JP6481524B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを配合することにより発熱性を低減しながらゴム硬度および耐摩耗性を維持・向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤに求められる性能として、操縦安定性が優れることに加えて。転がり抵抗がより小さく、かつ耐摩耗性が高いことが挙げられる。タイヤにしたときの転がり抵抗を小さくするため空気入りタイヤを構成するゴム組成物の発熱性を抑制することが行われている。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、例えばカーボンブラックの配合量を少なくしたり、カーボンブラックの粒径を大きくしたりすること、またカーボンブラックの代わりにシリカを配合することが挙げられる。しかし、このような方法では、引張り破断強度、ゴム硬度などの機械的特性が低下し、タイヤにしたとき操縦安定性、耐摩耗性が低下するという問題がある。
また最近、転がり抵抗を更に小さくしながら耐摩耗性を改良するため、シリカだけでなくカーボンブラックの性能を向上させることが望まれている。
例えば特許文献1は、主に比表面積(BET比表面積、CTAB比表面積、沃素吸着指数IA)、DBP構造値、ストークス直径dst等を調整したカーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物を低発熱化することを提案している。しかし、このゴム組成物では、ゴム硬度や耐摩耗性を確保する作用が必ずしも十分ではなく、更なる改良が求められていた。
特表2004−519552号公報
本発明の目的は、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックを配合することにより発熱性を低減しながらゴム硬度および耐摩耗性を維持・向上するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレン−ブタジエンゴムを40質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120ml/100gのカーボンブラックを5〜80質量部、シリカを5〜120質量部を配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)およびその半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上であり、前記N2SA、(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たすことを特徴とする。
(24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(ml/100g)である。)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレン−ブタジエンゴムを40質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120ml/100g、カーボンブラック凝集体のストークス径の質量分布曲線における比ΔDst/Dstが0.65以上、かつ前記式(1)の関係を満たすカーボンブラックを5〜80質量部、シリカを5〜120質量部配合するようにしたので、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、ゴム硬度および耐摩耗性を維持・向上することができる。
前記カーボンブラックのDstは、160nm以上であることが好ましい。またカーボンブラックのN2SAが、50m2/g以上であることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良しながら、従来レベル以上に操縦安定性、耐摩耗性を維持・向上することができる。
ASTMグレードのカーボンブラックについて、N2SAに対する(24M4)/Dstの関係を示すグラフである。 本発明のタイヤ用ゴム組成物で使用するカーボンブラックについて、N2SAに対する(24M4)/Dstの関係を示すグラフの一例である。 本明細書の実施例および比較例で使用したカーボンブラックのN2SAに対する(24M4)/Dstの関係を示すグラフである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、スチレン−ブタジエンゴムを必ず含む。スチレン−ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、40質量%以上、好ましくは50〜100質量%である。スチレン−ブタジエンゴムの含有量が40質量%未満であると耐摩耗性を改良することができない。またタイヤにしたとき操縦安定性が低下する虞がある。スチレン−ブタジエンゴムの種類は、溶液重合スチレンブタジエンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴムのいずれでもよい。
スチレン−ブタジエンゴムは、ガラス転移温度が好ましくは−40℃以上、より好ましくは−40〜−20℃、更に好ましくは−35℃〜−25℃であるとよい。ガラス転移温度が−40℃未満であると、耐摩耗性能には優れるが、低温領域、特に−10℃付近のtanδが下がりすぎてウェットグリップ性能が低下する虞がある。このためタイヤトレッド部に使用したとき耐摩耗性能とグリップ性能とを両立できない。スチレン−ブタジエンゴムのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。また、スチレン−ブタジエンゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるスチレン−ブタジエンゴムのガラス転移温度とする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムとしてスチレン−ブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。なかでも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴムがよい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、60質量%以下、好ましくは0〜60質量%である。
