JP6045551B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
カーボンブラックは、比表面積、ストラクチャー、表面性状などの物理特性によって、ゴム組成物に配合した場合に該ゴム組成物の性能に大きな影響を与える。このため、要求されるゴム組成物の性能や、ゴム組成物が使用される環境条件などによって、各種特性の異なるカーボンブラックが選択的に使用されている(例えば、特許文献1)。
地面と接するトレッドゴムには、走行中の摩耗に対する耐性(耐摩耗性)が優れているとともに、走行中のゴムの変形時に発生するヒステリシスロスが少なく低発熱性であることが要求される。この耐摩耗性と低発熱性との両立を図るために、カーボンブラックを高充填する手法や高比表面積(小粒径)、あるいは高ストラクチャーを有するカーボンブラックを用いる手法などが検討されている。しかし、これらのカーボンブラックを用いた場合、耐摩耗性は向上するものの、低発熱性が十分ではなくなる場合がある。
また、カーボンブラックの比表面積やストラクチャー以外の特性で、タイヤの耐摩耗性を改良する手法として、カーボンブラックのアグリゲート径の分布のシャープ性を高める手法が提案されている。しかし、該カーボンブラックが配合されたゴム組成物は、発熱性が低下し、該ゴム組成物をトレッドに使用したタイヤの低発熱性が十分ではなくなる場合がある。また、アグリゲート径の分布のシャープ性を低くすると(ブロード性を高める)、タイヤの低発熱性を向上させることは可能となるが、同時に耐摩耗性が低下する傾向となってしまう。このように、カーボンブラックのアグリゲート径の分布のみを調整する手法も、タイヤの耐摩耗性と低発熱性を両立させるのに有効な手段であるとはいえない。
このように、耐摩耗性と低発熱性とは、二律背反の関係にあり、いずれの性能をも高い次元で両立させる開発が進められているが、未だ改善の余地がある。
特開2001−081239号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性と低発熱性を両立可能なゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の原料油を使用して得られたカーボンブラックなど、特定のアグリゲート特性を有するカーボンブラックをゴム組成物に配合することにより、耐摩耗性と低発熱性を両立できることを見出し、更に、該カーボンブラックと、特定の軟化点を有するレジンとを併用することにより、耐摩耗性と低発熱性を相乗的に改善できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ゴム成分と、1種以上のレジンと、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、上記レジンのうちの少なくとも1種のレジンの軟化点が−20℃から45℃の範囲内であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックであるゴム組成物に関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックであることが好ましい。
上記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素であることが好ましい。
上記原料油がトール油を含有することが好ましい。
上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、ファーネス法で製造されたカーボンブラックであることが好ましい。
本発明はまた、ゴム成分と、1種以上のレジンと、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、上記レジンのうちの少なくとも1種のレジンの軟化点が−20℃から45℃の範囲内であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラックであるゴム組成物に関する。
上記レジンが、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂及びα−メチルスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、軟化点−20〜45℃のレジンと、特定のカーボンブラックとを含むゴム組成物であるので、耐摩耗性と低発熱性を両立でき、両性能に優れた空気入りタイヤを提供できる。
第一の本発明は、ゴム成分と、1種以上のレジンと、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、上記レジンのうちの少なくとも1種のレジンの軟化点が−20℃から45℃の範囲内であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上であることを特徴とする原料油を使用して得られたカーボンブラック(1)であるゴム組成物に関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
第二の本発明は、ゴム成分と、1種以上のレジンと、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、上記レジンのうちの少なくとも1種のレジンの軟化点が−20℃から45℃の範囲内であり、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラック(1)であるゴム組成物に関する。
本発明では、カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が特定値以下、脂肪族炭化水素比率が特定値以上の原料油を使用して得られたカーボンブラック(1)など、Dmodが特定値以下、△D50/Dmodが特定値以上という特定のアグリゲート特性を有するカーボンブラックをゴム組成物に配合することにより、良好な低発熱性を維持又は改善しつつ、耐摩耗性を改善でき、耐摩耗性及び低発熱性を高次に両立させることが出来る。更に本発明では、特定のカーボンブラックに加えて、軟化点−20〜45℃のレジンを配合することで、耐摩耗性及び低発熱性が相乗的に改善され、耐摩耗性及び低発熱性を顕著に改善することができる。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、タイヤに用いた際の耐摩耗性及び低発熱性をバランスよく改善できるという理由からSBR、BRが好ましく、SBRとBRを併用することがより好ましい。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。60質量%未満であると、充分な低発熱性を得られないおそれがある。SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。90質量%を超えると、BRの含有量が少なくなるため、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性が良好であるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましい。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。BRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。40質量%を超えると、SBRの含有量が少なくなるため、充分な低発熱性を得られないおそれがある。
