JP6045550B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、上記ゴム成分が、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムを含み、上記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックであるゴム組成物に関する。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
タンパク質、リン脂質などの非ゴム成分を除去して高純度化するとともに、ゴムのpHを適切な値にコントロールした改質天然ゴムであるため、耐摩耗性及び低発熱性が改善される。また、非ゴム成分の除去やゴムが塩基性又は強酸性となることで、ゴムの劣化が進行し易くなるが、ゴムのpHを所定範囲に調整することで、保存中の分子量の低下が抑制されるので、良好な耐熱老化性が得られる。その結果、混練工程でのゴム物性の低下防止、充填剤の分散性向上が実現し、前記各種性能が改善される。更に本発明では、前記改質天然ゴムに加えて、特定のカーボンブラックを配合することで、耐摩耗性及び低発熱性が相乗的に改善され、耐摩耗性及び低発熱性を顕著に改善することができる。
(工程1−1)
工程1−1では、天然ゴムラテックスをケン化処理する。これにより、ゴム中のリン脂質やタンパク質が分解され、非ゴム成分が低減されたケン化天然ゴムラテックスが調製される。
工程1−2では、前記工程1−1で得られたケン化天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程1−3では、工程1−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。前記のとおり、当該処理を施すことでゴム全体のpHが2〜7に調整され、前記各種性能に優れた改質天然ゴムを提供できる。なお、塩基性化合物の処理などに起因して耐熱老化性が低下する傾向があるが、更に酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
このような中和により、優れた耐熱老化性が得られる。該pHの上限は、より好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。下限は特に限定されず、浸漬時間にもよるが、酸が強すぎるとゴムが劣化したり、廃水処理が面倒になるため、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。なお、浸漬処理は、酸性化合物の水溶液中に凝集ゴムを放置しておくこと等で実施できる。
(工程2−1)
工程2−1では、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理する。これにより、タンパク質などの非ゴム成分が除去された脱蛋白天然ゴムラテックスが調製できる。工程2−1で使用する天然ゴムラテックスとしては、前記と同様のものが挙げられる。
工程2−2では、前記工程2−1で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程2−3では、工程2−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。塩基性化合物での処理はもちろん、酸凝集においても酸量が少ない場合、最終的に得られたゴムを水で抽出した際、アルカリ性〜中性になることに起因して耐熱老化性が低下する傾向がある。一般的に、好適に脱蛋白できるという理由から、蛋白質分解酵素として、アルカリ領域に至適pHを有する酵素が使用されており、当該酵素反応は、至適pHに合わせてアルカリ条件下で行われることが多く、最終的なゴムのpHを2〜7に調整するために、工程2−1における天然ゴムラテックスの脱蛋白処理は、pH8〜11で実施することが好ましく、pH8.5〜11がより好ましい。その後、凝集の時に酸性下で凝固されるが、そのゴムを水洗しただけでは、後述する抽出でpHが抽出液よりも上がり、この場合に特に耐熱老化性の低下が大きかった。これに対して、凝固後、必要に応じて塩基性化合物で処理後に、酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
界面活性剤(SIGMA CHEMICAL社製「NONIDET P−40」)を加えた20%エタノール水溶液に精秤したカーボンブラック試料を加えて、カーボンブラック濃度が0.01重量%の試料液を調製する。この試料液を超音波分散機(超音波工業製「超音波発生装置USV−500V」)を用いて、振動数200kHz、出力100Wとして5分間分散処理することにより、カーボンブラックスラリーを調製する。一方、遠心沈降式の粒度分布測定装置(BROOK HAVEN INSTRUMENTS社製「BI−DCP PARTICLSIZER」)にスピン液(純水)10ミリリットルを注入し、更にバッファー液(20vol%エタノール水溶液)1ミリリットルを注入した後、前記調製したカーボンブラックスラリー各1ミリリットルを注入し、回転数8000rpmで遠心沈降させることによりストークス相当径を測定し、ストークス相当径に対して相対的な発生頻度のヒストグラムを作製する。ヒストグラムのピーク(A)を通るY軸と平行な直線と、ヒストグラムのX軸との交点をCとする。このCでのストークス直径を最大頻度ストークス相当径(Dmod)とする。また線分ACの中点をFとして、Fを通りX軸に平行な直線Gとヒストグラムの分布曲線との2点の交点(D、E)を求め、このDとEのストークス直径の差の絶対値をストークス相当径半値幅値(分布曲線の半値幅(△D50))とする。
なお、本明細書において、カーボンブラックの臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着比表面積(CTAB)は、JIS K6217−3:2001に準拠して測定される値である。
