JP2016049744A - インクジェット印刷用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)基紙の少なくとも一方の面に、顔料、バインダーおよびインクジェット用インク定着剤を含有する塗工層を片面あたり1g/m2以上8m2以下塗被したインクジェット印刷用塗工紙において、該塗工層に顔料として、針状軽質炭酸カルシウムが40質量部以下80質量部、該針状軽質炭酸カルシウム以外に、吸油度80ml/100g以上の吸油性顔料が10質量部以上50質量部以下含まれ、且つカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有するインクジェット印刷用塗工紙。
(2)カルボキシメチルセルロースナトリウムの1%溶解液(温度25℃)のB型粘度が50mPa・s以上500mPa・s以下である(1)記載のインクジェット印刷用塗工紙。
(3)前記塗工層のバインダーの一部としてTg点が10℃以上60℃以下のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを含有する(1)又(2)記載のインクジェット印刷用塗工紙。
(4)基紙上の少なくとも片面に、顔料、バインダー、インクジェット定着剤、カルボキシメチルセルロースナナトリウムを含有し、該顔料が針状炭酸カルシウムと該針状炭酸カルシウム以外の吸油度80ml/100gである吸油性顔料を含む塗工液をサイズプレスで塗工するインクジェット印刷用塗工紙の製造方法。
(5)前記サイズプレスがゲートロールコーターもしくはシムサイザーコーターである(4)記載のインクジェット印刷用塗工紙の製造方法。
本発明のインクジェット印刷用塗工紙は、基紙上の少なくとも一方の面に、顔料、バインダー及びインクジェット用インク定着剤を含有する塗工層をサイズプレスにて片面あたり1g/m2以上8g/m2以下塗被したインクジェット印刷用塗工紙であって、該塗工層の顔料として、針状軽質炭酸カルシウムが40質量部以上80質量部、針状軽質炭酸カルシウム以外の吸油性顔料が20質量部以上60質量部以下含まれ、且つカルボキシメチルセルロールナトリウムが含有することを特徴とする。
(軽質炭酸カルシウム)
本発明では、塗工層で顔料として、針状軽質炭酸カルシウムと吸油性顔料を含有し、針状軽質炭酸カルシウムと吸油性顔料の比率が40質量部:60質量部から20質量部:80質量部で使用する。
軽質炭酸カルシウムの形状は、針状、立方状、紡錘状、柱状等があるが、本発明で求める効果であるインクジェットインクの吸収性や発色性、定着性に優れ、且つ表面の白紙光沢にも優れる品質を得るためには、針状の軽質炭酸カルシウムがよい。その理由としては定かではないが、針状軽質炭酸カルシウムと吸油性顔料が塗工層中にあると、針状軽質炭酸カルシウムの形状により塗工層表面および塗工層中において配向ムラが生じ難いこと、針状軽質炭酸カルシウムが混在することにより塗工層中において適度な空隙を有しインクジェットインクが表面に付着した際、瞬時に吸収される所謂毛管現象による吸収速度アップ効果が得られると思われる。また、塗工層に針状軽質炭酸カルシウムと吸油性顔料が混在することにより、吸油性顔料の保水力に加えて顔料と顔料の空間率が高まり、塗工層中に吸収したインクを保持する力所謂インク吸収容量の向上効果が得られると考えられる。このため、針状形状の軽質炭酸カルシウムと吸油性顔料を併用すると瞬時に塗工層に吸収されたインクが塗工層中に保持され、且つ表面の光沢性に優れるインクジェット用紙が得られると考える。
ただし、吸油性顔料を用いると、ロールコーターのロール上から塗料を紙に塗布した後塗料が乾燥しやすくなり乾燥した塗料がロール上に汚れとして残り、連続的な塗工が困難になる。このようにロール汚れが発生すると良好な塗工面が得られず、結果としてインクジェット品質が低下する。このようなロール汚れを抑制するために、塗料の保水性を向上させるために各種保水剤を処方することが一般的に行われている。保水剤としては、合成系保水剤として、ポリカルボン酸系共重合体や天然系保水剤のカルボキシメチルセルロースナトリウムやポリエチレングリコール、澱粉、カゼインなどが知られているが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、澱粉、カゼイン等以外の保水剤はインク定着剤との相溶性がよくなく凝集してしまう物が多い。特殊な混合方法を用いて凝集せずに用いることができたとしても、インク吸収性の低下が発生する。澱粉、カゼインは、インク定着剤との相溶性は良好であり塗料作製は容易であるが、ロール汚れ抑制に十分な添加量を加えると、インク吸収性が低下してしまう。これに対して、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、ロール汚れ抑制効果が得る添加量を添加した場合でも、インク吸収性の低下は軽微であり市販で求められるインクジェット適性として良好なものが得られる。また、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、塗工層強度を向上させることができるため、塗工層強度が向上したぶんバインダーとして用いている薬品の添加量を調整(減少)するとさらに優れた品質の塗工紙が得られる。
カルボキシメチルセルロースナトリウムは、塗工液のB型粘度(25℃)が500mPa・s以上4000mPa・s以下になる添加量が好ましい。より好ましくは1500mPa・s以上2500mPa・s以下となるような添加量がより好ましい。塗工液のB型粘度(25℃)で500mPa・s以下となるような添加量では、ロール上の塗料にリングパターン上のムラ発生し易くなる。これに対して、塗工液のB型粘度(25℃)が4000mPa・s以上になるとインクジェットの吸収性が低下する傾向が見られる。
