JP2016052959A - ガラス被覆アルミナ構造物、分離膜エレメント、およびガラス接合剤 - Google Patents

ガラス被覆アルミナ構造物、分離膜エレメント、およびガラス接合剤 Download PDF

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隆行 大橋
宮嶋 圭太
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【課題】100℃以上の高温下での有機溶剤や高酸性、高アルカリ性溶液に対する高い耐久性および封止性を有するガラス被覆アルミナ構造物を提供する。【解決手段】セラミックス配管10によれば、管状セラミックス基材12の内周側表面を被覆するガラス層13の組成が、必須成分としてSiO2:55〜76wt%、ZrO2:5〜14wt%、B2O3:0〜12wt%を含み、かつK2O、Na2OおよびLi2Oの3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つのアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%である。このため、100℃以上の高温下での有機溶剤や高酸性、高アルカリ性溶液に対する高い耐久性および封止性を有するセラミックス配管10を得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば100℃以上の高温下での高耐食性を有するガラス被覆アルミナ構造物、それを用いた分離膜エレメント、および、たとえば分離膜用基材と接合部材との接合のようなセラミックス同士を接合するガラス接合剤に関する。
セラミックスは、プラスチックや金属と比較して高強度で耐食性に優れている性質を有することから、高温で酸性およびアルカリ性の液体やガスなどの流体物を移送する配管として利用されている。また、多孔質のセラミックスはセラミックフィルタ、セラミックスよりも小さい細孔径を有する炉材、たとえばゼオライト膜などの分離膜を担持する、分離膜エレメントの構成部材である分離膜用基材などにも利用されている。
ここで、セラミックスから構成される配管は、たとえば温泉施設や工場で用いられる場合には、極度に高い酸性成分またはアルカリ性成分を含む高温の排水の影響により配管の腐食が早い速度で進行し、想定よりも早く配管の交換の必要が生じる可能性があった。そのため、高温下における高酸性あるいは高アルカリ性の液体に対するより高い耐久性を有するセラミックス配管が求められている。また、有機溶剤や酸、アルカリ溶液中での所望成分である固体、液体の分離やガス分離に利用されるセラミックフィルタや分離膜エレメントは、たとえば100℃以上の高温で使用される場合もある。このような過酷な条件で使用されるセラミックフィルタや分離膜エレメントは、金属あるいはセラミックスなどから構成される配管や封止栓などの接合部材がセラミックフィルタまたは分離膜エレメントの分離膜用基材の端部に接合された状態で通常使用されるものであり、接合部材への有機溶剤や酸、アルカリ溶液の接触による接合部材の腐食を原因とする液やガス漏れを抑制するために、配管、セラミックフィルタまたは分離膜エレメントの分離膜用基材の端部と接合部材とを接合する接合剤にはより高い耐食性と封止性が求められている。そのため、ガラスの有する高い耐食性および液不透過性などの性質をセラミックス製品に利用するために、セラミックス表面へのガラスによる被覆が特許文献1ないし3において提案されている。
特許文献1では、SiO、Alの主成分とNaO、Fe、Pなどのガラス生成成分とが混合された混合原料が混練後に筒状に押出成形され、乾燥後に焼成されることにより得られる、表面にガラス層が形成されたガラス被覆セラミックス構造物であるセラミックス配管が提案されている。特許文献2では、分離膜用基材としての主成分がアルミナで構成される多孔質セラミックス管と、主成分としてアルミナ50wt%以上を含有する接合部材とを多孔質セラミックス管を被覆した状態で溶融固着することにより接合する、必須成分としてSiOやAlなどを含むガラス接合剤およびガラス接合剤により接合部材と接合された多孔質セラミックス管の外周側表面にゼオライト薄層が形成されてなる分離膜エレメントが提案されている。特許文献3では、炉材が内周側表面に設けられた分離膜用基材としてのセラミック多孔質管は、その端面がSiO、ジルコニアなどを含有し、酸化亜鉛を含有しない無アルカリガラスにより被覆され、セラミックス多孔質管の外周面側と炉材が設けられたセラミックス多孔質管の内周面側および端面側とが気密的に隔離されるようにハウジングに収容されている。
特開2000−247730号公報 特開2009−066528号公報 特開2006−263498号公報
特許文献1のセラミックス配管は、その表面がガラス層で覆われることにより、吸水率が低下され強度が高められているが、ガラス層によるセラミックス管の高温下での酸性、アルカリ性溶液に対する耐久性の向上については、何ら言及されていない。また、特許文献2では、エタノール/水の膜分離装置に適用された上記分離膜エレメントのゼオライト薄層の性能試験により、多孔質セラミックス管と接合部材とを接合するガラス接合剤の封止性が示されているが、100℃以上の高温下での高酸性、高アルカリ性溶液に対する分離膜エレメントの耐久性については言及されていない。また、特許文献3では、セラミック多孔質管の端面に被覆されたガラスにより、被処理流体が上記端面を通じて炉材を介することなくセラミック多孔質管を内周面側から外周面側へ透過することによる被処理流体の処理済み流体への混入による汚染が抑制されているが、30℃に調整された2質量%のクエン酸溶液、有効塩素5000ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液により上記ガラスの耐食性が評価されるにとどまり、100℃以上の高温下での高酸性、高アルカリ性溶液に対する耐久性および封止性については言及されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、100℃以上の高温下での有機溶剤や高酸性、高アルカリ性溶液に対する高い耐久性および封止性を有するガラス被覆アルミナ構造物を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨とするところは、主成分としてアルミナで構成された熱膨張係数が6〜8×10−6/Kのセラミックスと、該セラミックスの表面の一部又は全部を被覆したガラス層とから成るガラス被覆アルミナ構造物であって、前記ガラス層の組成が、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つのアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%であることにある。
