JP2016017089A - 硬化性樹脂組成物、添加剤用組成物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の硬化性樹脂組成物は、側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン共重合体(P)と、極性ポリマー(Q)と、上記環状オレフィン共重合体(P)と、上記極性ポリマー(Q)とを相溶化させる相溶化剤(R)と、を含有してなる。
【選択図】なし
Description
このような構成とすることで、保存安定性に優れ、かつ、良好なフィルム状の成形体を与えることができる硬化性樹脂組成物が得られると記載されている。
側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と、
極性ポリマー(Q)と、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)と、上記極性ポリマー(Q)とを相溶化させる相溶化剤(R)と、
を含有してなる硬化性樹脂組成物。
[2]
上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)が、下記繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)および繰り返し単位(c)を含有する硬化性樹脂組成物。
(a)下記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位、
(b)下記一般式(II)で表される繰り返し単位、一般式(III)で表される繰り返し単位および一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
(c)一般式(V)で表される繰り返し単位、一般式(VI)で表される繰り返し単位および一般式(VII)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
上記[2]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(b)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。
[4]
上記[3]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(b)が、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。
[5]
上記[2]乃至[4]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンおよび8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。
[6]
上記[5]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンに由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物において、
回路基板の絶縁層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物において、
上記相溶化剤(R)が変性ポリオレフィンである硬化性樹脂組成物。
[9]
上記[8]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記相溶化剤(R)が極性基を有する単量体をグラフトさせたポリオレフィンである硬化性樹脂組成物。
[10]
上記[8]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記相溶化剤(R)がマレイン酸変性ポリオレフィンである硬化性樹脂組成物。
[11]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物において、
上記相溶化剤(R)が、分子内に極性基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である硬化性樹脂組成物。
[12]
上記[11]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記相溶化剤(R)が、分子内にグリシジル基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である硬化性樹脂組成物。
[13]
上記[12]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記相溶化剤(R)がメタクリル酸グリシジルである硬化性樹脂組成物。
[14]
上記[1]乃至[13]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物において、
上記相溶化剤(R)の含有量が、当該硬化性樹脂組成物中の上記環状オレフィン共重合体(P)を100質量部としたとき、1質量部以上10質量部以下である硬化性樹脂組成物。
[15]
上記[1]乃至[14]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物において、
上記極性ポリマー(Q)が、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、およびポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される1種または2種以上である硬化性樹脂組成物。
[16]
上記[15]に記載の硬化性樹脂組成物において、
上記極性ポリマー(Q)がエポキシ樹脂である硬化性樹脂組成物。
上記[1]乃至[16]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
[18]
上記[1]乃至[16]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物からなるドライフィルム。
[19]
上記[18]に記載のドライフィルムを硬化してなるフィルム。
[20]
上記[19]に記載のフィルムを基材に積層してなる積層体。
[21]
表面に導体層を有する基板と、上記[17]に記載の硬化物からなる電気絶縁層とを、積層してなる積層体。
[22]
上記[21]に記載の積層体において、上記電気絶縁層上にさらに導体層を形成してなる多層回路基板。
[23]
上記[22]に記載の多層回路基板を備えた電子機器。
