JP3297542B2 - 積層無機分離体 - Google Patents
積層無機分離体Info
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Description
特定のガスを細孔を透過させて分離する際において、混
合ガス中の水分に影響されることなく高い分離効率およ
び透過率で特定のガスを分離できる無機分離膜に関する
ものである。
は、ポリイミド、テフロン等の多孔質膜、プラズマ重合
膜等の非多孔質膜といった有機高分子によるものであっ
た。これら有機膜は製膜、加工が比較的容易であり、ま
た安価で優れた性能の膜素材としての特徴を有している
反面、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等に問題
があり、時には膨潤により特性劣化を起こすことがあっ
た。そこでこれらの有機高分子膜を高温高圧気体、腐食
性化合物、非水溶液系における分離に応用することは大
きな困難があった。
として、セラミックス材料から構成される無機多孔質膜
がある。機械的、熱的、及び化学的安定性に優れた特性
を有するこの無機多孔質膜は、ゾルゲル法などの製膜技
術の発展にともない、近年盛んに研究されるようになっ
た。サブミクロンから数十ミクロンの精密濾過膜の多く
は、種々の手法で成形されたのち、焼結法を用いて製造
されている。また平均細孔径が数ナノメーター程度の細
孔を有するガス分離用多孔質膜の作製は、ゾルゲル法、
分相法により作製されている。
んどの多孔質膜によるガスの透過は、その細孔が透過す
る気体分子の平均自由行程より小さい場合に生じるクヌ
ッセン拡散に支配されている。クヌッセン拡散において
は、流れの速さが気体の分子量の平方根に反比例して増
加するため、分子量の小さな気体が他の分子量の大きい
気体より速く流れ、透過後の気体においては分子量の小
さな気体成分が増加する。
場合には、H2 とN2 のように分子量の比の大きい気体
ほど分離され易いことになる。ところが、CO2 とN2
の様な分子量の比の小さい気体の分離においては、クヌ
ッセン拡散による分離は困難であり、高い分離効率は得
られない。
ガスの凝縮点以下においては高い分離効率を期待できる
ものの、高温下においては凝縮成分の毛細管中すなわち
細孔内での凝縮は期待できず、高い分離効率は得られな
い。
む混合ガスから特定のガスを分離する際に問題となるの
が水分の影響である。水分が存在すると、制御された微
細孔内に水分がまず選択的に吸着、凝集し、ガスと膜成
分との接触面積を減少させるためガスの選択率及び透過
率を低下させる原因となる。また高温下においても水分
と細孔表面との親和性は強く、分離するべき特定ガスと
の親和性を妨害し、特定ガスの細孔内での表面拡散によ
る透過を低下させてしまう。特にアルミナやシリカなど
の親水性を有するような膜成分についてはこの様な状況
が顕著にみられる。
を解消し、水分を含むような混合ガスからの分離におい
ても水分の影響を受ける事なく高い分離効率及び透過率
を有する無機分離体を提供することを目的とする。
混合ガスから特定のガスを細孔を透過させて分離するた
めの無機分離体であって、多孔質支持体上に、疎水性を
有する多孔質無機膜と、前記特定のガスと親和性を有す
る多孔質無機膜との積層体からなり、前記混合ガスを流
す側に疎水性を有する多孔質無機膜を設けたことを特徴
とするものであり、かかる構成により親和性を有する多
孔質無機膜の細孔内の表面拡散を利用した混合ガスから
の特定ガスの分離に際し、混合ガス中の水分に影響され
る事なく効率的かつ選択的な分離を可能とすることがで
きることを見いだし本発明に至ったのである。
離膜の機械的強度の向上及びガス透過率の向上のために
用いるものであり、好適に利用される支持体としては
0.1〜5μmの平均細孔径および20〜60%の開気
孔率を有することが望ましく、さらには該支持体の熱膨
張率が該表面上に付与する膜成分のそれとほぼ同じであ
ることが好ましい。このような支持体としては、具体的
にはAl2 O3 、ZrO2 、ムライト、コーディライ
ト、スピネル、SiCおよびSi3 N4 等を主体とした
焼結体、あるいは分相ガラス等のガラス質などをそれぞ
れ単独、これら2種以上の複合体、あるいは積層体とし
て用いることができる。
とができる。上記セラミック粉末に必要に応じてフラッ
クス、バインダーもしくは発泡剤等を添加し、これらを
管状もしくは板状に成形し、焼成することによって多孔
