JP6042400B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
カーボンブラックは、比表面積、ストラクチャー、表面性状などの物理特性によって、ゴム組成物に配合した場合に該ゴム組成物の性能に大きな影響を与える。このため、要求されるゴム組成物の性能や、ゴム組成物が使用される環境条件などによって、各種特性の異なるカーボンブラックが選択的に使用されている(例えば、特許文献1)。
タイヤのインナーライナー用ゴム組成物には、タイヤの空気圧を長時間保持させること、つまりゴムの耐空気透過性、及び走行中のゴムの変形時に発生するヒステリシスロスが少なく低発熱性であることが要求される。この耐空気透過性と低発熱性との両立を図るために、カーボンブラックを高充填する手法や高ストラクチャーを有するカーボンブラックを用いる手法などが検討されている。しかし、これらのカーボンブラックを用いた場合、耐空気透過性は向上するものの、低発熱性が充分ではなくなる場合がある。
このように、耐空気透過性と低発熱性とは、二律背反の関係にあり、いずれの性能をも高い次元で両立させる開発が進められているが、充分な特性を発現させるカーボンブラックは未だ見いだされていないのが現状である。
特開2001−081239号公報
本発明は、上記課題を解決し、耐空気透過性と低発熱性を両立可能な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ハロゲン化ブチルゴムと、特定の原料油を使用して得られたカーボンブラックなど、特定のアグリゲート特性を有するカーボンブラックとをゴム組成物にそれぞれ特定量配合することにより、耐空気透過性と低発熱性を両立できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤであって、上記ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴムの含有量が60〜100質量%であり、上記ゴム組成物中、上記ゴム成分100質量部に対して、上記カーボンブラックの合計含有量が5〜80質量部であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックであるインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックであることが好ましい。
上記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素であることが好ましい。
上記原料油がトール油を含有することが好ましい。
上記カーボンブラックが、ファーネス法で製造されたカーボンブラックであることが好ましい。
本発明はまた、ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤであって、上記ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴムの含有量が60〜100質量%であり、上記ゴム組成物中、上記ゴム成分100質量部に対して、上記カーボンブラックの合計含有量が5〜80質量部であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラックであるインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定量のハロゲン化ブチルゴムと、特定のカーボンブラックとを含むゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤであるので、耐空気透過性と低発熱性を両立できる。
第一の本発明は、ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤであって、上記ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴムの含有量が60〜100質量%であり、上記ゴム組成物中、上記ゴム成分100質量部に対して、上記カーボンブラックの合計含有量が5〜80質量部であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラック(1)であるインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
第二の本発明は、ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤであって、上記ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴムの含有量が60〜100質量%であり、上記ゴム組成物中、上記ゴム成分100質量部に対して、上記カーボンブラックの合計含有量が5〜80質量部であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラック(1)であるインナーライナーを有する空気入りタイヤに関する。
本発明では、カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が特定値以下、脂肪族炭化水素比率が特定値以上の原料油を使用して得られたカーボンブラック(1)など、Dmodが特定値以下、△D50/Dmodが特定値以上という特定のアグリゲート特性を有するカーボンブラックと、ハロゲン化ブチルゴムとをゴム組成物に配合することにより、良好な耐空気透過性及び低発熱性を維持又は改善でき、耐空気透過性及び低発熱性を高次に両立させることが出来る。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分として、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)を含む。ハロゲン化ブチルゴムを含むゴム配合に、カーボンブラック(1)を配合することで、本発明の効果が良好に得られる。
