JP2767501B2 - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

乗用車用空気入りラジアルタイヤ

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JP2767501B2
JP2767501B2 JP3078987A JP7898791A JP2767501B2 JP 2767501 B2 JP2767501 B2 JP 2767501B2 JP 3078987 A JP3078987 A JP 3078987A JP 7898791 A JP7898791 A JP 7898791A JP 2767501 B2 JP2767501 B2 JP 2767501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレッド・ベルト構造
の軽量化を図りながら操縦安定性を向上するようにした
乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の地球規模で拡大しつつある環境汚
染問題から車両の一層の低燃費化が強く要望されるよう
になり、その一環としてタイヤの軽量化も大きな技術課
題としてクローズアップされてきている。一方、乗用車
用空気入りラジアルタイヤは、ベルト層がスチールコー
ドから構成されたものは、スチールコードが他の繊維コ
ードに較べて非常に優れた高強度,高弾性率を有するた
め、高い操縦安定性を発揮することが知られている。し
かし、スチールコードは比重が大きいためにタイヤ重量
を増大させ、燃費を低下させてしまうという欠点があ
り、上述した技術課題に対応し難くなっている問題を有
している。
【0003】従来、スチールコードに近い特性を有する
タイヤコード材料として、アラミド繊維コードが提案さ
れている。このアラミド繊維コードはスチールコードに
匹敵する高強度,高弾性率を有すると共にスチールコー
ドに比べて低比重であるため、タイヤの軽量化に寄与さ
せることができる。例えば、スチールコードのベルト層
をアラミド繊維コードに単純に置き換えるだけで約5〜
8%も軽量化できることがわかっている。
【0004】しかしながら、アラミド繊維コードは、そ
の圧縮剛性がほぼゼロに等しいため曲げ変形を加えられ
たときの曲げ剛性が低いという欠点がある。そのため、
スチールコードを使用したベルト層を同じ構造のままア
ラミド繊維コードに置き換えて得られるコーナリングパ
ワーは、スチールコードを使用したベルト層から得られ
るコーナリングパワーの高々75%までであった。した
がって、アラミド繊維コードによっては、スチールコー
ドを使用したベルト構造のタイヤ並みに操縦安定性を向
上させることはほとんど不可能であるとされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ベル
ト構造にアラミド繊維コードを使用して軽量化を図りな
がら、従来のスチールコードを使用したベルト層のタイ
ヤ以上の操縦安定性を発揮できるようにする乗用車用空
気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、トレッド面に少なくともタイヤ周方向に延
びる複数本の溝を設け、トレッド内部に2層のベルト層
をベルトコードが互いに交差するようにして両端部を折
り返すことなく配置し、該2層のベルト層のうち少なく
とも1層をアラミド繊維コードから構成し、さらに前記
2層のベルト層の少なくとも両端部をタイヤ周方向に対
するコード角度が30゜以下である有機繊維コードから
なるベルトカバー層で被覆した空気入りラジアルタイヤ
において、前記ベルトカバー層をナイロン繊維又はポリ
エステル繊維で構成し、前記溝の溝深さを6.0〜8.
