JP2016071970A - 酸化物複合体及び非水系リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い放電容量と高い放電レート特性とが両立された非水系リチウムイオン二次電池を与える酸化物複合体を提供すること。【解決手段】下記組成式(1):Li2Mn1−xM’xO3−α・・・(1){式中、M’は、Mn及びLi以外の1種類以上の金属元素であり、そして0≦x<1、及び0≦α<1の関係を満足する。}で表されるLiが層状に配列した層状結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物(A)と、イットリウム、ジルコニウム、及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物(B)とを含む酸化物複合体であって、前記金属酸化物(B)が前記酸化物複合体中に分散されて存在していることを特徴とする、前記酸化物複合体。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系リチウムイオン二次電池の正極活物質として有用な酸化物複合体、及び該酸化物複合体を活物質として用いた非水系リチウムイオン二次電池に関する。
リチウム原子を含有する複合酸化物を含む非水系二次電池は、軽量、高エネルギー及び長寿命であることが大きな特徴であり、例えばノートブックコンピューター、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の携帯用電子機器の電源として広範囲に用いられている。また、低環境負荷社会への移行に伴い、ハイブリッド型電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、「HEV」)及びプラグインHEV(Plug−in Hybrid Electric Vehicle、「PHEV」)の電源、更には住宅用蓄電システム等の電力貯蔵分野においても注目されている。
自動車等の車両及び住宅用蓄電システムに非水系リチウムイオン二次電池を搭載する場合、その構成材料としては、サイクル性能、長期信頼性等の観点から、化学的及び電気化学的な安定性、強度、耐腐食性等に優れた材料が求められる。さらに、非水系二次電池には、必要物性として、高い電気容量及び高出力性能も求められる。
ところで、非水系リチウムイオン二次電池の正極材料としては、LiCoO、LiNiO等の岩塩層状型正極材料;LiMn等のスピネル型正極材料;LiFePO等のオリビン型正極材料等が知られている。
代表的な正極材料である層状化合物のLiCoOは、比較的高価であることの他、充放電時にLiを50%以上引き抜くと層状構造が崩壊するため、Liの引き抜き量に制限があり、電気容量の点でも問題がある。また、LiFePO等のオリビン型正極材料は、理論容量が約170mAh/gであるのに対して、正極材料として約150mAh/gのものが既に活用されており、更なる容量向上の余地がほとんどない。
非水系リチウムイオン二次電池の電気容量を高めるために、電気化学的に不活性であるが、約460mAh/gの高い理論容量を有する、Li過剰構造のLiM’O(M’は平均酸化数4価の金属イオンを示す。)成分と
電気化学的に活性なLiMO(Mは平均酸化数3価の金属イオンを示す。)成分と
を組み合わせたLi過剰固溶体を用いることにより、高い電気容量を得る技術についての開示がある。
例えば、特許文献1には、xLiMO(1−x)LiM’O(xは0<x<1の範囲であり;Mは少なくともNiを含む一つ以上の平均酸化数3価の金属イオンであり;M’は少なくともMnを含む一つ以上の平均酸化数4価の金属イオンである。)で表され、LiMO及びLiM’Oから成る組成の層状化合物が開示されている。
特許文献2には、xLiMO(1−x)LiM’O(xは、0<x<1の範囲であり;Mは少なくともMnを含む平均酸化数3価のイオンを示し;M’は平均酸化数4価のイオンを示す。)で表され、LiMO及びLiM’Oからなる組成の層状化合物が開示されている。
特許文献3には、Ni、Co、及びMnを必須成分としてF、Cl、及びIを組み合わせる技術が開示されている。
上記特許文献1〜3によると、いずれも、上記それぞれの技術によって高い電気容量が得られると説明されている。
更に、特許文献4〜6には、それぞれ、xLiMO(1−x)LiM’O(Mは平均酸化数3価のイオンであり;M’は平均酸化数4価のイオンであり;xは0<x<1である。)で表される構造を有し、Li1+aNiαMnβCoγ(a、α、β及びγは、それぞれ0.05<a<0.25、0.1<α<0.4、0.4<β<0.65、0.05<γ<0.3)の組成で表される正極活物質において、組成比がLi1.2Ni0.175Co0.10Mn0.525である場合に、特に高い電気容量が得られることが開示されている。
しかしながら、上記Li過剰固溶体は、LiM’O成分の導電性が低いことから、放電時に大きな電流を流すことが難しい(放電レート特性が悪い)という問題を抱えている。この問題を解決するために、Li過剰固溶体表面の導電性を高めることによってレート特性を向上させる試みがなされている。例えば、特許文献7には、インジウム系化合物をコーティングする技術が開示され、
非特許文献1には、導電性カーボンをコーティングする技術が報告されている。特許文献8には、Li過剰構造を有する活物質に対して、酸化ビスマス等を被覆した技術の例示があり、この技術によってレート特性が向上する傾向が示されている。
更に、特許文献9には、電池特性を向上させることを目的として、活物質と特定の酸素吸蔵性化合物とを組み合わせる技術が提案されている。この技術は、正極活物質の主成分として使用される、熱的に不安定なLi−Ni複合酸化物の高温における酸素発生の抑制を意図したものである。この技術により、正極材の高温における安定化は達成されているものの、酸素吸蔵性化合物を含有することによって正極の内部抵抗が上昇して、放電レートはかえって悪化することが示されている。
米国特許第6677082号明細書 米国特許第6680143号明細書 米国特許第7135252号明細書 特表2011−519126号公報 特表2012−504316号公報 特表2012−505520号公報 特開2013−201119号公報 特表2013−503449号公報 特開2006−114256号公報
Jun Liu et al.,Electrochemistry Communications,Vol.12,750−753(2010)
前記したように、Li過剰構造を有する正極活物質のレート特性を向上させるべく、様々な試みがなされているものの、いずれも効果は十分ではない。従って、高い電気容量を持ちながら放電レート特性の優れた正極活物質が、未だに待ち望まれている。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、高い放電容量と高い放電レート特性とが両立された非水系リチウムイオン二次電池を与える酸化物複合体、及び該酸化物複合体を活物質として用いた非水系リチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた。その結果、Li過剰構造を有する正極活物質を、特定の他の金属酸化物と組み合わせて使用することにより、高い放電容量と高い放電レート特性とが両立された非水系リチウムイオン二次電池が得られることを見出し、本発明を成すに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1] 下記組成式(1):
LiMn1−xM’3−α・・・(1)
{式中、M’は、Mn及びLi以外の1種類以上の金属元素であり、そして0≦x<1、及び0≦α<1の関係を満足する。}で表されるLiが層状に配列した層状結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物(A)と、
イットリウム、ジルコニウム、及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物(B)と
を含む酸化物複合体であって、
前記金属酸化物(B)が前記酸化物複合体中に分散されて存在していることを特徴とする、前記酸化物複合体。
[2] 共沈法、スプレードライ法、又はゲル化燃焼法によって製造された、[1]に記載の酸化物複合体。
[3] リチウム含有複合酸化物(A)について、エネルギー分散型X線検出器によるMnのライン分析を行った時、下記数式
元素分散幅(%)=(最高強度−最低強度)/平均強度×100
で定義される元素分散幅が50%以下である、[1]又は[2]に記載の酸化物複合体。
