JP2017007902A - セメント水性組成物用混和剤とそれを用いたモルタル又はコンクリートへの空気連行方法及び製造方法 - Google Patents

セメント水性組成物用混和剤とそれを用いたモルタル又はコンクリートへの空気連行方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フライアッシュの品質によらず、空気連行剤の未燃カーボンへの吸着を抑制し、安定かつ充分な空気を連行させて、品質の良いフライアッシュ含有モルタル又はコンクリートを製造することができる混和剤を提供する。【解決手段】次の一般式(1):【化1】(式中、R1は炭素数5〜9のアルキル基等、Mはアルカリ金属等を示す。)で表わされる吸着不活性化剤及び次の一般式(2):【化2】(式中、R2は炭素数8〜30のアルキル基等、Mはアルカリ金属等を示す。)で表わされる空気連行剤を含有し、前記吸着不活性化剤と前記空気連行剤との質量比が99:1〜1:99であることを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、フライアッシュを配合したセメント水性組成物に添加してモルタル、コンクリート等に安定して空気を連行する混和剤とそれを用いたモルタル又はコンクリートへの空気連行方法及び製造方法に関する。
近年、石炭への燃料転換及び新規火力発電所建設により、石炭灰として発生するフライアッシュの発生量が大幅に増加している。フライアッシュはモルタル又はコンクリートにこれを混合することによって、流動性の向上、水和熱の抑制、長期強度の増進等の利点があるため、ダム等のマスコンクリートに多用され、またアルカリ骨材反応抑制材料としても有効性が認められている。
しかし、最近では多種類の海外灰の使用やボイラー燃焼温度の低下などにより未燃カーボンを高濃度に含む粗悪なフライアッシュが増えており、JIS規格外品を使用する場合やJIS規格品を大量に使用する場合には、多量に含まれる未燃カーボンや大きな比表面積を有する未燃カーボンが各種混和剤を吸着するため、フレッシュ性状が悪化し混和剤の添加量が増大する問題が生じている。さらに、凍結融解抵抗性の低下などコンクリートの硬化物性にも悪影響を及ぼし、コンクリートの品質が低下するため、JIS規格外品の使用やJIS規格品であっても大量に使用することは困難であった。
一方で、灰処分場の確保が困難な状況にあることや資源有効利用の観点から未燃カーボン量が多いフライアッシュを有効に利用することは重要である。
従来より、フライアッシュ含有コンクリート組成物用空気連行剤や混和剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート(特許文献1)、ポリオキシエチレンソルビトールの脂肪酸エステル(特許文献2)、ポリオキシエチレン多価アルコールの脂肪酸エステル又はポリエチレングリコールの脂肪酸エステルと脂肪酸塩の併用(特許文献3)、芳香環を有する特殊エーテルサルフェート系アニオン界面活性剤と多価アルコールを出発原料とするエステル系非イオン界面活性剤(特許文献4)、脂肪酸石鹸系のアニオン界面活性剤と多価アルコールを出発原料とするエステル系非イオン界面活性剤(特許文献5)、脂肪酸塩とポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(特許文献6)、脂肪酸塩と長鎖アミンのエチレンオキシド付加体(特許文献7)、トール油脂肪酸石鹸などの炭素数13〜25の脂肪酸塩と、スルホン酸塩、高級アルコール硫酸塩、ポリエチレングリコール、エトキシ化アルキルフェノール、脂肪酸ジエタノールアミドから選ばれる少なくとも1種(特許文献8)、脂肪酸塩とヒドロキシ脂肪酸の多価アルコールエステルにアルキレンオキサイドを付加した化合物(特許文献9)、特定のグラフト共重合体の塩と特定の有機アミンエチレンオキサイド付加物と特定の有機リン酸エステルとを含有する混和剤(特許文献10)などが提案されている。
特開昭58−55353号公報 特開昭59−174555号公報 特開平01−157442号公報 特開平02−6356号公報 特開平02−180739号公報 特開平08−59320号公報 特開平08−295545号公報 特開昭60−90862号公報 特開2002−68797号公報 特開2006−199953号公報