質な支持体を得る。またプラスチックフォームにより海
綿状の多孔体を作り、これにスラリー状のセラミックを
含浸させる。ついで、これを乾燥、焼成して多孔質支持
体を得る方法など従来より用いられている各種の方法に
より多孔質支持体は作製される。
前記多孔質支持体の表面にガス分離膜として疎水性を有
する多孔質無機膜(以下、疎水膜という場合がある。)
と特定のガスに対して親和性を有する多孔質無機膜(以
下、親和膜という場合がある。)との積層体からなり、
前記混合ガスを流す側に疎水性を有する多孔質無機膜を
設けたものである。即ち、分離前のガスを多孔質支持体
側から流し多孔質無機膜側でガス分離を行う場合は、多
孔質支持体上にまず、疎水膜を形成した後、その上に親
和膜を形成する。この構造では例えば排ガス中からの気
体の分離等を行う場合にスス等の微粒子が支持体部分で
トラップされ目詰まりを起こしにくいという長所があ
る。
スを流す場合は多孔質支持体上にまず親和膜を形成した
後、その上に疎水膜を形成する。この構造体ではガス分
離においては膜の前後に圧力差をつけるがその際に高い
圧力をかけても膜の剥離等が起こりにくいといった強度
面での長所がある。
過性を有することが必要であることから、平均細孔径5
Å〜1000Åの細孔を有することが望ましい。また、
疎水膜および親和膜は、いずれも0.1〜50μmの膜
厚で形成されるのが適当である。これは、膜厚が0.1
μmより小さいと、膜の欠陥(ピンホール、クラック)
を防ぐのが困難であり、50μmより大きいと透過速度
が下がり分離膜性能がおちてしまうためである。
する材料として高シリカゼオライト、アルミナ架橋多孔
体が挙げられる。この高シリカゼオライトとしてはZS
M−5やシリカライトなどの商品名で市販されているも
のがあり、これらの微粉末をバインダーとともに混合し
てスラリーを調製するか、あるいはZrO2 ゾルなどの
他のゾルに上記微粉末を分散させたものを塗布した後、
これを焼成することにより形成することができる。望ま
しくは、多孔質支持体上もしくは親和性膜上において水
熱合成することにより上記疎水性材料を直接合成析出さ
せ疎水膜を形成するのがよい。具体的にはシリカ微粒子
を蒸留水に懸濁させて、骨格形成剤として4級アンモニ
ウム化合物、アミン、アルコール等の有機化合物を加え
た混合物と多孔質基板をオートクレーブにいれ、室温〜
300℃で常圧または加圧下で水熱処理することで得ら
れる。
は、それ自体が疎水性を有しなくても、その表面を疎水
化処理することにより水分の透過を抑制することができ
る。例えば、シリカ(SiO2 )、アルミナ(Al2 O
3 )等の酸化物や、炭化珪素(SiC)などの非酸化物
からなる多孔質膜に対して、その表面を親油性に改質す
る方法がある。具体的に例示すると、Alのアルコキシ
ドの加水分解により調製したAlOOHゾルやSiのア
ルコキシドより調製したSiO2 ゾル等を多孔質体上、
もしくは親和膜上に浸漬などの方法により塗布乾燥した
後、これを焼成することにより多孔質酸化物膜を得る。
そして、この多孔質膜をアルコキシアルキルシランなど
のシランカップリング剤の溶液に0.5〜24時間浸漬
することにより多孔質膜の表面を疎水化することができ
る。その他、50〜150℃の気化させたアルコキシア
ルキルシランを多孔質膜の表面に0.1〜24時間接触
させることでも疎水化処理することができる。すなわち
多孔質膜表面に存在する水酸基とアルコキシシランが縮
合し、シロキサン結合を介してアルキル基が導入され、
このアルキル基により多孔質膜は親油性物質に対する親
和性が増大するため、水分の透過が抑制される。
に対して強力に結合もしくは吸着する官能基を有するシ
ランカップリングが最もよく、メトキシトリメチルシラ
ン、ジメトキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシ
ラン等が挙げられる。
特定のガスに対して親和性を有する親和膜としては、以
下のような物が挙げられる。二酸化炭素に対して親和性
を有する膜成分として、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、希土類金属等を添加したAl2 O3 、ペロブスカイ
ト型化合物、アパタイト、ゼオライト、リン酸ジルコニ
ウム等がある。これらの材質を膜として付与する際に
は、各材質の前駆体ゾル、コロイド溶液もしくは微粉末
のスラリー等を用い浸漬、塗布などによりコーティング