[4] 前記金属酸化物(B)の含有率が、酸化物複合体の全体に対して、0.5〜5.0質量%である、[1]〜[3]いずれか1項に記載の酸化物複合体。
[5] 前記金属酸化物(B)がイットリウム、ジルコニウム、及びセリウムから成る群より選択される少なくとも1種を含む金属の酸化物である、[1]〜[4]いずれか1項に記載の酸化物複合体。
[6] 前記金属酸化物(B)が、セリウムを含む金属の酸化物である、[5]に記載の酸化物複合体。
[7] 前記リチウム含有複合酸化物(A)が、
前記組成式(1)で表される層状結晶構造と、
下記組成式(2):
Li1+kMn2−yMe’4―γ・・・(2)
{式中、Me’は、Mn及びLi以外の1種類以上の金属元素であり、そして0≦k<1、0≦y≦0.5、及び0≦γ<1の関係を満足する。}で表されるスピネル結晶構造、及び
下記組成式(3):
LiMeO・・・(3)
{式中、Meは、Li以外の1種類以上の金属元素である。}で表されるLiが層状に配列した層状結晶構造から選ばれる1種類以上の結晶構造と
が固溶した結晶構造を有するものである、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の酸化物複合体。
[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の酸化物複合体を含むことを特徴とする、正極活物質。
[9] [8]に記載の正極活物質を有することを特徴とする、非水系リチウムイオン二次電池。
本発明に係る酸化物複合体は、Li過剰構造を有するリチウム含有複合酸化物と特定の金属酸化物とを組み合わせた酸化物複合体であり、これを正極活物質として用いたとき、高い放電容量と高い放電レート特性とが両立された非水系リチウムイオン二次電池とすることができる。
本実施形態における非水系二次電池の一例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。尚、本明細書において「〜」を用いて記載される範囲はその前後に記載される数値を含むものである。
本実施形態における酸化物複合体は、下記組成式(1):
LiMn1−xM’3−α・・・(1)
{式中、M’は、Mn及びLi以外の1種類以上の金属元素であり、そして0≦x<1、及び0≦α<1の関係を満足する。}で表されるLiが層状に配列した層状構造を有するリチウム含有複合酸化物(A)と、
イットリウム、ジルコニウム、及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物(B)と
を含む酸化物複合体である。
<リチウム含有複合酸化物(A)>
前記リチウム含有複合酸化物(A)は、結晶の内部に上記組成式(1)で表される層状結晶構造が存在していれば、本発明の目的を達成することができる。しかしながら、本実施形態の酸化物複合体を正極活物質とした時の電気的な活性を高める目的、及びリチウム含有複合酸化物自体の結晶構造を安定化させるとの観点からは、
上記組成式(1)で表される層状結晶構造と、
下記組成式(2):
Li1+kMn2−yMe’4―γ・・・(2)
{式中、Me’は、Mn及びLi以外の1種類以上の金属元素であり、そして0≦k<1、0≦y≦0.5、及び0≦γ<1の関係を満足する。}で表されるスピネル結晶構造、及び
下記組成式(3):
LiMeO・・・(3)
{式中、Meは、Li以外の1種類以上の金属元素である。}で表されるLiが層状に配列した層状結晶構造
から選ばれる1種類以上の結晶構造と
が固溶した結晶構造を有する酸化物複合体であることが好ましい。
上記組成式(1)におけるM’としては、例えばNi、Co、Al、Mn、Mo、W、Ce、Nb、Mg、Fe、Cu、Ti、Sn、Pb、V、Zn、Ga、Ge及びZrから選ばれる1種以上である。これらのうち、Fe、Co、及びNiから選ばれる1種以上がより好ましく、Co及びNiから選ばれる1種以上が更に好ましく、特に好ましくはNiである。
上記組成式(2)におけるMe’としては、例えばNi、Co、Al、Fe、Ti、及びMgから選ばれる1種以上が好ましく、Niが特に好ましい。
上記組成式(3)におけるMeは、Mn、Ni、Co、Ti、Al、Mg、Mo、W、及びVから選ばれる1種以上が好ましい。
上記構造を主体としてV、Fe、Al、Mg、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb,Bi、Si、P、B、Y、Ca等の元素が、酸化物又は別の形態で固溶乃至添加された酸化物複合体も用いることができる。
本実施形態におけるリチウム含有複合酸化物(A)は金属元素の分散性の高いものであることが好ましい。金属元素の分散性が高いとは、リチウム含有複合酸化物(A)に含有される金属が、該リチウム含有複合酸化物(A)粒子の半径方向に沿って一様に分布していることをいう。
元素分散性が低いリチウム含有複合酸化物(A)を用いた場合、特定の金属元素が寄り固まって、本実施形態が所期するのとは別の結晶相の成長が促進される場合がある。このような別の結晶相は、活物質内部の抵抗となって電気容量が低下する要因となる。従って、元素分散性が十分に高いリチウム含有複合酸化物(A)を用いると、抵抗成分の形成が無く高い電池容量が得られるから、レート特性の低下も生じないのである。また、本実施形態における好ましい態様では、リチウム含有複合酸化物(A)の内部に電気化学的に活性な結晶構造を有する別の結晶構造を固溶させて用いることができる。この場合にリチウム含有複合酸化物(A)の元素分散性を高く保つことにより、十分に高い電気化学的な活性を維持することができ、従って高い放電容量が得られ、レート特性の低下も抑えることができるのである。
リチウム含有複合酸化物(A)における金属元素の分散性は、例えばエネルギー分散型X線検出器(EDX)を備えた透過型電子顕微鏡(TEM)/走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて評価することができる。具体的には、STEMにおいて観察した視野の中から適当な領域を選択し、該領域についてEDX検出器による元素分析を行い、点分析、元素マッピング、ライン分析等の適宜の解析手法により、評価することができる。好ましくは、ライン分析が用いられる。ライン分析は、STEMの視野の中から粉体粒子の空隙のない数μ程度のライン範囲を選択し、該ラインに沿って各金属元素のX線強度を数十nmごとに測定する。そして、金属種ごとに最高強度、最低強度、及び平均強度を求め、下記数式(1)に従って、各金属の元素分散幅を求めることができる。
元素分散幅(%)=(最高強度−最低強度)/平均強度×100・・・(1)
以上の操作を、数本のラインを任意に選択して実施し、その平均値を求めて元素分散幅の評価値としてもよい。
元素分散幅はいずれの元素に対しても小さいほど好ましいが、調製法の煩雑さ等を考慮して好ましい範囲が選択される。十分な放電容量を得るためには50%以下となることが好ましく;
結晶相の固溶状態が好ましい状態を維持し、十分なレート特性を得るためには、30%以下となることが好ましく;そして
繰り返し充放電中の元素の偏りによる異相成長を抑制し、十分な放電容量及びレート特性を得るためには、20%以下となることが最も好ましい。
元素分散幅は、リチウム含有複合酸化物(A)に含有される金属元素種のすべてについて定義することができるが、Ni、Co、及びMnについて調べれば、該リチウム含有複合酸化物(A)中の金属分布状況を知ることができる。より簡易的には、Mnについて調べれば、該リチウム含有複合酸化物(A)中の金属分布状況を概ね知ることができる。
<金属酸化物(B)>
金属酸化物(B)は、イットリウム、ジルコニウム、及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物である。このような金属酸化物は、酸素原子を吸蔵する性質を有するものとして知られている。
金属酸化物(B)は、非水系リチウムイオン二次電池のレート特性を高めるために使用され、リチウム含有複合酸化物(A)とともに酸化物複合体を構成する。
Li過剰構造を有するリチウム含有複合酸化物を正極活物質に適用して得られるリチウムイオン二次電池は、高い電気容量が使えるようにするために電気的な活性化過程が必要である。すなわち、高い電圧において初回充電を行い、酸素脱離を伴う結晶構造変化を起こすことにより、高い電気容量が得られるのである。
