JP2016037431A - 高流動性軽量充填材の製造方法 - Google Patents

高流動性軽量充填材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地下空洞、埋設廃管、建物下空洞等の充填に係り、高い流動性を有し均質な充填材が得られ、かつ容易に製造ができる軽量充填材の製造方法を提供する。
【解決手段】固化材、粘度調節材、界面活性剤および発泡材を水と混合攪拌することによって、10〜30容積%の微細気泡を含有し、かつフロー値が300〜500mmのスラリーとし、前記スラリーが、発泡材の反応によって1.2〜2.2倍まで体積膨張する充填材の製造方法。固化材、粘度調節材、界面活性剤、発泡材としてそれぞれセメント、ナトリウム型または改質されたベントナイト、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウムの粉体、3重量%以下の油脂で被覆されたメジアン径10〜40ミクロンメートルのアルミニウム粉末を用いる高流動性軽量充填材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば地下空洞充填、建物下空洞充填、擁壁の裏込め、法面吹付け裏の隙間充填、シールド工法の裏込め、地下埋設管埋戻し等の分野に使用される軽量充填材の製造方法に関するものである。
地下空洞充填、建物下空洞充填などに使用する充填材として気泡を含有するセメント系の材料が用いられる。気泡を全容積の25〜65%含有することにより軽量化することで周囲の土圧や構造物への荷重負荷を低減することができ、また強度的にも、土に近い強度に設計するため、再掘削が容易にできるという利点がある。また、充填時に締固めが不要という点も施工において有利な点である。
気泡を含有させる方法として、起泡剤の希釈溶液をエアと混合して気泡をつくり、別に製造したセメントミルクまたはセメントモルタルに混合して軽量のスラリーを製造する方法(以下、プレフォーム法という。)が最も一般的に利用されている(例えば特許文献1および2)。また、起泡剤をセメントミルクまたはセメントモルタルに直接投入し攪拌混合し泡立てる方法、または起泡剤と水を攪拌混合し泡立てたのちにセメントを投入して軽量のスラリーを製造する方法(以下、ミックスフォーム法という)が簡便的な方法として利用されている。一方で、セメントを主成分とするスラリーに反応によりガスを発生させる金属粉末や炭酸塩等の材料を混合し、充填箇所に注入した後に気泡を発生させて軽量化する方法がある(例えば特許文献3〜5および非特許文献1)。この方法は、注入後に気泡が発生し体積膨張することが特徴であり、アフターフォーム法または事後発泡法と呼ばれる。
なお、本発明では、プレフォーム法およびミックスフォーム法のように、攪拌や圧縮空気導入などの機械的作用によって気泡をつくることを起泡といい、化学反応によるガスで気泡を発生させることを発泡と表現する。
プレフォーム法およびミックスフォーム法は、充填箇所へ注入するスラリーには、気泡を含有した状態になっているのに対し、アフターフォーム法は、注入スラリーに気泡が含まれず、注入後に気泡が形成して体積膨張する。そのため、アフターフォーム法は、圧送・注入時に破泡によるロスがないのが特徴であり、またスラリーの製造量を削減できる特徴がある。さらに、一般的にプレフォーム法およびミックスフォーム法で製造されたスラリーのフロー値は150〜200mmであり、アフターフォーム法のフロー値が200〜380mmであるので、流動性はアフターフォーム法のほうが高く、狭隘な空隙にも注入が容易できる利点もある。
なお、本発明においてフロー値は、JHS A313に規定される方法で得られる測定値あり、具体的には次の測定方法によって求められる。平板上に置いた内径80mm、高さ80mmの円筒容器にスラリーを摺切り入れ、円筒容器を引き抜いたときのスラリーの広がり(直径)をフロー値とする。真円状に広がらない場合は、最長径と最短径を測定し、その平均値をフロー値とする。
