JP2016038962A - リチウムイオン二次電池用正極およびその製造方法ならびにリチウムイオン二次電池およびその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極およびその製造方法ならびにリチウムイオン二次電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム集電体を用いたリチウムイオン二次電池の出力特性を向上させる技術を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用正極の製造方法に、N−メチル−2−ピロリドンとの接触角が45°以下のアルミニウム集電体を選択する集電体選択工程と、正極活物質とN−メチル−2−ピロリドンとを含む正極合剤を用いて前記アルミニウム集電体上に正極活物質層を形成するとともに、前記正極活物質層におけるN−メチル−2−ピロリドンの含有量を50ppm以上150ppm以下にする正極活物質層形成工程と、を設ける。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池に用いられる正極、当該正極を含むリチウムイオン二次電池、当該正極を製造する方法、および当該正極の製造方法を含むリチウムイオン二次電池の製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノートパソコン等のモバイル端末用の二次電池として広く用いられている。近年では、電気自動車やハイブリッド自動車等のバッテリとしての用途も提案されている。
リチウムイオン二次電池用の正極は、集電体と、当該集電体上に形成された正極活物質層と、を含む。正極活物質層は、一般に、集電体上に形成された正極合剤層が集電体に圧着されてなる。正極合剤層の材料である正極合剤は、正極活物質の他に、溶剤を含む。溶剤を含むことで、正極合剤と集電体との濡れ性が向上し、正極合剤層が集電体上で略均一に広がり得る。つまり正極合剤に含まれる溶剤は、略均一な正極活物質層を形成するために役立つ。
ところで、正極用の集電体としてアルミニウム製の集電体を用いる技術が知られている。アルミニウムは、安価であり、またリチウムイオン二次電池を高電位で用いる場合にも溶け難い。アルミニウム製の集電体は、例えば、リチウムイオン二次電池を4.5V程度の高電位で用いる場合にも使用に耐える。
アルミニウム製の集電体を用いる場合、集電体と正極合剤との濡れ性を高めるために、正極合剤用の溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(以下、必要に応じてNMPと略する)を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、アルミニウム集電体を用いるとともに正極合剤用の溶剤としてNMPを用い、かつ、アルミニウム集電体としてNMPとの濡れ性に優れるものを選択することが開示されている。そして特許文献1では、溶剤と集電体との濡れ性を高めることで非水電解質二次電池の安全性向上を図っている。
ところで近年、アルミニウム集電体を用いたリチウムイオン二次電池の出力特性の更なる向上が望まれている。しかし、上記したように特許文献1は非水電解質二次電池の安全性向上に関するものであり、特許文献1に開示されている技術を用いても、アルミニウム集電体を用いてリチウムイオン二次電池の出力特性を充分に向上させるのは困難であった。
特開2005−50679号公報
本発明は、上記した事情に鑑みて為されたものであり、アルミニウム集電体を用いたリチウムイオン二次電池の出力特性を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、NMPとアルミニウム集電体の濡れ性と、正極活物質層に含まれるNMPの量と、がリチウムイオン二次電池の出力特性に関与していることを見出した。
つまり、NMPとアルミニウム集電体の濡れ性が低ければ、アルミニウム集電体上に正極活物質層を均一に形成し難くなって、アルミニウム集電体と正極活物質層との間において正極の導電性が悪化すると考えられる。このため、リチウムイオン二次電池の出力特性を向上させるためには、NMPに対する濡れ性の高いアルミニウム集電体を用いる必要がある。また、それだけでなく、正極活物質層に含まれるNMPの量(以下、必要に応じて残存NMP量と呼ぶ)が多ければ、NMPによって正極の抵抗が増大し、結果的にリチウムイオン二次電池の出力が低下するおそれがある。このため、リチウムイオン二次電池の出力特性を考慮すると、正極活物質層中の残存NMP量は少ない方が好ましい。しかしその一方で、残存NMP量が過少であれば、正極活物質層が集電体から剥離し易くなる可能性がある。そして、正極活物質層が集電体から剥離した場合には、リチウムイオン二次電池の出力が低下する。
このように、リチウムイオン二次電池の出力特性は、アルミニウム集電体とNMPとの濡れ性のみならず、残存NMP量によっても影響を受ける。本発明の発明者等は、アルミニウム集電体とNMPとの濡れ性と残存NMP量とをコントロールすることで、リチウムイオン二次電池の出力特性を向上させ得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、
N−メチル−2−ピロリドンとの接触角が45°以下のアルミニウム集電体を選択する集電体選択工程と、
正極活物質とN−メチル−2−ピロリドンとを含む正極合剤を用いて前記アルミニウム集電体上に正極活物質層を形成するとともに、前記正極活物質層におけるN−メチル−2−ピロリドンの含有量を50ppm以上150ppm以下にする正極活物質層形成工程と、を備える。