本発明のゴム組成物において、シリカおよびカーボンブラックを必ず配合する。シリカの配合量はジエン系ゴム100質量部に対し5〜120質量部、好ましくは20〜100質量部である。シリカの配合量をこのような範囲にすることにより、ゴム組成物の低発熱性と、ゴム硬度および耐摩耗性を両立することができる。シリカの配合量が5質量部未満であるとタイヤにしたときの転がり抵抗を十分に小さくすることができない。シリカの配合量が120質量部を超えると転がり抵抗が低下する。
シリカとしては窒素吸着比表面積が好ましくは80〜280m2/gにするとよい。シリカの窒素吸着比表面積が80m2/g未満であると、ゴム組成物に対する補強性が不十分となり耐摩耗性および操縦安定性が不足する。またシリカの窒素吸着比表面積が280m2/gを超えると、発熱性が大きくなる。なおシリカの窒素吸着比表面積は、ISO 9277に準拠して求めるものとする。
本発明で使用するシリカは、上述した特性を有するシリカであればよく、製品化されたもののなかから適宜選択してもよいし、通常の方法で上述した特性を有するように製造してもよい。シリカの種類としては、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。
本発明のゴム組成物において、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を向上しジエン系ゴムとの補強性をより高くすることができる。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%配合するとよい。シランカップリング剤の配合量がシリカ重量の3質量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤の配合量が20質量%を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物では、特定の窒素吸着比表面積N2SAおよび圧縮DBP吸収量(24M4)を有し、かつ凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstおよびその半値幅ΔDstの比ΔDst/Dst並びにDst/(24M4)とN2SAとの関係を限定した新規のカーボンブラックを配合することにより、粒子径が大きいカーボンブラックを用いてゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を悪化させることがない。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し5〜80質量部、好ましくは20〜80質量部にする。カーボンブラックの配合量が5質量部未満であると、ゴム組成物の引張り破断強度、ゴム硬度、耐摩耗性が悪化する。またカーボンブラックの配合量が80質量部を超えると、tanδ(60℃)が大きくなる。また耐摩耗性が却って悪化する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、好ましくは50〜90m2/g、より好ましくは55〜85m2/gである。N2SAが90m2/gを超えると、tanδ(60℃)が大きくなる。本明細書においてカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−7に準拠して、測定するものとする。
また、カーボンブラックの圧縮DBP吸収量(24M4)は、95〜120ml/100gであり、好ましくは100〜115ml/100gである。圧縮DBP吸収量が95ml/100g未満であるとtanδ(60℃)が大きくなると共に、耐摩耗性が低下する。またゴム組成物の成形加工性が低下しカーボンブラックの分散性が悪化するのでカーボンブラックの補強性能が十分に得られない。圧縮DBP吸収量が120ml/100gを超えると、ゴム硬度および耐摩耗性が悪化する。また粘度の上昇により加工性が悪化する。圧縮DBP吸収量は、JIS K6217−4に準拠し附属書Aに記載された圧縮試料を用いて測定するものとする。
本発明で使用するカーボンブラックは、上述した窒素吸着比表面積N2SAおよび圧縮DBP吸収量(24M4)を有すると共に、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstおよびその半値幅ΔDstに関し以下の関係を有する。
本発明において、カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)に対する前記質量分布曲線の半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上、好ましくは0.70以上である。比ΔDst/Dstを0.65以上にすることにより、発熱を小さくすることができる。本明細書において、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstは、カーボンブラックを遠心沈降させ、光学的に得た凝集体のストークス径の質量分布曲線における最大頻度のモード径をいう。また半値幅ΔDstは凝集体質量分布曲線において、その頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅をいう。本発明において、DstおよびΔDstはJIS K6217−6ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方に準拠して、測定するものとする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、窒素吸着比表面積N2SA、圧縮DBP吸収量(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たす。
(24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(ml/100g)である。)
カーボンブラックが上述した特定された範囲内のN2SA、圧縮DBP吸収量および比ΔDst/Dstを有し、かつ(24M4)/DstおよびN2SAが前記式(1)を満たすことにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を維持・向上することができる。
図1は、ASTM規格番号を有する代表的なカーボンブラックであるASTMグレードについて、その(24M4)/DstとN2SAの関係を示すグラフである。図1において、横軸はN2SA(m2/g)、縦軸は(24M4)/Dst(ml/100g/nm)である。図1に示す通り、従来の規格化されたカーボンブラックブラックの(24M4)/DstはN2SAに対し概ね1次直線(図1の破線)で表され、その傾きは約0.0093、切片は0.0133である。
