JP2013170100A - プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤 - Google Patents

プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤 Download PDF

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Abstract

【課題】セメント硬化物中での乾燥収縮低減効果も高く、強度低下に与える影響も小さく、粉砕時の粉砕機への付着量、運搬、保存時の荷重がかかった際の塊状部が少ないプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を提供する。
【解決手段】プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤は、式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物からなる。RO−(EO)−((AO)/(EO))−X−O−((AO)/(EO))−(EO)−R ・・・・ (1)
(Xは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、AOは、直鎖状の炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、EOは、オキシエチレン基であり、RおよびRはそれぞれ互いに独立しており、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、 aおよびcは、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、b、d、mおよびnは、それぞれ、EOの平均付加モル数であり、(AO)と(EO)、(AO)と(EO)の付加形態はランダム状であり、a+c=3〜12、b+d=7〜22、m+n=80〜210、16≦(a+c)+(b+d)≦25、0.15≦(a+c)/(b+d)≦1.40および0.10≦(a+c+b+d)/(m+n)≦0.25の関係を満足する。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤に関するものである。
セメント製品の耐久性を損なう最大の原因はひび割れであり、ひび割れの改修や補修にはプレミックスセメントが使用されている。プレミックスセメントとは、セメントや砂等の粉体、粉体状に加工した各種添加剤を予め均一に配合しておき、そこに適量の水を計量し、添加するだけで使用可能となるセメント製品である。
ひび割れ発生原因の一つが乾燥収縮であるため、プレミックスセメントに均一配合可能な種々の粉体状乾燥収縮低減剤が開発されている。乾燥収縮低減剤には液体状のものもあるが、液体状であると配合時に塊状物が生じてしまい、プレミックスモルタル中に均一に配合できず、充分な性能が発現されない可能性があるため、粉体状乾燥収縮低減剤が用いられている。
粉体状乾燥収縮低減剤としては、ポリエチレングリコール(例えば、特許文献1)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(例えば、特許文献2)が開示されている。
しかし、開示されているポリエチレングリコールは、セメント硬化物中での乾燥収縮低減効果は十分なものではなかった。また、プレミックスセメント中に均一に分散するためには粉体状である必要があるが、開示されているポリエチレングリコールは、塊状から粉体状に粉砕機で粉砕化する際に、粉砕時の摩擦熱により一部が融解し、粉砕機に付着するために、歩留りが低下するという問題があった。一方で、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールは、セメント硬化物中での乾燥収縮低減性能に関しては優れているが、強度低下が大きいといった問題があった。また、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールの粉砕物に荷重をかけると粉砕物が固着し一部が塊状となるため、運搬、保存時の荷重により一部が塊状になり、セメントなどの粉体と混合する際に均一に混合されず、安定して性能発現されない問題もあった。
また粉砕とは別法から製造された粉体状乾燥収縮低減剤として、吸油性粉状体に、液体状乾燥収縮低減剤を吸着した吸着型粉体状乾燥収縮低減剤が挙げられる(例えば、特許文献3)。これら吸着型粉体状乾燥収縮低減剤は、セメント硬化物中での乾燥収縮低減性能に関しては優れている。しかし、これら吸着型粉体状乾燥収縮低減剤は、荷重をかけると液体状乾燥収縮低減剤がブリーディングするため、プレミックスセメン中に分散した際に塊状物が生じ、均一に配合できず、性能発現されない場合があるといった問題があった。
特開平9−301758 特開平6−72748 特開平2−16754
本発明の課題は、セメント硬化物中での乾燥収縮低減効果も高く、強度低下に与える影響も小さく、粉砕時の粉砕機への付着量、運搬、保存時の荷重がかかった際の塊状部が少ないプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を提供することである。
すなわち、本発明は、
[1] 式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物からなることを特徴とする、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤である。

O−(EO)−((AO)/(EO))−X−O−
((AO)/(EO))−(EO)−R ・・・・ (1)