本発明のガラス被覆アルミナ構造物によれば、前記ガラス層の組成が、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つのアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%である。このため、100℃以上の高温下での有機溶剤や高酸性、高アルカリ性溶液に対する高い耐久性および封止性を有するガラス被覆アルミナ構造物とすることができる。
ここで、前記ガラス被覆アルミナ構造物は、前記ガラス層の原料であるガラス粉末のスラリーに前記セラミックスを浸漬した後、乾燥し、800℃から900℃で焼成することにより得られる。
また、好適には、前記ガラス層の熱膨張係数と前記セラミックスとの熱膨張係数の差が2×10−6/K以下である。このため、セラミックスの表面をガラス層で被覆するための焼成時においてガラス層のひび割れやセラミックスからの剥離が抑制されて、ガラス被覆アルミナ構造物の封止性が一層高められる。
また、好適には、前記セラミックスは管状の形状を有する。このため、押出成形を用いることで容易にセラミックス成形することができる。
また、好適には、前記ガラス被覆アルミナ構造物は分離膜エレメントの分離膜用基材として用いられる。このため、分離膜用基材と接合部材との接合部がガラス層により溶融固着されており、100℃以上の高温での高酸性または高アルカリ性条件下においてガラス層の耐食性、封止性により高酸性または高アルカリ性溶液の接合部材への接触が抑制されることから、上記条件下において好適に使用することができる分離膜エレメントを得ることができる。
また、好適には、前記分離膜用基材は、主成分としてアルミナから構成され、熱膨張係数が6〜8×10−6/Kであり、少なくとも被処理流体あるいは処理済流体を流通させる流路が形成されたセラミックスにおいて、接合部材が接合される接合部がガラス層で被覆されたガラス被覆アルミナ構造物である。前記分離膜用基材としては、管状の多孔質セラミックス管の一端部あるいは両端部が前記ガラス層により被覆されたガラス被覆アルミナ構造物が好適に挙げられる。また、接合時の焼成におけるガラス層のひび割れなどを抑制するため、前記接合部材の熱膨張係数と前記分離膜用基材の熱膨張係数との差はたとえば2×10−6/K以下であることが望まれる。
また、好適には、前記分離膜エレメントは、前記分離膜用基材と前記接合部材とが前記ガラス層により固着された後に前記分離膜用基材の表面に炉材の層が形成されたものである。前記炉材は、液体やガスなどの被処理流体中から分離対象となる成分を分離する機能を有するものであり、好適には、例えば、水処理用分離膜として用いられるMF(精密ろ過)膜、UF(限外ろ過)膜、NF(ナノろ過)膜、RO(逆浸透)膜や、ガス分離膜として用いられるゼオライト膜、炭化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、炭素膜、シリカ膜、チタニア膜、ジルコニア膜などが挙げられる。
また、好適には、主成分としてアルミナで構成された熱膨張係数が6〜8×10−6/Kのセラミックス同士を接合するためのガラス接合剤は、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、それらの合計量が10〜15wt%である。このため、ガラス接合剤の耐食性、封止性により高温での高酸性または高アルカリ性条件下におけるセラミックス同士の接合体の接合強度が高められる。また、セラミックスが分離膜用基材として用いられる場合には、それにより構成される分離膜エレメントの高温での耐食性、封止性を高めることができる。
また、前記ガラス接合剤は、好適には、たとえば、前記分離膜用基材と前記接合部材としての配管や、セラミックス製の封止栓などとを接合する。
本発明の一例のセラミックス配管の一部を切り欠いて示す図である。 図1のセラミックス配管の製造工程を説明する工程図である。 多孔質セラミックスに被覆されたガラス層の耐食性および封止性に関する評価試験に用いられたガラス組成、ガラスの熱膨張係数、ガラスの結晶化の有無、ガラス被覆時の焼成温度を試験品および比較品ごとに示した図である。 図3の試験品および比較品を耐アルカリ試験に供した後に得られたガスリーク評価結果、表面粗さ評価結果およびガラス膜厚を試験品および比較品ごとに示した図である。 図3の試験品および比較品を耐酸試験に供した後に得られたガスリーク評価結果、表面粗さ評価結果およびガラス膜厚を試験品および比較品ごとに示した図である。 図3の試験品および比較品の耐酸アルカリ試験、耐酸試験後の封止性評価方法を説明する図である。 図3の試験品1の耐酸試験および耐アルカリ試験に供する前におけるその表面状態を示すSEM写真である。 図3の試験品1の耐アルカリ試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 図3の試験品1の耐酸試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 図3の試験品2の耐酸試験および耐アルカリ試験に供する前におけるその表面状態を示すSEM写真である。 