し乾燥後、焼成することで親和膜を形成することができ
る。
アルコキシドの加水分解により調製されたAlOOHゾ
ルにNa、Sr、Ba、Laなどの金属塩を添加して作
製された前駆体ゾル中に多孔質支持体もしくは疎水性膜
を付与した支持体を浸漬し乾燥後、これを焼成すること
により親和膜を形成することができる。その他の二酸化
炭素と親和性を示す材料についても同様な方法で作製す
ることができる。なお、前駆体の種類や膜を形成する方
法は上記に限定されるものではない。
として、Rh、Ru、Pd、Ptなどの貴金属、Fe、
Co、Niなどの遷移金属を添加したAl2 O3 、Si
O2、TiO2 、あるいは貴金属薄膜等が挙げられる。
これらの材質についても前記親和膜と同様な方法で作製
することができる。具体的に例示すると、Rh、Ru、
Pd、Pt、Ni、Co、Fe等の金属塩を金属アルコ
キシドより調製したAl2 O3 、SiO2 、TiO2 等
の前駆体ゾル中に均一に分散させ、これに多孔質支持体
もしくは親和性膜を形成した支持体を浸漬、乾燥した
後、これを焼成することで積層した無機分離膜を得るこ
とができる。なお、焼成においては、例えば水素を含む
ような還元雰囲気で行うことにより金属微粒子分散Al
2 O3 膜を得ることができる。その他の水素と親和性を
示す材料についても同様な方法により親和膜を形成する
ことが可能である。なお、ここで用いる前駆体の種類や
膜形成方法はかならずしも上記方法に限定されるもので
はない。
2 H4 等の炭化水素、H2 S等のガスに対して親和性を
有する材料を親和膜として形成することももちろん可能
である。
グの過程においては、繰り返しコーティング操作を行う
ことが好ましい。これは1回のコーティング操作で数μ
m程度の厚い膜を付与することは、乾燥及び焼成時の収
縮によるクラックが生じ易く、このクラックの発生によ
り分離膜の機能は著しく低下する。例えば浸漬−乾燥−
焼成を繰り返し行うことによりピンホールや膜の剥離等
の無い均質な膜を得ることができるとともに膜厚を自由
に制御できる。
焼成は、大気などの酸化性雰囲気中、1200℃以下で
行うことが望ましい。これは1200℃を越えると膜の
比表面積が急激に低下するからである。すなわち比表面
積の低下は細孔容積の減少及び平均細孔径の増加につな
がり、ガス透過率が減少するなど分離膜としての機能を
著しく低下させるものである。さらに焼成の温度につい
て詳細に記すと、シランカップリング剤により疎水性に
改質した疎水膜の場合には、該膜の安定性の点より50
0℃以下での焼成が好ましく、疎水膜として高シリカゼ
オライトを用いたものについては該ゼオライトの安定
性、すなわち結晶構造や穴径の変化の点より1000℃
以下での焼成が好ましい。また金属微粒子分散Al2 O
3 膜を得るための水素を含む還元雰囲気中での焼成は5
00℃以下で行うことがよい。
より形成された分離膜は、後述する実施例から明らかな
ように、水分の影響を受けることなく特定ガスとの親和
性を利用することができ、透過率及び選択率が向上した
分離膜としてその機能を十分に有するものである。
体上に、分離膜として疎水性を持つ材料からなる多孔質
無機膜と、特定ガスと親和性を持つ材料からなる多孔質
無機膜を形成したものであって、前記混合ガスを流す側
に疎水性を有する多孔質無機膜を設けることによって、
水分を含む混合ガスがまず疎水膜を通過することで水分
の除去された乾燥した混合ガスとなり、この乾燥した混
合ガスが特定ガスと親和性を持つ親和膜を通過すること
で、特定ガスがその細孔表面とガスとの親和性によりク
ヌッセン拡散以上の分離効率で効率よく濃縮分離するこ
とが可能となり、特に親和膜としてペロブスカイト型化
合物、アパタイト、ゼオライト、リン酸ジルコニウム等
を用いると、それら自体が、熱安定性、耐薬品性、透過
性、選択性に優れるものであるため、200℃以上の高
温においてもクヌッセン拡散以上の分離効率が得られ
る。
親和性の評価、すなわちその特定ガス吸着特性は、親和
性材料である膜成分及び中間層の作製時と同じ条件で作
製したバルク体または粉末に対しておこなった。まず、
細孔中の水分等を除去するため前処理としてHe中で3
00℃〜900℃で処理した後、さらに室温〜900℃
で特定ガス気流下で1時間曝した後、そのまま室温まで
徐冷した。そののちHe中で5℃/minで昇温し脱離
するガスの量をガスクロマトグラフにて分析評価した。
質管上に、親和膜成分としてAl(O−sec−C4 H
