JP5754623B2 - 可塑化グラウトの打設方法、及び可塑化グラウトの製造方法 - Google Patents

可塑化グラウトの打設方法、及び可塑化グラウトの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、グラウト、グラウトの製造方法、可塑化グラウトの打設方法、及び可塑化グラウトの製造方法に関する。
従来、セメント、水、及び必要に応じて混和剤を含有するグラウト(セメントミルク、モルタル、コンクリート等)を打設する際に、地形の関係等により打設現場付近にグラウトの混練機(ミキサー車等)を設置できず、該混練機の設置場所と打設現場との間が離れている場合(例えば、トンネルの背面空洞充填工事を実施する際等)には、該設置場所から打設現場まで管を介してポンプによりグラウトを圧送することが行われている(例えば、特許文献1)。
例えば、グラウトたるA液と、可塑化材(ベントナイト、アタパルジャイト等)を水に混濁した可塑化液たるB液とを別々に圧送して、打設現場で混合して可塑化グラウトを打設することが行われている(例えば、特許文献2〜5)。
特開2008−308837号公報 特開平11−310779号公報 特開2001−335779号公報 特開2003−82653号公報 特開2003−261941号公報
しかしながら、圧送する距離(輸送距離)が長い(例えば、1〜3km)場合、管内にグラウトが滞留する時間が長くなり、圧送されている間にグラウト中の水とセメントとが分離してしまうという問題がある。
そして、その結果、この分離により沈殿したセメントによって、管内が閉塞されてしまう虞がある。また、この分離により水分の割合が高くなったグラウトが打設されることによって、打設し硬化された硬化体が強度の低いものとなってしまう虞もある。
また、グラウトは、圧送時におけるエネルギー負荷を低減するという観点からは、圧送中は粘度が低く保たれていること、すなわち、粘度が低く保たれやすいことが望まれる。
本発明は、上記問題点及び要望点に鑑み、水とセメントとが分離し難く、且つ粘度が低く保たれやすいグラウトを提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、グラウトは、ベントナイトを所定量以上含有することにより、水とセメントとが分離し難いことを見出した。また、グラウトは、ベントナイトを所定量以下含有することにより、粘度が低く保たれやすいことを見出した。そして、これらを見出したことによって、本発明を想到するに至った。
即ち、本発明は、セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られ、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.05〜1.2質量部含有することを特徴とするグラウトにある。
斯かる発明によれば、セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られ、水100質量部に対して前記ベントナイトを0.05質量部以上含有することにより、水とセメントとが分離し難くなる。そして、本発明のグラウトは水とセメントとが分離し難いため、本発明のグラウトを管で圧送した場合、管が閉塞し難いという利点がある。また、管で圧送して打設しても、得られた硬化体が部分的に強度の低いものとなる虞も低いという利点がある。
また、セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られ、水100質量部に対して前記ベントナイトを1.2質量部以下含有することにより、粘度が低く保たれやすい。そして、本発明のグラウトは、粘度が低く保たれやすいため、本発明のグラウトを管で圧送した場合、エネルギー効率良く圧送することができるという利点がある。
すなわち、グラウトは、セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られるグラウトである場合には、水100質量部に対して前記ベントナイトを1.2質量部よりも多く含有すると、水とセメントとがより一層分離し難くなり得るが、一方で、時間経過とともに粘度が高くなり過ぎてしまう。その結果、このグラウトは、管で圧送し難くなり、圧送にされるグラウトとして使用不可能となる。
さらに、前記第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られることにより、前記第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られるグラウトに比して、ベントナイトの量が少なくても、水とセメントとの分離が抑制されやすいことから、ベントナイトの使用量が抑制されるという利点もある。