しかしながら、これらの空気連行剤や混和剤は、例えば、気泡力が劣るため使用量が多くなり経済的に問題となる。さらに使用量が多いため経時に伴ってコンクリート組成物の空気量が必要以上に増大する場合があり、その場合には、コンクリート本来の機能を低下せしめる原因となっていた。特に、フライアッシュの品質(未燃カーボン量等)の変動に対して、安定かつ充分な空気連行性や空気量保持性を有するものとは言い難く、依然として改善が望まれていた。
本発明は、フライアッシュの品質によらず、空気連行剤の未燃カーボンへの吸着を抑制し、安定かつ充分な空気を連行させて、品質の良いフライアッシュ含有モルタル又はコンクリートを製造することができる混和剤を提供することを課題としている。
上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、後記一般式(1)で示される吸着不活性化剤を併用すれば、驚くべきことに空気連行剤の未燃カーボンへの吸着が抑制され、安定して空気を連行することを見出し、本発明のセメント水性組成物用混和剤を完成した。
すなわち、本発明のセメント水性組成物用混和剤は、少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に使用される混和剤であって、次の一般式(1):
Figure 2017007902
(式中、Rは炭素数5〜9のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルカノールアミンを示す。)で表わされる吸着不活性化剤及び次の一般式(2):
Figure 2017007902
(式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルカノールアミンを示す。)で表わされる空気連行剤を含有し、前記吸着不活性化剤と前記空気連行剤との質量比(吸着不活性化剤:空気連行剤)が99:1〜1:99であることを特徴とする。
また、本発明は、少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に、前記セメント水性組成物用混和剤を添加することを特徴とする、モルタル又はコンクリートへの空気連行方法である。
さらに、本発明は、少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に、前記セメント水性組成物用混和剤を添加することを特徴とする、モルタル又はコンクリートの製造方法である。
本発明のセメント水性組成物用混和剤は、フライアッシュの種類や含有量によらず、セメント水性組成物に安定した空気を連行させるため、モルタル又はコンクリートを製造する際の空気量の管理が容易になるとともに、安定した品質のモルタル又はコンクリートを製造することができる。本発明はリサイクル資源の有効利用という観点からも有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(セメント水性組成物用混和剤)
本発明の混和剤は、一般式(1)で表わされる吸着不活性化剤及び一般式(2)で表わされる空気連行剤を含有している。
一般式(1)において、Rは炭素数5〜9のアルキル基又はアルケニル基を示す。Rのアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状もしくは分岐状であり、好ましくは直鎖状もしくは分岐状のアルキル基である。フライアッシュの種類や含有量によらず、セメント水性組成物に安定した空気を連行させる点を考慮すると、Rの炭素数は、8以下が好ましく、7以下がより好ましい。吸着不活性化剤は、Rが互いに異なる2種以上の混合物であってもよい。
一般式(1)において、カルボン酸塩のMは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルカノールアミンである。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられ、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらの中でも、カリウムは好ましい。吸着不活性化剤は、Mが互いに異なる2種以上の混合物であってもよい。
一般式(1)で表わされる吸着不活性化剤は、未燃カーボンに早期に吸着し、未燃カーボンを不活性化することで各種混和剤の吸着を防ぐ。また、未燃カーボンへの吸着剤として優れているとともに、未燃カーボン含有量が少ない時に空気が入り過ぎてしまうことがなく、空気連行性に影響を与えずに高い未燃カーボン吸着性を示す。
