JP2006286352A - 樹脂組成物、積層体、配線板および配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 配線板の絶縁層を構成する樹脂組成物であって、環状オレフィン系樹脂と、重合性二重結合または三重結合を有する化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。前記重合性二重結合または三重結合を有する化合物は、アリル基、ビニル基、(メタ)アクリル基、エチニル基およびフェニルエチニル基から選ばれる基を有するものである樹脂組成物。前記重合性二重結合または三重結合を有する化合物は、その分子内に2つ以上のエポキシ基を有するものである樹脂組成物。配線板に用いる積層体であって、前記樹脂組成物より構成される樹脂層と、キャリアフィルムとを積層してなることを特徴とする積層体。前記積層体を用いて形成された樹脂層を有することを特徴とする配線板。
【選択図】 図1
Description
また、本発明の目的は、加工性に優れる積層体を提供することである。
また、本発明の目的は、電気特性に優れた配線板およびその製造方法を提供することである。
環状オレフィン系樹脂と、重合性二重結合または三重結合を有する化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記重合性二重結合または三重結合を有する化合物は、アリル基、ビニル基、(メタ)アクリル基、エチニル基およびフェニルエチニル基から選ばれる基を有するものである第(1)項に記載の樹脂組成物。
(3) 前記重合性二重結合または三重結合を有する化合物は、その分子内に2つ以上のエポキシ基を有するものである第(1)項または第(2)項に記載の樹脂組成物。
(4) 前記樹脂組成物は、更に活性エステル基を有する化合物を含むものである第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5) 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含むものである第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6) 前記環状オレフィン系樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むものである第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9) 前記樹脂組成物は、さらに充填材を含むものである第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の樹脂組成物。
(10) 前記充填材は、シリカである第(9)項に記載の樹脂組成物。
(11) 前記充填材は、フッ素樹脂で構成される粒子である第(9)項に記載の樹脂組成物。
(12) 前記充填材は、無機多孔体である第(9)項に記載の樹脂組成物。
(13) 配線板に用いる積層体であって、第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の樹脂組成物より構成される樹脂層と、キャリアフィルムとを積層してなることを特徴とする積層体。
(14) 第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて絶縁層を形成する工程と、回路層を形成する工程と、前記絶縁層をレーザー照射により開孔する工程と、を含む配線板の製造方法。
(15) 前記絶縁層を形成する工程は、前記樹脂組成物を塗布して形成するものである第(14)項に記載の配線板の製造方法。
(16) 前記絶縁層を形成する工程は、前記樹脂組成物を用いて得られたフィルムをラミネートして形成ものである第(14)項に記載の配線板の製造方法。
(17) 前記絶縁層を形成する工程におけるフィルムは、金属層付きフィルムである第(15)項に記載の配線板の製造方法。
(18) 前記絶縁層を加熱硬化する工程を含む第(14)項乃至第(17)項のいずれかに記載の配線板の製造方法。
(19) 第(14)項乃至第(18)項のいずれかに記載の製造方法により得られる配線板。
(20) 第(13)項に記載の積層体を用いて形成された樹脂層を有することを特徴とする配線板。
また、本発明によれば、加工性に優れる積層体を提供することができる。
また、本発明によれば、電気特性に優れた配線板およびその製造方法を提供することができる。
本発明の樹脂組成物は、配線板の絶縁層を構成する樹脂組成物であって、環状オレフィン系樹脂と、重合性二重結合を有する化合物とを含むことを特徴とする。
また、本発明の積層体は、上記に記載の樹脂組成物が、キャリアフィルム(キャリア材料)の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の配線板は、上記に記載の樹脂組成物で絶縁層を構成することを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、配線板の絶縁層を構成するものであり、前記樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂を含むことにより、絶縁層を形成した場合に電気特性が優れるものとなる。
また、前記樹脂組成物は、重合性二重結合を有する化合物、なかでも、特に、アリル基、ビニル基、(メタ)アクリル基、エチニル基、フェニルエチニル基の群から選ばれる少なくとも1つの基を有する化合物を含むことにより、絶縁層を形成する場合にラミネート性に優れるものとなる。さらには、高耐熱性を有する樹脂との組合わせにより、ラミネート性などの加工性と耐熱性を兼ね備えることができる。
このような環状オレフィンモノマーの重合体には、例えば、環状オレフィンモノマーの(共)重合体、環状オレフィンモノマ−とα−オレフィン類等の共重合可能な他のモノマ−との共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらの公知の重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。これら環状オレフィン系樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とが挙げられる。前記環状オレフィン系樹脂の中でも、一般に、ノルボルネン系樹脂は、その主鎖骨格が脂環構造であるため低吸湿性を有する。
