JPH05278413A - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

乗用車用空気入りラジアルタイヤ

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JPH05278413A
JPH05278413A JP4083985A JP8398592A JPH05278413A JP H05278413 A JPH05278413 A JP H05278413A JP 4083985 A JP4083985 A JP 4083985A JP 8398592 A JP8398592 A JP 8398592A JP H05278413 A JPH05278413 A JP H05278413A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベルト構造にアラミド繊維コードを使用して
軽量化を図りながら、従来のスチールコードを使用した
ベルト層のタイヤ以上の操縦安定性を発揮できる乗用車
用空気入りラジアルタイヤを提供する。 【構成】 タイヤ周方向に延びる主溝6の溝深さを6.
0〜8.5mmの範囲に設定する。溝下ゴム厚さを0.
5〜2.5mmの範囲に設定する。カーカス層2の外側
にアラミド繊維コードからなる2層の内側ベルト層4d
と外側ベルト層4uとを配置する。ベルト層4d,4u
のコートゴム100重量部に対して1〜10重量部の短
繊維を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレッド・ベルト構造
の軽量化を図りながら操縦安定性を向上するようにした
乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の地球規模で拡大しつつある環境汚
染問題から車両の一層の低燃費化が強く要望されるよう
になり、その一環としてタイヤの軽量化も大きな技術課
題としてクローズアップされてきている。一方、乗用車
用空気入りラジアルタイヤは、ベルト層がスチールコー
ドから構成されたものは、スチールコードが他の繊維コ
ードに較べて非常に優れた高強度,高弾性率を有するた
め、高い操縦安定性を発揮することが知られている。し
かし、スチールコードは比重が大きいためにタイヤ重量
を増大させ、燃費を低下させてしまうという欠点があ
り、上述した技術課題に対応し難くなっている問題を有
している。
【0003】従来、スチールコードに近い特性を有する
タイヤコード材料として、アラミド繊維コードが提案さ
れている。このアラミド繊維コードはスチールコードに
匹敵する高強度,高弾性率を有すると共にスチールコー
ドに比べて低比重であるため、タイヤの軽量化に寄与さ
せることができる。例えば、スチールコードのベルト層
をアラミド繊維コードに単純に置き換えるだけで約5〜
8%も軽量化できることがわかっている。
【0004】しかしながら、アラミド繊維コードは、そ
の圧縮剛性がほぼゼロに等しいため曲げ変形を加えられ
たときの曲げ剛性が低いという欠点がある。そのため、
スチールコードを使用したベルト層を同じ構造のままア
ラミド繊維コードに置き換えて得られるコーナリングパ
ワーは、そのスチールコード使いベルト層から得られる
コーナリングパワーの高々75%までであった。したが
って、アラミド繊維コードによっては、スチールコード
を使用したベルト構造のタイヤ並みに操縦安定性を向上
させることはほとんど不可能であるとされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ベル
ト構造にアラミド繊維コードを使用して軽量化を図りな
がら、従来のスチールコードを使用したベルト層のタイ
ヤ以上の操縦安定性を発揮できるようにする乗用車用空
気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る乗用車用空
気入りラジアルタイヤは、トレッド面に少なくともタイ
ヤ周方向に延びる複数本の溝を設け、トレッド内部に2
層のベルト層を設けた空気入りラジアルタイヤにおい
て、前記溝の溝深さを6.0〜8.5mmの範囲にする
と共に、溝底から最外側のベルト層までの溝下ゴム厚さ
を0.5〜2.5mmの範囲にし、かつ前記ベルト層の
うち少なくとも1層を、アラミド繊維コードをコートゴ
ムで被覆して構成し、このコートゴムはゴム100重量
部に対して1〜10重量部の短繊維を配合したゴム組成
物であることを特徴とするものである。
【0007】上記のように少なくとも一方のベルト層を
アラミド繊維コードで構成することに加えて、溝深さ及
び溝下ゴム厚さを従来タイヤに比べて小さく設定したこ
とにより、タイヤ重量を従来のスチールコードのベルト
層を使用したものに比べて軽量化することができる。ま
た、トレッド面の溝深さ及び溝下ゴム厚さを小さく設定