一般式(2)において、Rは炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を示す。Rのアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状もしくは分岐状であり、好ましくは直鎖状である。具体的には、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩等が挙げられる。空気連行剤は、Rが互いに異なる2種以上の混合物であってもよい。
一般式(2)において、スルホン酸塩のMは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルカノールアミンである。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられ、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。空気連行剤は、Mが互いに異なる2種以上の混合物であってもよい。
一般式(2)で表わされる空気連行剤は、未燃カーボンには吸着しにくく、良好なセメント分散性が得られる。そして一般式(1)で表わされる吸着不活性化剤と併用した混和剤とすることで、一般式(1)で表わされる吸着不活性化剤が空気連行性に影響を与えずに未燃カーボンに早期に吸着し、未燃カーボンを不活性化するとともに、未燃カーボンには吸着しにくい、一般式(2)で表わされる空気連行剤がセメント水性組成物に分散して、空気を連行させる。すなわち、本発明の混和剤は、フライアッシュの種類や含有量によらず、セメント水性組成物に安定した空気を連行させるため、モルタル又はコンクリートを製造する際の空気量の管理が容易になるとともに、安定した品質のモルタル又はコンクリートを製造することができる。
本発明の混和剤における一般式(1)で表わされる吸着不活性化剤と一般式(2)で表わされる空気連行剤との質量比(吸着不活性化剤:空気連行剤)は、99:1〜1:99であり、好ましくは5:1〜1:5である。このような質量比で配合することによって所望の効果を有する混和剤が得られる。なお、本発明の一般式(1)又は(2)で表わされる化合物を単独で使用しても、フライアッシュの種類や含有量によって空気連行量が変動し、セメント水性組成物に安定した空気を連行できなくなる。
本発明の混和剤は、一般式(1)で表わされる吸着不活性化剤と一般式(2)で表わされる空気連行剤とを、予め水などの溶媒に溶かして一液で使用することが好ましい。また、これらを別々の溶媒に溶かして二液とし、使用時に二液を別々に又は混合して一液としてセメント水性組成物に添加してもよい。
(セメント水性組成物)
本発明の混和剤は、少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に使用される。
セメントとしては、普通セメント、早強セメント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。
フライアッシュは、JIS A6201にI〜IV種として規定されるJIS規格品のものや、JIS規格外のものを用いることができる。フライアッシュとは、石炭燃焼後に残る灰分をいい、例えば発電所の微粉炭燃焼ボイラーの節炭器ホッパーや空気予熱器ホッパーに集まるシンダアッシュ、電気集塵器で補収されたフライアッシュ、セパレータにて分級した細粉及び粗粉等が挙げられる。
モルタル又はコンクリートの物性等を考慮すると、通常は、フライアッシュの含有量をセメント及びフライアッシュの合計量に対して10〜50質量%とし、また、水の含有量をセメント及びフライアッシュの合計量に対して40〜60質量%とする。
モルタル用のセメント水性組成物は、セメント、未燃カーボンを含有するフライアッシュ、細骨材、水及び本発明の混和剤を含有する。細骨材としては、川砂、山砂、海砂、砕砂等が挙げられる。
コンクリート用のセメント水性組成物は、さらに粗骨材を含有する。粗骨材としては、川砂利、砕石、軽量骨材等が挙げられる。
モルタル又はコンクリート用のセメント水性組成物は、本発明の混和剤とともに、従来モルタルやコンクリートの性質や性能を改善するために用いられている、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、凝結遅延剤、凝結促進剤、消泡剤、増粘剤、防水剤、分散剤、膨張剤等を必要に応じて併用することができる。
(モルタル又はコンクリートへの空気連行方法及び製造方法)
少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に、本発明の混和剤を添加し、混練することによって、セメント水性組成物に空気を連行し、これにより、空気が導入され均一に混合されたモルタル又はコンクリートが製造される。