が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
上記のうち、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られる付加(共)重合体が電子材料用途に使用する際に、特に高ガラス転移温度を有するため好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t−ブチル過酸化水素などである。
前記環状オレフィン系樹脂の分子量分布[重量平均分子量:Mwと、数平均分子量:Mnとの比(Mw/Mn)]は、特に限定されないが、5以下が好ましく、特に4以下が好ましく、特に1〜3が好ましい。分子量分布が前記範囲内であると、電気特性に特に優れる。
前記分子量分布を測定する方法としては、例えばシクロヘキサンまたはテトラヒドロフランを有機溶剤とするGPCで測定することができる。
また、上記方法で重量平均分子量や分子量分布が測定できない環状オレフィン系樹脂の場合には、通常の溶融加工法により樹脂層を形成し得る程度の溶融粘度や重合度を有するものを使用することができる。前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択できるが、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは125℃以上である。
前記極性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、シリル基、エポキシ基(グリシジルエーテル基)等が挙げられる。該極性基を含む基としては、該極性基が直鎖もしくは分岐したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、環状脂肪族基、アリール基、エーテル基により結合されていてもよい。前記側鎖に炭素数1〜12の極性基または該極性基を含む基を有している環状オレフィン系樹脂は、下記に記載の側鎖に炭素数1〜12の極性基または該極性基を含む基を有する環状オレフィン系モノマーの重合体、またはそれと他の環状オレフィン系モノマーとの共重合体であっても良い。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基およびドデシル基等が、アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブチニル基およびシクロヘキセニル基等が、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基および2−ブチニル基等が、環状脂肪族基の具体例として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基等が、アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基等が、アラルキル基の具体例としてはベンジル基およびフェネチル基等が、シリル基の具体例として、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリエトキシシリルエチル基などのアルコキシシリル基や、シリル基、トリメトキシプロピルシリル基、トリメチルシリルメチルエーテル基、ジフェニルメチルシリル基等が、エポキシ基の具体例としては、メチルグリシジルエーテル基およびアリルグリシジル−エーテル基等が、それぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂のビニル化またはアリル化変性された化合物もしくは、(メタ)アクリル、アセチレン変性された化合物;、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂のビニル化またはアリル化変性された化合物もしくは、(メタ)アクリル、アセチレン変性された化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、単独でも混合して用いても差し支えない。
無機フィラーとしては、窒化アルミ、アルミナ、ボロンナイトライト、酸化チタン、マイカ、雲母粉、クレー、シリカなどが挙げられるが、熱放散性とコスト面からシリカ粒子が好ましく、低放射線性であればより好ましい。充填材の形状には、球状と破砕状、フレーク状等の非球状フィラーがある。例えば、球状フィラーを用いた場合その最大粒径が20μm以下であることが好ましい。最大粒径が20μmを越える充填材を含む樹脂組成物で構成された絶縁層を形成した場合、充填材の祖粒分が配線間にブリッジし配線間の電気特性が不均一となり誤作動の原因や、信頼性の低下を招くことから好ましくない。
PTFEの結晶度は、少なくとも50%以上、好ましくは60%以上であり、更に好ましくは、70%〜90%であってよい。
このような潜伏性触媒としては、例えばホスフィン化合物、イミダゾール誘導体などが挙げられる。ホスフィン化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムフェノエート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェノキシボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラアルコキシボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラアルキルボレート、テトラフェニルホスホニウム等が挙げられる。イミダゾール誘導体としては、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル−5−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチル−イミダゾリル−(1′)〕−エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール等が挙げられる。これらの中でも2,4−ジアミノ−6−〔2′−メチル−イミダゾリル−(1′)〕−エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールが特に好ましい。これにより、触媒の潜伏性が特に向上する。