9 )3 の加水分解により調製したAlOOHゾルにAl
に対して9.09mol%のLa(NO3 )3 を添加し
たLa添加AlOOHゾルを用い、このゾル中に前記ア
ルミナ多孔質管を浸漬し乾燥後、大気中で600℃焼成
し、これを5回繰り返してLa含有Al2 O3 からなる
膜厚2.7μm、平均細孔径55Åの親和膜を形成し
た。
−C4 H9 )3 の加水分解により調製したAlOOHゾ
ルを浸漬法により塗布し乾燥後、大気中600℃で焼成
し、この操作を5回繰り返すことにより膜厚1.8μ
m、平均細孔径が35Åの均一なAl2 O3 膜を形成し
た。その後、これを60℃のメトキシトリメチルシラン
溶液中に12時間浸漬することによりAl2 O3 膜を疎
水化処理した。
焼成品)の粉末に対して、前述した方法により二酸化炭
素との親和性の評価を行った。なお、He中およびCO
2 中での前処理はいずれも600℃で行った。評価の結
果を図1に示した。図1から明らかなように、100℃
付近と500℃付近に二酸化炭素と強い相互作用(親和
性)があることがわかる。さらに、CO2 中での前処理
をCO2 に対する体積比が5%の水分を含むCO2 中で
行ったときの結果も図1に示した。図1の結果からわか
るように、水分の存在により高温で見られた二酸化炭素
との相互作用がなくなっていることがわかる。
いて、室温で水蒸気(5%含有)を含むCO2 /N2 =
1(体積比)の混合ガスを膜側(管の外側)から流し支
持体側(管の内側)に透過したガスにおけるCO2 /N
2 体積比(選択率)の測定を行った。その結果、CO2
/N2 の選択率は1.3であった。また透過後のガスに
おいて水分はほとんど検出されなかった。また同様に5
00℃で水蒸気を5%含むCO2 /N2 =1(体積比)
の混合ガスを用いてCO2 /N2 の選択率の測定を行っ
た。その結果、CO2 /N2 の選択率は1.5であっ
た。また透過後のガスにおいて水はほとんど検出されな
かった。
ラ−n−プロピルアンモニウムブロマイドとテトラ−n
−プロピルアンモニウムヒドロキサイドを加えた混合物
を平均細孔径0.3μm、開気孔率33%のアルミナ多
孔質体とともにオートクレーブにいれ180℃で水熱処
理した。これを600℃で焼成し高シリカゼオライトの
厚み27μm、粒内細孔径10Å以下、粒子間細孔径1
000Å以下の疎水膜を得た。
あたり、親和膜成分としてAlに対して8.33mol
%のSrを添加したAlOOHゾルを用い、浸漬乾燥
後、600℃で1時間の焼成を5回繰り返し、厚み2.
6μm、平均細孔径58ÅのSr含有Al2 O3 からな
る親和膜を形成した。
して、前述した方法により二酸化炭素との親和性の評価
を行った。なお、He中およびCO2 中での前処理はい
ずれも600℃で行った。評価の結果を図2に示した。
図2から明らかなように、100℃付近と550℃付近
に二酸化炭素と強い相互作用(親和性)があることがわ
かる。さらに、CO2 中での前処理を5%の水分を含む
CO2 中で行ったときの結果も図2に示した。図2の結
果からわかるように、水分の存在により高温で見られた
二酸化炭素との相互作用がなくなっていることがわか
る。
いて、室温で水蒸気(5%含有)を含むCO2 /N2 =
1(体積比)の混合ガスを支持体側(管の内側)から流
し膜側(管の外側)に透過したガスにおけるCO2 /N
2 体積比(選択率)の測定を行った。その結果、CO2
/N2 の選択率は1.3であった。また透過後のガスに
おいて水分はほとんど検出されなかった。また同様に6
00℃で水蒸気を5%含むCO2 /N2 =1(体積比)
の混合ガスを用いてCO2 /N2 の選択率の測定を行っ
た。その結果、CO2 /N2 の選択率は1.7であっ
た。また透過後のガスにおいて水はほとんど検出されな
かった。
高シリカゼオライトからなる疎水膜を形成し、さらにこ
の疎水性膜上に親和性膜を形成するにあたり、親和性膜
成分としてAlに対して9.09mol%のRhを添加
したAlOOHゾルを用い、浸漬乾燥後、600℃で1
時間の焼成を5回繰り返し行い、さらに、500℃の水
素還元雰囲気下で焼成し、厚み2.2μm、平均細孔径
42ÅのRh粒子分散Al2 O3 膜からなる親和膜を形
成した。
して、前述した方法により水素ガスの親和性の評価を行
った。なお、He中およびH2 中での前処理はいずれも
300℃で行った。評価の結果を図3に示した。図3か
ら明らかなように、100℃付近と450℃付近に水素