ただし、本発明において、ハロゲン化ブチルゴムは、再生ブチル系ゴムに含まれるハロゲン化ブチルゴムは含まず、それ以外のハロゲン化ブチルゴムを意味する。
ハロゲン化ブチルゴムとしては、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)などを使用することができる。これらのハロゲン化ブチルゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、天然ゴム(NR)と併用する系で加硫速度、耐スコーチ性に優れ、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、塩素化ブチルゴムが好ましい。
ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴムの含有量は、60質量%以上である。60質量%未満であると、充分な耐空気透過性、加硫速度を確保できないおそれがある。また、該含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは96質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。96質量%以下とすることで、成形粘着性や低発熱性がより向上する傾向がある。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分として、ハロゲン化ブチルゴム以外のブチルゴム(以下、他のブチルゴムという)を含むことが好ましい。ハロゲン化ブチルゴムに加えて、他のブチルゴムを含むゴム配合に、カーボンブラック(1)を配合することで、本発明の効果がより良好に得られる。
他のブチルゴムとしては、例えば、ハロゲン化されていないブチルゴム(以下、レギュラーブチルゴムという)や、再生ブチル系ゴム等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、再生ブチル系ゴムが好ましい。
レギュラーブチルゴムとしては、特に限定されず、ゴム工業において一般的なものを用いることができる。
再生ブチル系ゴムとは、タイヤのチューブや、タイヤ製造時に使用するブラダー等のブチルゴムを多く含むゴム製品の粉砕物、または、該粉砕物を脱硫したものであり、ゴム成分の架橋結合を切断し、再加硫可能としたものを言う。一般に、再生ブチル系ゴムは、その中の約50質量%がブチルゴム分に相当する。なお、再生ブチル系ゴム中には硫黄分も存在するが、架橋に関与しない程度に失活している。また、再生ブチル系ゴムには一部ハロゲン化ブチルゴムも含まれ得るが、この場合のハロゲンは、本発明において影響のない程度に失活している。
再生ブチル系ゴムの市販品としては、例えば、村岡ゴム(株)製のチューブ再生ゴム、(株)カークエスト製のブラダー再生ゴムなどがあげられる。村岡ゴム(株)製のチューブ再生ゴムは、ブチルチューブを加圧条件下で加熱処理して製造された再生ゴムである。(株)カークエスト製のブラダー再生ゴムは、ブラダーを押し出し機で粉砕して得られるものである。これらの再生ブチル系ゴムは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るゴム組成物が他のブチルゴムを含む場合、ゴム成分100質量%中の他のブチルゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上である。また、該含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。30質量%を超えると、充分な耐空気透過性や破断時伸びを確保できない傾向がある。なお、他のブチル系ゴムとして再生ブチル系ゴムを含む場合、該含有量にはブチルゴム分のみが含まれる。
ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴム及び他のブチルゴムの合計含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。70質量%未満であると、充分な耐空気透過性が得られない傾向がある。また、該合計含有量に上限は無く、100質量%であってもよいが、好ましくは96質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。96質量%以下とすることで、成形粘着性や低発熱性がより向上する傾向にある。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分として、ハロゲン化ブチルゴム及びブチルゴム以外のゴム(以下、他のゴムという)を含むことが好ましい。
他のゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、粘着性の点では、NR、IRが好ましく、NRがより好ましい。また、耐空気透過性の点では、ENR、SIBSが好ましい。
NRとしては、特に限定されず、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
本発明に係るゴム組成物が他のゴムを含有する場合、ゴム成分100質量%中の他のゴム(特にNR)の含有量は、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上である。4質量%未満であると、粘着性、シート加工性、耐空気透過性、低発熱性が劣る傾向がある。また、該含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。30質量%を超えると、ハロゲン化ブチルゴムや他のブチルゴムの含有量が少なくなり、耐空気透過性を充分に確保できなくなるおそれがある。
本発明では、上記カーボンブラック(1)が使用される。上記カーボンブラック(1)をハロゲン化ブチルゴムと共に配合することにより、耐空気透過性と低発熱性を両立できる。