本発明の混和剤を添加する方法は、セメント水性組成物の混練時に添加してもよく、予め混練水に希釈して添加してもよく、セメント水性組成物を練り混ぜた後に添加し、再度均一に混練してもよい。
本発明の混和剤は、セメント及びフライアッシュの合計量に対して、固形分換算で0.001〜0.2質量%添加することが好ましい。0.001質量%以上であると所望の空気連行量を得るのが容易になり、0.2質量%以下であると空気連行量が過大となることを抑制できる。なお、本発明の混和剤は、フライアッシュの種類や含有量によらず、セメント水性組成物に安定した空気を連行させるため、この必要使用量は、各種セメントに対するフライアッシュの配合割合や、フライアッシュ中の未燃カーボン量による影響が少ない。すなわち、セメント水性組成物の製造における事前の調合試験が格段に軽減できる。
セメント水性組成物への導入空気量は、モルタルでは規定はないが、セメント水性組成物の硬化物に、所望の物性を発揮させるため等に適宜に設定され、コンクリートでは凍結融解抵抗性を持たせるために通常は3.0〜6.0%(圧力方法)の範囲である。因みに一概には言えないが、モルタルへの空気連行において、混和剤の特定添加量で空気量が4.5〜10.0%(質量方法)程度であれば、コンクリートにおいて、この特定添加量により3.0〜6.0%程度の空気を連行する。
以上のようにして得られたモルタル又はコンクリートは、建築資材等として使用される。モルタルは、建築物やその他の構造物の仕上げ、下地作り、接着材、目地材等に使用され、コンクリートは、型枠組み、打込み、締固め、仕上げ、養生等の工程を経て、建築物、橋梁、舗装、防護柵等に使用される。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
フライアッシュ含有モルタル又はコンクリートに使用する、混和剤(以下、フライアッシュ用混和剤と表記する。)について検討を行った。
1.フライアッシュ用混和剤検討(その1)
1−1.総括
フライアッシュ用混和剤に適していると考えられる、以下2点の条件を満たす基剤を選定した。
i)未燃カーボンに早期に吸着し、未燃カーボンを不活性化することで各種混和剤の吸着を防ぐ。
ii) 未燃カーボンには吸着しにくく、優良な空気連行性が得られるもの。
詳細を以下に示す。
1−2.試験条件
<モルタル配合>
C+FA=450kg/m3、W=225kg/m3、S=1350kg/m3、W/(C+FA)=50質量%、減水剤1%対(C+FA)
C:セメント(普通ポルトランドセメント)
W:水
S:細骨材(JIS標準砂)
FA:フライアッシュ(中国電力 新小野田発電所 フライアッシュII種、密度2.20g/cm、未燃炭素量2.2%)
減水剤:オキシカルボン酸塩(株式会社フローリック製 フローリックT)
<混練方法>
強制パン型ミキサーを使用し、(C+FA)プラス水、混和剤、減水剤→低速30秒→S添加(30秒)→低速30秒→掻き落とし30秒→高速120秒
<空気量測定>
JIS A1116「質量方法」
混和剤を有効分換算で加え、空気量を測定。
1−3.試験結果
検討1.FA置換率の決定
Figure 2017007902
試料1の内訳
ロジンK:15%、POP(3)POE(50)ラウリルエーテル:6%の水溶液
まず最適なFA置換率を決めるため、FA置換率を変えた際の試料1の空気量を測定した。その結果、FA置換率15%、30%では経時によるエアーロスが確認されなかったが、45%では著しいエアーロスが確認された。
以上の結果を踏まえ、性能差をより明らかにするためFA置換率を45%とした。続いて、未燃カーボンの影響を受けにくい空気連行剤の選定を実施するため試料1と併用して使用した際の空気量を測定した。
検討2.試料1と各種混和剤との併用時の空気量(FA置換率45%)
Figure 2017007902
試料2:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミン
試料3:トリエタノールアミン
試料4:POE(3)ラウリルアミン
試料5:POP(3)POE(50)ラウリルエーテル
試料6:ナタネ油エマルジョン
試料7:C12〜C16脂肪酸K塩:16%、試料2:9%、ソルフィット(3-メトキシ-3-メチルブタノール):6%の水溶液
試料8:テトラデセンスルホン酸ナトリウム
試料9:硫酸化油
試料10:メチルエステルスルホン酸ナトリウム