ゴム成分100質量%中のSBR及びBRの合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%であってもよい。SBR及びBRの合計含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明では、上記カーボンブラック(1)が使用される。上記カーボンブラック(1)を配合することにより、耐摩耗性と低発熱性を両立できる。
第二の本発明において、カーボンブラック(1)のアグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)は、79nm以下、好ましくは69nm以下、より好ましくは63nm以下である。79nmを超えると、本発明の効果(特に、耐摩耗性の向上効果)が充分に得られない。該Dmodの下限は、特に限定されないが、好ましくは50nm以上、より好ましくは56nm以上である。50nm未満であると、分散性に劣り、破壊特性、耐摩耗性が低下する傾向がある。
第二の本発明において、カーボンブラック(1)のアグリゲート特性としてDmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)は、0.78以上であり、好ましくは0.90以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上である。0.78未満であると、本発明の効果(特に、低発熱性の改善効果)が充分に得られない。△D50/Dmodの上限は、特に限定されないが、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下である。2.5を超えると、耐摩耗性が悪化し、所望の効果が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDmod、△D50は、以下の方法で測定される値である。
界面活性剤(SIGMA CHEMICAL社製「NONIDET P−40」)を加えた20%エタノール水溶液に精秤したカーボンブラック試料を加えて、カーボンブラック濃度が0.01重量%の試料液を調製する。この試料液を超音波分散機(超音波工業製「超音波発生装置USV−500V」)を用いて、振動数200kHz、出力100Wとして5分間分散処理することにより、カーボンブラックスラリーを調製する。一方、遠心沈降式の粒度分布測定装置(BROOK HAVEN INSTRUMENTS社製「BI−DCP PARTICLSIZER」)にスピン液(純水)10ミリリットルを注入し、更にバッファー液(20vol%エタノール水溶液)1ミリリットルを注入した後、前記調製したカーボンブラックスラリー各1ミリリットルを注入し、回転数8000rpmで遠心沈降させることによりストークス相当径を測定し、ストークス相当径に対して相対的な発生頻度のヒストグラムを作製する。ヒストグラムのピーク(A)を通るY軸と平行な直線と、ヒストグラムのX軸との交点をCとする。このCでのストークス直径を最大頻度ストークス相当径(Dmod)とする。また線分ACの中点をFとして、Fを通りX軸に平行な直線Gとヒストグラムの分布曲線との2点の交点(D、E)を求め、このDとEのストークス直径の差の絶対値をストークス相当径半値幅値(分布曲線の半値幅(△D50))とする。
カーボンブラック(1)の臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、好ましくは60〜150m/g、より好ましくは80〜145m/g、更に好ましくは100〜140m/g、特に好ましくは105〜135m/gである。CTABが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、JIS K6217−3:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラック(1)のヨウ素吸着量(IA)(mg/g)は、好ましくは100〜400mg/g、より好ましくは110〜300mg/g、更に好ましくは120〜250mg/gである。ヨウ素吸着量(IA)が上記範囲内であると、耐摩耗性の改善効果がより好適に得られ、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)のヨウ素吸着量(IA)(mg/g)に対する臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)の比(CTAB/IA)は、好ましくは0.8〜1.2m/mg、より好ましくは0.85〜1.15m/mg、更に好ましくは0.9〜1.1m/mgである。CTAB/IAが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックのヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6217−1:2008に準拠して測定される値である。
CTAB/IAで表される表面活性指標は、カーボンブラックの結晶化度(グラファイト化率)の指標と考えることができる。すなわち、CTAB/IAが高いほど結晶化が進んでいないことを示し、カーボンブラックとゴム成分との相互作用が大きくなる傾向にある。
また、CTAB/IAは、カーボンブラック表面に存在する酸性官能基の量を評価するパラメーターとしても位置づけられる。カーボンブラック表面の酸性官能基は、ゴム成分との相互作用に寄与するが、CTAB/IAが高いほどカーボンブラックの表面に酸性官能基が多く存在していることを示す。従って、CTAB/IAが上記範囲内であると、ゴム成分に対してより顕著な補強効果を奏することができ、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)の24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、好ましくは50〜120cm/100g、より好ましくは70〜120cm/100g、更に好ましくは90〜115cm/100g、特に好ましくは95〜110cm/100gである。24M4DBPが上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、ASTM D3493−85aに準拠して測定される値である。
