JP2019014642A - 高性能セメント組成物 - Google Patents

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清 鯉渕
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Abstract

【課題】セメント製造の粉砕工程において従来の粉砕助剤を用いて得られるセメントは、1)粉砕効率が充分でない、2)水で練り混ぜてセメント硬化体を製造する際に不安定な気泡が発生して空気量が増加するため硬化体の圧縮強度が低い、3)硬化体の収縮が大きくひび割れが多い、かかる三つの問題を同時に解決する高性能セメント組成物を提供する。
【解決手段】無機系のセメントクリンカーを粉砕する際に有機系化合物を少量添加・含有させて機能付与するために、特定のA成分としての長鎖アルキルエーテル誘導体と特定のB成分としてのアルカノールアミンの2成分からなる有機添加剤、又は特定のA成分と特定のB成分と特定のC成分である短鎖アルキルエーテル誘導体の3成分からなる有機添加剤を特定割合で含有させた高性能セメント組成物を用いた。
【選択図】なし

Description

本発明は高性能セメント組成物に関する。
従来、セメント工場におけるセメント製造の粉砕工程において、セメントクリンカーに所定量の石膏を加え、微粉砕してセメントが製造されている。その際に粉砕効率の向上を目的として粉砕助剤が使用されている。すなわち、粉砕時間とエネルギーコストの減少を目的として粉砕助剤が使用される。
セメント製造時の粉砕助剤として以前より、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等のポリオール類や、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類を使用する技術が開示(例えば特許文献1〜6参照)され、既に使用されている。しかしながら、これら既存の粉砕助剤を用いる従来技術は粉砕効率の向上に一定の効果があるものの、総合的な見地から粉砕時の助剤として使用を継続するには改善が必要とされている。すなわち、既存の粉砕助剤が添加されたセメントを水と一緒に練り混ぜると、不安定な気泡を巻き込むため空気量が過剰となり、セメント硬化体の強度低下を招く問題や、硬化体表面の平滑性が低下するという問題、更には、微粉砕することに起因する硬化体の収縮が大きくなり、硬化体の収縮ひび割れが増加するという問題等を潜在的に抱えており、これらの問題を解決するための対策が必要であるという課題がある。
特開2002−160959号公報 特開2009−78953号公報 特開2010−89972号公報 特表2012−515695号公報 特表2013−512852号公報 特開2016−216337号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来技術では、1)セメント製造時の粉砕時間とエネルギーコスト減少のための粉砕効率が充分ではなく、更なる短時間で粉末度の大きなセメントが得られ難いこと、2)水と一緒に練り混ぜる際に不安定な気泡が多く発生するため空気量の増加によりセメント硬化体の圧縮強度が低下すること、3)得られるセメント硬化体の収縮が大きいこと、以上の3つの課題を同時に解決する高性能セメント組成物を提供する処にある。
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、セメント製造時の粉砕工程で添加して用いる添加剤として、特定の2成分、又は特定の3成分の特定割合からなる有機添加剤を添加・含有させた高性能セメント組成物が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の有機添加剤とセメントを含有するセメント組成物であって、セメント製造工程の粉砕時に、該有機添加剤をセメントクリンカー100質量部当たり0.001〜0.2質量部の割合で添加・含有させることを特徴とする高性能セメント組成物に係る。
有機添加剤:下記のA成分と下記のB成分の2成分、又は下記のA成分と下記のB成分と下記のC成分の3成分からなり、且つ該A成分を10〜90質量%、該B成分を10〜90質量%、該C成分を0〜50質量%(合計100質量%)の割合で含有する添加剤。
A成分:下記の化1で示される化合物であり、且つHLBが1.4〜3.0の範囲のもの。
Figure 2019014642
化1において、
:炭素数12〜20の脂肪族炭化水素基