第二の本発明において、カーボンブラック(1)のアグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)は、79nm以下、好ましくは69nm以下、より好ましくは63nm以下である。79nmを超えると、本発明の効果(特に、耐空気透過性の向上効果)が充分に得られない。該Dmodの下限は、特に限定されないが、好ましくは50nm以上、より好ましくは56nm以上である。50nm未満であると、分散性に劣り、破壊特性、耐空気透過性が低下する傾向がある。
第二の本発明において、カーボンブラック(1)のアグリゲート特性としてDmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)は、0.78以上であり、好ましくは0.90以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上である。0.78未満であると、本発明の効果(特に、低発熱性の改善効果)が充分に得られない。△D50/Dmodの上限は、特に限定されないが、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下である。2.5を超えると、耐空気透過性が悪化し、所望の効果が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDmod、△D50は、以下の方法で測定される値である。
界面活性剤(SIGMA CHEMICAL社製「NONIDET P−40」)を加えた20%エタノール水溶液に精秤したカーボンブラック試料を加えて、カーボンブラック濃度が0.01重量%の試料液を調製する。この試料液を超音波分散機(超音波工業製「超音波発生装置USV−500V」)を用いて、振動数200kHz、出力100Wとして5分間分散処理することにより、カーボンブラックスラリーを調製する。一方、遠心沈降式の粒度分布測定装置(BROOK HAVEN INSTRUMENTS社製「BI−DCP PARTICLSIZER」)にスピン液(純水)10ミリリットルを注入し、更にバッファー液(20vol%エタノール水溶液)1ミリリットルを注入した後、上記調製したカーボンブラックスラリー各1ミリリットルを注入し、回転数8000rpmで遠心沈降させることによりストークス相当径を測定し、ストークス相当径に対して相対的な発生頻度のヒストグラムを作製する。ヒストグラムのピーク(A)を通るY軸と平行な直線と、ヒストグラムのX軸との交点をCとする。このCでのストークス直径を最大頻度ストークス相当径(Dmod)とする。また線分ACの中点をFとして、Fを通りX軸に平行な直線Gとヒストグラムの分布曲線との2点の交点(D、E)を求め、このDとEのストークス直径の差の絶対値をストークス相当径半値幅値(分布曲線の半値幅(△D50))とする。
カーボンブラック(1)の臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、好ましくは60〜150m/g、より好ましくは80〜145m/g、更に好ましくは100〜140m/g、特に好ましくは105〜135m/gである。CTABが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、JIS K6217−3:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラック(1)のヨウ素吸着量(IA)(mg/g)は、好ましくは100〜400mg/g、より好ましくは110〜300mg/g、更に好ましくは120〜250mg/gである。ヨウ素吸着量(IA)が上記範囲内であると、耐空気透過性の改善効果がより好適に得られ、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックのヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6217−1:2008に準拠して測定される値である。
カーボンブラック(1)のヨウ素吸着量(IA)(mg/g)に対する臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)の比(CTAB/IA)は、好ましくは0.8〜1.2m/mg、より好ましくは0.85〜1.15m/mg、更に好ましくは0.9〜1.1m/mgである。CTAB/IAが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
CTAB/IAで表される表面活性指標は、カーボンブラックの結晶化度(グラファイト化率)の指標と考えることができる。すなわち、CTAB/IAが高いほど結晶化が進んでいないことを示し、カーボンブラックとゴム成分との相互作用が大きくなる傾向にある。
また、CTAB/IAは、カーボンブラック表面に存在する酸性官能基の量を評価するパラメーターとしても位置づけられる。カーボンブラック表面の酸性官能基は、ゴム成分との相互作用に寄与するが、CTAB/IAが高いほどカーボンブラックの表面に酸性官能基が多く存在していることを示す。従って、CTAB/IAが上記範囲内であると、ゴム成分に対してより顕著な補強効果を奏することができ、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)の24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、好ましくは50〜120cm/100g、より好ましくは70〜120cm/100g、更に好ましくは90〜115cm/100g、特に好ましくは95〜110cm/100gである。24M4DBPが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、ASTM D3493−85aに準拠して測定される値である。