また、上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、上記した本発明のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法によって正極を製造する工程を含む。
また、上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池は、
N−メチル−2−ピロリドンとの接触角が45°以下のアルミニウム集電体と、
前記アルミニウム集電体上に形成され、正極活物質とN−メチル−2−ピロリドンとを含み、N−メチル−2−ピロリドンの含有量が50ppm以上150ppm以下である正極活物質層と、を含み、
前記正極活物質層の前記アルミニウム集電体に対する剥離強度が0.3N/cm以上である。
さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、上記した本発明のリチウムイオン二次電池用正極を含む。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極によると、リチウムイオン二次電池に優れた出力特性を付与できる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は出力特性に優れる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法によると、リチウムイオン二次電池に優れた出力特性を付与できる正極を製造できる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法によると、出力特性に優れるリチウムイオン二次電池を製造できる。
正極#1〜#13の残存NMP量、剥離強度および出力測定の結果を表すグラフである。 正極#14〜26の残存NMP量、剥離強度および出力測定の結果を表すグラフである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
(1)リチウムイオン二次電池用正極
本発明のリチウムイオン二次電池用正極は、アルミニウム集電体と、当該アルミニウム集電体上に形成された正極活物質層とを有する。アルミニウム集電体とは、アルミニウム製の集電体を指す。
正極活物質層は、電荷担体であるリチウムイオンを吸蔵及び放出し得る正極活物質を有する。正極活物質層は正極活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤および/または導電助剤を含む。
(アルミニウム集電体)
一般に、集電体は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば良いとされているが、本発明の正極においては、集電体としてアルミニウム集電体を選択する。
上述したように、正極用の集電体としてアルミニウム集電体を用いることで、正極の電位がリチウム基準で4V以上(例えば4.5V)となる場合にも対応できる利点がある。つまり、本発明の正極は4V以上の高電位で使用されるリチウムイオン二次電池用の正極として特に好ましく使用できる。
アルミニウム集電体としては、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いるのが好ましい。ここでアルミニウムは、純アルミニウムを指し、純度99.0%以上のアルミニウムを純アルミニウムと称する。純アルミニウムに種々の元素を添加して合金としたものをアルミニウム合金と称する。アルミニウム合金としては、Al−Cu系、Al−Mn系、Al−Fe系、Al−Si系、Al−Mg系、AL−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系が挙げられる。
また、アルミニウム又はアルミニウム合金として、具体的には、例えばJIS A1085、A1N30等のA1000系合金(純アルミニウム系)、JIS A3003、A3004等のA3000系合金(Al−Mn系)、JIS A8079、A8021等のA8000系合金(Al−Fe系)が挙げられる。アルミニウム集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。または、アルミニウム集電体の表面を公知の方法で処理しても良い。
何れの場合にも、アルミニウム集電体とNMPとの接触角は、45°以下であれば良い。後述するように、NMPとの接触角が45°以下であれば、アルミニウム集電体はNMPに対する濡れ性に充分に優れると言える。そして、このようなアルミニウム集電体を用いることで、出力特性に優れるリチウムイオン二次電池を得易くなる。アルミニウム集電体は、NMPとの接触角が44.5°以下であるのが好ましく、44.3°以下であるのがより好ましく、44.1°以下であるのがさらに好ましい。また、アルミニウム集電体のNMPとの接触角は10°以上であるのが好ましく、15°以上であるのがより好ましく、20°以上であるのがさらに好ましい。なお、アルミニウム集電体とNMPとの接触角とは、アルミニウム集電体において正極活物質層が形成される表面のNMPに対する接触角を指す。
アルミニウム集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができ、アルミニウム集電体としては、例えばアルミニウム箔を好適に用いることができる。アルミニウム集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
(正極活物質層)
正極活物質としては、層状化合物のLiNiCoMn(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiMnOを挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn等のスピネル、およびスピネルと層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO、LiMVOまたはLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。