:分子中に合計23〜70個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成され、且つ該オキシエチレン単位と該オキシプロピレン単位とがブロック状に付加したポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
B成分:トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンの中から選ばれる一つ又は二つ以上。
C成分:下記の化2で示される化合物
Figure 2019014642
化2において、
:炭素数3〜5の脂肪族炭化水素基
:分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
本発明に係る有機添加剤(以下単に本発明の添加剤という)のA成分の役割は、粒子間に適度の潤滑性を付与し、同時に粉砕時の微粉の飛散抑制並びに粉砕後に使用するセメント組成物の不安定な気泡の発生を抑制する機能を有する役割のものである。また、A成分は化1で示される化合物であり、Rとしては、炭素数12〜20の脂肪族炭化水素基であり、なかでも炭素数14〜18の脂肪族炭化水素基が好ましく、更に炭素数18の脂肪族炭化水素基が最も好ましい。また、Aは分子中に合計23〜70個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成され、且つ該オキシエチレン単位と該オキシプロピレン単位とがブロック状に付加したポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基からなる化合物の条件に適合するものが本発明において使用できる。また本発明において、HLBの値{計算式=(親水部分の分子量/全体の分子量)×20}が1.4〜3.0の範囲のもの、好ましくは1.6〜2.3のものが使用できる。更に、A成分は結合様式がポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とがブロック状に付加したブロック重合体であることが化学構造として重要であり、結合様式がランダム状の重合体では目的とする効果を発揮することができない。尚、かかるA成分自体は公知であり、公知の方法で合成することができる。
B成分は、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンの中から選ばれるものである。かかるアルカノールアミン類はいずれも粉砕効率をより向上させる目的で使用される粉砕助剤の成分として公知である。しかし一方で、アルカノールアミン類は粉砕効率の向上には効果があるが、水でセメントを練り混ぜる際に、いずれも気泡を巻き込み易いという欠点を潜在的に有する問題を抱えている。しかし、本発明においてなかでも、単体として粉砕加熱時の沸点が比較的高く、粉砕効率が優れ、更にA成分との相溶性が良好である観点から、B成分としてはトリイソプロパノールアミンが好ましい。
本発明におけるC成分は、B成分単独よりも粉砕効率の更なる向上、粉砕時の微粉の飛散抑制、更にセメント組成物の収縮低減機能を付与するために用いるものである。またC成分は化2で示される化合物であり、化2において、Rは炭素数3〜5の脂肪族炭化水素基であって、なかでも炭素数4の脂肪族炭化水素が好ましい。また、Aは分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基からなる化合物の条件に適合するものが本発明において使用でき、更にC成分としては、結合様式がポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とがブロック状に付加したブロック付加体が好ましい。
以上説明した本発明の添加剤は、A成分とB成分の2成分、又はA成分とB成分とC成分の3成分からなり、且つ該A成分を10〜90質量%、該B成分を10〜90質量%、該C成分を0〜50質量%(合計100質量%)の割合で含有するものである。A成分とB成分の2成分からなる本発明の添加剤は、A成分を30〜70質量%及びB成分を30〜70質量%(合計100質量%)の割合で含有してなるものが好ましい。また、A成分とB成分とC成分の3成分からなる本発明の添加剤は、A成分を30〜65質量%、B成分を30〜60質量%及びC成分を5〜40質量%(合計100質量%)の割合で含有するものが好ましい。また、本発明の添加剤のA成分、B成分、C成分の含有割合は、以上のような含有割合の範囲内で含有させたセメント組成物の性状との関係で適宜選択するのが好ましく、特に本発明において、セメント硬化体の収縮低減機能をより一層効果的に発揮させるための観点から、2成分よりも3成分からなる本発明の添加剤を使用することがより好ましい。