これらの材料を最表面塗工層に含有させることで、インクジェットインクのインク定着性、インク吸収性、あるいは白紙の光沢性を向上させることができる。
また、これらの材料を下塗り塗工層に含有させることで、インクジェットインクのインク吸収性、最表面塗工層の表面光沢を向上させることができる。
これらの材料を含有させサイズプレスにて塗工する場合全ての層の塗工においてロール汚れが抑制される。
塗工層の複数層有する場合、針状軽質炭酸カルシウムと吸油性顔料は、全塗工層の顔料100質量部に対し、90質量%以上含有することが好ましい。
なお、塗工層は基紙の片面のみに存在しても良いし、両面に存在しても良い。
塗工層に使用する顔料としては、本発明で規定する針状軽質炭酸カルシウムと吸油性顔料以外に、カオリン、重質炭酸カルシウム、凝集炭酸カルシウム、本発明以外の軽質炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、有機中空顔料、複合顔料、表面にシリカ粒子を複合させた炭酸カルシウムアルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸カルシウム、サチンホワイト、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン・アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、並びにこれらの微小中空粒子や貫通孔型の有機材料からなる有機顔料粒子等が挙げられる。カオリン、有機顔料粒子等を併用する場合は、白紙光沢性向上効果がある。
本発明においては、塗工層に使用するバインダーを特に規定するものではなく、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系ラテックス、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、リン酸エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉系の澱粉、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白等の蛋白系、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの合成物、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系等が使用可能である。これらのバインダーの中でもスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスバインダーは少量で高い塗工層強度が得られるため、良好なインク吸収性を発現できる。また、澱粉は、塗工層強度を発現するとともに塗工液の粘度調整する作用も有する。塗工液の粘度が適性範囲外となると白紙光沢性の低下を招く。このため、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスバインダーと澱粉の両方を用いると高いインク吸収性を保持したまま高い塗工層強度と塗工液の粘度調整が行えるためより良い。澱粉と同様な効果を持つものとしてカゼインも当てはまる。このスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの一部または全量のTg点を10℃以上60℃以下に調整するとインク吸収性の良化および白紙光沢性の向上があるためよい。このようにスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスのTg点調整により品質が向上する理由については明らかではないが、塗工層中のバインダーのTg点を10℃以上とすることにより乾燥熱によりバインダーの一部のみが溶け皮膜化し一部粒状形状と保つことにより、適当な塗工層強度とインク吸収に必要な塗工層内の空孔の両立が行えると考える。Tg点が60度以上となるとインク吸収性が良好となるものの、適当な塗工層強度が得られない。
カルボキシメチルセルロースナトリウムは、原料パルプを粉砕機により粉砕処理した後に、得られた粉砕処理中のセルロースを、親水性溶媒中でモノハロ酢酸またはその塩及びアルカリ剤と反応させカルボキシメチルセルロースナトリウムを得る。
インクジェット商業印刷機用インクは、水性顔料インクや水性染料インクが使われるが、これらの水性インクでの印刷物のインク定着性や発色性を向上させる目的で、塗工層にインク定着剤を含有させるとよい。インク定着剤としては、下記に列記したものから1種類もしくは複数種選択して使用することが出来る。片面あたり0.1g/m2以上塗布されると効果が得られより好ましくは片面0.3g/m2以上塗布されるとよい。片面あたりの塗布量が0.1g/m2未満ではインク定着性や発色性の効果が薄まる。片面で2g/m2以上塗布されるとインク吸収性がやや劣るほか、生産コストが高くなり費用対効果が低くなる。
また、原紙にもインク定着剤を含有させると更によいが、インクが打ち込まれる用紙の表層にインク定着剤が存在することが望ましく、原紙中よりも塗工層に含有させるほうが効果は大きくなる。因みに、基紙に内添する場合は、使用するパルプ100質量%に対して、0.1質量%以上1質量%以下の添加量が望ましい。原紙中に含有させる場合も、0.1質量%以上とすることにより、得られる効果を確実にすることができる。一方、下限値を下回ると、所望する効果が小さくなる。最適な上限値を超えると、インク定着剤の基紙表面のプロファイルムラが起因するインク吸収ムラを発生させる可能性がある。
塗工層には、その他必要に応じて各種助剤を含有してもよい。
本発明に使用する助剤としては、ポリエチレンエマルジョン、脂肪酸の塩類やその誘導体、マイクロクリスタリンワックス等の離型剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、本特許で規定したカルボキシメチルセルロースナトリウム以外の保水性改善剤、着色剤、潤滑剤、耐水化剤等の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
