得られた加硫ゴム組成物を使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表3〜4に示す。
(耐摩耗性)
ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。さらに、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例1又は4のランボーン摩耗指数を100とし、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した(ランボーン摩耗指数)。ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1又は4の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
(低発熱性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合の損失正接(tanδ)を測定し、比較例1又は4のtanδを100として、他の配合については、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低発熱性)が優れることを示す。指数が95以上の場合に良好と判断した。
(転がり抵抗指数)=(比較例1又は4のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 2016074809
Figure 2016074809
表3〜4より、NR、ハイシスBR、硫黄に、本発明の特定カーボンブラックを配合した実施例では、良好な低発熱性を維持または改善しつつ、耐摩耗性を改善でき、耐摩耗性及び低発熱性を高次に両立できる一方、特定外のカーボンブラックを用いると、性能が劣っていた。
特に、例えば、比較例1、実施例1と、比較例2〜3との対比により、ゴム成分がNRのみの配合に特定カーボンブラックを添加することに比べ、NRとハイシスBRの配合に添加する方が、耐摩耗性、転がり抵抗(低発熱性)の性能バランスが顕著に改善され、相乗的に改善されることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤであって、
    前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックである空気入りタイヤ。
    BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
  2. 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記原料油がトール油を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーボンブラックが、ファーネス法で製造されたカーボンブラックである請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. イソプレン系ゴム及びシス含量が90質量%以上のハイシスブタジエンゴムを含むゴム成分と、1種以上のカーボンブラックと、硫黄とを含有するゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤであって、
    前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラックである空気入りタイヤ。
  7. 前記ゴム成分100質量%中、前記イソプレン系ゴムの含有量が35〜95質量%、前記ハイシスブタジエンゴムの含有量が5〜65質量%であり、
    前記ゴム組成物中、前記ゴム成分100質量部に対して、前記硫黄の含有量が0.5〜1.6質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ハイシスブタジエンゴムが、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル含量が1.0質量%以下、シス含量が95質量%以上のハイシスブタジエンゴムである請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ゴム組成物中、前記ゴム成分100質量部に対して、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム及び脂肪酸亜鉛の合計含有量が2〜6質量部である請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ゴム組成物中、前記ゴム成分100質量部に対して、オイルの含有量が7質量部以下、酸化亜鉛の含有量が1.5〜3.99質量部である請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2014205710A 2014-10-06 2014-10-06 空気入りタイヤ Active JP6042398B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014205710A JP6042398B2 (ja) 2014-10-06 2014-10-06 空気入りタイヤ
PCT/JP2015/077737 WO2016056443A1 (ja) 2014-10-06 2015-09-30 ゴム組成物又は空気入りタイヤ
US15/513,514 US10414906B2 (en) 2014-10-06 2015-09-30 Rubber composition and pneumatic tire
CN201580051628.7A CN107075185B (zh) 2014-10-06 2015-09-30 橡胶组合物及充气轮胎
EP15849696.8A EP3196244B1 (en) 2014-10-06 2015-09-30 Rubber composition and pneumatic tire

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014205710A JP6042398B2 (ja) 2014-10-06 2014-10-06 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016074809A true JP2016074809A (ja) 2016-05-12
JP6042398B2 JP6042398B2 (ja) 2016-12-14

Family

ID=55950785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014205710A Active JP6042398B2 (ja) 2014-10-06 2014-10-06 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6042398B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110016163A (zh) * 2017-12-14 2019-07-16 住友橡胶工业株式会社 轮胎用橡胶组合物和充气轮胎

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07500371A (ja) * 1991-11-13 1995-01-12 キャボット コーポレイション カーボンブラック
JP2000313820A (ja) * 1999-03-01 2000-11-14 Mitsubishi Chemicals Corp カーボンブラック
JP2009023503A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2011099012A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Bridgestone Corp タイゴム用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2011099018A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Bridgestone Corp タイゴム用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2012241482A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Bfie Co Ltd 組立家屋及びその組立方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07500371A (ja) * 1991-11-13 1995-01-12 キャボット コーポレイション カーボンブラック
JP2000313820A (ja) * 1999-03-01 2000-11-14 Mitsubishi Chemicals Corp カーボンブラック
JP2009023503A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2011099012A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Bridgestone Corp タイゴム用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2011099018A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Bridgestone Corp タイゴム用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2012241482A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Bfie Co Ltd 組立家屋及びその組立方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110016163A (zh) * 2017-12-14 2019-07-16 住友橡胶工业株式会社 轮胎用橡胶组合物和充气轮胎

Also Published As

Publication number Publication date
JP6042398B2 (ja) 2016-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6100623B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5763606B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2007231177A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6045551B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6217157B2 (ja) カーボンブラックの製造方法
JP6042398B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5638967B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6092829B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6045558B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法
JP6042399B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6045555B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6045553B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6045557B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤの製造方法
JP6045556B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5771686B2 (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP6042400B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2016089088A (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法およびタイヤ
JP6042397B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6045550B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5301236B2 (ja) ゴム組成物及びその製造方法、並びにカーボンブラックマスターバッチ
JP6047140B2 (ja) ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5548669B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161018

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6042398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250