JP2001212435A - フィルタモジュール - Google Patents

フィルタモジュール

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JP2001212435A
JP2001212435A JP2000027380A JP2000027380A JP2001212435A JP 2001212435 A JP2001212435 A JP 2001212435A JP 2000027380 A JP2000027380 A JP 2000027380A JP 2000027380 A JP2000027380 A JP 2000027380A JP 2001212435 A JP2001212435 A JP 2001212435A
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separation
adhesive layer
filter
porous substrate
support member
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JP2000027380A
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Hitohide Oshima
仁英 大嶋
Youji Seki
洋二 積
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガスまたは液体分離性能が高く、信頼性、気密
性の高いフィルタモジュールを提供する。 【解決手段】多孔質基体9外表面の所定位置に複数のガ
スまたは液体から特定のガスまたは液体を透過、分離す
ることのできる分離膜10を形成した分離フィルタ管2
と、分離フィルタ管2の一部を所定の幅を持って支持す
るために分離膜10形成側に設けられた支持部材3と、
分離フィルタ管2と支持部材3との間を接着、固定する
接着層5とを具備するとともに、接着層5が支持部材3
接着部より多孔質基体9外表面にはみ出して形成されて
おり、接着層5のはみ出し端部11が分離膜10によっ
て覆われたフィルタモジュール1を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のガスまたは
液体を含む混合ガスまたは液体から特定のガスまたは液
体のみを透過、分離できる分離フィルタを備えたフィル
タモジュールに関し、とりわけ分離フィルタ端部を接着
層で封止したフィルタモジュールに関する。
【0002】
【従来技術】従来、複数のガスまたは液体を含有する混
合物から特定のガスまたは液体を選択的に透過、分離す
ることのできる分離フィルタを備えたフィルタモジュー
ルが知られており、かかる分離フィルタとしては、高分
子樹脂等の有機材料または多孔質体表面に被着形成され
た金属膜や無機酸化物膜が用いられている。
【0003】また、この種のモジュールとしては、例え
ば、複数の分離フィルタを保持、固定する支持部材の空
隙内に挿入して分離フィルタと支持部材とを接着剤にて
接着、固定してハウジング内に収納し、該ハウジングに
設けた被処理物供給口より被処理物を前記モジュール内
に導入し、前記被処理物のうち前記分離フィルタを透過
したガスを透過物排出口にて排出するとともに、前記被
処理物のうち前記分離フィルタを透過しない残部を残部
排出口から排出することによって分離を行うものであ
る。
【0004】かかるフィルタモジュールにおいて、前記
分離フィルタを前記支持部材に接着、固定するには、例
えば、特開平11−226370号公報では、細孔径が
0.1〜6μmの多孔質アルミナ中空糸の両端部外表面
にガラスペーストをはけ塗りして熱処理した後、無機接
着剤で中空糸同士を接着、封止することが記載されてい
る。
【0005】また、特開平7−163827号公報で
は、図4の概略断面図に示すように、円筒形状の多孔質
