JP2016068839A - 鞍乗り型車両の電装品取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘッドパイプ21から後下方に延び、パワーユニット45を懸架するメインフレーム22と、メインフレーム22後端から下方に延び、車幅方向左右にそれぞれ設けられるピボットフレーム23とを備えた車体フレーム11に第1ECU141を含む電装品が搭載される自動二輪車10の電装品取付構造において、パワーユニット45は、クランクケース42と、クランクケース42から突出するシリンダ部43とを備え、第1ECU141は、側面視において、左右のピボットフレーム23の前方であって、シリンダ部43の後方且つクランクケース42の上方に配置される。
【選択図】図3
Description
本発明の目的は、デッドスペースを有効活用しながら車体剛性を適切にし、更に、熱影響も考慮しつつ複数の電装品を集中的に配置することで、メンテナンス性向上と車両の走行性能を向上させることが可能な鞍乗り型車両の電装品配置構造を提供することにある。
また、上記構成において、前記クロス部材(148)は、板状であり、少なくとも一部に肉抜き穴(148a,148b)が形成されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記左右の懸架ステー(147)は、前記第1ECU(141,175)とは別体の第2ECU(142,176)を支持し、前記第2ECU(142,176)は、前記第1ECU(141,175)の後方に配置されるようにしても良い。
また、第1ECUは、クロス部材に弾性支持されるので、懸架部材と第1ECUとからなる左右のピボットフレーム間を接続する接続部分の剛性を適切にすることができる。従って、車両の旋回性を向上させることができる。また、左右のピボットフレームから懸架部材を介して第1ECUへ大きな外力が伝わらないようにすることができ、第1ECUを保護することができる。
また、第1ECU及び第2ECUは、メインフレームに支持される燃料タンクよりも後方に位置し、燃料タンクの後部に設けられるガイド部は、第1ECU及び第2ECUに走行風を供給するように指向されるので、燃料タンクのガイド部によって走行風を第1ECU及び第2ECUに当てて冷却することができ、第1ECU及び第2ECUをパワーユニットに近づけて配置することが可能になる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の電装品取付構造を備える自動二輪車10の左側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11の前端部にフロントフォーク12を介して前輪13が支持され、車体フレーム11の下部にスイングアーム14を介して後輪16が支持され、車体フレーム11の後部にシート17が支持された鞍乗り型車両である。
車体フレーム11は、自動二輪車10の骨格となる部分であり、ヘッドパイプ21、左右一対のメインフレーム22、左右一対のピボットフレーム23、リアフレーム24、ダウンフレーム26を備える。
メインフレーム22は、ヘッドパイプ21から側面視で後方斜め下方に直線状に延びている。ピボットフレーム23は、各メインフレーム22の後端部から後方に凸となるように略円弧状に湾曲し、最も後方に湾曲する部分から下方寄りの位置にピボット軸35が支持される。ピボット軸35には、上下揺動可能にスイングアーム14の前端部が支持され、スイングアーム14の後端部に車軸36を介して後輪16が支持される。
ダウンフレーム26は、上部を構成するダウンフレーム上部26Aと、下部を構成する左右一対のダウンフレーム下部26Bとからなる。
ダウンフレーム上部26Aは、ヘッドパイプ21からメインフレーム22より急な角度で略下方に延びている。ダウンフレーム下部26Bは、ダウンフレーム上部26Aの下端部から側面視では下方に延長されるように延びるとともに、左右に分岐し、更に湾曲して略水平に後方に延びて各ピボットフレーム23の下端部に接続される。
左右のピボットフレーム23には車幅方向に延びる複数のクロスパイプ(不図示)が渡され、上部に設けられたクロスパイプとスイングアーム14側とにはリヤクッションユニット28が渡されている。メインフレーム22とダウンフレーム上部26Aとには、補強フレーム29が渡されている。左右のダウンフレーム下部26Bには、車幅方向に延びて左右を連結するクロスパイプ(不図示)が渡されている。
シリンダ部43は、クランクケース42に取付けられたシリンダブロック46と、シリンダブロック46の上端部に取付けられたシリンダヘッド47と、シリンダヘッド47の上部開口を塞ぐヘッドカバー48とを備える。