正極活物質として用いられる何れの金属酸化物も上記の組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、例えば、硫黄単体(S)、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリンおよびアントラキノンならびにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極および/または負極に、公知の方法により、予めイオンを添加させておく必要がある。ここで、当該イオンを添加するためには、金属または当該イオンを含む化合物を用いれば良い。
正極活物質は上記した各種材料からなり、粒子状をなす。換言すると、正極活物質は粒子の集合体で構成される。正極活物質粒子の形状は特に限定しないが、中実状であるのが良い。中空状の正極活物質粒子は保液性が高く、正極活物質層において内部に多くの溶剤を含み得る。したがって正極活物質粒子が中空状であると、正極活物質層における残存NMP量が以下に説明する範囲内であっても、溶剤(NMP)によるアルミニウム集電体に対する濡れ性向上効果を充分に得難い場合があると考えられる。
後述するように、正極活物質層における残存NMP量は50ppm以上150ppm以下であれば良く、75ppm以上125ppm以下であるのがより好ましい。つまり、正極活物質層全体の量を100質量%としたときに、NMPが占める割合が50×10−4質量%以上150×10−4質量%以下であるのが好ましく、75×10−4質量%以上125×10−4質量%以下であるのがより好ましい。
正極活物質の平均粒径D50は、1μm〜10μmであるのが好ましく、3μm〜8μmであるのがより好ましく、4μm〜7μmであるのがさらに好ましい。正極のタップ密度は、1.9g/mlを超えるのが好ましく、1.95mg/ml〜5mg/mlであるのがより好ましく、2.15mg/ml〜4mg/mlであるのがさらに好ましい。正極の比表面積は0.1m/g〜5.0m/gであるのが好ましく、0.2m/g〜1.0m/gであるのがより好ましく、0.3m/g〜0.7m/gであるのがさらに好ましい。
正極活物質層は、上記の正極活物質および溶剤以外にも、結着剤、導電助剤、その他の添加剤を含み得る。
正極活物質層に含まれるNMPの量、すなわち残存NMP量は、50ppm以上150ppm以下であれば良いが、75ppm以上125ppm以下であるのが好ましく、85ppm以上115ppm以下の範囲であるのがより好ましい。
結着剤は、正極活物質や導電助剤をアルミニウム集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロースを例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
正極活物質層中の結着剤の配合割合は、質量比で、正極活物質:結着剤=1:0.001〜1:0.3であるのが好ましく、1:0.005〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.01〜1:0.15であるのがさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
導電助剤は、正極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、正極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、正極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて正極活物質層に添加することができる。
正極活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、正極活物質:導電助剤=1:0.005〜1:0.5であるのが好ましく、1:0.01〜1:0.2であるのがより好ましく、1:0.03〜1:0.1であるのがさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率の良い導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると正極活物質層の成形性が悪くなるとともに正極のエネルギー密度が低くなるためである。
なお、後述するように、アルミニウム集電体に対する正極活物質層の剥離強度は0.33N/cm以上であるのが好ましく、0.35N/cm以上であるのがより好ましく、0.37N/cm以上であるのがさらに好ましい。
(2)リチウムイオン二次電池用正極の製造方法
本発明のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、集電体選択工程および正極活物質層形成工程を備える。また、本発明のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、剥離強度選別工程を備えても良い。
(集電体選択工程)
集電体選択工程においては、集電体として、上記したアルミニウム集電体でありかつNMPとの接触角が45°以下のものを選択する。なお、本明細書において、NMPとアルミニウム集電体との接触角とは、θ/2法で測定した値をいう。