なお、塗工層は1層であっても、複数の層で形成しても良く、また基紙の片面のみに存在しても良いし、両面に存在しても良い。
本発明に使用する基紙としては、シート状のものであればよく、例えば通常のインクジェット記録用紙、印刷用塗工紙、板紙に用いられる米坪30〜500g/m2程度の紙支持体を基紙として好適に使用することができる。基紙として使用する紙支持体のパルプ原料も特に限定されるものではなく、脱墨パルプ、機械パルプ、化学パルプ等、通常の製紙方法で製造される紙のパルプ原料として一般的に用いられるパルプ原料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。前記基紙を得る抄紙機についても特に限定されるものではなく、長網式抄紙機、短網式抄紙機、円網式抄紙機、オントップフォーマー抄紙機、ギャップフォーマー抄紙機、ヤンキー抄紙機等の従来公知の抄紙機で適宜抄紙することができる。紙層は、1層抄きでも多層抄きでも構わない。
塗工液は、固形分濃度を20〜60質量%程度に調製し、基紙上に乾燥質量で1〜8g/m2、より好ましくは1〜5g/m2になるように塗工、乾燥する。塗工層を形成する塗工装置としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、バーコーター、カーテンコーター、ロールコーター、ロッドコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター、シムサイザー等の従来公知の塗工装置が上げられる。
この中でも、サイズプレスとして良く利用されるロールコーター、ゲートロールコーター、シムサイザーは、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドコーターなどが原紙に塗料を付着させた後掻きとる塗工方式よりも、インクジェット印刷時の印刷ムラが軽減され、塗工速度も上がり易いというメリットを持つためよい。印刷ムラが軽減される理由は定かではないが、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドコーターなどで原紙に塗料を付着させる際、原紙の地合の影響で、原紙への塗料の浸透が不均一になり、結果として塗工層ムラが発生するためだと推定する。また、サイズプレスとして良く利用される塗工方式の中でも、ロールや巻きバーなどで前軽量した塗料を、原紙に転移する方式であるゲートロールや、シムサイザー塗工装置を用いると得られる塗工紙の表面光沢性、インクジェット品質が優れ更によい。
「顔料」
市販の針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業製、平均粒子径=0.45μm)、焼成カオリン(商品名:アルファテックス、イメリスミネラルズジャパン製、平均粒子径=0.48μm)、カオリン(商品名:アマゾンプラス、CADEM製、平均粒子径=0.26μm)、
無定形シリカ(商品名:ファインシールX−45、トクヤマ製、平均粒子径=4.5μm)を得た。
X線透過式沈降法粒度分布装置(SediGraph5100 マイクロメリテックス社製)による粒度分布を測定した。累積体積が10%、50%、90%に相当する粒径をD10、D50、D90として、50体積%(D50)の粒子径を平均粒子径とした。
LBKP(CSF450ml)90%、NBKP(CSF400ml)10%からなるパルプスラリーに、填料としてタルクを支持体灰分が7%となるように添加した後、パルプ固形分に対して硫酸アルミニウム0.95%、カチオン澱粉0.22%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、荒川化学工業製)0.1%、ポリアクリルアミド(商品名:リアライザーR−300、ソーマル製)0.05%を順次添加し、紙料を調製した。得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、さらにゲートロールサイズプレス装置で酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ製)を両面で2.0g/m2(固形分)塗布・乾燥し、マシンカレンダーで平滑化処理を施して坪量81g/m2の基紙を得た。
前記「顔料」に示した針状軽質炭酸カルシウムTP−123CS 40部(固形分換算)、焼成カオリンアルファテックス60部(固形分換算)に、バインダーとして酸化澱粉(商品名:エースA、王子コンスターチ社製)2部(固形分)およびスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PB2407、日本エイアンドエル製、Tg点=40℃、粒子径=190nm)20部(固形分)、インク定着剤としてアミン・エピクロルヒドリン重合体(星光PMC製DK6810)を5部加え、固形分濃度が40%の塗工液を調製した。これに保水剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬製SGセロゲンWS−C、1%溶解液(温度25℃)のB型粘度=200mPa・s)を添加して、塗料のB型粘度を2000mPa・sに調整した。