5mmの範囲にすると共に、溝底から最外側のベルト層
までの溝下ゴム厚さを0.5〜2.0mmの範囲にし、
かつ前記ベルトカバー層の有機繊維コードのコード径を
0.7mm以下にすると共に、その打ち込み密度を35
〜90%にしたことを特徴とするものである。
【0007】本発明において溝深さ(d)とは、図2に
示すようにトレッド面に垂直方向に最深の溝底まで測定
した距離をいい、また、溝下ゴム厚さ(t)とは、最深
の溝底から外側ベルト層(4u)のコード表面までの距
離をいう。また、打ち込み密度ρ(%)とは、ベルトカ
バー層を構成する有機繊維コードの直径をa、隣接する
2本の有機繊維コードの中心間の距離(ピッチ)をpと
するとき、次式で定義される値をいう。
【0008】ρ(%)=(a÷p)×100 上記のように溝深さ及び溝下ゴム厚さを従来タイヤに比
べて小さく設定すると共にベルト層をアラミド繊維コー
ドで構成したことにより、タイヤ重量を従来のスチール
コードベルト層を使用したものに比べて軽量化すること
ができる。また、トレッド面の溝深さ及び溝下ゴム厚さ
を小さく設定したことと、有機繊維コードのコード径と
打ち込み密度を特定したベルトカバー層を設けたことと
が相まって、コーナリングパワーを従来のスチールコー
ドを使用したベルト層のタイヤから得られるもの以上に
することが可能になる。
【0009】図1及び図2は、本発明の構成を有する乗
用車用空気入りラジアルタイヤを例示するものである。
図において、1はトレッド部、2はナイロンコードやポ
リエステルコード等の有機繊維コードからなるカーカス
層である。カーカス層2は左右一対のビードコア3の廻
りにタイヤ内側から外側に折り返され巻き上げられてい
る。このカーカス層2のタイヤ周方向EE’に対するコ
ード角は実質的に90°になっている。トレッド部1で
は、カーカス層2の外側にアラミド繊維コードからなる
2層の内側ベルト層4dと外側ベルト層4uとからなる
ベルト層がタイヤ1周にわたって配置されている。ベル
ト層は2層とも、それらの両端部を折り返さず、しかも
外側ベルト層4uのベルト巾を内側ベルト層4dのそれ
よりも小さくした、所謂ステップカットタイプにしてあ
る。また、内側ベルト層4dと外側ベルト層4uとは、
タイヤ周方向EE’に対するコード角度が5〜40°で
あると共に互いに交差している。
【0010】さらに、上記外側ベルト層4uの外側に
は、それらのベルト層の全巾Wを被覆するように、タイ
ヤ径方向の巾wを有するベルトカバー層5が配置されて
いる。ベルトカバー層5のタイヤ周方向EE’に対する
コード角度は30°以下、好ましくはほぼ0°になって
いる。また、このベルトカバー層5は、コード径0.7
mm以下の有機繊維コードから打ち込み密度35〜90
%で構成されている。
【0011】トレッド部1の表面には、タイヤ周方向E
E’に延びる主溝6とこれに交差する副溝7とが設けら
れている。この主溝6の溝深さdは6.0〜8.5mm
の範囲に設定され、また溝下ゴム厚さtが0.5〜2.
0mmの範囲に設定されている。本発明者らは、上述し
た発明をするに当たり、タイヤの軽量化という技術課題
を前提に、ラジアルタイヤのコーナリングパワーを左右
する要因を多面的に探索した。その結果、後述する実験
例で詳細を示すように、トレッド面に主としてタイヤ周
方向に設けた溝の溝深さ及び溝下ゴム厚さがコーナリン
グパワーを決める大きな要素になり、しかもこれら溝の
溝深さや溝下ゴム厚さが小さいほどコーナリングパワー
を大きくするということを知見した。この場合のタイヤ
周方向の溝としては、ストレート溝であるか、ジグザグ
溝であるかは関係なく、またタイヤ巾方向に副溝を有す
るか否かにも関係するものではなかった。しかし、前述
したように、ベルト層のコードをスチールコードからア
ラミド繊維コードに置き換えると約25%ものコーナリ
ングパワーの低下があるため、溝深さ及び溝下ゴム厚さ
だけの技術対策から、この約25%のコーナリングパワ
ーの低下をカバーすることは殆ど不可能であることも判
り、これに加えてベルト層をベルトカバー層で被覆し、
しかも、このベルトカバー層を構成する有機繊維コード
のコード径及び打ち込み密度を特定することにより目的
の達成されること見出した。
【0012】以下、実験例を参照しながら本発明の詳細
について説明する。図3は、溝深さdとコーナリングパ
ワーCPとの関係についての実験結果を示すものであ
る。この実験はタイヤ構造を次のように共通にし、溝深
さdだけを6mm,7mm,8mm,8.5mm,9m
m,10mm,11mm,12mmのそれぞれに異なら
せた8種類のラジアルタイヤについて行った結果であ