(式(1)中、
Xは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、
AOは、直鎖状の炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、
EOは、オキシエチレン基であり、
およびRはそれぞれ互いに独立しており、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、
aおよびcは、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、
b、d、mおよびnは、それぞれ、EOの平均付加モル数であり、
(AO)と(EO)、(AO)と(EO)の付加形態はランダム状であり、
a+c=3〜12、
b+d=7〜22、
m+n=80〜210、
16≦(a+c)+(b+d)≦25、
0.15≦(a+c)/(b+d)≦1.40および
0.10≦(a+c+b+d)/(m+n)≦0.25の関係を満足する。)
[2] 式(1)におけるAOが、オキシテトラメチレン基であり、a+c=6〜10、b+d=9〜16、17≦(a+c)+(b+d)≦23かつ0.40≦(a+c)/(b+d)≦0.90である。
[3] 式(1)におけるXが、1,4−ブチレン基であることを特徴とする。
[4] 式(1)におけるRおよびRがそれぞれ水素原子である。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤は、セメント硬化物中での乾燥収縮低減効果も高く、強度低下に与える影響も小さく、粉砕時に粉砕機への付着量が少ないため歩留りも良く、運搬、保存時に荷重がかかった際も塊状にならないため、プレミックスセメント中に均一に混合できるために性能のバラつきを抑制することができる。
式(1)において、Xは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、炭素数2〜4のアルカンジオールから2つの水酸基を除いた残基である。
Xを構成するアルキレン基としては、1,2−エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、2,3−ブチレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基であり、より好ましくは1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基であり、特に好ましくは1,4−ブチレン基である。
あるいは、Xを生成する前記アルカンジオールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールであり、より好ましくは1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールであり、特に好ましくは1,4−ブタンジオールである。
式(1)において、AOは、直鎖状の炭素数3〜4のオキシアルキレン基1種または2種以上からなる。直鎖状の炭素数3〜4のオキシアルキレンとしては、1,3−オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などを挙げることができ、特に好ましくはオキシテトラメチレン基である。炭素数3〜4のオキシアルキレンが直鎖状ではなく、分岐構造を有していると、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の固体性が低下するため、好ましくない。
EOは、オキシエチレン基である。
aおよびcは、AOの平均付加モル数である。本発明の観点からa+c=3〜12、好ましくはa+c=4〜11、より好ましくはa+c=6〜10であり、特に好ましくは7〜9である。
b、d、mおよびnは、EOの平均付加モル数である。
本発明の観点から、b+d=7〜22、好ましくはb+d=7〜19、より好ましくはb+d=9〜16、特に好ましくは10〜14である。
また、本発明の観点から、m+n=80〜210であり、好ましくはm+n=80〜180であり、より好ましくはm+n=80〜160である。m+nが80未満の場合、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の固体性が低下するので好ましくなく、m+nが210を超えると粘度が高くなり製造が困難になるため好ましくない。
式(1)において、(AO)/(EO)、(AO)/(EO)の付加形態は、それぞれランダム状である。(AO)/(EO)、(AO)/(EO)の付加形態がブロック状になると、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減を使用した際の空気連行性が高くなるので好ましくない。
a+c、b+dの関係は、16≦(a+c)+(b+d)≦25かつ0.15≦(a+c)/(b+d)≦1.40である。より好ましくは、17≦(a+c)+(b+d)≦24であり、更に好ましくは、17≦(a+c)+(b+d)≦23であり、特に好ましくは18≦(a+c)+(b+d)≦22である。また、より好ましくは、0.25≦(a+c)/(b+d)≦1.20であり、更に好ましくは0.40≦(a+c)/(b+d)≦0.90であり、特に好ましくは0.50≦(a+c)/(b+d)≦0.80である。
(a+c)+(b+d)が25を超え、(a+c)/(b+d)が1.40を超えると、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の固体性が低下する。また、(a+c)+(b+d)が16未満、(a+c)/(b+d)が0.15未満となると、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の乾燥収縮低減性能が低下する。
a+c+b+d、m+nの関係は、0.10≦(a+c+b+d)/(m+n)≦0.25であり、0.12≦(a+c+b+d)/(m+n)≦0.24が更に好ましい。(a+c+b+d)/(m+n)が0.25を超えると、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の固体性が低下するので好ましくなく、一方、0.10未満となると、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の乾燥収縮低減性能が低下するので好ましくない。
式(1)において、RおよびRはそれぞれ互いに独立しており、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。炭素数1〜4の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基があり、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、水素原子、メチル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
本発明の式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物は、公知の方法で製造することができる。例えば、アルカンジオールに、ルイス酸触媒下、炭素数3〜4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基をランダム状に付加重合し、さらにそこにオキシエチレン基を付加重合することで得ることができる。
ルイス酸触媒としては例えば四塩化スズ、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジノルマル−ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素酢酸錯体等の三フッ化ホウ素化合物などが挙げられる。触媒の添加量は、式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物および反応に供したアルキレンオキシドの総質量に対して0.01〜10質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。
アルキレンオキシドを付加重合する際の温度としては、−20〜70℃であり、好ましくは10〜70℃である。ポリオキシアルキレン化合物は、中和前に使用しても、中和後に使用しても、中和後に生じた塩や触媒の除去後に使用しても良い。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の粉体化方法としては、塊状で粉砕化しても、融解または溶液に溶解した液状でスプレーしてもよい。粉砕化は、ディスクミル、ローラーミル、カッターミル、ハンマーミル、アトマイザー、ピンミル、スーパーミキサー、ジェットミルなどの機械的処理を行う方法で行うことができ、スプレーはスプレークーラー、スプレードライなどの機械的処理を行う方法で行うことができる。粉体化し、得られた粉体の質量基準のメディアン径は、30〜500μmであり、より好ましくは50〜150μmであり、得られた粉体の粒径は1,000μm以下であり、より好ましくは500μm以下であり、さらに好ましくは300μm以下である。
プレミックスセメントとしては、セメント、他の粉体状添加剤を混合したものやセメント、細骨材、他の粉体状添加剤を混合したものなどが挙げられ、プレミックスセメントに本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を混合し、使用することができる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を適用することができるセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、中庸熱及び耐硫酸塩等のポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、エコセメント、アルミナセメント、白色セメントなどが挙げられる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を適用することができる骨材としては、通常のモルタルに使用できるものであれば特に限定されるものではなく、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、ケイ砂、再生骨材及び人工軽量骨材等の細骨材やスラグ、石炭灰が挙げられる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤は、効果を阻害しない範囲で、他の粉体状添加剤と併用し、使用することができる。他の粉体状添加剤としては、減水剤、AE剤、AE減水剤、消泡剤、凝結遅延剤、他の乾燥収縮低減剤、凝結促進剤、撥水剤、防水剤、膨張剤、流動化剤、起泡剤、保水剤、増粘剤、防水剤、ポリマー混和材、繊維等が挙げられる。減水剤としては例えば、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、リグニンスルホン酸の塩、芳香族アミノスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩、ポリカルボン酸系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤の塩などを挙げることができる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の使用量は特に限定されないが、セメント100質量部に対し0.05〜20質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.5〜8質量部である。この範囲とすることで、セメント硬化物の乾燥収縮を抑制する効果が一層高く、強度も高くなる。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤をプレミックスセメントに混合したものに水を添加することで、プレミックスセメント組成物として使用することができる。プレミックスセメント組成物における水セメント比は、配合用途に応じて定めることができるが、例えば10〜75質量%で使用することができる。
セメント配合物における細骨材の量は、配合用途に応じて定めることができるが、セメント100質量部に対して50〜500質量部が好ましい。
本発明のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を使用したプレミックスモルタルは、左官材、床材、屋根材、壁材、断面修復材、グラウト材、セルフレベリング材などの土木、建築用途で使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に説明する。なお、式(1)で示される化合物を表1に示す。
(製造例1)
1,4−ブタンジオール35gと三フッ化ホウ素エチルエーテル3.9gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら50℃、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)にて、エチレンオキシド205.5gとテトラヒドロフラン224.0gの混合物を圧入し、1時間撹拌した。続いて50℃、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)にてエチレンオキシド1472.9gを圧入し、1時間撹拌した。その後オートクレーブより反応物を取り出し、炭酸ナトリウム水溶液で処理した後、含有する水分を除去した。さらに処理後生成した塩を除去し、目的物を得た。
(製造例2)
1,4−ブタンジオール22.5gと三フッ化ホウ素エチルエーテル4.0gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら50℃、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)にて、エチレンオキシド132.1gとテトラヒドロフラン144.0gの混合物を圧入し、1時間撹拌した。続いて50℃、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)にてエチレンオキシド1695.6gを圧入し、1時間撹拌した。その後オートクレーブより反応物を取り出し、炭酸ナトリウム水溶液で処理した後、含有する水分を除去した。さらに処理後生成した塩を除去し、目的物を得た。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
(プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の粉砕方法および粉砕機への付着量測定試験方法)
塊状のプレミックスセメント用乾燥収縮低減剤をそれぞれピンミルで粉砕し、公称目開き180μmのふるいを通過させ、目的とするプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を得た。粉砕後の粉砕機への付着物を掻き落とし、粉砕機への付着量を測定した。粉砕を行った塊状のプレミックスモルタル用乾燥収縮低減剤の全量に対し、粉砕機への付着量が10質量%を超えるものを「×」、10質量%以下であるものを「○」とした。結果を表2に示す。得られた100gのプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤をJISZ8801−1(試験用ふるい 第1部:金属製網ふるい)に規定された試験用ふるいで、振とう機を使用して5分間振とう、ふるい分けを行い、各ふるいに残った試料質量から粒度分布曲線を作成、質量基準のメディアン径を求めたところ、100μmであった。
(粉砕後のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤の荷重試験方法)
得られたプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤をポリエチレンからなる10cm×20cmの袋に100g入れ、温度20±2℃、湿度60±5%で16kgの荷重をかけた。荷重をかけてから7日後のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤に塊状部があるものを「×」、塊状部がないものを「○」とした。結果を表2に示す。
(モルタルの調整方法)
得られたプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤を用いて、セメント組成物を調整した。調製方法はJIS R5201(セメントの物理試験方法)記載のモルタルミキサにセメント[普通ポルトランドセメント]600g、細骨材[6号ケイ砂]1,200g、表2で示されるプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤12.0g、及び消泡剤(シュドックスDEF-001-CS 日油(株)製)0.1gを秤取り、JIS A 1171に準拠し、セメント組成物を調製した。調製したセメント組成物の単位容積質量とプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤無添加時の単位容積質量と比較した単位容積質量比(%)を表2に示す。また、これらのセメント組成物の温度は21±2℃であることを確認した。これらの操作を繰り返し、一方のセメント組成物を用いて長さ変化試験を行い、もう一方のセメント組成物を用いて圧縮強度試験を行った。
(フロー試験)
フロー試験は、調製したセメント組成物を用いて、JIS R5201(セメントの物理試験方法)に示される、上端内径70mm、下端内径100mm、高さ60mmの円錐形状のフローコーンを使用し、フローテーブルで15回落下運動を与えた後のモルタルの広がりを測定した。プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤無添加時の15打フロー値と比較した15打フロー比を表2に示す。
(長さ変化試験方法)
調製したセメント組成物を40mm×40mm×160mmの型枠に詰めた後、温度20±2℃、湿度60±5%で24時間、気中養生を行った後に脱型を行い、セメント硬化物供試体を得た。
上記のようにして得たセメント硬化物供試体を、脱型直後にJIS
A1129−3(モルタル及びコンクリート長さ変化試験方法、ダイヤルゲージ方法)に基づいてセメント硬化物供試体の長さを測定した。測定後に温度20±2℃、湿度60±5%で保存し、脱型28日後の長さを測定した。測定結果と式(2)によって28日後の乾燥収縮比を算出した。得られた結果を表2に示す。