また、本発明は、セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られ、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.5〜3.0質量部含有することを特徴とするグラウトにある。
斯かる発明によれば、セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られ、水100質量部に対して前記ベントナイトを0.5質量部以上含有することにより、水とセメントとが分離し難くなる。そして、本発明のグラウトは水とセメントとが分離し難いため、本発明のグラウトを管で圧送した場合、管が閉塞し難いという利点がある。また、管で圧送して打設しても、得られた硬化体が部分的に強度の低いものとなる虞も低いという利点がある。
また、セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られ、水100質量部に対して前記ベントナイトを3.0質量部以下含有することにより、粘度が低く保たれやすい。そして、本発明のグラウトは、粘度が低く保たれやすいため、本発明のグラウトを管で圧送した場合、エネルギー効率良く圧送することができるという利点がある。
すなわち、グラウトは、セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られるグラウトである場合には、水100質量部に対して前記ベントナイトを3.0質量部よりも多く含有すると、水とセメントとがより一層分離し難くなり得るが、一方で、時間経過とともに粘度が高くなり過ぎてしまう。その結果、このグラウトは、管で圧送し難くなり、圧送されるグラウトとして使用不可能となる。
さらに、本発明は、前記グラウトをA液として圧送し、可塑化材及び水が混合されたB液を圧送し、圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを得、該可塑化グラウトを打設する可塑化グラウトの打設方法にある。
また、本発明は、前記グラウトをA液として圧送し、可塑化材及び水が混合されたB液を圧送し、圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを作製する可塑化グラウトの製造方法にある。
さらに、本発明は、セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.05〜1.2質量部含有するグラウトを得ることを特徴とするグラウトの製造方法にある。
また、本発明は、セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.5〜3.0質量部含有するグラウトを得ることを特徴とするグラウトの製造方法にある。
本発明によれば、水とセメントとが分離し難く、且つ粘度が低く保たれやすいグラウトを提供し得る。
そして、本発明のグラウトは、水とセメントとが分離し難いため、本発明のグラウトを管で圧送した場合、管が閉塞し難いという利点がある。また、管で圧送して打設しても、得られた硬化体が部分的に強度の低いものとなる虞も低いという利点がある。
また、本発明のグラウトは、粘度が低く保たれやすいため、本発明のグラウトを管で圧送した場合、エネルギー効率良く圧送することができるという利点もある。
実機短距離圧送試験の圧送装置の概略図。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態のグラウトについて説明する。
第1実施形態のグラウトは、セメント、水、及びベントナイトを含有してなる。
なお、ベントナイトは、モンモリロナイト鉱物を主成分とする粘土である。
前記セメントとしては、普通、高炉、早強、超早強、白色、耐硫酸塩、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメントや、ジェットセメント、アルミナセメントなどの特殊セメント等の少なくとも何れか1種を挙げることができる。
また、本発明のグラウトは、本発明の効果が損なわれない範囲内で、混和材や混和剤を含有してもよい。
前記混和材としては、シリカフューム、フライアッシュ等が挙げられる。
前記混和剤としては、減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等が挙げられる。
また、第1実施形態のグラウトは、セメント100質量部に対して、水を、具体的には40〜100質量部、より具体的には50〜80質量部含有する。
さらに、第1実施形態のグラウトは、セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られるグラウトである。
また、第1実施形態のグラウトは、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.05〜1.2質量部、好ましくは0.1〜1.0質量部、より好ましくは0.2〜0.8質量部含有する。
