JPWO2020145275A1 - スチールコード・ゴム複合体、タイヤ、クローラ、コンベアベルト及びホース - Google Patents
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Abstract
ゴムとスチールコードとの接着性に優れ、耐亀裂性と低発熱性とを高いレベルで両立できる、スチールコード・ゴム複合体を提供することを目的とする。前記課題を解決するべく、本発明は、三元系の合金めっき層を有するスチールコードと、該スチールコードを被覆するゴム組成物と、を備えたスチールコード・ゴム複合体であって、前記ゴム組成物は、ゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、加硫剤と、加硫促進剤と、を含み、前記カーボンブラックは、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下であり、前記シリカは、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上である。
Description
本発明は、スチールコード・ゴム複合体、タイヤ、クローラ、コンベアベルト及びホースに関するものである。
空気入りタイヤに代表されるゴム物品の補強素子として、スチールワイヤからなるスチールコードが多用されている。スチールコードで補強したスチールコード・ゴム複合体では、スチールコードとゴムとの接着性を高めるために、スチールコード側にはブラスめっき(CuとZnの2元めっき)が施され、加硫時、ゴム中に配合された硫黄(S)と、ブラスめっき層中の銅(Cu)とが架橋反応して結合し、ブラスめっき層とゴムとの間に接着層(Cu2SやCuSを含む層)が形成されることにより、ブラスめっき層とゴムとの接着力が発現することが知られている。
ただし、スチールワイヤ表面にブラスめっきを施しただけでは、加硫初期の接着性や、高温高湿の湿熱環境下においける接着性(湿熱接着性)が十分でないという問題があった。
ただし、スチールワイヤ表面にブラスめっきを施しただけでは、加硫初期の接着性や、高温高湿の湿熱環境下においける接着性(湿熱接着性)が十分でないという問題があった。
そのため、初期接着性や湿熱接着性を改善することを目的として、ゴム中に有機コバルト塩を配合する技術が知られている。しかしながら、有機コバルト塩は高価であり、かつ未加硫ゴムを劣化させやすいという弊害が生じる。また、ゴム練り工程における温度を上げた際、コバルトによってゴム劣化が促進されるため、温度を下げて練り時間を長くする必要が生じる等、生産性を低下させてしまうという問題があった。
このような問題に対して、例えば特許文献1には、めっき表面領域において、銅、亜鉛及びコバルトの含有量を所定範囲に設定した3元系めっきを採用することで、ゴム中に有機コバルト塩を配合しなくとも、ゴムとスチールコードとの間の接着性を高めることができる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1のスチールコード・ゴム複合体では、ゴムとスチールコードとの間の接着性については向上できるものの、ゴムの耐亀裂性についてさらなる改善の必要があった。
しかしながら、特許文献1のスチールコード・ゴム複合体では、ゴムとスチールコードとの間の接着性については向上できるものの、ゴムの耐亀裂性についてさらなる改善の必要があった。
さらに近年、自動車の低燃費性能向上の観点から、タイヤの転がり抵抗を低減させるべく、スチールコードをコーティングするゴムの低発熱性についても改善要求が高まっている。このような要求に対し、カーボンブラックの使用量を低減させることや、低級カーボンブラックを使用することによって、ヒステリシスロスを低下させたゴム組成物を製造し、スチールコード・ゴム複合体に適用する技術が知られている。
しかしながら、カーボンブラックの含有量を減少させたゴム組成物や、低級カーボンブラックを用いたゴム組成物を、上述したスチールコード・ゴム複合体に用いた場合、低ロス性については一定の改善効果が得られるものの、十分な耐亀裂性を得ることができなかった。
しかしながら、カーボンブラックの含有量を減少させたゴム組成物や、低級カーボンブラックを用いたゴム組成物を、上述したスチールコード・ゴム複合体に用いた場合、低ロス性については一定の改善効果が得られるものの、十分な耐亀裂性を得ることができなかった。
そのため、本発明の目的は、ゴムとスチールコードとの接着性に優れ、耐亀裂性と低発熱性とを高いレベルで両立できる、スチールコード・ゴム複合体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、スチールコード使用部材の耐久性に優れるとともに、低転がり抵抗性が改善されたタイヤ、並びに、スチールコード使用部材の耐久性に優れる、クローラ、コンベアベルト及びホースを提供することにある。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のスチールコード・ゴム複合体は、三元系の合金めっき層を有するスチールコードと、該スチールコードを被覆するゴム組成物と、を備えたスチールコード・ゴム複合体であって、前記ゴム組成物は、ゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、加硫剤と、加硫促進剤と、を含み、前記カーボンブラックは、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下であり、前記シリカは、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上であり、前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であり、且つ、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合(カーボンブラックの含有量:シリカの含有量)が、60:40〜85:15であり、前記ゴム組成物中のコバルト化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以下であることを特徴とする。
上記構成によって、ゴムとスチールコードとの接着性に優れ、耐亀裂性と低発熱性とを高いレベルで両立できる。
本発明のスチールコード・ゴム複合体は、三元系の合金めっき層を有するスチールコードと、該スチールコードを被覆するゴム組成物と、を備えたスチールコード・ゴム複合体であって、前記ゴム組成物は、ゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、加硫剤と、加硫促進剤と、を含み、前記カーボンブラックは、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下であり、前記シリカは、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上であり、前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であり、且つ、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合(カーボンブラックの含有量:シリカの含有量)が、60:40〜85:15であり、前記ゴム組成物中のコバルト化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以下であることを特徴とする。
上記構成によって、ゴムとスチールコードとの接着性に優れ、耐亀裂性と低発熱性とを高いレベルで両立できる。
また、本発明のスチールコード・ゴム複合体では、前記カーボンブラックの圧縮ジブチルフタレート(24M4DBP)吸収量が、80〜110cm3/100gであることが好ましい。低発熱性を低下させることなく、耐亀裂性をより向上できるためである。
さらに、本発明のスチールコード・ゴム複合体では、前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜25質量部であることが好ましい。耐亀裂性及び低発熱性をより向上させることができるためである。
また、本発明のスチールコード・ゴム複合体では、前記ゴム組成物が、前記コバルト化合物を含まないことが好ましい。コバルトによってゴム劣化すること抑制することができるためである。
さらにまた、本発明のスチールコード・ゴム複合体では、前記三元系の合金めっき層の合金めっきが、銅−亜鉛−コバルト合金めっきであることが好ましい。ゴムとスチールコードとの接着性をより向上できるためである。
また、本発明のスチールコード・ゴム複合体では、前記三元系の合金めっき層は、コバルトリッチ領域を形成するための表面処理が施されていることが好ましい。ゴムとスチールコードとの接着性をより向上できるためである。
さらにまた、本発明のスチールコード・ゴム複合体では、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合が、76:24〜85:15であることが好ましい。耐亀裂性及び低発熱性をより向上させることができるためである。
本発明のタイヤは、上述した本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性に優れるとともに、低転がり抵抗性を改善できる。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性に優れるとともに、低転がり抵抗性を改善できる。
本発明のクローラは、上述した本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする。
ことを特徴とする。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性を改善できる。
ことを特徴とする。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性を改善できる。
本発明のコンベアベルトは、上述した本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする。
ことを特徴とする。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性を改善できる。
ことを特徴とする。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性を改善できる。
本発明のホースは、上述した本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする。
ことを特徴とする。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性を改善できる。
ことを特徴とする。
上記構成によって、スチールコード使用部材の耐久性を改善できる。