基体50の外表面にパラジウム含有金属からなる水素分
離膜51を被着形成し、分離膜51と金属製の支持部材
52との間をガラス53で接着、封止した水素ガス分離
フィルタモジュールが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−226370号公報の多孔質中空糸モジュール
は、細孔径が0.1〜6μmと大きいために分離フィル
タとしては不向きであり、また、特開平7−16382
7号公報の分離膜51と支持部材52との間をガラス5
3で接着、封止したフィルタモジュールでは、分離膜5
1の膜厚を50μm以下に薄くすることによりガス分離
効率は向上するものの、分離膜51がデリケートで強度
等の機械的信頼性に乏しく、ガラスペーストを接着した
りそれを熱処理して固化する等、ガラス53を作製する
際にかかる機械的衝撃や、ガラス53の熱収縮に起因す
る応力により分離膜51中または分離膜51とガラス5
3との界面にピンホール、クラックおよび剥離等の欠陥
が発生して、これがガスリークを引き起こす結果、フィ
ルタモジュールのガス分離性能が著しく低下する恐れが
あった。
【0007】本発明は上記課題に対してなされたもの
で、その目的は、多孔質基体表面に分離膜を被着形成し
た分離フィルタを支持部材に分離膜に欠陥等を発生され
ることなく精度良く接着、封止でき、安定したガスまた
は液体分離特性が得られるフィルタモジュールを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に対して分離フィルタの支持部材への固定方法について
検討した結果、多孔質基体の支持部材と接着、固定され
る部分に予め接着層を前記支持部材接着部から多孔質基
体表面にはみ出して被着形成した後、該接着層のはみ出
し端部を覆うように前記多孔質基体表面に分離膜を被着
形成することによって、分離膜に欠陥等の発生がなく分
離膜と接着層とを良好に接続できることから、安定した
ガスまたは液体分離特性が得られることを知見した。
【0009】すなわち、本発明のフィルタモジュール
は、多孔質基体表面の所定位置に複数のガスまたは液体
から特定のガスまたは液体を透過、分離することのでき
る分離膜を形成した分離フィルタと、該分離フィルタの
一部を所定の幅を持って支持するために前記分離膜形成
側に設けられた支持部材と、前記分離フィルタと前記支
持部材との間を接着、固定する接着層とを具備するもの
であって、前記接着層が前記支持部材接着部より前記多
孔質基体表面にはみ出して形成されており、該はみ出し
部の端部が前記分離膜によって覆われていることを特徴
とするものである。
【0010】ここで、前記多孔質基体と前記接着層との
接触角が90°未満であること、前記多孔質基体と前記
分離膜との間に前記多孔質基体の細孔よりも小さく、前
記分離膜の細孔よりも大きい細孔径の細孔を有する中間
層を設けることが望ましい。
【0011】さらに、前記分離膜の前記接着層表面に被
着形成される距離が、前記分離膜の厚みよりも大きいこ
とが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のフィルタモジュールの一
実施例における概略断面図である図1を基に説明する。
図1によれば、円筒管状の多孔質体からなり被処理ガス
または液体中から特定のガスまたは液体のみを透過、分
離することのできる分離フィルタ管(以下、フィルタ管
と略す。)2の両端が支持部材3の空隙4内に挿入さ
れ、空隙4の内壁面とフィルタ管2との間に充填された
接着層5によって接着、固定され、気密に封止されてお
り、複数本のフィルタ管2からなる収束体6が支持部材
3に接着層5を介して接着、固定され、ハウジング8内
に収納されている。
【0013】本発明によれば、図2のフィルタ管2の支
持部材3接着部についての拡大断面図に示すように、フ
ィルタ管2は多孔質基体9の外表面における所定の位
置、図1ではフィルタ管2の両端部を除く中央部、に特
定ガスまたは液体のみを透過、分離することのできる分
