JP7403986B2 - 接合体及びそれを有する分離膜モジュール - Google Patents

接合体及びそれを有する分離膜モジュール Download PDF

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本発明は、接合体及びそれを有する分離膜モジュールに関する。
ガス分離能を有する膜は通常、無機多孔質支持体上に形成された上で、ガスの透過しない緻密部材と接合して使用する。その際に気密性が高い状態で接合することが必要である。特許文献1ではガス分離膜と金属部材とが熱膨張係数50×10-7~80×10-7/Kのガラスで接合された接合体が開示されている。また、特許文献2ではB及びPbOを所定量含有した特定のガラスとアルミナからなる分離膜シール用組成物が開示されている。また、特許文献3ではセラミックス部材と金属部材とを熱膨張係数が55×10-7~65×10-7/Kのガラスで封止した構造体が開示されている。
ガス分離能を有する膜としてゼオライトを用いる場合、ゼオライト膜の耐熱性に懸念があるため高温での処理は好ましくない。特許文献1及び3に開示されるような900℃以上の高温処理はゼオライト膜に破損等の構造上の劣化をもたらし、分離性能の低下を招く虞がある。また高温での接合は加熱及び冷却に時間を要することとなり、接合体を大量に生産する上で効率低下及びコストアップにつながる。
一方、十分な気密性を持つと同時に、温度変化に強く、反応圧力に耐えて長時間使用できる接合体として、鉛ガラスを使用することが提案されている。例えば、特許文献2に開示されるようにPbOを主成分としたガラスを用いることで焼成温度を600℃以下にすることは可能である。しかしながら、鉛は体内に蓄積されると慢性中毒を引き起こすことが知られており、その使用は環境上問題があり、世界各国で行われている鉛の使用を規制する流れに逆行する。
特開平7-163827号公報 特開平10-180060号公報 特開2013-203602号公報
本発明は、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを接合した接合体を提供するにあたり、鉛の使用を抑制して環境に配慮するとともに、高い気密性を実現させること、さらには特に高温高圧条件下での耐久性に優れたものとすることを目的としている。
本発明者らは、鋭意研究を進め、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とが、特定の熱膨張係数及び軟化点を有する鉛フリー無機ガラスにより接合されることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。本発明は、以下のものを含む。
<1>ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを鉛フリー無機ガラスを介して接合した接合体であって、該鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数が30×10-7/K以上90×10-7/K以下、かつ軟化点が550℃以下である、接合体。
<2>前記複合体と緻密部材との接合部分が、封孔被膜により覆われている、<1>に記載の接合体。
<3>前記封孔被膜が、シリカ被膜である、<2>に記載の接合体。
<4>鉛フリー無機ガラスがSnO及び/又はBを含有している、<1>~<3>の何れかに記載の接合体。
<5>緻密部材の熱膨張係数が30×10-7/K以上200×10-7/K以下である、<1>~<4>の何れかに記載の接合体。
<6>100℃~500℃の高温条件下及び/又は0.5~10MPaの高圧条件下で<1>~<5>の何れかに記載の接合体を使用する、接合体の使用方法。
<7><1>~<6>の何れかに記載の接合体を有する、分離膜モジュール。
<8><7>に記載の分離膜モジュールを有する、反応器。
<9>鉛フリー無機ガラスを用いた、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを接合する接合方法であって、該鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数が30×10-7/K以上90×10-7/K以下、かつ軟化点が550℃以下である、接合方法。
本発明によれば、分離膜であるゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを接合体を製造するに際し、ガラス系接着剤として特定の鉛フリー無機ガラスを使用することにより、接着時にゼオライトが受けるダメージを低減し、高い気密性及び高温高圧条件下での十分な耐久性有する接合体を提供することができる。
ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを鉛フリー無機ガラスで接合した接合体の断面模式図である。 ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを鉛フリー無機ガラスで接合した接合体の断面模式図である。 ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを鉛フリー無機ガラスで接合した接合体の断面模式図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<ゼオライト>
ゼオライト膜を構成する主たるゼオライトは、酸素12員環以下、酸素6員環以上の細孔構造を有するゼオライトを含むものが好ましく、酸素10員環以下、6員環以上の細孔構造を有するゼオライトを含むものがより好ましい。
ここでいう酸素n員環を有するゼオライトのnの値は、ゼオライト骨格を形成する酸素とT元素(骨格を構成する酸素以外の元素)で構成される細孔の中で最も酸素の数が大きいものを示す。例えば、MOR型ゼオライトのように酸素12員環と8員環の細孔が存在する場合は、酸素12員環のゼオライトとみなす。
酸素12員環以下、酸素6員環以上の細孔構造を有するゼオライトとしては、International Zeolite Association (IZA)が定めるコードで、例えば、AEI、AEL、AFI、AFG、ANA、ATO、BEA、BRE、CAS、CDO、CHA、CON、DDR、DOH、EAB、EPI、ERI、ESV、EUO、FAR、FAU、FER、FRA、HEU、GIS、GIU、GME、GOO、ITE、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTL、LTN、MAR、MEP、MER、MEL、MFI、MON、MOR、MSO、MTF、MTN、MTW、MWW、
NON、NES、OFF、PAU、PHI、RHO、RTE、RTH、RUT、SGT、SOD、STI、STT、TOL、TON、TSC、UFI、VNI、WEI、YUGなどがあげられる。これらの中から選ばれるいずれかであるのが好ましい。
また、本発明に係る接合体は、単なる分子篩、つまり単に分子のサイズの差により、篩として分子を透過させる目的ではなく、ゼオライトが分離の目的物を選択吸着することにより、例えばサイズが大きい方の分子を透過させたり、あるいは同程度の大きさの分子同士を分離したりする目的で使用できるものであることがより好ましい。つまり、ゼオライトの表面への選択吸着により、目的物を分離するものであることがより好ましい。このようなゼオライトは、使用温度が高すぎると、その選択吸着能力が弱まってしまうところ、例えば500℃以下程度の温度条件下であれば、本発明の効果がより顕著に発揮される。
<無機多孔質支持体>
ゼオライトは可塑性に乏しいため、膜化する場合は、何らかの基板上に支持される形で作製される。支持体は、ガス分子が侵入できる多孔性であり、例えば、3次元状に連続した多数の微細な小孔を有する。
本実施形態において、支持体を構成する材質としては、未処理ガスが反応しない化学的に安定で、かつ機械的強度に優れたものであることが好ましく、具体的には、各種アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニアといった酸化物セラミックスのほか、シリコンカーバイド、カーボン、ガラスなどを用いることができる。
また、支持体の形状は、ゼオライト膜の用途により異なるが、特に円筒形の支持体上のゼオライト膜は、外側からの圧力に対する強度が強く、バッチプロセスや流通プロセス(リサイクルプロセスを含む)等で簡便に用いる上で好適である。
<ゼオライト及び無機多孔質支持体の複合体>
本実施形態では、例えば、円筒形の支持体を準備し、まずゼオライトの微結晶を細孔内に担持する。担持する方法は、ディップ法、ラビング法、吸引法、含浸法等を用いることができる。該微結晶は、ゼオライト膜を構成する結晶を成長させるときの核の役割を果たし、種結晶ともいう。ゼオライトの成長工程には、ゼオライト合成時と同様、水熱合成を用いることができる。
ゼオライト膜複合体におけるゼオライト膜の膜厚は特段限定されないが、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは20μm以下である。膜厚を適当な暑さにすることで、緻密性を保ち、膜の選択性を高く維持できる。また圧力を必要以上に上げることなく取り出したいガスを十分に透過させることができる。
また、基体が管形状を有するとき、ゼオライトが被覆する面は、管の外側でも、内側でも、この両者でもよい。
支持体へのゼオライト結晶成長までの工程では、支持体の両末端は開放したままバッチプロセスで行うことができる。
<緻密部材>
緻密部材は、反応に供するガスや反応したガスが、部材から漏れることが無い程度の緻密性(機密性)を有する部材である。このような緻密性を有する部材であれば特に限定されず、典型的には金属が用いられる。ここでいう金属の例としては、ステンレス鋼からなるSUS管、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックス、コバールなどの合金、などが含まれる。
