JP2018078021A - 二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

二次電池用電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集電体に塗布された合剤層内のクラックを抑制する二次電池用電極の製造方法を提供すること。【解決手段】二次電池用電極の製造方法は、活物質と溶媒とを含む電極スラリーを調製するスラリー調製工程(S1)と、スラリー調製工程(S1)で調製した電極スラリーを集電体に塗布する塗布工程(S2)と、塗布工程(S2)で塗布した電極スラリーを乾燥させて合剤層を形成する中間乾燥工程(S3)と、中間乾燥工程(S3)で形成した合剤層を被覆材で被覆する被覆工程(S4)と、被覆工程(S4)で被覆した被覆材と、合剤層と、集電体と、を重ねた状態でプレスするプレス工程(S5)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池用電極の製造方法及び二次電池の製造方法に関する。詳細には、本発明は、二次電池用電極の合剤層内のクラックを抑制する二次電池用電極の製造方法及び二次電池の製造方法に関する。
近年、箔部材に活物質を含む電極スラリーを塗布して活物質を含む合剤層を形成する二次電池用電極の様々な製造方法が提案されている。しかし、成膜プロセスの圧力や温度が比較的高い場合、箔部材や合剤層に大きな内部応力が生じるような場合には、合剤層の成膜面の皺や電極板の反り返りが発生し、電極板としての使用に不都合が発生する場合があった。
そのため、例えば特許文献1では、表面から裏面まで貫通する複数の開裂部が形成された箔部材からなる集電体であって、複数の開裂部のそれぞれは、互いに交差する複数の線状の開裂からなる集電体及びその製造方法が提案されている。特許文献1によれば、成膜時の温度や、合剤層の内部応力等によって生じる箔部材の歪を開裂部において不連続なものとすることができ、大きな皺や反りの発生を抑制することができるとされている。
特開2014−96317号公報
ところで、箔部材に電極スラリーを塗布して二次電池用電極を製造する場合、箔部材に対する電極スラリーの密着性を向上させ、かつ、電極スラリーの密度を向上させるため、通常、プレス工程が必要となる。
しかしながら、特許文献1の箔部材は、プレス工程により開裂部付近が引き伸ばされた状態となってしまう。そして、引き伸ばされた箔部材は、プレス工程後に、元の形状に戻ろうとするため、塗布された電極スラリーも箔部材に伴って変形し、その結果、合剤層内にクラックが生じてしまうという問題があった。
また、塗布した電極スラリーは、通常、プレス工程前に乾燥される。しかし、電極スラリーは乾燥させすぎると体積が収縮するため、電極スラリーの収縮に伴って集電箔も変形してしまい、集電箔にたわみや座屈が生じてしまうという問題があった。集電箔にたわみや座屈が生じると、合剤層自体にもたわみや座屈が生じてしまい、合剤層内にクラックが生じてしまうおそれがあった。このような電極を用いて二次電池を作製した場合、二次電池の電気特性や体積当たりの放電容量が低下してしまうおそれがある。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、電極の合剤層内のクラックを抑制する二次電池用電極の製造方法及び二次電池の製造方法を提供することにある。
本発明の態様に係る二次電池用電極の製造方法は、集電体に塗布した電極スラリーを被覆材で被覆する被覆工程を備える。
本発明によれば、合剤層表面の凹凸を抑制する二次電池用電極の製造方法及び二次電池の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る二次電池用電極の製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る二次電池用電極の一例を示す模式的な断面図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係る二次電池用電極の製造方法及び二次電池の製造方法について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[二次電池用電極の製造方法]
図1に示すように、本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、スラリー調製工程S1と、塗布工程S2と、中間乾燥工程S3と、被覆工程S4と、プレス工程S5と、を備える。スラリー調製工程S1は、活物質と溶媒とを含む電極スラリーを調製する。塗布工程S2は、スラリー調製工程S1で調製した電極スラリーを集電体に塗布する。中間乾燥工程S3は、塗布工程S2で塗布した電極スラリーを乾燥させて合剤層を形成する。被覆工程S4は、中間乾燥工程S3で形成した合剤層を被覆材で被覆する。プレス工程S5は、被覆工程S4で被覆した被覆材と、合剤層と、集電体と、を重ねた状態でプレスする。本実施形態ではこのような工程を有することにより、中間乾燥工程S3後の合剤層の乾燥を抑制することができる。そのため、合剤層や集電体が収縮してたわみや座屈が生じるのを抑制することができ、合剤層内のクラックを少なくすることができる。