水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.05質量部以上含有することにより、第1実施形態のグラウトは、水とセメントとが分離し難くなるという利点がある。また、水100質量部に対して、前記ベントナイトを1.2質量部以下含有することにより、第1実施形態のグラウトは、粘度が低く保たれやすいという利点がある。
第1実施形態のグラウトは、上記の如く構成されてなるが、次に、第1実施形態のグラウトの製造方法について説明する。
第1実施形態のグラウトの製造方法では、セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合してグラウトを得る。
具体的には、第1実施形態のグラウトの製造方法では、セメント及び水を混合して第1混合液を得る第1混合液作製工程と、ベントナイトと水とを混合して第2混合液を得る第2混合液作製工程と、前記第1混合液及び前記第2混合液を混合してグラウトを得るグラウト作製工程とを実施する。
前記第1混合液作製工程では、セメント100質量部に対して、水が、具体的には40〜200質量部、より具体的には50〜80質量部となるように、第1混合液を作製する。
前記第2混合液作製工程では、ベントナイトと、水と、必要に応じて分散剤とを混合して、第2混合液を得る。
前記第2混合液作製工程では、水100質量部に対して、ベントナイトが、具体的には5〜25質量部、より具体的には10〜20質量部となるように、第2混合液を作製する。
前記第2混合液作製工程で用いる分散剤としては、水溶性カルボン酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
該水溶性カルボン酸塩としては、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、グルコン酸等のナトリウム塩や、これらの酸のカリウム塩等が挙げられる。
該スルホン酸塩としては、リグニン系スルホン酸塩、ナフタレン系スルホン酸塩、メラミン系スルホン酸塩等が挙げられる。
前記分散剤として、水溶性カルボン酸塩を用いることが好ましく、なかでもポリカルボン酸塩を用いることが特に好ましい。
また、前記第2混合液作製工程では、ベントナイト100質量部に対して、分散剤が、具体的には0.2〜3.0質量部、より具体的には0.5〜2.0質量部となるように、第2混合液を作製する。
前記グラウト作製工程では、セメント100質量部に対して、水が、具体的には40〜100質量部、より具体的には50〜80質量部となるように、グラウトを作製する。
さらに、前記グラウト作製工程では、水100質量部に対して、前記ベントナイトが0.05〜1.2質量部、好ましくは0.1〜1.0質量部、より好ましくは0.2〜0.8質量部となるように、グラウトを作製する。
水100質量部に対して、ベントナイトを0.05質量部以上含有することにより、得られるグラウトは、水とセメントとが分離し難くなるという利点がある。また、水100質量部に対して、ベントナイトを1.2質量部以下含有することにより、得られるグラウトは、粘度が低く保たれやすいという利点がある。
第1実施形態のグラウト、及び第1実施形態のグラウトの製造方法は、上記の如く構成されてなるが、次に、第1実施形態の可塑化グラウトの打設方法について説明する。
第1実施形態の可塑化グラウトの打設方法では、第1実施形態のグラウトをA液として管で圧送するA液圧送工程と、可塑化材と水とが混合されたB液を、前記管と別の管で圧送するB液圧送工程と、圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを得るAB混合工程と、該可塑化グラウトを打設する打設工程とを実施する。
前記B液に含有される可塑化材としては、アタパルジャイト、ベントナイト等が挙げられる。該アタパルジャイトは、一般にSi8 2 OMg5 (OH)2 (OH2 4 ・H2 Oの化学式で表される含水マグネシウム珪酸塩鉱物である。
また、該可塑化材としては、ベントナイトが好ましい。A液の作製の際にベントナイトと水とを混練する混練設備を、B液の作製の際にも利用することが可能となり、別途B液のための混練施設を準備する必要がなくなるという利点があるからである。
また、前記B液圧送工程では、前記可塑化材と、水と、必要に応じて分散剤とを混合して、B液を得る。
さらに、前記B液圧送工程では、水100質量部に対して、前記可塑化材が、具体的には0.2〜2.0質量部、より具体的には0.5〜1.0質量部となるように、B液を作製する。
前記B液圧送工程で用いる分散剤としては、リン酸塩、水溶性カルボン酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
該リン酸塩としては、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。