試験の結果、各種混和剤を加えることで少なからず空気量の増加が確認された。試料1は空気連行性が高いにも関わらず、使用量を倍にしても空気量にほとんど変化が見られなかったことから、試料1は未燃カーボンに吸着し易いと推測され、試料8は他の混和剤使用時と比べて空気量が増大していたことから、試料8は未燃カーボンの影響を受けにくい空気連行剤であると推測された。以上の推測を確認するため、検討3を実施した。
検討3.試料1、試料8の効果確認(FA置換率45%)
Figure 2017007902
試料1は添加量を0.02質量%にしても空気量が増大しなかったにも関わらず、試料8は添加量を0.02質量%にしたところ大幅な空気上昇が見られたため未燃カーボンの影響を受けにくい空気連行剤であると考えられた。
試料1は試料8と併用することで空気量を大幅に増大させたことから、試料1が未燃カーボンを不活性化していると判断された。
検討2、3の結果を踏まえ、試料1は未燃カーボン吸着不活性化剤、試料8は未燃カーボンの影響を受けにくい空気連行剤として適していると考えられた。
2.フライアッシュ用混和剤検討(その2)
2−1.総括
上記項目1では、試料1が未燃カーボン吸着不活性化剤、試料8が未燃カーボンの影響を受けにくい優れた空気連行剤であることが判明した。この結果より、石鹸系が未燃カーボン吸着不活性化剤として優れていると推測されたが、石鹸系を使用すると未燃カーボン含有量が少ない時に空気が入り過ぎてしまうことが懸念される。そこで、空気連行性に影響を与えず高い未燃カーボン吸着性を示す剤の選定を実施した。
詳細を以下に示す。
2−2.試験結果
検討1.各種混和剤添加時の空気量(FA置換なし)
Figure 2017007902
(注)温度と湿度の影響より、経時での空気量測定は困難であったため経時での測定は実施せず。
まずFAを含んでいない処方での各種石鹸系の空気連行性への影響を確認した。その結果、オクタン酸石鹸、デカン酸石鹸は空気連行性に影響を与えにくく、中でもオクタン酸K(C8K(カプリル酸K)及びi−C8K(2−エチルヘキサン酸K))が好適であることが判明した。引き続き、これらが未燃カーボン吸着性を示すかを確認した。
検討2.各種混和剤添加時の空気量(FA置換率45%)
Figure 2017007902
(注)温度と湿度の影響より、経時での空気量測定は困難であったため経時での測定は実施せず。
オクタン酸石鹸、デカン酸石鹸を試料8と併用した時の空気量を測定したところ、未燃カーボンを不活性化し、高い未燃カーボン吸着性を示した。
この結果と検討1の結果を踏まえると、空気連行性に影響を与えにくい未燃カーボン吸着不活性化剤にはオクタン酸石鹸、デカン酸石鹸が望ましいと考えられた。
3.フライアッシュ用混和剤検討(その3)
3−1.総括
これまでの検討で、オクタン酸石鹸、デカン酸石鹸は空気連行性に影響を与えにくい未燃カーボン吸着不活性化剤、試料8 (テトラデセンスルホン酸ナトリウム)は未燃カーボンの影響を受けにくい空気連行剤として使用できることが判明したが、これまでは1種類のFAしか使用していないため他のFAでも同様の結果を示すかを確認すると同時に未燃カーボン吸着不活性化剤と試料8の最適添加量の検討を実施した。
3−2.試験条件
<モルタル配合>
C+FA=450kg/m3、W※1=225kg/m3 or 180kg/m3、S=1350kg/m3、W/(C+FA)=50質量% or 40質量%、減水剤1%対(C+FA)、FA置換率45%
※1 ハンドリングの兼ね合いより、水の量をFA種類により変更。
FA1:中国電力 新小野田発電所 フライアッシュII種、密度2.20g/cm、未燃炭素量2.2%。FA置換率45%、W/(C+FA)=50質量%
FA2:九州電力苓北事業所 フライアッシュII種、密度2.32g/cm、未燃炭素量1.7%。FA置換率45%、W/(C+FA)=40質量%
減水剤:オキシカルボン酸塩(株式会社フローリック製 フローリックT)
<混練方法>
強制パン型ミキサーを使用し、(C+FA)プラス水、混和剤、減水剤→低速30秒→S添加(30秒)→低速30秒→掻き落とし30秒→高速120秒
<空気量測定>
JIS A1116「質量方法」
混和剤を有効分換算で加え、空気量を測定。
3−3.試験結果
検討1.FA2使用時の各種混和剤添加時の空気量(FA2置換率45%、W/(C+FA)=40質量%)
Figure 2017007902
(注)温度と湿度の影響より、経時での空気量測定は困難であったため経時での測定は実施せず。