本発明において、粉砕前のセメントクリンカーとしては、各種ポルトランドセメントクリンカーに石膏を添加したもの、各種ポルトランドセメントクリンカーに石膏と石灰石を添加したもの、各種ポルトランドセメントクリンカーに石膏と石灰石とフライアッシュを添加したもの、各種ポルトランドセメントクリンカーに石膏と高炉スラグを添加したもの、各種ポルトランドセメントクリンカーに石膏と石灰石と高炉スラグを添加したもの等が包含される。なかでも、本発明においては、汎用の普通ポルトランドセメントクリンカーを主成分とするセメントクリンカーが好ましい。
本発明の添加剤の添加量は、前記したセメントクリンカー100質量部当たり、0.001〜0.2質量部、好ましくは0.005〜0.15質量部の割合の範囲とする。
また、本発明に係る粉砕手段については特に限定するものではなく、セメント製造工程における粉砕時に、本発明の添加剤の所定量を2〜10倍に水希釈して噴霧する方法で行うことができる。すなわち、簡便な方法でセメント製造工程の粉砕時に本発明の添加剤をごく少量添加・含有させることによって、既存のセメントの品質に比べて優れた品質を有するセメントを得ることができる。
本発明によると、セメント製造工程における粉砕時に本発明の添加剤をセメントクリンカーに所定量を添加・含有させることによって、1)粉砕時間とエネルギーコスト減少のための粉砕効率を更に向上させ、2)セメントを水で練り混ぜてセメント硬化体を製造する際の不安定で過剰な気泡の発生による空気量の増加を抑制して硬化体の圧縮強度を増進させ、3)セメント硬化体の収縮を低減して収縮ひび割れを少なくすることができる。以上の1)〜3)について複数の機能を同時に兼ね備えた高性能セメントを提供することができるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
試験区分1(A成分のモノアルキルエーテルの合成)
・ポリ(m=40モル)プロピレングリコールポリ(n=6モル)エチレングリコールモノステアリルエーテル(a−1)の合成
ステアリルアルコール135g(0.5モル)に触媒として水酸化カリウムを0.5g加えて脱水した後、オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した。攪拌しながら、反応温度を110〜130℃に保ち、エチレンオキサイド132g(3モル)を徐々に圧入した。所定量圧入した後、熟成してエチレンオキサイドの付加反応を完結した。次に、反応温度を130〜140℃に保ち、プロピレンオキサイド1160g(20モル)を徐々に反応系に圧入した。圧入終了後は2時間熟成してプロピレンオキサイドのブロック付加反応を完結した。得られた粗反応物に残存するアルカリ触媒を吸着処理により取り除いて精製し、A成分としてHLBが1.85で、ブロック状に付加したポリ(m=40モル)プロピレングリコールポリ(n=6モル)エチレングリコールモノステアリルエーテル(a−1)を合成した。同様な方法で、A成分としてHLBが1.77で、ブロック状に付加したポリ(m=50モル)プロピレングリコールポリ(n=7モル)エチレングリコールモノセチルエーテル(a−2)を合成した。
試験区分2(C成分のモノアルキルエーテルの合成)
・ポリ(m=3モル)プロピレングリコールポリ(n=2モル)エチレングリコールモノブチルエーテル(c−1)の合成
ブチルアルコール128g(2モル)に触媒として水酸化カリウムを0.2g加えて脱水した後、オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した。攪拌しながら、反応温度を110〜130℃に保ち、エチレンオキサイド176g(4モル)を徐々に圧入した。所定量圧入した後、熟成してエチレンオキサイドの付加反応を完結した。次に、反応温度を130〜140℃に保ち、プロピレンオキサイド348g(6モル)を徐々に反応系に圧入した。圧入終了後は2時間熟成してプロピレンオキサイドのブロック付加反応を完結した。得られた粗反応物に残存するアルカリ触媒を吸着処理により取り除いて精製し、C成分として、ブロック状に付加したポリ(m=3モル)プロピレングリコールポリ(n=2モル)エチレングリコールモノブチルエーテル(c−1)を合成した。同様な方法で、C成分として、ブロック状に付加したポリ(m=5モル)プロピレングリコールポリ(n=3モル)エチレングリコールモノプロピルエーテル(c−2)を合成した。
試験区分3(本発明の2成分からなる添加剤の調製)
・有機添加剤(P−1)の調製
A成分として試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−1)250部 、B成分としてトリイソプロパノールアミン(試薬一級、以下同じ)の(b−1)25 0部及び水500部を混合、溶解して有効成分濃度が50%の本発明の2成分からなる 添加剤(P−1)水溶液1000部を調製した。