正極活物質となる酸化物複合体がリチウム含有複合酸化物(A)とともに金属酸化物(B)を含有する場合に、該金属酸化物(B)がレート特性の向上に与える作用については明確には分かっていない。しかし、本発明者は、この作用が上記活性化過程おける酸素放出に関係すると考えている。Li過剰構造を有する正極活物質が金属酸化物(B)を含んでいれば、その酸素吸蔵性によって、活性化過程において放出される酸素を吸収することができる。そのため、活物質表面に微細なクラックが発生する等の物理的ダメージの抑制、Li過剰構造からの酸素脱離の進行促進、活性な酸素による電解液の変性・分解の抑制等、有利な効果を得ることができる。その結果として、活性化過程における活物質の表面及び内部の抵抗の増大が抑えられていると考えられる。これらに加えて、金属酸化物(B)自体のイオン伝導性が高いから、これを含有する酸化物複合体のリチウムイオン伝導性が向上することも考えられる。これらの作用が複合的に作用して、本実施形態の酸化物複合体を含む正極活物質周辺の抵抗が低減することにより、レート特性が向上すると考えられる。
金属酸化物(B)は、イットリウム、ジルコニウム、及びセリウムから成る群より選択される少なくとも1種を含む金属の酸化物が好ましい。最も好ましくはセリウムを含む金属の酸化物が用いられる。
金属酸化物(B)は、本実施形態における酸化物複合体中で、リチウム含有複合酸化物(A)と均質に存在する状態、又はリチウム含有複合酸化物(A)を被覆した状態で用いることができる。
前記の「均質に存在する状態」とは、リチウム含有複合酸化物(A)の一次粒子と金属酸化物(B)の一次粒子とが均質に混じった状態を意味する。酸化物複合体中で金属酸化物(B)が均質に存在する状態の場合、該金属酸化物(B)の含有比率は、酸化物複合体の全体に対して、0.5〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜4.0重量%である。金属酸化物(B)を使用することの効果を十分に発現するためには0.5質量%以上で用いることが好ましく、電気容量に寄与しない金属酸化物(B)の比率が高まることによる電気容量の低下を避けるため、5.0質量%以下で用いることが好ましい。
前記の「被覆した状態」とは、金属酸化物(B)が、リチウム含有複合酸化物(A)の表面に偏在して存在する状態を意味する。被覆された状態における金属酸化物(B)の含有比率は、酸化物複合体の全体に対して、0.1〜0.6質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5質量%である。本発明の効果を十分得るために0.1質量%以上で用いられ、酸化物複合体表面の電子伝導性に由来する抵抗上昇を抑えるために0.6質量%以下の範囲で用いられる。
この「被覆した状態」として、好ましくは、金属酸化物(B)が、リチウム含有複合酸化物(A)の表面の一部のみを被覆する態様である。金属酸化物(B)がリチウム含有複合酸化物(A)の表面の全部を一様に被覆する場合は、本発明の効果が十分に発現されない場合があり、好ましくない。
金属酸化物(B)を「均質に存在する状態」で含ませるか「被覆した状態」で含ませるかは、所望の酸化物複合体の粒子サイズ、比表面積、求められる密度等の性状の違いにより、適宜に設定して使い分けることができる。
<酸化物複合体の製造方法>
酸化物複合体の製造方法としては特に限定はなく、公知の方法で実施することができる。
金属酸化物(B)が、酸化物複合体中でリチウム含有複合酸化物(A)と均質に存在する状態を創出するためには、例えば共沈法、スプレードライ法、ゲル化燃焼法等によって製造することができ;
金属酸化物(B)が、リチウム含有複合酸化物(A)を被覆した状態である酸化物複合体を製造するためには、例えば予め調製したリチウム含有複合酸化物(A)を、金属酸化物(B)の前駆体を含有する溶液を接触させた後に焼成する手法(コーティング法)等によって製造することができる。
[均質状態の場合]
(1)共沈法
共沈法による酸化物複合体の製造は、定法に従って行うことができる。例えばリチウム含有複合酸化物(A)の前駆体である金属塩と、金属酸化物(B)の前駆体である金属塩とを、所定の割合で含有する水溶液を調製し、該水溶液にアルカリを加えて得られる沈殿を、乾燥して焼成する方法によることができる。前記金属塩の一部を、アルカリによって生ずる沈殿に後添加し、必要に応じて粉砕・混合したうえで、焼成に供してもよい。
リチウム含有複合酸化物(A)の前駆体である金属塩は、上記組成式(1)に含まれる金属の塩、具体的には例えばLi塩、Ni塩、Co塩、Mn塩等であり;
金属酸化物(B)の前駆体である金属塩は、イットリウム塩、ジルコニウム塩、ランタノイド塩である。これらの塩は、例えば硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩等の他、水酸化物を使用してもよい。
前記アルカリとしては、例えばNaCO、NaOH、KOH、NHOH等の水溶液を挙げることができる。共沈操作の際の液は、pHを5.0〜13.0に調整して行われることが好ましく、より好ましくは6.0〜12.0の範囲に調整して行われる。
得られた沈殿の乾燥は、好ましくは100〜150℃、より好ましくは105〜130℃において、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは4〜12時間行われる。回収した乾燥沈殿物について、次いで焼成を行う。この焼成は、例えば加熱炉等の適宜の加熱装置中で、酸素が存在する雰囲気中で行うことができる。
最終的に得られるリチウム含有複合酸化物(A)の結晶の成長の状態、元素分散性、粒子の形状、粒子サイズ等を好ましい状態とするために、焼成を一次焼成、二次焼成に分けて行ってもよい。この場合、一次焼成は、酸素が存在する雰囲気中で、300℃〜650℃の範囲、好ましくは400℃〜600℃の範囲において、好ましくは30分から24時間、より好ましくは2時間〜12時間の条件で行われる。一次焼成によって得られた粉体を、粉砕及び混合した後、二次焼成を行う。二次焼成は、650℃〜1,200℃の範囲で行われることが好ましい。焼成温度は、結晶を十分に成長させるとの観点から650℃以上が好ましく、粉体の比表面積が小さくなり過ぎてレート特性が低下することを避けるために、1,200℃以下とすることが好ましい。十分な結晶成長が得られ、レート特性において良好な特性が得られるとの観点から、700℃〜1,000℃が更に好ましく、最も好ましくは750℃〜950℃である。
元素の分散状態、粒子の形状、サイズ、及び結晶の成長程度において、好ましい状態を得られるのであれば、一次焼成を省略して二次焼成のみを行ってもよい。
(2)スプレードライ法
スプレードライ法は、例えばリチウム含有複合酸化物(A)の前駆体である金属塩と、金属酸化物(B)の前駆体である金属塩とを、所定の割合で含有する溶液または懸濁液を調製し、該溶液または懸濁液を噴霧乾燥した後に焼成する方法である。前記金属塩の一部を、噴霧乾燥して得られる粉体に後添加し、必要に応じて粉砕・混合したうえで、焼成に供してもよい。前記溶液または懸濁液の溶媒としては、水が好ましい。
スプレードライ法における原料金属塩の種類、溶液中の金属塩濃度、および焼成条件としては、それぞれ、前記共沈法の条件をそのまま採用することができる。溶液の代わりに懸濁液を使用する場合の金属塩濃度は、溶液の場合に準じて考えてよい。
(3)ゲル化燃焼法
ゲル化燃焼法は、酸化性の配位子を有する金属塩と、燃焼性の配位子を有する金属塩とから成る燃焼性ゲルを熱処理して、該燃焼性ゲルを瞬時に熱分解させることにより、均質で微細な微粉体酸化物を得る技術である。
前記酸化性の配位子を有する金属塩としては、例えば硝酸塩、硫酸塩等を;
前記燃焼性の配位子を有する金属塩としては、例えばクエン酸塩、酢酸塩、グリシン塩、シュウ酸塩等を、
それぞれ挙げることができる。これらの塩は、無水塩であっても含水塩であってもよい。酸化性の配位子を有する金属塩として硝酸塩を、燃焼性の配位子を有する金属塩としては酢酸塩を、それぞれ使用することが、最も好ましい。
前記酸化性の配位子を有する金属塩と燃焼性の配位子を有する金属塩との使用比率は、熱処理時の熱分解の状態、得られる酸化物複合体の所望の酸化・還元の状態等により、適宜に決めることができる。すなわち最終的に得られる金属酸化物を還元側としたい場合には、燃焼性の配位子を有する金属塩の比率を高め、酸化側としたい場合には、酸化性の配位子を有する金属塩の比率を高めることが好ましい。
前記酸化性の配位子を有する金属塩と燃焼性の配位子を有する金属塩との使用比率は、燃焼性の配位子を有する金属塩/酸化性の配位子を有する金属塩の比が2〜5(モル比)の範囲で用いることが好ましく、さらに好ましくはこの比が2.5〜3.5の範囲である。
ゲル化燃焼法においては、
先ず、上記のような酸化性の配位子を有する金属塩及び燃焼性の配位子を有する金属塩を所定の割合で含有する水溶液を調製し、
次いで、前記水溶液から水を除去して均質な燃焼性ゲルとし、そして