該水溶性カルボン酸塩としては、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、グルコン酸等のナトリウム塩や、これらの酸のカリウム塩が挙げられる。
該スルホン酸塩としては、リグニン系スルホン酸塩、ナフタレン系スルホン酸塩、メラミン系スルホン酸塩等が挙げられる。
前記B液に含有される可塑化材がベントナイトである場合には、前記B液圧送工程で用いる分散剤としては、水溶性カルボン酸塩を用いることが好ましく、なかでもポリカルボン酸塩を用いることが特に好ましい。
前記B液に含有される可塑化材がアタパルジャイトである場合には、前記B液圧送工程で用いる分散剤としては、リン酸塩を用いることが好ましく、なかでもピロリン酸ナトリウムを用いることが特に好ましい。
また、前記B液圧送工程では、前記可塑化材100質量部に対して、分散剤が、具体的には0.2〜2.0質量部、より具体的には0.5〜1.0質量部となるように、B液を作製する。
前記AB混合工程では、具体的には、A液とB液とを、体積比でA液:B液が1:0.8〜1:4、より具体的には1:1.5〜1:3となるように混合する。
また、前記AB混合工程では、セメント100質量部に対して、水が、具体的には50〜300質量部、より具体的には80〜250質量部となるように、可塑化グラウトを作製する。
第1実施形態のグラウト、第1実施形態のグラウトの製造方法、及び第1実施形態の可塑化グラウトの打設方法は、上記の如く構成されてなるが、第1実施形態の可塑化グラウトの製造方法は、前記A液圧送工程と、前記B液圧送工程と、前記AB混合工程とを実施して、可塑化グラウトを得る方法である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のグラウト、グラウトの製造方法、及び可塑化グラウトの打設方法について説明する。
なお、第1実施形態と重複する説明は省略し、第2実施形態で特に説明がないものは、第1実施形態で説明したものと同じ内容とする。
第2実施形態のグラウトは、セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られるグラウトである。
「前記第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合する」とは、「水と混合させていない状態のベントナイトを前記第1混合液に混合する」ことを意味する。
また、第2実施形態のグラウトは、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.5〜3.0質量部、好ましくは1.0〜2.0質量部含有する。
水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.5質量部以上含有することにより、第1実施形態のグラウトは、水とセメントとが分離し難くなるという利点がある。また、水100質量部に対して、前記ベントナイトを3.0質量部以下含有することにより、第1実施形態のグラウトは、粘度が低く保たれやすいという利点がある。
第2実施形態のグラウトは、上記の如く構成されてなるが、次に、第2実施形態のグラウトの製造方法について説明する。
第2実施形態のグラウトの製造方法では、セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合してグラウトを得る。
具体的には、第2実施形態のグラウトの製造方法では、セメント及び水を混合して第1混合液を得る第1混合液作製工程と、前記第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合してグラウトを得るグラウト作製工程とを実施する。
前記グラウト作製工程では、水100質量部に対して、前記ベントナイトが0.5〜3.0質量部、好ましくは1.0〜2.0質量部となるように、グラウトを作製する。
水100質量部に対して、ベントナイトを0.5質量部以上含有することにより、得られるグラウトは、水とセメントとが分離し難くなるという利点がある。また、水100質量部に対して、ベントナイトを3.0質量部以下含有することにより、得られるグラウトは、粘度が低く保たれやすいという利点がある。
第2実施形態のグラウト、及び第2実施形態のグラウトの製造方法は、上記の如く構成されてなるが、次に、第2実施形態の可塑化グラウトの打設方法について説明する。
第2実施形態の可塑化グラウトの打設方法では、第2実施形態のグラウトをA液として管で圧送するA液圧送工程と、可塑化材と水とが混合されたB液を、前記管と別の管で圧送するB液圧送工程と、圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを得るAB混合工程と、該可塑化グラウトを打設する打設工程とを実施する。
第2実施形態のグラウト、第2実施形態のグラウトの製造方法、及び第2実施形態の可塑化グラウトの打設方法は、上記の如く構成されてなるが、第2実施形態の可塑化グラウトの製造方法は、前記A液圧送工程と、前記B液圧送工程と、前記AB混合工程とを実施して、可塑化グラウトを得る方法である。