・有機添加剤(P−2)の調製
A成分として試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−2)250部 、B成分のトリイソプロパノールアミン(b−1)250部及び水500部を混合、溶 解して有効成分濃度が50%の本発明の2成分からなる添加剤(P−2)水溶液100 0部を調製した。
・有機添加剤(P−3)の調製
A成分として試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−1)300部 、B成分のトリイソプロパノールアミン(b−1)200部及び水500部を混合、溶 解して有効成分濃度が50%の本発明の2成分からなる添加剤(P−3)水溶液100 0部を調製した。
・有機添加剤(P−4)の調製
A成分として試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−1)200部 、B成分のトリイソプロパノールアミン(b−1)300部及び水500部を混合、溶 解して有効成分濃度が50%の本発明の2成分からなる添加剤(P−4)水溶液100 0部を調製した。
・有機添加剤(P−5)の調製
A成分として試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−1)250部 、B成分のジイソプロパノールアミン(b−2)250部及び水500部を混合、溶解 して有効成分濃度が50%の本発明の2成分からなる添加剤(P−5)水溶液1000 部を調製した。
・有機添加剤(P−6)の調製
A成分として試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−2)200部 、B成分のトリエタノールアミン(b−3)300部及び水500部を混合、溶解して 有効成分濃度が50%の本発明の2成分からなる添加剤(P−6)水溶液1000部を 調製した。
以上で調製した本発明の2成分からなる添加剤として、有機添加剤(P−1)〜(P−6)の内容を表1にまとめて示した。
Figure 2019014642
表1において、
a−1:試験区分1で合成したポリ(m=40モル)プロピレングリコールポリ(n=6 モル)エチレングリコールモノステアリルエーテルブロック付加体
a−2:試験区分1で合成したポリ(m=50モル)プロピレングリコールポリ(n=7 モル)エチレングリコールモノセチルエーテルブロック付加体
b−1:トリイソプロパノールアミン
b−2:ジイソプロパノールアミン
b−3:トリエタノールアミン
試験区分4(本発明の3成分からなる添加剤の調製)
・有機添加剤(P−7)の調製}
試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−1)225部、B成分のト リイソプロパノールアミン(b−1)200部、試験区分2で合成したC成分のポリ( m=3モル)プロピレングリコールポリ(n=2モル)エチレングリコールモノブチル エーテル(c−1)75部及び水500部を混合、溶解して有効成分濃度が50%の本 発明の3成分からなる添加剤(P−7)水溶液1000部を調製した。
・有機添加剤(P−8)の調製
試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−1)225部、B成分のト リイソプロパノールアミン(b−1)200部、試験区分2で合成したC成分のポリ( m=5モル)プロピレングリコールポリ(n=3モル)エチレングリコールモノプロピ ルエーテル(c−2)75部及び水500部を混合、溶解して有効成分濃度が50%の 本発明の3成分からなる添加剤(P−8)水溶液1000部を調製した。
・有機添加剤(P−9)の調製
試験区分1で合成したA成分のモノアルキルエーテル(a−2)225部、B成分のト リイソプロパノールアミン(b−1)200部、試験区分2で合成したC成分のポリ( m=3モル)プロピレングリコールポリ(n=2モル)エチレングリコールモノブチル エーテル(c−1)75部及び水500部を混合、溶解して有効成分濃度が50%の本 発明の3成分からなる添加剤(P−9)水溶液1000部を調製した。
・有機添加剤(P−10)〜(P−14)の調製
有機添加剤(P−7)〜(P−9)の調製と同様にして、本発明の3成分からなる有機添加剤(P−10)〜(P−14)を調製した。以上で調製した各例の内容を表2にまとめて示した。
・比較例の添加剤(R−1)〜(R−7)の調製