なお、本明細書において、カーボンブラックのヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6217−1:2008に準拠して測定される値である。
また、CTAB/IAは、カーボンブラック表面に存在する酸性官能基の量を評価するパラメーターとしても位置づけられる。カーボンブラック表面の酸性官能基は、ゴム成分との相互作用に寄与するが、CTAB/IAが高いほどカーボンブラックの表面に酸性官能基が多く存在していることを示す。従って、CTAB/IAが上記範囲内であると、ゴム成分に対してより顕著な補強効果を奏することができ、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本明細書において、カーボンブラックの24M4ジブチルフタレート吸油量(24M4DBP)は、ASTM D3493−85aに準拠して測定される値である。
なお、平均沸点Tは、当該原料油について蒸留試験を実施したときに、質量基準でその50%が溜出したときの温度である。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8
ここで動植物油とは、魚類肝臓から得られる脂肪油(肝油)やクジラからとれる海獣油のような水産動物油及び牛脂、豚脂などのような陸産動物油のほか、植物の種子、果実、核などから採取される脂肪酸グリセリドを成分とする油脂等を含有する。
なお、本明細書において、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いても良い。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などが挙げられる。なかでも、ゴムとの相溶性と、tanδを維持することができるという理由から、芳香族系プロセスオイルが好ましい。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
なお、本明細書における高性能タイヤとは、ドライ路面におけるグリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
空気導入ダクトと燃焼バーナーを備える内径500mm、長さ1750mmの燃焼帯域、該燃焼帯域に連なっており、周辺から原料ノズルを貫通設置した内径55mm、長さ700mmの狭径部からなる原料導入帯域、クエンチ装置を備えた内径200mm、長さ2700mmの後部反応帯域を順次接合したカーボンブラック製造設備を用いた。
[製造条件](ファーネス法)
この製造設備を用い、燃料に天然ガスを用い、特性を表1に示した油及び石油系炭化水素を原料油として用い、その他条件として表2に示した各条件によりカーボンブラックを製造した。各製造例により得られたカーボンブラックの歩留まり、各種特性を表2に併せて示した。なお、カーボンブラックの各種特性の測定は、上述の方法により行った。また、製造例2−5、7−14により得られたカーボンブラックは、上記カーボンブラック(1)に相当する。なお、製造例12−14により得られたカーボンブラックについては、歩留まりが悪く、評価を行えるほどのカーボンブラックが得られなかったため、該製造条件における原料油量の値は確認できず、更に、カーボンブラックの各種特性の測定、及び後述するカーボンブラックをゴム組成物に配合する試験は行わなかった。
フィールドラテックス:ムヒバラテックス社から入手したフィールドラテックス
エマールE−27C(界面活性剤):花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効成分27質量%)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
Wingstay L(老化防止剤):ELIOKEM社製のWingstay L(ρ−クレゾールとジシクロペンタジエンとの縮合物をブチル化した化合物)
エマルビンW(界面活性剤):LANXESS社製のエマルビンW(芳香族ポリグリコールエーテル)
タモールNN9104(界面活性剤):BASF社製のタモールNN9104(ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒドのナトリウム塩)
Van gel B(界面活性剤):Vanderbilt社製のVan gel B(マグネシウムアルミニウムシリケートの水和物)
水 462.5gにエマルビンW 12.5g、タモールNN9104 12.5g、Van gel B 12.5g、Wingstay L 500g(合計1000g)をボールミルで16時間混合し、老化防止剤分散体を調製した。
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は0.5〜5mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(高純度天然ゴムA)を得た。
製造例AにおいてpH1になるまで2質量%のギ酸を添加したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムB)を得た。
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は3〜15mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水1000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を1回行った。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間撹拌した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(高純度天然ゴムC)を得た。
製造例Aにおいて炭酸ナトリウム水溶液で処理し、水洗を7回繰り返した後、2質量%ギ酸による酸処理をすることなく、水しぼりロールで水を絞ってシート状にしたほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムD)を得た。