[スラリー調製工程S1]
スラリー調製工程S1は、活物質と溶媒とを含む電極スラリーを調製する。電極スラリーを調製する方法は特に限定されず、活物質を公知の方法で溶媒に混練又は分散などさせればよい。活物質を溶媒に分散させる方法としては、例えば、一軸混練機、二軸混練機、遊星式ミキサー及びニーダーなどを用いて分散させればよい。
活物質は、正極活物質であっても、負極活物質であってもよい。活物質は、二次電池において、電流を生じる化学反応に関与する。活物質の含有量は、溶媒を除いた電極スラリーの固形分全体に対して、50質量%〜90質量%が好ましく、60質量%〜85質量%がより好ましい。
正極活物質としては、例えば、リチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。リチウム−遷移金属複合酸化物としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Mn−Co)O、Li(Li−Ni−Mn−Co)O及びこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等を挙げることができる。リチウム−遷移金属リン酸化合物としては、LiFePO等を挙げることができる。リチウム−遷移金属硫酸化合物としては、LiFe(SO等を挙げることができる。
負極活物質としては、例えば、高結晶性カーボンであるグラファイト(天然グラファイト、人造グラファイト等)、低結晶性カーボン(ソフトカーボン、ハードカーボン)、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等)、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンフィブリルなどの炭素材料を挙げることができる。なお、当該炭素材料は、10質量%以下のケイ素ナノ粒子を含有するものを含む。また、負極活物質としては、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、水素(H)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)、ガリウム(Ga)、タリウム(Tl)、炭素(C)、窒素(N)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)、テルル(Te)、塩素(Cl)等のリチウムと合金化する元素の単体、及びこれらの元素を含む酸化物(一酸化ケイ素(SiO)、SiO(0<x<2)、二酸化スズ(SnO)、SnO(0<x<2)、SnSiOなど)及び炭化物(炭化ケイ素(SiC)など)等を挙げることができる。さらに、負極活物質としては、リチウム金属等の金属材料やリチウム−チタン複合酸化物(チタン酸リチウム:LiTi12)等のリチウム−遷移金属複合酸化物を挙げることができる。これらの負極活物質は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エステル等のエステル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
電極スラリー全体に対する溶媒の含有量は、10質量%〜60質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましく、25質量%〜45質量%がさらに好ましい。すなわち、電極スラリー全体に対する溶媒を除いた活物質の固形分の含有量は、40質量%〜90質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましく、55質量%〜75質量%がさらに好ましい。溶媒の含有量をこのような範囲とすることにより、後に詳述するプレス工程S5において電極スラリーから空隙を効率よく追い出すことができ、電極スラリーの乾燥時間を短くすることができる。
電極スラリーは、活物質と溶媒の他、必要に応じて、導電助剤、バインダなどを含んでいてもよい。導電助剤は、合剤層の内部における電子ネットワークを効果的に形成することができる。また、バインダは、活物質同士又は活物質と導電助剤を結合させることができる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。これらの導電助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。導電助剤の含有量は、電極スラリーの固形分全体に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。導電助剤の含有量をこのような範囲とすることにより、合剤層の導電性を向上させることができる。
バインダとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)などのエラストマーが挙げられる。これらのバインダは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、接着性や耐熱性が優れていることから、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。
なお、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドからなる群より選択される少なくとも1つのバインダは、電極スラリーの乾燥処理後の収縮力が他のバインダと比較して大きいため、乾燥後の合剤層のたわみや座屈が大きくなる傾向にある。しかし、本実施形態の二次電池用電極の製造方法によれば、被覆材により合剤層の乾燥が抑制されるため、合剤層表面の凹凸が少ない二次電池用電極を提供することができる。合剤層中に含まれるバインダの含有量は、特に限定されないが、電極スラリーの固形分全体に対して、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。
[塗布工程S2]
塗布工程S2は、スラリー調製工程S1で調製した電極スラリーを集電体に塗布する。電極スラリーは、集電体の少なくとも一方の面に配置することができる。電極スラリーを集電体に塗布する方法は、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、フローコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法などの公知の方法を使用することができる。
電極スラリーを塗布する厚みや面積は特に限定されず、用途に応じて適宜塗布すればよい。なお、塗布する電極スラリーの厚みが大きい場合、乾燥時の電極スラリーの収縮力が大きく、乾燥時における合剤層内の寸法変化も大きくなりやすい傾向にある。しかし、本実施形態によれば、被覆材を用いるにより、プレス前の乾燥による合剤層内のクラックを抑制することができる。
集電体は、二次電池用正極集電体であっても、負極集電体であってもよい。集電体は、合剤層と、二次電池の外部にある外部機器などと間の電子の受け渡しを行う。集電体を形成する材料は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属が好ましい。これらの中でも、正極集電体を形成する材料としてはアルミニウム(Al)を用いることが好ましく、負極集電体を形成する材料としては銅(Cu)を用いることが好ましい。
集電体の引張強さは、300MPa以上であることが好ましい。集電体の引張強さをこのような範囲とすることにより、集電体の機械的特性を高くすることができる。また、集電体の引張強さは、500MPa以上であることがより好ましく、700MPa以上であることがさらに好ましい。また、成形加工の観点から、被覆材の強さは、2000MPa以下であることが好ましく、1500MPa以下であることがより好ましい。なお、集電体の引張強さは、日本工業規格JIS Z2241:2011(金属材料引張試験方法)に従って測定することができる。また、測定温度は23℃、試験速度は1.0mm/min.とすることができる。
集電体の破断伸びは、0%以上10%以下であることが好ましい。集電体の破断伸びをこのような範囲とすることにより、電極をより容易に加工することができる。また、集電体の破断伸びは、0%以上5%以下であることがより好ましく、0%以上1%以下であることがさらに好ましい。なお、集電体の破断伸びは、JIS Z2241:2011(金属材料引張試験方法)に従って測定することができる。具体的には、集電体の破断伸びは、破断後の永久伸び(L−L)を原標点距離(L)に対して百分率で表したものである。ここで、Lは破断後の標点距離を示す。また、測定温度は23℃、試験速度は1.0mm/min.とすることができる。
集電体の厚みは、1μm以上100μm以下であることが好ましい。集電体の厚みをこのような範囲とすることにより、集電体の電気抵抗を小さくし、集電体の機械的特性を高くすることができる。なお、集電体の厚みは、5μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上25μm以下であることがさらに好ましい。
[中間乾燥工程S3]
中間乾燥工程S3は、塗布工程S2で塗布した電極スラリーを乾燥させて合剤層を形成する。電極スラリーを乾燥させることにより、電極スラリー中の溶媒を揮発させることができる。電極スラリーの溶媒の揮発は、複数回に分けて実施してもよく、例えば、集電体の一方の面に配置した場合は1回、両面に配置した場合は2回実施することが出来る。電極スラリーを乾燥する方法は、ホットプレート法、温風乾燥法、真空乾燥法、遠赤外線乾燥法などの公知の方法を使用することができる。
中間乾燥工程S3の乾燥条件は、電極スラリーに含まれる材料と集電体の材料の特性により調節すればよく、電極スラリーに含まれる溶媒が所定の状態まで除去できればよい。中間乾燥工程S3後の合剤層の溶媒含有量は、合剤層全体に対して5質量%〜25質量%であることが好ましく、10質量%〜20質量%であることがより好ましく、12.5質量%〜17.5質量%であることがさらに好ましい。合剤層の溶媒含有量をこのような範囲とすることにより、中間乾燥工程S3において合剤層内のクラックを抑制することができるため好ましい。