カーボンブラック(1)は、酸性、中性、塩基性のいずれであってもよいが、JIS K6220−1で測定されるpHが2.0〜10.0であることが好ましく、5.5〜9.5であることがより好ましい。カーボンブラック(1)のpHが上記範囲内であると、より好適にゴム組成物の機械的強度や耐摩耗性を向上でき、本発明の効果がより好適に得られる。
カーボンブラック(1)の製造方法としては、例えば、原料油(原料炭化水素)として、BMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上の原料油を使用する点に特徴がある方法を採用することが好ましい。これにより、上記特性を有するカーボンブラック(1)が好適に得られる。また、この方法によれば、調製した複数のカーボンブラックを混合したり、調製したカーボンブラックに対して表面処理等の後処理を行うことなく、ワンポットで、すなわち、上記原料油を用いてカーボンブラックを調製するだけで、上記特性を有するカーボンブラック(1)を容易に調製できる。
ここで、本明細書において、BMCI値とは、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算される値である。
なお、平均沸点Tは、当該原料油について蒸留試験を実施したときに、質量基準でその50%が溜出したときの温度である。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
第一の本発明において、原料油のBMCI値は、150以下であり、好ましくは140以下、より好ましくは130以下、更に好ましくは120以下、特に好ましくは110以下である。150を超えると、カーボンブラックの粒度分布がシャープとなりすぎ、上述の特定のアグリゲート特性が得られず、低発熱性が悪化する。原料油のBMCI値の下限は、特に限定されないが、好ましくは95以上である。95未満では、歩留まりが悪くなる(充分な量のカーボンブラックが得られない)おそれがある。
第一の本発明において、脂肪族炭化水素比率(原料油100質量%中の脂肪族炭化水素の含有量)は、30質量%以上であり、好ましくは40質量%以上である。30質量%未満であると、上述の特定のアグリゲート特性が得られず、低発熱性が悪化する。脂肪族炭化水素比率の上限は、特に限定されないが、好ましくは60質量%以下である。60質量%を超えると、歩留まりが悪くなる(充分な量のカーボンブラックが得られない)おそれがある。
原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。該含有量の上限は、特に限定されず、100質量%であってもよい。該含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られるだけではなく、非枯渇資源を原料として上記効果を達成できるため、資源の枯渇や環境にも配慮できる。
上記特性を満たす原料油としては、上記特性を満たすものを単独で使用してもよいし、上記特性を満たすように2種以上を混合したものを使用してもよい。
原料油の具体例としては、例えば、(1)アントラセン等の芳香族炭化水素;クレオソート油等の石炭系炭化水素;EHEオイル(エチレン製造時の複製油)、FCCオイル(流動接触分解残渣油)等の石油系重質油からなる群より選択される少なくとも1種と、(2)脂肪族炭化水素との混合原料油が挙げられる。なお、これらは、改質されていてもよい。なかでも、石炭系炭化水素と脂肪族炭化水素との混合原料油が好ましい。
脂肪族炭化水素としては、例えば、プロセスオイルなどに代表される石油系脂肪族炭化水素、及び大豆油、なたね油、パーム油などの脂肪酸に代表される動植物油等を使用することができる。
ここで動植物油とは、魚類肝臓から得られる脂肪油(肝油)やクジラからとれる海獣油のような水産動物油及び牛脂、豚脂などのような陸産動物油のほか、植物の種子、果実、核などから採取される脂肪酸グリセリドを成分とする油脂等を含有する。
なかでも、原料油としては、石炭系炭化水素と石油系脂肪族炭化水素との混合原料油、石炭系炭化水素と動植物油との混合原料油が好ましく、クレオソート油と石油系脂肪族炭化水素との混合原料油、クレオソート油と大豆油との混合原料油がより好ましい。また、脂肪族炭化水素を含むトール油も好適に原料油として用いることができる。なお、上記石炭系炭化水素としては、石炭系芳香族炭化水素が好ましい。
カーボンブラック(1)は、上記原料油を使用する点以外は、公知の製造方法により製造でき、その製造方式は特に限定されないが、具体的には、燃焼ガス中に原料油を噴霧してカーボンブラックを製造する方法が採用されることが好ましく、例えば、ファーネス法やチャンネル法等の従来から公知の方法が用いられる。なかでも、上述の特定のアグリゲート特性が好適に得られるという理由から、以下に示すファーネス法が好ましい。
ファーネス法(オイルファーネス法)は、例えば特開2004−43598号公報、特開2004−277443号公報などのように、反応炉内に高温燃焼ガス流を発生させる燃焼帯域、高温燃焼ガス流に原料炭化水素を導入して原料炭化水素を熱分解反応によりカーボンブラックに転化させる反応帯域、及び反応ガスを急冷して反応を停止する反応停止帯域を有する装置を用いるプロセスであって、燃焼条件、高温燃焼ガス流速、反応炉内への原料油の導入条件、カーボンブラック転化から該反応停止までの時間等の諸条件を制御することによって種々の特性のカーボンブラックを製造することができる。
燃焼帯域では、高温燃焼ガスを形成させるため、酸素含有ガスとして空気、酸素またはそれらの混合物とガス状または液体の燃料炭化水素を混合燃焼させる。燃料炭化水素としては、一酸化炭素、天然ガス、石炭ガス、石油ガス、重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料が使用される。燃焼は、燃焼温度が1400℃〜2000℃の範囲となるように制御されるのが好ましい。
反応帯域では、燃焼帯域で得られた高温燃焼ガス流に並流又は横方向に設けたバーナーから原料炭化水素を噴霧導入し、原料炭化水素を熱分解させてカーボンブラックに転化させる。好ましくは、ガス流速が100〜1000m/sの範囲の高温燃焼ガス流に、原料油を1本以上のバーナーにより導入する。原料油は、2本以上のバーナーにより分割し導入することが好ましい。また、反応効率を向上させる為に反応ゾーンに絞り部を設けることが好ましい。絞り部の絞り部径/絞り部上流域径の比は、0.1〜0.8が好ましい。
反応停止帯域では、高温反応ガスを1000〜800℃以下に冷却する為、水スプレー等が行われる。原料油を導入してからの反応停止までの時間は2〜100m秒が好ましい。冷却されたカーボンブラックは、ガスから分離回収された後、造粒、乾燥等の公知のプロセスをとることができる。