[24]
上記[1]乃至[16]のいずれか一つに記載の硬化性樹脂組成物を、繊維からなるシート状繊維基材中に含浸されてなるプリプレグ。
側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と、
上記環状オレフィン共重合体(P)と、極性ポリマー(Q)とを相溶化させる相溶化剤(R)と、
を含有してなる添加剤用組成物。
上記[25]に記載の添加剤用組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)が、下記繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)および繰り返し単位(c)を含有する添加剤用組成物。
(a)下記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位、
(b)下記一般式(II)で表される繰り返し単位、一般式(III)で表される繰り返し単位および一般式(IV)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
(c)一般式(V)で表される繰り返し単位、一般式(VI)で表される繰り返し単位および一般式(VII)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
上記[26]に記載の添加剤用組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(b)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。
[28]
上記[27]に記載の添加剤用組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(b)が、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。
[29]
上記[26]乃至[28]のいずれか一つに記載の添加剤用組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンおよび8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。
[30]
上記[29]に記載の添加剤用組成物において、
上記環状オレフィン(共)重合体(P)中の上記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンに由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。
[31]
上記[25]乃至[30]のいずれか一つに記載の添加剤用組成物において、
回路基板の絶縁層を形成するために用いられる添加剤用組成物。
[32]
上記[25]乃至[31]のいずれか一つに記載の添加剤用組成物において、
上記相溶化剤(R)が変性ポリオレフィンである添加剤用組成物。
[33]
上記[32]に記載の添加剤用組成物において、
上記相溶化剤(R)が極性基を有する単量体をグラフトさせたポリオレフィンである添加剤用組成物。
[34]
上記[32]に記載の添加剤用組成物において、
上記相溶化剤(R)がマレイン酸変性ポリオレフィンである添加剤用組成物。
[35]
上記[25]乃至[31]のいずれか一つに記載の添加剤用組成物において、
上記相溶化剤(R)が、分子内に極性基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である添加剤用組成物。
[36]
上記[35]に記載の添加剤用組成物において、
上記相溶化剤(R)が、分子内にグリシジル基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である添加剤用組成物。
[37]
上記[36]に記載の添加剤用組成物において、
上記相溶化剤(R)がメタクリル酸グリシジルである添加剤用組成物。
[38]
上記[25]乃至[37]のいずれか一つに記載の添加剤用組成物において、
上記相溶化剤(R)の含有量が、当該添加剤用組成物中の上記環状オレフィン共重合体(P)を100質量部としたとき、1質量部以上10質量部以下である添加剤用組成物。
以下、各成分について具体的に説明する。
本実施形態に係る環状オレフィン(共)重合体(P)は、少なくとも環状オレフィンに由来する繰り返し単位と、側鎖部分に架橋性二重結合を有する繰り返し単位とを必須構成単位とする(共)重合体である。ここで、本実施形態に係る環状オレフィン(共)重合体(P)において、環状オレフィンに由来する繰り返し単位と側鎖部分に架橋性二重結合を有する繰り返し単位は1種または2種以上をそれぞれ含有してもよい。また、側鎖に架橋性二重結合を有し、かつ、環状オレフィン構造を有するような化合物の重合体も本実施形態に含む。
(a)一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位、
(b)一般式(II)で表される繰り返し単位、一般式(III)で表される繰り返し単位、および一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種類の環状オレフィン(b)由来の繰り返し単位、
(c)一般式(V)で表される繰り返し単位、一般式(VI)で表される繰り返し単位、および一般式(VII)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種類の側鎖部分に架橋性二重結合を有するモノマー(c)由来の繰り返し単位、
本実施形態に係る環状オレフィン(共)重合体(P)の共重合原料の一つであるオレフィンモノマーは付加共重合して上記一般式(I)で表される構成単位を形成するものである。具体的には上記一般式(I)に対応する(Ia)で表されたオレフィンモノマーが用いられる。
本実施形態に係る環状オレフィン(共)重合体(P)中に含まれる、上記オレフィンモノマー由来の繰り返し単位(a)と、上記環状オレフィンモノマー(b)由来の繰り返し単位(b)と、上記側鎖にオレフィンを有するモノマー(c)由来の繰り返し単位(c)との合計モル数を100モル%としたとき、オレフィン由来の繰り返し単位(a)の割合が、好ましくは40モル%以上90モル%以下、より好ましくは45モル%以上85モル%以下、さらに好ましくは50モル%以上80モル%以下である。
