JP2013023537A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】コロイダル特性を制御したカーボンブラックを配合してタイヤにしたときの転がり抵抗を小さくしながら耐摩耗性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】 ジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを5〜60重量部、熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜15重量部配合すると共に、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100g、カーボンブラック凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)と、前記N2SAとを、Dst=α(N2SA)-0.61の関係式で表わしたときの係数αが1979以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コロイダル特性を制御したカーボンブラックを配合しタイヤの転がり抵抗を小さくしながら、耐摩耗性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)の氷上性能を向上する構成として、トレッドゴム中に多数の気泡を形成しておくことにより、トレッドが氷面に踏み込むときにこれら気泡が氷表面の水膜を吸収除去し、トレッドが氷面から離れるときに吸収した水を遠心力で離脱させることを繰り返すようにすることが知られている。特許文献1は、このような気泡の形成手段として、タイヤトレッド用ゴム組成物に熱膨張性マイクロカプセルを配合することを提案している。この熱膨張性マイクロカプセルは加硫工程での加熱によって膨張するので、加硫後のタイヤのゴムコンパウンドには膨張したマイクロカプセルの殻に被覆された気泡(樹脂被覆気泡)が多数形成される。しかし、このようなゴムコンパウンドを使用したスタッドレスタイヤは、耐摩耗性能が悪化するという問題がある。
一方、地球環境問題への関心の高まりに伴い燃費性能が優れることが求められており、空気入りタイヤに対する要求性能として、スタッドレスタイヤも例外ではない。燃費性能を向上するためには転がり抵抗を低減することが必要であり、タイヤを構成するゴム組成物の発熱を抑え、転がり抵抗を小さくするようにしている。ゴム組成物の発熱性の指標としては一般に動的粘弾性測定による60℃のtanδが用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。
ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、例えばカーボンブラックの粒径を大きくしたり、配合量を少なくしたりすることや、シリカを配合することが挙げられる。しかし、このような方法では、空気入りタイヤ、特に熱膨張性マイクロカプセルを配合したトレッドゴムを有するスタッドレスタイヤにしたとき、耐摩耗性が大幅に低下するという問題がある。
特開平10−316801号公報
本発明の目的は、コロイダル特性を制御したカーボンブラックを配合してタイヤにしたときの転がり抵抗を小さくしながら、耐摩耗性を従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを5〜60重量部、熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜15重量部配合すると共に、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100g、カーボンブラック凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)と前記N2SAとの関係を下記の式(1)
Dst=α(N2SA)-0.61 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、αは係数である。)
で表わしたとき、係数αが1979以上であることを特徴とする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを5〜60重量部、熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜15重量部配合すると共に、カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100g、かつ前記式(1)の関係で表わしたときの係数αが1979以上であるようにしたので、ゴム組成物の発熱性を小さくしタイヤにしたときの転がり抵抗を低減しながら、耐摩耗性を従来レベル以上に向上することができる。
前記係数αとしては、1979≦α≦2450の範囲であることが好ましく、上述した優れた特性を確保しながら生産コストを抑制することができる。
前記ジエン系ゴム100重量部にシリカを5〜55重量部配合することが好ましく、転がり抵抗を一層小さくすることができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、タイヤトレッド部に使用するのが好適である。このタイヤトレッド用ゴム組成物を使用したスタッドレスタイヤは、転がり抵抗を小さくし燃費性能を改良しながら、耐摩耗性を従来レベル以上に向上することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物で使用するカーボンブラックのDstとN2SAの関係を示すグラフである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられる天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明において、上述したジエン系ゴム成分の平均ガラス転移温度は、好ましくは−50℃以下、より好ましくは−50〜−90℃であると良い。