中間乾燥工程S3の乾燥温度の上限としては、電極スラリーに含まれる溶媒の引火温度を下回り、かつ集電体の酸化や変色が生じる温度を下回る温度である。中間乾燥工程S3の乾燥温度は60〜130℃が好ましく、70〜110℃がより好ましい。乾燥時間を短縮するには乾燥温度を上げればよい。
[被覆工程S4]
被覆工程S4は、中間乾燥工程S3で形成した合剤層を被覆材で被覆する。合剤層を被覆材で被覆する態様は特に限定されないが、合剤層全体を覆うように被覆することができる。
また、本実施形態においては、集電体の引張強さと厚みの積に対する被覆材の引張強さと厚みの積の比は0.6超え1.4未満であることが好ましい。これら積の比を0.6超えとすることにより、被覆材を重ねてプレスした時に、被覆材だけが集電体と比較して変形又は圧延されることを抑制することができる。一方、これらの積の比を1.4未満とすることにより、被覆材を重ねてプレスした時に、被覆材と比較して集電体だけが変形又は圧延されることを抑制することができる。すなわち、これらの積をこのような範囲とすることにより、プレス時に被覆材又は集電体の変形量が他方の変形量より大きくなるのを抑制することができる。
例えば、プレス時に被覆材の変形量が集電体の変形量より大きく異なる場合、プレス後の電極は、その変形差により円弧状に曲げられた湾曲状となってしまう。この場合、合剤層の被覆材側が被覆材の変形に伴い大きく変形するのに対し、合剤層の集電体側は被覆材側ほど変形しない。このような合剤層の変形量の差は、後の工程において、湾曲状を平板状にした場合などにおいて、たわみが発生するため、合剤層表面の凹凸の原因となる。しかし、本実施形態では、集電体の引張強さと厚みの積に対する被覆材の引張強さと厚みの積の比を0.6超え1.4未満とすることにより、プレス時に合剤層のいずれか一方の面だけが大きく変形するのを抑制することができる。そのため、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。なお、集電体の引張強さに対する被覆材の引張強さの比は0.8超え1.2未満であることがより好ましく、0.9超え1.1未満であることがさらに好ましく、0.99超え1.01未満であることが最も好ましい。
被覆材の引張強さは、300MPa以上であることが好ましい。被覆材の引張強さをこのような範囲とすることにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなり、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。また、被覆材の引張強さは、500MPa以上であることがより好ましく、700MPa以上であることがさらに好ましい。また、成形加工の観点から、被覆材の強さは、2000MPa以下であることが好ましく、1500MPa以下であることがより好ましい。なお、被覆材の引張強さは、JIS Z2241:2011(金属材料引張試験方法)に従って測定することができる。また、測定温度は23℃、試験速度は1.0mm/min.とすることができる。
集電体の引張強さに対する被覆材の引張強さの比は0.6超え1.4未満であることが好ましい。本実施形態では、被覆材が上記の特性を有することにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなるため、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。なお、集電体の引張強さに対する被覆材の引張強さの比は0.8超え1.2未満であることがより好ましく、0.9超え1.1未満であることがさらに好ましく、0.99超え1.01未満であることが最も好ましい。
被覆材は、所定の特性を有する材料であれば、特に限定されない。具体的には、集電体の引張強さと厚みの積に対する被覆材の引張強さと厚みの積の比は0.6超え1.4未満である。本実施形態では、被覆材が上記の特性を有することにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなるため、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。なお、集電体の引張強さと厚みの積に対する被覆材の引張強さと厚みの積の比は0.8超え1.2未満であることがより好ましく、0.9超え1.1未満であることがさらに好ましく、0.99超え1.01未満であることが最も好ましい。
被覆材の厚みは、1μm以上100μm以下であることが好ましい。被覆材の厚みをこのような範囲とすることにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなり、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。また、集電体の厚みは、5μm以上40μmであることがより好ましく、10μm以上25μmであることがさらに好ましい。