これに対し、本発明で使用するカーボンブラックでは、N2SAに対し、アグリゲート特性の比(24M4)/Dstの上限が、前記式(1)により制限されている。この境界線(前記式(1)の不等号を等号にした一次直線)を図2に実線で記載した。また本願明細書の実施例で使用するカーボンブラックを○印でプロットした。なお図2の破線はASTMグレードのカーボンブラックブラックから求められた1次直線である。アグリゲート特性の比(24M4)/DstおよびN2SAがこの関係を満たすことにより、ゴム硬度および耐摩耗性を優れたものにすることができる。
本発明において、前記式(1)で特定されるカーボンブラックは、上述した範囲のN2SA、圧縮DBP吸収量(24M4)および比ΔDst/Dstを有するとき、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、引張り破断強度、引張り破断伸び、ゴム硬度、耐摩耗性などの機械的特性を維持・向上することができる。
本発明で使用するカーボンブラックのDstは、特に制限されるものではないが、好ましくは160nm以上、好ましくは170nm以上であるとよい。Dstが160nm未満であると、ゴム組成物の発熱性が大きくなる虞がある。
上述した特性を有するカーボンブラックは、例えば、カーボンブラック製造炉における原料油導入条件、全空気の供給量、燃料油及び原料油の導入量、反応時間(最終原料油導入位置から反応停止までの燃焼ガスの滞留時間)などの製造条件を調整して製造することができる。
本発明において、カーボンブラックとしては、上述した特性を有するカーボンブラックと、その他のカーボンブラックを共に使用することができる。このとき、特定のコロイダル特性を有するカーボンブラックが占める割合が50質量%を超えるものとし、カーボンブラックの合計をジエン系ゴム100質量部に対し、5〜80質量部にする。このようにその他のカーボンブラックを共に配合することにより、ゴム組成物のtanδとゴム硬度および耐摩耗性とのバランスを調整することができる。
タイヤ用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種無機充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部を構成するゴム、カーカス層、ベルト層、ベルトカバー層などのコード用被覆ゴム、ランフラットタイヤにおける断面三日月型のサイド補強ゴム層、リムクッション部を構成するゴムなどに好適に使用することができる。特に好ましくは乗用車用空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部などのトレッド部に好適に用いることができる。これらのタイヤトレッド部に本発明のゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、走行時の発熱性が小さくなるので、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良することができる。同時に、ゴム組成物のゴム硬度および耐摩耗性の改良により、空気入りタイヤの操縦安定性、耐摩耗性、耐久性を従来レベル以上に維持・向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
11種類のカーボンブラック(CB−1〜CB−11)を使用して17種類のゴム組成物(実施例1〜8、標準例、比較例1〜8)を調製した。このうち3種類のカーボンブラック(CB−1〜CB−3)は市販グレード、8種類のカーボンブラック(CB−4〜CB−11)は試作品であり、それぞれのコロイダル特性を表1に示した。また図3において、各カーボンブラックCB−1〜CB−11の(24M4)/DstとN2SAの関係をプロットすると共に、それぞれのカーボンブラックを参照する番号を付した。なお図3において実線は式(1)を等号にしたときの直線、破線はカーボンブラックのASTMグレードに相当する1次直線である。
Figure 0006481524
表1において、各略号はそれぞれ下記のコロイダル特性を表わす。
・N2SA:JIS K6217−7に基づいて測定された窒素吸着比表面積
・24M4:JIS K6217−4(圧縮試料)に基づいて測定された圧縮DBP吸収量
・Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線の最大値であるモード径
・△Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線において、その質量頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅(半値幅)
・△Dst/Dst:比△Dst/Dstの値
・式(1)の左辺 (24M4)/Dstの計算値
・式(1)の右辺 0.0093×N2SA−0.06の計算値
・式(1)の成否:左辺<右辺が成立するときが○、成立しないときを×で表す。
また表1において、カーボンブラックCB1〜CB3は、それぞれ以下の市販グレードを表わす。
・CB1:新日化カーボン社製ニテロン#200IS、N339
・CB2:東海カーボン社製シースト300、N326
・CB3:新日化カーボン社製ニテロン#10N、N550
カーボンブラックCB4〜CB11の製造
円筒反応炉を使用して、表2に示すように全空気供給量、燃料油導入量、原料油導入量、反応時間を変えて、カーボンブラックCB4〜CB11を製造した。
Figure 0006481524
タイヤ用ゴム組成物の調製及び評価
上述した11種類のカーボンブラック(CB1〜CB11)を用いて、表5の配合剤を共通に添加した、表3,4に示す配合からなる17種類のゴム組成物(実施例1〜8、標準例、比較例1〜8)を調製するに当たり、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く成分を秤量し、55Lのニーダーで15分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを55Lのニーダーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え、混合しタイヤ用ゴム組成物を得た。なお、表3,4に記載のSBRは油展品であるため、実際の配合量とともに括弧内に正味のゴムの配合量を記載した。表5に記載の配合剤の量は、表3,4に記載のジエン系ゴム100質量部に対する質量部で記載した。