緻密部材の熱膨張係数は通常30×10-7/K以上、200×10-7/K以下であり、下限は35×10-7/K以上が好ましく、40×10-7/K以上がより好ましく
、45×10-7/K以上が更に好ましい。上限は150×10-7/K以下が好ましく、120×10-7/K以下がより好ましく、85×10-7/K以下がさらに好ましい。緻密部材の熱膨張係数が上記範囲であることで、鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数との差が小さく、良好なシール性(気密性)と耐久性を保つことができる。
なお、本発明において熱膨張係数とは線膨張係数のことであり、温度上昇に伴って生じる固体の長さ方向の変化割合を示したものである。熱膨張係数の測定は、JIS Z 2285(金属材料)、JIS R 1618(セラミックス)等に記載の方法に従って実施する。熱膨張係数は、通常、温度変化に対して長さの変化が比例する範囲で測定し、本明細書において、熱膨張係数は、通常30~250℃で測定される値である。
<鉛フリー無機ガラス>
本実施形態において鉛フリー無機ガラスとは、鉛(Pb)の含有量がPbO換算で10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0質量%の無機ガラスである。
本実施形態に係る鉛フリー無機ガラスは、熱膨張係数が通常30×10-7/K以上、好ましくは40×10-7/K以上、より好ましくは45×10-7/K以上であり、また、通常90×10-7/K以下、好ましくは80×10-7/K以下、より好ましくは75×10-7/K以下である。
本実施形態では、鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数は、通常緻密部材の熱膨張係数の60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、また、通常200%以下、好ましくは150%以下、より好ましくは120%以下である。鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数が上記上限値以下であることにより、鉛フリー無機ガラスが溶融する温度で接合をしてから温度を降下するときに、接合部分の内部に引張り応力が生じにくく、接合部分のクラックが抑制される。一方、ガラスの熱膨張係数が上記下限値以上であることにより、接合体の使用温度範囲で、複合体と緻密部材との間に隙間が生じにくく、分離対象ガスがその隙間から精製ガス側に漏洩することを抑制できる。
複合体と緻密部材とを、このような鉛フリー無機ガラスにより接合して得られた接合体は、空気透過量が、本明細書実施例の欄に記載された試験方法において、10sccm以下であることが好ましく、8sccm以下であることがより好ましく、5sccm以下であることが最も好ましい。
また、接合体は、オートクレーブ中に内容積に対し、体積にして1/16のメタノールと、1/16の脱塩水を加え、1時間で280℃まで昇温し、この状態で48時間維持した後、自然冷却し、これを常圧で120℃4時間乾燥した後、再び空気透過量測定を行っても、空気透過量が10sccm以下であることが好ましく、8sccm以下であることがより好ましく、5sccm以下であることが最も好ましい。熱膨張率の条件に加え、このような条件を満たすことにより、接合体を有する分離膜モジュールをメタノール合成反応器に設置した場合に、より長時間にわたってメタノールの生産を行っても、接合部に問題を生じるようなことが無いため、より好ましい。
本実施形態に係る接合体を有する分離モジュールを工業的に使用する場合、室温と使用温度との間を何回も往復させることがあり、また、使用温度で、長時間、運転されることもある。そのため、鉛フリー無機ガラスにより形成される接合部分には、これらの高温高圧条件下においても分離対象ガスが漏洩しないことが求められるところ、鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数を上述のように設定することにより、分離対象ガスの漏洩を抑制できる。
本実施形態に係る鉛フリー無機ガラスは、軟化点が550℃以下、好ましくは530℃以下、より好ましくは480℃以下である。一般的に、鉛フリー無機ガラスのガラスフリットは、軟化点よりも50℃程度高い温度で焼成することにより、該ガラスフリットを流動させることができる。従って、鉛フリー無機ガラスの軟化点を上記範囲内とすることにより、600℃程度以下の比較的低温でゼオライトと鉛フリー無機ガラスとを化学的に結合させることができ、かつ、複合体の細孔内に鉛フリー無機ガラスが入り込み、複合体と緻密部材とが機械的に強固に接合され得る。また、接合温度を比較的低温とすることによって、ゼオライトが接合時の加熱により受けるダメージを低減できる。