る。
【0013】トレッド構造:図1において、ベルトカバ
ー層を設けていない構造 タイヤサイズ:185/70R13 ベルト構造:ベルト層2枚 コード巾 外側/内側 120mm/130mm コード角 21° コード アラミド繊維1500D/2 エンド数 45本/50mm 溝下ゴム厚さt:3.0mm コーナリングパワーCPは、ドラム試験において荷重4
50kgf、速度10km/hrで走行させるとき、ス
リップ角右1°時の横力とスリップ角左1°時の横力と
をそれぞれ測定し、その両測定値の平均値(絶対値の平
均値)を溝深さ6mmのタイヤの測定値を100とする
ときの指数で示した。
【0014】一方、図4は溝下ゴム厚さtとコーナリン
グパワーCPとの関係についての実験結果を示すもので
ある。この実験は上記実験で使用したタイヤと同じトレ
ッド構造、タイヤサイズ、ベルト構造にすると共に溝深
さを8.5mmにする点を共通にし、溝下ゴム厚さtだ
けを0.5mm,1.5mm,2.0mm,2.5m
m,3.0mm,3.5mm,4.0mmのそれぞれに
異ならせた7種類のラジアルタイヤについて行った。コ
ーナリングパワーCPは、上記図3と同じ方法で測定
し、溝下ゴム厚さtが0.5mmのタイヤの測定値を1
00とするときの指数で示した。
【0015】先ず、溝深さについては、図3から、溝深
さが浅いほどコーナリングパワーCPが高くなり、8.
5mm以下でコーナリングパワーCPが急激に増大する
ことがわかる。上述のような傾向は、試験に供したタイ
ヤサイズのタイヤに限らず、他のサイズのタイヤについ
ても同様の傾向があることが認められる。従来のラジア
ルタイヤでは、溝深さを8〜11mmとするのが一般的
であるが、本発明では、図3の結果から溝深さを6.0
〜8.5mmとし、好ましくは6.0〜7.5mmにす
るのである。下限の6.0mmは、摩耗寿命から決めら
れ、これよりも浅くなってはタイヤとして実用性に乏し
くなる。
【0016】また、溝下ゴム厚さについては、図4か
ら、溝下ゴム厚さtが薄くなるほどコーナリングパワー
CPが大きくなり、特に2.5mm以下で急激に増大す
ることがわかる。このような傾向は、他のサイズのタイ
ヤについても同様の傾向が認められる。従来のラジアル
タイヤでは、溝下ゴム厚さを2.5〜4mmとするのが
一般的であるが、本発明では、図4の結果から溝下ゴム
厚さを0.5〜2.0mm、好ましくは1.0〜2.0
mmとするのである。下限の0.5mmは、ベルトコー
ドを保護し、その破損故障を防止するための限界であ
る。
【0017】上述のように、トレッドに設けた溝(主
溝)の溝深さd及び溝下ゴム厚さtを小さくすればする
ほどコーナリングパワーCPを増加させることができ
る。しかし、前者の溝深さdによるコーナリングパワー
CPの向上効果は、下限の溝深さ6.0mmにした場合
でも従来タイヤの下限の溝深さ8.5mmに比べて高々
9%程度まででしかなく、また、後者の溝下ゴム厚さt
によるコーナリングパワーCPの向上効果も、下限の溝
下ゴム厚さ0.5mmにした場合でも従来タイヤの下限
の溝下ゴム厚さ3.0mmに比べて高々19%程度まで
でしかない。このため、これら溝深さdと溝下ゴム厚さ
tだけから、アラミド繊維コードベルト層の低曲げ剛性
を補うことはできず、従来のスチールコードベルト層か
ら得られるコーナリングパワー以上にすることは難し
い。
【0018】本発明は、このような溝深さdと溝下ゴム
厚さtだけでは不足するコーナリングパワーを、アラミ
ド繊維コードを使用したベルト層の少なくとも両端部を
タイヤ周方向に対するコード角度が30°以下であるベ
ルトカバー層で被覆し、かつこのベルトカバー層を特定
のコード径及び打ち込み密度ρの有機繊維コードから構
成することによって補足し、スチールコードを使用した
ベルト層から得られるコーナリングパワー以上にするこ
とを可能にするものである。
【0019】 図は、ベルトカバー層を構成するナイ
ロンコードのコード径及び打ち込み密度とコーナリング
パワーCPとの関係についての実験結果を示すものであ
る。この実験は、図3の実験で使用したタイヤと同じタ
イヤサイズ、ベルト構造にすると共に溝深さを7.0m
m、溝下ゴム厚さを1.5mmにする点並びにタイヤ周
方向に対するコード角度を0°にするナイロンコードか
らなるベルトカバー層を使用する点を共通にした。ベル
トカバー層については、コード径が0.6mmで打ち込
み密度ρをそれぞれ36%,60%,84%に変更した
3種類、コード径が0.7mmで打ち込み密度ρをそれ
ぞれ42%,70%に変更した2種類、コード径が1.