さらには、ホスフィン化合物は、ホスホニウム塩が好ましい。これにより、十分な潜在性と硬化性を併せ持つことができる。これらは、単独または2種類以上を併用してもよい。
また、アゾビスイソブチロニトリル、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカルボナート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物を挙げることができる。
4,4’−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムトリフレート、4,4’,4“−トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルフォニウムジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4‘−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(t−ブチルフェニル)スルフォニムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−メチルフェニル)(4−(1−メチルエチル)フェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−(2−メチルプロピル)フェニル(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェイトとそれらの混合物である。
図1は、本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。
積層体1は、上記の樹脂組成物で構成される樹脂層3と、キャリアフィルム2とを積層してなるものである。
上記樹脂組成物で構成される樹脂層により、電子機器の高速伝送化を可能とする電気特性およびレーザー加工性に優れる特性を有する絶縁層として用いることができる。
樹脂組成物で構成される樹脂層3の厚さは、特に限定されないが、0.1〜60μmが好ましく、特に1〜40μmが好ましい。樹脂組成物で構成される樹脂層の厚さは、絶縁信頼性を向上させる上で前記下限値以上が好ましく、多層配線板における目的の一つである薄膜化を達成する上で前記上限値以下が好ましい。
図2は、本発明の配線板の一例を示す断面図である。
図2に示すように、配線板10は、コア基板5と、コア基板5の両面に設けられた樹脂層3とで構成されている。
コア基板5には、ドリル機で開口された開口部51が形成されている。また、コア基板5の両表面には導体回路52が形成されている。
開口部51の内部はメッキ処理されており、コア基板5の両表面の導体回路52が導通されている。
また、樹脂層3の両表面には、第2導体回路32が形成されている。
導体回路52と、導体回路32とは、開口部31を介して導通されている。
また、キャリア材料として金属層を用いた場合、該金属層を導体回路として加工することができる。
次に、導体回路106を形成する(図3(d))。導体回路106の形成方法としては、公知の方法であるセミアディティブ法などで形成することができる。
次に、導体ポストを形成する(図3(e))。導体ポスト107の形成方法としては、公知の方法である電解メッキ等で形成することができる。例えば、導体回路106を電解メッキ用リードとして、銅電解メッキを行ない、銅で充填し銅ポストを形成することができる。これの方法により、配線板を得ることができる。
上記配線板を得る工程において、上記図3(b)〜図3(e)で示した工程を繰り返すことにより、さらに多層の配線板を得ることができる。
環状オレフィン系樹脂として2−ノルボルネン/5−ヘキシル−2−ノルボルネン(75/25)モノマーの付加共重合体(A−1、Mw=250,000)を用いた。なお、ポリマーAは、下記の方法で合成した。
[環状オレフィン系樹脂(A−1)の合成]
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、2−ノルボルネン14.1g(0.15mol)、5−ヘキシル−2−ノルボルネン8.9g(0.05mol)、重合溶剤としてエチルアセテート170g、シクロヘキサン147g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6−トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)1.39g(2.8×10−3mol)をトルエン10gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸94ml、30%過酸化水素水174ml、純水600mlの混合液に前記重合溶液を投入し、2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入し環状オレフィン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き環状オレフィン系樹脂を得た。
周波数2.5GHzにおける誘電特性を測定した。測定機器は、円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー社製、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B)を用いた。なお積層体よりキャリアフィルムを除去し、続いて窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理して、絶縁樹脂を得サンプルとした。
重量で0.5gの測定サンプルを得た。次に、測定サンプルを恒温・恒湿槽中で温度85℃、湿度85%で168時間吸水処理を行い、吸水処理前重量と吸水処理後の重量変化率を吸水率とした。なお積層体の樹脂組成物で構成される層を200℃で2時間熱処理を行なったものより、樹脂組成物で構成される層を剥離してサンプルとした。
各符号は、以下の通りである。
◎:良好 <1.0%
○:実質上問題なし 1.0〜2.0%
△:実質上使用不可 2.0〜2.5%
×:使用不可 >2.5%