カーボンブラック(1)は、酸性、中性、塩基性のいずれであってもよいが、JIS K6220−1で測定されるpHが2.0〜10.0であることが好ましく、5.5〜9.5であることがより好ましい。カーボンブラック(1)のpHが上記範囲内であると、より好適にゴム組成物の機械的強度や耐空気透過性を向上でき、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)の製造方法としては、例えば、原料油(原料炭化水素)として、BMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上の原料油を使用する点に特徴がある方法を採用することが好ましい。これにより、上記特性を有するカーボンブラック(1)が好適に得られる。また、この方法によれば、調製した複数のカーボンブラックを混合したり、調製したカーボンブラックに対して表面処理等の後処理を行うことなく、ワンポットで、すなわち、上記原料油を用いてカーボンブラックを調製するだけで、上記特性を有するカーボンブラック(1)を容易に調製できる。
ここで、本明細書において、BMCI値とは、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算される値である。
なお、平均沸点Tは、当該原料油について蒸留試験を実施したときに、質量基準でその50%が溜出したときの温度である。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
第一の本発明において、原料油のBMCI値は、150以下であり、好ましくは140以下、より好ましくは130以下、更に好ましくは120以下、特に好ましくは110以下である。150を超えると、カーボンブラックの粒度分布がシャープとなりすぎ、上述の特定のアグリゲート特性が得られず、低発熱性が悪化する。原料油のBMCI値の下限は、特に限定されないが、好ましくは95以上である。95未満では、歩留まりが悪くなる(充分な量のカーボンブラックが得られない)おそれがある。
第一の本発明において、脂肪族炭化水素比率(原料油100質量%中の脂肪族炭化水素の含有量)は、30質量%以上であり、好ましくは40質量%以上である。30質量%未満であると、上述の特定のアグリゲート特性が得られず、低発熱性が悪化する。脂肪族炭化水素比率の上限は、特に限定されないが、好ましくは60質量%以下である。60質量%を超えると、歩留まりが悪くなる(充分な量のカーボンブラックが得られない)おそれがある。
原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。該含有量の上限は、特に限定されず、100質量%であってもよい。該含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られるだけではなく、非枯渇資源を原料として上記効果を達成できるため、資源の枯渇や環境にも配慮できる。
上記特性を満たす原料油としては、上記特性を満たすものを単独で使用してもよいし、上記特性を満たすように2種以上を混合したものを使用してもよい。
原料油の具体例としては、例えば、(1)アントラセン等の芳香族炭化水素;クレオソート油等の石炭系炭化水素;EHEオイル(エチレン製造時の複製油)、FCCオイル(流動接触分解残渣油)等の石油系重質油からなる群より選択される少なくとも1種と、(2)脂肪族炭化水素との混合原料油が挙げられる。なお、これらは、改質されていてもよい。なかでも、石炭系炭化水素と脂肪族炭化水素との混合原料油が好ましい。
脂肪族炭化水素としては、例えば、プロセスオイルなどに代表される石油系脂肪族炭化水素、及び大豆油、なたね油、パーム油などの脂肪酸に代表される動植物油等を使用することができる。
ここで動植物油とは、魚類肝臓から得られる脂肪油(肝油)やクジラからとれる海獣油のような水産動物油及び牛脂、豚脂などのような陸産動物油のほか、植物の種子、果実、核などから採取される脂肪酸グリセリドを成分とする油脂等を含有する。
なかでも、原料油としては、石炭系炭化水素と石油系脂肪族炭化水素との混合原料油、石炭系炭化水素と動植物油との混合原料油が好ましく、クレオソート油と石油系脂肪族炭化水素との混合原料油、クレオソート油と大豆油との混合原料油がより好ましい。また、脂肪族炭化水素を含むトール油も好適に原料油として用いることができる。なお、上記石炭系炭化水素としては、石炭系芳香族炭化水素が好ましい。
カーボンブラック(1)は、上記原料油を使用する点以外は、公知の製造方法により製造でき、その製造方式は特に限定されないが、具体的には、燃焼ガス中に原料油を噴霧してカーボンブラックを製造する方法が採用されることが好ましく、例えば、ファーネス法やチャンネル法等の従来から公知の方法が用いられる。なかでも、上述の特定のアグリゲート特性が好適に得られるという理由から、以下に示すファーネス法が好ましい。
ファーネス法(オイルファーネス法)は、例えば特開2004−43598号公報、特開2004−277443号公報などのように、反応炉内に高温燃焼ガス流を発生させる燃焼帯域、高温燃焼ガス流に原料炭化水素を導入して原料炭化水素を熱分解反応によりカーボンブラックに転化させる反応帯域、及び反応ガスを急冷して反応を停止する反応停止帯域を有する装置を用いるプロセスであって、燃焼条件、高温燃焼ガス流速、反応炉内への原料油の導入条件、カーボンブラック転化から該反応停止までの時間等の諸条件を制御することによって種々の特性のカーボンブラックを製造することができる。
燃焼帯域では、高温燃焼ガスを形成させるため、酸素含有ガスとして空気、酸素またはそれらの混合物とガス状または液体の燃料炭化水素を混合燃焼させる。燃料炭化水素としては、一酸化炭素、天然ガス、石炭ガス、石油ガス、重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料が使用される。燃焼は、燃焼温度が1400℃〜2000℃の範囲となるように制御されるのが好ましい。