ジエン系ゴム成分の平均ガラス転移温度を−50℃以下にすることにより、低温下でのゴムコンパウンドのしなやかさを維持し、氷面に対する凝着力を高くするので、スタッドレスタイヤのトッレド部に好適に使用することができる。なおガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、低温側のベースラインと転移域の傾き(傾斜直線)とのそれぞれの延長線の交点の温度とする。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのガラス転移温度とする。また、平均ガラス転移温度とは、各ジエン系ゴムのガラス転移温度に各ジエン系ゴムの重量分率を乗じた合計(ガラス転移温度の重量平均値)である。なお、すべてのジエン系ゴムの重量分率の合計を1とする。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルを配合することにより、空気入りタイヤのトレッド部を構成したときの氷上性能を向上する。熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成された殻材中に、熱膨張性物質を内包した構成からなる。このため、熱膨張性マイクロカプセルを混合したゴム組成物からなるトレッド部を有する未加硫タイヤを成形し、その加硫時にゴム組成物中の熱膨張性マイクロカプセルが加熱されると、殻材に内包された熱膨張性物質が膨張して殻材の粒径を大きくし、トレッドゴム中に多数の樹脂被覆気泡を形成する。このようにトレッドゴム中に多数の樹脂被覆気泡を形成することにより、トレッドが氷路面に踏み込むとき氷路面の水膜を吸収除去し、氷路面から離れると遠心力で水を離脱させて再び氷路面に踏込むことを繰り返して、水膜を除去しトレッドの氷路面に対する氷上摩擦力を向上可能にする。また、ミクロなエッジ効果が得られるため、氷上摩擦力を向上させる。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えばスェーデン国エクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU−80」又は「EXPANCEL 092DU−120」等、或いは松本油脂製薬社製の商品名「マイクロスフェアー F−85D」又は「マイクロスフェアー F−100D」等を使用することができる。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し0.5〜15重量部、好ましくは2〜13重量部にする。熱膨張性マイクロカプセルの配合量が0.5重量部未満であると、トレッドゴム中の樹脂被覆気泡の容積が不足し氷上性能を充分に得ることができない。マイクロカプセルの配合量が15重量部を超えるとトレッドゴムの耐摩耗性能が悪化する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物では、特定の窒素吸着比表面積N2SA及びDBP吸収量を有し、かつN2SAと凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstとの関係を限定した新規のカーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、耐摩耗性を維持・向上することができる。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し5〜60重量部、好ましくは10〜55重量部にする。カーボンブラックの配合量が5重量部未満であると、ゴム組成物の耐摩耗性が悪化する。またカーボンブラックの配合量が60重量部を超えるとtanδ(60℃)が大きくなる。また耐摩耗性が却って悪化する。
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、好ましくは55〜85m2/gである。N2SAが55m2/g未満であると、ゴム組成物の耐摩耗性が低下する。N2SAが95m2/gを超えると、tanδ(60℃)が大きくなる。N2SAは、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
また、カーボンブラックのDBP吸収量は、110〜160ml/100gであり、好ましくは120〜150ml/100gである。DBP吸収量が110ml/100g未満であるとtanδ(60℃)が大きくなると共に、耐摩耗性が低下する。またゴム組成物の成形加工性が低下しカーボンブラックの分散性が悪化するのでカーボンブラックの補強性能が十分に得られない。DBP吸収量が160ml/100gを超えると、耐摩耗性が却って悪化する。また粘度の上昇により加工性が悪化する。DBP吸収量は、JIS K6217−4吸油量A法に準拠して、測定するものとする。
本発明で使用するカーボンブラックは、上述したコロイダル特性を有すると共に、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstと窒素吸着比表面積N2SAとを下記の式(1)の関係式で表わしたとき、係数αが1979以上、好ましくは1979〜2450である。
Dst=α(N2SA)-0.61 (1)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、αは係数である。)
カーボンブラックが上述したN2SA及びDBP吸収量を有し、かつ係数αを1979以上にすることにより、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくしながら、耐摩耗性を維持・向上することができる。また係数αの上限は特に限定されるものではないが、カーボンブラックの収率やコストなどの生産性の観点から2450以下にするとよい。本発明において、凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dstとは、カーボンブラックを遠心沈降させ、光学的に得た凝集体のストークス径の質量分布曲線における最大頻度のモード径をいう。本発明において、DstはJIS K6217−6ディスク遠心光沈降法による凝集体分布の求め方に準拠して、測定するものとする。