したことと、アラミド繊維コードのコートゴムに短繊維
を配合してベルト層の面内剛性を上げたこととが相まっ
て、そのコーナリングパワーを従来のスチールコードを
使用したベルト層のタイヤから得られるもの以上にする
ことが可能になる。
【0008】本発明において、溝深さ(d)とは、図2
に示すようにトレッド面に垂直方向に最深の溝底まで測
定した距離をいい、また溝下ゴム厚さ(t)とは、最深
の溝底から外側のベルト層(4u)のコード表面までの
距離をいう。図1及び図2は、本発明の構成を有する乗
用車用空気入りラジアルタイヤを例示するものである。
図において、1はトレッド部、2はナイロンコードやポ
リエステルコード等の有機繊維コードからなるカーカス
層である。カーカス層2は左右一対のビードコア5の廻
りにタイヤ内側から外側に折り返され巻き上げられてい
る。このカーカス層2のタイヤ周方向EE’に対するコ
ード角は実質的に90°になっている。トレッド部1で
は、カーカス層2の外側にアラミド繊維コードからなる
2層の内側ベルト層4dと外側ベルト層4uとがタイヤ
1周にわたって配置されている。それぞれのベルト層4
d,4uのコートゴムには、コートゴム100重量部に
対して1〜10重量部の短繊維が混入されている。ま
た、内側ベルト層4dと外側ベルト層4uのタイヤ周方
向EE’に対するコード角度は5〜40°であると共に
互いに交差している。
【0009】トレッド部1の表面には、タイヤ周方向に
延びる主溝6とこれに交差する副溝7とが設けられてい
る。主溝6の溝深さdは6.0〜8.5mmの範囲に設
定され、また溝下ゴム厚さtが0.5〜2.5mmの範
囲に設定されている。本発明者らは、上述した発明を実
現するに当たり、タイヤの軽量化という技術課題を前提
に、ラジアルタイヤのコーナリングパワーを左右する要
因を多面的に探索した。その結果、後述する実験例で詳
細を示すように、トレッド面に主としてタイヤ周方向に
設けた溝の溝深さ及び溝下ゴム厚さがコーナリングパワ
ーを決める大きな要素になり、しかもこれら溝の溝深さ
や溝下ゴム厚さが小さいほどコーナリングパワーを大き
くするということを知見した。この場合のタイヤ周方向
の溝としては、ストレート溝であるか、ジグザグ溝であ
るかは関係なく、またタイヤ幅方向に副溝を有するか否
かにも関係するものではなかった。しかし、前述したよ
うに、ベルト層のコードをスチールコードからアラミド
繊維コードに置き換えると約25%ものコーナリングパ
ワーの低下があるため、溝深さ及び溝下ゴム厚さだけの
技術対策から、この約25%のコーナリングパワーの低
下をカバーすることは殆ど不可能であることも判った。
そこで、これらの要因に加えて、アラミド繊維コードの
コートゴムに短繊維を配合してベルト層の面内剛性を上
げることにより、軽量化を図りながら操縦安定性を向上
させるという目的が達成されることを見出した。
【0010】以下、実験例を参照しながら本発明の詳細
について説明する。図3は、溝深さdとコーナリングパ
ワーCPとの関係についての実験結果を示すものであ
る。この実験はタイヤ構造を次のように共通にし、溝深
さdだけを6mm,7mm,8mm,8.5mm,9m
m,10mm,11mm,12mmのそれぞれに異なら
せた8種類のラジアルタイヤについて行った結果であ
る。
【0011】トレッド構造:図1 タイヤサイズ:185/70R13 ベルト構造:ベルト層 2枚 コード角 21° ベルト層の幅 上層/下層 120mm/130mm コード アラミド繊維1500D/2 エンド数 45本/50mm コートゴムの50%伸長時弾性率 25kgf/cm2 溝下ゴム厚さ: 3.0mm コーナリングパワーCPは、ドラム試験において荷重4
50kgf、速度10km/hrで走行させるとき、ス
リップ角右1°時の横力とスリップ角左1°時の横力と
をそれぞれ測定し、その両測定値の平均値(絶対値の平
均値)を溝深さ6mmのタイヤの測定値を100とする
ときの指数で示した。
【0012】また、コートゴムの50%伸長時弾性率
は、JIS K 6301に規定された方法によって室
温条件下に測定した値である。一方、図4は溝下ゴム厚
さtとコーナリングパワーCPとの関係についての実験
結果を示すものである。この実験は上記実験で使用した
タイヤと同じトレッド構造、タイヤサイズ、ベルト構造
にすると共に溝深さを8.5mmにする点を共通にし、
溝下ゴム厚さtだけを0.5mm,1.5mm,2.0
mm,2.5mm,3.0mm,3.5mm,4.0m
mのそれぞれに異ならせた7種類のラジアルタイヤにつ
いて行った。コーナリングパワーCPは、上記と同じ方
法で測定し、溝下ゴム厚さt0.5mmのタイヤの測定
値を100とするときの指数で示した。
【0013】先ず、溝深さについては、図3から、溝深
さが浅いほどコーナリングパワーCPが高くなり、8.