離膜10が被着形成された構造にて形成されているが、
フィルタ管2における支持部材3の空隙4内では多孔質
基体9表面に直接接着層5が被着形成されており、すな
わち支持部材3の空隙4は接着層5によって多孔質基体
9と接着され、両者間で気密に封止されている。
【0014】そして、本発明によれば、接着層5は支持
部材3の空隙4接着部から分離膜10形成側に、図1に
よればフィルタ管2中央部側に10〜30mm程度の長
さAだけはみ出して多孔質基体9外表面に形成されてお
り、接着層5のはみ出し端部11が分離膜10によって
覆われていることが大きな特徴であり、これによって分
離膜10中または分離膜10と接着層5との界面に欠陥
等の発生がなく、良好な接続が可能となるとともに、支
持部材3と接着層5との間の密着性を高めることができ
る。
【0015】なお、接着層5のはみ出し端部11の他端
部は、支持部材3と多孔質基体9とを接着または封止で
きれば必ずしも空隙4全幅域に形成する必要はないが、
気密性を高めるためには多孔質基体9の端部、さらに多
孔質基体9の側端部まで被覆することが望ましい。
【0016】多孔質基体9は管状または板状等いずれの
形状でもよく、機械的な強度および体積あたりの膜面積
を向上させる点から管状の多孔質基体においては外径1
〜10mm、肉厚0.2〜3mm、板状の多孔質基体に
おいては厚さ0.5〜10mmの形状であることが望ま
しく、また材質は多孔質のアルミナ、ジルコニア、シリ
カ、コーディライト等のセラミックスもしくはこれらの
複合体からなることが望ましく、さらにはガスまたは液
体の分離性能やガスまたは液体の透過性の点より気孔率
20〜50%、平均気孔径0.02〜2μm、表面粗さ
(Ra)が2μm以下、特に1μm以下であることが望
ましい。
【0017】また、分離膜10は、例えば、アルミナ、
シリカ、チタニア、ジルコニアの群から選ばれる少なく
とも1種等を含有する無機酸化物、中でも分離膜中に所
定の大きさの細孔径を容易に形成できる点で非晶質シリ
カを主成分とすること、また、耐久性や低熱性の点でジ
ルコニアを含有するものからなることが望ましい。さら
に、分離膜10の平均細孔径が0.2〜100nm、特
に0.2〜10nm、膜厚が0.05〜5μmであるこ
とが望ましい。
【0018】さらに、支持部材3は、ガスまたは液体が
透過しない緻密なアルミナ、シリカ、コーディライト、
フォルステライト、ステアタイト、ジルコニア、炭化珪
素、窒化珪素等のセラミックス、ステンレス、チタン、
アルミニウム等の金属、ガラスから選ばれる少なくとも
1種からなるが、多孔質基体7との熱膨張率が±1×1
-6/℃以内で近似していることが望ましい。
【0019】また、接着層5は、ホウケイ酸ガラス、鉛
ガラス、アルカリケイ酸ガラス、石英ガラス、ビスマス
ケイ酸ガラス等のガラスや無機系の接着剤、特に耐熱性
および耐熱衝撃性に優れたガラスを主成分とし、また、
所望により、熱膨張係数の調整、焼成時の変形の制御、
強度向上等の点で、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チ
タニア、コーディライト等のフィラー成分を添加した無
機系接着剤からなるが、多孔質基体7および支持部材3
との熱膨張率差が±1×10-6/℃以内で近似している
ことが望ましい。なお、本発明によれば、接着層5を高
温にて熱処理して固化させる場合でも分離膜10の性状
に影響を与えることがないために、高温にて固化する接
着剤を使用することも可能である。
【0020】さらに、多孔質基体9と分離膜10との間
に多孔質基体9の細孔よりも細孔径が小さく、分離膜1
0の細孔よりも細孔径が大きい細孔を有する中間層13
を設けることが望ましく、これにより分離膜10の多孔
質基体9への成膜性が著しく向上し、欠陥の発生を防止
できるとともに分離膜10の膜厚を薄くしてガスまたは
液体分離効率を向上させることができる。
【0021】なお、中間層13は、欠陥のない膜を形成