先ず、アルミニウム集電体上に1μlのNMPを滴下して、NMPの液滴をつくる。そして、当該液滴が球の一部であると仮定し、当該液滴とアルミニウム集電体との境界面P1と、当該液滴の端点と頂点とをむすぶ直線L1とを求め、P1とL1との交差角(劣角)を求める。この交差角を2倍すればアルミニウム集電体とNMPとの接触角を求めることができる。P1とL1との交差角は、接触角測定器等の専用の測定器によっても測定できるし、画像解析等の方法で測定することもできる。
集電体選択工程において、全てのアルミニウム集電体についてNMPとの接触角を測定するのが好ましいが、当然乍ら、任意のアルミニウム集電体試験片についてのみNMPとの接触角の測定を行っても良い。好ましくは、同時に製造されたとみなし得るアルミニウム集電体、つまり、同じロットのアルミニウム集電体について少なくとも1つ試験片をとり、当該アルミニウム集電体試験片についてNMPとの接触角を測定するのが良い。
(正極活物質層形成工程)
正極活物質層形成工程においては、上記したアルミニウム集電体上に正極活物質層を形成する。正極活物質層は正極合剤を原料とし、正極合剤は正極活物質および溶剤(つまりNMP)を必須とする。正極合剤は、その他、結着剤、導電助剤およびその他の添加剤を含み得る。
溶剤は、上述したようにアルミニウム集電体に対する正極合剤(つまり、正極活物質層の原料)の濡れ性を向上させる機能を持つ。また場合によっては、溶剤は、結着剤を溶融させて液状にすることで、正極活物質と結着剤との分散性を向上させる機能をも持つ。本発明の正極では、溶剤としてNMPを用いる。正極合剤のNMP量は特に限定しないが、正極合材中に30質量%〜85質量%含まれるのが好ましく、50質量%〜85質量%含まれるのがより好ましく、65質量%〜80質量%含まれるのがさらに好ましい。なお、正極合材中にNMP以外の溶剤が含まれても良い。さらに、正極合材中に含まれるNMP以外の溶剤は、正極活物質層中に残存しても良い。正極合材中に含まれるNMP以外の溶剤としては、メタノール、メチルイソブチルケトン、水等を例示できる。
上記した各種の正極合剤構成材料を混合し、得られた正極合剤をアルミニウム集電体上に塗布、載置、積層等することで、アルミニウム集電体上に正極合剤層を形成できる。正極合剤の混合方法および正極合剤層の形成方法は特に限定せず、既知の方法を用いれば良い。例えば、アルミニウム集電体上に正極合剤層を形成するにあたり、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いれば良い。具体例を挙げると、正極活物質、溶剤(NMP)、ならびに必要に応じて結着剤および/または導電助剤を混合し、スラリー状またはペースト状の正極合剤を調製する。そして当該正極合剤をアルミニウム集電体の表面に塗布することで正極合剤層を形成し得る。本発明の正極活物質形成工程は、正極合剤層からNMPを除去する工程を有するのが良い。具体的には、正極合剤層とアルミニウム集電体との複合材を加熱または減圧等して、NMPを揮発させれば良い。以下、必要に応じて、「正極合剤層からNMPを除去する工程」を「乾燥工程」と呼ぶ。
乾燥工程の乾燥温度は特に限定せず、例えば室温でも良いが、高温であれば短時間で正極合剤層からNMPを除去可能である。具体的には、乾燥温度は75℃〜200℃の範囲であるのが好ましく、90℃〜150℃の範囲であるのがより好ましく、100℃〜130℃であるのが特に好ましい。乾燥工程は大気圧で行っても良いが、減圧雰囲気下で行うのがより好ましい。乾燥時間もまた特に限定しないが、30分間〜10時間程度であるのが好ましく、1時間〜5時間程度であるのがより好ましく、2時間〜3時間程度であるのがさらに好ましい。乾燥工程は一段階で行っても良いし多段階で行っても良い。また、加熱温度および/または圧力状態を徐々に変化させる無段階で行っても良い。
正極活物質層形成工程は、乾燥工程以外にも、正極合剤層をアルミニウム集電体に圧着させる工程を含み得る。この工程はプレス機等の一般的な加圧装置を用いて行うことができる。以下、必要に応じて、「正極合剤層とアルミニウム集電体との複合材を圧着させる工程」を「プレス工程」と呼ぶ。
プレス工程は本発明の正極の製造方法において必須ではないが、正極活物質層とアルミニウム集電体との密着性を高めて正極の抵抗を低減させるため、および、電極密度を高めるためには、プレス工程をおこなうのが好ましい。以上の工程により、正極合剤を原料とする正極活物質層がアルミニウム集電体上に形成されてなる正極を得ることができる。
ところで、上記したように、正極活物質層形成工程においては、残存NMP量を50ppm以上150ppm以下にする。このようにすることで、残存NMP量をリチウムイオン二次電池の出力特性向上を図る上で過不足のない量にする。残存NMP量は実測するのが好ましい。つまり、正極活物質層形成工程は、残存NMP量を測定する工程(残存NMP量測定工程と呼ぶ)を有するのが好ましい。残存NMP量の測定方法は特に問わず、既知の方法で正極活物質層中のNMPを回収し、当該NMPの量を既知の方法で測定すれば良い。
例えば、NMPを溶解できる任意の溶媒(測定用溶媒と呼ぶ)を選択する。そして、正極活物質層を測定用溶媒に接触させ、測定用溶媒中にNMPを溶出させる。その後GCやGC−MS等の既知の分析法によって測定用溶媒に溶出したNMP量を測定し、得られた測定値を基に残存NMP量を算出すれば良い。
或いは、正極活物質層を加熱または減圧等してNMPを揮発させる。そして、気体状のNMPを回収し、既知の分析法によって回収されたNMPの量を測定し、得られた測定値を基に残存NMP量を算出しても良い。