本実施形態に係る環状オレフィン(共)重合体(P)の共重合原料の一つである環状オレフィンモノマー(b)は付加共重合して上記一般式(II)、上記一般式(III)または上記一般式(IV)で表される構成単位を形成するものである。具体的には、上記一般式(II)、上記一般式(III)、および上記一般式(IV)にそれぞれ対応する一般式(IIa)、(IIIa)、および(IVa)で表される環状オレフィンモノマー(b)が用いられる。
本実施形態に係る環状オレフィン(共)重合体(P)の共重合原料の一つである側鎖部分に架橋性二重結合を有するモノマー(c)は付加共重合して上記一般式(V)、上記一般式(VI)、または上記一般式(VII)の構成単位を形成するものである。具体的には、上記一般式(V)、上記一般式(VI)、上記一般式(VII)にそれぞれ対応する一般式(Va)、(VIa)、(VIIa)で表される側鎖部分に架橋性二重結合を有するモノマー(c)が用いられる。
側鎖部分に架橋性二重結合を有するモノマー(c)由来の構成単位(c)の割合が上記上限値以下とすることにより、環状オレフィン(共)重合体(P)の成形性や溶解性を向上させつつ、架橋体の誘電特性の経時的安定性をより一層向上させることができる。また、側鎖部分に架橋性二重結合を有するモノマー(c)由来の構成単位(c)の割合が上記下限値以上とすることにより、架橋体の耐熱性、機械的特性をより一層向上させることができる。
なお、環状オレフィン(共)重合体(P)の極限粘度[η]は、重合触媒、助触媒、H2添加量、重合温度などの重合条件により制御することが可能である。
本実施形態に係る環状オレフィン(共)重合体(P)は、例えば、国際公開第2012/046443号パンフレットの段落0075〜0219に記載の環状オレフィン共重合体の製造方法や国際公開第2006/118261号パンフレットの段落0095〜0234に記載の環状オレフィン共重合体の製造方法にしたがって製造することができる。ここでは詳細は省略する。
本実施形態で用いられる極性ポリマー(Q)は、分子内に極性基を含んだ樹脂である。具体的にはポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブチレンテレフタレートなどの電気絶縁性の高い樹脂等から選択される1種または2種以上を挙げることができる。これらの中でも、得られる硬化物の機械的強度、回路基板や電子部品との接着性、加工性をより一層向上できる観点からエポキシ樹脂であることが好ましい。
本実施形態においては、これらの中でも、得られる硬化物の機械的強度をより一層向上できる観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
また、極性ポリマー(Q)の配合量は、環状オレフィン(共)重合体(P)100質量部に対して、好ましくは5〜500質量部、より好ましくは10〜200質量部、さらに好ましくは30〜150質量部、特に好ましくは50〜100質量部とすることができる。
このような範囲にすることにより、硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の機械的強度及び電気特性をより良好なものとすることができる。
本実施形態において、相溶化剤(R)は環状オレフィン(共)重合体(P)と極性ポリマー(Q)を相溶化させる化合物である。例えば、変性ポリオレフィン、分子内に極性基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物などが挙げられる。
これらの中でも極性基を有する単量体をグラフトさせたポリオレフィンが好ましい。ここで、「グラフト」とは、主鎖である幹ポリマーに、極性基を有する化合物を導入することをいう。「グラフト重合させた」とは、主鎖である幹ポリマーに、主鎖とは異なる重合体からなる枝ポリマーを導入することをいう。
また、メタクリル酸誘導体の例としてはメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらの中でも、得られる硬化物の機械的強度をより一層向上できる観点から、メタクリル酸グリシジルが好ましい。
相溶化剤(R)の含有量は、当該硬化性樹脂組成物中の環状オレフィン共重合体(P)を100質量部としたとき、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜5質量部である。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、溶媒と混合することによりワニスとすることができる。上記ワニスを調整するための溶媒としては、環状オレフィン(共)重合体(P)に対して溶解性または親和性を損なわないものであれば特に限定されない。溶媒として好ましく用いられるものは、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる。より好ましくはトルエン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレンである。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
なお、環状オレフィン(共)重合体(P)が得られた際の反応溶液をそのまま溶媒として用いてワニスを調製してもよい。また、環状オレフィン(共)重合体(P)を精製した後、別途溶媒を添加することによりワニスを調製してもよい。
本実施形態の硬化物は、上述の硬化性樹脂組成物を架橋することにより得られる。硬化性樹脂組成物の架橋方法としては特に制限はないが、ラジカル重合開始剤や硫黄、電子線や他の放射線を用いて、任意の形に成形しながら、または成形後に架橋する方法などが挙げられる。
架橋反応を起こすため使用される硫黄系化合物は公知の種々のものが使用でき、例えば、硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。また加硫促進剤も種々のものを使用でき、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミドなどのチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンなどのグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン反応物;ブチルアルデヒド−アニリン縮合物;ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミン、またはアルデヒド−アンモニア系;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系;チオカルバニリド、ジエチルチオユリアジブチルチオユリアなどのチオユリア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛などのジチオ酸塩系;ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系;などを挙げることができる。加硫促進剤としては、酸化亜鉛、活性亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、酸化マグネシウム、リサージ、鉛丹、塩基性炭酸鉛などの金属酸化物系;ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸鉛などの脂肪酸系;トリエタノールアミン、ジエチレングリコールなどの有機アミン・グリコール系などを挙げることができる。