集電体の厚みに対する被覆材の厚みの比は0.6超え1.4未満であることが好ましい。本実施形態では、被覆材が上記の特性を有することにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなるため、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。なお、集電体の厚みに対する被覆材の厚みの比は0.8超え1.2未満であることがより好ましく、0.9超え1.1未満であることがさらに好ましく、0.99超え1.01未満であることが最も好ましい。
被覆材を形成する材料は特に限定されないが、集電体を形成する材料と略同一であることが好ましい。被覆材と集電体の形成する材料を略同一とすることにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなるため、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。なお、ここでいう略同一とは、これらの材料が実質的に同一であることをいい、微量成分の有無や、組成の微量な差異により、引張強さなどの特性に影響を与えない程度の差異は、略同一に含まれる。また、被覆材を形成する材料は集電体を形成する材料と略同一であり、集電体の厚みに対する被覆材の厚みの比は0.9超え1.1未満であることがさらに好ましい。
集電体の圧延方向と被覆材の圧延方向とが形成する角度が0度以上30度以下であることが好ましい。集電体や被覆材は、圧延方向によって、引張強さなどの機械的特性が変わることがある。そのため、集電体の圧延方向と被覆材の圧延方向が形成する角度をこのような範囲とすることにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなるため、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。なお、集電体の圧延方向と被覆材の圧延方向が形成する角度は0度以上20度以下がより好ましく、0度以上10度以下がさらに好ましく、0度以上5度以下が最も好ましい。
被覆材の破断伸びは、0%以上10%以下であることが好ましい。被覆材の破断伸びをこのような範囲とすることにより、プレス工程S5において合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さくなるため、合剤層表面の凹凸を少なくすることができる。また、被覆材の破断伸びは、0%以上5%以下であることがより好ましく、0%以上1%以下であることがさらに好ましい。なお、被覆材の破断伸びは、JIS Z2241:2011(金属材料引張試験方法)に従って測定することができる。具体的には、被覆材の破断伸びは、破断後の永久伸び(L−L)を原標点距離(L)に対して百分率で表したものである。ここで、Lは破断後の標点距離を示す。また、測定温度は23℃、試験速度は1.0mm/min.とすることができる。
被覆工程S4において、合剤層全体に対する溶媒の含有量は、5質量%〜25質量%が好ましく、10質量%〜20質量%がより好ましく、12.5質量%〜17.5質量%がさらに好ましい。溶媒の含有量をこのような範囲とすることにより、被覆材と合剤層が接着せず、かつ、プレス工程S5において合剤層内の空隙を効果的に除去することができる。
[プレス工程S5]
プレス工程S5は、被覆工程S4で被覆した被覆材と、合剤層と、集電体と、を重ねた状態でプレスする。プレス工程S5は、集電体の上に形成された合剤層をプレスすることにより、集電体に対する合剤層の密着性を向上させ、かつ、合剤層内の空隙を除去し、合剤層の密度を向上させることができる。
プレス工程S5でプレスする方法は、特に限定されず、公知の方法によりプレスすることができ、例えばロールプレスなどを用いてプレスすることができる。ロールプレスを用いてプレスする場合は、合剤層に対して被覆材側からプレスする第1ロールと、合剤層に対して集電体側からプレスする第2ロールとを用いて、合剤層等をプレスすればよい。具体的には、第1ロールと第2ロールで、被覆材と、集電体及び合剤層を含む電極とを重ねたものをプレスすればよい。
プレス工程S5でプレスする強度は特に限定されないが、第1ロールと第2ロールともに直径30cm、ロール幅が35cmの場合、0.1ton〜15tonが好ましく、5ton〜15tonがより好ましく、10ton〜15tonがさらに好ましい。すなわち、プレス工程S5でプレスする強度は、0.002ton/cm〜0.43ton/cmが好ましく、0.14ton/cm〜0.43ton/cmがより好ましく、0.28ton/cm〜0.43ton/cmがさらに好ましい。
プレス工程S5でプレスするプレス温度は特に限定されず、例えば0〜180℃の範囲でプレスすることができる。また、プレス工程S5でプレスする時間は特に限定されないが、例えば搬送速度1〜4m/min.の範囲でプレスすればよい。