できることおよび分離膜10が被着形成される中間層1
3の表面を平滑にして分離膜10の成膜性を向上させる
点から、平均細孔径が1〜500nm、特に1〜50n
m、膜厚が1〜500μmであることが望ましい。
【0022】本発明によれば、分離膜10を被着形成す
る前に上記接着層5を予め被着形成し、その後分離膜1
0を接着層5のはみ出し端部11表面を覆うように多孔
質基体9表面に被着形成し、接着層5が支持部材3接着
部より多孔質基体9表面にはみ出して形成され、接着層
5のはみ出し部の端部11が分離膜10によって覆われ
ている構造とすることにより、接着層5のはみ出し端部
11が多孔質基体9と分離膜10との間に介装されてな
ることが大きな特徴であり、これによって接着層5形成
時及び熱処理時の機械的衝撃や接着層5の熱収縮に起因
する応力により、分離膜10中または分離膜10の接着
層5との界面に発生し、ガスまたは液体リークの要因と
なるピンホール、クラック、剥離等の欠陥を防止するこ
とができることから、フィルタ管2を支持部材3に気密
性を維持して精度良く接着でき、安定したガスまたは液
体分離性能が得られる。
【0023】なお、多孔質基体9と接着層5のはみ出し
端部11との接触角θは分離膜10の剥離を防止し、接
着層5と分離膜10との熱膨張差に起因するクラック等
の発生を防止する点、および接着層5のはみ出し端部1
1付近における分離膜10の成膜性の点で90°未満、
望ましくは70°、特に45°以下、さらに30°以下
であることが望ましく、また接着層5表面に被着形成さ
れる分離膜10の距離Bが分離膜10の厚みより大きい
ことが望ましい。
【0024】なお、本発明における多孔質基体9と接着
層5との接触角とは接着層5の分離膜10に介装される
端部における接線と多孔質基体9表面とのなす角θの意
であり、分離膜10の厚みとはフィルタ管2の接着層5
が形成されない部位における分離膜10の平均厚みの意
である。
【0025】また、中間層13についても、中間層13
の接着層5側の端部14が接着層5表面に位置するよう
に、すなわち接着層5のはみ出し端部11が中間層13
によっても覆われた構造であることが望ましい。
【0026】なお、図1、2では、収束体6の複数のフ
ィルタ管2各々を支持部材3内に形成した複数の空隙4
それぞれに挿入して接着したものであったが本発明はこ
れに限定されるものではなく、フィルタ管2間を接着層
5または他の接着剤にて接着したフィルタ管収束体を一
体として支持部材3に形成した所定形状の空隙4内に挿
入し、接着層5によって接着、封止するものであっても
よい。
【0027】また、図1、2では、支持部材3がフィル
タ管2の両端に位置するものであったが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、支持部材3がフィルタ管2
中央部に形成されたものであってもよい。この場合、必
ずしも多孔質基体9と支持部材3とが封止される必要は
なく、また接着層5のはみ出し部は支持部材3接着部か
ら多孔質基体9表面を両方向に形成されることが望まし
い。
【0028】一方、ハウジング8は、耐熱性のガラス、
ステンレス等の金属、アルミナやジルコニア等のセラミ
ックス等のガスまたは液体を透過しない部材によって形
成され外部から気密に封止されるものであるが、耐熱衝
撃性が高いことが望ましく、また、ハウジング8内を加
圧または減圧する場合には機械的強度の高いステンレス
等の金属が好適であり、概略管状体からなることが望ま
しい。
【0029】さらに、図1によれば、収束体6を支持す
る支持部材3はハウジング8内に配設された固定部材1
8にグランドパッキング、金属製や樹脂製またはゴム製
のガスケット19を介在させて固定、封止されている。
これによりフィルタモジュール1の支持部材3、3によ
って仕切られる領域の気密性を高めてガスまたは液体分
離性能を向上させることができるとともに、フィルタの
脱着が可能となり、かつフィルタモジュール1の外部か
らの機械的振動や衝撃等による影響を低減できる。