市販のハイアンモニアラテックス〔マレイシアのムヒバラテックス社製、固形ゴム分62.0%〕を、0.12%のナフテン酸ソーダ水溶液で希釈して、固形ゴム分を10%にし、更に燐酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。そしてゴム分10gに対して、蛋白質分解酵素(アルカラーゼ2.0M)を0.87gの割合で添加し、更にpHを9.2に再調整した後、37℃で24時間維持した。
次に、酵素処理を完了したラテックスに、ノニオン系界面活性剤〔花王社製の商品名エマルゲン810〕の1%水溶液を加えてゴム分濃度を8%に調整し、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。次に、遠心分離により生じたクリーム状留分を、上記エマルゲン810の1%水溶液に分散して、ゴム分濃度が8%になるように調整した後、再度、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。この操作を2回繰り返した後、得られたクリーム状留分を蒸留水に分散して、固形ゴム分60%の脱蛋白ゴムラテックスを調製した。
このラテックスに2質量%ギ酸をpH4になるまで添加し、更にカチオン系高分子凝集剤を添加して0.5〜5mmのゴム粒を得た。これの水を極力取り除き、水をゴム分10gに対して50g添加の上、2質量%ギ酸をpH3になるまで添加した。30分後ゴムを引き上げ、クレーパーでシート化した後、90℃で4時間乾燥し、固形ゴム(高純度天然ゴムE)を得た。
製造例Eにおいて2質量%ギ酸をpH1になるまで添加したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムF)を得た。
市販のハイアンモニアラテックス〔マレイシアのムヒバラテックス社製、固形ゴム分62.0%〕を、0.12%のナフテン酸ソーダ水溶液で希釈して、固形ゴム分を10%にし、更に燐酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。そしてゴム分10gに対して、蛋白質分解酵素(アルカラーゼ2.0M)を0.87gの割合で添加し、更にpHを9.2に再調整した後、37℃で24時間維持した。
次に、酵素処理を完了したラテックスに、ノニオン系界面活性剤〔花王社製の商品名エマルゲン810〕の1%水溶液を加えてゴム分濃度を8%に調整し、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。次に、遠心分離により生じたクリーム状留分を、上記エマルゲン810の1%水溶液に分散して、ゴム分濃度が8%になるように調整した後、再度、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。この操作をもう一度繰り返した後、得られたクリーム状留分を蒸留水に分散して、固形ゴム分60%の脱蛋白ゴムラテックスを調製した。
このラテックスにゴムが固まるまで50質量%ギ酸を添加し、凝固したゴムを取り出した。このゴムをクレーパーで水で洗いながらシート化した後、90℃で4時間乾燥し、固形ゴム(高純度天然ゴムG)を得た。
比較製造例Gにおいて凝固したゴムを取り出した後、0.5質量%炭酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬し、次いでクレーパーで水で洗いながらシート化した後、90℃で4時間乾燥したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムH)を得た。
得られたゴム5gを3辺の合計が5mm以下(約1〜2×約1〜2×約1〜2(mm))に切断して100mlビーカーに入れ、常温の蒸留水50mlを加えて2分間で90℃に昇温し、その後90℃に保つように調整しながらマイクロ波(300W)を13分(合計15分)照射した。次いで、浸漬水をアイスバスで冷却して25℃とした後、pHメーターを用いて、浸漬水のpHを測定した。
(アセトン抽出(試験片の作製))
各固形ゴムを1mm角に細断したサンプルを約0.5g用意した。サンプルをアセトン50g中に浸漬して、室温(25℃)で48時間後にゴムを取出し、乾燥させ、各試験片(老化防止剤抽出済み)を得た。
(測定)
得られた試験片の窒素含有量を以下の方法で測定した。
窒素含有量は、微量窒素炭素測定装置「SUMIGRAPH NC95A((株)住化分析センター製)」を用いて、上記で得られたアセトン抽出処理済みの各試験片を分解、ガス化し、そのガスをガスクロマトグラフ「GC−8A((株)島津製作所製)」で分析して窒素含有量を定量した。
ICP発光分析装置(P−4010、(株)日立製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル約70mgを正確に計り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
80℃で18時間処理した前後の固形ゴムのムーニー粘度ML(1+4)130℃をJIS K 6300:2001−1に準拠して測定し、前記式により耐熱老化性指数を算出した。
NR:TSR20(天然ゴム)
高純度天然ゴム:製造例A〜比較製造例Hにより得られた高純度天然ゴムA〜H
カーボンブラック:製造例1〜11により得られたカーボンブラック
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスAH−24(芳香族系プロセスオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:精工化学(株)製のオゾノン6C(N−(1、3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