0mmで打ち込み密度ρを60%にした1種類、ベルト
カバー層を設けなかった1種類のラジアルタイヤについ
て行った。コーナリングパワーCPは上記図3と同じ方
法で測定し、ベルトカバー層を設けなかったタイヤの測
定値を100とするときの指数で示した。
【0020】 図から、コード径1.0mmのベルト
カバー層ではコーナリングパワーCPの向上にはあまり
寄与しない。コード径0.7mm及び0.6mmのベル
トカバー層を設けたタイヤは、その打ち込み密度ρを大
きくすればするほどコーナリングパワーCPが増大して
いる。この図から明らかなように、コーナリングパワ
ーCPは、ベルトカバー層を構成する有機繊維コードの
コード径と打ち込み密度により著しく相違することがわ
かる。本発明は、このコード径を0.7mm以下にし、
かつ打ち込み密度ρを35%以上、好ましくは50%以
上にするようにするのである。しかし、打ち込み密度ρ
は、余りに大きくし過ぎるとコード間隔が狭くなりすぎ
て耐久性が低下するので、その上限は90%にする必要
がある。好ましくは85%にするのがよい。
【0021】本発明において、ベルトカバー層5のタイ
ヤ周方向に対するコード角度は、ほぼ0°にすることが
望ましいが、30°以下であれば実質的に同等の効果を
付与することができる。また、このベルトカバー層5は
2枚の重ね合わせられた外側ベルト層4uと内側ベルト
層4dとからなる積層体の外側表面全体を被覆するフル
カバーにしてもよいし、上記積層体の両端部を被覆する
がトレッド中央部領域までは被覆しないエッジカバーに
してもよい。エッジカバーの時は、片側当たりの巾をベ
ルト層総巾の10%以上にすると共に、有機繊維コード
の打ち込み密度ρを50%以上にすることが望ましい。
また、このエッジカバーの場合、トレッド部に設ける溝
の溝深さは6〜7mm、溝下ゴム厚さは0.5〜1.5
mmの範囲することが望ましい。
【0022】このベルトカバー層を構成する有機繊維コ
ードとしては、ナイロンコードやポリエステルコード
らなる熱収縮性のテキスタイルコードを用いる。このよ
うな熱収縮性の有機繊維コードは、加硫時に熱収縮する
ことによりベルト層を高速回転時に生じる遠心力に対し
て強く拘束するようになるので、コーナリングパワーを
向上する。これらのコードはレゾルシン・ホルマリン・
ラテックス(RFL)等の接着剤で表面処理した後コー
トゴムで被覆して使用される。本発明において、ベルト
層の両端部は折り返さないようにし、ステップカットと
するのがよく、かつ少なくとも1層をアラミド繊維コー
ドから構成するようにする。それによって、より一層軽
量化を図ることができ、かつ剛性の大きいアラミド繊維
コードのハンドリング性を容易にし、生産性を大きくす
ることができる。アラミド繊維コードのベルト層を1層
だけにする場合は、他の1層はスチールコードから構成
することが望ましい。
【0023】このベルト層に使用するアラミド繊維コー
ドとしては、トータルデニールDが500〜5000
D、好ましくは2000〜3000Dのフィラメントか
らなる撚糸であることが望ましい。さらに、この撚糸は
コートゴムとの接着性を良好にするため、エポキシ樹
脂、レゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)等