【0030】また、ハウジング8には被処理ガスまたは
液体を導入するための被処理物供給口20と、前記混合
ガスまたは液体をフィルタ管2表面に接触せしめてフィ
ルタ管2内を透過した特定のガスまたは液体を回収また
は排出するための透過物排出口21と、前記混合ガスま
たは液体の残部を排出または回収するための残部排出口
22とが形成されている。
【0031】具体的には、図1によれば、透過物排出口
21は、ハウジング8内に収納された支持部材3、3間
の側壁部に1つ設けられているが、ガスまたは液体分離
効率を高める上では被処理物供給口20に近い側に近接
する位置に設けられることが望ましく、また、複数設け
られてもよい。
【0032】そして、被処理物供給口20からハウジン
グ8内の支持部材3、3の間に導入された被処理ガスま
たは液体は、その一部が分離膜10からフィルタ管2内
を透過して収束体6外のハウジング8内に収納された支
持部材3、3間の領域へ移動し、さらに透過物排出口2
1からフィルタモジュール1外へ排出される。他方、前
記被処理ガスまたは液体の残部は、残部排出口22から
フィルタモジュール1外へ排出される。さらに、被処理
物供給口20または透過物排出口21を加圧または減圧
することにより両者間に差圧を設けてガスまたは液体分
離性能を高めることも可能である。
【0033】また、図1、2のフィルタモジュール1は
円筒管状のフィルタ管であったが本発明はこれに限定さ
れるものではなく、平板形状のフィルタであってもよ
い。そこで、本発明の他のフィルタモジュールの一例に
ついて、その概略斜視図を図3に示した。
【0034】図3によれば、フィルタモジュール25
は、矩形板状からなる多孔質基体27の一方の表面に分
離膜28を被着形成した分離フィルタ層(以下、単にフ
ィルタ層と略す。)30が所定間隔離間して複数層積層
された積層体32が形成されており、積層体32のフィ
ルタ層30間には一層おきに異なる位置に支持部材36
が設けられており、特に多孔質基体27側面を覆うよう
に封止、固定されている。また、被処理物供給口側と対
向する側面である残部排出口側にも同様に支持部材36
が配設されている。
【0035】つまり、被処理物供給口側面と隣接する側
面のうちの一方に形成された透過物排出口側には、被処
理物供給口側の支持部材36が配設されないフィルタ層
30間に支持部材39が封止、固定され、これによって
被処理物供給口側には支持部材39の厚みの空間部41
が、透過物排出口側には支持部材36厚みの空間部42
がそれぞれ形成されている。なお、透過物排出口側と対
向する側面は支持部材36および39または壁体等によ
ってすべて外部から封止されている。
【0036】つまり、積層体32の1つの側面に被処理
物供給口が、他の側面に透過物排出口が、さらに他の側
面に残部排出口が形成されるように支持部材36および
支持部材39が配設されている。
【0037】また、フィルタモジュール25において
は、被処理物供給口側からガスまたは液体の被処理物を
モジュール30内の空間部41内に導入して、フィルタ
層30の分離膜28にて特定ガスまたは液体のみを空間
部42に透過し透過物排出口側に排出するとともに、フ
ィルタ層30を透過しない残部ガスまたは液体を被処理
物供給口側と対向する側面側に排出することにより特定
ガスまたは液体を分離することが可能である。
【0038】本発明によれば、上記構成においてもフィ
ルタ層30の分離膜28被着形成面および他表面に支持
部材36または支持部材39が接着、固定されるが、こ
の構成においても、分離膜28被着形成側に位置する支
持部材とフィルタ層30の多孔質基体27との間が接着
層45によって接着、固定され、接着層45が支持部材
接着部から多孔質基体27表面にはみ出して形成される
とともに、そのはみ出し端部が分離膜28にて覆われる
ように形成されることが重要である。
【0039】次に、本発明のフィルタモジュールを製造
する方法の一例について説明する。まず、平均粒径0.
