JP6638238B2 - タイヤスチールコード被覆用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤスチールコード被覆用ゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを配合することにより発熱性を低減しながら、接着性、ゴム硬度および引張り破断伸びを維持・向上するようにしたタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤには、スチールコードをコートゴム(スチールコード被覆用ゴム組成物)で被覆したカーカス層およびベルト層で、そのトレッド部を構成するものがある。これらのスチールコードとゴム部材との接着性が低下すると故障が起きやすくなりタイヤ耐久性が低下する虞がある。またタイヤの転がり抵抗を低減させて燃費性能を高くするため、発熱性を小さくすることも強く求められている。
これらのスチールコード被覆用ゴム組成物には、スチールコードをゴム引きする際の成形加工性に優れること、スチールコードに対する接着性が高く、長期間に亘り繰り返し変形を受けても接着力を維持するとともに高荷重を負担するため、高引張り破断伸びや高ゴム硬度を備えることが求められる。また、タイヤ構成部材であるので、低発熱性、耐摩耗性や、操縦安定性を確保するためのゴム硬度や強度が求められる。
一方、特許文献1は、ジエン系ゴムに有機酸コバルト塩を配合したゴム組成物により、スチールコードの接着性を改良することを提案している。しかし、このゴム組成物では、スチールコードの接着性を改良するのに有効であるものの、発熱性を小さくし、ゴム硬度および引張り破断伸びを改良する効果が必ずしも十分ではなく更なる改良が求められていた。
特開2007−99868号公報
本発明の目的は、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを配合することにより発熱性を低減しながら接着性、ゴム硬度および引張り破断伸びを維持・向上するようにしたタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物は、天然ゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120ml/100gのカーボンブラックを40〜80質量部、有機酸コバルト塩または有機コバルト錯体をコバルト量で0.01〜0.50質量部配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)およびその半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上であり、前記N2SA、(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たし、かつ前記Dstが160nm以上であることを特徴とする。
(24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(ml/100g)である。)
本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物は、天然ゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120ml/100g、カーボンブラック凝集体のストークス径の質量分布曲線における比ΔDst/Dstが0.65以上、かつ前記式(1)の関係を満たし、かつ前記Dstが160nm以上であるカーボンブラックを40〜80質量部、有機酸コバルト塩または有機コバルト錯体をコバルト量で0.01〜0.50質量部配合するようにしたので、ゴム組成物の発熱性を小さくしながら、接着性、ゴム硬度および引張り破断伸びを維持・向上することができる。
記カーボンブラックのN2SA、50m2/g以上であることが好ましい。
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、加硫促進剤を0.3〜1.5質量部、硫黄を4.0〜8.0質量部配合することが好ましい。
本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物をスチールコード被覆に使用した空気入りタイヤは、発熱性を小さくしながら、タイヤ耐久性を従来レベル以上に向上することができる。
ASTMグレードのカーボンブラックについて、N2SAに対する(24M4)/Dstの関係を示すグラフである。 本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物で使用するカーボンブラックについて、N2SAに対する(24M4)/Dstの関係を示すグラフの一例である。 本明細書の実施例および比較例で使用したカーボンブラックのN2SAに対する(24M4)/Dstの関係を示すグラフである。
スチールコード被覆7は、スチールコード被覆用ゴム組成物により構成される。スチールコード被覆用ゴム組成物は、天然ゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを40〜80質量部配合したゴム組成物である。
本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、天然ゴムを必ず含む。天然ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、80質量%以上、好ましくは90〜100質量%である。天然ゴムの含有量が80質量%未満であるとスチールコードに対する接着性(例えばクロスプライ剥離力)を確保することができない。また発熱性を小さくする効果も十分には得られない。
本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物は、ジエン系ゴムとして天然ゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。なかでもイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴムがよい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、20質量%以下、好ましくは0〜10質量%である。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物は、有機酸コバルト塩または有機コバルト錯体を配合することにより、スチールコードに対する接着性を高くする。有機酸コバルト塩および有機コバルト錯体の配合量は、コバルト量として、ジエン系ゴム100質量部に対し0.01〜0.50質量部、好ましくは0.05〜0.20質量部にする。コバルト量としての配合量が0.01質量部未満であると、スチールコードに対する初期接着性、耐久接着性を十分に高くすることができない。またコバルト量としての配合量が0.50質量部を超えるとスチールコードに対する耐久接着性が却って低下する。