前記鉛フリー無機ガラスとしては、上記熱膨張係数及び軟化点を有する限り特に制限されない。鉛フリー無機ガラスに含まれる成分としては、例えば、SiO、Al、ZnO、P、Bi、BaO、TiO、TeO、V、B、SnO等が挙げられる。これらの中でも、鉛フリー無機ガラスは、シール性向上の観点から、特にB及び/又はSnOを含有することが好ましい。B及び/又はSnOを含有する鉛フリー無機ガラスとしては、具体的にはSnO-P系ガラス、Bi-ZnO系ガラス、Bi-B系ガラス、Bi-B-SiO系ガラス、Bi-ZnO-B系ガラス、等が挙げられる。このような鉛フリー無機ガラスのガラスフリットの市販品としては、「FP-74」、「KP312E」、「FP-67」、「BNL115BB」、「ASF-1094」、「ASF-1098」、「ASF-1109」(以上、AGC社製);「BF-0606」、「BF-0901」(以上、日本電気硝子社製);等が挙げられる。
鉛フリー無機ガラスがSnOを含有する場合、その含有量は特に制限されないが、通常80質量%以下、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下であり、また、通常10質量%以下、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。
SnOの含有量をこの範囲にすることでガラスの流動性が十分に保たれ、十分なシール性能が得られやすい。SnOの添加効果については、詳細は不明であるが、SnOは還元剤として働くことが知られており、緻密部材の表面の酸化被膜を改質したり、接合処理中に酸化被膜の厚みが増加するのを抑制してシール性向上につながっていると推察している。
一方、鉛フリー無機ガラスがBを含有する場合、その含有量は通常25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。また、通常1質量%以下、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。
を添加することにより、緻密部材との濡れ性が良くなり、シール性(気密性)が向上しやすい。一方Bの含有量が多いと軟化点が上昇しやすく、軟化点を550℃以下にするために他の成分の配合の自由度が減るため、上述の範囲内から選択することが好ましい。またBは水、アルコールに可溶であるから、高温または高圧条件下でこれらの物質に曝される可能性がある場合には、上述の上限値以下とすることが好ましい。
なお、SnO及びBの含有量の定量方法については、XRF(蛍光X線分析)法、ICP(誘導結合プラズマ発光分光分析)法等が挙げられる。
鉛フリー無機ガラスの形態については、特に制限はなく、粉末のガラスフリット、ガラスフリットを打錠成形などの方法で成形したタブレット、ガラスフリットを焼結させた成形品であるタブレット、ガラスフリットを有機溶媒やバインダ中に均一に分散させたガラスペースト等が使用可能である。接合体を大量に生産する際には、これらの中でも特にタ
ブレットやペースト状のものが生産効率の向上につながるために好ましい。
<ゼオライト及び無機多孔質支持体の複合体と緻密部材との接合体>
本実施形態において接合は、複合体が円筒形支持体の場合はその両末端について行ってもよい。例えば、複合体が円筒形であるゼオライト膜を用いて混合ガス分離プロセスを行う場合、ゼオライト膜を有する円筒型支持体の外部を混合ガスで満たし、圧力をかけることで、あるいは内部の真空排気を行うことで分離を遂行する。したがって、一方の末端はキャップにより封止し、もう一方の末端に配管を接続してもよく、両末端に配管を接続してもよい。
ゼオライト膜を表面に持つ複合体と緻密部材からなるキャップ、あるいはキャップに類似した末端構造を持つ緻密部材からなる配管との接合方法は、複合体とキャップとの間を鉛フリー無機ガラスで接合できる方法であればどのような方法でもよいが、例えば、緻密部材の凹部に鉛フリー無機ガラスを充填し、その上にゼオライト膜を表面に持つ複合体を載せ、ついで複合体の上部に重りを載せて荷重をかけた状態で焼成して接合する方法などが例示される。
複合体と緻密部材とを鉛フリー無機ガラスにて接合する際の焼成温度については、使用する鉛フリー無機ガラスの軟化点以上にすることが必須である。したがって、焼成温度は通常、軟化点プラス10℃以上、好ましくは鉛フリー無機ガラスの軟化点プラス30℃以上、さらに好ましくは軟化点プラス50℃以上である。また、ゼオライト膜への熱的ダメージを避けるために、通常は600℃以下であり、好ましくは580℃以下、さらに好ましくは560℃以下である。また、接合の焼成時間は焼成温度到達後通常5分~90分であり、好ましくは10分以上、さらに好ましくは20分以上、また、好ましくは60分以下、さらに好ましくは40分以下である。
以下に、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と緻密部材とが鉛フリー無機ガラスを介して接合された例を図1~図3を用いて説明する。
図1に示すように、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体1とフランジ2とを、鉛フリー無機ガラス4を介して直接接合することもできる。このような形態では、部材間の接続の経時的劣化に伴うガス漏れなどのリスクを低減することができる。この場合フランジ2が、緻密部材になる。