本発明によれば、ゴムとスチールコードとの接着性に優れ、耐亀裂性と低発熱性とを高いレベルで両立できる、スチールコード・ゴム複合体を提供できる。また、本発明によれば、スチールコード使用部材の耐久性に優れるとともに、低転がり抵抗性が改善されたタイヤ、並びに、スチールコード使用部材の耐久性に優れるクローラ、コンベアベルト及びホースを提供できる。
以下に、本発明のスチールコード・ゴム複合体、タイヤ、クローラ、コンベアベルト及びホースについて、その実施形態に基づいて詳細に説明する。
<スチールコード・ゴム複合体>
本発明のスチールコード・ゴム複合体は、三元系の合金めっき層を有するスチールコードと、該スチールコードを被覆するゴム組成物と、を備える。
<スチールコード・ゴム複合体>
本発明のスチールコード・ゴム複合体は、三元系の合金めっき層を有するスチールコードと、該スチールコードを被覆するゴム組成物と、を備える。
(スチールコード)
本発明のスチールコード・ゴム複合体を構成するスチールコードは、三元系の合金めっき層を有する。より具体的には、前記スチールコードは、三元系の合金めっき層が周面に施されたスチールワイヤからなるスチールコード、三元系の合金めっき層が周面に施されたスチールワイヤを引き揃えてなるスチールコード、又は、三元系の合金めっき層が周面に施されたスチールワイヤを撚り合わせてなるスチールコードが挙げられる。
前記スチールコードが三元系の合金めっき層を有することで、合金めっき層を構成する成分が、ゴムとスチールコードとの間の接着性を高める役目を果たすことができるため、後述するゴム組成物中のコバルト化合物の含有量が、少ない場合(ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以下)であっても、高い接着性を実現できる。
本発明のスチールコード・ゴム複合体を構成するスチールコードは、三元系の合金めっき層を有する。より具体的には、前記スチールコードは、三元系の合金めっき層が周面に施されたスチールワイヤからなるスチールコード、三元系の合金めっき層が周面に施されたスチールワイヤを引き揃えてなるスチールコード、又は、三元系の合金めっき層が周面に施されたスチールワイヤを撚り合わせてなるスチールコードが挙げられる。
前記スチールコードが三元系の合金めっき層を有することで、合金めっき層を構成する成分が、ゴムとスチールコードとの間の接着性を高める役目を果たすことができるため、後述するゴム組成物中のコバルト化合物の含有量が、少ない場合(ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以下)であっても、高い接着性を実現できる。
ここで、前記三元系の合金めっき層の合金めっきについては、被覆するゴム組成物とスチールコードとの接着性をより向上できる観点から、銅−亜鉛−コバルト合金めっきであることが好ましい。さらに、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を形成した場合には、前記スチールコードを被覆するゴム組成物中にコバルト化合物を使用しないか、又は、使用量を低減できるため、ゴム組成物の耐亀裂性の向上にも寄与できる。
前記銅−亜鉛−コバルト合金めっきの、それぞれの元素の割合(質量比)については特に限定はされない。例えば、前記ゴム組成物との接着性や、めっき層の耐食性の観点からは、Cu:58〜75質量%、Co:0.5〜10質量%であることが好ましい。この時、合金めっきの残部は亜鉛及び不可避的不純物である。
前記銅−亜鉛−コバルト合金めっきの、それぞれの元素の割合(質量比)については特に限定はされない。例えば、前記ゴム組成物との接着性や、めっき層の耐食性の観点からは、Cu:58〜75質量%、Co:0.5〜10質量%であることが好ましい。この時、合金めっきの残部は亜鉛及び不可避的不純物である。
さらに、前記三元系の合金めっき層が、銅−亜鉛−コバルト合金めっき層である場合には、該めっき層は、コバルトリッチ領域(めっき層中のコバルトが凝集、濃化した領域)を形成するための表面処理が施されていることが好ましい。めっき層中にコバルトリッチ領域が形成されることによって、該めっき層表面が活性化され、被覆するゴム組成物とスチールコードとの接着性をより向上できるためである。
なお、前記、銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を表面処理する方法については、後述する本発明のスチールコード・ゴム複合体の製造方法の中で説明する。
なお、前記、銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を表面処理する方法については、後述する本発明のスチールコード・ゴム複合体の製造方法の中で説明する。
なお、前記スチールコードの表面に前記三元系の合金めっき層を形成するための方法については特に限定はされず、公知の方法を用いることができる。例えば、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を形成する場合には、伸線加工前のスチールワイヤの周面に、銅、亜鉛、コバルトの順、銅、コバルト、亜鉛の順、又は、銅、亜鉛とコバルトの合金の順番、でめっき処理を繰り返し、その後450℃以上650℃以下において3秒間以上25秒間以下熱拡散することによって、スチールワイヤの表面に銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を形成し、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を有するスチールコードを得ることができる。
また、前記三元系の合金めっき層の平均厚みは、好適には0.13〜0.35μmであり、より好適には0.13〜0.32μmであり、特に好適には0.13〜0.30μmである。前記三元系の合金めっき層の平均厚みが0.13μm以上であれば、鉄地が露出する部分が少なくなり初期接着性が向上し、一方、0.35μm以下であれば、ゴム物品使用中の熱によって過剰に接着反応が進行することを抑制して、より強固な接着を得ることができる。
さらに、前記三元系の合金めっき層が形成されるスチールワイヤの直径は、0.60mm以下であることが好ましく、0.50mm以下であることがより好ましく、0.40mm以下であることが特に好ましい。この直径が0.60mm以下であれば、使用したゴム物品が曲げ変形下で繰り返し歪みを受けたときに表面歪が小さくなるので、座屈を引き起こしにくくなる。一方、前記スチールワイヤの直径は、0.10mm以上であることが、前記スチールコードの強度を確保するためには好ましい。
次に、本発明のスチールコード・ゴム複合体の製造方法について説明する。
本発明のスチールコード・ゴム複合体の製造にあたって、前記スチールコードと該スチールコードを被覆するゴム組成物とを接着する前に、上述したコバルトリッチ領域を形成するため、スチールコードを脂肪酸エステルオイルで処理することが好ましい。これにより、コバルトリッチ領域のコバルト量をさらに増加させることができ、本発明のスチールコード・ゴム複合体におけるゴム組成物とスチールコードとの接着性をさらに向上させることができる。
本発明のスチールコード・ゴム複合体の製造にあたって、前記スチールコードと該スチールコードを被覆するゴム組成物とを接着する前に、上述したコバルトリッチ領域を形成するため、スチールコードを脂肪酸エステルオイルで処理することが好ましい。これにより、コバルトリッチ領域のコバルト量をさらに増加させることができ、本発明のスチールコード・ゴム複合体におけるゴム組成物とスチールコードとの接着性をさらに向上させることができる。
このとき、前記コバルトリッチ領域を形成するには、三元系の合金メッキ層の厚さは厚めにしたほうがよい。また、湿式連続伸線にて製造する場合には、仕上げダイス、または、仕上げダイスを含む伸線下流の数ダイスにおける伸線を、上記したような潤滑性をある程度下げた状態で行い、他のダイスでは良好な潤滑条件で行うようにすれば、内部が結晶質で表面にコバルトリッチ領域が形成された三元系の合金メッキ層を確実に製造することができる。この時、金属最表面に存在するリン元素(元素記号P)、換言すると、金属の表面から内側方向に5nmの深さまでの表層領域に存在するリン元素の量は、3.0アトミック%以下である。
めっきの表層領域におけるリンの定量は、X線光電子分光法を用いて、スチールワイヤの曲率の影響を受けないように20〜30μmφの分析面積にて、ワイヤのめっき表層領域に存在する原子から炭素を除いた原子、つまりFe、Cu、Zn、Co、O、P及びNの原子数を計測し、Cu、Zn、Co、O、P及びNの合計原子数を100としたときの、Pの原子数の比率を求めることができる。
各原子の原子数は、Fe:Fe2p3 O:O1s,P:P2p,Cu:Cu2p3,Zn:Zn2p3,Co:Co2p3及びN:N1sの光電子のカウント数を用いて、それぞれの感度係数で補正して求めることができる。
なお、リンの検出原子数[P]は下式にて求めることができる。
[P]=Fp(P2pの感度係数)×(一定時間当たりのP2p光電子のカウント)
他の原子についても同様に検出原子数を求め、それらの結果からリンの相対原子%を次式:
P(%)={[P]/([Fe]+[Cu]+[Zn]+[Co]+[O]+[N]+[P])}×100に従って求めることができる。
各原子の原子数は、Fe:Fe2p3 O:O1s,P:P2p,Cu:Cu2p3,Zn:Zn2p3,Co:Co2p3及びN:N1sの光電子のカウント数を用いて、それぞれの感度係数で補正して求めることができる。
なお、リンの検出原子数[P]は下式にて求めることができる。
[P]=Fp(P2pの感度係数)×(一定時間当たりのP2p光電子のカウント)
他の原子についても同様に検出原子数を求め、それらの結果からリンの相対原子%を次式:
P(%)={[P]/([Fe]+[Cu]+[Zn]+[Co]+[O]+[N]+[P])}×100に従って求めることができる。
また、前記三元系の合金めっきを施したスチールコードに脂肪酸エステルオイルで処理を施す方法としては、例えば、スチールワイヤの伸線加工直後に脂肪酸エステルオイルを塗布する方法が挙げられる。その後、脂肪酸エステルオイルが塗布されたスチールワイヤを撚り合わせることで、前記スチールコードを製造することができる。脂肪酸エステルオイルの塗布方法としては、特に制限はなく既知の方法を用いることができるが、脂肪酸エステルオイルにスチールワイヤを通線してもよいし、刷毛等を用いてスチールワイヤに塗布してもよい。
さらに、上述の製造方法においては、前記スチールコードに対する脂肪酸エステルオイルの付着量を20〜2000mg/kgとすることが好ましい。脂肪酸エステルオイルの付着量が20mg/kg未満では上記効果を十分に得られない場合があり、一方、2000mg/kgを超えるとゴムとの接着性がかえって低下してしまう場合がある。なお、脂肪酸エステルオイルの付着量としては、20〜2000mg/kgとすることで、大気中でのスチールワイヤ表面の酸化膜の生成をさらに10mg/kg程度低減することが可能となる。なお、伸線加工された前記スチールワイヤに脂肪酸エステルオイルを塗布することにより、撚り線時のテンション変動の抑制を図ることができるので、スチールコード製造時の不良発生も低減でき、生産性を向上させることもできる。