なお、上記した集電体選択工程と同様に、任意の正極活物質層試験片についてのみ残存NMP量を測定しても良いし、可能であれば、全ての正極活物質層について残存NMP量を測定しても良い。例えば、大型の正極を形成しこれを裁断して1または複数の正極を得る場合には、正極の残部が生じる。この場合には、当該残部の残存NMP量を測定し、得られた測定値を正極の残存NMP量の実測値とみなしても良い。或いは、同時に製造した複数の正極から一つを抜き出して、当該抜き出した正極の残存NMP量を測定し、得られた測定値を他の正極の残存NMP量の実測値とみなしても良い。残存NMP量が50ppm以上150ppm以下の範囲外にあった正極は、本発明の正極たり得ないため、不適合とみなす。つまり残存NMP量が50ppm以上150ppm以下の範囲内にあった正極のみが本発明の正極である。
また、残存NMP量が150ppmを超える正極については、上記した乾燥工程を再度おこなうとともに残存NMP量を再度測定しても良い。そして残存NMP量が50ppm以上150ppm以下の範囲内であれば本発明の正極とみなしても良い。
(剥離強度選別工程)
上記した集電体選択工程および正極活物質層形成工程を経て得られた本発明の正極は、剥離強度にも優れる。しかし、集電体選択工程および正極活物質層形成工程に加えて、以下の剥離強度選別工程をおこなうことで、実際に剥離強度に優れる正極のみを本発明の正極として選抜し、何らかの理由で剥離強度に劣る正極を排除することもできる。なお、ここでいう剥離強度とは、「正極活物質層のアルミニウム集電体に対する剥離強度」を指す。
剥離強度選別工程においては、正極活物質層のアルミニウム集電体に対する剥離強度が0.3N/cm以上のものを本発明のリチウムイオン二次電池用正極として選抜し、剥離強度が0.3N/cmに満たないものを排除すれば良い。
なお、剥離強度に優れるリチウムイオン二次電池用正極は、正極活物質層とアルミニウム集電体との密着性に優れ、導電性に優れる。このため、このようなリチウムイオン二次電池用正極は、リチウムイオン二次電池に優れた出力特性を付与できる。
剥離強度の測定は、既知の方法に基づいておこなえば良い。例えば、JIS Z0237(2000)「粘着テープ・粘着シート試験方法“10.粘着力”」に準拠した90°剥離試験を用いても良い。或いは、後述する実施例で用いた試験方法を用いても良い。
剥離強度選別工程は、上記した正極活物質層形成工程における残存NMP量測定工程の後に行っても良いし、残存NMP量測定工程よりも前に行っても良い。また、剥離強度選別工程においても、残存NMP量測定工程と同様に、任意の正極試験片についてのみ剥離強度を測定しても良いし、全ての正極について剥離強度を測定しても良い。そして、正極の切れ端の剥離強度や同じロットの正極から抜き出した少なくとも1つの正極の剥離強度を、同じロットの正極の剥離強度の実測値とみなしても良い。
(3)リチウムイオン二次電池
本発明のリチウムイオン二次電池は上記した本発明のリチウムイオン二次電池用正極を有する。また本発明のリチウムイオン二次電池は、その他、負極、電解液、セパレータを含み得る。
正極に関しては上記したとおりであるため、以下に正極以外のリチウムイオン二次電池の構成要素を説明する。
(負極)
負極は、集電体と、集電体上に形成された負極活物質層とを有する。
負極用の集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。負極用の集電体は、正極用の集電体と同様に、各種の形態をとることができ、好ましい厚みもまた正極用の集電体と同様である。
負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤、結着剤およびその他の添加剤を含む。
負極活物質としては、電荷担体つまりリチウムイオンを吸蔵および放出し得る一般的なものを使用可能である。より詳しくは、リチウムと合金化可能な元素(単体)、当該元素を含む合金、または当該元素を含む化合物であれば良い。具体的には、負極活物質として、Liや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。ケイ素などを負極活物質に採用すると、ケイ素1原子が複数のリチウムと反応するため、高容量の活物質となるが、リチウムの吸蔵及び放出に伴う体積の膨張及び収縮が顕著となるとの問題が生じる恐れがあるため、当該恐れの軽減のために、ケイ素などの単体に遷移金属などの他の元素を組み合わせた合金又は化合物を負極活物質として採用するのも好適である。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、ケイ素単体と二酸化ケイ素に不均化するSiO(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質として、Nb、TiO、LiTi12、WO、MoO、Fe等の酸化物、又は、Li3−xN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。
負極に用いる導電助剤及び結着剤については、正極で説明したものを同様の配合割合で適宜適切に採用すれば良い。
(電解液)
リチウムイオン二次電池用の電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質(支持電解質、支持塩ともいう)とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSOなどのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
(4)リチウムイオン二次電池の製造方法