図3の試験品2の耐アルカリ試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 図3の試験品2の耐酸試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 図3の比較品1の耐酸試験および耐アルカリ試験に供する前におけるその表面状態を示すSEM写真である。 図3の比較品1の耐アルカリ試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 図3の比較品1の耐酸試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 図3の比較品2の耐酸試験および耐アルカリ試験に供する前におけるその表面状態を示すSEM写真である。 図3の比較品2の耐アルカリ試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 図3の比較品2の耐酸試験後のその表面状態を示すSEM写真である。 本発明の他の実施例におけるガラス層により多孔質セラミックス管と接合部材とが接合された状態を示す正面図である。 図19のガラス層により接合された多孔質セラミックス管と接合部材との接合部の多孔質セラミックス管の軸線を含む平面上における拡大断面図である。 本発明の他の実施例におけるガラス層により多孔質セラミックス管同士が接合された状態を示す正面図である。 本発明の他の実施例におけるガラス層により多孔質セラミックス管と接合部材とが接合された状態を示す正面図である。 本発明の他の実施例における多孔質セラミックス管の正面図である。 本発明の他の実施例における分離膜エレメントの断面図である。 本発明の他の実施例における分離膜エレメントの断面図である。
以下、本発明のセラミックス配管、分離膜エレメント、ガラス接合剤の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のガラス被覆アルミナ構造物の一例のセラミックス配管10をその一部を切り欠いて示す図である。セラミックス配管10は、管状セラミックス基材12の内周側表面の全体がガラス層13により被覆されることにより構成されている。管状セラミックス基材12は、その主成分がアルミナ(Al)であり、熱膨張係数が6〜8×10−6/Kである。また、ガラス層13は、必須成分として二酸化ケイ素(SiO)を55〜76wt%、二酸化ジルコニウム(ZrO)を5〜14wt%、三酸化二ホウ素(B)を0〜12wt%含み、かつ酸化カリウム(KO)、酸化ナトリウム(NaO)および酸化リチウム(LiO)の3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つのアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%の組成を有するガラスから成る。また、ガラス層13の熱膨張係数と管状セラミックス基材12の熱膨張係数との差の絶対値が2×10−6/K以下であり、ガラス層13の熱膨張係数は4×10−6/Kよりも大きく10×10−6/Kよりも小さい範囲にある。
次に、セラミックス配管10の製造工程の一例を図2のプロセスチャートを参照して詳細に説明する。混練工程P1では、管状セラミックス基材12の主成分としてのアルミナ粉末、焼結助剤、たとえばセルロース系ポリマーなどのバインダ、たとえば水など分散媒が混合、混練されることにより、押出成形用坏土が調整される。押出成形工程P2では、上記押出成形用坏土が押出成形機によりそれに固定された押出成形型を通して押し出されて管状に成形された成形体が得られる。乾燥、焼成工程P3では、上記成形体は乾燥後、空気雰囲気下でたとえば1400℃程度で焼成されることにより、管状セラミックス基材12が得られる。このセラミックス基材12は、主成分のアルミナの粒度が選択されることで気孔率が変化させられる。工程P4から工程P6において、工程P3までで得られる管状セラミックス基材12の表面にガラス層13が被覆される。先ず、ディップ工程P4では、セラミックス配管10のガラス層13と同組成となるように二酸化ケイ素などのガラス原料が混合された後、溶融、冷却されることにより、均一化されたガラスが得られる。次に、このガラスを粉砕することにより得られる平均粒径1μmのガラスフリットにトルエンなどの有機溶媒と、必要に応じて水などの分散剤が加えられ、混合されてガラススラリーが調整される。このガラススラリーに管状セラミックス基材12が浸漬される。乾燥工程P5では、浸漬された管状セラミックス基材12がたとえば1時間自然乾燥され、管状セラミックス基材12の内周側表面がガラス層13を構成するガラスフリットにより被覆される。焼成工程P6では、工程P5を経た管状セラミックス基材12が800℃〜900℃で1時間焼成され、管状セラミックス基材12の内周側表面が上記ガラスフリットが溶融したガラス層13により被覆されたセラミックス配管10が得られる。
このように構成されたセラミックス配管10は、その内周側表面が、必須成分として二酸化ケイ素(SiO)を55〜76wt%、二酸化ジルコニウム(ZrO)を5〜14wt%、三酸化二ホウ素(B)を0〜12wt%含み、かつ酸化カリウム(KO)、酸化ナトリウム(NaO)および酸化リチウム(LiO)の3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つのアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%の組成を有するガラス層13で被覆されていることから、100℃以上の高温下での高酸性あるいは高アルカリ性溶液に対する耐久性および封止性を備えている。また、管状セラミックス基材12の熱膨張係数とガラス層13の熱膨張係数との差の絶対値が2×10−6/K以下であるため、800℃から900℃における焼成工程P6においても、ガラス層13のひび割れやガラス層13の管状セラミックス基材12の内周側表面からの剥離が生じず、ガラス層13によるセラミックス配管10の封止性が一層高められる。