本発明のスチールコード・ゴム複合体を製造する方法では、スチールコードとゴムとを接着する前に、スチールコードに脂肪酸エステルオイルで処理を施すことの他にも、従来の技術を適宜採用することができる。
本発明のスチールコード・ゴム複合体を製造する方法では、スチールコードとゴムとを接着する前に、スチールコードに脂肪酸エステルオイルで処理を施すことの他にも、従来の技術を適宜採用することができる。
さらにまた、本発明のスチールコード・ゴム複合体の製造方法では、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層のコバルトリッチ領域を形成するための表面処理として、伸線加工により強加工する表面処理を行うことができる。
例えば、銅−亜鉛−コバルトの順でめっきされたスチールワイヤの三元系の合金めっき層の極表面のみをダイスによる伸線加工により強加工する表面処理を行うことができ、この強加工により、三元系の合金めっき層の極表面にコバルトリッチ領域が形成され、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層の極表面(固体表面の内、特に極薄い表面(0.5〜数nm以内))が活性化されるため、スチールコードとゴム組成物との接着性がさらに向上する。前記強加工については、伸線加工で潤滑性を下げることによって実施できる。
例えば、伸線加工で潤滑性を下げた場合、スチールワイヤ材とダイスとが直接あるいは不完全な被膜を介して接触すると、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層の極表面が掻き乱されるため、結晶の微細化とともに、めっき層中のコバルトの分布に変化が生じる。その結果、銅−亜鉛−コバルト合金めっき層の表面に、コバルトが濃化した領域であるコバルトリッチ領域が形成されると考えられる。
例えば、銅−亜鉛−コバルトの順でめっきされたスチールワイヤの三元系の合金めっき層の極表面のみをダイスによる伸線加工により強加工する表面処理を行うことができ、この強加工により、三元系の合金めっき層の極表面にコバルトリッチ領域が形成され、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層の極表面(固体表面の内、特に極薄い表面(0.5〜数nm以内))が活性化されるため、スチールコードとゴム組成物との接着性がさらに向上する。前記強加工については、伸線加工で潤滑性を下げることによって実施できる。
例えば、伸線加工で潤滑性を下げた場合、スチールワイヤ材とダイスとが直接あるいは不完全な被膜を介して接触すると、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層の極表面が掻き乱されるため、結晶の微細化とともに、めっき層中のコバルトの分布に変化が生じる。その結果、銅−亜鉛−コバルト合金めっき層の表面に、コバルトが濃化した領域であるコバルトリッチ領域が形成されると考えられる。
前記表面処理における伸線加工については、例えば、次のように行われる。
液体潤滑液を用いた湿式伸線によって潤滑性をある程度下げた状態での伸線加工を行うためには、潤滑液中の潤滑成分の濃度を、通常の伸線に用いる時の濃度よりも下げて伸線加工を施したり、潤滑液の温度を潤滑剤の使用推奨温度よりも下げて伸線加工を施す。どの程度に潤滑性を下げた状態で伸線するかは、製造するスチールワイヤの強度や線径にもよるが、例えば、潤滑成分の濃度を下げる場合、スチールワイヤの伸線作業で通常使用する潤滑液の濃度の80〜20%の濃度とすればよい。潤滑性を下げ過ぎると、三元系の合金めっき層の脱落、スチールワイヤ質の劣化、あるいは、断線やダイス摩耗をもたらす。逆に、潤滑性の下げ方が足りないと、コバルトリッチ領域の割合が少なくなるので、ゴムとスチールコードとの接着性を十分に向上させることはできない。
液体潤滑液を用いた湿式伸線によって潤滑性をある程度下げた状態での伸線加工を行うためには、潤滑液中の潤滑成分の濃度を、通常の伸線に用いる時の濃度よりも下げて伸線加工を施したり、潤滑液の温度を潤滑剤の使用推奨温度よりも下げて伸線加工を施す。どの程度に潤滑性を下げた状態で伸線するかは、製造するスチールワイヤの強度や線径にもよるが、例えば、潤滑成分の濃度を下げる場合、スチールワイヤの伸線作業で通常使用する潤滑液の濃度の80〜20%の濃度とすればよい。潤滑性を下げ過ぎると、三元系の合金めっき層の脱落、スチールワイヤ質の劣化、あるいは、断線やダイス摩耗をもたらす。逆に、潤滑性の下げ方が足りないと、コバルトリッチ領域の割合が少なくなるので、ゴムとスチールコードとの接着性を十分に向上させることはできない。
また、前記伸線加工中の発熱が大きすぎると、温度上昇による三元系の合金めっき層の格子欠陥密度の減少の可能性や、スチールワイヤの延性劣化の可能性があるので、例えば、下記(i)〜(v)のような、発熱が小さくなる伸線条件を設定するとともに、ダイスからの出線温度を、接触式温度計で測定したときに150℃以下とすることが好ましい。
(i)1ダイス当たりの減面率を低めに設定する。
(ii)伸線速度を低めに設定する。
(iii)ダイスを冷却して温度上昇を抑制する。
(iv)ダイスに入線するスチールワイヤ材および/またはダイスから出線するスールフィラメントを冷却する。
(v)複数のダイスを使用する連続伸線工程において、最下流に位置する3つのダイスのうち、1つ以上のダイスの摩擦係数を0.18以上とする。
(i)1ダイス当たりの減面率を低めに設定する。
(ii)伸線速度を低めに設定する。
(iii)ダイスを冷却して温度上昇を抑制する。
(iv)ダイスに入線するスチールワイヤ材および/またはダイスから出線するスールフィラメントを冷却する。
(v)複数のダイスを使用する連続伸線工程において、最下流に位置する3つのダイスのうち、1つ以上のダイスの摩擦係数を0.18以上とする。
なお、前記コバルトリッチ領域を形成する際には、前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層の厚さは厚めにしたほうがよい。
また、前記湿式連続伸線にて製造する場合には、仕上げダイス、または、仕上げダイスを含む伸線下流の数ダイスにおける伸線を、上述したような潤滑性をある程度下げた状態で行い、他のダイスでは良好な潤滑条件で行うようにすれば、内部が結晶質で表面にコバルトリッチ領域が形成された前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を確実に製造することができる。
また、前記湿式連続伸線にて製造する場合には、仕上げダイス、または、仕上げダイスを含む伸線下流の数ダイスにおける伸線を、上述したような潤滑性をある程度下げた状態で行い、他のダイスでは良好な潤滑条件で行うようにすれば、内部が結晶質で表面にコバルトリッチ領域が形成された前記銅−亜鉛−コバルト合金めっき層を確実に製造することができる。
(ゴム組成物)
本発明のスチールコード・ゴム複合体を構成するゴム組成物は、前記スチールコードを被覆するゴム組成物であって、ゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、加硫剤と、加硫促進剤と、を含む。
そして、本発明では、前記カーボンブラックとして、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下であるカーボンブラックを用いるとともに、前記シリカとして、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上のシリカを用い、前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であり、且つ、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合(カーボンブラックの含有量:シリカの含有量)が、60:40〜85:15である。
本発明のスチールコード・ゴム複合体を構成するゴム組成物は、前記スチールコードを被覆するゴム組成物であって、ゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、加硫剤と、加硫促進剤と、を含む。
そして、本発明では、前記カーボンブラックとして、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下であるカーボンブラックを用いるとともに、前記シリカとして、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上のシリカを用い、前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であり、且つ、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合(カーボンブラックの含有量:シリカの含有量)が、60:40〜85:15である。
従来、ゴム組成物の低発熱性及び耐亀裂性を向上させるためには、カーボンブラックのアグリゲート構造の発達度合を小さくする低ストラクチャー化を行ったり、カーボンブラックを微粒径化することにより耐亀裂性を向上させ、凝集体分布をブロードにすることで発熱の悪化を抑えてきた。
しかしながら、カーボンブラックの形態をこのように制御しても、耐亀裂性の十分な向上が難しいという課題があった。これは、カーボンブラックの凝集体分布をブロードにすることで、大粒径成分が増えるためであると考えられる。
しかしながら、カーボンブラックの形態をこのように制御しても、耐亀裂性の十分な向上が難しいという課題があった。これは、カーボンブラックの凝集体分布をブロードにすることで、大粒径成分が増えるためであると考えられる。
そのため、前記ゴム組成物中のカーボンブラック及びシリカについて、上述したような構成とすることで、耐亀裂性と低発熱性とを高いレベルで両立することができる。この理由は、定かではないが、次の理由が推察される。
加硫ゴムの発熱は、一般に、加硫ゴムに含まれるカーボンブラック、シリカ等の充填剤が、ゴム中で擦れ合うことにより生じ、従って、既述のように、カーボンブラックの微粒径成分が増える環境では、低発熱性が悪化する傾向にある。そして、前記ゴム組成物では、CTAB吸着比表面積が110〜160m2/gとなる大粒径のカーボンブラック及びCTAB吸着比表面積が200m2/g以上となるような微粒径のシリカを用いるとともに、それぞれの含有量について調整を行うことによって、微粒径なシリカが、カーボンブラック同士の隙間に入り込み、粒子同士の凝集には影響を与えることなく、低発熱性の状態を維持することができる一方で、加硫ゴムの摩耗、亀裂のような破壊の領域においては、ゴムと、カーボンブラック及びシリカとが、強く相互作用するような状態にすることができるため、耐亀裂性を向上できると考えられる。