前記基紙上にゲートロールコーターを用いて、片面の乾燥質量で4g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥した。この後、スーパーカレンダーを用いて、線圧60kg/cm、2ニップの条件で平滑化処理を施して、坪量89g/m2のインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工層に用いる顔料として、針状軽質炭酸カルシウム(TP−123CS)40部(固形分換算)を70部、焼成カオリン(アルファテックス)60部(固形分換算)を30部に変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工層に用いる顔料として、針状軽質炭酸カルシウム(TP−123CS)40部(固形分換算)を80部、焼成カオリン(アルファテックス)60部(固形分換算)を20部に変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2の塗工層に用いる顔料の焼成カオリン(アルファテックス)30部(固形分換算)を無定形シリカ(ファインシールX−45)30部に変更する以外は、実施例2と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2の塗工層に用いる保水剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:SGセロゲンPR、第一工業製薬製)、1%溶解液(温度25℃)のB型粘度=50mPa・s)を添加して、塗料のB型粘度を2000mPa・sに調整する以外は、実施例2と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2の塗工層に用いる保水剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:第一工業製薬製AGガム、第一工業製薬製)1%溶解液(温度25℃)のB型粘度=400mPa・s)を添加して、塗料のB型粘度を2000mPa・sに調整する以外は、実施例2と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2の塗工層に用いるバインダースチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PB2407、日本エイアンドエル製、Tg点=40℃、粒子径=190nm)20部(固形分)をスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000N、JSR製、Tg点=−37℃、粒子径=90nm)20部(固形分)に変更する以外は、実施例2と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2の塗工量を片面の乾燥質量で4g/m2から片面の乾燥質量で1g/m2にして塗工、乾燥する以外は、実施例2と同様にして、坪量83g/m2のインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2の塗工量を片面の乾燥質量で4g/m2から片面の乾燥質量で7g/m2にして塗工、乾燥する以外は、実施例2と同様にして、坪量96g/m2のインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例7の塗工液の調整において、保水剤 カルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:SGセロゲンWS−C、第一工業製薬製)1%溶解液(温度25℃)のB型粘度=200mPa・s)を添加して、塗料のB型粘度を2000mPa・sに調整するところを、塗料のB型粘度を450mPa・sに調整する以外は、実施例7と同様にして、インクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例7の塗工液の調整において、保水剤 カルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:SGセロゲンWS−C、第一工業製薬製)1%溶解液(温度25℃)のB型粘度=200mPa・s)を添加して、塗料のB型粘度を2000mPa・sに調整するところを、塗料のB型粘度を4500mPa・sに調整する以外は、実施例7と同様にして、インクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2のインクジェット印刷用塗工紙の作製において、ゲートロールコーターを用いて、片面の乾燥質量で4g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥するところをシムサイザーコーターを用いて、片面の乾燥質量4g/m2になるよう塗工液を両面に塗工する以外は実施例2と同様にして、インクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2のインクジェット印刷用塗工紙の作製において、ゲートロールコーターを用いて、片面の乾燥質量で4g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥するところをエアーナイフコーターを用いて、片面の乾燥質量4g/m2になるよう塗工液を両面に塗工する以外は実施例2と同様にして、インクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2のインクジェット印刷用塗工紙の作製において、ゲートロールコーターを用いて、片面の乾燥質量で4g/m2になるように前記塗工液を両面に塗工、乾燥するところをベントブレードコーターを用いて、片面の乾燥質量4g/m2になるよう塗工液を両面に塗工する以外は実施例2と同様にして、インクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工層に用いる顔料として、針状軽質炭酸カルシウム(TP−123CS)40部(固形分換算)を20部、焼成カオリン(アルファテックス)60部(固形分換算)を80部に変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