BP型バンバリーミキサーを用いて、ゴム成分(表4−7に示すゴム成分)100質量部、カーボンブラック(表4−7に示すカーボンブラック)45質量部、オイル5質量部、酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸3質量部、老化防止剤2質量部を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄2質量部及び加硫促進剤1質量部を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。さらに、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、基準比較例のランボーン摩耗指数を100とし、各配合の容積損失量を指数表示した(ランボーン摩耗指数)。ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合の損失正接(tanδ)を測定し、基準比較例のtanδを100として、他の配合については、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低発熱性)が優れることを示す。指数が95以上の場合に良好と判断した。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Claims (17)
- ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを混練する工程を含むゴム組成物の製造方法において、
前記ゴム成分が、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムを含み、
前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、平均沸点T(°C)及び60°Fの水と比較した際の比重D(60/60°F)から以下の式で計算されるBMCI値が150以下、脂肪族炭化水素比率が30質量%以上である原料油を使用して得られたカーボンブラックであるゴム組成物の製造方法。
BMCI = 48640 / (T+273) +473.7D − 456.8 - 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、該カーボンブラックを製造するための原料油として、BMCI値が95以上、脂肪族炭化水素比率が60質量%以下である原料油を使用して得られたカーボンブラックである請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記原料油に含まれる脂肪族炭化水素100質量%中、10質量%以上が動植物油またはその改質品由来の脂肪族炭化水素である請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記原料油がトール油を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、ファーネス法で製造されたカーボンブラックである請求項1〜4の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- ゴム成分と、1種以上のカーボンブラックとを含むゴム組成物において、
前記ゴム成分が、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムを含み、
前記カーボンブラックのうち少なくとも1種が、アグリゲート特性としてストークス相当径の分布曲線の最大頻度径(Dmod)が43〜79nm、Dmodに対する分布曲線の半値幅(△D50)の比(△D50/Dmod)が0.78〜2.5のカーボンブラックであるゴム組成物。 - 前記改質天然ゴムは、天然ゴムの非ゴム成分を除去した後、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である請求項1〜5の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記改質天然ゴムのリン含有量が200ppm以下である請求項1〜5及び7の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.15質量%以下である請求項1〜5、7及び8の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記pHは、前記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である請求項1〜5及び7〜9の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記ゴム組成物がタイヤ用ゴム組成物として用いられる請求項1〜5及び7〜10の何れか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 請求項11に記載のゴム組成物の製造方法により得られるゴム組成物を用いて空気入りタイヤを作製する工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
- 前記改質天然ゴムのリン含有量が200ppm以下である請求項6記載のゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.15質量%以下である請求項6又は13記載のゴム組成物。
- 前記pHは、前記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である請求項6、13及び14の何れか1項に記載のゴム組成物。
- タイヤ用ゴム組成物として用いられる請求項6及び13〜15の何れか1項に記載のゴム組成物。
- 請求項16に記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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