カーボンブラック(1)の配合量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは20質量部以上である。1質量部未満では、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。また該カーボンブラックの配合量は、好ましくは250質量部以下、より好ましくは200質量部以下、更に好ましくは150質量部以下、特に好ましくは100質量部以下、最も好ましくは60質量部以下、より最も好ましくは40質量部以下である。250質量部を超えるとゴム組成物が硬くなりすぎ、かえって耐摩耗性が低下してしまい、更にゴム組成物の加工性も極端に低下する傾向がある。また、低発熱性も悪化する傾向がある。
本発明では、カーボンブラック(1)と共に、カーボンブラック(1)以外のカーボンブラック(以下においては、カーボンブラック(2)ともいう)を配合してもよい。
カーボンブラック(2)としては、特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられる。
本発明のゴム組成物をトレッド用ゴム組成物に用いる場合、カーボンブラック(2)のチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは90m/g以上、更に好ましくは100m/g以上である。80m/g未満では、補強性が低下し、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、該カーボンブラック(2)のNSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは190m/g以下、更に好ましくは180m/g以下である。200m/gを超えると、低発熱性が悪化する傾向がある。また、分散性に劣り、破壊性能、耐摩耗性能が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
本発明のゴム組成物をトレッド用ゴム組成物に用いる場合、カーボンブラック(2)のジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは40ml/100g以上、より好ましくは60ml/100g以上である。40ml/100g未満であると、補強性が低下し、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。また、カーボンブラック(2)のDBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは100ml/100g以下である。300ml/100gを超えると、耐久性、引張破断伸びが悪化するおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDBPは、JIS K 6217−4:2001に準拠して測定される。
本発明のゴム組成物をサイドウォール、カーカス、クリンチ用ゴム組成物に用いる場合、カーボンブラック(2)のチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは20m/g以上、より好ましくは30m/g以上である。20m/g未満では、補強性が低下し、充分な耐久性が得られない傾向がある。また、該カーボンブラック(2)のNSAは、好ましくは110m/g以下、より好ましくは100m/g以下である。110m/gを超えると、低発熱性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物をサイドウォール、カーカス、クリンチ用ゴム組成物に用いる場合、カーボンブラック(2)のジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは40ml/100g以上、より好ましくは60ml/100g以上である。40ml/100g未満であると、補強性が低下し、充分な耐久性が得られない傾向がある。また、カーボンブラック(2)のDBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは100ml/100g以下である。300ml/100gを超えると、耐久性、耐疲労特性が悪化するおそれがある。
カーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは20質量部以上である。1質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、該カーボンブラックの合計含有量は、好ましくは250質量部以下、より好ましくは200質量部以下、更に好ましくは150質量部以下、特に好ましくは100質量部以下、最も好ましくは60質量部以下、より最も好ましくは40質量部以下である。250質量部を超えると、加工性が低下し、低発熱性、耐摩耗性、耐久性が低下するおそれがある。
カーボンブラック100質量%中のカーボンブラック(1)の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。1質量%未満であると、本発明の充分な効果が得られず、耐摩耗性と低発熱性を両立することが困難となるおそれがある。該含有量は、100質量%であってもよいが、他のカーボンブラックと共に使用する場合は80質量%以下が好ましい。
本発明では、カーボンブラック(1)、軟化点−20〜45℃のレジンに加えてシリカを配合することが好ましい。これにより、耐摩耗性及び低発熱性をより顕著に改善することができる。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは45m/g以上、より好ましくは55m/g以上、更に好ましくは60m/g以上、特に好ましくは100m/g以上、最も好ましくは150m/g以上である。45m/g未満であると、耐摩耗性、ゴム破壊強度が悪化するおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは350m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは270m/g以下、特に好ましくは220m/g以下である。350m/gを超えると、シリカの分散が困難であり、低発熱性が悪化するおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明のゴム組成物がシリカを含む場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは45質量部以上である。1質量部未満では、シリカを配合した効果が充分に得られず、低発熱性、耐摩耗性が悪化する傾向がある。該シリカの含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは100質量部以下、最も好ましくは70質量部以下である。200質量部を超えるとシリカが分散しにくくなるため、加工性、低発熱性及び耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。