FA2(未燃カーボン含有量が少ない)を使用して前回と同様の条件で試験を実施しようとしたが、ハンドリングの影響からW/(C+FA)を50質量%→40質量%へと変更した。
FAの品種を変更しても、これまでと同様の傾向が確認され、空気連行性に影響を与えにくい未燃カーボン吸着不活性化剤にはオクタン酸石鹸、デカン酸石鹸を使用するのが望ましいと考えられた。
続いて、未燃カーボン吸着不活性化剤及び試料8の最適添加量についての検討結果を以下に示す。なお、未燃カーボン吸着不活性化剤には、上記項目2検討1の結果(表4)より、中でも空気連行性に影響を与えにくい、オクタン酸K(C8K(カプリル酸K)及びi−C8K(2−エチルヘキサン酸K))を使用し、空気量は4.5〜10.0%を目標とした。
検討2.各種混和剤の最適添加量検討(FA1置換率45%、W/(C+FA)=50質量%)
Figure 2017007902
未燃カーボン吸着不活性化剤及び試料8の添加量を変更して最適添加量を検討したところ、C8K及びi−C8Kはセメント及びフライアッシュの合計量に対して、固形分換算0.02質量%程度で未燃カーボンをほぼ不活性化できることが判明した。
上記未燃カーボン吸着不活性化剤を0.02質量%使用した場合、試料8の最適添加量はセメント及びフライアッシュの合計量に対して、固形分換算で0.01〜0.02質量%程度が望ましいと考えられた。
4.フライアッシュ用混和剤検討(その4)
4−1.総括
これまでのモルタル配合検討で、空気連行性に影響を与えにくい未燃カーボン吸着不活性化剤、未燃カーボンの影響を受けにくい空気連行剤及びその最適添加量が判明した。そこでコンクリート配合を実施した。
4−2.試験条件
<コンクリート配合>
C+FA=450kg/m3、W=225kg/m3、S=1020kg/m3、G=1212kg/m3、W/(C+FA)=50質量%、S/a{細骨材の容積/(細骨材の容積+粗骨材の容積)}×100=46体積% 減水剤1%対(C+FA)、FA置換率45%
C:セメント(普通ポルトランドセメント)
W:水
S:細骨材(JIS標準砂、密度2.60g/cm3
G:粗骨材(青梅産砕石、密度2.63g/cm3
FA:フライアッシュ(中国電力 新小野田発電所 フライアッシュII種、密度2.20g/cm、未燃炭素量2.2%)
減水剤:オキシカルボン酸塩(株式会社フローリック製 フローリックT)
<混練方法>
強制パン型ミキサーを使用し、C、FA、S、Gを投入し10秒間空練りした。次いで目標空気量が3〜6%の範囲となるように混和剤及び水、減水剤を添加し練り混ぜ、コンクリートを調製した。
<空気量測定>
JIS A1128「圧力方法」
混和剤を有効分換算で加え、空気量を測定。
4−3.試験結果
検討1.コンクリートの空気量(FA置換率45%)
Figure 2017007902
試験の結果、本発明のセメント水性組成物用混和剤は安定かつ充分な空気連行性や空気量保持性を有するものであり、品質の良いフライアッシュ含有コンクリートを製造することができたと考えられた。

Claims (3)

  1. 少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に使用される混和剤であって、次の一般式(1):
    Figure 2017007902
    (式中、Rは炭素数5〜9のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルカノールアミンを示す。)で表わされる吸着不活性化剤及び次の一般式(2):
    Figure 2017007902
    (式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルカノールアミンを示す。)で表わされる空気連行剤を含有し、前記吸着不活性化剤と前記空気連行剤との質量比(吸着不活性化剤:空気連行剤)が99:1〜1:99である、セメント水性組成物用混和剤。
  2. 少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に、請求項1に記載のセメント水性組成物用混和剤を添加することを特徴とする、モルタル又はコンクリートへの空気連行方法。
  3. 少なくとも水、セメント及びフライアッシュを含むセメント水性組成物に、請求項1に記載のセメント水性組成物用混和剤を添加することを特徴とする、モルタル又はコンクリートの製造方法。
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