シリンダブロック46は、その下部がクランクケース42内に挿入され、ピストン(不図示)が上下移動可能に挿入されるシリンダ穴が設けられる。
シリンダヘッド47は、その後面に吸気装置51、前面に排気装置52がそれぞれ接続されている。
排気装置52は、シリンダヘッド47に設けられた排気マニホールド61と、排気マニホールド61の前端部に接続された排気管62と、排気管62の後端部に接続されたマフラ63とを備える。排気管62は、排気マニホールド61の前端部から下方斜め前方に延び、更に車幅方向右側方そして後方に湾曲して車体右下部を後方へ延び、スイングアーム14の右側方でマフラ63に接続される。
変速機44の出力軸44aにはドライブスプロケット39が取付けられ、ドライブスプロケット39と、後輪16に一体的に設けられたドリブンスプロケット49とにはチェーン65が掛け渡されて、変速機44から後輪16へ駆動力が伝達される。
ヘッドパイプ21の前部には、前方に突出する前部ステー71が固定され、前部ステー71には、ヘッドライトやロードブックホルダ等のラリー用装備73、ウインドスクリーン75等が支持される。
ピボットフレーム23の下部には、ステップブラケット81を介して運転者用のステップ82及びサイドスタンド83が支持される。
ここで、符号85はフロントフォーク12の下部を前方から覆う左右一対のフォークカバー、86はバーハンドル31のグリップを前方から覆うグリップガード、87は後輪16を上方から覆うリヤフェンダ、88は後輪16の前方に配置されたマッドガードである。
図2に示すように、前部燃料タンク66は、上から順に上タンク部66A、中間タンク部66B、下タンク部66Cが一体に成形されている。上タンク部66Aの前端部は、タンクブラケット91を介してメインフレーム22にビス92で取付けられ、下タンク部66Cの後端部66sは、タンクブラケット93を介してピボットフレーム23にビス94で取付けられている。
上タンク部66Aは、メインフレーム22の車幅方向外側方からその上方に亘って設けられ、上タンク部66Aの後方にエアクリーナ58が配置される。中間タンク部66Bは、上タンク部66A及び下タンク部66Cに対してくびれた部分である。下タンク部66Cは、メインフレーム22及び補強フレーム29よりも下方に位置する。
下タンク部66Cの前端部は、その前方及び側方からスキッドプレート77によって覆われる。スキッドプレート77の上壁77aは、下タンク部66Cの前部上面66dに対して連続するように前方斜め下方に延びている。スキッドプレート77の側壁77bは、下タンク部66Cの下端後縁部66eまで延び、下タンク部66Cにビス96で取付けられている。
ピボットフレーム23よりも前方であって、エンジン41のシリンダ部43の後方且つクランクケース42の上方に、2つの第1エンジンコントロールユニット141及び第2エンジンコントロールユニット142が配置されている。以下では、第1エンジンコントロールユニット141を「第1ECU141」、第2エンジンコントロールユニット142を「第2ECU142」と記す。
尚、本実施形態において、第1ECU141及び第2ECU142は、各種センサからの信号に基づいて、エンジン41の点火時期、燃料噴射タイミング、アイドル回転数、排ガス還元量等を制御する電装品であるが、一般的な電装品としても良い。
このような空間145に第1ECU141及び第2ECU142を配置したのは、車体のデッドスペースを有効活用し、複数の車体装備品としての電装品を集中的に配置してメンテナンス性を向上させ、更に後述するように、車体剛性を適切にし、また、熱影響も考慮したことによる。
左右のピボットフレーム23,23には、それぞれ懸架ステー147が取付けられ、各懸架ステー147にクロスプレート148が取付けられ、更に左右のクロスプレート148,148に第1ECU141が支持されている。また、左右の懸架ステー147,147に、第1ECU141の後方に配置された第2ECU142が支持されている。第1ECU141及び第2ECU142には、それぞれハーネス153が接続されている。
第1ECU141、左右の懸架ステー147,147と、第2ECU142との間には、緩衝効果を有するゴム等の弾性体からなる板部材151が配置されている。板部材151は、第2ECU142の前面に貼り付けられている。
内方屈曲部147bには更に車幅方向内側に延びる板状のクロスプレート148が複数のボルト163で取付けられている。クロスプレート148は、複数の肉抜き穴148a,148bが開けられ、軽量化が図られている。