本発明のゴム組成物がシランカップリング剤を含む場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満では、耐摩耗性、低発熱性が大きく低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。15質量部を超えると、余分なシランカップリング剤が残存し、得られるゴム組成物の加工性及び耐摩耗性の低下を招くおそれがある。
本発明のゴム組成物は、軟化点−20〜45℃のレジンを含む。上記レジンとしては、例えば、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、α−メチルスチレン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリイソペンタン樹脂などの石油系又は石炭系樹脂などが挙げられる。なかでも、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、α−メチルスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、クマロンインデン樹脂がより好ましい。
クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。インデン樹脂、α−メチルスチレン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、それぞれインデン、α−メチルスチレンを含む樹脂である。
上記レジンの軟化点は、−20℃以上であり、好ましくは−10℃以上、より好ましくは0℃以上である。−20℃未満であると、低発熱性の改善効果が充分に得られないおそれがある。該軟化点は、45℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。45℃を超えると、樹脂そのものの発熱性が上昇し、タイヤの発熱性が上昇する(すなわち、低発熱性が悪化する)傾向がある。
なお、クマロンインデン樹脂などのレジンの軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記特定軟化点のレジンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上である。3質量部未満では、低発熱性の改善効果が充分に得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。40質量部を超えると、低発熱性、ゴム破壊強度、耐摩耗性の改善効果が充分に得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物は、上記特定軟化点のレジンに加えて、上記特定軟化点のレジン以外のレジンを含有してもよい。該レジンとしては、上記特定軟化点以外の軟化点を有するレジンが挙げられる。
本発明のゴム組成物は、上記特定軟化点のレジンと共に、オイルを含有してもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いても良い。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などが挙げられる。なかでも、ゴムとの相溶性と、tanδを維持することができるという理由から、芳香族系プロセスオイルが好ましい。
本発明のゴム組成物に含まれる軟化点−20〜45℃のレジンはゴム組成物を軟化する作用を有しているため、上記レジンを用いることで、ゴム組成物中のオイルの含有量を少なくすることができる。オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。これにより、より良好な耐摩耗性が得られ、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明の効果が好適に得られるという理由から、オイル、軟化点−20〜45℃のレジンの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー、タルク等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加工助剤、各種老化防止剤、ワックス、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドがより好ましい。また、更にグアニジン系加硫促進剤を併用することも好ましい。加硫促進剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。
加硫剤としては、特に限定されないが、硫黄を好適に使用できる。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物として使用でき、なかでも、タイヤ用ゴム組成物として好適に使用できる。本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用できるが、なかでも、トレッド、サイドウォール、カーカス、クリンチ等に好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として好適に用いられ、特に高性能タイヤとして好適に用いられる。本発明により得られる空気入りタイヤは、ドライ路面におけるグリップ性能に優れている。
なお、本明細書における高性能タイヤとは、ドライ路面におけるグリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
[カーボンブラック製造設備]
空気導入ダクトと燃焼バーナーを備える内径500mm、長さ1750mmの燃焼帯域、該燃焼帯域に連なっており、周辺から原料ノズルを貫通設置した内径55mm、長さ700mmの狭径部からなる原料導入帯域、クエンチ装置を備えた内径200mm、長さ2700mmの後部反応帯域を順次接合したカーボンブラック製造設備を用いた。
[製造条件](ファーネス法)
この製造設備を用い、燃料に天然ガスを用い、特性を表1に示した油及び石油系炭化水素を原料油として用い、その他条件として表2に示した各条件によりカーボンブラックを製造した。各製造例により得られたカーボンブラックの歩留まり、各種特性を表2に併せて示した。なお、カーボンブラックの各種特性の測定は、上述の方法により行った。また、製造例2−5、7−14により得られたカーボンブラックは、上記カーボンブラック(1)に相当する。なお、製造例12−14により得られたカーボンブラックについては、歩留まりが悪く、評価を行えるほどのカーボンブラックが得られなかったため、該製造条件における原料油量の値は確認できず、更に、カーボンブラックの各種特性の測定、及び後述するカーボンブラックをゴム組成物に配合する試験は行わなかった。
Figure 0006045551
Figure 0006045551