一方、図2に示すように、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体1と配管3とが、単に鉛フリー無機ガラス4を介して接合していてもよい。本実施形態の鉛フリー無機ガラスは、高い気密性と耐久性を有することから、このような接合も可能である。この場合は配管3が緻密部材になる。
図3は、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体1と配管3とが鉛フリー無機ガラス4を介して接合された一例を示す断面模式図である。ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体1は鉛フリー無機ガラス4を介して、配管3と接合する。配管3はゼオライトと無機多孔質支持体との複合体1を覆うように接合されている。
尚、本発明の「接合体」とは、ゼオライト及び無機多孔質支持体の複合体と、緻密部材とが接合されているものであり、複合体の性能が低下し、これを交換する際に取り外しが可能な部品であるが、そのような取り外し機構を持たない場合、例えばメタノール合成反応器等の反応器に組み込まれている場合には、反応器の内部にある緻密部材までを含むものとする。
<封孔被膜>
本実施形態において、複合体と緻密部材との接合部分は、封孔被膜により覆われていることが好ましい。接合部分は接合に用いた鉛フリー無機ガラスを硬化するための焼成に起因して、接合部分の表面にマイクロクラック、ピンホール等の微細孔が形成されている場
合がある。よって、接合部分に封孔処理を施し、これらの微細孔を塞ぐことがシール性(気密性)を向上させる観点から好ましい。また、封孔処理によって形成される封孔被膜が、接合部分の劣化、ピンホール等の損傷を抑制し得る点でも接合部分を封孔被膜で覆うことが望ましい。
封孔被膜を形成し得る封孔剤としては、シリカ、各種アルミナ等の無機材料;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等の有機系高分子;などを含むものが挙げられ、溶剤を含んでいてもよく、無溶剤でもよい。本実施形態においては、鉛フリー無機ガラスとの密着性及びガスバリア性の観点から、無機系の封孔剤、特にシリカを使用することが好ましい。また緻密な被膜を形成する点で、シリコーン樹脂も好適に用いられる。封孔剤の付着量は、所望の封孔被膜の膜厚に応じて適宜決めればよい。
封孔剤の取り扱い性、特に垂れを防ぐ観点から粘度としては2(mPa・s,25℃)以上が好ましく、より好ましくは5(mPa・s,25℃)以上、さらに好ましくは10(mPa・s,25℃)以上である。また、孔内に封孔剤が浸透易い点から、200(mPa・s,25℃)以下、好ましくは100(mPa・s,25℃)以下、さらに好ましくは50(mPa・s,25℃)以下である。この範囲とすることでシール性(気密性)が向上し、かつ取り扱い性にも優れる。
具体的な封孔処理の方法としては、まず、接合部分に対し、封孔剤を塗布、噴霧等により付着させ、塗膜を得る。このとき、シール性(気密性)を向上させる目的で接合部分の封孔剤を付着させる逆側を減圧させてもよい。減圧は、封孔剤を接合体表面に付着させるに先立って行ってもよく、付着と同時に行ってもよく、付着後に行ってもよい。このような減圧により、封孔剤を接合部分の細孔内に隙間なく浸透させ、接合部分表面の細孔を塞ぎ得る。
次いで、得られた塗膜を硬化し、封孔被膜を形成する。硬化方法としては、封孔剤の種類に応じて適切な方法を採用すればよい。封孔剤として、高分子材料の溶液や無機微粒子の懸濁液を使用する場合には、100~300℃で60~300分乾燥すればよく、高分子材料と架橋剤とを含む組成物を使用した場合には、熱硬化、光硬化等を行ってもよい。また、封孔剤として有機系又は無機系のモノマーやオリゴマーを使用する場合には、これらを100~300℃で30~180分重合することにより硬化してもよい。
封孔被膜としてシリカ被膜を使用する場合、シリケートオリゴマー処理と称される封孔処理を行うことができる。シリケートオリゴマー処理は、例えば以下のようにして行われる。まず、アルコキシシラン化合物に代表されるシリケートオリゴマーを含む封孔剤を、接合部分に塗布する。このようなシリケートオリゴマーの市販品としては、MKCシリケート(登録商標)MS-51、MS-56、MS-57、MS-56S(いずれも三菱ケミカル社製、メチルシリケートオリゴマー)、エチルシリケート40、エチルシリケート48(いずれもコルコート社製、エチルシリケートオリゴマー)、シリケート40、シリケート45(多摩化学工業)、メチルシリケートとエチルシリケートの混合オリゴマーであるEMS-485(コルコート社製)等が挙げられる。次いで、得られた塗膜を150~280℃で30~180分加熱し、ゾルゲル法による加水分解及び重縮合反応を行うことにより、シリカ被膜が得られる。