それによって、本発明では、発熱の悪化を抑えるためにカーボンブラックの凝集体分布をブロード化する必要性がなく、カーボンブラックのΔD50を60nm以下、ΔD50とDstとの比(ΔD50/Dst)を0.95以下として、カーボンブラックの凝集体分布をシャープ化することにより、カーボンブラックの大粒径成分の増加を抑制することができ、耐亀裂性を向上し得ると考えられる。
加硫ゴムの発熱は、一般に、加硫ゴムに含まれるカーボンブラック、シリカ等の充填剤が、ゴム中で擦れ合うことにより生じ、従って、既述のように、カーボンブラックの微粒径成分が増える環境では、低発熱性が悪化する傾向にある。そして、前記ゴム組成物では、CTAB吸着比表面積が110〜160m2/gとなる大粒径のカーボンブラック及びCTAB吸着比表面積が200m2/g以上となるような微粒径のシリカを用いるとともに、それぞれの含有量について調整を行うことによって、微粒径なシリカが、カーボンブラック同士の隙間に入り込み、粒子同士の凝集には影響を与えることなく、低発熱性の状態を維持することができる一方で、加硫ゴムの摩耗、亀裂のような破壊の領域においては、ゴムと、カーボンブラック及びシリカとが、強く相互作用するような状態にすることができるため、耐亀裂性を向上できると考えられる。
それによって、本発明では、発熱の悪化を抑えるためにカーボンブラックの凝集体分布をブロード化する必要性がなく、カーボンブラックのΔD50を60nm以下、ΔD50とDstとの比(ΔD50/Dst)を0.95以下として、カーボンブラックの凝集体分布をシャープ化することにより、カーボンブラックの大粒径成分の増加を抑制することができ、耐亀裂性を向上し得ると考えられる。
さらに、本発明では、前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であり、且つ、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合(カーボンブラックの含有量:シリカの含有量)が、60:40〜85:15であることによって、金属コードとの接着性を低下させることなく、加硫後のゴム組成物の耐亀裂性等の耐久性をさらに高めることができる。
以下、前記ゴム組成物の構成成分について説明する。
・ゴム成分
前記ゴム組成物に含まれるゴム成分については、特に限定はされない。例えば、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも一種のジエン系ゴムを含むことができる。
前記合成ジエン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン−イソプレンゴム(BIR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム(SBIR)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)等が挙げられる。
・ゴム成分
前記ゴム組成物に含まれるゴム成分については、特に限定はされない。例えば、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも一種のジエン系ゴムを含むことができる。
前記合成ジエン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエン−イソプレンゴム(BIR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム(SBIR)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)等が挙げられる。
また、前記ゴム成分は、低ロス性を低下させることなく、耐亀裂性を向上できる観点からは、前記ジエン系ゴムとして、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及び、イソブチレン−イソプレンゴムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、天然ゴム及びブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
さらに、前記ゴム成分は、低ロス性を低下させることなく、耐亀裂性を向上できる観点からは、少なくとも前記天然ゴムを含むことが好ましい。さらにまた、前記ゴム成分が天然ゴムを含有する場合、前記天然ゴムの含有割合は、耐摩耗性及び耐亀裂性をより向上する観点から、前記ゴム成分において70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
なお、前記ゴム成分は、本発明の効果を損なわない限度において、非ジエン系ゴムを含むこともできる。
さらに、前記ゴム成分は、低ロス性を低下させることなく、耐亀裂性を向上できる観点からは、少なくとも前記天然ゴムを含むことが好ましい。さらにまた、前記ゴム成分が天然ゴムを含有する場合、前記天然ゴムの含有割合は、耐摩耗性及び耐亀裂性をより向上する観点から、前記ゴム成分において70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
なお、前記ゴム成分は、本発明の効果を損なわない限度において、非ジエン系ゴムを含むこともできる。
・カーボンブラック
また、前記ゴム組成物は、前記ゴム成分に加えて、カーボンブラックを含む。
前記カーボンブラックについては、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下である。
また、前記ゴム組成物は、前記ゴム成分に加えて、カーボンブラックを含む。
前記カーボンブラックについては、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下である。
前記カーボンブラックは、前記CTAB吸着比表面積を110〜160m2/gの範囲にすることで、低発熱性及び耐亀裂性を高いレベルで維持できる。前記CTAB吸着比表面積が110m2/g未満であると、十分な耐摩耗性が得られず、前記CTAB吸着比表面積が160m2/gを超えると低発熱性が悪化する。また、耐亀裂性をより向上する観点からは、前記カーボンブラックのCTAB吸着比表面積が、115m2/g以上であることが好ましく、120m2/g以上であることがより好ましい。また、低発熱性をより向上する観点からは、前記カーボンブラックのCTAB吸着比表面積が、157m2/g以下であることが好ましく、153m2/g以下であることがより好ましい。
なお、前記カーボンブラックのCTAB吸着比表面積は、JIS K 6217−3:2001年(比表面積の求め方−CTAB吸着法)に準拠した方法で測定することができる。
なお、前記カーボンブラックのCTAB吸着比表面積は、JIS K 6217−3:2001年(比表面積の求め方−CTAB吸着法)に準拠した方法で測定することができる。
また、前記カーボンブラックは、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50を60nm以下とすることで、耐亀裂性の向上を図ることができる。また、前記ΔD50の下限値は特に制限されないが、製造性の観点からは、20nm以上であることが好ましい。さらに、ゴム組成物の耐亀裂性と製造性との両立の観点からは、前記カーボンブラックのΔD50を、20〜55nmとすることが好ましく、25〜50nmとすることがより好ましい。
なお、前記半値幅ΔD50(nm)は、遠心沈降法で得られた凝集体分布曲線において、その頻度が最大である点の半分の高さのときの分布の幅である。前記ストークス相当径Dstは、JIS K6217−6記載の方法に従って遠心沈降法を用いて得られた凝集体分布の最多頻度を与える凝集体サイズのことであり、ストークス沈降径とも呼ばれる。このDstをカーボンブラック凝集体の平均径とする。また、本発明では、カーボンブラックの凝集体分布は、体積基準での凝集体分布を意味している。
なお、前記半値幅ΔD50(nm)は、遠心沈降法で得られた凝集体分布曲線において、その頻度が最大である点の半分の高さのときの分布の幅である。前記ストークス相当径Dstは、JIS K6217−6記載の方法に従って遠心沈降法を用いて得られた凝集体分布の最多頻度を与える凝集体サイズのことであり、ストークス沈降径とも呼ばれる。このDstをカーボンブラック凝集体の平均径とする。また、本発明では、カーボンブラックの凝集体分布は、体積基準での凝集体分布を意味している。
さらに、前記カーボンブラックは、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)を0.95以下とすることで、優れた耐亀裂性を実現できる。前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)の下限値については特に限定はされないが、低発熱性を悪化させない観点からは、0.50以上であることが好ましい。また、ゴム組成物の耐亀裂性と低発熱性とのより高いレベルでの両立の観点からは、ΔD50/Dstは、0.50〜0.90であることが好ましく、0.55〜0.87であることがより好ましい。
さらにまた、前記カーボンブラックは、圧縮ジブチルフタレート(24M4DBP)吸収量が、80〜110cm3/100gであることが好ましい。
前記カーボンブラックの24M4DBP吸収量を、80cm3/100g以上とすることで、ゴム補足力が強まり、耐摩耗性及び耐亀裂性を高めることができ、110cm3/100g以下とすることで、発熱性が低くなり、また未加硫ゴム粘度が低下して工場での加工性が良好となる。さらに、同様の観点から、前記カーボンブラックの24M4DBP吸収量は、80〜105cm3/100gであることがより好ましく、80〜100cm3/100gであることがさらに好ましい。
なお、前記カーボンブラックの24M4DBP吸収量(cm3/100g)は、ISO 6894に準拠し、24,000psiの圧力で4回繰り返し圧力を加えた後、DBP(ジブチルフタレート)吸収量を測定した値である。この24M4DBP吸収量は、いわゆるファンデルワールス力により生じている変形・破壊性の構造形態(2次ストラクチャー)によるDBP吸収量を排除し、非破壊性の真のストラクチャーの構造形態(1次ストラクチャー)に基づくDBP吸収量を求めるときに用いる、1次ストラクチャーを主体とするカーボンブラックの骨格的構造特定を評価する指標である。
前記カーボンブラックの24M4DBP吸収量を、80cm3/100g以上とすることで、ゴム補足力が強まり、耐摩耗性及び耐亀裂性を高めることができ、110cm3/100g以下とすることで、発熱性が低くなり、また未加硫ゴム粘度が低下して工場での加工性が良好となる。さらに、同様の観点から、前記カーボンブラックの24M4DBP吸収量は、80〜105cm3/100gであることがより好ましく、80〜100cm3/100gであることがさらに好ましい。