の接着剤で表面処理される。表面処理されたコードは、
スダレ状に製織され、得られたスダレ状織物にコートゴ
ムがコード直径よりも0.1〜1.0mm厚くなるよう
に被覆される。好ましくはコード直径+0.1〜0.6
mmの厚さになるように被覆する。
【0024】また、2層のベルト層はタイヤ周方向に対
するコード角度が5〜40度、好ましくは15〜30度
になるようにし、かつベルト層間でコードが互いに交差
するように積層する。ベルト層のタイヤ子午線方向の巾
はタイヤ接地巾の80〜130%、好ましくは90〜1
10%にするのがよい。
【0025】
【実施例】
実施例1 図1のタイヤ構造及び表1のタイヤ仕様を有し、トレッ
ド面に下記のトレッドパターンを形成した本発明タイヤ
1を製作した。 トレッドパターン:タイヤ周方向に沿ってトレッド接地
面内に4本の巾6mmのストレート溝(主溝)を設けて
ほぼ巾が均等な5本のリブを形成する。複数本の巾4m
mで溝深さがストレート溝と同じ溝(副溝)をラジアル
方向に約26mmの間隔で形成して前記リブを矩形ブロ
ックに分割し、タイヤ周上に矩形ブロック72個を配列
させたブロックパターンとしたまた、溝深さd、溝下ゴ
ム厚さt、ベルトカバー層の巾w(mm)、打ち込み密
度ρ(%)、タイヤ周方向に対するコード角度(°)を
それぞれ表3に示す通り変更した以外は、本発明タイヤ
1と同一仕様の本発明タイヤ2,3,4,5及び比較タ
イヤ1,2の6種類のタイヤを製作した(比較タイヤ1
はベルトカバー層なし)。
【0026】比較のため、アラミド繊維コードに代えて
コード構造1×5(0.25mm)のスチールコードを
使用し、表3に示す仕様のベルトカバー層を設けない従
来タイヤを製作した。これら8種類のタイヤについて、
図3と同じ方法によりコーナリングパワーCPを評価
し、その評価結果をタイヤ1本当たりの重量の比較と共
に表3に示した。コーナリングパワーCPは従来タイヤ
の測定値を100とするときの指数により表示し、タイ
ヤ重量の比較については従来タイヤの重量を基準にして
表示した。
【0027】
【0028】 表2中、1): 日本ゼオン株式会社製スチレン・ブタ
ジエン共重合体ゴム“Nipol 1712”2) : 大内新興化学株式会社製“ノクラック6C”3) : 大内新興化学株式会社製“サンノック”4) : サンシン化学工業株式会社製“サンセラー232
−MG”
【0029】 注:表3中、全巾はフルカバーを示し、エッジはエッジ
カバーを示す。
【0030】表3から、比較タイヤ1のように、従来タ
イヤのスチールコードをアラミド繊維コードに代えただ
けでベルトカバー層を設けない時は、タイヤ重量は53
0g低減するもののコーナリングパワーCPが25%も
低下する。また、比較タイヤ2のように、ベルト層の全
巾をベルトカバー層で被覆しても溝下ゴム厚さtが2.
5mmでは、従来タイヤ並のコーナリングパワーCPは
得られないが、本発明タイヤ1のように、溝下ゴム厚さ
tを本発明の上限の2.0mmにすると、タイヤ重量が
低減すると共に従来タイヤと同等のコーナリングパワー
CPが得られる。
【0031】また、本発明タイヤ2のように溝下ゴム厚
さtを2.0mmにすると共に、溝深さdを浅くし6.