封孔被膜としてシリコーン樹脂を使用する場合は、アルコキシアルキルシランのオリゴマーを含有した封孔剤を用いればよい。このような封孔剤としては、パーミエイトHS-80、HS-90、HS-100、HS-200、HS-300、HS-330、HS-350、HS-360、HS-820(いずれもディ・アンド・ディ社製)等が挙げられる。これらを塗布して得られた塗膜を100℃~250℃で30分から180分加熱することでシリコーン樹脂被膜が得られる。
<分離膜モジュール>
別の実施形態である分離膜モジュールはゼオライト及び無機多孔質支持体の複合体と緻密部材を有し、その他、導入、排出口を備えた容器、フランジ、配管等を含むことができる。
分離膜モジュールは高圧容器内に設置して圧力をかけることで、あるいは透過側の真空排気を行うことでガスや溶媒を分離できる。また分離膜モジュールは、反応と同時に分離する形態で用いても良い。
<反応器>
この実施形態の分離膜モジュールを反応器中に設置することにより、逆反応の起こり得る反応を利用したものの製造方法において、本来の化学平衡を常に生産に有利な方向に動かせるため、収率が向上し、かつ破損等の恐れも少なく、長時間にわたって使用することができる。
<使用条件>
本実施形態の接合体を有機化学反応プロセスで用いる場合、温度は通常100~450℃であり、200~350℃が好ましい。150℃~500℃の高温条件でも使用可能である。また、圧力は通常0.5~8MPaであり、2~6MPaが好ましい。0.5~10MPaの高圧条件でも使用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各種測定及び評価は、以下のように行った。
<鉛フリー無機ガラス及び緻密部材の熱膨張係数>
鉛フリー無機ガラスのガラスフリットおよび緻密部材の30~250℃における熱膨張係数(線膨張係数)は、試料から直径約5mm長さ約10~20mmの円柱状の試験片を用意し、上記温度範囲における試験片の膨張量を示差熱膨張計((株)リガク製、TMA8310)で測定し、平均線膨張係数を算出する。なお、本実施例ではカタログ値を使用した。
<鉛フリー無機ガラスの軟化点>
示差熱分析装置(リガク社製TG8120)により軟化点を測定する。乳鉢で粉砕したガラスフリットを10℃/minで昇温し、得られるDTA曲線の第二変曲点を軟化点とする。
尚、本実施例の値は、カタログ値又はメーカー成績書の値を記載した。
<空気透過量測定>
大気圧下で接合体の端(キャップが接合していない方)を、気密性を保持した状態で5kPaの真空ラインに接続して、真空ラインと接合体の間に設置したマスフローメーターでゼオライト膜複合体を透過した空気の流量を測定した。なお、sccmとは0℃、1気圧換算のcc/minを表す。マスフローメーターとしては、ブルックスインスツルメント社製GF40(最大流量20sccm)を用いた。
<耐久性試験>
上記内容積80mlのSUS-316製オートクレーブに実施例及び比較例で得られた接合体を入れ、さらにメタノール5ml及び脱塩水5mlを加えた後、大気圧下で密閉させて電気炉にセットし、電気炉を280℃まで1時間で加熱昇温した。このとき、オート
クレーブ内の圧力は、3.5MPaであった。280℃に到達してから48時間後に加熱を終了し電気炉からオートクレーブを取り出して、自然冷却させた。2時間以上冷却した後にオートクレーブを開放し接合体を取り出した。これを常圧にて120℃で4時間乾燥させた後に、上記空気透過量測定を実施した。
<実施例1>
(ゼオライトとアルミナ多孔質支持体との複合体の作製)
予め種結晶を付着させた円筒状のアルミナ多孔質支持体(外径12mm、内径9mm、全長40mm)を、組成(モル比)SiO:NaO:Al:HO=100:27.8:0.021:4000の水性反応混合物の入ったテフロン(登録商標)製内筒に垂直方向に浸漬して、オートクレーブを密閉し、180℃で12時間水熱合成を行った。所定時間経過後、常温まで放冷した後、多孔質支持体-ゼオライト複合体を反応混合物から取り出し、洗浄後、120℃で4時間以上乾燥させ、MFI型ゼオライトとアルミナ多孔質支持体との複合体を得た。
(接合体の作製)
コバール製キャップ(熱膨張係数52×10-7/K、外径14.0mm、内径12.2mm、高さ4mm)の凹部に鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「FP-74」(熱膨張係数63×10-7/K、軟化点355℃、SnO含有量42%)を0.3g充填し、その上に上記MFI型ゼオライトとアルミナ多孔質支持体との複合体を載せた。ついで複合体の上部に560gの重りを載せて荷重をかけた状態でマッフル炉に入れて、480℃まで100分かけて昇温した後、480℃の状態を30分保持して焼成した。その後加熱を停止し、自然冷却を行い、接合体を得た。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は0.1sccm以下であった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は0.1sccm以下と試験前後で変化がなく、良好な耐久性を示すことがわかった。