なお、前記カーボンブラックの24M4DBP吸収量(cm3/100g)は、ISO 6894に準拠し、24,000psiの圧力で4回繰り返し圧力を加えた後、DBP(ジブチルフタレート)吸収量を測定した値である。この24M4DBP吸収量は、いわゆるファンデルワールス力により生じている変形・破壊性の構造形態(2次ストラクチャー)によるDBP吸収量を排除し、非破壊性の真のストラクチャーの構造形態(1次ストラクチャー)に基づくDBP吸収量を求めるときに用いる、1次ストラクチャーを主体とするカーボンブラックの骨格的構造特定を評価する指標である。
なお、前記カーボンブラックの種類は、上述したCTAB、ΔD50及びDstが上記範囲となるものであれば特に制限されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等のカーボンブラックが挙げられ、市販品を用いてもよい。なお、前記カーボンブラックの種類は、一種のみを用いてもよいし、二種類以上を用いてもよい。
また、前記カーボンブラックは、カーボンブラックの含有量(質量)と、後述するシリカの含有量(質量)との合計量が、ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であることを要する。前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が、ゴム成分100質量部に対して30質量部未満であると、加硫後のゴム組成物の耐亀裂性が十分に得られず、一方、80質量部を超えると、加硫後のゴム組成物の低発熱性が悪化する。カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量は、加硫後のゴム組成物の耐亀裂性向上の観点から、前記ゴム成分100質量部に対して40質量部以上であることが好ましく、45質量部以上であることがより好ましい。加えて、カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量は、加硫後のゴム組成物の低発熱性改善の観点から、前記ゴム成分100質量部に対して70質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。
なお、カーボンブラック及びシリカの含有量については、それぞれ複数種のカーボンブラック及びシリカを用いる場合は、複数種の合計量を含有量とする。例えば、含有量(b1)のカーボンブラック1と含有量(b2)のカーボンブラック2との二種を含む場合は、カーボンブラックの含有量(b)は、(b1)+(b2)として計算される。
なお、カーボンブラック及びシリカの含有量については、それぞれ複数種のカーボンブラック及びシリカを用いる場合は、複数種の合計量を含有量とする。例えば、含有量(b1)のカーボンブラック1と含有量(b2)のカーボンブラック2との二種を含む場合は、カーボンブラックの含有量(b)は、(b1)+(b2)として計算される。
さらに、前記ゴム組成物は、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合(カーボンブラックの含有量:シリカの含有量)が、60:40〜85:15であることを要する。この割合は、カーボンブラックの含有量(b)とシリカの含有量(c)との合計含有量(d)に対する、カーボンブラックの含有割合〔[(b)/(d)]×100〕が60〜85質量%であることを意味する。この合計含有量に対するカーボンブラックの含有割合が、60質量%未満であると、耐亀裂性の低下が起こり、85質量%を超えると低発熱性が悪化する。同様の観点から、前記合計含有量におけるカーボンブラックの含有割合は、上記観点から、65〜85質量%(シリカの含有割合が35〜15質量%)であることが好ましく、70〜85質量%(シリカの含有割合が30〜15質量%)であることがより好ましく、76〜85質量%(シリカの含有割合が24〜15質量%)であることがさらに好ましい。
・シリカ
前記ゴム組成物は、前記ゴム成分及び前記カーボンブラックに加えて、シリカを含む。
前記シリカについては、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上である。前記シリカのCTAB吸着比表面積を200m2/g以上とすることで、ゴム組成物の耐亀裂性を高めることができる。
なお、前記シリカのCTAB吸着比表面積については、ASTM−D3765−80の方法に準拠した方法で測定することができる。
前記ゴム組成物は、前記ゴム成分及び前記カーボンブラックに加えて、シリカを含む。
前記シリカについては、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上である。前記シリカのCTAB吸着比表面積を200m2/g以上とすることで、ゴム組成物の耐亀裂性を高めることができる。
なお、前記シリカのCTAB吸着比表面積については、ASTM−D3765−80の方法に準拠した方法で測定することができる。
また、前記シリカのCTAB吸着比表面積は、より優れた耐亀裂性を実現できる観点から、210m2/g以上であることが好ましく、220m2/g以上であることがより好ましく、230m2/g以上であることがさらに好ましい。
前記シリカのCTAB吸着比表面積の上限値については特に限定はされないが、現時点において、300m2/gを超えるシリカを入手することはできない。
前記シリカのCTAB吸着比表面積の上限値については特に限定はされないが、現時点において、300m2/gを超えるシリカを入手することはできない。
さらに、前記シリカは、BET法によって測定された比表面積(BET比表面積)が100〜300m2/gであることが好ましく、150〜250m2/gであることがより好ましい。前記シリカのBET比表面積を100〜300m2/gとすることで、シリカ同士の凝集を抑えるとともに、ゴムの補強性に要する表面積を確保することができ、低発熱性と耐亀裂性とをより高いレベルで両立できる。
なお、前記シリカのBET比表面積については、JISK 6430:2008年の方法に準拠して測定することができる。
なお、前記シリカのBET比表面積については、JISK 6430:2008年の方法に準拠して測定することができる。
前記シリカの種類については、前記CTAB吸着比表面積が200m2/g以上となるものであれば特に制限はなく、例えば、湿式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
上述した中でも、前記シリカは、湿式シリカであることが好ましく、沈降シリカであることがより好ましい。これらのシリカは、分散性が高く、低発熱性の改善を図り、且つ、耐亀裂性をより向上できる。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性〜アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させる結果得られるシリカのことである。
また、前記シリカは、市販品でもよく、例えば、ローディア社のZeosilPremium 200MP(商品名)として、入手することができる。
なお、前記シリカは、一種のみ用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上述した中でも、前記シリカは、湿式シリカであることが好ましく、沈降シリカであることがより好ましい。これらのシリカは、分散性が高く、低発熱性の改善を図り、且つ、耐亀裂性をより向上できる。なお、沈降シリカとは、製造初期に、反応溶液を比較的高温、中性〜アルカリ性のpH領域で反応を進めてシリカ一次粒子を成長させ、その後酸性側へ制御することで、一次粒子を凝集させる結果得られるシリカのことである。
また、前記シリカは、市販品でもよく、例えば、ローディア社のZeosilPremium 200MP(商品名)として、入手することができる。
なお、前記シリカは、一種のみ用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
また、前記シリカの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜25質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましく、5〜14質量部であることがより好ましい。前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して2質量部以上であれば、耐亀裂性をより向上でき、25質量部以下とすることで、加工性悪化を抑えることができる。
・シランカップリング剤
前記ゴム組成物は、シリカを含有しているため、シリカ−ゴム成分間の結合を強化して補強性をさらに高めた上で、シリカの分散性を向上させるため、シランカップリング剤を含むこともできる。
前記シランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量を100%としたときに、5〜15質量%以下であることが好ましい。前記シランカップリング剤の含有量が前記シリカの含有量に対して15質量%以下であることで、シリカの分散性を改良する効果が得られるとともに、経済性も損ないにくい。また、シランカップリング剤の含有量が、シリカの含有量を100%としたときに5質量%以上であることで、ゴム組成物中のシリカの分散性を高めることができる。
前記ゴム組成物は、シリカを含有しているため、シリカ−ゴム成分間の結合を強化して補強性をさらに高めた上で、シリカの分散性を向上させるため、シランカップリング剤を含むこともできる。
前記シランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量を100%としたときに、5〜15質量%以下であることが好ましい。前記シランカップリング剤の含有量が前記シリカの含有量に対して15質量%以下であることで、シリカの分散性を改良する効果が得られるとともに、経済性も損ないにくい。また、シランカップリング剤の含有量が、シリカの含有量を100%としたときに5質量%以上であることで、ゴム組成物中のシリカの分散性を高めることができる。
なお、シランカップリング剤は、特に制限されない。例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールトリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が好適に挙げられる。
・加硫剤
前記ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック及びシリカ、並びに、任意成分のシランカップリング剤に加えて、加硫剤を含む。
ここで、前記加硫剤の含有量については、特に限定はされないが、前記ゴム成分100質量部に対して、3.0〜7.0質量部であることが好ましい。加硫剤を、上記範囲で含有することによって、金属コードとの密着性を低下させることなく、ゴム組成物の加硫後の強度(耐亀裂性等)を高めることができるためである。