本実施形態の硬化物は、耐溶剤性、耐熱性、機械的強度に優れるので、当該硬化物を含む成形体は、有機EL用コーティング材料、航空宇宙分野における太陽電池のベースフィルム基材、太陽電池や熱制御システムのコーティング材、半導体素子、発光ダイオード、各種メモリー類などの電子素子、ハイブリッドIC、MCM、回路基板、回路基板の絶縁層を形成するために用いられるプリプレグや積層体、表示部品などのオーバコート材料あるいは層間絶縁材料、液晶ディスプレイや太陽電池の基板といった用途で使用することができる。
特に、誘電特性、耐熱性だけでなく、機械的特性などにも優れるので、高周波回路基板、該高周波回路基板の絶縁層を形成するために用いられるフィルムやシート、プリプレグ、積層体などに好適に用いることができる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物はドライフィルム、フィルムまたはシートに成形して各種用途に用いることができる。本実施形態の硬化性樹脂組成物を用いて、ドライフィルム、フィルムまたはシートを形成する方法としては、各種公知の方法が適用可能である。例えば、熱可塑性樹脂フィルムなどの支持基材上に上述したワニスを塗布して乾燥後、加熱処理などして硬化性樹脂組成物を架橋することにより形成する方法が挙げられる。ワニスの支持基材への塗布方法は特に限定されないが、例えば、スピンコーターを用いた塗布、スプレーコーターを用いた塗布、バーコーターを用いた塗布などを挙げることができる。
また、本実施形態の硬化性樹脂組成物を溶融成形して、ドライフィルム、フィルムまたはシートを得る方法も挙げることができる。
本実施形態の上記フィルムは基材に積層することにより積層体として各種用途に用いることができる。本実施形態の積層体を形成する方法は各種公知の方法が適用可能である。
例えば、導体層に対し、上述の方法により製造したドライフィルム、フィルムまたはシートを積層し、必要に応じてプレスなどにより加熱硬化することにより積層体を作製することができる。
また、表面に導体層を有する基板に対して、前述した硬化物からなる電気絶縁層を積層することにより積層体を作製することもできる。
また、本実施形態のプリプレグは、本実施形態の硬化性樹脂組成物とシート状繊維基材とを複合して形成されたものである。
プリプレグの製造方法としては特に限定されず、各種公知の方法が適用可能である。例えば、上述したワニスをシート状繊維基材に含浸し含浸体を得る工程と、得られた含浸体を加熱し上記ワニスに含まれる溶媒を乾燥する工程とを含む方法が挙げられる。
上記ワニスのシート状繊維基材への含浸は、例えば、所定量のワニスを、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の方法により補強繊維に塗布し、必要に応じてその上に保護フィルムを重ね、上側からローラーなどで押圧することにより行うことができる。
また、上記含浸体を加熱し上記ワニスに含まれる溶媒を乾燥する工程はとくに限定されないが、例えば、バッチ式で送風乾燥機により空気中あるいは窒素中で乾燥する、あるいは、連続工程で加熱炉を通すことによって乾燥する、などの方法を挙げることができる。
本実施形態においては、ワニスをシート状繊維基材に含浸させた後、得られた含浸体を所定温度に加熱することにより、上記ワニスに含まれる溶媒が蒸発し、プリプレグが得られる。
これらのシート状繊維基材は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、所望により適宜選択されるが、プリプレグあるいは積層体中の、通常、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%の範囲である。この範囲にあれば、得られる積層体の誘電特性と機械強度が高度にバランスされ、好適である。
上述したように、本実施形態の硬化性樹脂組成物は、誘電特性、耐熱性、機械的特性等に優れることから、多層回路基板に好適に用いることができる。
多層回路板の製造方法としては一般的に公知の方法を採用でき特に限定されないが、例えば、前述の方法により製造したドライフィルム、フィルム、シートまたはプリプレグを積層プレスなどにより加熱硬化し、電気絶縁層を形成する。次いで、得られた電気絶縁層に導体層を公知の方法で積層し、積層体を作製する。その後、該積層体中の導体層を回路加工などすることにより、多層回路基板を得ることができる。
環状オレフィン(共)重合体(P)と相溶化剤(R)とを予め混合しておくことで、極性ポリマー(Q)との相溶化を行う際の添加剤用組成物とすることもできる。
本実施形態の添加剤用組成物は、側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と、環状オレフィン(共)重合体(P)と、極性ポリマー(Q)とを相溶化させる相溶化剤(R)を含有する。環状オレフィン(共)重合体(P)と、極性ポリマー(Q)と、相溶化剤(R)とは前述したものと同様のものを挙げることができる。ここでは、説明を省略する。
下記の基準で目視評価した。
○:側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と極性ポリマー(Q)とが均一に混ざっている。
△:側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と極性ポリマー(Q)とが部分的に1mm以下のサイズで分離している。
×:側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と極性ポリマー(Q)とが全面に渡り1mm超のサイズで分離している。