図1は、本発明で使用するカーボンブラックのDstとN2SAの関係を示すグラフである。図1において、横軸はN2SA(m2/g)、縦軸はDst(nm)である。ASTM規格番号を有する代表的なカーボンブラックを四角印でプロットし、試作により得られたカーボンブラックを丸印及び三角印でプロットした。ここで各プロットに、後述する実施例及び比較例で使用したカーボンブラックCB1〜CB13をそれぞれ参照する数字1〜13を付している。図1に示す通り、従来の規格化されたカーボンブラックブラックのDstとN2SAは、概ね下記式(2)の関係を満たす。
Dst=1650×(N2SA)-0.61 (2)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)を表わす。)
図1では、上記式(2)の関係を点線の曲線で表わした。
これに対し、本発明で使用するカーボンブラックでは、Dst及びN2SAは、下記式
Dst=1979×(N2SA)-0.61 (3)
(ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)を表わす。)
すなわち本発明では、N2SAが55〜95m2/gの範囲において、Dstが従来のカーボンブラックのDstより大きくした新規のカーボンブラックを使用する。このようなカーボンブラックは、従来のカーボンブラックと比べ、N2SAが同レベルであっても、凝集体のストークス径が大きく、凝集体の形態が球形に近いことを意味する。これにより、ゴムに対する補強性能を高くするため、ゴム組成物の耐摩耗性を従来レベル以上に向上することができる。
上述したコロイダル特性を有するカーボンブラックは、例えば、カーボンブラック製造炉における原料油導入条件、燃料油及び原料油の供給量、燃料油燃焼率、反応時間(最終原料油導入位置から反応停止までの燃焼ガスの滞留時間)などの製造条件を調整して製造することができる。
本発明のゴム組成物において、シリカを配合することができる。シリカを配合することによりゴム組成物の発熱性が小さくなるので、タイヤにしたときの転がり抵抗を低減することができ好ましい。またウェットグリップ性能を改良することができる。
シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは5〜55重量部、より好ましくは20〜50重量部にする。シリカの配合量をこのような範囲にすることにより、ゴム組成物の発熱性を小さくし、タイヤにしたときの転がり抵抗を一層改良することができる。シリカが5重量部未満であると、シリカを配合する効果が十分に得られない。シリカが55重量部を超えると、耐摩耗性が低下する。
シリカを配合するとき、上述したカーボンブラック及びシリカの配合量の合計は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは20〜85重量部、より好ましくは30〜75重量部にする。カーボンブラック及びシリカの合計が20重量部未満であると、ゴム組成物を補強する作用が十分に得られない。またカーボンブラック及びシリカの合計が85重量部を超えると、転がり抵抗性が悪化する。
シリカとしてはCTAB比表面積が好ましくは70〜250m2/gにするとよい。シリカのCTABが70m2/g未満であると、ゴム組成物に対する補強性が不十分となり耐摩耗性及び操縦安定性が不足する。またシリカのCTABが250m2/gを超えると、転がり抵抗が大きくなる。なおシリカのCTAB比表面積は、ISO 9277に準拠して求めるものとする。シリカの種類としては、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。
本発明のゴム組成物において、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を向上しゴム成分との補強性をより高くすることができる。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは3〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%配合するとよい。シランカップリング剤の配合量がシリカ重量の3重量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤の配合量が20重量%を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
タイヤトレッド用ゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、各種無機充填剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、トレッド部、特に氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)のトレッド部に好適に使用することができる。タイヤトレッド部を本発明のゴム組成物で構成した空気入りタイヤは、走行時の発熱性が小さくなり転がり抵抗を低減し燃費性能を改良することができる。同時に、耐摩耗性及び氷上性能が優れ、従来レベル以上に向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
13種類のカーボンブラック(CB1〜CB13)を使用して28種類のゴム組成物(実施例1〜12、比較例1〜16)を調製した。このうち8種類のカーボンブラック(CB1,CB2,CB8〜CB13)は市販グレード、5種類のカーボンブラック(CB3〜CB7)は試作品であり、それぞれのコロイダル特性を表1,2に示した。また図1において、各カーボンブラックCB1〜CB13のDstとN2SAの関係をプロットすると共に、それぞれのカーボンブラックを参照する番号を付した。