この燃焼性ゲルを熱処理する。この熱処理によって得られた粉体を、更に粉砕・撹拌後、焼結を行って結晶の成長を調整してもよい。
前記金属塩水溶液における金属塩濃度としては、酸化性の配位子を有する金属塩及び燃焼性の配位子を有する金属塩の合計濃度として、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましい。この溶液は、より安定した燃焼性ゲルを得る目的で、調製後に熟成を行ってもよい。この熟成は、酸化性配位子と燃焼性配位子による好ましい複合塩の成長を促す目的で、例えば50〜80℃において、溶液の撹拌を10分〜20時間の範囲で継続することにより行うことができる。
燃焼性ゲルは、前記の溶液に対して加熱及び減圧から選択される1種以上の操作を加えて溶媒を除去し、乾固する方法により得ることができる。
前記燃焼性ゲルの熱処理は、好ましくは300℃〜500℃で行われる。ゲルに含まれる配位子を十分に分解させるため300℃以上の温度が用いられ、粒子サイズ、金属の分布が不均一になることを避けるため等の観点から500℃以下の温度が用いられる。最も好ましくは300℃〜400℃の範囲である。熱処理の際の昇温の速度は、10℃/時間〜200℃/時間の範囲で操作される。均質な熱分解の観点から昇温の速度は遅い方が好ましい。しかしながら、効率の観点から10℃/時間以上の速度で行われ、均質な熱分解粉体を得るために200℃/時間以下の温度で操作することができる。好ましくは50℃/時間〜150℃/時間の範囲の昇温速度で操作される。
熱処理後は、最終的に得られる酸化物複合体の均質性をより高める目的で、粉砕・混合操作を行うことが好ましい。粉砕・混合操作後の粉体は酸化物複合体の粒子サイズ及び結晶の成長を最適の状態とするために、500℃〜1,000℃の範囲で焼結操作を更に行うことができる。十分に結晶を成長させるためには500℃以上の条件が好ましく、結晶が成長し過ぎる等の問題を避けるために、1,000℃以下の条件が好ましい。更に好ましくは700℃〜950℃の温度である。焼結時間は、好ましくは30分〜36時間であり、より好ましくは3〜12時間である。
なお、最終的な酸化物複合体が好ましい状態で得られるのであれば、熱処理のみを行う条件とすることができ、或いは、熱処理を行った後、粉砕・混合の操作を省略し、熱処理と焼結操作とを連続して実施することができる。
以上のいずれの方法によっても、金属酸化物(B)が、酸化物複合体中でリチウム含有複合酸化物(A)と均質に存在するような状態を創出することができる。
[被覆状態の場合]
金属酸化物(B)が、リチウム含有複合酸化物(A)を被覆した状態である酸化物複合体を製造するためには、例えば予め調製したリチウム含有複合酸化物(A)を、金属酸化物(B)の前駆体を含有する溶液を接触させた後に焼成する手法(コーティング法)等によることができる。
予めリチウム含有複合酸化物(A)を製造するには、原料の金属塩として、金属酸化物(B)の前駆体である金属塩を使用せず、該リチウム含有複合酸化物(A)の前駆体である金属塩のみを使用する他は、上記均質状態を創出する場合の共沈法、スプレードライ法、又はゲル化燃焼法に準じた方法によることができる。
前記金属酸化物(B)の前駆体を含有する溶液としては、金属酸化物(B)の前駆体である金属塩を含有する水溶液を好ましく使用することができる。該水溶液中の金属塩濃度は、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜30質量%である。
前記溶液とリチウム含有複合酸化物(A)との接触は、例えば40〜90℃、好ましくは50〜80℃において、例えば1〜10時間、好ましくは2〜5時間、行うことができる。
接触後の焼成は、例えば500〜1,000℃、好ましくは700〜950℃において、例えば30分〜36時間、好ましくは3〜12時間、行うことができる。
以上のようにして、金属酸化物(B)がリチウム含有複合酸化物(A)の表面上を被覆して成る酸化物複合体を製造することができる。
<非水系リチウムイオン二次電池>
本実施形態における非水系リチウムイオン二次電池は、上述した酸化物複合体を正極活物質として用いた電池であり、例えば、図1に概略的に断面図を示すリチウムイオン二次電池であることができる。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、
セパレータ110と、
そのセパレータ110を両側から挟む正極120及びと負極130と、
更にそれらの積層体を挟む正極集電体140(正極の外側に配置)及び負極集電体150(負極の外側に配置)と、
それらを収容する電池外装160と
を備える。正極120とセパレータ110と負極130とを積層した積層体は、電解液に含浸されている。これらの各部材としては、正極活物質として本実施形態の酸化物複合体を用いること以外は、従来のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様のものを用いることができ、例えば、後述のものが挙げられる。
[正極]
正極は、本実施形態の酸化物複合体を正極活物質として用いることの他は、非水系リチウムイオン二次電池の正極として作用するものであれば特に限定されず、例えば、下記のようにして得られる。
先ず、上記正極活物質を必要に応じて用いられる他の成分(例えば導電助剤、バインダー等)とともに混合した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ペーストを調製する。次いで、この正極合剤含有ペーストを正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、更に必要に応じて加圧して厚みを調整することにより、正極が作製される。
正極の作製にあたって、必要に応じて用いられる導電助剤としては、例えば、グラファイト;アセチレンブラック及びケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック;炭素繊維等が挙げられる。導電助剤の数平均粒子径(一次粒子径)は、好ましくは10nm〜10μm、より好ましくは20nm〜1μmである。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
前記正極合剤含有ペースト中の固形分濃度は、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。
前記正極集電体は、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔等の金属箔により構成される。これらの材料にカーボンコートが施されたもの、これらの材料をメッシュ状に加工されたものでもよい。
[負極]
負極としては、非水系リチウムイオン二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。
負極は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料及び金属リチウムからなる群より選ばれる1種以上の材料を含有することが好ましい。そのような材料としては、金属リチウム、リチウムと合金を形成することが可能な元素を含む材料等の金属材料の他;
例えば、アモルファスカーボン(ハードカーボン)、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド、カーボンブラックに代表される炭素材料が挙げられる。これらのうち、コークスとしては、例えば、ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等が挙げられる。有機高分子化合物の焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものである。炭素材料には、炭素以外にも、O、B、P、N、S、SiC、BC等を含有する異種化合物が含まれていてもよい。異種化合物の含有量としては、負極活物質の全体に対して、0〜10質量%であることが好ましい。前記リチウムと合金を形成することが可能な金属材料は、金属又は半金属の単体であっても合金であっても化合物であってもよく、また、これらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものであってもよい。
負極活物質の数平均粒子径(一次粒子径)は、好ましくは0.1μm〜100μm、より好ましくは1μm〜10μmである。
負極は、例えば、下記のようにして得られる。