特開平01−105868号公報 特開昭51−83625号公報 特開2000−086318号公報 特開2002−266342号公報 特開2001−288469号公報
三木、外3名、「裏込め注入工法の設計と施工」、初版、山海堂、1990年6月、P.35−51、P.61−63
しかしながら、現状のアフターフォーム法においても、流動性は配合によっても変わるが、フロー値で概ね200〜380mmであり、長距離の流し込みやより狭い空隙への充填には更に高い流動性が求められている。流動性を高める手段としては、水比の増加、粘度調節材の添加量減少、高流動化剤等の添加などが考えられるが、単に水比増加や粘度調節剤添加量を減ずると、固液分離、すなわちブリージングが発生する。さらに、注入後の発泡によってスラリー密度が低くなるとブリージング水が下に移動して、その際に気泡を壊していくため、不均質な気泡分布になるばかりか、脱泡が起こり体積膨張量のばらつきを生じる。高流動化剤の添加は、ブリージングの発生は抑えられるが、気泡の保持力が弱くなり、気泡が浮上して上下の密度差が大きくなり、均質な充填材が得られない。特に1.5倍以上に体積膨張させると、一旦体積膨張したのちに脱泡して陥没することもあるため、空洞充填材として使用すると上部に隙間が発生する場合がある。
また、アフターフォーム法の場合、一般的に使用する材料は、固化材、発泡材の他に、スラリー中での気泡の保持力を向上させるため、界面活性剤や粘度調節材が使われ、材料の種類が多い。また各材料の投入順序があるため、スラリー製造に手間がかかるという問題もあり、簡便的に製造できる方法が望まれていた。
本発明は、高い流動性と体積膨張により充填性を高めるために以上の課題を解決し、さらには製造の容易性を達成するためになされたものであり、以下の構成を有する。
〔1〕固化材、粘度調節材、界面活性剤および発泡材を水と混合攪拌することにより、10〜30容積%の微細気泡を含有し、かつフロー値が300〜500mmのスラリーとし、前記スラリーが、発泡材の反応によって1.2〜2.2倍まで体積膨張することを特徴とする高流動性軽量充填材の製造方法。
なお、前記混合攪拌によって作られる微細気泡の容積%は、混合攪拌直後のスラリーに含有する空気量であり、内割の容積率である。
〔2〕前記粘度調節材、前記界面活性剤および前記発泡材が事前混合された粉体物であることを特徴とする〔1〕記載の高流動性軽量充填材の製造方法。
〔3〕前記粘度調節材は、ナトリウム型またはソーダ灰で改質したベントナイトであることを特徴とする〔1〕ならびに〔2〕記載の高流動性軽量充填材の製造方法。
〔4〕前記界面活性剤は、主成分がアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムの粉体であることを特徴とする〔1〕ならびに〔2〕記載の高流動性軽量充填材の製造方法。
〔5〕前記発泡材は、3重量%以下の油脂で被覆されたメジアン径が10〜40μmのアルミニウム粉末が主成分であることを特徴とする〔1〕ならびに〔2〕記載の高流動性軽量充填材の製造方法。
本発明の高流動性軽量充填材の製造方法は、高流動性を有しているため狭隘な空隙でも注入が可能で、かつブリージングが発生せず流動性を維持しながら体積膨張するため、空隙の上部に隙間のない充填が可能になる。また、注入後に体積膨張するため、スラリーの製造量を低減でき、さらに、粘度調節材、界面活性剤および発泡材を事前混合した粉体物とすることで、より簡易にスラリーを製造することができる。
以下、本発明の形態を説明する。
本発明は、固化材、粘度調節材、界面活性剤および発泡材を水と混合攪拌することにより、10〜30容積%の微細気泡を含有し、かつフロー値が300〜500mmのスラリーとし、前記スラリーが、発泡材の反応によってスラリー容積を1.2〜2.2倍まで体積膨張する高流動性軽量充填材である。
固化材は、普通セメント、早強セメント、高炉セメント、フライアッシュセメントおよび高炉スラグ微粉末−石灰系材料のうち一種また二種以上の混合物が使用できるが、好ましくは普通セメントおよび早強セメントのうち一種または混合物である。