Figure 2013023537
Figure 2013023537
表1,2において、各略号はそれぞれ下記のコロイダル特性を表わす。
・N2SA:JIS K6217−2に基づいて測定された窒素吸着比表面積
・IA:JIS K6217−1に基づいて測定されたよう素吸着量
・CTAB:JIS K6217−3に基づいて測定されたCTAB吸着比表面積
・DBP:JIS K6217−4(非圧縮試料)に基づいて測定されたDBP吸収量
・24M4:JIS K6217−4(圧縮試料)に基づいて測定された24M4−DBP吸収量
・TINT:JIS K6217−5に基づいて測定された比着色力
・Dst:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線の最大値であるモード径
・△D50:JIS K6217−6に基づいて測定されたディスク遠心光沈降法による凝集体のストークス径の質量分布曲線において、その質量頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅(半値幅)
・α:Dst及びN2SAを上述した式(1)の関係に当てはめたときの係数α
また表1,2において、カーボンブラックCB1,CB2,CB8〜CB13は、それぞれ以下の市販グレードを表わす。
・CB1:東海カーボン社製シーストKHP
・CB2:東海カーボン社製シーストKH
・CB8:東海カーボン社製シースト300
・CB9:キャボットジャパン社製ショウブラック330T
・CB10:新日化カーボン社製ニテロン#10N
・CB11:東海カーボン社製シースト3
・CB12:東海カーボン社製シーストNH
・CB13:東海カーボン社製シースト6
カーボンブラックCB3〜CB7の製造
円筒反応炉を使用して、表3に示すように全空気供給量、燃料油導入量、燃料油燃焼率、原料油導入量、反応時間を変えて、カーボンブラックCB3〜CB7を製造した。
Figure 2013023537
タイヤトレッド用ゴム組成物の調製及び評価
上述した13種類のカーボンブラック(CB1〜CB13)を用いて、表4〜7に示す配合からなる28種類のゴム組成物(実施例1〜12、比較例1〜16)を調製するに当たり、それぞれ硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを除く成分を秤量し、55Lのニーダーで15分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを55Lのニーダーに供し、硫黄、加硫促進剤及び熱膨張性マイクロカプセルを加え、混合しタイヤトレッド用ゴム組成物を得た。
得られた28種類のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用してタイヤトレッド部を構成するようにして、タイヤサイズが195/65R15の空気入りタイヤを加硫成形した。得られた28種類の空気入りタイヤの転がり抵抗、耐摩耗性及び氷上性能を下記に示す方法により評価した。
転がり抵抗
得られたタイヤを標準リム(サイズ15×6Jのホイール)に組み付け、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)に取り付け、JIS D4230の「6.4高速性能試験A」に準拠して走行試験を実施し、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度50km/時の抵抗力を測定し、転がり抵抗とした。得られた結果は、表4,5では、比較例1の値の逆数を100、表6,7では比較例9の値の逆数を100とする指数として表わし、表4〜7の「転がり抵抗」の欄に示した。この指数が大きいほど転がり抵抗が小さく燃費性能が優れていることを意味する。
耐摩耗性
得られたタイヤを標準リム(サイズ17×7.5Jのホイール)に組み付け、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)に取り付け、JIS D4230の「6.4高速性能試験A」に準拠し、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度50km/時で20000kmの走行試験を行った。試験後のタイヤ幅方向中央領域の主溝深さの変化から摩耗量を測定した。得られた結果は、表4,5では、比較例1の値の逆数を100、表6,7では比較例9の値の逆数を100とする指数として表わし、表4〜7の「耐摩耗性」の欄に示した。この指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
氷上性能
得られた空気入りタイヤをリムサイズ15×6Jのホイールのホイールに組付け、国産2.0リットルクラスの試験車両に装着し、空気圧210kPaの条件で気温−6℃〜−10℃、氷温−7℃〜−9℃の氷上試験路を速度40km/時で走行している状態からブレーキをかけて制動(ロック状態)したとき、制動距離(停止するまでの走行距離)を測定した。得られた結果は、表4,5では、比較例1の制動距離の逆数を100、表6,7では比較例9の制動距離の逆数を100とする指数として表わし、表4〜7の「氷上性能」の欄に示した。この指数が大きいほど氷上性能が優れることを意味する。
Figure 2013023537
Figure 2013023537
Figure 2013023537
Figure 2013023537
なお、表4〜7において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、RSS#3
・SBR:スチレン−ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502、Tg=−54℃