ここで、フィルム外観評価が○であった系のみ、以下の(3)〜(4)の測定を行った。
シンセサイズドスイーパー8340B、ネットワークアナライザー8510B(YHP社製)、及び円筒空洞共振器からなる装置を用いて、円筒空洞共振法により、12GHzにおける誘電率および誘電正接を測定した。測定には各実施例、比較例で得られたプレス成形板から、50mm角に切り出した試験片を使用した。
万能材料試験機(201−5型 インテスコ社製)を用いて試験片両端より引っ張り速度30mm/minにて引っ張り、破断強度、及び破断伸びを測定した。測定には各実施例、比較例で得られたプレスフィルムから、長さ50mm、幅5mmのダンベル型に打ち抜いた試験片を使用した。
耐熱性の指標として、260℃における貯蔵弾性率(E')、損失弾性率(E'')を測定した。測定はRSA−III(TA−Instruments社製)を用いて窒素下、周波数1Hz、ひずみ0.1、25℃から300℃の範囲を3℃/minの昇温速度で走査して行った。測定には各実施例、比較例で得られたプレスフィルムから、長さ50mm、幅5mmに切り出した試験片を使用した。
メチルエチルケトン(和光純薬工業社製)
ジクミルパーオキシド(シグマアルドリッチ・ジャパン社製)
1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(製品名:C11ZCN、四国化成工業株社製)
メタクリル酸グリシジル(相溶化剤:R−1)(純正化学工業社製)
側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン共重合体(P)は、国際公開2012/046443号パンフレットの合成例1に記載された方法により調製した。
撹拌翼を備えた容量1.0Lのガラス製オートクレーブに、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製、クレイトンG1652、数平均分子量:8.5×104 、スチレン含量:30質量%)105g、および脱水トルエン340mlを入れ、165℃に加熱して溶解させた。続いて、無水マレイン酸3.46gを脱水トルエン40mlに溶解させた溶液、およびジ−t−ブチルパーオキサイド0.31gを脱水トルエン40mlに溶解させた溶液を調製し、両溶液を4時間かけて逐次滴下した。滴下終了後、165℃で2時間後反応を行った。
得られた変性共重合体の無水マレイン酸グラフト量を酸素分析により測定したところ、3.5質量%であった。
充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを900ml、1−ブテンを90g仕込み、さらにトリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加えた。当該混合物を70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧7kg/cm2Gにした。そして、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、及びrac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロライドをZr原子に換算して0.001ミリモル加え、プロピレンを連続的に供給して全圧を7kg/cm2Gに保ちながら30分間重合させた。脱気後、大量のメタノールを添加してポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥させてプロピレン/1−ブテン共重合体(樹脂A)を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、樹脂Aを85部とアイソパーEを424部仕込み、窒素置換しながら100℃に加熱昇温した。次いでこの中に、メチルメタクリレート89部、ブチルアクリレート67部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート40部、メタクリル酸2部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下PBOと称す)6部の混合液を4時間かけてフィードし、このフィード終了より1時間経過後にPBOを0.4部添加し、更に2時間反応させた。この後、不揮発分30%となるまでメチルシクロヘキサンで希釈して(共)重合体(B)を製造した。
[硬化性樹脂組成物溶液]
合成例1で得られた側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン共重合体(P)5g、極性ポリマーとして、エポキシ樹脂(Q−1)(三菱化学社製:JER828)3g、ジクミルパーオキシド200mg、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール150mg、及び相溶化剤(R)としてメタクリル酸グリシジル(R−1)250mgをキシレン20mlに溶解させ、硬化性樹脂組成物溶液を得た。
次いで、上記にて得られた硬化性樹脂組成物溶液を、アプリケーターを用いて、PETフィルム上に塗工し、次いで、窒素雰囲気下で、140℃で30分間乾燥し、PETフィルム上に厚さ50μmの硬化性樹脂組成物を得た。
次いで、上記にて得られた硬化性樹脂組成物をPETから剥離し、ミニテストプレス(株式会社東洋精機製)にて140℃、圧力10MPaで5分間、200℃、圧力10MPaで30分間加熱プレスして、厚さ45μmのプレスフィルムを得た。
PETから剥離した硬化性樹脂組成物を6cm角に切り出し、同様の作業を繰り返し行って得られた15枚のフィルムを重ね合わせた。この15枚のフィルムについて、ミニテストプレスを用いて、50℃、圧力10MPaで10分間、50℃から200℃まで30分かけて昇温し、200℃、圧力10MPaで30分間加熱プレスして、厚さ650μmのプレス成形板を得た。
相溶化剤(R)を合成例2で得られた(R−2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、硬化性樹脂組成物、プレスフィルム、及びプレス成形板を得た。上述の評価方法による評価の結果を表1に示す。
相溶化剤(R)を合成例3で得られた(R−3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、硬化性樹脂組成物、プレスフィルム、及びプレス成形板を得た。上述の評価方法による評価の結果を表1に示す。