[最終乾燥工程]
本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、プレス工程S5の後に最終乾燥工程をさらに備えることができる。具体的には、本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、プレス工程S5でプレスされた集電体と集電体に配置された合剤層とを乾燥する最終乾燥工程をさらに備えることができる。最終乾燥工程は、集電体に配置された合剤層の溶媒を揮発させることができる。
最終乾燥工程は、80℃〜130℃にて乾燥することが好ましい。乾燥温度をこのような範囲とすることにより、安全かつ高い生産性で合剤層の溶媒を揮発させることができる。また、最終乾燥工程は、溶媒の揮発を促進させるため、減圧下で実施してもよい。
最終乾燥工程後の合剤層に含まれる溶媒の含有量は、0質量%〜5質量%であることが好ましく、0質量%〜2質量%であることがより好ましく、0質量%〜0.1質量%であることが最も好ましい。溶媒の含有量をこのような範囲とすることにより、二次電池の組立時に不都合が生じるのを抑制することができる。
乾燥工程後の合剤層の膜厚は40μm〜150μmであることが好ましく、60μm〜100μmであることがより好ましい。乾燥工程後の合剤層の膜厚をこのような範囲とすることにより、単位面積当たりの活物質の質量が大きくすることができ、二次電池の単位質量当たりのエネルギー密度を向上させることができる。なお、塗布する電極スラリーの厚みが大きい場合、乾燥時の電極スラリーの収縮力が大きく、合剤層内のクラックが発生しやすい傾向にある。しかし、本実施形態においては被覆材を用いるため、このような厚みを有する合剤層であっても、合剤層内のクラックを抑制することができる。
被覆材は最終乾燥工程の直前まで合剤層を被覆することが好ましい。すなわち、本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、プレス工程S5でプレスされた集電体と合剤層とを乾燥する最終乾燥工程をさらに備え、被覆材は最終乾燥工程の直前まで合剤層を被覆することが好ましい。このように合剤層を被覆することにより、最終乾燥工程前に、合剤層や集電体が収縮してたわみや座屈が生じるのを抑制することができ、合剤層内のクラックを少なくすることができる。なお、直前とは、プレス工程S5より後の工程であって、最終乾燥工程よりも前の工程を意味する。また、最終乾燥工程は、集電体を固定した状態で実施することが好ましいが、被覆材を取り外すのは、集電体を固定してからの方が好ましい。集電体を固定する方法は特に限定されず、最終乾燥工程時に集電体が変形しないように固定すればよい。なお、本実施形態では、合剤層の被覆材側と集電体側の変形差が小さいため、平板状に固定しても合剤層表面の凹凸が少ない。
以上の通り、本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、スラリー調製工程S1と、塗布工程S2と、中間乾燥工程S3と、被覆工程S4と、プレス工程S5と、を備える。スラリー調製工程S1は、活物質と溶媒とを含む電極スラリーを調製する。塗布工程S2は、スラリー調製工程S1で調製した電極スラリーを集電体に塗布する。中間乾燥工程S3は、塗布工程S2で塗布した電極スラリーを乾燥させて合剤層を形成する。被覆工程S4は、中間乾燥工程S3で形成した合剤層を被覆材で被覆する。プレス工程S5は、被覆工程S4で被覆した被覆材と、合剤層と、集電体と、を重ねた状態でプレスする。そのため、合剤層内のクラックが少ない二次電池用電極を製造することができる。
なお、本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、二次電池用正極の製造方法及び二次電池用負極の製造方法を含む。また、本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、合剤層内のクラックが少ない二次電池用電極を製造することができるため、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法に適用することが好ましい。より具体的には、本実施形態の二次電池用電極の製造方法は、リチウムイオン二次電池用正極の製造方法、又はリチウムイオン二次電池の負極の製造方法とすることが好ましい。
[二次電池の製造方法]
本実施形態の二次電池の製造方法は、二次電池用電極の製造方法により製造した二次電池用電極を用いて製造する。本実施形態の二次電池の製造方法は、二次電池用電極の製造方法により製造した二次電池用電極で電解質層を挟む工程を備えることができる。上述のように、本実施形態の二次電池用電極の製造方法で製造された電極は、合剤層内のクラックが少ない。そのため、このような二次電池用電極を用いて製造した二次電池は、合剤層内のクラックに起因した電気特性や体積当たりの放電容量の低下が生じにくい。なお、二次電池用電極の製造方法により製造した二次電池用電極は、二次電池用電極の製造方法により製造した二次電池用正極及び二次電池用負極とすることができる。また、本実施形態の二次電池の製造方法は、リチウムイオン二次電池10の製造方法とすることができる。