なお、前記加硫剤の種類については、例えば、硫黄等が挙げられる。
前記ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック及びシリカ、並びに、任意成分のシランカップリング剤に加えて、加硫剤を含む。
ここで、前記加硫剤の含有量については、特に限定はされないが、前記ゴム成分100質量部に対して、3.0〜7.0質量部であることが好ましい。加硫剤を、上記範囲で含有することによって、金属コードとの密着性を低下させることなく、ゴム組成物の加硫後の強度(耐亀裂性等)を高めることができるためである。
なお、前記加硫剤の種類については、例えば、硫黄等が挙げられる。
・加硫促進剤
前記ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、シリカ及び加硫剤、並びに、任意成分のシランカップリング剤に加えて、加硫促進剤を含む。
前記加硫促進剤を含むことによって、加硫を促進させ、ゴム組成物の加硫後の強度をより高めることができる。
前記ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、シリカ及び加硫剤、並びに、任意成分のシランカップリング剤に加えて、加硫促進剤を含む。
前記加硫促進剤を含むことによって、加硫を促進させ、ゴム組成物の加硫後の強度をより高めることができる。
ここで、前記加硫促進剤の種類については、特に限定はされず、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の加硫促進剤が挙げられる。これらの加硫促進剤は、一種のみ用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、上述した加硫促進剤の中でも、ゴム組成物の加硫後の強度をより高めることができる観点からは、スルフェンアミド系の加硫促進剤を用いることが好ましい。
前記スルフェンアミド系の加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
これらの中でも、前記加硫促進剤は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを少なくとも含むことがより好ましい。
前記スルフェンアミド系の加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
これらの中でも、前記加硫促進剤は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを少なくとも含むことがより好ましい。
さらに、前記加硫促進剤の含有量は、ゴム組成物の低発熱性と耐亀裂性とをさらに向上する観点から、ゴム成分100質量部に対して、0.8質量部以上が好ましく、0.9質量部以上がより好ましく、また、2.8質量部以下であることが好ましく、2.5質量部以下であることがより好ましく、2.3質量部以下であることがさらに好ましい。
なお、本発明における前記ゴム組成物は、上述したゴム成分、カーボンブラック、シリカ、加硫剤及び加硫促進剤、並びに、任意成分としてのシランカップリング剤の他にも、その他の成分を、発明の効果を損なわない程度に含むことができる。
その他の成分としては、例えば、軟化剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華、樹脂、ワックス、オイル等の、ゴム工業界で通常使用されている添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜含むことができる。
その他の成分としては、例えば、軟化剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華、樹脂、ワックス、オイル等の、ゴム工業界で通常使用されている添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜含むことができる。
前記その他成分のうち、亜鉛華(ZnO)については、加硫促進助剤として用いられる。
前記ゴム組成物が亜鉛華をさらに含むことによって、加硫を促進させ、ゴム組成物の加硫後の強度をより高めることができる。
ここで、前記亜鉛華の含有量については、特に限定はされないが、ゴム組成物の低発熱性と耐亀裂性とをさらに向上する観点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、4〜12質量部であることが好ましく、6〜10質量部であることがより好ましい。
前記ゴム組成物が亜鉛華をさらに含むことによって、加硫を促進させ、ゴム組成物の加硫後の強度をより高めることができる。
ここで、前記亜鉛華の含有量については、特に限定はされないが、ゴム組成物の低発熱性と耐亀裂性とをさらに向上する観点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、4〜12質量部であることが好ましく、6〜10質量部であることがより好ましい。
そして本発明では、前記ゴム組成物中のコバルト化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以下であることを要する。環境への負荷を低減し、各種規制へ対応するためである。
同様の観点から、前記ゴム組成物は、前記コバルト化合物を含まない(コバルトフリーである)ことが好ましい。
同様の観点から、前記ゴム組成物は、前記コバルト化合物を含まない(コバルトフリーである)ことが好ましい。
なお、ゴム組成物の製造方法は、特に限定はされない。
例えば、上述した各成分を配合して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を使用して混練することによって製造することができる。
なお、本発明のゴム組成物の各成分の混練は、全一段階で行ってもよく、二段階以上に分けて行ってもよい。
例えば、上述した各成分を配合して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を使用して混練することによって製造することができる。
なお、本発明のゴム組成物の各成分の混練は、全一段階で行ってもよく、二段階以上に分けて行ってもよい。
また、前記スチールコードを前記ゴム組成物によって被覆する方法としては、特に限定はされないが、例えば以下に示す方法を用いることができる。
三元系の合金めっき層を有するスチールコードを、所定の本数、所定の間隔で平行に並べ、これらのスチールコードを上下両側から、上述したゴム組成物からなる厚さ0.5mm程度の未加硫のゴムシートでコーティングした後、例えば160℃程度の温度で、20分間程度加硫処理する。
このようにして得られたスチールコード・ゴム複合体は、低発熱性と耐亀裂性との両立に加えて、優れた金属−ゴム接着性を有する。
三元系の合金めっき層を有するスチールコードを、所定の本数、所定の間隔で平行に並べ、これらのスチールコードを上下両側から、上述したゴム組成物からなる厚さ0.5mm程度の未加硫のゴムシートでコーティングした後、例えば160℃程度の温度で、20分間程度加硫処理する。
このようにして得られたスチールコード・ゴム複合体は、低発熱性と耐亀裂性との両立に加えて、優れた金属−ゴム接着性を有する。
なお、本発明のスチールコード・ゴム複合体の用途は、特に限定はされない。例えば、各種自動車用タイヤ、コンベヤベルト、ホース、ゴムクローラ等、特に強度が要求されるゴム物品に用いられ、それらの中の補強材として用いることができる。特に、各種自動車用ラジアルタイヤのベルト、カーカス、ワイヤーチェーファーなどの補強部材として好適に用いることができる。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、上述した本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする。
タイヤを構成する部材として、本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いることによって、低転がり抵抗性の向上が可能になるとともに、耐亀裂性についても改善できるため、スチールコード・ゴム複合体を使用した部材の耐久性を向上させることができる。
本発明のタイヤは、上述した本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする。
タイヤを構成する部材として、本発明のスチールコード・ゴム複合体を用いることによって、低転がり抵抗性の向上が可能になるとともに、耐亀裂性についても改善できるため、スチールコード・ゴム複合体を使用した部材の耐久性を向上させることができる。
また、本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、該空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
なお、本発明のタイヤの製造方法は特に限定されず、常法に基づき製造することができる。一般に、各種成分を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが製造される。例えば、ゴム組成物を混練の上、得られたゴム組成物でスチールコードをゴム引きして未加硫のベルト、未加硫のカーカス、及び他の未加硫部材を積層し、未加硫積層体を加硫することでタイヤを得ることができる。
なお、本発明のタイヤの製造方法は特に限定されず、常法に基づき製造することができる。一般に、各種成分を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが製造される。例えば、ゴム組成物を混練の上、得られたゴム組成物でスチールコードをゴム引きして未加硫のベルト、未加硫のカーカス、及び他の未加硫部材を積層し、未加硫積層体を加硫することでタイヤを得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<サンプル1〜10>
表1に示す成分を用い、表1に示す成分組成に従って、サンプルのゴム組成物を調製した。
その後、種々のめっき層を有するスチールコードA〜Cを、12.5 mm 間隔で平行に並べ、該スチールコードを上下から各ゴム組成物で被覆した後、160℃で7 分間加硫することで、スチールコードとゴム組成物とを接着させた。このようにして、厚さ1mm のゴムシートにスチールコードが埋設された、スチールコード・ゴム複合体を得た(スチールコードは、ゴムシートの厚さ方向中央に位置する平面内に、12.5mm間隔で並んでいる)。
なお、カーボンブラックの詳細については、表1中に示している。また、各成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)である。また、いずれのゴム組成物中にもコバルトは含有されていない。
表1に示す成分を用い、表1に示す成分組成に従って、サンプルのゴム組成物を調製した。