05〜10μm、特に平均粒径0.1〜2μmの所定の
セラミック粉末に所望の有機バインダを加え、押出し成
形、射出成形等の公知の成形手段により所望の形状に成
形した後、焼成することにより多孔質基体を作製する。
【0040】一方、上述したセラミックおよび/または
ガラス粉末に所望の有機バインダを加え、押出成形、プ
レス成形、鋳込み成型、射出成形等の公知の成形手段に
より空隙部を有する所望の形状に成形した後、焼成する
ことにより複数の空隙部を有する緻密質の支持部材を作
製する。
【0041】また、平均粒径5μm以下、特に2μm以
下、さらに0.5μm以下の上述したガラス粉末、アル
ミナ、シリカ、ジルコニア、コーディライト等のセラミ
ック粉末と、有機バインダと水やα−テルピネオール等
の溶媒とを混合し、接着層ペーストを作製する。
【0042】次に、前記多孔質基体が多孔質管からなる
場合には、該多孔質管の両開口端内にワックス、樹脂等
のその後の熱処理により消失する充填材を充填した後、
該両端部を2つの支持部材の空隙部にそれぞれ差し込
み、挿入する。そして、上記多孔質管を挿入した支持部
材の一方側を前記接着層ペースト中に浸漬して、引き上
げる。
【0043】なお、前記ペーストへの含浸においては、
接着層と分離膜との界面でのクラックや剥離等の発生を
抑制するために多孔質基体端部から支持部材の高さより
所定の高さ、特に1mm以上の高さまで浸積するよう
に、すなわち支持部材が完全に接着層ペースト中に埋設
されるように浸積することが重要であり、これによって
接着層ペーストが支持部材接着部より多孔質基体表面に
はみ出したはみ出し部が形成される。
【0044】また、接着層ペーストの粘度は接着層のは
み出し端部における接触角を小さくして、接着層のはみ
出し端部表面に分離膜に欠陥等が発生することなく被覆
できる形状にするため、接着層ペースト中に気泡が混入
することを防止するためおよび多孔質基体と支持部材間
の封止性を高めるために25〜100Pa・sであるこ
とが望ましい。
【0045】さらに、接着層のはみ出し端部における接
触角を小さくして接着層のはみ出し端部に分離膜が被覆
しやすい形状にする上で、多孔質基体の端部および支持
部材を接着層ペースト中から引き上げた後、前記多孔質
基体の端部が下となるように保持して乾燥させることが
望ましい。
【0046】また、上記接着層の充填において、支持部
材の他の部分への接着層ペーストの余分な付着を防止す
るためには、多孔質管の端部から支持部材外周面にかけ
て封止部材にて覆ってから浸積することが望ましく、そ
の後封止部材をはずして多孔質管端部側の支持部材と多
孔質基体とが接する部分に接着層ペーストを補充、充填
することが望ましい。
【0047】さらに、超音波振動を付与しながら接着層
を充填すること、接着層ペーストの充填、乾燥を複数回
繰り返して行うこともでき、多孔質基体と接着層との接
着性を高めることができる。
【0048】その他の方法としては、多孔質管それぞれ
を前記接着層ペースト内に浸積した後、支持部材の空隙
内に挿入、固定してもよい。接着層を乾燥した後、同様
にして他端側にも接着層ペーストを被着形成する。
【0049】そして、上記接着層ペーストにて接着した
構造体を、例えば500℃以上、特に接着層ペーストの
形状を維持できる点で1200℃以下、さらに接着層と
多孔質基体との接着性を高める点で700〜1170℃
に加熱して接着層ペースト内のガラス粉末、セラミック
粉末を軟化、溶融または焼結させて接着層とし、多孔質
基体と支持部材とを接着、固定する。
【0050】次に、所定の分離膜を構成するための縣濁
液、コロイド溶液、ゾル溶液等のスラリーを作製し、こ
れに上述した多孔質基体と支持部材とを接着した構造体
を浸積する。この時、多孔質基体の開端部内にシリコン
等のキャップを装着して密封するか、または多孔質基体
端部から支持部材までの領域をシリコン製等の封止部材
にて封止した状態で浸漬することが望ましく、これによ
って、多孔質基体開口端部内にスラリーが浸入すること
を防止して、後でスラリーが浸入した部分を除去する工
程が不要となる。
【0051】また、前記構造体の両支持部材を前記スラ
リー内に浸積すると、分離膜の膜厚を均一化するために
多孔質基体の管状体がスラリー液面に対して垂直となる
ように構造体を引き上げた場合、上部に位置する支持部
材表面に付着したスラリーが液ダレする恐れがあるため
に、上部に位置する支持部材は浸積しないことが望まし
いが、この場合にも上部に位置する支持部材の接着層の
一部はスラリー内に浸積する必要がある。
【0052】そして、分離膜溶液を乾燥させた後、所定
の温度、例えば300〜700℃にて焼成することによ
り、多孔質基体の外周表面に分離膜を被着形成すること
ができる。なお、多孔質基体内部を減圧することにより
分離膜の成膜性を高めることができる。また、前記分離
膜の成膜、焼成を繰り返してもよい。
【0053】なお、中間層を介在させる場合も分離膜の
形成方法と同様の方法によって分離膜を形成する前に多
孔質基体の外周表面に形成すればよい。この場合、中間
層が前記接着層端部を覆うように成膜することが望まし
い。
【0054】得られた構造体を所定の形状からなるハウ
ジング内に挿入し、収束体と接着された支持体とハウジ
ング内の固定部材とで上述のガスケット等を介して固
定、封止することにより本発明のフィルタモジュールを
作製することができる。
【0055】
【実施例】(実施例1)純度99.9%、平均粒径0.