前記の有機添加剤と同様にして、比較例の中で使用した添加剤(R−1)〜(R−7) を調製した。各例の内容を表3にまとめて示した。
Figure 2019014642
表2において、
a−1、a−2、b−1、b−2及びb−3:表1で使用したものと同じ
c−1:試験区分2で合成したポリ(m=3モル)プロピレングリコールポリ(n=2モ ル)エチレングリコールモノブチルエーテルブロック付加体
c−2:試験区分2で合成したポリ(m=5モル)プロピレングリコールポリ(n=3モ ル)エチレングリコールモノプロピルエーテルブロック付加体
Figure 2019014642
表3において、
a−1、b−1及びc−1:表1及び表2で使用したものと同じ
ar−1:ポリ(m=40モル)プロピレングリコールポリ(n=6モル)エチレングリ コールモノステアリルエーテルランダム付加体
ar−2:ポリ(m=40モル)プロピレングリコールポリ(n=6モル)エチレングリ コールモノオクチル(炭素数8の炭化水素)エーテルブロック付加体
br−1:ジエチレングリコール
試験区分5(添加剤の性能評価及びモルタルの物性評価)
使用材料及び試験方法
・セメントの粉砕試験
粉砕前の普通ポルトランドセメントクリンカー(一次粉砕した3.5mm篩通過物)2.5kg、二水石膏36g、本発明の添加剤の4倍水希釈液(セメントクリンカー100質量部当たり有効成分換算で0.05質量部)をワークインディクス(Wiミル)内に噴霧して粉砕した。
・ブレーン値の測定
セメントの物理試験方法(JIS−R5201)に定められたブレーン空気透過装置を用いてブレーン値(粉末度)を測定した。
・粉砕効率
前記セメントの粉砕試験において、セメントクリンカー、二水石膏、及び粉砕助剤としてトリイソプロパノールアミンの4倍水希釈液(セメントクリンカー100質量部当たり有効成分換算で0.05質量部)を前記ボールミル内に噴霧して一定時間(粉砕時間60分)粉砕して得られるセメントの粉末度(ブレーン値)を基準とした。ブレーン値の数値が大きいほど粉砕効率が優れると判断した。
・モルタル試験におけるセメントの流動性及び空気量の試験
セメントの物理試験方法(JIS−R5201)に準拠し、水/セメント比が50%、砂/セメント比が2.4のモルタルを練り混ぜ、フロー値(15回落下振動後の値)及び空気量(重量法)を測定した。
・モルタル試験におけるセメントの強度試験
セメントの物理試験方法(JIS−R5201)に準拠し、水/セメント比が50%、砂/セメント比が2.4のモルタルを作成した後、寸法直径5cm×高さ10cmの円柱型枠を用いて成形した供試体を、材齢7日及び材齢28日に圧縮強度を測定した。
・モルタル試験における乾燥収縮率の試験
セメントの物理試験方法(JIS−R5201)に準拠して水/セメント比が50%、砂/セメント比が2.4のモルタルを作成した後、寸法4cm×4cm×16cmの鋼製直方型枠に充填した供試体を、JIS−A1129(モルタル及びコンクリートの長さ試験方法)に準拠してコンパレータ法により材齢4週(28日)における乾燥収縮率を測定した。数値が小さいほど収縮が小さいことを示す。
・粉砕試験
試験例1及び参考例
ポルトランドセメントクリンカー(3.5mm篩通過物)1kgと、二水石膏36g及び本発明の添加剤(P−1)の4倍水希釈液(セメントクリンカー100質量部当たり有効成分換算で0.05質量部)を前記ボールミル内に噴霧して粉砕し、粉砕時間と粉末度(ブレーン値)との関係を求めた(試験例1)。また同様にして、表3の中で示したR−1としての添加剤のトリイソプロパノールアミン単独を添加した場合(参考例1)について測定し、更に添加剤を添加しない場合(参考例2)についても測定した。結果を表4にまとめて示した。
Figure 2019014642
表4において、
*1:表2に記載の添加剤
*2:表3に記載の添加剤
試験例2〜14及び試験例16〜21
表4の結果を参考にして、一般に粉砕助剤として使用されるトリイソプロパノールアミンを添加した場合にブレーン値が目標の3400±100cm/gに達する時間を、粉砕するための一定の必要な時間(粉砕時間60分)と定め、粉砕した粉体のブレーン値の大小により粉砕効率の性能を評価した。すなわち、一定時間粉砕した粉体のブレーン値がこの数値目標より大きいほど、添加剤の粉砕効率の性能が優れると判断した。表1、表2、表3に示した添加剤を用いて行ったセメント粉砕試験結果を表5に示した。
実施例1〜14
本発明の添加剤(表1及び表2)を添加して粉砕試験をしたセメント組成物(いずれも粉砕時間60分)を用いて、加水後のモルタルスラリーのフロー試験と同時に空気量の試験を行った結果と、モルタル硬化体の圧縮強度試験を行った結果と、モルタル硬化体の乾燥収縮試験を行った結果をまとめて表5に示した。