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されれば良い。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載しても良い。車両は、その動力源の全部或いは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であれば良く、例えば、電気車両、ハイブリッド車両などであると良い。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置および電力平滑化装置、船舶等の動力および/または補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力および/または補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いても良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。以下において、特に断らない限り、「部」とは質量部を意味し、「%」とは質量%を意味する。
以下のとおり、リチウムイオン二次電池#1〜#26を作製した。
(第1形態)
(正極)
第1形態の正極における正極合剤は、正極活物質、導電助剤、結着剤および溶剤からなる。
正極活物質としてはLiNi0.5Co0.2Mn0.3を用いた。この正極活物質は、層状岩塩構造をなすリチウム金属複合酸化物の一種である。正極活物質は中実の粒子状をなし、正極活物質の粒子径D50は5.7μmであり、比表面積は0.5m/gであり、タップ密度は2.2g/mlであり、DBP吸収率は25ml/100gであった。なおDBP吸収率は、粒子の集合体の空隙を満たすに要するDBP(Dibutylphthalate)の量をあらわす。DBP吸収率は、JIS K6217(DBP吸収量)に準拠して測定できる。
平均粒径D50は、粒度分布測定法によって計測できる。平均粒径D50とはレーザー回析法による粒度分布測定における体積分布の積算値が50%に相当する粒子径を指す。つまり、平均粒径D50とは、体積基準で測定したメディアン径を指す。
タップ密度は、JIS Z 2512:2012(金属粉−タップ密度測定方法)に準拠して測定できる。また、比表面積は、BET法によって測定できる。
粒子径D50、DBP吸収率およびタップ密度を基に、粒子の形状(中空または中実)を推測できる。例えば、粒径D50が所定の範囲である場合に、DBP吸収率が過大でありかつタップ密度が過小である場合に、正極活物質粒子が中空であると推測できる。D50、タップ密度およびDPB吸収率を基にすると、第1形態の正極で用いた正極活物質粒子は中実であると判断できる。参考までに、リチウムイオン二次電池用の正極活物質であれば、D50が4〜7の場合、タップ密度が2g/mlを超えかつDBP吸収率が30ml/100gに満たない場合には、正極活物質粒子が中実だと判断できる。
導電助剤としては、アセチレンブラックと鱗片状黒鉛とを2:1の質量比で混合したものを用いた。結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いた。溶剤としてはNMPを用いた。この正極合剤の固形分は、正極活物質、導電助剤および結着剤からなる。
正極合剤の固形分を、質量比で、正極活物質:導電助剤:結着剤=94:3:3となるように配合した。NMPは、正極合剤の固形分率がおおよそ70〜75%となる量を配合した。
アルミニウム集電体として、厚さ15μmのアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム集電体のNMPとの接触角は44.1°であった。接触角は、上記した集電体選択工程の項で説明したθ/2法によって測定した。
乾燥機を有する塗布装置を用いて各正極合剤を各々異なるアルミニウム集電体に塗布し、100℃〜130℃の範囲で乾燥して、アルミニウム集電体上に正極合剤層が形成されてなる正極複合材を得た。
その後、ロールプレス機によって正極合剤層と集電体とを圧着させ、さらにおおよそ100℃〜130℃の範囲で加熱して、正極合剤層中に残存するNMPを揮発させることで、正極活物質層を得た。以上の工程によって、残存NMP量の異なる13種の正極(#1〜#13)を得た。各正極活物質層の目付量は18.3mg/cmであり、密度は3.1g/mlであった。各正極を各々所定の形状に裁断した。裁断で生じた各正極の残部について、残存NMP量および剥離強度を測定した。
(正極の残存NMP量)
正極#1〜#13の各残部から、各々同形状の正極試験片を切り出した。各正極試験片の正極活物質層を所定量のアセトンに浸し、30分間超音波洗浄した後、フィルター濾過し、残存NMP測定用の検体とした。
洗浄後のアセトン、つまり、NMPとアセトンとを含む検体を、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)により分析した。正極の残存NMP量は正極#1が最も少なく、#1から#13へと番号が大きくなる程、正極の残存NMP量も多くなった。
(正極の剥離強度)
正極#1〜#13の各残部から各々同形状の正極試験片を切り出し、各正極試験片について剥離強度を測定した。
両面テープ(3M(登録商標) VHB(登録商標)構造用接合テープ Y−4945)を準備し、各正極試験片をそれぞれ異なる両面テープに貼り付けた。詳しくは、幅2.5cm、長さ5cmの両面テープを13個準備し、各両面テープにおける一面側の剥離紙をはぎ取って、接着面を露出させた。
次いで、各両面テープの接着面を、それぞれ異なる正極試験片に貼り付けた。正極試験片は両面テープよりも大きかった。正極試験片は、正極活物質層を両面テープの粘着面に向けて、両面テープに貼り付けられた。得られた正極試験片と両面テープとの一体品を、正極試験片を下に向け両面テープを上に向けて台上に載置した。そして、ローラを用い、台上において両面テープ側から正極試験片側に向けて荷重を加え、両面テープと正極試験片とを強固に接着させた。
その後、両面テープの外形にほぼ沿うように、両面テープの周囲にはみ出した正極試験片を切り取って短冊状の正極−テープ試験体を得た。ただしこのとき、両面テープの長手方向の一端側において、長さ2cm程度の正極試験片を両面テープの周囲にはみ出させたまま残した。つまり、短冊状をなす正極−テープ試験体において、両面テープの全体は正極試験片に接着された。一方、正極試験片の長手方向の一端部には両面テープが接着されていない部分が2cm程度残存した。この残存した部分は、後述する掴み代である。