反応帯域では、燃焼帯域で得られた高温燃焼ガス流に並流又は横方向に設けたバーナーから原料炭化水素を噴霧導入し、原料炭化水素を熱分解させてカーボンブラックに転化させる。好ましくは、ガス流速が100〜1000m/sの範囲の高温燃焼ガス流に、原料油を1本以上のバーナーにより導入する。原料油は、2本以上のバーナーにより分割し導入することが好ましい。また、反応効率を向上させる為に反応ゾーンに絞り部を設けることが好ましい。絞り部の絞り部径/絞り部上流域径の比は、0.1〜0.8が好ましい。
反応停止帯域では、高温反応ガスを1000〜800℃以下に冷却する為、水スプレー等が行われる。原料油を導入してからの反応停止までの時間は2〜100m秒が好ましい。冷却されたカーボンブラックは、ガスから分離回収された後、造粒、乾燥等の公知のプロセスをとることができる。
カーボンブラック(1)の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは15質量部以上である。1質量部未満では、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。また該カーボンブラックの配合量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。80質量部を超えると、低発熱性を担保出来なくなり、更にゴム組成物の加工性も極端に低下する傾向がある。
本発明では、カーボンブラック(1)と共に、カーボンブラック(1)以外のカーボンブラック(以下においては、カーボンブラック(2)ともいう)を配合してもよい。これにより、本発明の効果がより良好に得られる。
カーボンブラック(2)としては、特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられる。
カーボンブラック(2)のチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは10m/g以上、より好ましくは20m/g以上、更に好ましくは23m/g以上である。10m/g未満では、補強性が低下し、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、該カーボンブラック(2)のNSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは100m/g以下、更に好ましくは50m/g以下、特に好ましくは35m/g以下である。200m/gを超えると、低発熱性が悪化する傾向がある。また、分散性に劣り、破壊性能、耐空気透過性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラック(2)のジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは40ml/100g以上、より好ましくは60ml/100g以上である。40ml/100g未満であると、補強性が低下し、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、カーボンブラック(2)のDBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは100ml/100g以下である。300ml/100gを超えると、耐久性、引張破断伸びが悪化するおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
本発明に係るゴム組成物がカーボンブラック(2)を含む場合、カーボンブラック(2)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは15質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
カーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。5質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、該カーボンブラックの合計含有量は、80質量部以下、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。80質量部を超えると、加工性が低下し、低発熱性、耐久性が低下するおそれがある。
カーボンブラック100質量%中のカーボンブラック(1)の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。1質量%未満であると、本発明の充分な効果が得られず、耐空気透過性と低発熱性を両立することが困難となるおそれがある。該含有量は、100質量%であってもよいが、他のカーボンブラックと共に使用する場合は80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、有機樹脂を含むことが好ましい。ハロゲン化ブチルゴムを含むゴム配合において、カーボンブラック(1)と共に、有機樹脂を配合することで、本発明の効果がより良好に得られる。
有機樹脂としては、例えば、クマロン樹脂、インデン樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体などが挙げられる。また、良好な耐空気透過性が得られるという理由から、アルキルフェノール樹脂などの芳香族炭化水素系樹脂、C5系樹脂などの脂肪族炭化水素系樹脂などの2種以上の樹脂を混合した混合樹脂や、上記芳香族炭化水素系樹脂、上記脂肪族炭化水素系樹脂も好適に使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、混合樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、脂肪族炭化水素系樹脂が好ましく、芳香族炭化水素系樹脂(特に、高分子芳香族炭化水素系樹脂)と脂肪族炭化水素系樹脂とを混合した混合樹脂と、芳香族炭化水素系樹脂(特に、アルキルフェノール樹脂)と、脂肪族炭化水素系樹脂(特に、C5系樹脂)との併用がより好ましい。