本発明では、有機酸コバルト塩および有機コバルト錯体としては、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。また、これらの有機酸コバルト塩のなかでも、ホウ素を含む有機酸コバルト塩が好ましく、例えば有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩であるとよい。ホウ素を含有する有機酸コバルト塩はコバルト含量が20〜23重量%であるオルトホウ酸コバルトが好ましい。ホウ素を含有する有機酸コバルト塩としては、例えばローディア社製マノボンドC22.5及びマノボンド680C、Jhepherd社製CoMend A及びCoMend B、大日本インキ化学工業社製YYNBC−II等を例示することができる。
本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物では、特定の窒素吸着比表面積N2SAおよび圧縮DBP吸収量(24M4)を有し、かつ凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstおよびその半値幅ΔDstの比ΔDst/Dst並びにDst/(24M4)とN2SAとの関係を限定した新規のカーボンブラックを配合することにより、粒子径が大きいカーボンブラックを用いてゴム組成物の発熱性を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度などの機械的特性を悪化させることがない。これによりスチールコードに対する接着性を向上することができる。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し40〜80質量部、好ましくは45〜75質量部、より好ましくは55〜70質量部である。カーボンブラックの配合量が40質量部未満であると、ゴム硬度およびスチールコードに対する接着性が不足する。またカーボンブラックが80質量部を超えると、発熱性が大きくなり、引張り破断伸びが低下する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、好ましくは50〜90m2/g、より好ましくは55〜85m2/gである。N2SAが90m2/gを超えると、発熱性が大きくなる。本明細書においてカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−7に準拠して、測定するものとする。
また、カーボンブラックの圧縮DBP吸収量(24M4)は、95〜120ml/100gであり、好ましくは100〜115ml/100gである。圧縮DBP吸収量が95ml/100g未満であるとゴム硬度が低下する。またゴム組成物の成形加工性が低下しカーボンブラックの分散性が悪化するのでカーボンブラックの補強性能が十分に得られない。圧縮DBP吸収量が120ml/100gを超えると、接着性および引張り破断伸びが悪化する。また粘度の上昇により加工性が悪化する。圧縮DBP吸収量は、JIS K6217−4に準拠し附属書Aに記載された圧縮試料を用いて測定するものとする。
本発明で使用するカーボンブラックは、上述した窒素吸着比表面積N2SAおよび圧縮DBP吸収量(24M4)を有すると共に、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstおよびその半値幅ΔDstに関し以下の関係を有する。
本発明において、カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)に対する前記質量分布曲線の半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上、好ましくは0.70以上である。比ΔDst/Dstを0.65以上にすることにより、発熱を小さくすることができる。本明細書において、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstは、カーボンブラックを遠心沈降させ、光学的に得た凝集体のストークス径の質量分布曲線における最大頻度のモード径をいう。また半値幅ΔDstは凝集体質量分布曲線において、その頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅をいう。本発明において、DstおよびΔDstはJIS K6217−6ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方に準拠して、測定するものとする。
本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積N2SA、圧縮DBP吸収量(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たす。
(24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(ml/100g)である。)
カーボンブラックが上述した特定された範囲内のN2SA、圧縮DBP吸収量および比ΔDst/Dstを有し、かつ(24M4)/DstおよびN2SAが前記式(1)を満たすことにより、ゴム組成物の発熱性を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を維持・向上することができる。これによりスチールコードに対する接着性を維持・向上することができる。
図1は、ASTM規格番号を有する代表的なカーボンブラックであるASTMグレードについて、その(24M4)/DstとN2SAの関係を示すグラフである。図1において、横軸はN2SA(m2/g)、縦軸は(24M4)/Dst(ml/100g/nm)である。図1に示す通り、従来の規格化されたカーボンブラックブラックの(24M4)/DstはN2SAに対し概ね1次直線(図1の破線)で表され、その傾きは約0.0093、切片は0.0133である。
これに対し、本発明で使用するカーボンブラックでは、N2SAに対し、アグリゲート特性の比(24M4)/Dstの上限が、前記式(1)により制限されている。この境界線(前記式(1)の不等号を等号にした一次直線)を図2に実線で記載した。また本願明細書の実施例で使用するカーボンブラックを○印でプロットした。なお図2の破線はASTMグレードのカーボンブラックブラックから求められた1次直線である。アグリゲート特性の比(24M4)/DstおよびN2SAがこの関係を満たすことにより、ゴム硬度、接着性および引張り破断伸びを優れたものにすることができる。
本発明において、前記式(1)で特定されるカーボンブラックは、上述した範囲のN2SA、圧縮DBP吸収量(24M4)および比ΔDst/Dstを有するとき、ゴム組成物の発熱性を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を維持・向上し、スチールコードに対する接着性を優れたものにすることができる。