5mm以下でコーナリングパワーCPが急激に増大する
ことがわかる。上述のような傾向は、試験に供したタイ
ヤサイズのタイヤに限らず、他のサイズのタイヤについ
ても同様の傾向があることが認められる。従来のラジア
ルタイヤでは、溝深さを8〜11mmとするのが一般的
であるが、本発明では、図3の結果から溝深さを6.0
〜8.5mmとし、好ましくは6.0〜7.5mmにす
るのである。下限の6.0mmは、摩耗寿命から決めら
れ、これよりも浅くなってはタイヤとして実用性に乏し
くなる。
【0014】また、溝下ゴム厚さについては、図4か
ら、溝下ゴム厚さtが薄くなるほどコーナリングパワー
CPが大きくなり、特に2.5mm以下で急激に増大す
ることがわかる。このような傾向は、他のサイズのタイ
ヤについても同様の傾向が認められる。従来のラジアル
タイヤでは、溝下ゴム厚さを2.5〜4mmとするのが
一般的であるが、本発明では、図4の結果から溝下ゴム
厚さを0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0
mmとするのである。下限の0.5mmは、ベルトコー
ドを保護し、その破損故障を防止するための限界であ
る。
【0015】上述のように、トレッドに設けた溝(主
溝)の溝深さd及び溝下ゴム厚さtを小さくすればする
ほどコーナリングパワーCPを増加させることができ
る。しかし、前者の溝深さdによるコーナリングパワー
CPの向上効果は、下限の溝深さ6.0mmにした場合
でも従来タイヤの下限の溝深さ8.5mmに比べて高々
9%程度まででしかなく、また、後者の溝下ゴム厚さt
によるコーナリングパワーCPの向上効果も、下限の溝
下ゴム厚さ0.5mmにした場合でも従来タイヤの下限
の溝下ゴム厚さ3.0mmに比べて高々19%程度まで
でしかない。このため、これら溝深さdと溝下ゴム厚さ
tだけから、アラミド繊維コードベルト層の低曲げ剛性
を補うことはできず、従来のスチールコードベルト層か
ら得られるコーナリングパワー以上にすることは難し
い。
【0016】本発明は、このような溝深さdと溝下ゴム
厚さtだけでは不足するコーナリングパワーを、アラミ
ド繊維コードベルト層のコートゴムに短繊維を配合して
その面内剛性を大きくすることによって補足し、スチー
ルコードベルト層から得られるコーナリングパワー以上
にすることを可能にする。図5は、コートゴムへの短繊
維の配合量とコーナリングパワーCPとの関係について
の実験結果を示したもので、図3の実験で使用したタイ
ヤと同じトレッド構造、タイヤサイズ、ベルト構造にす
ると共に溝深さを7.0mm、溝下ゴム厚さを1.5m
mにする点を共通にし、コートゴム100重量部に対す
る短繊維の配合量だけを0重量部、1重量部、2.5重
量部、5重量部、10重量部のそれぞれに異ならせた5
種類のラジアルタイヤについて実験したものである。コ
ーナリングパワーCPは上記図3と同じ方法で測定し、
短繊維を配合していないタイヤの測定値を100とする
ときの指数で示した。
【0017】この図5から明らかなように、コーナリン
グパワーCPは短繊維の配合量に比例して増大すること
がわかる。本発明は、アラミド繊維コードベルト層のコ
ートゴム100重量部に短繊維を1〜10重量部の割合
で配合することによりアラミド繊維コードの低曲げ剛性
を補うようにしたものである。コートゴム100重量部
に対する短繊維の配合量は1重量部以上とし、多ければ
多いほど望ましいが、多くなり過ぎると破断伸びが低下
してベルト層の耐疲労性が低下するので、その上限は1
0重量部にする。このようにコートゴムに短繊維を配合
しても、未加硫時のコートゴムの粘度は殆ど変化しない
ためベルト層の加工性が低下することはない。
【0018】本発明において、コートゴムに均一に配合
する短繊維は、その平均径が1μm以下であることが好
ましく、このように微細な径にすることによりコートゴ
ムに均一に混合し、ベルト層の耐疲労性を向上させるこ
とができる。また、短繊維の長さは、短すぎると剛性を
大きくする効果が不十分になるため100μm以上にす
るのが好ましいが、5000μmを超える長尺の場合に
はコートゴムの混合時に切断されて5000μm以下に
短くなる。このような本発明に好適な短繊維としては、
綿、絹などの天然繊維、セルロース系繊維、ナイロンな
どのポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ビニロン
などのポリビニルアルコール系繊維、カーボンファイバ
などがある。
【0019】本発明において、ベルト層に使用するアラ
ミド繊維コードとしては、トータルデニールが500〜
5000D、好ましくは2000〜3000Dのフィラ
メントの撚糸であることが望ましい。さらに、この撚糸
はコートゴムとの接着性を良好にするため、エポキシ樹
脂、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)等
の接着剤で表面処理される。表面処理されたコードは、
スダレ状に製織され、得られたスダレ状織物に短繊維を
配合したコートゴムがコード直径よりも0.1〜1.0
mm厚くなるように被覆される。好ましくはコード直径
+0.1〜0.6mmの厚さになるように被覆する。
【0020】本発明において、ベルト層は2層ともアラ
ミド繊維コードから構成されることが望ましいが、必要
により1層をアラミド繊維コードとし、他の1層をスチ
ールコードから構成するようにしてもよい。また、2層
のベルト層はタイヤ周方向に対するコード角度が5〜4
0度、好ましくは15〜30度になるようにし、かつベ
ルトコードが互いに交差するように積層し、タイヤ子午
線方向の幅をタイヤ接地幅の80〜130%、好ましく
は90〜110%にするのがよい。
【0021】
【実施例】実施例1 図1のタイヤ構造及び表1のタイヤ仕様を有すると共
に、ベルト層のコートゴムとして表2に示すゴム組成物
A〜Eを使用し、溝深さd,溝下ゴム厚さtを表4に示
す大きさに設定し、トレッド面に下記のトレッドパター
ンを形成した本発明タイヤ1〜3及び比較タイヤ1〜3
を製作した。また、従来技術との比較のため、アラミド
繊維コードに代えてコード構造1×5(0.25mm)
のスチールコードを使用し、ゴム組成物をAとした以外
は、本発明タイヤ1と同一仕様の従来タイヤを製作し
た。
【0022】トレッドパターン:タイヤ周方向に沿って
トレッド接地面内に4本の幅6mmのストレート主溝を
設け、ほぼ幅が互いに均等な5本のリブを形成する。幅
4mm、溝深さがストレート主溝と同じ深さの複数本の
副溝をラジアル方向に約26mmの間隔で形成して前記
リブを分割し、タイヤ周上に矩形ブロック72個を配列
させたブロックパターンを形成した。
【0023】これら7種類のタイヤについて、コーナリ
ングパワーCPを前述した図3と同じ方法で評価し、そ
の評価結果をタイヤ1本当たりの重量の比較と共に表4
に示した。CP値は従来タイヤの値を100とする指数
により表示し、タイヤ重量については、従来タイヤの重
量を基準として表示した。
【0024】
【0025】 表2中、各配合成分の配合量は重量部である。
【0026】1):住友化学社製スミカ6102) :ヘキサメトキシメチルメラミンの略3) :ナフテン酸ゴバルト(大日本インキ化学工業社製)4) :大内新興化学社製“ノクラック6C”5) :80%の不溶性硫黄6) :大内新興化学社製“ノクセラーMSA−G”(OB
S)7) :宇部興産社製FRR−NR(平均直径0.3μm)
【0027】 表3中、1): 日本ゼオン株式会社製スチレン・ブタジ
エン共重合体ゴム“Nipol 1712”2) : 大内新興化学株式会社製“ノクラック6C”3) : 大内新興化学株式会社製“サンノック”4) : サンシン化学工業株式会社製“サンセラー232
−MG”
【0028】
【0029】表4から、比較タイヤ1のように、従来タ
イヤのスチールコードをアラミド繊維コードに代えるだ
けでは、タイヤ重量を525g低減できるもののコーナ
リングパワーCPは25%も低下した。これに対し、溝
下ゴム厚さtを2.5mmにし、コートゴム100重量
部に対して短繊維を10重量部配合した本発明タイヤ1
は、タイヤ重量を低減し得ると共にアラミド繊維コード
を使用しながらコーナリングパワーCPを従来タイヤ以
上に向上することができた。さらに、溝深さdを下限の
6.0mmにした本発明タイヤ2は、コートゴムの短繊
維配合量が本発明タイヤ1より低くても、タイヤ重量を
大幅に低減できると共コーナリングパワーCPを従来タ
イヤよりも大きくすることができた。また、比較タイヤ