続いて、主成分がアルミナのセラミックス基材12の表面に被覆されたガラス層13の効果を検証するために本発明者等が行った試験について図3ないし図18に基づいて詳細に説明する。
図3は、多孔質のセラミックス基材12に被覆されたガラス層13の耐食性および封止性に関する評価試験に用いられたガラス組成、ガラスの熱膨張係数、ガラスの結晶化の有無、ガラス被覆時の焼成温度を試験品および比較品ごとに示した図である。耐酸試験および耐アルカリ試験に供する試験品1および2と比較品1および2のガラス被覆多孔質アルミナ構造物を以下のように準備した。先ず、多孔質セラミックスの表面を被覆するガラスA、B、CおよびDのガラスフリットを調整した。すなわち、図3に示されるようなガラスA、B、CおよびDの各ガラス組成となるように、予め各ガラス原料が混合、溶融されて均一化されたガラスを粉砕し、平均粒径1μmのガラスA、B、CおよびDの各組成を有するガラスフリットとした。このガラスフリットを用いて縦5mm×横5mm×長さ20mmのプレス成形体を作製し、プレス成形体を700℃で1時間焼成することにより熱膨張係数の測定に供するガラス成形体を得た。熱機械分析装置(TMA8310 Rigaku製)を用いて、ガラス成形体の圧縮荷重法による30℃から500℃の線熱膨張係数を測定し、ガラスA、B、CおよびDの線熱膨張係数を図3のように評価した。次にアルミナの多孔質セラミックスの熱膨張係数を測定した。多孔質セラミックスの熱膨張係数を測定するため、焼成後に多孔質セラミックスが形成されるような粒子径のアルミナ粉末を主成分として、外径5mm、内径3mm、長さ10〜20mmの管状の試験片を作製した。作製した試験片を上記熱機械分析装置を用いて圧縮荷重法で測定したところ、30℃から500℃の線熱膨張係数は7.0×10−6/Kであり、ガラスA、B、CおよびDの熱膨張係数との差の絶対値は2×10−6/K以下であった。次に、焼成後に主成分がアルミナの多孔質セラミックスが形成されるような平均細孔径などの条件を満たすアルミナ粉末を主成分として、混練工程P1から乾燥、焼成工程P3までの一連の工程と同様の工程で、主成分がアルミナであり、外径16mmφ、内径12mmφ、長さ50mmの管状の多孔質セラミックス試験片を作製した。ガラスA、B、CおよびDのガラスフリットから調整したガラススラリーに上記多孔質セラミックス試験片の表面全体を浸漬させるディップ工程P4、乾燥工程P5および図3に示されるように各ガラスの組成に応じて800℃から900℃の範囲に設定された焼成温度による焼成工程P6を経て、主成分がアルミナであり管状の多孔質セラミックス試験片の表面全体すなわち内周面および外周面がガラスA、B、CおよびDのそれぞれにより被覆されたガラス被覆多孔質アルミナ構造物である試験品1および試験品2、比較品1および比較品2を構成した。なお、試験品1および2は、ガラス層13の組成および熱膨張係数の条件を満たし、比較品1および2は、ガラス層13に要求される組成を満たさないガラス被覆多孔質アルミナ構造物である。
耐アルカリ試験、耐酸試験前における試験品1および2と比較品1および2との事前の封止性能をバブルポイント法により確認した。試験品1および2と比較品1および2の一端部をステンレス(SUS)製の治具で封止し、他端部にステンレス製の配管を接合させた。上記配管を通じて管状の多孔質セラミックス内部に0.35MPaの圧力で窒素(N)ガスを導入し、水中に沈めた。この条件においては、多孔質セラミックスの表面に被覆されたガラスA、B、CおよびDに1μm以上の孔がある場合には、多孔質セラミックスおよびそれを被覆するガラスA、B、CおよびDを通じて、窒素ガスのガスリークにより多孔質セラミックスの内部から外部へ排出された窒素ガスの気泡が観察されるところ、試験品1および2と比較品1および2の全てにおいて気泡は観察されなかったことから、各ガラスA、B、CおよびDによる試験品1および2と比較品1および2の事前の封止性能を確認した。
図4は、試験品1および試験品2と比較品1および比較品2とを耐アルカリ試験に供した後に得られたガスリーク評価、表面粗さ評価およびガラス膜厚を示した図である。図5は、試験品1および試験品2と比較品1および比較品2とを耐酸試験に供した後に得られた図4に相当する図である。なお、図4および図5のガスリーク評価における○印は測定限界の0.01mL/min以下であるガスリークが生じていないことを示し、それに対して×印はガスリークが生じていることを示している。
図4の耐アルカリ試験は以下のようにして実施した。先ず、試験品1および2と比較品1および2とを、ケイ酸ナトリウム(NaO・nSiO)を主成分とするpH12のアルカリ金属ケイ酸塩水溶液200gとともに容量が300mlのオートクレーブ容器に入れ、180度の高温でのオートクレーブ処理を24時間実施することにより、100℃以上の高温下での高アルカリ溶液に対する耐久性および封止性を評価するための耐アルカリ試験とした。耐アルカリ試験終了後、オートクレーブ容器から取り出した試験品1および試験品2、比較品1および比較品2を、pHが7〜8になるまで洗浄水により繰り返し洗浄した後、高アルカリ溶液に対する封止性を評価するガスリーク評価試験、耐久性を評価する表面粗さ評価試験、およびガラス膜厚(μm)の測定および表面状態の観察に供した。
図5の耐酸試験は以下のようにして実施した。先ず、試験品1および2と比較品1および2を、pH3の酢酸溶液(CHCOOH)200gとともに容量が300mlのオートクレーブ容器に入れ、110度の高温でのオートクレーブ処理を24時間実施することにより、100℃以上の高温下での高酸性溶液に対する耐久性および封止性を評価するための耐酸試験とした。耐酸試験終了後、オートクレーブ容器から取り出した試験品1および試験品2、比較品1および比較品2を、pHが6〜7になるまで洗浄水により繰り返し洗浄した後、高酸性溶液に対する封止性を評価するガスリーク評価試験および耐久性を評価する表面粗さ評価試験、ガラス膜厚の測定および表面状態の観察に供した。