次いで、正極−テープ試験体における両面テープの他面側の剥離紙をはぎ取って、両面テープの新たな接着面を露出させた。新たな接着面を台に対面させ、両面テープを下に向け正極試験片を上に向けて、正極−テープ試験体を台に載置した。そして、ローラを用い、台上において正極試験片側から両面テープ側に向けて荷重を加え、正極−テープ試験体を台に強固に接着させた。掴み代側の正極試験片を、長さ2cm程度両面テープから剥がしておき、掴み代を荷重測定器のチャックに把持して、300mm/分の速度で掴み代を上方に引っ張った。そしてこのときの荷重を荷重測定器のロードセルによって測定した。正極の剥離強度は正極#13で最大となり、#13から#1へと番号が小さくなる程、徐々に小さくなった。
正極#1〜#13の残存NMP量および剥離強度を、後述する出力測定の結果とともに図1および後述する表1に示す。
(リチウムイオン二次電池)
正極#1〜#13をそれぞれ用いて、リチウムイオン二次電池#1〜#13を作製した。
負極用集電体としては厚み10μmの銅箔を用いた。負極合剤は、負極活物質、増粘剤、結着剤および溶剤からなる。負極活物質としては黒鉛を用いた。当該黒鉛の粒径D50は20μmであり、比表面積は3.7m/gであり、タップ密度は0.98g/mlであった。増粘剤としてはカルボキシメチルセルロースを用いた。結着剤としてはスチレン−ブタジエンゴムを用いた。溶剤としては水を用いた。
負極活物質、増粘剤および結着剤からなる負極合剤の固形分が、質量比で、負極活物質:増粘剤:結着剤=98:1:1となるように負極合剤のスラリーを調製した。上記スラリーを、集電体の表面に乾燥機を有する塗布装置を用いて塗布し、乾燥して、集電体上に負極合剤層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極合剤層を強固に圧着した。これを100℃で5時間真空乾燥し、目付量11.1mg/cm、密度1.4g/mlの負極活物質層を形成した。
上記の手順で作製した負極を正極#1〜#13の各正極とそれぞれ組み合わせて、リチウム二次電池を作製した。
電池ケースには、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびジメチルカーボネートを3:3:4(体積比)で混合した混合溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解した非水電解液を注入し、電池ケースを密閉して、第1形態のリチウムイオン二次電池#1〜#13を得た。
(第2形態)
第2形態の正極は、アルミニウム集電体とNMPとの接触角が46.4°であったこと以外は、第1形態の正極と概略同じものである。第2形態においても、第1形態と同様の製造方法で、残存NMP量の異なる第2形態の正極#14〜#26を得た。第2形態の正極#14〜26についても、第1形態の正極#1〜#13と同様に、残存NMP量および剥離強度を測定した。第2形態の正極#14〜26の残存NMP量は正極#14が最も多く、#14から#26へと番号が大きくなる程、正極の残存NMP量も少なくなった。また、第2形態の正極#14〜#26の剥離強度は正極#26が最も小さく、#26から#14へと番号が小さくなる程、剥離強度も徐々に大きくなった。正極#14〜26の残存NMP量および剥離強度を、後述する出力測定の結果とともに図2および後述する表1に示す。第2形態の正極#14〜#26を用い、上記の第1形態の正極を製造する方法と同様の方法で、第2形態の正極#14〜#26を得た。
(リチウムイオン二次電池の出力測定)
第1形態のリチウムイオン二次電池#1〜#13および、第2形態のリチウムイオン二次電池#14〜#26の出力を測定した。測定条件は、充電状態(SOC)15%、0℃、放電開始から2秒後での出力を測定した。SOC15%、0℃なる充電かつ温度領域は、例えば、冷蔵室などで使用する場合のように出力特性が出にくい領域である。出力測定結果を既述の図1、図2および表1に併記する。
Figure 2016038962
表1および図1に示すように、NMPとの接触角が45°以下のアルミニウム集電体を選択した場合、残存NMP量が50ppm以上150ppm以下の範囲にあれば、SOC15%、0℃の出力値は500Wを超え、充分に出力特性が高いといえる。また、このとき同時に、正極の剥離強度も0.3N/cmを超え、さらには0.33N/cmをも超えるため、正極は充分に剥離強度に優れるといえる。
一方、表1および図2に示すように、NMPとの接触角が45°を超えるアルミニウム集電体を選択した場合、残存NMP量が68ppm以上100ppm以下であれば、SOC15%、0℃の出力値は500Wを超え、充分に出力特性が高いといえる。しかし、残存NMP量がこの範囲を外れると、リチウムイオン二次電池の出力特性は低下し充分とは言えなくなる。つまり、NMPとの接触角が45°を超えるアルミニウム集電体を選択した場合には、残存NMP量の僅かな変動によって出力値が要求される値に満たなくなる。このため、製造条件の僅かなばらつきに起因してリチウムイオン二次電池の製造ロスが生じ、充分な出力特性を発揮する正極を歩留まり良く製造するのが困難になる。
さらに、表1および図2に示すように、NMPとの接触角が45°を超えるアルミニウム集電体を選択した場合には、残存NMP量が68ppm未満であると、50ppm以上150ppm以下の範囲にあっても、正極の剥離強度が0.33N/cmに満たなくなる。また、このようなアルミニウム集電体を選択する場合には、正極の剥離強度を更に高めるのが、より困難になる。つまり、NMPとの接触角が45°を超えるアルミニウム集電体を選択した場合には、剥離強度に優れる正極を得難くなる。