0mmにすると、タイヤ重量が大幅に低減されると共に
コーナリングパワーCPは107に向上する。さらに本
発明タイヤ3のように溝下ゴム厚さtを下限の0.5m
mまで薄くすると、タイヤ重量が大幅に低減されると共
にコーナリングパワーCPは115になり、著しく向上
する。
【0032】また、本発明タイヤ4のようにエッジカバ
ーであっても、溝深さdを7.0mm、溝下ゴム厚さt
を1.5mmにすることにより、コーナリングパワーC
Pを従来タイヤより大きくすることができる。この場合
に、本発明タイヤ5のように、ベルトカバー層をフルカ
バーにすると、コーナリングパワーCPはさらに向上す
る。 実施例2 実施例1の本発明タイヤ1において、内側ベルト層だけ
をコード構造1×5(0.25mm)のスチールコード
からなるベルト層に代えた以外は同一タイヤ仕様の本発
明タイヤ6を製作した。
【0033】この本発明タイヤ6のコーナリングパワー
CPを前述した図3と同じ方法に従って評価した。その
評価値は、実施例1の従来タイヤのコーナリングパワー
CPの値を100とするときの指数値が121であり、
また、タイヤ重量は695g低減することができ、軽量
化しながら操縦安定性を向上できることがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように溝深さ及
び溝下ゴム厚さを従来タイヤに比べて小さく設定すると
共にベルト層をアラミド繊維コードで構成したことによ
り、タイヤ重量を従来のスチールコードベルト層を使用
したものに比べて軽量化することができる。しかも、ト
レッド面の溝深さ及び溝下ゴム厚さを小さく設定したこ
とと、有機繊維コードからなるベルトカバー層を配置
し、しかもその有機繊維コードのコード径を小さくし、
打ち込み密度を大きくしたこととが相乗することによ
り、コーナリングパワーを従来のスチールコードを使用
したベルト層のタイヤから得られるもの以上にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明タイヤの実施例からなる乗用車用ラジア
ルタイヤを一部切り欠いて示す要部斜視図である。
【図2】本発明タイヤのトレッド部に設けた主溝部分の
拡大断面図である。
【図3】溝の溝深さdとコーナリングパワーCPとの関
係を示すグラフである。
【図4】溝下ゴム厚さtとコーナリングパワーCPとの
関係を示すグラフである。
【図5】ベルトカバー層のコード径a及びコード打ち込
み密度ρとコーナリングパワーCPとの関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 トレッド部 4d 内側ベルト
層 4u 外側ベルト層 5 ベルトカバー
層 6 主溝 7 副溝 d 溝の溝深さ t 溝下ゴム厚さ W ベルト層総巾 w ベルトカバー
層の巾
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B60C 11/04 B60C 11/04 D (56)参考文献 特開 昭60−67201(JP,A) 特開 昭61−12408(JP,A) 特開 昭54−107003(JP,A) 特開 平1−240305(JP,A) 特公 平2−19002(JP,B2) 特公 平4−43805(JP,B2) 特公 平4−43803(JP,B2) 特公 平4−8241(JP,B2) 特公 昭63−61201(JP,B2) 特公 昭63−45321(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 9/08 - 9/22 B60C 11/00 - 11/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド面に少なくともタイヤ周方向に
    延びる複数本の溝を設け、トレッド内部に2層のベルト
    層をベルトコードが互いに交差するようにして両端部を
    折り返すことなく配置し、該2層のベルト層のうち少な
    くとも1層をアラミド繊維コードから構成し、さらに前
    記2層のベルト層の少なくとも両端部をタイヤ周方向に
    対するコード角度が30゜以下である有機繊維コードか
    らなるベルトカバー層で被覆した空気入りラジアルタイ
    ヤにおいて 前記ベルトカバー層をナイロン繊維又はポリエステル繊
    維で構成し、 前記溝の溝深さを6.0〜8.5mmの範
    囲にすると共に、溝底から最外側のベルト層までの溝下
    ゴム厚さを0.5〜2.0mmの範囲にし、かつ前記ベ
    ルトカバー層の有機繊維コードのコード径を0.7mm
    以下にすると共に、その打ち込み密度を35〜90%
    した乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
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