図4の耐アルカリ試験および図5の耐酸試験後の試験品1および2、比較品1および2の封止性能を評価するため、実際のガスリーク量を測定した。図6に示されるように、測定方法は耐酸、耐アルカリ試験後の試験品1および2、比較品1および2の開口部の一端をステンレス治具14を用いてエポキシ樹脂でそれぞれ封止し、もう一方の開口部にはステンレス管15を内部に挿入した状態でエポキシ樹脂にてそれぞれ封止し固定した。次いで、それらを1つずつ耐圧容器16内に設置し、常温で試験品1および2、比較品1および2の外表面からNガスを0.4MPa(差圧0.3MPa)で加圧し、ステンレス管15内部に抜けるガスリーク量を順次測定することで封止性評価を行った。
また、図4および図5の表面粗さは、以下のように測定した。耐アルカリ試験前後、および耐酸試験前後の試験品1および試験品2、比較品1および比較品2の表面における1視野(100μm×100μm)の表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)を干渉顕微鏡(ECLIPSE LV150 ニコン製)で測定し、その測定値を付属のソフトウェア(ブリッジエレメンツ)により4次曲面補正することで、各試験品および各比較品ごとに5視野において表面粗さそれぞれ測定した。補正した表面粗さ(二乗平均平方根偏差)の5視野平均値を耐アルカリ試験前後および耐酸試験前後の試験品1および試験品2、比較品1および比較品2の表面粗さとした。また、耐アルカリ試験後の表面粗さと耐アルカリ試験前の表面粗さとの差を算出し、算出値により耐アルカリ試験前後の表面粗さの変化を評価した。同様に、耐酸試験後の表面粗さと耐酸試験前の表面粗さとの差を算出し、算出値により耐酸試験前後の表面粗さの変化を評価した。
また、図4および図5のガラス膜厚は以下のように測定した。耐アルカリ試験前および耐酸試験前の試験品1および試験品2、比較品1および比較品2の各試験品および各比較品につき3試料、1試料あたり5視野、すなわち各試験品および各比較品あたり合計15視野においてガラス膜厚を走査型電子顕微鏡(SEM)によりそれぞれ測定した。図4および図5において、耐アルカリ試験前、耐酸試験前の各試験品および各比較品のガラス膜厚は、上記15視野における上限値と下限値とにより決定される範囲で評価した。また、耐アルカリ試験後および耐酸試験後の試験品1および試験品2、比較品1および比較品2の各試験品および各比較品あたり5視野のガラス膜厚をSEMにより測定した。
また、各試験品および各比較品のガラスA、B、CおよびDの耐食性を評価するため、耐アルカリ試験および耐酸試験前、耐アルカリ試験後、耐酸試験後における試験品1および試験品2、比較品1および比較品2のガラス層A、B、CおよびDの表面状態をSEMにより倍率500倍で観察した。図7は、試験品1の耐酸試験および耐アルカリ試験に供する前の表面状態を示すSEM写真であり、図8は試験品1の耐アルカリ試験後の表面状態を示すSEM写真であり、図9は試験品1の耐酸試験後の表面状態を示すSEM写真である。図10、図11および図12は、試験品2の図7、図8および図9に相当する図である。図13、図14および図15は、比較品1の図7、図8および図9に相当する図である。図16、図17および図18は、比較品2の図7、図8および図9に相当する図である。なお、図10および図13に示されるように、試験品2のガラスB、比較品1のガラスCは結晶化していた(図3の結晶化の有無を参照)。
図4において、耐アルカリ試験後のガスリーク評価試験の結果、試験品1および試験品2、比較品1および比較品2のいずれにおいてもガスリークは観察されなかった。また、表面粗さ評価試験の結果、試験品1および試験品2、比較品1および比較品2のいずれにおいても耐アルカリ試験前と比較して耐アルカリ試験後の表面粗さが大きくなっていたが、試験品1および試験品2、比較品1および比較品2のいずれにおいても耐アルカリ試験後のガラス膜厚は、耐アルカリ試験前のガラス膜厚の上下限の範囲内であった。この耐アルカリ試験前後の表面粗さの変化は、図7と図8、図10と図11、図13と図14、図16と図17のSEM写真から、耐アルカリ試験時の高温、高圧条件下でアルカリ溶液中のケイ酸塩が結晶化し、各試験品および各比較品のガラスA、B、CおよびDの層の表面に付着したためと考えられた。以上のことから、試験品1および試験品2、比較品1および比較品2のガラス被覆多孔質アルミナ構造物のガラスA、B、CおよびDは、耐アルカリ試験において腐食を生じていないことから、180℃の高温、高圧条件下での高アルカリ溶液に対する耐久性、封止性を有することが示された。
図5において、耐酸試験後のガスリーク評価試験の結果、試験品1および試験品2においてはガスリークが観察されなかったが、比較品1および比較品2においてはガスリークが観察された。また、試験品1および試験品2、比較品1および比較品2のいずれにおいても耐酸試験後のガラス膜厚は、耐酸試験前のガラス膜厚の上下限値の範囲内であったが、試験品1および試験品2の耐酸試験前後の表面粗さの差は小さいものであったのに対し、比較品1および比較品2の耐酸試験前の表面粗さに対して耐酸試験後の表面粗さは大きくなっていた。この耐酸試験後のガスリークおよび耐酸試験前後の表面粗さの変化を生じていた、ガラス層13の組成を満たさないガラスCにより被覆された比較品1およびガラスDにより被覆された比較品2は、図15および図18のそれぞれに示されるようにガラス層の腐食によりその表面に無数の穴が観察された。以上のことから、比較品1および比較品2は、110℃の高温、高圧条件下での酢酸溶液によりガラスCおよびガラスDのそれぞれのガラス層の表面が腐食し、ガラス層内部にまでマイクロクラックが発生したことに起因して、ガスリークを生じたと考えられた。それに対して、ガラス層13の組成および熱膨張係数を満たすガラスAおよびガラスBにより被覆された試験品1および試験品2は、図7と図9および図10と図12のSEM写真に示されるように、耐酸試験前後でそのガラス層の表面に変化は見られなかったことから、110℃の高温、高圧条件下での酸性溶液に対する耐久性、封止性を有することが示された。