先ず、上記負極活物質を必要に応じて用いられる他の成分(例えば導電助剤、バインダー等)とともに混合した負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤含有ペーストを調製する。次いで、この負極合剤含有ペーストを負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、更に必要に応じて加圧して厚みを調整することにより、負極を作製する。
ここで、負極合剤含有ペースト中の固形分濃度は、好ましくは30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。負極集電体は、例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等の金属箔により構成される。
負極の作製にあたって、必要に応じて用いられる導電助剤としては、例えば、グラファイト;アセチレンブラック及びケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック;炭素繊維等が挙げられる。導電助剤の数平均粒子径(一次粒子径)は、好ましくは0.1μm〜100μm、より好ましくは1μm〜10μmである。バインダーとしては、例えば、PVDF、PTFE、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
[電解液]
本実施形態における非水系リチウムイオン二次電池に用いられる電解液としては、少なくとも非水系溶媒とリチウム塩とを含有し、非水系二次電池の電解液として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。電解液は、水分を含まないことが好ましいが、所望の作用効果を阻害しない範囲であれば、極く微量の水分を含有してもよい。そのような水分の含有量は、電解液の全量に対して、例えば、0〜100ppmである。
非水系溶媒としては、特に制限はなく、例えば、非プロトン性溶媒が挙げられ、中でも、非プロトン性極性溶媒が好ましい。
非水系溶媒の具体例としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、トランス−2,3−ブチレンカーボネート、シス−2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、トランス−2,3−ペンチレンカーボネート、シス−2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、1,2−ジフルオロエチレンカーボネートに代表される環状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンに代表されるラクトン;スルホラン、ジメチルスルホキシドに代表される硫黄化合物;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサンに代表される環状エーテル;メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートに代表される鎖状カーボネート;アセトニトリル、プロピオノニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、アクリロニトリル等のモノニトリル;メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリルに代表されるアルコキシ基置換ニトリル;ベンゾニトリルに代表される環状ニトリル;ジメチルエーテルに代表されるエーテル;メチルプロピオネートに代表される鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタンに代表される鎖状エーテルカーボネート化合物等が挙げられる。また、これらのフッ素化物に代表されるハロゲン化物も挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
非水系リチウムイオン二次電池の充放電に寄与するリチウム塩の電離度を高めるために、非水系溶媒は、環状の非プロトン性極性溶媒及び環状カーボネートから選択される1種以上を含むことが好ましく、これらの双方を含むことがより好ましい。リチウム塩の溶解性、伝導度及び電離度を全て良好にする観点から、2種以上の上記非水系溶媒の混合溶媒であることが好ましい。
リチウム塩としては、非水系二次電池の電解液に用いられているものであれば特に制限はなく、いずれのものであってもよい。リチウム塩は、非水系電解液中に0.1〜3mol/Lの濃度で含有されることが好ましく、0.5〜2mol/Lの濃度で含有されることがより好ましい。リチウム塩の濃度が上記範囲内にあることによって、電解液の導電率が高い状態に保たれると同時に、非水系二次電池の充放電効率も高い状態に保たれる傾向がある。
本実施形態におけるリチウム塩は、特に制限はないが、無機リチウム塩であることが好ましい。無機リチウム塩は、通常の非水系電解質として用いられているものであれば特に限定されず、いずれのものを用いてもよい。そのような無機リチウム塩の具体例としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、Li1212−b〔bは0〜3の整数〕等の他、多価アニオンと結合されたリチウム塩等が挙げられる。
これらの無機リチウム塩は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。中でも、無機リチウム塩としてフッ素原子を有する無機リチウム塩を用いると、正極集電体の表面に不働態皮膜を形成し、内部抵抗の増加を抑制することができる点で、好ましい。また、フッ素原子とともにリン原子を有する無機リチウム塩がより好ましく、LiPFが特に好ましい。
無機リチウム塩の含有量は、非水系電解液の全量に対して0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、5〜25質量%であることが更に好ましい。
本実施形態における非水系リチウムイオン二次電池の非水系電解液には、少なくとも非水系溶媒とリチウム塩とが含有されていればよいが、更に、任意的に添加剤が含有されていてもよい。添加剤は、その機能が上記の非水系溶媒と実質的に重複してもよい。添加剤は、本実施形態における非水系電解液及び非水系二次電池の性能向上に寄与する物質であることが好ましいが、電気化学的な反応には直接関与しない物質をも包含する。添加剤は、1成分を単独で又は2成分以上を組み合わせて用いる。
添加剤の具体例としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、シス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、トランス−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4,5−トリフルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンに代表されるフルオロエチレンカーボネート;ビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートに代表される不飽和結合含有環状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンに代表されるラクトン;1,2−ジオキサンに代表される環状エーテル;
メチルホルメート、メチルアセテート、メチルプロピオネート、メチルブチレート、エチルホルメート、エチルアセテート、エチルプロピオネート、エチルブチレート、n−プロピルホルメート、n−プロピルアセテート、n−プロピルプロピオネート、n−プロピルブチレート、イソプロピルホルメート、イソプロピルアセテート、イソプロピルプロピオネート、イソプロピルブチレート、n−ブチルホルメート、n−ブチルアセテート、n−ブチルプロピオネート、n−ブチルブチレート、イソブチルホルメート、イソブチルアセテート、イソブチルプロピオネート、イソブチルブチレート、sec−ブチルホルメート、sec−ブチルアセテート、sec−ブチルプロピオネート、sec−ブチルブチレート、tert−ブチルホルメート、tert−ブチルアセテート、tert−ブチルプロピオネート、tert−ブチルブチレート、メチルピバレート、n−ブチルピバレート、n−ヘキシルピバレート、n−オクチルピバレート、ジメチルオキサレート、エチルメチルオキサレート、ジエチルオキサレート、ジフェニルオキサレート、マロン酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステルに代表されるカルボン酸エステル;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドに代表されるアミド;エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ブチレンサルファイト、ペンテンサルファイト、スルホラン、3−メチルスルホラン、3−スルホレン、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロパンジオール硫酸エステル、テトラメチレンスルホキシド、チオフェン1−オキシドに代表される環状硫黄化合物;モノフルオロベンゼン、ビフェニル、フッ素化ビフェニルに代表される芳香族化合物;ニトロメタンに代表されるニトロ化合物;シッフ塩基;シッフ塩基錯体;オキサラト錯体が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態における非水系電解液における添加剤の含有量について特に制限はないが、非水系電解液の全量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