2,3は、溝深さdと溝下ゴム厚さtを、それぞれ下限
の6.0mm及び0.5mmにしてあるが、コートゴム
の短繊維配合量が1重量部未満であるため50%伸長時
弾性率M50が低く、そのコーナリングパワーCPは従来
タイヤと同等又はそれ以下になっていた。一方、溝深さ
dと溝下ゴム厚さtを比較タイヤ2,3と同じにし、コ
ートゴムの短繊維配合量を2.5重量部にした本発明タ
イヤ3は、コーナリングパワーCPが従来タイヤよりも
大きくなっていた。実施例2 実施例1の本発明タイヤ2において、2層のベルト層を
構成する内側ベルト層だけを従来タイヤのベルト層を構
成するスチールコードに代えた以外は同じ仕様の本発明
タイヤ4を製作した。
【0030】この本発明タイヤ4のコーナリングパワー
CPを前述した図3と同じ方法で評価した。その評価値
は、従来タイヤのCP値を100とするときの指数値で
127であった。このとき、タイヤ重量を1100g低
減することができた。すなわち、2層のベルト層のうち
一方のベルト層をスチールベルトにしても、ベルト層の
コートゴムに短繊維を配合することにより、タイヤの軽
量化を図りながらコーナリングパワーCPを向上するこ
とができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように2層のベ
ルト層のうち、少なくとも一方のベルト層をアラミド繊
維コードで構成することに加えて、溝深さ及び溝下ゴム
厚さを従来タイヤに比べて小さく設定したので、従来の
スチールコードを使用したベルト層のタイヤに比べて軽
量化することができる。しかも、溝深さ及び溝下ゴム厚
さを小さく設定したことと、アラミド繊維コードのコー
トゴムに短繊維を配合してベルト層の面内剛性を上げた
こととが相乗することにより、スチールコードを使用し
たベルト層のタイヤに比べてコーナリングパワーを向上
し操縦安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明タイヤの実施例からなる乗用車用ラジア
ルタイヤを一部切り欠いて示す要部斜視図である。
【図2】本発明タイヤのトレッド部に設けた主溝部分の
拡大断面図である。
【図3】溝の溝深さdとコーナリングパワーCPとの関
係を示すグラフである。
【図4】溝下ゴム厚さtとコーナリングパワーCPとの
関係を示すグラフである。
【図5】コートゴムへの短繊維の配合量とコーナリング
パワーCPとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 トレッド部 6 主溝 2 カーカス層 7 副溝 4d 内側ベルト層 d 溝の溝深さ 4u 外側ベルト層 t 溝下ゴム厚さ 5 ビードコア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60C 11/00 F 8408−3D 11/06 Z 8408−3D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド面に少なくともタイヤ周方向に
    延びる複数本の溝を設け、トレッド内部に2層のベルト
    層を設けた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記溝の
    溝深さを6.0〜8.5mmの範囲にすると共に、溝底
    から最外側のベルト層までの溝下ゴム厚さを0.5〜
    2.5mmの範囲にし、かつ前記ベルト層のうち少なく
    とも1層を、アラミド繊維コードをコートゴムで被覆し
    て構成し、このコートゴムはゴム100重量部に対して
    1〜10重量部の短繊維を配合したゴム組成物であるこ
    とを特徴とする乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
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JP2010000993A (ja) * 2008-06-23 2010-01-07 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
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