続いて、より過酷な高酸性条件下におけるガラス層13の耐食性、封止性を評価するために、試験品1を対象として以下のように耐酸試験を行った。前述の耐酸試験の酢酸溶液のpH3、オートクレーブ処理温度110℃およびオートクレーブ処理時間24時間という条件を、酢酸溶液のpH1.5、オートクレーブ処理温度130℃およびオートクレーブ処理時間1000時間という条件にそれぞれ変更し、より高温下での高酸性溶液に対するより長時間の耐久性、封止性を評価した。前述と同様の耐酸試験後のガスリーク測定の結果、耐酸試験後の試験品1において、0.4MPaの窒素ガスを導入しても、ガスリークは観察されなかった。また、耐酸試験前後の試験品1のガラスAの表面粗さ(二乗平均平方根偏差Sq)の差は0.01以下であり差は認められなかった。加えて、SEMにより試験品1の耐酸試験前後のガラスAの表面状態を観察したところ、そのSEM写真は示さないが、図9、図12のSEM写真と同様に変化は認められなかった。以上のことから、ガラス層13の組成を満たすガラスAにより表面が被覆された試験品1は、130℃の高温下でのpH1.5の高酸性溶液に対する長時間の耐久性、封止性を有することが示された。
上述のように、本実施例のセラミックス配管10によれば、その内周側表面を被覆するガラス層13の組成が、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つのアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%である。このため、100℃以上の高温下での有機溶剤や高酸性、高アルカリ性溶液に対する高い耐久性および封止性を有するセラミックス配管10を得ることができる。
また、本実施例のセラミックス配管10によれば、ガラス層13の熱膨張係数と管状セラミックス基材12との熱膨張係数の差が2×10−6/K以下である。このため、管状セラミックス基材12の表面をガラス層13で被覆するための焼成時においてガラス層13のひび割れや管状セラミックス基材12からの剥離が抑制されて、セラミックス配管10の封止性が一層高められる。
また、本実施例のセラミックス配管10によれば、その基材12は管状の形状を有する。このため、押出成形工程P2において管状セラミックス基材12を容易に成形することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図19は、ガラス層17により多孔質セラミックス管18と接合部材20とが接合された状態を示す正面図であり、図20は、ガラス層17により接合された多孔質セラミックス管18と接合部材20との接合部の多孔質セラミックス管18の軸線を含む平面上における拡大断面図である。ガラス被覆アルミナ構造物に対応する多孔質セラミックス管18は、前述の管状セラミック基材12の製造工程P1〜P3と同様の工程で製造され、主成分が多孔質アルミナであり、熱膨張係数が6〜8×10−6/Kの管状多孔質セラミックス基材22と管状多孔質セラミックス基材22の一端部の表面を被覆したガラス層17とから構成されている。ガラス層17は、前述のガラス層13と同様に、必須成分としてSiOを55〜76wt%、ZrOを5〜14wt%、Bを0〜12wt%含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、その合計量が10〜15wt%の組成を有し、その熱膨張係数は管状多孔質セラミックス基材22の熱膨張係数との差の絶対値が2×10−6/K以下となる範囲にある。多孔質セラミックス管18は、その一端部においてガラス接合剤として機能するガラス層17により主成分がアルミナの熱膨張係数が6〜8×10−6/Kの緻密なセラミックスから構成される有底円筒状の接合部材20と接合されている。
図20において、接合部材20は、その一端部において、一端部が内周側へ突き出すようにして形成された段部24と、段部24の内周側端部が外側へ突き出すようにして形成された、管状多孔質セラミックス基材22の内径よりも小さい外径を有する小径部26を有しており、小径部26が管状多孔質セラミックス基材22の内部に嵌め入れられ、管状多孔質セラミックス基材22の一端部に被覆されたガラス層17を介して多孔質セラミックス管18と接合されている。この多孔質セラミックス管18と接合部材20との接合は、たとえば以下のような工程で実施される。前述のガラス層13のディップ工程P4および乾燥工程P5と同様の工程で、ガラス層17を構成するガラスのガラスフリットを含んだガラススラリーに管状多孔質セラミックス基材22の一端部を浸漬した後、1時間自然乾燥させる。ガラス粒子により被覆された管状多孔質セラミックス基材22の一端部に接合部材20の小径部26を嵌め入れ、接合部材20の段部24および小径部26がガラス粒子に接する状態とする。前述のガラス層13の焼成工程P6と同様の工程で、接合部材20が管状多孔質セラミックス基材22に嵌め入れられた状態で900℃で1時間焼成を行い、冷却する。これにより、接合部材20が管状多孔質セラミックス基材22に嵌め入れられた状態でガラス層17が形成されるため、多孔質セラックス管18と接合部材20との接合強度が高められる。また、このように構成された多孔質セラミックス管18は、100℃以上の高温下での高酸性、高アルカリ性に対する耐久性、封止性を有するガラス層17により接合部材20と接合されているため、炉材を担持する分離膜用基材として好適に用いられる。
上述のように、本実施例の多孔質セラミックス管18によれば、その一端部を被覆するとともにガラス接合剤として機能するガラス層17の組成が、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%である。このため、100℃以上の高温下での有機溶剤や高酸性、高アルカリ性溶液に対する高い耐久性および封止性を有するガラス層17により接合部材20との接合強度が高められることから、分離膜用基材として用いることができる。