粘度調節材は、流動性を確保しながらも固液分離を低減する目的で使用するものであり、チクソトロピー性を有するベントナイト、メチルセルロース、短繊維のいずれか一種または二種以上を使用することができるが、ベントナイトがスラリー製造時の混合が容易なため好ましい。
ベントナイトは、層間鉱物であり、板状に配列した原子のシートが重なった結晶構造を持っており、そのシートの隙間に他の物質を取り込む性質を持っている。水もこの層間に固定され結晶が膨潤するため、粘度調整にこの性質が利用されている。ベントナイトは層間にナトリウムイオンを吸着したナトリウム型ベントナイトとカルシウムイオンを吸着したカルシウム型ベントナイトに大別でき、ナトリウム型のほうがカルシウム型よりも膨潤性が高い。またカルシウム型をソーダ灰処理した改質ベントナイトがあり、この改質ベントナイトも膨潤性が高い。本発明では、少量の添加で粘度調整するためにナトリウム型または改質ベントナイトを使用するのがより好ましい。
界面活性剤は、混合中に微細な気泡を発生させる機能と発泡材によって発生した気泡をスラリー中に安定化させる機能を有する物質であり、脂肪酸系、直鎖アルキルベンゼン系、高級アルコール系、アルファオレフィン系、ノルマルパラフィン系、アルキルフェノール系の一種または二種以上の混合物が使用できる。この中でアルファオレフィン系のアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムは、起泡性が混練水の温度や気温による影響が少なく、またアルカリ雰囲気でも劣化しにくい性質を有しているので好ましい。
発泡材は、アルカリ中で気泡を発生する材料として、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛などの金属粉末があるが、反応の安定性、安全性などを考慮するとアルミニウム粉末が好ましい。アルミニウム粉末がアルカリ雰囲気で気泡を発生させるのは、式1の反応によって水素ガスが発生するからである。
Figure 2016037431
アルミニウム粉末は、鱗片状粒子、球状粒子どちらでも使用可能であるが、鱗片状粒子でメジアン径は10〜50μmの粉末度のものが、気泡の発生速度が早く、均質な気泡が形成するのに好ましい。また、ステアリン酸などの油脂によって表面コーティングしたもの、脱脂処理したもの、または熱処理・薬品処理によって酸化皮膜が施したもの、他の不活性粒子と混合したものなどが使用可能であるが、3重量%以下で油脂をコーティングしたアルミニウム粉末を単独で用いるか、珪石粉末等の不活性粒子と事前混合したものを使用することができる。
本発明では、硬化後の強度に応じた水比および各粉体の配合割合は変化するが、硬化後の28日材齢の圧縮強度が0.5〜2.5N/mmの場合の配合は、固化材100重量部に対して、水65〜140重量部、粘度調節剤1〜20重量部、界面活性剤0.002〜0.1重量部、発泡材0.02〜0.2重量部が好ましい。特に硬化後の空気量40〜60%、強度1.0N/mmの材料とするには、固化材100重量部に対して、水100〜120重量部、粘度調節剤2〜12重量部、界面活性剤0.003〜0.03重量部、発泡材0.06〜0.16重量部が好ましい。
これらの材料を水と混合攪拌することで界面活性剤の働きにより微細な気泡を10〜30容積%の範囲で起泡させ、フロー値が300〜500mmの高流動性スラリーとする。微細な気泡のベアリング効果によって流動性を増加させるとともに、余剰の水を気泡膜に保持することによって高い水比でもブリージングが発生しないスラリーとなる。混合攪拌で起泡する気泡径は、0.1〜3mmの範囲が好ましく、0.1mm以下の気泡は多くなると流動性が低下する。また3mm以上の気泡では、破泡しやすくなり、気泡が上昇し、上下方向で不均質な材料になるため好ましくない。混合攪拌による起泡量は攪拌条件によっても変わるが、界面活性剤の配合量によって調整が可能である。界面活性剤の配合量が少ないと、必要な攪拌時の起泡量が得られずブリージングが発生する。一方、界面活性剤の配合量が多いと、攪拌時の起泡量が多くなり流動性が低下して好ましくない。
混合攪拌する装置としては、特に限定はないが、ハンドミキサー、グラウトミキサー、スクリューミキサーなどが攪拌中に微細気泡を生成しやすいため好ましい。