<実施例2>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「KP312E」(熱膨張係数71×10-7/K、軟化点344℃、SnO含有量52%)を用い、マッフル炉での焼成温度を430℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は0.1sccm以下であった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は0.1sccm以下と試験前後で変化がなく、良好な耐久性を示すことがわかった。
<実施例3>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「FP-67」(熱膨張係数79×10-7/K、軟化点357℃、SnO含有量50%)を用いた以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。
得られた接合体について、空気透過量測定を行った。その結果、接合体の空気透過量は0.1sccm以下であった。
<実施例4>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「BNL115BB」(熱膨張係数74×10-7/K、軟化点397℃、B含有量5.0%)を用い、マッフル炉
での焼成温度を500℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は0.4sccmであった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は0.4sccmであり、シール性に変化はなかった。
<実施例5>
実施例4の接合体に封孔処理を実施した。具体的にはMFI型ゼオライトとアルミナ多孔質支持体との複合体とキャップとの接合部分に、内部を減圧にしつつ三菱ケミカル社製メチルシリケートオリゴマー「MKCシリケート(登録商標)MS-56」を塗布した。1時間室温に放置した後に、250℃で30分加熱処理して封孔処理を完了した。空気透過量を測定したところ、0.1sccm以下となり封孔処理によりシール性が向上した。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は0.1sccm以下となり封孔処理によりシール性が向上することがわかった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は0.1sccm以下と試験前後で変化がなく、良好な耐久性を示すことがわかった。
<実施例6>
鉛フリー無機ガラスとして日本電気硝子社製ガラスフリット「BF-0606」(熱膨張係数72×10-7/K、軟化点450℃、B23含有量6.4%)を用い、マッフル炉での焼成温度を485℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。実施例1と同様に空気透過量を測定したところ、0.2sccmであった。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は0.2sccmであった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は0.2sccmであり、シール性に変化はなかった。
<実施例7>
鉛フリー無機ガラスとして日本電気硝子社製ガラスフリット「BF-0901」(熱膨張係数48×10-7/K、軟化点528℃、B含有量9.7%)を用い、マッフル炉での焼成温度を560℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は0.1sccm以下であった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は0.1sccm以下と試験前後で変化がなく、良好な耐久性を示すことがわかった。
<実施例8>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「ASF-1094」(熱膨張係数79×10-7/K、軟化点533℃、B含有量15%)を用い、マッフル炉での焼成温度を550℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。実施例1と同様に空気透過量を測定したところ、0.3sccmであった。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は0.3sccmであった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は0.3sccmであり、シール性に変化はなかった。
<実施例9>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「ASF-1098」(熱膨張係数