[セパレータ]
本実施形態における非水系リチウムイオン二次電池は、正負極間の短絡防止、シャットダウン等によって安全性を付与する等の観点から、正極と負極との間にセパレータを備えることが好ましい。セパレータとしては、公知の非水系リチウムイオン二次電池に備えられるものと同様であってもよい。セパレータは、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。
本実施形態における非水系リチウムイオン二次電池のセパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜;
セルロース、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、ポリオレフィン等の樹脂と、アルミナ及びシリカ等の1種以上の無機物との混合物を含む構造体;
不織布、抄紙、多孔膜等の表面に、前記樹脂と無機物との混合物を被覆して成る構造体;
固体電解質のフィルム
等が挙げられる。
セパレータは、1種の微多孔膜を単層又は複数積層したものであってもよく、2種以上の微多孔膜を積層したものであってもよい。
<電池の作製方法>
本実施形態における非水系リチウムイオン二次電池は、上述の電解液、酸化物複合体を用いて作製した正極、負極、及び必要に応じてセパレータを用いて、公知の方法により作製される。例えば、正極と負極とを、その間にセパレータを介在させた積層体とし、
該積層体を巻回して、積層体の巻回体に構成する態様;
該積層体を折り曲げて、交互に積層した複数の正極と負極との間にセパレータが介在する多層構造の積層体に構成する態様;
該積層体を複数層に積層して、交互に積層した複数の正極と負極との間にセパレータが介在する多層構造の積層体に構成する態様
等によって、電極積層体を構成する。次いで、該電極積層体を電池ケース(外装)内に収容して、電解液をケース内部に注液し、上記積層体を電解液に浸漬して封印することによって、本実施形態の非水系二次電池を作製することができる。或いは、ゲル化させた電解液を含む電解質膜を予め作製しておき、正極、負極、該電解質膜、及び必要に応じてセパレータを、上述の方法に準じて多孔性の電極積層体を形成した後、該電極積層体を電池ケース内に収容して非水系リチウムイオン二次電池を作製する方法も可能である。
本実施形態の非水系リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されず、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形、ラミネート形等が好適に採用される。
本実施形態における非水系リチウムオン二次電池は、初回充電により電池として機能し得るが、初回充電の際に電解液の一部が分解することにより安定化する。本実施形態における初回充電の方法について特に制限はないが、初回充電が0.001〜0.3Cで行われることが好ましく、0.002〜0.25Cで行われることがより好ましく、0.003〜0.2Cで行われることが更に好ましい。また、初回充電が定電圧充電を途中に経由して行われることも好ましい結果を与える。
尚、定格容量を1時間で放電する定電流値が1Cである。リチウム塩が電気化学的な反応に関与する電圧範囲を長く設定することによって、電極表面にSEI(Solid Electrolyte Interphase)が形成され、正極を含めた内部抵抗の増加を抑制する効果がある。また、反応生成物が負極のみに強固に固定化されることなく、何らかの形で正極やセパレータ等、負極以外の部材にも良好な効果を与える。そのため、電解液に溶解したリチウム塩の電気化学的な反応を考慮して初回充電を行うことは非常に有効である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例等によって本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ゲル化燃焼法によるリチウム含有複合酸化物の調製>
ゲル化燃焼法により、Li1.2Ni0.175Co0.10Mn0.525で表される組成を有するリチウム含有複合酸化物を調製した。
Li源としてLi(CHCOO)・2HO及びLiNOを、
Ni源としてNi(NO・6HOを、
Co源としてCo(NO・6HOを、そして
Mn源としてMn(CHCOO)・4HOを、
それぞれ用い、Li(CHCOO)・2HO及びLiNOの使用比率を調整することにより、原料全体のCHCOO/NO比率が3/1(モル比)となるようにし、更に塩の濃度が合計で30質量%となるようにして、上記の原料が上記組成に相当する割合で溶解した水溶液を調製した。
この水溶液が入った容器を撹拌しながら、80℃において3時間加熱して、燃焼性ゲルを得た。得られたゲルを、到達温度400℃、室温から400℃までの昇温時間3時間、400℃における保持時間30分の条件で大気中で熱処理を行い、スポンジ状の粉体を得た。この熱処理の間、ゲルの温度の測定を継続して実施したところ、230℃において急激な温度上昇を観測し、この温度において瞬時にゲルが熱分解されていることを確認した。
次いで、得られたスポンジ状粉体を、乳鉢及び乳棒により粉砕した後、到達温度860℃、室温から到達温度までの昇温時間1.5時間、到達温度における保持時間5時間の条件で大気中において焼結を行うことにより、1gのリチウム含有複合酸化物を得た。
(金属組成比の測定)
ICP(高周波誘導結合プラズマ)を光源とする発光分光測定により、上記で得られたリチウム含有複合酸化物の金属組成比を調べた。
ICP測定を行った結果、得られた複合酸化物は、Li:Ni:Co:Mn=1.2:0.175:0.10:0.525(モル比)の原子比を有することが分かり、所望の組成であることを確認した。
ICP測定は、以下のとおりに行った;
メノウ乳鉢で微細粉砕した複合酸化物0.05gをテフロン(登録商標)容器に取り、王水8mLを加え、マイクロウェーブ加熱を行って均一に溶解した。この溶液に超純水を加えて100gとしたものをICP測定試料とした。この試料について、ICP−発光分光分析装置を用いて下記条件で測定を実施した。
測定条件:水溶媒用・サイクロンチャンバーを使用
プラズマガス(PL1):13(L/min)
シースガス(G1):0.3(L/min)
ネブライザーガス圧:3.0(bar)
ネブライザー流量:0.2(L/min)
高周波パワー:1.0(kw)
得られた結果を市販の原子吸光分析用標準液の分析値と比較することにより、定量値を算出した。
<金属元素分散性の評価>
上記リチウム含有複合酸化物中の金属元素の分散性は、以下のようにして評価を実施した。
直径13mmの加圧可能な錠剤成型容器中に、上記で得られたリチウム含有複合酸化物0.2gを入れ、20MPaの圧力で加圧して、加圧成型体(錠剤)を得た。この加圧成型体にOs蒸着を行ったものを試料とし、エネルギー分散型X線検出器(EDX)を備えたJEOL社製の3100FEF型透過型電子顕微鏡/走査透過電子顕微鏡装置(TEM/STEM)を用いて、加速電圧5kVの条件下でSTEM観察を行った。
得られたTEMの明視野像、及びSTEMの暗視野像について、それぞれ10μm幅程度の視野を観察し、粉体粒子の空隙のない領域で長さ3μmのライン範囲を選択し、ライン分析を実施した。すなわち、選択した3μmのラインに沿って、EDX検出器により、Ni、Co、及びMnのX線強度を20nmごとに測定した。
そして、金属種ごとに最高強度、最低強度、及び平均強度を調べ、これらの値を下記数式(1)に代入して元素分散幅を求めた。