乾燥収縮比=
(脱型直後のセメント硬化物供試体の長さ−脱型28日後のセメント硬化物供試体の長さ)×100/
(脱型直後のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤無添加時のセメント硬化物供試体の長さ−脱型28日後のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤無添加時のセメント硬化物供試体の長さ)
(圧縮強度試験方法)
調製したセメント組成物を40mm×40mm×160mmの型枠に詰めた後、温度20±2℃、湿度60±5%で24時間、気中養生を行った後に脱型を行い、セメント硬化物供試体を得た。脱型後、温度20±2℃、湿度60±5%で保存し、JIS R5201(セメントの強さ試験方法)に準拠し、材齢28日後の圧縮強度を測定した。プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤無添加時の圧縮強度と比較した圧縮強度比(%)を表2に示す。
Figure 2013170100
Figure 2013170100
以上の結果から、実施例では、粉砕機への付着がなく、荷重試験による塊状部もなく、28日後の乾燥収縮比は小さく、圧縮強度の低下も抑制されていた。
比較例1は、粉砕機への付着も多く、28日後の乾燥収縮比は大きくなった。
比較例2は、荷重試験により塊状部が生じ、28日後の圧縮強度比も小さくなった。
比較例3は、構造がブロック状であるため、単位容積質量比が小さく空気量調整が困難であり、28日後の乾燥収縮比もやや大きくなり、圧縮強度も低下した。

