JP2019142472A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、ケース部材の剛性を低くする場合には、トレッドゴムが十分に変形できず、トレッドゴムの性能が十分に発揮されない結果、タイヤのグリップ性能を十分に向上させることができなかった。加えて、ベルトの剛性を低くした場合には、ベルトの耐亀裂進展性等が低下することが考えられるため、耐久性の点についてもさらなる改善を図る必要があった。
そしてさらに、本発明者らは、ベルト層を構成するベルトコーティングゴムの50%モジュラス値に対する200%モジュラス値の比が耐亀裂進展性等の耐久性と関連性が高いことに着目し、さらなる鋭意研究を行った結果、ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値に対する200%モジュラス値の比を特定値(具体的には、5.0)以下とすることによって、タイヤの転がり抵抗の悪化を招くことなく、ベルトの耐久性についても大きく改善できることを見出した。
本発明のタイヤは、トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルト、を備えたタイヤであって、前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分、該ゴム成分100質量部に対して、C5系樹脂、C5−C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、前記ベルト層は、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
上記構成を具えることによって、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能に優れ、さらに、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上が可能となる。
図1は、本発明のタイヤの一実施態様について、断面を模式的に示した図である。本発明のタイヤは、トレッド部3に配置した一枚以上のベルト層6a、6bからなるベルト6を備えたタイヤであって、図1では、一対のビード部1と、一対のサイドウォール部2と、トレッド部3と、ビード部1に埋設されたビードコア4間にトロイド状に延在させたラジアルカーカス5と、トレッド部3に配置した(より詳しくは、ラジアルカーカス5のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置した)2枚のベルト層6a、6bからなるベルト6とを備える。
なお、図中のベルト6は、二枚のベルト層6a、6bからなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルト6を構成するベルト層の枚数は、一枚以上であればよく、これに限られるものではない。
前記ベルト層6a、6bは、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
前記トレッドゴムについて、ゴム成分、熱可塑性樹脂及び充填剤の、種類や含有量の適正化を図ることによって、走行温度付近での損失正接(tanδ)が低下し、タイヤの転がり抵抗を低減できるとともに、走行時の歪が大きい路面との接地面近傍のトレッドゴムの変形体積を大きくすることができる結果、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能と、低転がり抵抗とを両立することができる。加えて、前記ベルトコーティングゴムについて、50%モジュラス値に対する200%モジュラス値の比を特定値(具体的には、5.0)以下とすることによって、タイヤの転がり抵抗の悪化を招くことなく、ベルトの耐久性についても、大きく改善を図ることができる。
本発明のタイヤでは、前記トレッドゴムが、 天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、C5系樹脂、C5−C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂(B)を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤(C)を20〜120質量部、含むゴム組成物(以下、「トレッド用ゴム組成物」と称することがある。)からなる。
また、前記トレッドゴムにおいては、熱可塑性樹脂(B)が配合されていることで、弾性率の歪依存性が向上しており、低歪領域での弾性率の低下を抑制しつつ、高歪領域での弾性率を低下させることができる。そのため、本発明のタイヤは、走行時の歪が大きい路面との接地面近傍のトレッドゴムの変形体積を大きくすることができる。
ここで、前記シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のタイヤでは、前記ベルト層6a、6bは、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムの、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする。
そして、ベルトコーティングゴムにおける、前記M50の大きさに対する前記M200の大きさの比を、5.0以下(M200/M50≦5.0)に設定することによって、転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性の向上を実現できる。また、同様の観点から、前記ベルトコーティングゴムのM200/M50は、4.8以下であることが好ましく、4.5以下であることがより好ましい。
なお、前記50%モジュラスとは、加硫ゴムの伸び50%時の引張応力(MPa)のことであり、前記200%モジュラスとは、加硫ゴムの伸び200%時の引張応力(MPa)のことである。これらの値については、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定することができる。
前記ベルトコーティングゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)を、12MPa超えとすることで、ベルトコーティングゴムの強度を高め、ベルトの耐久性をより向上できるとともに、トレッドゴムへの入力が向上するため、乾燥路面及び湿潤路面でのグリップ性能についてもより高めることができる。一方、前記ベルトコーティングゴムの、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)を、30MPa未満とすることで、転がり抵抗の増加を抑えることができる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物については、上述したM200/M50≦5.0の関係を満たすことができれば、その他の条件については特に限定はされない。