54×10-7/K、軟化点515℃、B含有量16%)を用い、マッフル炉での焼成温度を560℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。
得られた接合体について、空気透過量測定を行った。その結果、接合体の空気透過量は0.7sccm以下であった。
<実施例10>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「ASF-1109」(熱膨張係数65×10-7/K、軟化点545℃、B23含有量19%)を用い、マッフル炉での焼成温度を560℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。
得られた接合体について、空気透過量測定を行った。その結果、接合体の空気透過量は1.2sccm以下であった。
<比較例1>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「SK-231-300」(熱膨張係数84×10-7/K、軟化点559℃、B含有量13%)を用い、マッフル炉での焼成温度を580℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。実施例1と同様に空気透過量を測定したところ、5.5sccmであった。
得られた接合体について、空気透過量測定を行った。その結果、接合体の空気透過量は5.5sccm以下であった。
<比較例2>
鉛フリー無機ガラスとしてAGC社製ガラスフリット「KF9173」(熱膨張係数98×10-7/K、軟化点462℃、B含有量11%)を用い、マッフル炉での焼成温度を520℃とした以外は実施例1と同様の方法により接合体を得た。実施例1と同様に空気透過量を測定したところ、7.3sccmであった。
得られた接合体について、空気透過量測定及び耐久性試験行った。その結果、耐久性試験前の接合体の空気透過量は7.3sccmであった。また、耐久性試験後の接合体の空気透過量は20sccm以上(測定レンジオーバー)であり、シール性が悪化した。
1 ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体
2 緻密部材からなるフランジ
3 緻密部材からなる配管
4 鉛フリー無機ガラス

Claims (9)

  1. ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを鉛フリー無機ガラスを介して接合した接合体であって、該鉛フリー無機ガラスの30~250℃で測定される熱膨張係数が30×10-7/K以上90×10-7/K以下、かつ軟化点が550℃以下であり、
    前記無機多孔質支持体が、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、シリコンカーバイド、及びカーボンから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数は緻密部材の30℃~250℃で測定される熱膨張係数の60%以上、200%以下である、接合体。
  2. 前記複合体と緻密部材との接合部分が、封孔被膜により覆われている、請求項1に記載の接合体。
  3. 前記封孔被膜が、シリカ被膜である、請求項2に記載の接合体。
  4. 鉛フリー無機ガラスがSnO及び/又はBを含有している、請求項1~3の何れか1項に記載の接合体。
  5. 緻密部材の30~250℃で測定される熱膨張係数が30×10-7/K以上200×10-7/K以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の接合体。
  6. 100℃~500℃の高温条件下及び/又は0.5~10MPaの高圧条件下で請求項1~5の何れか1項に記載の接合体を使用する、接合体の使用方法。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載の接合体を有する、分離膜モジュール。
  8. 請求項7に記載の分離膜モジュールを有する、反応器。
  9. 鉛フリー無機ガラスを用いた、ゼオライトと無機多孔質支持体との複合体と、緻密部材とを接合する接合方法であって、該鉛フリー無機ガラスの30~250℃で測定される熱膨張係数が30×10-7/K以上90×10-7/K以下、かつ軟化点が550℃以下であり、
    前記無機多孔質支持体が、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、シリコンカーバイド、及びカーボンから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記鉛フリー無機ガラスの熱膨張係数は緻密部材の30℃~250℃で測定される熱膨張係数の60%以上、200%以下である、接合方法。
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