得られた17種類のゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法によりゴム硬度、60℃のtanδおよび耐摩耗性の評価を行った。
ゴム硬度
ゴム硬度は、得られた試験片を用いてJIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃で測定した。得られた結果は、標準例の値を100とする指数として表3,4の「ゴム硬度」の欄に示した。この指数が大きいほどゴム硬度が小さく、タイヤにしたとき操縦安定性が優れることを意味する。
60℃のtanδ
得られた試験片をJIS K6394に準拠して、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件で、温度60℃における損失正接tanδを測定した。得られたtanδの結果は、標準例の値を100とする指数として表3,4の「tanδ(60℃)」の欄に示した。tanδ(60℃)の指数が小さいほど発熱性が小さく、タイヤにしたとき転がり抵抗が小さく燃費性能が優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた試験片を使用し、JIS K6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所株式会社製)を使用して、荷重15.0kg(147.1N)、スリップ率25%の条件にて、摩耗量を測定した。得られた摩耗量の逆数を算出し、標準例の摩耗量の逆数を100にする指数として表3,4の「耐摩耗性」の欄に記載した。耐摩耗性の指数が大きいほど摩耗量が少なく耐摩耗性に優れていることを意味する。
Figure 0006481524
Figure 0006481524
表3,4において使用した原材料の種類を下記に示す。
・SBR:日本ゼオン社製NS522、ガラス転移温度が−23℃、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品
・BR:ポリブタジエン、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・シリカ:Evonik社製Ultrasil VN3GR、窒素吸着比表面積が170m2/g
・カップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik社製Si69
・CB1〜CB11:上述した表1に示したカーボンブラック
Figure 0006481524
表5において使用した原材料の種類を下記に示す。
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・老化防止剤:精工化学社製オゾノン6C
・オイル:昭和シェル石油株式会社製エキストラクト4号S
・加硫促進剤−1:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
・加硫促進剤−2:三新化学社製サンセラーD−G(DPG)
・硫黄:鶴見化学工業社製油処理硫黄
表3から明らかなように実施例1〜4のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム硬度、引張り破断強度および引張り破断伸びが従来レベル以上に維持・向上することが確認された。また発熱性(60℃のtanδ)を低減することができる。
表3から明らかなように、比較例1のゴム組成物は、カーボンブラックCB−2の圧縮DBP吸収量(24M4)が95ml/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、ゴム硬度および耐摩耗性が劣る。
比較例2のゴム組成物は、カーボンブラックCB−3の圧縮DBP吸収量(24M4)が95ml/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、ゴム硬度および耐摩耗性が劣る。
比較例3のゴム組成物は、カーボンブラックCB−4が式(1)を満たさないため、耐摩耗性が劣る。
比較例4のゴム組成物は、カーボンブラックCB−9の圧縮DBP吸収量(24M4)が95ml/100g未満、かつ式(1)を満たさないため、耐摩耗性が劣る。
比較例5のゴム組成物は、カーボンブラックCB−10の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超え、かつ式(1)を満たさないため、発熱性(60℃のtanδ)が大きい。
比較例6のゴム組成物は、カーボンブラックCB−11の窒素吸着比表面積N2SAが90m2/gを超えるので、発熱性(60℃のtanδ)が大きくなる。
比較例7のゴム組成物は、シリカを配合しなかったので、発熱性(60℃のtanδ)が大きい。またゴム硬度および耐摩耗性が劣る。
比較例8のゴム組成物は、スチレン−ブタジエンゴムの配合量が40質量%未満であるので、ゴム硬度が低下する。

Claims (4)

  1. スチレン−ブタジエンゴムを40質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積N2SAが90m2/g以下、圧縮DBP吸収量(24M4)が95〜120ml/100gのカーボンブラックを5〜80質量部、シリカを5〜120質量部を配合すると共に、前記カーボンブラックの凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)およびその半値幅ΔDst(nm)の比ΔDst/Dstが0.65以上であり、前記N2SA、(24M4)およびDstが下記の式(1)を満たすことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
    (24M4)/Dst<0.0093×N2SA−0.06 (1)
    (ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、(24M4)は圧縮DBP吸収量(ml/100g)である。)
  2. 前記Dstが、160nm以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記N2SAが、50m2/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1,2または3に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤ。
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