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・CB1〜CB13:上述した表1,2に示したカーボンブラック
・シリカ:エボニックデグサ社製Ultrasil VN−3
・カップリング剤:シランカップリング剤、エボニックデグサ社製Si69
・マイクロカプセル:熱膨張性マイクロカプセル、松本油脂製薬社製マイクロスフェアーF100
・アロマオイル:ジャパンエナジー社製プロセスX−140
・亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・ワックス:大内新興化学工業社製サンノック
・老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX6PPD
・加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーNS−P
・加硫促進剤2:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
表4及び6から明らかなように実施例1〜12の空気入りタイヤは、転がり抵抗及び耐摩耗性が従来レベル以上に向上することが確認された。またスタッドレスタイヤとして必要な氷上性能も維持することが認められた。
表4から明らかなように、比較例1は、カーボンブラックCB1の式(1)の係数αが1979未満であるため、実施例1〜4のタイヤ用ゴム組成物に比べ転がり抵抗性及び操耐摩耗性が劣る。
表5から明らかなように、比較例2の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB2の式(1)の係数αが1979未満であるため、実施例1〜4に比べ転がり抵抗が劣る。比較例3の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB3のDBP吸収量が160ml/100gを超えかつ係数αが1979未満であるため、耐摩耗性が低下する。
比較例4,5及び7の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB8,CB9及びCB11のDBP吸収量が110ml/100g未満かつ係数αが1979未満であるため、転がり抵抗を小さくすることができず更に耐摩耗性が低下する。比較例6の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB10のN2SAが55m2/g未満かつ係数αが1979未満であるため、耐摩耗性が低下する。比較例8の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB13のN2SAが95m2/gを超えかつ係数αが1979未満であるため、転がり抵抗を小さくすることができない。
表6から明らかなように、比較例9のゴム組成物は、カーボンブラックCB1の係数αが1979未満であるため、実施例7〜10のタイヤトレッド用ゴム組成物に比べ転がり抵抗性及び耐摩耗性が劣る。
表7から明らかなように、比較例10及び15の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB2及びCB12の式(1)の係数αが1979未満であるため、実施例7〜10に比べ転がり抵抗が劣る。比較例11の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB3のDBP吸収量が160ml/100gを超えかつ係数αが1979未満であるため、耐摩耗性が低下する。
比較例12の空気入りタイヤは、熱膨張性マイクロカプセルを配合していないので、氷上性能が劣る。比較例13の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB10のN2SAが55m2/g未満かつ係数αが1979未満であるため、耐摩耗性が低下する。比較例14の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB11のDBP吸収量が110ml/100g未満かつ係数αが1979未満であるため、転がり抵抗を小さくすることができない。比較例16の空気入りタイヤは、カーボンブラックCB13のN2SAが95m2/gを超えかつ係数αが1979未満であるため、転がり抵抗が悪化する。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラックを5〜60重量部、熱膨張性マイクロカプセルを0.5〜15重量部配合すると共に、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2SAが55〜95m2/g、DBP吸収量が110〜160ml/100g、カーボンブラック凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径Dst(nm)と前記N2SAとの関係を下記の式(1)
    Dst=α(N2SA)-0.61 (1)
    (ただし、Dstは凝集体のストークス径の質量分布曲線におけるモード径(nm)、N2SAは窒素吸着比表面積(m2/g)、αは係数である。)
    で表わしたとき、係数αが1979以上であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記係数αが、1979≦α≦2450であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを5〜55重量部配合したことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物でタイヤトレッド部を構成したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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