JP6045553B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、上記ゴム成分が、リチウム開始剤により重合され、スズ原子の含有量が50〜3000ppm、ビニル含有量が5〜50質量%及び分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であるスズ変性ブタジエンゴムを含み、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックであるゴム組成物に関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
上記ゴム成分が、リチウム開始剤により重合され、スズ原子の含有量が50〜3000ppm、ビニル含有量が5〜50質量%及び分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であるスズ変性ブタジエンゴムを含み、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が79nm以下、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78以上のカーボンブラックであるゴム組成物に関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
界面活性剤(SIGMA CHEMICAL社製「NONIDET P−40」)を加えた20%エタノール水溶液に精秤したカーボンブラック試料を加えて、カーボンブラック濃度が0.01重量%の試料液を調製する。この試料液を超音波分散機(超音波工業製「超音波発生装置USV−500V」)を用いて、振動数200kHz、出力100Wとして5分間分散処理することにより、カーボンブラックスラリーを調製する。一方、遠心沈降式の粒度分布測定装置(BROOK HAVEN INSTRUMENTS社製「BI−DCP PARTICLSIZER」)にスピン液(純水)10ミリリットルを注入し、更にバッファー液(20vol%エタノール水溶液)1ミリリットルを注入した後、前記調製したカーボンブラックスラリー各1ミリリットルを注入し、回転数8000rpmで遠心沈降させることによりストークス相当径を測定し、ストークス相当径に対して相対的な発生頻度のヒストグラムを作製する。ヒストグラムのピーク(A)を通るY軸と平行な直線と、ヒストグラムのX軸との交点をCとする。このCでのストークス直径を最大頻度ストークス相当径(Dmod)とする。また線分ACの中点をFとして、Fを通りX軸に平行な直線Gとヒストグラムの分布曲線との2点の交点(D、E)を求め、このDとEのストークス直径の差の絶対値をストークス相当径半値幅値(分布曲線の半値幅(△D50))とする。
なお、本明細書において、カーボンブラックの臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、JIS K6217−3:2001に準拠して測定される値である。
なお、本明細書において、カーボンブラックのヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6217−1:2008に準拠して測定される値である。
また、CTAB/IAは、カーボンブラック表面に存在する酸性官能基の量を評価するパラメーターとしても位置づけられる。カーボンブラック表面の酸性官能基は、ゴム成分との相互作用に寄与するが、CTAB/IAが高いほどカーボンブラックの表面に酸性官能基が多く存在していることを示す。従って、CTAB/IAが上記範囲内であると、ゴム成分に対してより顕著な補強効果を奏することができ、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、ASTM D3493−85aに準拠して測定される値である。
なお、平均沸点Tは、当該原料油について蒸留試験を実施したときに、質量基準でその50%が溜出したときの温度である。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
ここで動植物油とは、魚類肝臓から得られる脂肪油(肝油)やクジラからとれる海獣油のような水産動物油及び牛脂、豚脂などのような陸産動物油のほか、植物の種子、果実、核などから採取される脂肪酸グリセリドを成分とする油脂等を含有する。
なお、本明細書において、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いても良い。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などが挙げられる。なかでも、ゴムとの相溶性と、tanδを維持することができるという理由から、芳香族系プロセスオイルが好ましい。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
なお、本明細書における高性能タイヤとは、ドライ路面におけるグリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
空気導入ダクトと燃焼バーナーを備える内径500mm、長さ1750mmの燃焼帯域、該燃焼帯域に連なっており、周辺から原料ノズルを貫通設置した内径55mm、長さ700mmの狭径部からなる原料導入帯域、クエンチ装置を備えた内径200mm、長さ2700mmの後部反応帯域を順次接合したカーボンブラック製造設備を用いた。
[製造条件](ファーネス法)
この製造設備を用い、燃料に天然ガスを用い、特性を表1に示した油及び石油系炭化水素を原料油として用い、その他条件として表2に示した各条件によりカーボンブラックを製造した。各製造例により得られたカーボンブラックの歩留まり、各種特性を表2に併せて示した。なお、カーボンブラックの各種特性の測定は、上述の方法により行った。また、製造例2−5、7−14により得られたカーボンブラックは、上記カーボンブラック(1)に相当する。なお、製造例12−14により得られたカーボンブラックについては、歩留まりが悪く、評価を行えるほどのカーボンブラックが得られなかったため、該製造条件における原料油量の値は確認できず、更に、カーボンブラックの各種特性の測定、及び後述するカーボンブラックをゴム組成物に配合する試験は行わなかった。
NR:RSS#3
BR1:日本ゼオン(株)製のBR1250H(スズ変性BR、開始剤としてリチウムを用いて重合、シス含有量:45質量%、ビニル含有量:10〜13質量%、Mw/Mn:1.5、スズ原子の含有量:250ppm)
BR2:日本ゼオン(株)製のNipol BR1220(ビニル含有量:1質量%、シス含有量:97質量%)
カーボンブラック:製造例1〜11により得られたカーボンブラック
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24(芳香族系プロセスオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:精工化学(株)製のオゾノン6C(N−(1、3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
BP型バンバリーミキサーを用いて、表3、4に示す配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
各加硫ゴム組成物について、JIS K6251に準じて引張試験を行い、破断伸びを測定した。測定結果を、基準比較例を100とした指数で示した。指数が大きいほど、ゴム強度に優れることを示す。
(ゴム強度指数)=(各配合の破断伸び)/(基準比較例の破断伸び)×100
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合の損失正接(tanδ)を測定し、基準比較例のtanδを100として、他の配合については、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低発熱性)が優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Claims (14)
- ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを混練する工程を含むゴム組成物の製造方法において、
前記ゴム成分が、リチウム開始剤により重合され、スズ原子の含有量が50〜3000ppm、ビニル含有量が5〜50質量%及び分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であるスズ変性ブタジエンゴムを含み、
前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックであるゴム組成物の製造方法。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8 - 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックである請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素である請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記原料油がトール油を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、ファーネス法で製造されたカーボンブラックである請求項1〜4の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、
前記ゴム成分が、リチウム開始剤により重合され、スズ原子の含有量が50〜3000ppm、ビニル含有量が5〜50質量%及び分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であるスズ変性ブタジエンゴムを含み、
前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が43〜79nm、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78〜2.5のカーボンブラックであるゴム組成物。 - 前記ゴム成分が更にイソプレン系ゴムを含む請求項6記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量%中の前記スズ変性ブタジエンゴムの含有量が5〜90質量%であり、前記イソプレン系ゴムの含有量が10〜90質量%である請求項7に記載のゴム組成物。
- タイヤ用ゴム組成物として用いられる請求項6〜8の何れか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項9に記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
- 前記ゴム成分が更にイソプレン系ゴムを含む請求項1〜5の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記ゴム成分100質量%中の前記スズ変性ブタジエンゴムの含有量が5〜90質量%であり、前記イソプレン系ゴムの含有量が10〜90質量%である請求項11に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物として用いられる請求項1〜5、11及び12の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 請求項13に記載のゴム組成物の製造方法により得られるゴム組成物を用いて空気入りタイヤを作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
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