その後、種々のめっき層を有するスチールコードA〜Cを、12.5 mm 間隔で平行に並べ、該スチールコードを上下から各ゴム組成物で被覆した後、160℃で7 分間加硫することで、スチールコードとゴム組成物とを接着させた。このようにして、厚さ1mm のゴムシートにスチールコードが埋設された、スチールコード・ゴム複合体を得た(スチールコードは、ゴムシートの厚さ方向中央に位置する平面内に、12.5mm間隔で並んでいる)。
なお、カーボンブラックの詳細については、表1中に示している。また、各成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部)である。また、いずれのゴム組成物中にもコバルトは含有されていない。
スチールコードA〜Cは、以下の通り作製した。
●スチールコードA:通常めっき
銅 63.0質量%、亜鉛 37.0質量%、にて、銅、亜鉛の順に直径1.7 mmのスチールワイヤにめっきを繰り返し、その後 550℃において5秒間熱拡散処理を行い、所望する二元系の合金めっきを得た後(通常めっき)、伸線加工を施し、めっき平均厚み0.25μm、直径0.30mmのスチールワイヤを得た。得られた各スチールワイヤを用いて、1×3×0.30(mm)構造の撚りコードであるスチールコードAを作製した。
●スチールコードA:通常めっき
銅 63.0質量%、亜鉛 37.0質量%、にて、銅、亜鉛の順に直径1.7 mmのスチールワイヤにめっきを繰り返し、その後 550℃において5秒間熱拡散処理を行い、所望する二元系の合金めっきを得た後(通常めっき)、伸線加工を施し、めっき平均厚み0.25μm、直径0.30mmのスチールワイヤを得た。得られた各スチールワイヤを用いて、1×3×0.30(mm)構造の撚りコードであるスチールコードAを作製した。
●スチールコードB:銅−亜鉛−コバルト合金めっき
銅67.0質量%、亜鉛29.0質量%、コバルト4.0質量%にて、銅、亜鉛、コバルトの順に直径1.7mmのスチールワイヤにめっきを繰り返し、その後550℃において5秒間熱拡散処理を行い、銅−亜鉛−コバルト合金めっきを得た後(三元系の合金めっき)、伸線加工を施し、めっき平均厚み0.25μm、直径0.30mmのスチールワイヤを得た。得られた各スチールワイヤを用いて、1×3×0.30(mm)構造の撚りコードであるスチールコードBを作製した。
銅67.0質量%、亜鉛29.0質量%、コバルト4.0質量%にて、銅、亜鉛、コバルトの順に直径1.7mmのスチールワイヤにめっきを繰り返し、その後550℃において5秒間熱拡散処理を行い、銅−亜鉛−コバルト合金めっきを得た後(三元系の合金めっき)、伸線加工を施し、めっき平均厚み0.25μm、直径0.30mmのスチールワイヤを得た。得られた各スチールワイヤを用いて、1×3×0.30(mm)構造の撚りコードであるスチールコードBを作製した。
●スチールコードC:銅−亜鉛−コバルト合金めっき+表面処理
銅67.0質量%、亜鉛29.0質量%、コバルト4.0質量%にて、銅、亜鉛、コバルトの順に直径1.7mmのスチールワイヤにめっきを繰り返し、その後550℃において5秒間熱拡散処理を行い、銅−亜鉛−コバルト合金めっきを得た後(三元系の合金めっき)、三元系の合金めっき層の極表面のみをダイヤモンドダイスによる伸線加工により強加工(強加工の表面処理)を施し、めっき層の表面にコバルトリッチ領域を形成することで、めっき平均厚み0.25μm、直径0.30mmのスチールワイヤを得た。得られた各スチールワイヤを用いて、1×3×0.30(mm)構造の撚りコードであるスチールコードCを作製した。
銅67.0質量%、亜鉛29.0質量%、コバルト4.0質量%にて、銅、亜鉛、コバルトの順に直径1.7mmのスチールワイヤにめっきを繰り返し、その後550℃において5秒間熱拡散処理を行い、銅−亜鉛−コバルト合金めっきを得た後(三元系の合金めっき)、三元系の合金めっき層の極表面のみをダイヤモンドダイスによる伸線加工により強加工(強加工の表面処理)を施し、めっき層の表面にコバルトリッチ領域を形成することで、めっき平均厚み0.25μm、直径0.30mmのスチールワイヤを得た。得られた各スチールワイヤを用いて、1×3×0.30(mm)構造の撚りコードであるスチールコードCを作製した。
●シリカの製造方法
10g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O重量比が3.5)の12Lを25Lのステンレス鋼製反応器に導入した。この溶液を80℃に加熱した。全反応をこの温度で実施した。80g/Lの濃度を有する硫酸をpHが8.9の値に達するまで撹拌しながら(300rpm、プロペラ攪拌機)導入した。
230g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O重量比が3.5)を76g/分の速度で、及び80g/Lの濃度を有する硫酸を反応混合物のpHを8.9の値に維持するように設定された速度で該反応器に15分にわたって同時に導入した。その後、凝集した粒子のゾルが得られた。このゾルを回収し、そして冷水が循環している銅コイルを使用して急速に冷却した。反応器を迅速に清浄にした。
4Lの純水をこの25L反応器に導入した。80g/Lの濃度を有する硫酸をpHが4の値に達するまで導入した。195g/分の流量での冷却ゾル及びpHを4に設定するのを可能にする流量での硫酸(80g/Lの濃度を有する)の同時添加を40分にわたって実施した。10分間続く熟成工程を実施した。
同時ゾル/硫酸添加の40分後には、20分間にわたる76g/分の流量での珪酸ナトリウム(第1の同時添加の場合と同一の珪酸ナトリウム)及び反応混合物のpHが4となるように維持するように設定された流量での硫酸(80g/L)の同時添加があった。20分後に、酸の流れをpHが8となったときに停止させた。
新たな同時添加を60分にわたって76g/分の珪酸ナトリウム流量で(第1の同時添加の場合と同一の珪酸ナトリウム)及び反応混合物のpHを8の値に維持するように設定された硫酸(80g/Lの濃度を有する)の流量で実施した。撹拌速度を混合物が非常に粘稠になったときに増加させた。
この同時添加後に、反応混合物を80g/Lの濃度を有する硫酸によって5分間にわたって4のpHにした。混合物を10分にわたってpH4で熟成させた。スラリーを減圧下で濾過及び洗浄し(15%のケーク固形分)、希釈後、得られたケークを機械的に砕解した。得られたスラリーをタービン噴霧乾燥機によって噴霧乾燥させ、サンプルのシリカを得た。
10g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O重量比が3.5)の12Lを25Lのステンレス鋼製反応器に導入した。この溶液を80℃に加熱した。全反応をこの温度で実施した。80g/Lの濃度を有する硫酸をpHが8.9の値に達するまで撹拌しながら(300rpm、プロペラ攪拌機)導入した。
230g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(SiO2/Na2O重量比が3.5)を76g/分の速度で、及び80g/Lの濃度を有する硫酸を反応混合物のpHを8.9の値に維持するように設定された速度で該反応器に15分にわたって同時に導入した。その後、凝集した粒子のゾルが得られた。このゾルを回収し、そして冷水が循環している銅コイルを使用して急速に冷却した。反応器を迅速に清浄にした。
4Lの純水をこの25L反応器に導入した。80g/Lの濃度を有する硫酸をpHが4の値に達するまで導入した。195g/分の流量での冷却ゾル及びpHを4に設定するのを可能にする流量での硫酸(80g/Lの濃度を有する)の同時添加を40分にわたって実施した。10分間続く熟成工程を実施した。
同時ゾル/硫酸添加の40分後には、20分間にわたる76g/分の流量での珪酸ナトリウム(第1の同時添加の場合と同一の珪酸ナトリウム)及び反応混合物のpHが4となるように維持するように設定された流量での硫酸(80g/L)の同時添加があった。20分後に、酸の流れをpHが8となったときに停止させた。
新たな同時添加を60分にわたって76g/分の珪酸ナトリウム流量で(第1の同時添加の場合と同一の珪酸ナトリウム)及び反応混合物のpHを8の値に維持するように設定された硫酸(80g/Lの濃度を有する)の流量で実施した。撹拌速度を混合物が非常に粘稠になったときに増加させた。
この同時添加後に、反応混合物を80g/Lの濃度を有する硫酸によって5分間にわたって4のpHにした。混合物を10分にわたってpH4で熟成させた。スラリーを減圧下で濾過及び洗浄し(15%のケーク固形分)、希釈後、得られたケークを機械的に砕解した。得られたスラリーをタービン噴霧乾燥機によって噴霧乾燥させ、サンプルのシリカを得た。
●カーボンブラックの物性
なお、表1に示すカーボンブラックの諸物性は、以下の方法にて求めた。
(i)圧縮ジブチルフタレート吸収量(24M4DBP)
24M4DBP吸収量(cm3/100g)は、ISO 6894に準拠して測定した。
なお、表1に示すカーボンブラックの諸物性は、以下の方法にて求めた。
(i)圧縮ジブチルフタレート吸収量(24M4DBP)
24M4DBP吸収量(cm3/100g)は、ISO 6894に準拠して測定した。
(ii)CTAB吸着比表面積
CTAB吸着比表面積(m2/g)は、JIS K 6217−3:2001(比表面積の求め方−CTAB吸着法)に準拠した方法で測定した。
CTAB吸着比表面積(m2/g)は、JIS K 6217−3:2001(比表面積の求め方−CTAB吸着法)に準拠した方法で測定した。
(iii)凝集体分布(遠心沈降法)
測定装置としては、Disk Centrifuge Photosedimentometer(DCP)「BI-DCP Particle sizer」(Brookhaven社製)を用いた。また、以下のとおり、ISO/CD 15825−3に準拠して測定した。
若干の界面活性剤を加えた25容量%エタノール水溶液中に、0.05〜0.1質量%のカーボンブラックを加え、超音波処理(1/2インチ発振チップ、出力50W)を施して完全に分散させて分散液とした。沈殿液(スピン液)として蒸留水17.5mLを注加した回転ディスクの回転数を8,000rpmとし、上記分散液0.02〜0.03mLを注加した。上記分散液の注加と同時に記録計を作動させ、回転ディスクの外周近傍の一定点を沈降により通過するカーボンブラック凝集体量を光学的に測定し、その吸光度(頻度)を時間に対する連続曲線として記録した。沈降時間を下記のストークスの一般式(A)によってストークス相当径dに換算し、凝集体のストークス相当径とその頻度との対応曲線を得た。
d=K/√t (A)
上記式(A)において、dは沈殿開始t分後における回転ディスクの光学測定点を通過するカーボンブラック凝集体のストークス相当径(nm)である。定数Kは、測定時におけるスピン液の温度、粘度、カーボンブラックとの密度差(カーボンブラックの真密度を1.86g/cm3とする)、及び回転ディスクの回転数により決定される値である。本実施例及び比較例では、スピン液として蒸留水17.5mLを用い、測定温度23.5℃、ディスク回転数8,000rpmとしたため、定数Kは261.75となった。この測定結果から、ストークス径Dst(nm)、半値幅ΔD50(nm)、及び比(ΔD50/Dst)を得た。なお、ストークス径Dst及び半値幅ΔD50の定義は以下のとおりである。