例えば、より高いレベルで転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性を実現する観点からは、前記ベルトコーティング用ゴム組成物として、ゴム成分と、カーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体を含むものを用いることができる。
例えば、優れた耐亀裂進展性や耐摩耗性を得ることができる観点からは、天然ゴム若しくはジエン系合成ゴムを単独で、又は、天然ゴム及びジエン系合成ゴムを併用した形で、含有することができる。
また、前記ゴム成分は、前記ジエン系ゴム100%から構成することもできるが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、ジエン系以外のゴムを含有することもできる。なお、優れた耐亀裂進展性を得ることができる観点から、前記ゴム成分におけるジエン系ゴムの含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
また、非ジエン系ゴムについては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。
なお、これらの合成ゴムについては、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。また、これらのゴムは変性基で変性されたものでもよい。
例えば、より優れた耐久性が得られる観点からは、前記カーボンブラックとして、DBP(ジブチルフタレート)吸収量が50〜100cm3/100gのもの用いることが好ましい。
DBP吸収量が50〜100cm3/100gであり、ストラクチャの低いカーボンブラックを用いることで、ベルトコーティングゴムの補強性と適度な柔軟性を両立することができ、優れた耐亀裂進展性等のベルト耐久性を得ることができる。前記DBP吸収量が100cm3/100gを超えると、前記ストラクチャが高くなるため、ベルトコーティングゴムの補強性が高くなり過ぎ、柔軟性が低下するため十分な耐久性を得ることができない。前記カーボンブラックのDBP吸収量は、90cm3/100g以下であることが好ましく、80cm3/100g以下であることがより好ましい。
なお、カーボンブラックのストラクチャとは、球状のカーボンブラック粒子がそれぞれ融着し、繋がった結果、形成された構造体(カーボンブラック粒子の凝集体)の大きさのことである。
また、前記カーボンブラックのDBP吸収量については、カーボンブラック100gが吸収するDBP(ジブチルフタレート)の量のことであり、JIS K 6217-4(2008年)に準拠して測定することができる。
なお、前記窒素吸着比表面積は、ISO4652-1に準拠して単点法にて測定することができ、例えば脱気したカーボンブラックを液体窒素に浸漬させた後、平衡時においてカーボンブラック表面に吸着した窒素量を測定し、測定値から比表面積(m2/g)を算出できる。
前記ベルトコーティング用ゴム組成物が、フェノール樹脂を、後述するメチレン供与体とともに含むことによって、ベルトコーティングゴムの前記50%モジュラス値(M50)を向上させ、優れた低ロス性を維持しつつ、ベルトコーティングゴムの補強性を向上し、優れたベルトの耐久性を実現できる。
れる。また、前記フェノール樹脂については、変性したものを用いることができ、例えば、ロジン油、トール油、カシュー油、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸等の油によって変性することができる。
なお、上述したフェノール樹脂については、一種を単独して含むこともできるし、複数種を混合して含むこともできる。
前記メラミン供与体を、前記フェノール樹脂の硬化剤として含むことによって、ベルトコーティングゴムの前記50%モジュラス値(M50)を向上させ、転がり抵抗低減効果を維持しつつ、ゴム組成物の補強性を向上させることができる。
なお、これらのメチレン供与体は、単独で用いても良いし、組み合わせて使用することもできる。
その他の成分としては、例えば、前記カーボンブラック以外の充填材、老化防止剤、架橋促進剤、架橋剤、架橋促進助剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、界面活性剤等のゴム工業で通常使用されている添加剤を適宜含むことができる。
その中でも、前記充填材として、シリカを含むことが好ましい。転がり抵抗の低減及びベルトの耐久性をより高いレベルで両立できるためである。
上述した中でも、前記シリカは、湿式シリカであることが好ましく、沈降シリカであることがより好ましい。これらのシリカは、分散性が高く、ゴム組成物の低ロス性及び耐摩耗性をより向上できるためである。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性〜アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させる結果得られるシリカのことである。
前記シリカの含有量については、特に限定はされないが、優れた転がり抵抗の低減効果を実現する観点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、1〜15質量部であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましい。
nM・xSiOY・zH2O・・・ (I)
(式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、並びに、これらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり;n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。)
前記ビスマレイミド化合物の種類については、例えば、N,N’−o−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、2,2−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンなどを例示することができる。本発明では、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド及びN,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド等を好適に用いることができる。