このように、NMPとアルミニウム集電体との接触角の僅かな違いによって、正極の性能は大きく変動する。したがって、本発明の正極の製造方法のように、製造工程の一つとして、NMPとの接触角が45°以下のアルミニウム集電体を選択する工程(つまり集電体選択工程)を設けることは、出力特性に優れるリチウムイオン二次電池を製造する上で非常に重要である。また、集電体選択工程においてNMPとアルミニウム集電体との接触角を実測することで、NMPとの接触角が適当ではないアルミニウム集電体つまりNMPに対する濡れ性に劣るアルミニウム集電体を排除できる。その結果、出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を、より信頼性高く、より歩留まり良く製造できる。
つまり、本発明の正極の製造方法は、NMPに対する濡れ性が最適となるアルミニウム集電体を選択する集電体選択工程と、NMP量が最適となる正極活物質層を形成する正極活物質形成工程と、の両方を備えることで、リチウムイオン二次電池の出力特性を向上させ得る。
さらに、正極の剥離強度を測定し、剥離強度が0.3N/cm以上であるものを選択するとともに剥離強度がこれ以下の正極を排除する場合には、正極の品質が多少ばらついた場合にも、規格外の正極を排除できる。したがって、この場合にはリチウムイオン二次電池の出力特性をより信頼性高く向上させ得る。
なお、上記の表1、図1および図2を勘案すると、NMPとアルミニウム集電体との接触角、残存NMP量、およびアルミニウム集電体に対する正極活物質層の剥離強度、に好ましい数値範囲を設定し得る。以下の数値範囲は、任意に選択し組み合わせることができる。
先ず、残存NMP量が63ppm以上132ppm以下の範囲にあれば、SOC15%、0℃の出力値が505Wを超え、残存NMP量が81ppm以上127ppm以下の範囲にあれば、SOC15%、0℃の出力値が510Wを超える。このため、残存NMP量のより好ましい範囲は63ppm以上132ppm以下であり、さらに好ましい範囲は81ppm以上127ppm以下の範囲であるといえる。
アルミニウム集電体としては、NMPとの接触角が44.5°以下のものを用いるのが好ましく、44.3°以下のものを用いるのがより好ましく、44.1°以下のものを用いるのがさらに好ましい。アルミニウム集電体のNMPとの接触角に関して、特に下限はない。しかし、アルミニウム集電体のNMPとの接触角として有る得る値を考慮し、あえて下限値を設定するとすれば、当該接触角は10°以上であるのが好ましく、15°以上であるのがより好ましく、20°以上であるのがさらに好ましい。
アルミニウム集電体に対する正極活物質層の剥離強度に関しては、上記したように、NMPとアルミニウム集電体との接触角45°以下であり、かつ、残存NMP量が50ppm以上150ppm以下の範囲内であれば、充分に大きな値となる。しかし、正極の製造時において基準値として使用し得る剥離強度の好ましい範囲を、以下のように挙げることが可能である。すなわちアルミニウム集電体に対する正極活物質層の剥離強度は、0.33N/cm以上であるのが好ましく、0.35N/cm以上であるのがより好ましく、0.37N/cm以上であるのがさらに好ましい。また、アルミニウム集電体に対する正極活物質層の剥離強度は、0.5N/cm以下とすることができる。或いは、当該剥離強度は0.45N/cm以下とすることもできる。
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。

Claims (7)

  1. N−メチル−2−ピロリドンとの接触角が45°以下のアルミニウム集電体を選択する集電体選択工程と、
    正極活物質とN−メチル−2−ピロリドンとを含む正極合剤を用いて前記アルミニウム集電体上に正極活物質層を形成するとともに、前記正極活物質層におけるN−メチル−2−ピロリドンの含有量を50ppm以上150ppm以下にする正極活物質層形成工程と、を備える、リチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  2. さらに、前記正極活物質層の前記アルミニウム集電体に対する剥離強度が0.3N/cm以上であるものを選別する剥離強度選別工程を備える、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  3. 前記剥離強度選別工程において、前記正極活物質層の前記集電体に対する剥離強度を測定する、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  4. 前記正極活物質層形成工程において、前記正極活物質層におけるN−メチル−2−ピロリドンの含有量を測定する、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法によって正極を製造する工程を含むリチウムイオン二次電池の製造方法。
  6. N−メチル−2−ピロリドンとの接触角が45°以下のアルミニウム集電体と、
    前記アルミニウム集電体上に形成され、正極活物質とN−メチル−2−ピロリドンとを含み、N−メチル−2−ピロリドンの含有量が50ppm以上150ppm以下である正極活物質層と、を含み、
    前記正極活物質層の前記集電体に対する剥離強度が0.3N/cm以上である、リチウムイオン二次電池用正極。
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極を含むリチウムイオン二次電池。
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