元素分散幅(%)=(最高強度−最低強度)/平均強度×100 (1)
上記ゲル化燃焼法によるリチウム含有複合酸化物の元素分散幅は、Co:12.3%、Ni:15.9%、及びMn:11.8%であった。
<共沈法によるリチウム含有複合酸化物の調製>
遷移金属硝酸塩及びLi炭酸塩を原料として、共沈法により、Li1.2Ni0.175Co0.10Mn0.525で表される組成を有するリチウム含有複合酸化物を調製した。
NiSO・6HO、CoSO・7HO、及びMnSO・5HOを、上記組成に相当する割合で、且つ硫酸塩濃度が合計で2mol/Lとなるように蒸留水に溶解し、硫酸塩水溶液を得た。
これとは別に、NaCO及びNHOHを、NaCO濃度は2.5mol/L及びNHOHの濃度は1mol/Lとなるように蒸留水に溶解して、NaCO/NHOH水溶液を調製した。
次に、上記の硫酸塩水溶液に、上記NaCO/NHOH水溶液を撹拌しながら徐々に添加して、金属炭酸塩の沈殿を得た。得られた金属炭酸塩は、濾取し、蒸留水で数回洗浄した後、110℃において16時間の乾燥を行った。乾燥後、質量を測定して、上記組成に相当する割合でLiCOを混合した。乳鉢を用いて十分に混合撹拌した後、500℃において5時間、大気下で1段目の焼成を実施した。次いで、再度乳鉢で粉砕混合して、900℃において5時間、2段目の焼成を行うことにより、リチウム含有複合酸化物を5g得た。
上記と同様の方法でICP測定を行った結果、得られたリチウム含有複合酸化物は、Li:Ni:Co:Mn=1.2:0.175:0.10:0.525(モル比)の原子比を有し、所望の組成であることを確認した。
また、上記と同様の方法で元素分散性を測定したところ、このリチウム含有複合酸化物の元素分散幅は、Co:29.7%、Ni:29.9%、及びMn:28.9%であった。
<固相合成法によるリチウム含有複合酸化物の調製>
固相合成法を用いてLi1.2Ni0.175Co0.10Mn0.525で表される組成を有するリチウム含有複合酸化物を調製した。固相合成法は、リチウム含有層状化合物の合成に一般的に用いられる手法である。
上記組成に相当する量のNi、Co、及びMnの各水酸化物を、ジルコニアボール(直径1cm)7個とともにジルコニア容器(12ml)内に入れて、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、型式P−5)を用いて、250rpmにて6時間混合して、金属水酸化物の混合体を得た。その後、上記組成に相当する量の炭酸リチウムを加え、乳鉢で混合して後、大気中500℃において5時間、1段目の焼成を実施した。次いで、乳鉢で再度粉砕混合した後、大気中900℃において5時間、2段目の焼成を行うことにより、目的のリチウム含有複合酸化物を1g得た。
上記と同様の方法でICP(高周波誘導結合プラズマ)測定を行った結果、得られたリチウム含有複合酸化物は、Li:Ni:Co:Mn=1.2:0.175:0.10:0.525(モル比)の原子比を有し、所望の組成を有することを確認した。
また、上記と同様の方法で元素分散性を評価したところ、このリチウム含有複合酸化物の元素分散幅は、Co:83.9%、Ni:59.5%、及びMn57.8%であった。
<非水系リチウムイオン二次電池の作製>
以下の実施例及び比較例で調製した酸化物複合体を正極活物質として使用した非水系リチウムイオン二次電池の特性は、以下の手順により評価した。
(1)電極作製
(1−1)正極の作製
各実施例又は比較例で調製した酸化物複合体を正極活物質として用い、これに、導電助剤として数平均粒子径48nmのアセチレンブラック粉末と、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを、4:5:1の質量比で混合した。得られた混合物にエタノールを含ませながら乳鉢上で混合し、乳棒により加圧し、引き伸ばしてシート状にした。このシートを室温において2時間静置して溶媒を除去した後、20mgを切り出して、正極シートとした。15.958mmφのアルミニウムメッシュの片面上に、切り出した正極シートを2トン/cmで圧着した後、真空乾燥することにより、正極(P)を得た。
(1−2)負極の作製
負極活物質として数平均粒子径12.7μmのグラファイト炭素粉末、及び数平均粒子径6.5μmのグラファイト炭素粉末、並びに
バインダーとしてカルボキシメチルセルロース溶液(固形分濃度1.83質量%)、及びジエン系ゴム(ガラス転移温度:−5℃、乾燥時の数平均粒子径:120nm、分散媒:水、固形分濃度40質量%)を、
90:10:1.44:1.76の固形分質量比で、全体の固形分濃度が45質量%になるように混合して、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、60℃において10時間静置して溶剤を除去した後、ロールプレスで圧延することにより、負極(N)を得た。
この負極(N)は、単位面積当たりの活物質の質量が5.0mg/cm±3%、活物質の厚さが40μm±3%、活物質の密度が1.25g/cm±3%、塗工幅が銅箔の幅200mmに対して150mmになるように作製した。
(2)電解液の調製
溶媒としてエチルメチルカーボネート(EMC)及びエチレンカーボネート(EC)を容量比で7:3の割合で混合した溶媒を用い、リチウム塩としてLiPFを1mol/Lの濃度となるように添加することにより、電解液を調製した。
(3)評価用電池の作製
上述のようにして得られた正極(P)と、上述のようにして得られた負極(N)を直径16mmの円盤状に打ち抜いたものとを、ポリエチレンからなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせて積層体を得た。その積層体をSUS製のコイン型電池ケースに挿入した。次いで、その電池ケース内に電解液を0.1mL注入して積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉した。その後、25℃において24時間保持し、積層体に電解液を十分馴染ませることにより、小型の評価用電池(非水系リチウムイオン二次電池)を得た。
この非水系リチウムイオン二次電池の構造については、添付の図1も参照のこと。
<非水系リチウムイオン二次電池の評価>
(1)レート特性の評価
実施例1〜4及び比較例1〜3において調製した酸化物複合体をそれぞれ用いて上述のようにして作製した非水系リチウムイオン二次電池について、下記の手順に従って特定の放電電流における放電容量を測定してレート特性をそれぞれ評価した。
測定は、アスカ電子(株)製の充放電装置ACD−01(商品名)及びヤマト科学(株)製の恒温槽IN−804(商品名)を用いて行った。
各非水系リチウムイオン二次電池について、電流値0.2mA(0.1C Rate)において定電流充電を行って4.7Vに到達した後、電圧値4.7Vにおいて定電圧充電を行い、前記定電流充電と定電圧充電との合計充電時間が8時間となるように充電を行った。前記充電後、電流値0.2mA(0.1C Rate)にて、2.0Vまで定電流放電を行い、初回放電容量を求めた。
次いで、前記と同様にして定電流充電及び定電圧充電を行った後、電流値0.6mA(0.3C Rate)にて、2.0Vまで定電流放電を行い、0.3C Rateにおける放電容量を求めた。更に、前記と同様にして定電流充電及び定電圧充電を行った後、電流値10mA(5C Rate)にて、2.0Vまで定電流放電を行い、5C Rateにおける放電容量を求めた。
前記充放電操作の時の電池の周囲温度は25℃に設定した。
前記で得た値を用いて、下記数式に従って放電容量比を求めた。
放電容量比=[5C Rateにおける放電容量]/[0.3C Rateにおける放電容量]
[実施例1]
<ゲル化燃焼法によるCeO含有酸化物複合体の調製>
ゲル化燃焼法により、1.59質量%のCeOを含み、Li1.2Ni0.175Co0.10Mn0.525で表される組成のリチウム含有複合酸化物を母体とする酸化物複合体を調製した。
Li源としてはLi(CHCOO)・2HO及びLiNOを、
Ni源としてはNi(NO・6HOを、
Co源としてはCo(NO・6HOを、
Mn源としてはMn(CHCOO)・4HOを、そして
Ce源としてはCeOナノゾル(多木化学(株)ニードラールB−10 CeO10.3質量%含有、平均粒径20nm)を、