図2に、一例として、リチウムイオン二次電池10の模式的な断面図を示す。図2に示すように、リチウムイオン二次電池10は、正極11と、負極15と、正極11と負極15との間に配置された電解質層19と、を備えることができる。正極11は、正極集電体12と、正極集電体12の少なくとも一方の面に配置される正極合剤層13と、を備えることができる。負極15は、負極集電体16と、負極集電体16の少なくとも一方の面に配置される負極合剤層17と、を備えることができる。また、リチウムイオン二次電池10は、複数の単電池層21が積層された電池素子23を備えることもできる。単電池層21は、負極15と、正極11と負極15との間に配置された電解質層19と、を備えることができる。リチウムイオン二次電池10は外装体25を備え、外装体25は単電池層21又は電池素子23を収容することができる。また、正極タブ27と負極タブ28は、単電池層21で生成した電流をリチウムイオン二次電池10の外部に取り出すことができる。
なお、リチウムイオン二次電池10は、図1のような形態に限定されず、例えば、集電体の一方の面に正極合剤層13を配置し、集電体のもう一方の面に負極合剤層17を配置したような双極型電極を含む双極型電池としてもよい。また、リチウムイオン二次電池10の構造は、積層型に限定されず、巻回型リチウムイオン二次電池としてもよい。また、リチウムイオン二次電池10は積層型リチウムイオン二次電池であることが好ましい。このようなリチウムイオン二次電池10は、放電容量及び放熱性能を高くすることができるため、車両に搭載する場合に最適である。
(電解質層19)
電解質層19は、正極11と負極15とを隔離し、リチウムイオンの移動を仲介する。電解質層19の膜厚は、内部抵抗を低減させる観点から、1〜100μmが好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。電解質層19は非水電解質を含む。非水電解質としては、イオン伝導性ポリマーにリチウム塩が溶解したゲル状又は固体状のポリマー電解質、並びに有機溶媒にリチウム塩が溶解した液体電解質を多孔質基体層に保持させて用いることができる。
ポリマー電解質に用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、へキサフルオロプロピレン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びこれらの共重合体等が挙げられる。
液体電解質に用いられる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)等のカーボネート類が挙げられる。また、液体電解質に用いられるリチウム塩としては、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiAsF、LiTaF、LiClO、LiCFSO等の化合物が挙げられる。
多孔質基体層を形成する材料は、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。多孔質基体層の空隙率は、特に限定されないが、40〜85%であることが好ましい。空隙率を40%以上とする場合、十分なイオン伝導性を得ることができる。一方、空隙率を85%以下とする場合、多孔質基体層の強度を良好に維持することができる。
(外装体25)
外装体25は、例えば、缶や、フィルムにより形成されたものが挙げられる。また、外装体25の形状は、特に限定されず、円筒型、角型、シート型とすることができる。特に限定されないが、小型化及び軽量化などの観点より、外装体25はフィルムにより形成されていることが好ましい。なかでも、高出力化や冷却性能の観点からは、フィルムはラミネートフィルムであることが好ましく、ラミネートフィルムはアルミニウムを含むことが好ましい。アルミニウムを含むラミネートフィルムの一例としては、PP/アルミニウム/ナイロンの3層ラミネートフィルムが挙げられる。
(正極タブ27及び負極タブ28)
正極タブ27は、正極集電体12と、リチウムイオン二次電池10の外部の機器とを電気的に接続することができる。また、負極タブ28は、負極集電体16と、リチウムイオン二次電池10の外部の機器とを電気的に接続することができる。正極タブ27及び負極タブ28を形成する材料は、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。なお、正極タブ27及び負極タブ28を形成する材料は、同一でも異なっていてもよい。
以上の通り、本実施形態の二次電池の製造方法は、二次電池用電極の製造方法により製造した二次電池用電極で電解質層を挟む工程を備えることができる。そのため、合剤層内のクラックに起因した電気特性や体積当たりの放電容量の低下が生じにくい二次電池を製造することができる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