また、本実施例のガラス層17の熱膨張係数と管状多孔質セラミックス基材22および接合部材20との熱膨張係数の差が2×10−6/K以下である。このため、管状多孔質セラミックス基材22と接合部材20とをガラス層17で接合するための焼成時においてガラス層17のひび割れや管状多孔質セラミックス基材22および接合部材20からの剥離が抑制されて、接合強度が一層高められる。
また、本実施例の多孔質セラミックス基材22は管状であるため、押出成形工程P2において管状多孔質セラミックス基材22を容易に成形することができる。
また、本実施例のガラス層17は、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、その合計量が10〜15wt%であり、主成分としてアルミナで構成された熱膨張係数が6〜8×10−6/Kの多孔質セラミックス管18と接合部材20とを接合する。このため、ガラス層17の耐食性、封止性により高温での高酸性または高アルカリ性条件下における多孔質セラミックス管18と接合部材20との接合強度が高められる。また、多孔質セラミックス管18が分離膜用基材として用いられる場合には、それにより構成される分離膜エレメントの高温での耐食性、封止性を向上することができる。
次に本発明の他の実施例を説明する。図21は、ガラス層17により多孔質セラミックス管28同士が接合された状態を示す正面図である。多孔質セラミックス管28は、2つの管状多孔質セラミックス基材22の一端部の端面同士がガラス層17を介して対向する状態で接合されている。また、多孔質セラミックス管28は、管状多孔質セラミックス基材22の接合される一端部の外側表面が、ガラス層17を介してステンレスから形成された円筒状の接続管30の内周面に対向するように接続管30に嵌め入れられて、ガラス層17により接続管30と接合されている。この2つの多孔質セラミックス管28同士の接合は、たとえば以下の工程で実施される。前述のディップ工程P4および乾燥工程P5によりガラス層17と同組成を有するガラス粒子が付着された管状多孔質セラミックス基材22のガラス粒子が付着された側の一端部の端面同士が対向するように組み合わせられ、その組み合わせられた端面が接続管内部に位置する状態で、前述の焼成工程P6と同様の工程でガラス粒子が溶融固着されて形成されたガラス層17により、2つの管状多孔質セラミックス管28と接続管30が一体に接合される。このように2つの多孔質セラミックス管28が、高温での高酸性溶液あるいは高アルカリ性溶液に対する耐久性および封止性を有するガラス層17により接続管30と一体に接合されることにより、2つの多孔質セラミックス管28同士の接合強度が高められるため、2つの多孔質セラミックス管28同士の接合体は分離膜用基材として好適に用いられる。
上述のように、本実施例の多孔質セラミックス管28によれば、前述の実施例2と同様の効果を得ることができる。
次に本発明の他の実施例を説明する。図22は、ガラス層17により多孔質セラミックス管32と接合部材34とが接合された状態を示す正面図である。多孔質セラミックス管32は、その一端部においてガラス接合剤として機能するガラス層17により主成分がアルミナの熱膨張係数が6〜8×10−6/Kの緻密なセラミックスから構成される有底円筒状の接合部材34と接合されている。接合部材34は、開口側の端部の外径が大きくされることにより肉厚とされた接合部36を有している。前述のディップ工程P4および乾燥工程P5により一端部がガラス層17のガラス粒子で被覆された管状多孔質セラミックス基材22が接合部36内に嵌め入れられた状態で、前述の焼成工程P6と同様の工程で焼成されることにより、上記ガラス粒子が溶融固着し、管状多孔質セラミックス基材22の一端部を被覆するガラス層17により多孔質セラミックス管32と接合部材34とが接合されている。このように、高温下での高酸性溶液、高アルカリ性溶液に対する耐久性および封止性を有するガラス層17により接合部材34と接合された多孔質セラミックス管32は、分離膜用基材として好適に用いられる。
上述のように、本実施例の多孔質セラミックス管32によれば、前述の実施例2および3と同様の効果を得ることができる。
次に本発明の他の実施例を説明する。図23において、多孔質セラミックス管38は、その管状多孔質セラミックス基材22の両端部の表面がガラス層17により被覆されている。このように構成された多孔質セラミックス管38は、その両端部に被覆された高温下での高酸性溶液または高アルカリ性溶液に対する耐久性、封止性を有するガラス層17により、緻密なセラミックスなどから構成される接合部材と接合される。このことから、多孔質セラミックス管38は、分離膜用基材として好適に用いられる。
次に本発明の他の実施例を説明する。図24は、多孔質セラミック管40の外周側表面にゼオライト層42が形成された分離膜エレメント44の断面図である。分離膜エレメント44は、管状多孔質セラミックス基材22と管状多孔質セラミックス基材22の一端部の表面に形成されたガラス層17とから成る、分離膜用基材としての多孔質セラミックス管40と、管状多孔質セラミックス基材22の外径よりも大きい内径を有し、管状多孔質セラミックス基材22のガラス層17が形成された一端部を嵌め入れた状態でガラス層17により多孔質セラミックス管40と一体に接合される、たとえばステンレス鋼などの耐食性金属により形成された管状の接合部材46と、管状多孔質セラミックス基材22の外周側表面に形成されたゼオライト層42とから構成される。また、ガラス接合剤として機能するガラス層17の溶融固着による管状多孔質セラミックス基材22と接合部材46とを接合させる前述の焼成工程P6と同様の工程において、ガラス層17のひび割れなどを抑制するために、接合部材46の熱膨張係数は、管状多孔質セラミックス基材22およびガラス層17の熱膨張係数との差の絶対値が2×10−6/K以下とされている。ゼオライト層42は、たとえば既知の水熱合成により多孔質セラミックス管40の外周側表面へ形成される。すなわち、前述の実施例2の多孔質セラミック管18の管状多孔質セラミックス基材22の接合部材20との接合と同様の工程において接合部材46と接合された多孔質セラミックス管40の管状多孔質セラミックス基材22を、ゼオライト結晶粒子の浸漬液に浸漬し乾燥させた後に、反応ゲル液に浸漬した状態で100℃、4時間の水熱合成を行うことにより、多孔質セラミックス管40の外周側表面にゼオライト層42が形成される。