尚、第1、第2実施形態のグラウト、グラウトの製造方法、及び可塑化グラウトの打設方法は、上記構成を有するものであったが、本発明のグラウト、グラウトの製造方法、及び可塑化グラウトの打設方法は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
例えば、本発明のグラウト(A液)は、本発明の効果が損なわれない範囲内であれば、粗骨材、細骨材を含有してもよい。
該粗骨材、及び該細骨材としては、JIS A 5308の規定に従ったものを好適に使用しうるが、粗骨材、及び細骨材の材質は、本発明の効果が損なわれない範囲内であれば、特に限定されるものはない。また、粗骨材、及び細骨材の材質としては、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、珪砂等を1種単独又は2種以上混合したものをそれぞれ採用することができる。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
なお、以下に示すベントナイトの量は、他の鉱物が混ざっていないベントナイト100質量%に換算した値を意味する。
<配合1〜18のグラウトの作製>
まず、ベントナイト、水、及び分散剤としての水溶性カルボン酸塩を表1に示す配合割合で混合し、第2混合液としてのベントナイト泥水1、2を得た。
Figure 0005754623
また、高炉セメント、水、及び混和剤としてのポリカルボン酸を表2の配合割合で混合し、第1混合液を得た。
次に、表2に示す配合割合で、第1混合液と第2混合液とを混合し、配合2〜13のグラウト(A液)を得た。また、表2に示す配合割合で、第1混合液にベントナイトを粉体状のまま混合し、配合14〜18のグラウト(A液)を得た。さらに、第1混合液自体を配合1のグラウト(A液)として用いた。
Figure 0005754623
そして、配合1〜18のグラウトを用いて、下記試験を実施した。
<粘度>
配合1〜18のグラウトを作製した直後(混練直後)に、及び作製してから3時間後に、それぞれ配合1〜18のグラウトの粘度を測定した。粘度は、ビスコテスター(回転粘度計)により測定した。
<簡易沈降試験>
配合1〜18のグラウトを作製した直後(混練直後)に、それぞれ配合1〜18のグラウトの密度を測定した。また、配合1〜18のグラウトを作製した直後に、配合1〜18のグラウトをそれぞれ塩化ビニル製の円筒状容器(寸法:φ4cm×h58cm)に詰め、詰めてから3時間後に、容器の上部(容器上端から0〜19cmの間)、中部(容器上端から19〜38cmの間)、下部(容器上端から38〜58cmの間)の位置からグラウト試料を採取し、各試料の密度を測定した。密度は、196.35mLの容器にグラウトを詰め、容器を含めたグラウトの質量を測定し、該質量から容器の質量を差し引いて、グラウトの質量を求め、そして、この質量を容器内の体積で割ることによって求めた。
上記試験の結果を表3に示す。なお、表3に示す評価は、下記基準をもとに判断した。
本発明の範囲(△):作製直後のグラウトの密度と、容器に詰めてから3時間後に上部、中部、及び下部から採取したグラウトの密度との差が全て±0.1g/cm3 以下で、且つ作製してから3時間後のグラウトの粘度が2.0dPa・s以下であった配合。
好ましい範囲(○):作製直後のグラウトの密度と、容器に詰めてから3時間後に上部、中部、及び下部から採取したグラウトの密度との差が全て±0.05g/cm3 以下で、且つ作製してから3時間後のグラウトの粘度が1.8dPa・s以下であった配合。
より好ましい範囲(◎):作製直後のグラウトの密度と、容器に詰めてから3時間後に上部、中部、及び下部から採取したグラウトの密度との差が全て±0.03g/cm3 以下で、且つ作製してから3時間後のグラウトの粘度が1.5dPa・s以下であった配合。
(×):△、○、◎の評価となる範囲から外れた配合。
Figure 0005754623
<配合19、20のグラウトの作製>
上記配合1〜18のグラウトと同様に、下記表4の配合のベントナイト泥水を作製し、このベントナイト泥水を用いて下記表5の配合19、20のグラウトを作製した。
Figure 0005754623
Figure 0005754623
<実機短距離圧送試験1>
管(ホース)1(径:2インチ、断面積:19.8cm2 )を介してポンプ(モーノポンプ)2により配合19、20のグラウトをそれぞれ圧送した(図1)。圧送距離は60m、体積流量は約1L/min、圧送時間は130分、圧送した全容量は120Lで行った。
そして、作製した直後(混練直後)のグラウト、20m先に圧送されたグラウト(圧送開始後45分)、40m先に圧送されたグラウト(圧送開始後90分)、60m先に圧送されたグラウト(圧送開始後130分)の密度を配合19、20それぞれに対して測定した。密度は、196.35mLの容器にグラウトを詰め、容器を含めたグラウトの質量を測定し、該質量から容器の質量を差し引いて、グラウトの質量を求め、そして、この質量を容器内の体積で割ることによって求めた。結果を表6に示す。