活物質32質量部と、導電助剤を合計2質量部と、固形分濃度30質量%のバインダ分散液19.35質量部とを溶媒15.81質量部に分散させ、脱泡混練機(株式会社Thinky製 AR−250)内で混合し、電極スラリーを調製した。なお、活物質はシリコン合金、導電助剤はアセチレンブラックとカーボンファイバを同量用い、バインダはN−メチルピロリドンを分散媒としたポリイミドの前駆体、溶媒はN−メチルピロリドンを用いた。
次に、集電体の一方の面に、乾燥後の負極合剤層の厚さが80μmとなるように、電極スラリーをロールコーターで均一に塗布した。なお、集電体は、引張強さが930MPa、破断伸びが0.5%、20μm厚の銅合金箔を用いた。
次に、集電体に塗布した電極スラリーを温風乾燥機により80℃で4分間乾燥させて合剤層を形成した。合剤層の残留溶媒は15質量%だった。
次に、合剤層を形成した面に、合剤層中の溶媒が揮発しないように、被覆材を被覆した。なお、被覆材は、集電体と同じである20μm厚の銅箔を用い、集電体と被覆材の圧延方向を同じにした。
次に、合剤層の上から被覆材を被覆した状態で、合剤層の厚さが70μmとなるように、2回ロールプレスをした。ロールプレスは、株式会社サンクメタル製10トン油圧式加熱型ロールプレスを用いてプレスした。この時、プレス圧は15ton、第1ロールと第2ロールのスリット幅を15μm、プレス温度は室温(25℃)、搬送速度は1m/min.にてプレスした。
ロールプレス後のサンプルを平板状の固定板に固定し、被覆材を合剤層から取り外した。そして、このサンプルを、大気圧下、80℃、15分乾燥させて得られたものを負極側の電極とした。なお、この時、合剤層中の溶剤の残留量は0.02質量%以下であった。
[実施例2]
被覆材の膜厚を12μmとした以外は、実施例1と同様にして電極を作製した。
[実施例3]
被覆材の膜厚を14μmとした以外は、実施例1と同様にして電極を作製した。
[比較例1]
被覆材を用いずに電極を作製した以外は、実施例1と同様にして電極を作製した。
[評価]
実施例及び比較例の電極について、合剤層表面の外観を目視にて確認した。
比較例1の電極は、被覆材を用いずに電極を作製したため、合剤層内にクラックが生じ、合剤層の集電体からの剥離も見られた。一方、実施例1の電極は、合剤層内のクラックや、合剤層の集電体からの剥離も見られなかった。また、実施例1の電極においては、合剤層表面の凹凸が実施例2と実施例3より少なかった。
以上、本発明を実施例及び比較例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
S1 スラリー調製工程
S2 塗布工程
S3 中間乾燥工程
S4 被覆工程
S5 プレス工程

Claims (8)

  1. 活物質と溶媒とを含む電極スラリーを調製するスラリー調製工程と、
    前記スラリー調製工程で調製した前記電極スラリーを集電体に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程で塗布した前記電極スラリーを乾燥させて合剤層を形成する中間乾燥工程と、
    前記中間乾燥工程で形成した合剤層を被覆材で被覆する被覆工程と、
    前記被覆工程で被覆した被覆材と、前記合剤層と、前記集電体と、を重ねた状態でプレスするプレス工程と、を備える二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記集電体の引張強さと厚みの積に対する前記被覆材の引張強さと厚みの積の比は0.6超え1.4未満である請求項1に記載の二次電池用電極の製造方法。
  3. 前記集電体の厚みに対する前記被覆材の厚みの比は0.6超え1.4未満である請求項1又は2に記載の二次電池用電極の製造方法。
  4. 前記集電体の引張強さに対する前記被覆材の引張強さの比は0.6超え1.4未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  5. 前記被覆材を形成する材料は前記集電体を形成する材料と略同一であり、前記集電体の厚みに対する前記被覆材の厚みの比は0.9超え1.1未満である請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  6. 前記集電体の圧延方向と前記被覆材の圧延方向とが形成する角度が0度以上30度以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  7. 前記プレス工程でプレスされた前記集電体と前記合剤層とを乾燥する最終乾燥工程をさらに備え、
    前記被覆材は前記最終乾燥工程の直前まで前記合剤層を被覆する請求項1〜6のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法により製造した二次電池用電極を用いて製造する二次電池の製造方法。
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