上述のように、本実施例の多孔質セラミックス管40によれば、その一端部を被覆するとともにガラス接合剤として機能するガラス層17の組成が、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、その合計量が10〜15wt%である。このため、100℃以上の高温下での有機溶剤や高酸性、高アルカリ性溶液に対する高い耐久性および封止性を有するガラス層17により接合部材46との接合強度が高められることから、たとえば高温下での高酸性溶液あるいは高温下での高アルカリ性溶液を被処理流体とする膜分離において、被処理流体中の高酸性または高アルカリ性溶液の多孔質セラミックス基材22を通じた接合部材46への移行がガラス層17により妨げられることにより接合部材46の腐食が抑制される。このことから、ガラス被覆アルミナ構造物として機能する多孔質セラミックス管40は、100℃以上の高温での高酸性溶液あるいは高アルカリ性溶液下において用いられる分離膜エレメント44の分離膜用基材として用いることができる。
また、本実施例によれば、ガラス層17の熱膨張係数と管状多孔質セラミックス基材22および接合部材46の熱膨張係数との差が2×10−6/K以下である。このため、管状多孔質セラミックス基材22と接合部材46とをガラス層17で接合するための焼成時においてガラス層17のひび割れや管状多孔質セラミックス基材22および接合部材46からの剥離が抑制されて、接合強度が一層高められる。
また、本実施例の多孔質セラミックス管40の管状多孔質セラミックス基材22は管状であるため、押出成形工程P2において管状多孔質セラミックス基材22を容易に成形することができる。
次に本発明の他の実施例を説明する。図25は、多孔質セラミック管48の外周側表面に分離膜として機能するゼオライト層42が形成された分離膜エレメント50の断面図である。分離膜エレメント50は、管状多孔質セラミックス基材22と管状多孔質セラミックス基材22の一端部の表面を被覆するガラス層17とから成る分離膜用基材として機能する多孔質セラミックス管48と、管状多孔質セラミックス基材22と等しい内径および外径の管状の形状を有し、管状多孔質セラミックス基材22のガラス層17が被覆された側の一端部の端面を通じてガラス層17により多孔質セラミックス管48と接合される接合部材52と、たとえば水熱合成により管状多孔質セラミックス基材22の表面に形成されるゼオライト層42から構成されている。接合部材52は、主成分がアルミナの緻密なセラミックスから構成されており、熱膨張係数は6〜8×10−6/Kの範囲にある。また、接合部材52は、管状多孔質セラミックス基材22と接合される一端部と反対側の端部において、たとえばステンレス製の接合部材との螺合により接合可能とするねじ54を備えている。
上述のように、本実施例の多孔質セラミックス管48および分離膜エレメント50によれば、前述の実施例6と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例のガラス層17は、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、その合計量が10〜15wt%であり、主成分としてアルミナで構成された熱膨張係数が6〜8×10−6/Kの多孔質セラミックス管48と接合部材52とを接合するガラス接合剤として機能する。このため、ガラス層17の耐食性、封止性により高温での高酸性または高アルカリ性条件下における分離膜用基材として機能する多孔質セラミックス管48と接合部材52との接合強度が高められ、分離膜エレメント50の高温での耐食性、封止性を向上することができる。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
10:セラミックス配管(ガラス被覆アルミナ構造物)
12:管状セラミックス基材(セラミックス)
13:ガラス層
17:ガラス層(ガラス接合剤)
18、28、32、38、40、48:多孔質セラミックス管(ガラス被覆アルミナ構造物、分離膜用基材)
20、34、52:接合部材(セラミックス)
22:管状多孔質セラミックス基材(セラミックス)
44、50:分離膜エレメント

Claims (5)

  1. 主成分としてアルミナで構成された熱膨張係数が6〜8×10−6/Kのセラミックスと、該セラミックスの表面の一部又は全部を被覆したガラス層とから成るガラス被覆アルミナ構造物であって、前記ガラス層の組成が、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、それら3つのアルカリ金属成分の合計量が10〜15wt%であることを特徴とするガラス被覆アルミナ構造物。
  2. 前記ガラス層の熱膨張係数と前記セラミックスの熱膨張係数の差が2×10−6/K以下であることを特徴とする請求項1のガラス被覆アルミナ構造物。
  3. 前記セラミックスが管状であることを特徴とする請求項1または2のガラス被覆アルミナ構造物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1のガラス被覆アルミナ構造物を分離膜用基材として用いたことを特徴とする分離膜エレメント。
  5. 主成分としてアルミナで構成された熱膨張係数が6〜8×10−6/Kのセラミックス同士を接合するための接合剤であって、必須成分としてSiO:55〜76wt%、ZrO:5〜14wt%、B:0〜12wt%を含み、かつKO、NaOおよびLiOの3つのアルカリ金属成分を含み、その合計量が10〜15wt%であることを特徴とするガラス接合剤。
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