また、第1ECU141を、左右のクロスプレート148,148に対してマウントラバー165により弾性支持することで、上記したECU懸架部材150と第1ECU141による左右のピボットフレーム23,23間の剛性が過大となることをより一層抑制することができる。更に、弾性支持に第1ECU141に負荷や振動が作用しにくくなり、第1ECU141を保護することができる。
左右のピボットフレーム23,23の先端部は、車幅方向に延びるクロスフレーム161で連結されている。クロスフレーム161の車幅方向中央部にはリヤクッションユニット28(図2参照)の上端部が揺動可能に連結されている。
懸架ステー147には、V字延出部147aから、内方屈曲部147bの後方で車幅方向内側に突出する内方突出部171が設けられている。
左右のクロスプレート148には、第1ECU141が弾性支持されているので、左右のクロスプレート148がそれぞれ変位しても、その変位を弾性部材であるマウントラバー165,165(図5参照)で吸収して第1ECU141に負荷が作用するのを抑制することができる。
また、左右の内方突出部171,171には、第2ECU142がラバーマウント(不図示)を介して弾性支持されている。これにより、第1ECU141と同様に、第2ECU142に負荷が作用するのを抑制することができる。
左右の前部燃料タンク66(図2参照)を前部燃料タンク66L,66Rとすると、前部燃料タンク66L,66Rは、前部の車幅方向内側にそれぞれタンク凹部66hが設けられる。左右のタンク凹部66h,66hにそれぞれ形成された底面66k,66mのうち、左側の前部燃料タンク66Lの底面66kに複数のボルト115で燃料ポンプ116が取付けられている。
スキッドプレート77は、車幅方向中央部に開口が形成され、この開口部に重なるように金網からなるメッシュ部材105が固定されている。また、スキッドプレート77には、メッシュ部材105の左右両側に膨出部77d,77eが設けられる。なお、符号77zはスキッドプレート77に後方に突出するように形成された凸状部であり、ダウンフレーム下部26B側に取付けられる。
シリンダ部43の後方には、クランクケース42(図1参照)上に設けられたスタータモータ131が配置される。更に、スタータモータ131の後方には、第1ECU141及び第2ECU142が配置される。また更に、第1ECU141、第2ECU142の後方にはリヤクッションユニット28が配置される。
このように、第1ECU141及び第2ECU142は、空間145において、スタータモータ131よりも後方で、リヤクッションユニット28よりも前方に出来た空間を有効利用して配置される。
これにより、矢印Mで示すように、車両前方からメッシュ部材105を通過してエンジン41側に流入した走行風は、内壁突出部66pによって、矢印Nで示すように、シリンダ部43と内壁66nとの間から後方斜め左方に流れて、スタータモータ131及び第1ECU141、第2ECU142を冷却する。
また、メッシュ部材105を通過した走行風は、矢印P,Qで示すように、左右のダウンフレーム下部26B,26Bで左右に分かれ、エンジン41側へ流れる。更に、矢印R,Sで示すように、左側の前部燃料タンク66Lのタンク凹部66hを通過した走行風は、前部燃料タンク66Lとシリンダ部43との間を通って後方へ流れる。
また、第1ECU141は、クロスプレート148に弾性支持されるので、ECU懸架部材150と第1ECU141とからなる左右のピボットフレーム23間を接続する接続材の剛性を適切にすることができる。従って、車両の旋回性能を向上させることができる。また、左右のピボットフレーム23からECU懸架部材150を介して第1ECU141へ大きな外力や衝撃が伝わらないようにすることができ、第1ECU141を保護することができる。
図7は、第2実施形態の第1ECU175及び第2ECU176の配置とその周囲を示す斜視図である。図4に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明を省略する。
左右のピボットフレーム23,23には、それぞれ懸架ステー173が取付けられ、左右の懸架ステー173,173間にECUブラケット174が渡され、ECUブラケット174の前側に第1ECU175、後側に第2ECU176が取付けられている。左右の懸架ステー173,173及びECUブラケット174は、ECU懸架部材177を構成する。
ECUブラケット174は、板を折り曲げることで形成された部材であり、左右一対の側部フランジ部174a,174aと、略箱形の凹状部174bとから一体に構成される。側部フランジ部174aは、懸架ステー173(詳しくは、内方屈曲部173b)に複数のボルト163で締結される。凹状部174bは、左右の側部フランジ部174a,174a間に後方に凹むように形成された略箱形の部分である。凹状部174bの上壁174c及び下壁174dには、それぞれ前側に突出する起立片174e,174fが形成されている。起立片174e,174fが、第1ECU175の上部及び下部に形成された凸状部175a,175bのスリット175c,175dに圧入されることで、第1ECU175がECUブラケット174に固定される。