線幅/線間/厚み=20μm/20μm/10μmである回路層を有する回路基板上に、上記で得た積層体を最高到達温度200℃、圧力1.96×10−2MPa(20Kgf/cm2)の条件で真空プレスによりラミネート後、キャリアフィルムを剥離し、窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間熱処理して、樹脂組成物を硬化させて絶縁層を形成した。得られた絶縁層を有する回路基板の断面を観察し、線間の樹脂の埋め込み具合を評価した。
各符号は、以下の通りである。
◎:樹脂が隙間なく、埋め込まれており良好
○:2μm以下の微小な円形ボイド、実用上使用可
△:2μm以上のボイド、実質上使用不可
×:埋め込み不良
耐熱性を示差熱量分析(TG−DTA)を用いて、5%重量減少する温度で評価した。なお積層体の樹脂組成物で構成される層を200℃で1時間熱処理を行なったものより、樹脂組成物で構成される層を剥離してサンプルとした。
各符号は、以下の通りである。
◎:350℃以上
○:300〜350℃
△:260〜300℃
×:260℃未満
活性エステル基を有する化合物として、エステル樹脂(B−1、大日本インキ社製、EXB9451−65T)を、潜在性触媒として2−エチル−4−メチル−2−イミダゾール(四国化成社製、2E4MZ)を用い、以下の配合にした以外は、実施例1と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂(A−1)を21.43g、重合性二重結合または三重結合を有する化合物としてアリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬工業社製、RE−810NM)3.19g、活性エステル基を有する化合物として、エステル樹脂(B−1、大日本インキ社製、EXB9451−65T)3.19g、潜在性触媒として2−エチル−4−メチル−2−イミダゾール(四国化成社製、2E4MZ)0.43g、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM−403E)0.34gとをメシチレン150gに溶解させ樹脂溶液を調整した。
活性エステル基を有する化合物として、イソフタル酸クロライドとα−ナフトールおよびノボラック型フェノールのエステル化合物(B−2)を用い以下の配合にした以外は、実施例2と同じように行った。なお、エステル化合物(B−2)は、下記の方法で合成した。
温度計、攪拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ1L中に、純水300cc、水酸化ナトリウム7.6g(0.19mol)とを投入し、完全に溶解するまで窒素導入しながら攪拌した。次いで、α−ナフトール13.0g(0.09mol)、ノボラック型フェノール9.36g(0.09mol(OH)、住友ベークライト社製、PR51714を入れ溶解後、α−ナフトール水溶液を50℃まで昇温する。次いで、トルエン200cc中にイソフタル酸クロライド(アルドリッチ社製)18.27g(0.09mol)を溶かした溶液を攪拌しながら滴下し5時間反応させた。反応終了後、溶液は水層と有機層に分液し水層を除去し、有機層を7%炭酸ナトリウム水溶液で水洗した。これを繰り返し、pHが中性となったところで終了とした。有機層は、硫酸マグネシウムで脱水した。次いで、ろ過、エバポレータにより留去濃縮した。次いで、ヘキサン150ccをゆっくり滴下し再結晶化により析出させた。次いで、ろ過、エタノール洗浄し、乾燥し粉末固体19gを得た
重合性二重結合または三重結合を有する化合物として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、NKエステルA−HD−N)を、潜在性触媒としてラジカル開始剤(日本油脂社製、パークミルD)用をいた以外は実施例1と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例2と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として5−ブチル−2−ノルボルネン/5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン(90/10)モノマーの付加共重合体(A−2、Mw=250,000)を用いた。なお、環状オレフィン系樹脂(A−2)は、下記の方法で合成した。
[環状オレフィン系樹脂(A−2)の合成]
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、5−ブチル−2−ノルボルネン27.05g(0.18mol)、5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン4.85g(0.02mol)、重合溶剤としてエチルアセテート170g、シクロヘキサン147g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6−トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)1.39g(2.86×10−3mol)をトルエン10gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸94ml、30%過酸化水素水174ml、純水600mlの混合液に前記重合溶液を投入し、2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入し環状オレフィン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き環状オレフィン系樹脂を得た。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例2と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂(A−3)として、テトラシクロドデセンと8−メチルテトラシクロドデセンを特開平4−363312号公報記載の公知の方法により開環重合水素添加物(Mw=52,000、水素化率95%)を用いた。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例2と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として5−デシル−2−ノルボルネン/5−メチルグリシジルエーテル−2−ノルボルネン(70/30)モノマーの付加共重合体(A−4、Mw=150,000)を用いた。なお、環状オレフィン系樹脂(A−4)は、下記の方法で合成した。