また、前記ベルトコーティングゴム用ゴム組成物の製造では、前記各成分の混練が、同時に混練することもできるし、いずれかの成分を予め混練した上で、残りの成分を混練することも可能である。これらの条件については、ゴム組成物が要求される性能に応じて適宜変更することができる。
また、本発明のタイヤは、適用するタイヤの種類に応じ、未加硫のゴム組成物を用いて成形後に加硫してもよく、予備加硫工程等を経た半加硫ゴムを用いて成形後、さらに本加硫して製造してもよい。
さらに、本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、該空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
表1に示す条件で、トレッド用ゴム組成物A及びBを調製した。なお、各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する量(質量部)で示している。
*12:変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを使用して製造した変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、Tg=−62℃、合成方法の詳細は以下の通りである。
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを得た。
*13:N330、Cabot社製 「Vulcan3」
*14:東ソー・シリカ工業(株)製 「ニプシルAQ」、BET比表面積=205m2/g
*15:C5−C9系樹脂、東燃化学社製 「T−REZ RD104」
*16:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「ノクラック 6C」
表2に示す条件で、ベルトコーティングゴム用ゴム組成物1〜9を調製した。なお、各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する量(質量部)で示している。
また、表2中の、M50、M200及びE’については、ベルトコーティングゴム用ゴム組成物を145℃で33分間加硫して得られた、加硫ゴムについて測定を行った。M50及びM200については、JIS K 6251(2010年)に準拠して測定を行い、E’については、(株)上島製作所製スペクトロメータ−を用いて、初期荷重160mg、周波数52Hzの条件で測定を行った。
*22:HAF級カーボンブラック、旭カーボン(株)製 「旭#70L」、DBP吸収量:75cm3/100g、窒素吸着比表面積:81m2/g
*23:GPF級カーボンブラック、旭カーボン(株)製 「旭NPG」、DBP吸収量:89cm3/100g、窒素吸着比表面積:28m2/g
*24:住友ベークライト(株)製 「スミライトレジンPR-50235」
*25:ヘキサメトキシメチルメラミン、ALLNEX製「CYREZ 964」
表3に示す、トレッドゴム用ゴム組成物とベルトコーティングゴム用ゴム組成物の組み合わせで、各サンプルの空気入りタイヤ(サイズ:195/60R15)を作製する。なお、各サンプルの空気入りタイヤについては、トレッドゴム及びベルトコーティングゴム以外の製造条件については、全て同じ条件である。
(1)転がり抵抗
各サンプルのタイヤを、回転ドラムにより80km/hrの速度で回転させ、荷重を4.82kNとして、測定器によって、転がり抵抗係数を測定する。
評価については、比較例1のタイヤの転がり抵抗係数を100としたときの指数で表示し、指数値が小さい程、転がり抵抗が低く良好な結果である。
各サンプルのタイヤのベルトコーティングゴムから、2mm×50mm×6mmの試験片を切り出し、その中心部に微小な穴を空けて初期亀裂とする。その後、試験片に対して、2.0MPa、周波数は6Hz、雰囲気温度80℃の条件で、長辺方向に繰り返し応力を加える。そして、試験片ごとに、繰り返し応力を加えてから、試験片が破断するまでの繰り返し回数を測定した後、その繰り返し回数の常用対数を算出する。なお、破断までの測定試験は、試験片ごとに4度実施して常用対数を算出し、それらの平均を平均常用対数とする。
評価については、比較例1の試験片の平均常用対数を100とした場合の指数として示し、試験片の平均常用対数が大きい程、耐亀裂成長性に優れる。評価結果を表3に示す。
各サンプルのタイヤを、試験車に装着し、乾燥路面及び湿潤路面での実車試験にて、グリップ性能をドライバーのフィーリング評点で表し、比較例1のタイヤのフィーリング評点を100として指数表示する。指数値が大きい程、グリップ性能が高い。
なお、比較例の各サンプルは、少なくとも1つの評価項目で、平均よりも劣る値を示す。
2:サイドウォール部
3:トレッド部
4:ビードコア
5:ラジアルカーカス
6:ベルト
6a、6b:ベルト層
Claims (3)
- トレッド部に配置した一枚以上のベルト層からなるベルト、を備えたタイヤであって、
前記トレッド部を構成するトレッドゴムが、天然ゴムを50質量%以上含むゴム成分、該ゴム成分100質量部に対して、C5系樹脂、C5−C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の熱可塑性樹脂を5〜50質量部、並びに、シリカを含有する充填剤を20〜120質量部、含むゴム組成物からなり、
前記ベルト層は、補強コードを被覆するベルトコーティングゴムを有し、該ベルトコーティングゴムは、50%モジュラス値(M50)に対する200%モジュラス値(M200)の比が、5.0以下(M200/M50≦5.0)であることを特徴とする、タイヤ。 - 前記ベルトコーティングゴムは、25℃における歪1%での動的貯蔵弾性率(E’)が、12MPaを超え且つ30MPa未満であることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記ベルトコーティングゴムは、ゴム成分と、DBP吸収量が50〜100 cm3/100gであるカーボンブラックと、フェノール樹脂と、メチレン供与体とを含むゴム組成物からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタイヤ。
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