1μmのアルミナ粉末に対して、所定の有機バインダ、
潤滑剤、可塑剤および水を添加、混合し、押出成形にて
円筒管状の成形体を作製した後、1300℃にて焼成し
て、外径3.0mm、内径2.0mm、長さ300mm
で、平均粒径0.16μm、気孔率32%を有するα−
アルミナ多孔質管を作製し、その両端部にワックスを注
射器によって充填した。
【0056】一方、純度99.9%、平均粒径0.1μ
mのアルミナ粉末に対して、所定の有機バインダ、潤滑
剤、可塑剤および水を添加、混合し、押出成形にて管状
の成形体を作製した後、1600℃にて焼成して、直径
3.5mmの空洞部40個を有する外径40mmの緻密
な支持部材を作製した。
【0057】また、平均粒径2μmのホウケイ酸ガラス
(SiO2−Al23−CaO−BaO−SrO−B2
3)に有機バインダ、溶剤を添加、混合した接着層ペー
ストを作製した。なお、ペーストの粘度は40Pa・s
であった。
【0058】そして、前記多孔質管40本を前記支持部
材の空隙内にそれぞれ挿入して、前記接着層ペースト内
に多孔質管の一端を支持部材の多孔質管中心側端部から
20mmの位置まで接着層ペーストに浸漬して引き上
げ、前記多孔質管の一端が下となる状態で12時間乾燥
した後、多孔質管の他端にも同様に接着層ペーストを塗
布、乾燥し、1100℃に加熱して多孔質基体と支持部
材とを接着層にて封止、接着した。
【0059】次に、得られた構造体の多孔質管開口部の
一端をシリコン製のキャップにて封じ、ベーマイトゾル
溶液中に多孔質管がゾル液面に対して垂直となるよう
に、かつ上方に位置する支持部材がゾル液面から5mm
の高さ離間するように浸漬し、引き上げて、乾燥し、5
00℃で焼成して膜厚2μmのγ−Al23膜からなる
中間層を被着形成した後、同様にシリカ−ジルコニアゾ
ル溶液を用いてゾル溶液中に浸漬し、引き上げて、乾燥
し、500℃で焼成してシリカ−ジルコニア質分離膜を
被着形成した収束体を作製した。
【0060】なお、得られた分離膜モジュールは、SE
Mにより観察した結果、多孔質管と接着層の接触角が6
5°であり、多孔質管と分離膜との間に接着層が介層さ
れていることを確認した。また、分離膜が接着層表面に
直接形成されていた距離との距離は4.9mmであり、
分離膜の膜厚は2.7μmであった。
【0061】また、得られた収束体をハウジングに挿入
し、支持部材とハウジングの固定部材とをガスケットで
封止、固定して図1のフィルタモジュールを作製したと
ころ、ガスリークのない良品率が95%であった。
【0062】得られたフィルタモジュールについて、H
2ガス50%、N2ガス50%の混合ガスを被処理物供給
口から供給し、透過物排出口を減圧して、フィルタの内
部と外部に0.1MPaの差圧をつけた状態で、透過ガ
ス回収口から排出されるH2ガスとN2ガスの濃度をガス
クロマトグラフィにて測定したところ、H2ガスは95
%、N2ガスは5%であった。
【0063】(実施例2)実施例1に対して、接着層ペ
ーストの粘度を20Pa・sとする以外は上記と同様に
収束体およびモジュールを作製し、評価したところ、接
触角48°、分離膜端部と接着層の端部との距離4.9
mm、分離膜の厚さ2.7μm、良品率93%であっ
た。また、同様にガス分離特性を評価した結果、H2
スは96%、N2ガスは4%であった。
【0064】(比較例)実施例1に対して、多孔質管外
表面に予めγ−Al23膜とシリカ−ジルコニア質分離
膜を被着形成したフィルタを形成した後、それぞれのフ
ィルタを各支持部材内の空隙部に挿入し、各空隙部に低
融点の接着層ペーストを用いスポイトにて充填して51