極性ポリマーとして、エポキシ樹脂(Q−2)(三菱化学社製:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、JER157S70)5gに変更した以外は、実施例2と同様の方法で、硬化性樹脂組成物、プレスフィルム、及びプレス成形板を得た。上述の評価方法による評価の結果を表1に示す。
相溶化剤(R)を合成例3で得られた(R−3)に変更した以外は、実施例4と同様の方法で、硬化性樹脂組成物、プレスフィルム、及びプレス成形板を得た。上述の評価方法による評価の結果を表1に示す。
合成例1で得られた側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン共重合体(P)5g、極性ポリマーとして、エポキシ樹脂(Q−1)(三菱化学社製:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、JER828)3g、ジクミルパーオキシド200mg、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール150mgをキシレン20mlに溶解させ、硬化性樹脂組成物を得た。
その後、実施例1と同様の方法でプレスフィルムを得た。上述の評価方法による評価の結果を表1に示す。
合成例1で得られた側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン共重合体(P)5g、極性ポリマーとして、エポキシ樹脂(Q−2)(三菱化学社製:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、JER157S70)5g、ジクミルパーオキシド200mg、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール150mgをキシレン20mlに溶解させ、硬化性樹脂組成物を得た。
その後、実施例1と同様の方法でプレスフィルムを得た。上述の評価方法による評価の結果を表1に示す。
エポキシ樹脂(Q−1)(三菱化学社製:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、JER828)10gに1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール300mgを溶解させた。これを厚さ50μmのスペーサーを用いて、ミニテストプレス(東洋精機社製)にて圧力10MPaを加え、50℃から140℃まで30分かけて昇温し、さらに140℃で30分間加熱プレスして、厚さ30μmのプレスフィルムを得た。このフィルムは脆く、ハンドリングが困難であった。
エポキシ樹脂(Q−2)(三菱化学社製:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、JER157S70)10g、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール300mgをメチルエチルケトン10mlに溶解させた。
次いで、この溶液をアプリケーターを用いて、PETフィルム上に塗工し、その後、窒素雰囲気下で110℃、30分間乾燥し、PETフィルム上に厚さ80μmのエポキシフィルム(未硬化)を得た。
Claims (38)
- 側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と、
極性ポリマー(Q)と、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)と、前記極性ポリマー(Q)とを相溶化させる相溶化剤(R)と、
を含有してなる硬化性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)が、下記繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)および繰り返し単位(c)を含有する硬化性樹脂組成物。
(a)下記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位、
(b)下記一般式(II)で表される繰り返し単位、一般式(III)で表される繰り返し単位および一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
(c)一般式(V)で表される繰り返し単位、一般式(VI)で表される繰り返し単位および一般式(VII)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
- 請求項2に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(b)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。 - 請求項3に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(b)が、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。 - 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンおよび8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。 - 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンに由来する繰り返し単位である硬化性樹脂組成物。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物において、