混合樹脂としては、具体的には、ストラクトール社製のストラクトール40MS、ラインケミー社(Rhein Chemie Corp.)製のレノジン145A、フローポリマー社(Flow Polymers Inc.)製のプロミックス400などがあげられる。
本発明に係るゴム組成物が有機樹脂を含む場合、有機樹脂の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは10質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
本発明に係るゴム組成物は、プロセスオイルを含むことが好ましい。これにより、本発明の効果がより良好に得られる。
プロセスオイルとしては、通常この分野で使用するものを好適に使用することが出来る。一般にプロセスオイルは、パラフィン成分、ナフテン成分およびアロマ成分からなるものである。プロセスオイルの具体例としては、出光興産(株)製のダイアナプロセスPA32(パラフィン成分:67質量%、ナフテン成分:28質量%、アロマ成分:5質量%)の他、AC−12、AC−460、AH−24、AH−58など、あるいは、H&R社製のVivatec40(TDAE(Treated Distillate Aromatic Extracts)オイル;パラフィン成分:49質量%、ナフテン成分:27質量%、アロマ成分23質量%)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロセスオイルのアロマ成分の含有量は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。15質量%を超えると、ハロゲン化ブチルゴムとの相溶性が悪くなり、ゴムシート表面にブリードし、成形粘着性、低発熱性、耐空気透過性が低下する傾向がある。
本発明に係るゴム組成物がプロセスオイルを含む場合、プロセスオイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。7質量部を超えると、耐空気透過性が悪化する傾向がある。
本発明に係るゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ、クレー、タルク等の補強用充填剤;シランカップリング剤;酸化亜鉛;ステアリン酸;加工助剤;各種老化防止剤;ワックス;硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤;加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで上記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明に係るゴム組成物は、タイヤ用のインナーライナーに使用する。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でインナーライナーの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとして特に好適に用いられる。
なお、本明細書における高性能タイヤとは、ドライ路面におけるグリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
[カーボンブラック製造設備]
空気導入ダクトと燃焼バーナーを備える内径500mm、長さ1750mmの燃焼帯域、該燃焼帯域に連なっており、周辺から原料ノズルを貫通設置した内径55mm、長さ700mmの狭径部からなる原料導入帯域、クエンチ装置を備えた内径200mm、長さ2700mmの後部反応帯域を順次接合したカーボンブラック製造設備を用いた。
[製造条件](ファーネス法)
この製造設備を用い、燃料に天然ガスを用い、特性を表1に示した油及び石油系炭化水素を原料油として用い、その他条件として表2に示した各条件によりカーボンブラックを製造した。各製造例により得られたカーボンブラックの歩留まり、各種特性を表2に併せて示した。なお、カーボンブラックの各種特性の測定は、上述の方法により行った。また、製造例2−5、7−14により得られたカーボンブラックは、上記カーボンブラック(1)に相当する。なお、製造例12−14により得られたカーボンブラックについては、歩留まりが悪く、評価を行えるほどのカーボンブラックが得られなかったため、該製造条件における原料油量の値は確認できず、更に、カーボンブラックの各種特性の測定、及び後述するカーボンブラックをゴム組成物に配合する試験は行わなかった。
Figure 0006042400
Figure 0006042400
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):TSR20
イソプレンゴム(IR):日本ゼオン(株)製のNipol IR2200
ハロゲン化ブチルゴム1:エクソン化学(株)製のクロロブチルゴムHT1066(塩素化ブチルゴム)
ハロゲン化ブチルゴム2:エクソン化学(株)製のブロモブチルゴム2255(臭素化ブチルゴム)
再生ブチル系ゴム:(株)カークエスト製の再生ブチル系ゴム(ブチルゴム:50質量%)
ブチルゴム:エクソン化学(株)製のレギュラーブチルゴム268
カーボンブラック(1):製造例1〜11により得られたカーボンブラック
カーボンブラック(2):Jiangxi Black Cat(黒猫)社製のN660(NSA:35m/g)
混合樹脂:ストラクトール社製のストラクトール40MS(高分子芳香族炭化水素系樹脂及び脂肪族炭化水素系樹脂の混合物)
C5樹脂:丸善石油化学(株)製のマルカレッツT−100AS(C5系脂肪族炭化水素系樹脂、軟化点:97〜103℃)
アルキルフェノール樹脂:Schenectady Chemicals社製のSP1068(芳香族炭化水素系樹脂)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスPA32(パラフィン成分:67質量%、ナフテン成分:28質量%、アロマ成分:5質量%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤RD:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