本発明で使用するカーボンブラックのDstは、特に制限されるものではないが、好ましくは160nm以上、好ましくは170nm以上であるとよい。Dstが160nm未満であると、ゴム組成物の発熱性が大きくなる虞がある。
上述した特性を有するカーボンブラックは、例えば、カーボンブラック製造炉における原料油導入条件、全空気の供給量、燃料油及び原料油の導入量、反応時間(最終原料油導入位置から反応停止までの燃焼ガスの滞留時間)などの製造条件を調整して製造することができる。
本発明において、カーボンブラックとしては、上述した特性を有するカーボンブラックと、その他のカーボンブラックを共に使用することができる。このとき、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックが占める割合が50質量%を超えるものとし、カーボンブラックの合計をジエン系ゴム100質量部に対し、40〜80質量部にする。このようにその他のカーボンブラックを共に配合することにより、ゴム組成物の発熱性と、ゴム硬度および引張り破断伸びとのバランスを調整することができる。
本発明では、カーボンブラック以外の無機充填剤として、シリカ、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等を任意に配合することができる。なかでもシリカが好ましく、シリカを配合することにより、発熱性を小さくすることができる。
またスチールコード被覆用ゴム組成物に加える加硫促進剤および硫黄の配合量を限定することにより、スチールコードとの接着性をさらに改良することができる。加硫促進剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは0.3〜1.5質量部、より好ましくは0.5〜1.0質量部である。加硫促進剤の配合量が0.3質量部未満であると、発熱性が悪化し、転がり抵抗性、タイヤ耐久性が低下する。また加硫促進剤の配合量が1.5質量部を超えると、劣化時の接着性が低下する。
硫黄の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは4.0〜8.0質量部、より好ましくは6.0〜8.0質量部である。硫黄の配合量が4.0質量部未満であると、接着性が低下する。また硫黄の配合量が8.0質量部を超えると、耐老化性が低下する。
タイヤスチールコード被覆用ゴム組成物には、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物は、空気入りタイヤのスチールコード被覆部を構成するのに好適に使用することができる。特に好ましくはベルト層および/またはカーカス層のスチールコードを被覆するコートゴムに使用するのがよい。スチールコード被覆用ゴムに本発明のゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、発熱性が小さく引張り破断伸びが大きいので、スチールコードと被覆ゴムとの剥離を抑制することができる。同時に、ゴム組成物のゴム硬度を高くするので、空気入りタイヤの耐久性および操縦安定性を従来レベル以上に維持・向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
11種類のカーボンブラック(CB−1〜CB−11)を使用して16種類のゴム組成物(実施例1〜4、標準例、比較例1〜11)を調製した。このうち3種類のカーボンブラック(CB−1〜CB−3)は市販グレード、8種類のカーボンブラック(CB−4〜CB−11)は試作品であり、それぞれのコロイダル特性を表1に示した。また図3において、各カーボンブラックCB−1〜CB−11の(24M4)/DstとN2SAの関係をプロットすると共に、それぞれのカーボンブラックを参照する番号を付した。なお図3において実線は式(1)を等号にしたときの直線、破線はカーボンブラックのASTMグレードに相当する1次直線である。
Figure 0006638238
表1において、各略号はそれぞれ下記のコロイダル特性を表わす。
・N2SA:JIS K6217−7に基づいて測定された窒素吸着比表面積
・24M4:JIS K6217−4(圧縮試料)に基づいて測定された圧縮DBP吸収量
・Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線の最大値であるモード径
・△Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線において、その質量頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅(半値幅)
・△Dst/Dst:比△Dst/Dstの値
・式(1)の左辺 (24M4)/Dstの計算値
・式(1)の右辺 0.0093×N2SA−0.06の計算値
・式(1)の成否:左辺<右辺が成立するときが○、成立しないときを×で表す。
また表1において、カーボンブラックCB1〜CB3は、それぞれ以下の市販グレードを表わす。
・CB1:新日化カーボン社製ニテロン#200IS、N339
・CB2:東海カーボン社製シースト300、N326
・CB3:新日化カーボン社製ニテロン#10N、N550
カーボンブラックCB4〜CB11の製造
円筒反応炉を使用して、表2に示すように全空気供給量、燃料油導入量、原料油導入量、反応時間を変えて、カーボンブラックCB4〜CB11を製造した。
Figure 0006638238
タイヤスチールコード被覆用ゴム組成物の調製及び評価
上述した11種類のカーボンブラック(CB1〜CB11)を用いて、表5の配合剤を共通に添加した、表3,4に示す配合からなる16種類のゴム組成物(実施例1〜4、標準例、比較例1〜11)を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、55Lのニーダーで15分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを55Lのニーダーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え、混合しタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物を得た。なお、表5に記載の配合剤の量は、表3,4に記載のジエン系ゴム100質量部に対する質量部で記載した。
上記で得られたゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法によりゴム硬度、60℃のtanδ、引張り破断伸びおよび接着性の評価を行った。
ゴム硬度