比較例1〜8
比較例の添加剤(表3)を添加して粉砕試験をしたセメント組成物(いずれも粉砕時間60分)を用いて、加水後のモルタルスラリーのフロー試験と同時に空気量の測定試験を行った結果と、モルタル硬化体の圧縮強度試験を行った結果と、モルタル硬化体の乾燥収縮試験を行った結果をまとめて表5に示した。
Figure 2019014642
表5において、
*1:表2に記載の添加剤を50%水溶液濃度に調製したものを、更に2倍に水希釈(合 計4倍の水希釈)して、有効成分換算でセメントクリンカー100質量部当たり0 .05質量部をミル粉砕時に噴霧添加した。
*2:一定時間(60分)粉砕して得られたセメント組成物のブレーン値
*3:表3の参考例1と同じ
*4:表3の参考例2と同じ
試験区分6(本発明のセメント組成物を用いたコンクリートの調製及び性能評価)
実施例15〜17
試験区分3で調製した表1記載の添加剤(P−1)をセメントクリンカー100質量部当たり0.05質量部(以下、所定量と呼ぶ)をミル内に噴霧添加し60分間粉砕して得られた本発明のセメント組成物を用いて、表6に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに該セメント組成物(密度=3.16g/cm)、細骨材(川砂、密度=2.58g/cm)、練り混ぜ水(水道水)、市販のセメント分散剤及び空気量調節剤の各所定量を順次投入してスラリーが均一になるまで練り混ぜた。次に、粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm)を投入し30秒間、20℃の温度で練り混ぜ、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4±1%の実施例15のコンクリートを調製した。また、同様な方法により、表1記載の添加剤(P−3)の所定量を添加、粉砕して得られたセメント組成物を用いて実施例16のコンクリートを調製した。更に同様な方法により、表1記載の添加剤(P−5)の所定量を添加、粉砕して得られたセメント組成物を用いて実施例16のコンクリートを調製した。
実施例18〜20
試験区分4で調製した表2記載の添加剤(P−7)をセメントクリンカー100質量部当たり0.05質量部の所定量をミル粉砕時に添加して得られた本発明のセメント組成物を用いて、表6に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに該セメント組成物(密度=3.16g/cm)、細骨材(川砂、密度=2.58g/cm)、練り混ぜ水(水道水)、市販のセメント分散剤及び空気量調節剤の各所定量を順次投入してスラリーが均一になるまで練り混ぜた。次に、粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm)を投入し30秒間、20℃の温度で練り混ぜ、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4±1%の実施例18のコンクリートを調製した。また、同様な方法により、表2記載の添加剤(P−9)の所定量を添加粉砕して得られたセメント組成物を用いて実施例19のコンクリートを調製した。更に同様な方法により、表2記載の添加剤(P−13)の所定量を添加粉砕して得られたセメント組成物を用いて実施例20のコンクリートを調製した。
比較例9〜10
試験区分4における表3記載の添加剤(R−1)をセメントクリンカー100質量部当たり0.05質量部の所定量をミル粉砕時に添加し、得られたセメント組成物を用いて、表6に記載の配合条件で、50リットルのパン型強制練りミキサーに該セメント組成物(密度=3.16g/cm)、細骨材(川砂、密度=2.58g/cm)、練り混ぜ水(水道水)、市販のセメント分散剤及び空気量調節剤の各所定量を順次投入してスラリーが均一になるまで練り混ぜた。次に、粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm)を投入し30秒間、20℃の温度で練り混ぜ、目標スランプが18±1cm、目標空気量が4±1%の比較例9のコンクリートを調製した。また、同様な方法により、表3記載の添加剤(R−5)の所定量を添加、粉砕して得られたセメント組成物を用いて比較例10のコンクリートを調製した。以上で調製したコンクリートの試験結果を表7に示した。
Figure 2019014642
表2において、
*1:セメント組成物又は普通ポルトランドセメント(密度=3.16/cm
*2:細骨材(川砂、密度=2.58g/cm
*3:粗骨材(砕石、密度=2.68g/cm
・コンクリートの物性評価