回路基板の絶縁層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記相溶化剤(R)が変性ポリオレフィンである硬化性樹脂組成物。 - 請求項8に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記相溶化剤(R)が極性基を有する単量体をグラフトさせたポリオレフィンである硬化性樹脂組成物。 - 請求項8に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記相溶化剤(R)がマレイン酸変性ポリオレフィンである硬化性樹脂組成物。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記相溶化剤(R)が、分子内に極性基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である硬化性樹脂組成物。 - 請求項11に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記相溶化剤(R)が、分子内にグリシジル基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である硬化性樹脂組成物。 - 請求項12に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記相溶化剤(R)がメタクリル酸グリシジルである硬化性樹脂組成物。 - 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記相溶化剤(R)の含有量が、当該硬化性樹脂組成物中の前記環状オレフィン共重合体(P)を100質量部としたとき、1質量部以上10質量部以下である硬化性樹脂組成物。 - 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記極性ポリマー(Q)が、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、およびポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される1種または2種以上である硬化性樹脂組成物。 - 請求項15に記載の硬化性樹脂組成物において、
前記極性ポリマー(Q)がエポキシ樹脂である硬化性樹脂組成物。 - 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物からなるドライフィルム。
- 請求項18に記載のドライフィルムを硬化してなるフィルム。
- 請求項19に記載のフィルムを基材に積層してなる積層体。
- 表面に導体層を有する基板と、請求項17に記載の硬化物からなる電気絶縁層とを、積層してなる積層体。
- 請求項21に記載の積層体において、前記電気絶縁層上にさらに導体層を形成してなる多層回路基板。
- 請求項22に記載の多層回路基板を備えた電子機器。
- 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を、繊維からなるシート状繊維基材中に含浸されてなるプリプレグ。
- 側鎖部分に架橋性二重結合を有する環状オレフィン(共)重合体(P)と、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)と、極性ポリマー(Q)とを相溶化させる相溶化剤(R)と、
を含有してなる添加剤用組成物。 - 請求項25に記載の添加剤用組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)が、下記繰り返し単位(a)、繰り返し単位(b)および繰り返し単位(c)を含有する添加剤用組成物。
(a)下記一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位、
(b)下記一般式(II)で表される繰り返し単位、一般式(III)で表される繰り返し単位および一般式(IV)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
(c)一般式(V)で表される繰り返し単位、一般式(VI)で表される繰り返し単位および一般式(VII)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位、
- 請求項26に記載の添加剤用組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(b)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。 - 請求項27に記載の添加剤用組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(b)が、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンに由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。 - 請求項26乃至28のいずれか一項に記載の添加剤用組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンおよび8−ビニル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる化合物に由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。 - 請求項29に記載の添加剤用組成物において、
前記環状オレフィン(共)重合体(P)中の前記繰り返し単位(c)が、5−ビニル−2−ノルボルネンに由来する繰り返し単位である添加剤用組成物。 - 請求項25乃至30のいずれか一項に記載の添加剤用組成物において、
回路基板の絶縁層を形成するために用いられる添加剤用組成物。 - 請求項25乃至31のいずれか一項に記載の添加剤用組成物において、
前記相溶化剤(R)が変性ポリオレフィンである添加剤用組成物。 - 請求項32に記載の添加剤用組成物において、
前記相溶化剤(R)が極性基を有する単量体をグラフトさせたポリオレフィンである添加剤用組成物。 - 請求項32に記載の添加剤用組成物において、
前記相溶化剤(R)がマレイン酸変性ポリオレフィンである添加剤用組成物。 - 請求項25乃至31のいずれか一項に記載の添加剤用組成物において、
前記相溶化剤(R)が、分子内に極性基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である添加剤用組成物。 - 請求項35に記載の添加剤用組成物において、
前記相溶化剤(R)が、分子内にグリシジル基と、重合反応に寄与することのできる不飽和炭素結合とを備えた化合物である添加剤用組成物。 - 請求項36に記載の添加剤用組成物において、
前記相溶化剤(R)がメタクリル酸グリシジルである添加剤用組成物。 - 請求項25乃至37のいずれか一項に記載の添加剤用組成物において、
前記相溶化剤(R)の含有量が、当該添加剤用組成物中の前記環状オレフィン共重合体(P)を100質量部としたとき、1質量部以上10質量部以下である添加剤用組成物。
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