ゴム硬度は、得られた試験片を用いてJIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。得られた結果は、標準例の値を100とする指数として表3,4の「ゴム硬度」の欄に示した。この指数が大きいほどゴム硬度が大きく、タイヤにしたとき操縦安定性およびタイヤ耐久性が優れることを意味する。
60℃のtanδ
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。得られたtanδの結果は、標準例の値を100とする指数として表3,4の「発熱性」の欄に示した。発熱性の指数が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗を小さくすることを意味する。
引張り破断伸び
得られた試験片を使用し、JIS K6251に準拠して、ダンベルJIS3号形試験片を作製し、室温(20℃)で500mm/分の引張り速度で引張り試験を行い、破断したときの引張り伸びを測定した。得られた結果は、標準例の値を100にする指数として表3,4の「引張り破断伸び」の欄に記載した。この指数が大きいほど引張り破断伸びが大きく、スチールコードに対する接着性が優れることを意味する。
接着性
得られた試験片を使用し、JIS K 6256に準拠して、各サンプルを剥離し、その際の剥離力を各接着性の指標として0〜100%で表示することで評価を行った。。得られた結果は、標準例の値を100にする指数として表3,4の「接着性」の欄に記載した。この指数が大きいほどスチールコードに対する接着性が優れることを意味する。
Figure 0006638238
Figure 0006638238
表3,4において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、STR20
・BR:ポリブタジエン、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・コバルト塩:ホウ素を含有する有機酸コバルト塩、ローディア社製マノボンドC22.5(コバルト含量22質量%)
・CB1〜CB11:上述した表1に示したカーボンブラック
Figure 0006638238
表5において使用した原材料の種類を下記に示す。
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・老化防止剤:Solutia Europe SPRL/BVBA社製SANTOFLEX 6PPD
・加硫促進剤:大内新興化学社製ノクセラー DZ−G
・硫黄:四国化成工業社製ミュークロン OT−20
表3から明らかなように実施例1〜4のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物は、ゴム硬度、発熱性(60℃のtanδ)、引張り破断伸びおよび接着性が従来レベル以上に維持・向上することが確認された。
表3から明らかなように、比較例1のゴム組成物は、カーボンブラックCB−1の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超え、圧縮DBP吸収量(24M4)が95ml/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、引張り破断伸びが劣る。
比較例2のゴム組成物は、カーボンブラックCB−3の圧縮DBP吸収量(24M4)が95ml/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、接着性が劣る。
比較例3のゴム組成物は、カーボンブラックCB−4が式(1)を満たさないため、引張り破断伸び、接着性が劣る。
表4から明らかなように、比較例4のゴム組成物は、カーボンブラックCB−9の圧縮DBP吸収量(24M4)が95ml/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、引張り破断伸びが劣る。
比較例5のゴム組成物は、カーボンブラックCB−10の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超え、かつ式(1)を満たさないため、引張り破断伸びが劣る。
比較例6のゴム組成物は、カーボンブラックCB−11の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超えるので、発熱性が劣る。
比較例7のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量が80質量部を超えるので、発熱性が大きく、引張り破断伸びが劣る。
比較例8のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量が40質量部未満であるのでゴム硬度および接着性が劣る。
比較例9のゴム組成物は、有機酸コバルト塩の配合量がコバルト量で0.50質量部を超えるので、発熱性が大きく、引張り破断伸びが劣る。
比較例10のゴム組成物は、有機酸コバルト塩および有機コバルト錯体を配合しなかったので、ゴム硬度および接着性が劣る。
比較例9のゴム組成物は、天然ゴムの含有量が80質量%未満であるので、スチールコードに対する接着性が劣る。

Claims (4)

  1. 天然ゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120ml/100gのカーボンブラックを40〜80質量部、有機酸コバルト塩または有機コバルト錯体をコバルト量で0.01〜0.50質量部配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)およびその半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上であり、前記N2SA、(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たし、かつ前記Dstが160nm以上であることを特徴とするタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物。
    (24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
    (ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(ml/100g)である。)
  2. 前記N2SAが、50m2/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、加硫促進剤を0.3〜1.5質量部、硫黄を4.0〜8.0質量部配合したことを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のタイヤスチールコード被覆用ゴム組成物をベルト層および/またはカーカス層のスチールコード被覆ゴムに使用した空気入りタイヤ。
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