0℃で熱処理することによって各フィルタと支持部材と
を封止する以外は実施例1と同様に作製したところ、分
離膜と接着層の界面部にクラックの発生が見られた。ま
た、実施例1と同様にガス分離特性を評価した結果、ガ
スリークによってガス分離を行うことができなかった。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明のフィルタ
モジュールによれば、分離膜のはがれやクラックの発生
を防止して、分離フィルタと支持部材とを接着、固定す
ることができ、ガスまたは液体分離性能に優れ、耐久信
頼性の高いフィルタモジュールとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタモジュールの一実施例を示す
概略断面図である。
【図2】図1のフィルタモジュールの多孔質基体と支持
部材との接着部付近を示す拡大断面図である。
【図3】本発明のフィルタモジュールの他の実施例を示
す概略斜視図である。
【図4】従来のフィルタモジュールの一例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1 フィルタモジュール 2 分離フィルタ管 3 支持部材 4 空隙 5 接着層 6 収束体 8 ハウジング 9 多孔質基体 10 分離膜 11 接着層のはみ出し端部 12 分離膜の端部 13 中間層 14 中間層の端部 18 固定部材 19 ガスケット 20 被処理物供給口 21 透過物排出口 22 残部排出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質基体表面の所定位置に複数のガスま
    たは液体から特定のガスまたは液体を透過、分離するこ
    とのできる分離膜を形成した分離フィルタと、該分離フ
    ィルタの一部を所定の幅を持って支持するために前記分
    離膜形成側に設けられた支持部材と、前記分離フィルタ
    と前記支持部材との間を接着、固定する接着層とを具備
    するフィルタモジュールであって、前記接着層が前記支
    持部材接着部より前記多孔質基体表面にはみ出して形成
    されており、該はみ出し部の端部が前記分離膜によって
    覆われていることを特徴とするフィルタモジュール。
  2. 【請求項2】前記多孔質基体と前記接着層との接触角が
    90°未満であることを特徴とする請求項1記載のフィ
    ルタモジュール。
  3. 【請求項3】前記多孔質基体と前記分離膜との間に前記
    多孔質基体の細孔よりも小さく、前記分離膜の細孔より
    も大きい細孔径の細孔を有する中間層を設けたことを特
    徴とする請求項1または2記載のフィルタモジュール。
  4. 【請求項4】前記接着層の前記分離膜覆われている幅
    が、前記分離膜の厚みよりも大きいことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか記載のフィルタモジュール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006263498A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Ngk Insulators Ltd セラミックフィルタ
WO2023153172A1 (ja) * 2022-02-08 2023-08-17 日本碍子株式会社 分離膜複合体、混合ガス分離装置および分離膜複合体の製造方法

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