工層に用いる顔料として、針状軽質炭酸カルシウム(TP−123CS)40部(固形分換算)を100部、焼成カオリン(アルファテックス)60部(固形分換算)を0部(無添加)に変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工層に用いる顔料として、針状軽質炭酸カルシウム(TP−123CS)40部(固形分換算)を0部(無添加)、焼成カオリン(アルファテックス)60部(固形分換算)を100部に変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例1の塗工層に用いる顔料として、針状軽質炭酸カルシウム(TP−123CS)40部(固形分換算)を70部、焼成カオリン(アルファテックス)60部(固形分換算)をカオリン(商品名:アマゾンプラス、CADEM社製、平均粒子径=0.26μm)30部に変更する以外は、実施例1と同様にしてインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例2の塗工量を片面の乾燥質量で4g/m2から片面の乾燥質量で0.5g/m2にして塗工、乾燥する以外は、実施例2と同様にして、坪量82g/m2のインクジェット印刷用塗工紙を得た。
比較例5の塗工量を片面の乾燥質量で0.5g/m2から片面の乾燥質量で9g/m2にして塗工、乾燥する以外は、実施例2と同様にして、坪量99g/m2のインクジェット印刷用塗工紙を得た。
実施例7の塗工液の調整において、保水剤 カルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:SGセロゲンWS−C、第一工業製薬製)1%溶解液(温度25℃)のB型粘度=200mPa・s)を添加して、塗料のB型粘度を2000mPa・sに調整するところを、カルボキシルメチルセルロースナトリウムを無添加にする以外は、実施例7と同様にして、インクジェット印刷用塗工紙を得た。この時の塗工液のB型粘度は200mPa・sであった。
比較例7の塗工液の調整において、保水剤として酸化澱粉(商品名:エースA、王子コンスターチ社製)を添加して、塗料のB型粘度を2000mPa・sに調整する以外は、比較例7と同様にして、インクジェット印刷用塗工紙を得た。この時の最終的な酸化澱粉の添加量は、15部であった。
(インク吸収性の評価)
得られたインクジェット印刷用塗工紙をラインヘッド搭載カラーラベルプリンター(LX−P5500顔料インクモデル、Canon製)でブラックベタ印刷と文字印刷を行ない。その印刷部分を目視評価した。
◎:ベタ印刷部分にムラなし。文字と白紙部にニジミなし。良好。
○:ベタ印刷部分にムラ、文字部から白紙部にインクのニジミが若干みられるが、使用上問題のないレ
ベル。
△:ベタ印刷部分にムラ、文字部から白紙部にインクのニジミが見られるレベル。
(使用するプリンターの設定を変更すれば使用可能なレベル)
×:ベタ印刷部分全面にムラ、文字そのものが潰れ文字の形状が判別できないレベル。
(使用するプリンターの設定を変更しても使用不能なレベル)
JIS P8142に準拠して、75度における白紙面の光沢度を測定した。
(ロール汚れ)
ゲートロールコーターで塗工し、塗料によるロール汚れを目視で確認した。
◎:ロール上の汚れなし。良好。
○:ロール上の汚れが若干みられるが、使用上問題のないレベル。
△:ロール上の汚れが若干見られるが、塗工面への影響が少なく使用上問題のないレベル。
×:ロール上の汚れが見られる。塗工面への影響も大きく使用上問題となるレベル。
今回作製したインクジェット印刷用塗工紙の塗工面の状態を目視で観察し、表面の状態で下記の分類を行った。
◎:塗工ムラなし。良好。
○:塗工ムラが若干みられるが、使用上問題のないレベル。
△:塗工ムラが見られるレベル。
(使用するインクジェット印刷機の各種設定を変更すれば使用可能なレベル)
×:塗工ムラが見られ、ところによっては原紙面が見える部分もある。NGレベル。
(使用するプリンターの設定を変更しても使用不能なレベル。
Claims (5)
- 基紙の少なくとも一方の面に、顔料、バインダーおよびインクジェット用インク定着剤を含有する塗工層を片面あたり1g/m2以上82以下塗被したインクジェット印刷用塗工紙において、該塗工層に顔料として、針状軽質炭酸カルシウムが40重量部以下80重量部、該針状軽質炭酸カルシウム以外の吸油度80ml/100g以上の吸油性顔料が20重量部以上60重量部以下含まれ、且つカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有することを特徴とするインクジェット印刷用塗工紙。
- 前記カルボキシメチルセルロースナトリウムの1%溶解液(温度25℃)のB型粘度が50mPa・s以上500mPa・s以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット印刷用塗工紙。
- 前記塗工層のバインダーの一部としてTg点が10℃以上60℃以下のスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインクジェット印刷用塗工紙。
- 基紙の少なくとも片面に、顔料、バインダー、インクジェット定着剤、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有し、該顔料が針状炭酸カルシウムと該針状炭酸カルシウム以外の吸油度80ml/100gである吸油性顔料である塗工液をサイズプレスで塗工することを特徴とするインクジェット印刷用塗工紙の製造方法。
- 前記サイズプレスがゲートロールコーターもしくはシムサイザーコーターであることを特徴とする請求項4記載のインクジェット印刷用塗工紙の製造方法。
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