Claims (4)

  1. 式(1)で示されるポリオキシアルキレン化合物からなることを特徴とする、プレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤。

    O−(EO)−((AO)/(EO))−X−O−
    ((AO)/(EO))−(EO)−R ・・・・(1)

    (式(1)中、
    Xは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、
    AOは、直鎖状の炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、
    EOは、オキシエチレン基であり、
    およびRはそれぞれ互いに独立しており、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、
    aおよびcは、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、
    b、d、mおよびnは、それぞれ、EOの平均付加モル数であり、
    (AO)と(EO)、(AO)と(EO)の付加形態はランダム状であり、
    a+c=3〜12、
    b+d=7〜22、
    m+n=80〜210、
    16≦(a+c)+(b+d)≦25、
    0.15≦(a+c)/(b+d)≦1.40および
    0.10≦(a+c+b+d)/(m+n)≦0.25の関係を満足する。)
  2. 前記式(1)におけるAOがオキシテトラメチレン基であり、a+c=6〜10、b+d=9〜16、17≦(a+c)+(b+d)≦23かつ0.40≦(a+c)/(b+d)≦0.90の関係を満足することを特徴とする、請求項1記載のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤。
  3. 前記式(1)におけるXが1,4−ブチレン基であることを特徴とする、請求項1または2記載のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤。
  4. 前記式(1)におけるRおよびRがそれぞれ水素原子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のプレミックスセメント用粉体状乾燥収縮低減剤。
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