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:日本ゼオン(株)製のNS116R(ビニル含有率:60質量%、スチレン含有率:20質量%)
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(シス含量:97質量%)
シリカ:EVONIK−DEGUSSA社製のUltrasilVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
カーボンブラック:製造例1〜11により得られたカーボンブラック
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24(芳香族系プロセスオイル)
レジン1:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C10(クマロンインデン樹脂、軟化点:5〜15℃)
レジン2:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C30(クマロンインデン樹脂、軟化点:20〜30℃)
レジン3:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C90(クマロンインデン樹脂、軟化点:85〜95℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:精工化学(株)製のオゾノン6C(N−(1、3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD(1,3−ジフェニルグアニジン)
実施例及び比較例
BP型バンバリーミキサーを用いて、表3、4に示す配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表3、4に示す。なお、表3の基準比較例を比較例1、表4の基準比較例を比較例6とした。
(耐摩耗性)
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定し、基準比較例の摩耗指数を100とし、各配合の容積損失量を指数表示した。摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(低発熱性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合の損失正接(tanδ)を測定し、基準比較例のtanδを100として、他の配合については、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低発熱性)が優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 0006045551
Figure 0006045551
表3、4より、軟化点−20〜45℃のレジン(レジン1、2)と、カーボンブラック(1)とを配合した実施例では、耐摩耗性及び低発熱性が相乗的に改善され、耐摩耗性及び低発熱性を顕著に改善できることが分かった。具体的には、比較例1、2、5、実施例1の対比、比較例6、7、10、実施例6の対比により、軟化点−20〜45℃のレジン(レジン1、2)と、カーボンブラック(1)とを併用することにより、耐摩耗性及び低発熱性が相乗的に改善されることが分かった。

Claims (12)

  1. ゴム成分と、1種以上のレジンと、1種以上のカーボンブラックとを混練する工程を含むゴム組成物の製造方法において、
    前記レジンのうちの少なくとも1種のレジンの軟化点が−20℃から45℃の範囲内であり、
    前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックであるゴム組成物の製造方法
    BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
  2. 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックである請求項1に記載のゴム組成物の製造方法
  3. 前記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素である請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法
  4. 前記原料油がトール油を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法
  5. 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、ファーネス法で製造されたカーボンブラックである請求項1〜4の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法
  6. ゴム成分と、1種以上のレジンと、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、
    前記レジンのうちの少なくとも1種のレジンの軟化点が−20℃から45℃の範囲内であり、
    前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が43〜79nm、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78〜2.5のカーボンブラックであるゴム組成物。
  7. 前記レジンが、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂及びα−メチルスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項6記載のゴム組成物。
  8. タイヤ用ゴム組成物として用いられる請求項6又は7記載のゴム組成物。
  9. 請求項8に記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  10. 前記レジンが、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂及びα−メチルスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  11. 前記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物として用いられる請求項1〜5及び10の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
  12. 請求項11に記載のゴム組成物の製造方法により得られるゴム組成物を用いて空気入りタイヤを作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
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