それぞれ用い、Li(CHCOO)・2HO及びLiNOの使用比率を調整することにより、原料全体のCHCOO/NO比率が3/1(モル比)となるようにし、更にCeOの比率が最終の酸化物複合体の全量に対して1.59質量%に相当する量となるようにCeOナノゾルを含み、且つ塩の濃度が合計で30質量%となるようにして、上記の原料が上記組成に相当する割合で溶解又は分散した混合液を調製した。次いで上記の混合液が入った容器を撹拌しながら80℃において3時間加熱して、燃焼性ゲルを得た。得られたゲルを、到達温度400℃、室温から400℃までの昇温時間3時間、400℃における保持時間30分の条件で熱処理を行い、スポンジ状の粉体を得た。次いで得られたスポンジ状粉体を、乳鉢を用いて粉砕した後、到達温度880℃、室温から到達温度までの昇温時間1.5時間、到達温度の保持時間5時間の条件で焼結を行うことにより、CeOを含む酸化物複合体を1g得た。
ICP測定の結果、得られた酸化物複合体は、Li:Ni:Co:Mn:Ce=1.2:0.175:0.10:0.525:0.008(モル比)の原子比を有し、所望の組成であることを確認した。
<酸化物複合体のXRD測定>
上記で調製した酸化物複合体のXRD分析を、乳鉢で粉砕した酸化物複合体を測定試料として、下記条件で実施した。
検出器:半導体検出器
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
発散スリット:0.3°
ステップ幅:0.02°/step
計測時間:3sec
得られたXRDパターンは、リチウム含有酸化物のピークの他に、2θ=28.56°及び33.08°にピークが観察されたことから、CeOの形成が観測された。
[実施例2]
CeOナノゾルの使用量を、最終的に得られる酸化物複合体に対してCeO換算で3.13質量%に相当する量としたこと以外は、実施例1と同様の方法で調製を行うことにより、酸化物複合体を得た。ICP及びXRDの測定結果から、所定量のCeOを含む酸化物複合体であることを確認した。
[実施例3]
本実施例では、<共沈法によるリチウム含有複合酸化物の調製>において調製したリチウム含有複合酸化物に対して、CeOによる表面被覆を行った。
最終的に得られる酸化物複合体に対してCeO換算で0.31質量%に相当するCe(NO・6HO、及び全体のCHCOO/NO比率が3/1(モル比)となるような量のLi(CHCOO)・2HOを用いて、合計の塩濃度が1重量%の水溶液を調製した。この水溶液に、<共沈法によるリチウム含有複合酸化物の調製>において調製したリチウム含有複合酸化物の粉体1gを加えた。得られた混合物を100mlナスフラスコに入れ、エバポレーターを用いて、バス温度80℃、回転数50rpm、及び圧力200mHgの条件で、約30分水の留去を行い、乾燥粉体を得た。次いで、得られた粉体について、昇温時間3.0時間、到達温度400℃、及び保持時間0.5時間の条件で焼結を行うことにより、CeOによって表面被覆された酸化物複合体を得た。
ICP測定の結果、この酸化物複合体に所定量のCeが含まれていることを確認した。
また、以下の条件でSEMによる観察を行ったところ、CeOの被覆は、リチウム含有複合酸化物の表面上に一様に存在しているのではなく、表面の一部のみを被覆していることを確認した。
<SEM観察>
装置:KEYENCE社製 VE−9800
加速電圧:2.6KV
スポット径:6(装置の設定値)
真空度:3Pa
検出器:二次電子検出器
導電性両面テープを用いて試料を試料台に固定し、非蒸着の条件下、10,000倍の倍率にて観察した。
[実施例4]
本実施例では、<共沈法によるリチウム含有複合酸化物の調製>において調製したリチウム含有複合酸化物に対して、CeO及びYよる表面被覆を行った。
Ce源としてCe(NO・6HOを用い、Y源としてY(NO・6HOを用い、CeO及びYの合計が最終的に得られる酸化物複合体に対して0.31質量%、Ce/Yのモル比率が99/1となるような量及び割合の原料を用いたこと以外は実施例3と同様の方法で調製を行うことにより、CeO及びYによって表面被覆された酸化物複合体を得た。
ICP測定の結果、得られた酸化物複合体に所定量のCe及びYが含まれていることを確認した。また、SEM観察の結果、CeOの被覆は、一様ではなく、リチウム含有複合酸化物の表面の一部のみを被覆していることを確認した。
[比較例1]
比較例1では、上記<ゲル化燃焼法によるリチウム含有複合酸化物の調製>において得られたリチウム含有複合酸化物を、そのまま正極活物質として用いて非水系リチウムイオン二次電池を作製し、評価した。
[比較例2]
比較例2では、上記<共沈法によるリチウム含有複合酸化物の調製>において得られたリチウム含有複合酸化物を、そのまま正極活物質として用いて非水系リチウムイオン二次電池を作製し、評価した。
[比較例3]
比較例3では、上記<固相合成法によるリチウム含有複合酸化物の調製>において得られたリチウム含有複合酸化物を、そのまま正極活物質として用いて非水系リチウムイオン二次電池を作製し、評価した。
前記実施例1〜4、及び比較例1〜3おいて作製した非水系リチウムイオン二次電池の初回放電容量、0.3Cにおける放電容量、5Cにおける放電容量、及び5C/0.3C放電容量比を、表1に示した。
Figure 2016071970
表1に示した結果から、本発明所定の金属酸化物を含む酸化物複合体を用いた活物質によるリチウムイオン二次電池はいずれも高い電気容量と高いレート特性を有しており、高い電気容量と高いレート特性を両立していることが確認された。
本発明の酸化物複合体を正極活物質として用いて得られる非水系リチウムイオン二次電池は、例えば携帯電話、携帯オーディオ、パソコン、ICタグ等の携帯機器の他;
ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車等の自動車用充電池;
更には住宅用蓄電システムにおいて、好適に利用可能である。
100 非水系リチウムイオン二次電池
110 セパレータ
120 正極
130 負極
140 正極集電体
150 負極集電体
160 電池外装

Claims (9)

  1. 下記組成式(1):
    LiMn1−xM’3−α・・・(1)
    {式中、M’は、Mn及びLi以外の1種類以上の金属元素であり、そして0≦x<1、及び0≦α<1の関係を満足する。}で表されるLiが層状に配列した層状結晶構造を有するリチウム含有複合酸化物(A)と、
    イットリウム、ジルコニウム、及びランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物(B)と
    を含む酸化物複合体であって、
    前記金属酸化物(B)が前記酸化物複合体中に分散されて存在していることを特徴とする、前記酸化物複合体。
  2. 共沈法、スプレードライ法、又はゲル化燃焼法によって製造された、請求項1に記載の酸化物複合体。
  3. リチウム含有複合酸化物(A)について、エネルギー分散型X線検出器によるMnのライン分析を行った時、下記数式
    元素分散幅(%)=(最高強度−最低強度)/平均強度×100
    で定義される元素分散幅が50%以下である、請求項1又は2に記載の酸化物複合体。
  4. 前記金属酸化物(B)の含有率が、酸化物複合体の全体に対して、0.5〜5.0質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物複合体。
  5. 前記金属酸化物(B)がイットリウム、ジルコニウム、及びセリウムから成る群より選択される少なくとも1種を含む金属の酸化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化物複合体。
  6. 前記金属酸化物(B)が、セリウムを含む金属の酸化物である、請求項5に記載の酸化物複合体。
  7. 前記リチウム含有複合酸化物(A)が、
    前記組成式(1)で表される層状結晶構造と、
    下記組成式(2):
    Li1+kMn2−yMe’4―γ・・・(2)
    {式中、Me’は、Mn及びLi以外の1種類以上の金属元素であり、そして0≦k<1、0≦y≦0.5、及び0≦γ<1の関係を満足する。}で表されるスピネル結晶構造、及び
    下記組成式(3):
    LiMeO・・・(3)
    {式中、Meは、Li以外の1種類以上の金属元素である。}で表されるLiが層状に配列した層状結晶構造から選ばれる1種類以上の結晶構造と
    が固溶した結晶構造を有するものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸化物複合体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化物複合体を含むことを特徴とする、正極活物質。
  9. 請求項8に記載の正極活物質を有することを特徴とする、非水系リチウムイオン二次電池。
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