と強い相互作用(親和性)があることがわかる。さら
に、H2 中での前処理を5%の水分を含むH2 中で行っ
たときの結果も図3に示した。図3の結果からわかるよ
うに、水分の存在により高温で見られた水素との相互作
用がなくなっていることがわかる。
いて、室温で水蒸気(5%含有)を含むH2 /N2 =1
(体積比)の混合ガスを支持体側(管の内側)から流し
膜側(管の外側)に透過したガスにおけるH2 /N2 体
積比(選択率)の測定を行った。その結果、H2 /N2
の選択率は3.8であった。また透過後のガスにおいて
水分はほとんど検出されなかった。また同様に500℃
で水蒸気を5%含むH2 /N2 =1(体積比)の混合ガ
スを用いてH2 /N2 の選択率の測定を行った。その結
果、H2 /N2 の選択率は4.7であった。また透過後
のガスにおいて水はほとんど検出されなかった。
上に形成された多孔質Al2 O3 膜に対してメトキシト
リメチルシランによる表面疎水化処理を行わない以外は
実施例1と全く同様に作製した分離膜について、室温で
水蒸気を含むCO2 /N2 =1(体積比)の混合ガスを
用いてCO2 /N2 の透過率の比(選択率)の測定を行
った。その結果、CO2 /N2 の選択率は0.9であっ
た。また透過後のガスにおいては多量の水分がガスクロ
より検出された。また、500℃で水蒸気を含むCO2
/N2 =1(体積比)の混合ガスを用いてCO2 /N2
の選択率の測定を行った結果、CO2 /N2 の選択率は
0.8であり、透過後のガスにおいては多量の水分が検
出された。
することなく、多孔質Al2 O3 支持管の表面に親和膜
成分としてAlに対して16.7mol%のSrを添加
したAlOOHゾルを用い、浸漬塗布、乾燥後、600
℃焼成の工程を5回繰り返して行い、膜厚1.7μm、
平均細孔径58ÅのSr含有Al2 O3からなる親和性
膜を形成した。
いて、室温で水蒸気(5%含有)を含むCO2 /N2 =
1(体積比)の混合ガスを支持体側(管の内側)から流
し膜側(管の外側)に透過したガスにおけるCO2 /N
2 体積比(選択率)の測定を行った。その結果、CO2
/N2 の選択率は0.9であった。また透過後のガスに
おいて多量の水分が検出された。また同様に600℃で
水蒸気を5%含むCO2 /N2 =1(体積比)の混合ガ
スを用いてCO2 /N2 の選択率の測定を行った。その
結果、CO2 /N2 の選択率は0.9であった。また透
過後のガスにおいて多量の水分が検出された。
成することなく、多孔質Al2 O3 支持管の表面に親和
膜成分としてAlに対して16.7mol%のRhを添
加したAlOOHゾルを用い、浸漬塗布、乾燥後、60
0℃焼成の工程を5回繰り返して行い、膜厚1.5μ
m、平均細孔径42ÅのSr含有Al2 O3 からなる親
和性膜を形成した。
いて、室温で水蒸気(5%含有)を含むH2 /N2 =1
(体積比)の混合ガスを支持体側(管の内側)から流し
膜側(管の外側)に透過したガスにおけるH2 /N2 体
積比(選択率)の測定を行った。その結果、H2 /N2
の選択率は3.1であった。また透過後のガスにおいて
多量の水分が検出された。また同様に600℃で水蒸気
を5%含むH2 /N2=1(体積比)の混合ガスを用い
てH2 /N2 の選択率の測定を行った。その結果、H2
/N2 の選択率は3.6であった。また透過後のガスに
おいて多量の水分が検出された。
膜は、多孔質な支持体上に疎水性を有する膜と、特定の
ガスに対して親和性を有する膜の2層を具備することに
より、特定ガスのみを水分に影響される事なく濃縮分離
することができる。従って本発明は、水分を含む様な混
合ガス、排ガス中からのある特定成分の分離に適用した
場合に優れた特性を期待することができる。
炭素ガスの吸着特性を示す図である。
炭素ガスの吸着特性を示す図である。
スの吸着特性を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】水分を含む混合ガスから特定のガスを細孔
を透過させて分離する無機分離体であって、多孔質支持
体上に、疎水性を有する多孔質無機膜と、前記特定のガ
スと親和性を有する多孔質無機膜との積層体からなり、
前記混合ガスを流す側に疎水性を有する多孔質無機膜を
設けたことを特徴とする積層無機分離体。
Priority Applications (1)
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