調製した各例のコンクリートについて練り混ぜ後のスランプ及び空気量、硬化体の圧縮強度及び乾燥収縮率を下記のように求めて評価し、結果を表7にまとめて示した。
・スランプ(cm):練り混ぜ直後のコンクリート及び練り混ぜ後30分経過したコンクリートについて、JIS−A1101に準拠して測定した。
・空気量(容量%):練り混ぜ直後のコンクリート及び練り混ぜ後30分経過したコンクリートについて、JIS−A1128に準拠して測定した。
・圧縮強度(N/mm):材齢7日及び材齢28日の硬化体について、JIS−A1108に準拠して測定した。
・乾燥収縮率:JIS−A1132に準じて、寸法10cm×10cm×40cmの鋼製直方型枠に充填して供試体を作成し、JIS−A1129に準拠してコンパレータ法により材齢26週(182日)における乾燥収縮率を測定した。
Figure 2019014642
表7において、
*1:表1、表2、表3に記載の添加剤をセメントクリンカー100質量部当たり0.0 5質量部の割合で含有させて、一定時間(60分)粉砕して得られたセメント組成 物を用いた。
表5及び表7の結果から明らかのように、本発明の有機添加剤をセメント製造工程の粉砕時に添加して用いると、少量の添加量で粉砕効率が優れ、粉末度の高いセメント組成物が得られる。また、粉砕後の有機添加剤を含有する高性能セメント組成物を用いてモルタルやコンクリートを調製すると、練り混ぜ後の経時の流動保持性が優れ、並びに空気量の保持性が優れると同時に、且つセメント硬化体の強度(材齢7日及び材齢28日)が増進し、乾燥収縮が低減された高品質のセメント硬化体が得られるという効果がある。

Claims (9)

  1. 下記の有機添加剤とセメントを含有するセメント組成物であって、セメント製造工程の粉砕時に、該有機添加剤をセメントクリンカー100質量部当たり0.001〜0.2質量部の割合で添加・含有させることを特徴とする高性能セメント組成物。
    有機添加剤:下記のA成分と下記のB成分の2成分、又は下記のA成分と下記のB成分と下記のC成分の3成分からなり、且つ該A成分を10〜90質量%、該B成分を10〜90質量%、該C成分を0〜50質量%(合計100質量%)の割合で含有する添加剤。
    A成分:下記の化1で示される化合物であり、且つHLBが1.4〜3.0の範囲のもの。
    Figure 2019014642
    :炭素数12〜20の脂肪族炭化水素基
    :分子中に合計23〜70個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成され、且つ該オキシエチレン単位と該オキシプロピレン単位とがブロック状に付加したポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
    B成分:トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンの中から選ばれる一つ又は二つ以上。
    C成分:下記の化2で示される化合物
    Figure 2019014642
    化2において、
    :炭素数3〜5の脂肪族炭化水素基
    :分子中に合計2〜10個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基。
  2. A成分が30〜70質量%及びB成分が30〜70質量%(合計100質量%)の割合の有機添加剤を含有してなる請求項1記載の高性能セメント組成物。
  3. A成分が30〜65質量%、B成分が30〜60質量%及びC成分が5〜40質量%(合計100質量%)の割合の有機添加剤を含有してなる請求項1記載の高性能セメント組成物。
  4. A成分が、化1におけるRが炭素数14〜18の脂肪族炭化水素基である請求項1〜3のいずれか一つの項記載の高性能セメント組成物。
  5. A成分のHLBが1.6〜2.3の範囲の化1で示される化合物である請求項1〜4のいずれか一つの項記載の高性能セメント組成物。
  6. B成分がトリイソプロパノールアミンである請求項1〜5のいずれか一つの項記載の高性能セメント組成物。
  7. C成分の化2で示される炭化水素基が炭素数4の脂肪族炭化水素基である請求項1及び請求項3〜6のいずれか一つの項記載の高性能セメント組成物。
  8. セメントの主成分が普通ポルトランドセメントである請求項1〜7のいずれか一つの項記載の高性能セメント組成物。
  9. 有機添加剤をセメント100質量部当たり0.005〜0.15質量部の割合で含有してなる請求項1〜7のいずれか一つの項記載の高性能セメント組成物。
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