5%オイル含有粉末硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド)
実施例及び比較例
表3に示す配合処方に従い、酸化亜鉛、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、5分間、排出温度160℃になるまで混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に酸化亜鉛、硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を所定の形状に押し出し成形し、170℃12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表3に示す。なお、実施例1〜4の基準比較例は比較例1とし、比較例3〜5、実施例5〜13の基準比較例は比較例2とした。
(耐空気透過性)
得られた加硫ゴム組成物からなるゴム試験片(直径90mm、厚さ1mm)を作製し、ASTM−D−1434−75Mにしたがって、空気透過係数(cc・cm/cm・sec/cmHg)をそれぞれ算出した。そして、下記計算式により基準比較例の空気透過係数を基準(100)としてそれぞれ指数表示した(耐空気透過性指数)。指数が大きいほど、空気を透過しにくく、耐空気透過性に優れることを示す。
(耐空気透過性指数)=(基準比較例の空気透過係数)/(各配合の空気透過係数)×100
(低発熱性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%、動歪2%の条件下で、加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。そして、下記計算式により基準比較例のtanδを基準(100)としてそれぞれ指数表示した(低発熱性指数)。指数が大きいほど、低発熱性に優れることを示す。指数が95以上の場合に良好と判断した。
(低発熱性指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 0006042400
表3より、カーボンブラック(1)と、特定量のハロゲン化ブチルゴムとを配合した実施例では、良好な耐空気透過性及び低発熱性を維持又は改善でき、耐空気透過性及び低発熱性を高次に両立させることができた。
比較例5、3、4と実施例7との比較により、カーボンブラック(1)以外のカーボンブラックと特定量のハロゲン化ブチルゴムとを併用した場合や、特定量のハロゲン化ブチルゴムを用いないゴム配合にカーボンブラック(1)を配合した場合に比べて、カーボンブラック(1)と特定量のハロゲン化ブチルゴムとを併用した場合に、耐空気透過性の改善において、足し合わせ以上の改善効果(相乗効果)が得られることが分かった。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを混練する工程、及び、
    該工程により得られたゴム組成物を用いて、インナーライナーを作製する工程を含み、
    前記ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴムの含有量が60〜100質量%であり、
    前記ゴム組成物中、前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの合計含有量が5〜80質量部であり、
    前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックである前記インナーライナーを有する空気入りタイヤの製造方法
    BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
  2. 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックである請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法
  3. 前記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素である請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法
  4. 前記原料油がトール油を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法
  5. 前記カーボンブラックが、ファーネス法で製造されたカーボンブラックである請求項1〜4の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法
  6. ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物を用いて作製したインナーライナーを有する空気入りタイヤであって、
    前記ゴム成分100質量%中のハロゲン化ブチルゴムの含有量が60〜100質量%であり、
    前記ゴム組成物中、前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの合計含有量が5〜80質量部であり、
    前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が50nm以、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78〜2.5のカーボンブラックであるインナーライナーを有する空気入りタイヤ。
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