ストークス径Dst:上記の凝集体のストークス相当径とその頻度との対応曲線において、最多頻度を示すストークス相当径のことをいう。
半値幅ΔD50:上記の凝集体のストークス相当径dとその頻度との対応曲線において、その頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅のことをいう。
測定装置としては、Disk Centrifuge Photosedimentometer(DCP)「BI-DCP Particle sizer」(Brookhaven社製)を用いた。また、以下のとおり、ISO/CD 15825−3に準拠して測定した。
若干の界面活性剤を加えた25容量%エタノール水溶液中に、0.05〜0.1質量%のカーボンブラックを加え、超音波処理(1/2インチ発振チップ、出力50W)を施して完全に分散させて分散液とした。沈殿液(スピン液)として蒸留水17.5mLを注加した回転ディスクの回転数を8,000rpmとし、上記分散液0.02〜0.03mLを注加した。上記分散液の注加と同時に記録計を作動させ、回転ディスクの外周近傍の一定点を沈降により通過するカーボンブラック凝集体量を光学的に測定し、その吸光度(頻度)を時間に対する連続曲線として記録した。沈降時間を下記のストークスの一般式(A)によってストークス相当径dに換算し、凝集体のストークス相当径とその頻度との対応曲線を得た。
d=K/√t (A)
上記式(A)において、dは沈殿開始t分後における回転ディスクの光学測定点を通過するカーボンブラック凝集体のストークス相当径(nm)である。定数Kは、測定時におけるスピン液の温度、粘度、カーボンブラックとの密度差(カーボンブラックの真密度を1.86g/cm3とする)、及び回転ディスクの回転数により決定される値である。本実施例及び比較例では、スピン液として蒸留水17.5mLを用い、測定温度23.5℃、ディスク回転数8,000rpmとしたため、定数Kは261.75となった。この測定結果から、ストークス径Dst(nm)、半値幅ΔD50(nm)、及び比(ΔD50/Dst)を得た。なお、ストークス径Dst及び半値幅ΔD50の定義は以下のとおりである。
ストークス径Dst:上記の凝集体のストークス相当径とその頻度との対応曲線において、最多頻度を示すストークス相当径のことをいう。
半値幅ΔD50:上記の凝集体のストークス相当径dとその頻度との対応曲線において、その頻度が最大点の半分の高さのときの分布の幅のことをいう。
<評価>
以下の条件で、の耐亀裂性、低発熱性及び接着性について評価を行った。評価結果を表1に示す。
以下の条件で、の耐亀裂性、低発熱性及び接着性について評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)耐亀裂性
各サンプルのスチールコード・ゴム複合体から切り出した加硫ゴム試験片に対し、100℃の空気雰囲気下で24時間劣化させた後、ダンベル状に打ち抜き、中心部に1mmの予亀裂を入れたサンプルを疲労試験機にて、80℃、チャック間距離20mm、一定応力の条件で、5Hzのストロークを与え、完全に破断するまでの回数を測定した。
評価については、サンプル1の加硫ゴム試験片が破断するまでの回数を100としたときの指数として表示し、この指数値が大きいほど寿命が長く、耐亀裂性が優れていることを示す。
各サンプルのスチールコード・ゴム複合体から切り出した加硫ゴム試験片に対し、100℃の空気雰囲気下で24時間劣化させた後、ダンベル状に打ち抜き、中心部に1mmの予亀裂を入れたサンプルを疲労試験機にて、80℃、チャック間距離20mm、一定応力の条件で、5Hzのストロークを与え、完全に破断するまでの回数を測定した。
評価については、サンプル1の加硫ゴム試験片が破断するまでの回数を100としたときの指数として表示し、この指数値が大きいほど寿命が長く、耐亀裂性が優れていることを示す。
(2)低発熱性
各サンプルのスチールコード・ゴム複合体から切り出した加硫ゴム試験片に対し、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪5%、周波数15Hzでtanδを測定した。
評価については、サンプル1のtanδを100として、下記式にて各サンプルの試験片の発熱性指数を表示した。指数値が小さいほど、ヒステリシスロスが小さく、低発熱性が良好であることを示す。
発熱性指数={(各サンプルの試験片のtanδ)/(比較例1の試験片のtanδ)}×100
各サンプルのスチールコード・ゴム複合体から切り出した加硫ゴム試験片に対し、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪5%、周波数15Hzでtanδを測定した。
評価については、サンプル1のtanδを100として、下記式にて各サンプルの試験片の発熱性指数を表示した。指数値が小さいほど、ヒステリシスロスが小さく、低発熱性が良好であることを示す。
発熱性指数={(各サンプルの試験片のtanδ)/(比較例1の試験片のtanδ)}×100
(3)接着性
各サンプルのスチールコード・ゴム複合体に対し、ASTM D 2229に準拠して、各サンプルからスチールコードを引き抜き、スチールコードに付着しているゴムの被覆率を目視観察にて0% 以上100%以下で決定し、初期接着性の指標とした。
その結果は、サンプル1の被覆率を100としたときの指数として、表1に表示した。指数値が大きいほど、ゴムの被覆が多く、接着性に優れていることを示す。
各サンプルのスチールコード・ゴム複合体に対し、ASTM D 2229に準拠して、各サンプルからスチールコードを引き抜き、スチールコードに付着しているゴムの被覆率を目視観察にて0% 以上100%以下で決定し、初期接着性の指標とした。
その結果は、サンプル1の被覆率を100としたときの指数として、表1に表示した。指数値が大きいほど、ゴムの被覆が多く、接着性に優れていることを示す。
2* シリカ:シリカは、上記製造方法により製造したCTAB吸着比表面積=230m2/g、BET比表面積=236m2/gのシリカである
4* スチールコードの種類:上記製造方法により製造したスチールコードA、B又はCである
5* ステアリン酸:新日本理化株式会社製、商品名「ステアリン酸50S」
6* 老化防止剤6C:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック 6C」
7* 亜鉛華:ハクスイテック株式会社製、商品名「3号亜鉛華」
8* 加硫促進剤CBS:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
9* 硫黄:鶴見化学株式会社製、商品名「粉末硫黄」
表1の結果から、各実施例のサンプルについては、各比較例のサンプルに比べて、耐亀裂性、低発熱性及び接着性について、バランス良く優れた効果を示すことがわかった。
本発明によれば、ゴムとスチールコードとの接着性に優れ、耐亀裂性と低発熱性とを高いレベルで両立できる、スチールコード・ゴム複合体を提供できる。また、本発明によれば、スチールコード使用部材の耐久性に優れるとともに、低転がり抵抗性が改善されたタイヤ、並びに、スチールコード使用部材の耐久性に優れるクローラ、コンベアベルト及びホースを提供できる。
Claims (11)
- 三元系の合金めっき層を有するスチールコードと、該スチールコードを被覆するゴム組成物と、を備えたスチールコード・ゴム複合体であって、
前記ゴム組成物は、ゴム成分と、カーボンブラックと、シリカと、加硫剤と、加硫促進剤と、を含み、
前記カーボンブラックは、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が110〜160m2/gであり、遠心沈降法で得られた凝集体分布における最多頻度を示すストークス相当径Dstを含むピークの半値幅ΔD50が60nm以下であり、且つ、前記ΔD50と前記Dstとの比(ΔD50/Dst)が0.95以下であり、
前記シリカは、CTAB吸着比表面積が200m2/g以上であり、
前記カーボンブラックと前記シリカとの合計含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜80質量部であり、且つ、前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合(カーボンブラックの含有量:シリカの含有量)が、60:40〜85:15であり、
前記ゴム組成物中のコバルト化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.01質量部以下であることを特徴とする、スチールコード・ゴム複合体。 - 前記カーボンブラックの圧縮ジブチルフタレート(24M4DBP)吸収量が、80〜110cm3/100gであることを特徴とする、請求項1に記載のスチールコード・ゴム複合体。
- 前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜25質量部であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスチールコード・ゴム複合体。
- 前記ゴム組成物が、前記コバルト化合物を含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスチールコード・ゴム複合体。
- 前記三元系の合金めっき層の合金めっきが、銅−亜鉛−コバルト合金めっきであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスチールコード・ゴム複合体。
- 前記三元系の合金めっき層は、コバルトリッチ領域を形成するための表面処理が施されていることを特徴とする、請求項5に記載のスチールコード・ゴム複合体。
- 前記カーボンブラックと前記シリカの含有量の割合が、76:24〜85:15であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のスチールコード・ゴム複合体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする、タイヤ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする、クローラ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする、コンベアベルト。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のスチールコード・ゴム複合体を用いたことを特徴とする、ホース。
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