スラリーを注入したのちに、発泡材の反応によって発泡し体積膨張するが、界面活性剤により気泡膜を強化し、主に粘度調整材の働きによって得られたスラリー粘度が気泡をスラリー中に保持させることにより高い体積膨張量であっても均質な気泡分布となる。
さらに、粘度調節材、界面活性剤および発泡材を事前混合した粉体物としておくと、製造時の材料の計量や投入の手間数が減るため好ましい。なお、事前混合を行う場合には、界面活性剤は粉末状の材料を用いる。特にアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムの粉末を使用するのが好ましい。
粘度調節材、界面活性剤および発泡材を事前に混合する方法は、特に限定するものではなく、例えば、ドラムミキサー、リボンミキサー、ボールミル、ロッキングミキサー、タンブラーミキサー、オムニミキサー、ヘンシルミキサー、ナウターミキサーなどの設備が使用できる。
また、上記材料の他に、スラグ粉末、石粉、石灰粉末、細骨材、フライアッシュ、焼却灰、泥土などを、粘性・発泡・強度に影響しない範囲で添加することが可能である。例えば、粘度調節材100重量部に対して、スラグ粉末は200重量部以下、石粉、石灰粉末、細骨材は150重量部以下、フライアッシュ、焼却灰・泥土は50重量部以下で添加するのが好ましい。
固化材も粘度調節材、界面活性剤および発泡材と同時に事前混合することも考えられるが、次の理由で好ましくない。(1)固化材の量がその他の材料に対して多く、均質な混合が難しい。(2)固化材は風化などの経時的な劣化があり長期保管ができない。(3)固化材、粘度調節材、界面活性剤、発泡材と長期接触していると、水分のない状態であっても、粘度調節材が膨潤性を失い、界面活性剤の起泡力が著しく低下し、発泡材の反応性も低下するなどの品質低下がおこる。
粘度調節材、界面活性剤、発泡材を事前混合した粉体物(以下、混合粉体という。)を用いる場合、水に混合粉体を投入・攪拌し、次いで固化材を投入してスラリーを作成(以下、先投入という。)しても、水に固化材を投入・攪拌した後、混合粉体を投入してスラリーを作成(以下、後投入という。)しても良い。ただし、粘度調節材としてベントナイトを使用する場合は、後投入では、粘度調節材の配合割合を、先投入の配合割合の2〜3倍にすることが好ましい。後投入の場合、セメントから溶出したカルシウムイオンが存在する水にベントナイトを入れると膨潤性が著しく低下するため、適正なスラリーの粘性が得られずブリージングや固液分離を発生するからである。
次に、本発明に関わる実施例について説明する。
表1に実施例1〜9および比較例1〜9の配合および条件を示す。また、表2にはその結果を示す。
Figure 2016037431

Figure 2016037431
使用した材料は、固化材が普通ポルトランドセメント、粘度調節材が改質ベントナイト、発泡材がメジアン径30μmの鱗片状粒子で脂肪酸1.0%含有のアルミニウム粉末を用いた。界面活性剤は、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム粉末(AOS)および高級アルコール硫酸ナトリウム粉末(HAS)を用いた。
スラリー作成は、ディスク状攪拌羽根を取り付けた1000回転のハンドミキサーを用いた。
表2に示すスラリー真密度は、各材料の真密度および配合重量から求めた計算値である。スラリー密度は、混合攪拌後3分以内にメスシリンダーに一定容積を採取したスラリーの重量を計測して求めた。前記スラリー真密度と前記スラリー密度から、起泡量は、1−(スラリー密度)/(スラリー真密度)によって求められる。また、膨張量は、メスシリンダーに採取したスラリーを静置して、膨張終了時の容積を計測し、(膨張後容積)/(攪拌スラリー容積)で算出した。全空気量は1−(膨張後の密度)/(スラリー真密度)で算出した。圧縮強度は、各条件のスラリーを直径50mm高さ100mmの円筒型枠に流し込み、湿潤密閉状態で28日室温養生したものを供した。