Figure 0005754623
本発明の範囲内の配合20(実施例)のグラウトは、ベントナイトを含有しない従来タイプの配合19(比較例)に比して、圧送過程でも密度がほとんど変わらなかった。よって、本発明の範囲内の配合20(実施例)のグラウトは、分離し難いことが明らかとなった。
<配合21、22のグラウトの作製>
上記配合19、20のグラウトと同様に、上記表4のベントナイト泥水を作製し、このベントナイト泥水を用いて、下記表7の配合21、22のグラウト(A液)を作製した。
Figure 0005754623
<実機短距離圧送試験2>
実機短距離圧送試験1と同様な条件で、配合21、22のグラウト(A液)をそれぞれ圧送した。
そして、20m先に圧送されたグラウト(A液)(圧送開始後45分)、40m先に圧送されたグラウト(A液)(圧送開始後90分)、60m先に圧送されたグラウト(A液)(圧送開始後130分)をそれぞれ採取した。
次に、この採取したグラウト(A液)、及び作製した直後(混練直後)グラウト(A液)と、下記表8に示すB液とを、B液100質量部に対してA液83質量部となるように混合して、グラウトを得た。そして、該グラウトを打設して、φ5cm×10cmの供試体を作製し、供試体の圧縮強度、及び密度を測定した。圧縮強度は、土の一軸圧縮試験(JIS A 1216)に準拠して測定した。また、密度は、196.35mLの容器にグラウトを詰め、容器を含めたグラウトの質量を測定し、該質量から容器の質量を差し引いて、グラウトの質量を求め、そして、この質量を容器内の体積で割ることによって求めた。結果を表9に示す。
Figure 0005754623
Figure 0005754623
表9に示すように、本発明の範囲内の配合22のグラウト(実施例)をA液として用いて圧送後B液と混合して得た供試体は、配合21(比較例)を用いた場合に比して、圧送されても、供試体の圧縮強度が高く、また、供試体の密度が高い値を示した。
1:管(ホース)、2:ポンプ(モーノポンプ)

Claims (8)

  1. セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られ、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.05〜1.2質量部含有するA液を圧送し、
    可塑化材及び水が混合されたB液を圧送し、
    圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを得、該可塑化グラウトを打設する可塑化グラウトの打設方法。
  2. セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られ、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.5〜3.0質量部含有するA液を圧送し、
    可塑化材及び水が混合されたB液を圧送し、
    圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを得、該可塑化グラウトを打設する可塑化グラウトの打設方法。
  3. 前記A液と前記B液とが混合される前に、前記A液を管で長距離圧送する請求項1又は2に記載の可塑化グラウトの打設方法
  4. 前記A液を前記管で圧送する距離が1〜3kmである請求項3に記載の可塑化グラウトの打設方法
  5. セメント及び水を含有する第1混合液と、ベントナイト及び水を含有する第2混合液とを混合して得られ、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.05〜1.2質量部含有するA液を圧送し、
    可塑化材及び水が混合されたB液を圧送し、
    圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを作製する可塑化グラウトの製造方法。
  6. セメント及び水を含有する第1混合液に、ベントナイトを粉体状のまま混合して得られ、水100質量部に対して、前記ベントナイトを0.5〜3.0質量部含有するA液を圧送し、
    可塑化材及び水が混合されたB液を圧送し、
    圧送したA液とB液とを混合して可塑化グラウトを作製する可塑化グラウトの製造方法。
  7. 前記A液と前記B液とが混合される前に、前記A液を管で長距離圧送する請求項5又は6に記載の可塑化グラウトの製造方法。
  8. 前記A液を前記管で圧送する距離が1〜3kmである請求項7に記載の可塑化グラウトの製造方法。
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