凹状部174bの略箱形の底壁174gは、第2ECU176を載せるために後側へ突出するように設けられた左右一対のECU載置部174h,174hと、第2ECU176を押えるゴムバンド179の両端を掛ける一対のバンド用フック174j,174kとを備える。
懸架ステー173及びECUブラケット174は、プレートから折り曲げ成形された部材であるため、剛性が小さい。従って、車両の、例えば旋回性能を向上させることができる。また、ECUブラケット174を用いて第1ECU175(図7参照)と第2ECU176との両方を支持することができ、第1ECU175の支持部材と第2ECU176の支持部材とを別々に設けるのに比べて、部品数を減らすことができる。また、第2ECU176をECUブラケット174にゴムバンド179で固定するので、第2ECU176の着脱を容易に行うことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
11 車体フレーム
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム
23 ピボットフレーム
42 クランクケース
43 シリンダ部
45 パワーユニット
66,66L,66R 前部燃料タンク(燃料タンク)
66p 内壁突出部(ガイド部)
141,175 第1エンジンコントロールユニット(第1ECU)
142,176 第2エンジンコントロールユニット(第2ECU)
147 懸架ステー
148 クロスプレート(クロス部材)
148a,148b 肉抜き穴
150 ECU懸架部材
Claims (6)
- ヘッドパイプ(21)から後下方に延び、パワーユニット(45)を懸架するメインフレーム(22)と、前記メインフレーム(22)後端から下方に延び、車幅方向左右にそれぞれ設けられるピボットフレーム(23)とを備えた車体フレーム(11)に第1ECU(141,175)を含む電装品が搭載される鞍乗り型車両の電装品取付構造において、
前記パワーユニット(45)は、クランクケース(42)と、クランクケース(42)から突出するシリンダ部(43)とを備え、前記第1ECU(141,175)は、側面視において、左右の前記ピボットフレーム(23)の前方であって、前記シリンダ部(43)の後方且つ前記クランクケース(42)の上方に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両の電装品取付構造。 - 前記第1ECU(141)を支持するECU懸架部材(150)は、前記左右のピボットフレーム(23)から前方に延びる左右一対の懸架ステー(147)と、前記左右の懸架ステー(147)からそれぞれ車幅方向内側へ延びる左右一対のクロス部材(148)とを備え、前記第1ECU(141)は、前記左右のクロス部材(148)を橋渡しするようにして支持されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記クロス部材(148)は、板状であり、少なくとも一部に肉抜き穴(148a,148b)が形成されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記第1ECU(141)は、前記クロス部材(148)に弾性支持されることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記左右の懸架ステー(147)は、前記第1ECU(141,175)とは別体の第2ECU(142,176)を支持し、前記第2ECU(142,176)は、前記第1ECU(141,175)の後方に配置されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
- 前記第1ECU(141,175)及び前記第2ECU(142,176)は、前記メインフレーム(22)に支持される燃料タンク(66,66L,66R)よりも後方に位置し、前記燃料タンク(66L,66R)の後部に設けられるガイド部(66p)は、前記第1ECU(141,175)及び前記第2ECU(142,176)に走行風を供給するように指向されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の電装品取付構造。
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