実施例1は、原料の投入順序は水、粘度調節材、界面活性剤、セメント、発泡材の順に攪拌しながら投入しスラリーを作成した。実施例1以外は、粘度調節材、界面活性剤および発泡材を各配合量で事前に混合粉体にしたものを用いた。実施例2および4〜9、比較例2〜8は、先投入で行い、実施例3および比較例1は、後投入でおこなった。また比較例9は、セメント、粘度調節材、界面活性剤、発泡材の粉体原料を事前混合した粉体を密封し、1週間静置したものを用いて製造した。
実施例1では、起泡量15.5%およびフロー値400mmのスラリーが得られ、その後発泡材の反応により1.75倍に膨張した。膨張時にブリージングの発生は見られず、また粗大気泡や脱泡などの不具合も生じず均質な成形体が得られ、圧縮強度は1.36N/mmとなり充填材として十分な強度を有している。
実施例2は、実施例1の配合と同じで混合粉体を用いて作成したものであり、ほぼ実施例1と同様の結果が得られた。
実施例2、3および比較例1、2は、粘度調節材の配合量と投入順序を変えた条件の違いを確認したものである。上記したように、後投入では、粘度調節材の配合量を先投入の約3倍にすると最適な起泡量とフロー値となり、結果として均質な成形体が得られる。
実施例4、5および比較例5、6は水の配合量による影響を調べたものである。水比はセメント100重量部に対して65〜140重量部の範囲とすると起泡量、フロー値の適性値が得られる。
実施例6は界面活性剤として高級アルコール硫酸ナトリウムを使用した条件である。通常の条件では、問題なく製造ができるが、比較例3、4に示すように低温および高温での製造条件になると、極端に起泡量が変わってしまい、その結果ブリージングの発生や発泡時に粗大気泡や脱泡などの不具合を引き起こした。一方、実施例7、8は界面活性剤としてアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムを用いて低温・高温条件で作成したものであるが、この範囲の温度では、起泡量の差がなく、その結果均質な成形体が得られた。
実施例9は、混合粉体の保存による影響を調査したものであり、混合粉体を作成して3ヶ月経過したものを使用した。結果としては、劣化がほとんど見られず良好な成形体が得られた。一方、比較例9に示すように、固化材も含めて事前混合したものを1週間経過後に製造すると、起泡量が極端に低下しておりまたフロー値も550mm以上となり、均質な成形体が得られなかった。これはセメントのアルカリによって界面活性剤が劣化したものと考えられる。
以上のように、各原料の配合割合や製造条件を調整し、混合攪拌したスラリーが10〜30容積%の気泡を含有し、かつフロー値が300〜500mmの範囲にすることで、高流動性を有しながらブリージングが発生せず、その後の膨張において粗大気泡や脱泡、陥没が起こらない均質な充填材を得ることができる。

Claims (5)

  1. 固化材、粘度調節材、界面活性剤および発泡材を水と混合攪拌することにより、10〜30容積%の微細気泡を含有し、かつフロー値が300〜500mmのスラリーとし、前記スラリーが、発泡材の反応によって1.2〜2.2倍まで体積膨張することを特徴とする高流動性軽量充填材の製造方法。
  2. 前記粘度調節材、前記界面活性剤および前記発泡材が事前混合された粉体物であることを特徴とする請求項1記載の高流動性軽量充填材の製造方法。
  3. 前記粘度調節材は、ナトリウム型またはソーダ灰で改質したベントナイトであることを特徴とする請求項1ならびに請求項2記載の高流動性軽量充填材の製造方法。
  4. 前記界面活性剤は、主成分がアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムの粉体であることを特徴とする請求項1ならびに請求項2記載の高流動性軽量充填材の製造方法。
  5. 前記発泡材は、3重量%以下の油脂で被覆されたメジアン径が10〜40μmのアルミニウム粉末が主成分であることを特徴とする請求項1ならびに請求項2記載の高流動性軽量充填材の製造方法。

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