[環状オレフィン系樹脂(A−4)の合成]
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、5−デシル−2−ノルボルネン32.82g(0.14mol)、5−メチルグリシジルエーテル−2−ノルボルネン10.81g(0.06mol)、重合溶剤としてエチルアセテート170g、シクロヘキサン147g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6−トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)1.39g(2.86×10−3mol)をトルエン10gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸94ml、30%過酸化水素水174ml、純水600mlの混合液に前記重合溶液を投入し、2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入し環状オレフィン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き環状オレフィン系樹脂を得た。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例2と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として2−ノルボルネン/5−メチルグリシジルエーテル−2−ノルボルネン(90/10)モノマーの付加共重合体(A−5、Mw=200,000)を用いた。なお、環状オレフィン系樹脂(A−5)は、下記の方法で合成した。
[環状オレフィン系樹脂(A−5)の合成]
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、2−ノルボルネン16.95g(0.18mol)、5−メチルグリシジルエーテル−2−ノルボルネン3.60g(0.02mol)、重合溶剤としてエチルアセテート170g、シクロヘキサン147g(0.53M)を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒(η6−トルエンニッケルビス(ペンタフルオロフェニル)1.39g(2.86×10−3mol)をトルエン10gに溶解させた触媒溶液を反応容器に投入した。室温で4時間攪拌重合させた後、氷酢酸94ml、30%過酸化水素水174ml、純水600mlの混合液に前記重合溶液を投入し、2時間攪拌した。水層の遷移金属触媒と樹脂溶液の有機層とに分離した溶液の水層を除去した。更に有機層を数回純水で洗浄した、そして、樹脂溶液をメタノール中に投入し環状オレフィン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き環状オレフィン系樹脂を得た。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例2と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として5−メチル−2−ノルボルネン/2−ノルボルネン−5−メチルアクリレート(90/10)モノマーの付加共重合体(A−6、Mw=200,000)を用いた。なお、環状オレフィン系樹脂(A−6)は、下記の方法で合成した。
[環状オレフィン系樹脂(A−6)の合成]
重合系の雰囲気を不活性ガスの窒素で十分に満たした反応容器中に、5−メチルー2−ノルボルネン16.23g(0.15mol)、2−ノルボルネン−5−メチルアクリレート9.62g(0.05mol)、重合溶剤としてメシチレン115g、を仕込んだ。次いで、遷移金属触媒([(アセチル)ビス(トリイソプロピルホスフィン)(アセトニトリル)パラジウム])0.0193g(1.60×10−5mol)、ルイス酸としてジメチルフェニルアンモニウムテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート0.0256g(3.20×10−5mol)、分子量調節剤としてトリエトキシシラン0.116gとを、トルエン1gに溶解させ、触媒溶液を反応容器に投入した。70℃で3時間攪拌重合させた後、樹脂溶液をメタノール中に投入し環状オレフィン系樹脂を析出させた。固形分を濾過後、減圧乾燥し溶剤を除き環状オレフィン系樹脂を得た。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例3と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として5−メチルー2−ノルボルネン/2−ノルボルネン−5−メチルアクリレート(90/10)モノマーの付加共重合体(A−6、Mw=200,000)を用いた。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用いた以外は、実施例4と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として5−メチルー2−ノルボルネン/2−ノルボルネン−5−メチルアクリレート(90/10)モノマーの付加共重合体(A−6、Mw=200,000)を用いた。
環状オレフィン系樹脂として以下のものを用い、充填材として無機シリカ(平均粒径20〜30nm、シーアイ化成社製)を全固形分の30重量%になるように混合分散した以外は、実施例9と同じように行った。
環状オレフィン系樹脂として5−メチルー2−ノルボルネン/2−ノルボルネン−5−メチルアクリレート(90/10)モノマーの付加共重合体(A−6、Mw=200,000)を用いた。
充填材としてフッ素粒子(平均粒径200〜400nm、喜多村社製)を全固形分の30重量%になるように混合分散した以外用いた以外は、実施例12と同じように行った。
充填材として無機多孔体(平均粒径60nm、空孔率30%、触媒化成工業社製)を全固形分の30重量%になるように混合分散した以外用いた以外は、実施例12と同じように行った。
重合性二重結合または三重結合を有する化合物および、潜在性触媒を抜いた以外は、実施例1と同じように行った。
重合性二重結合または三重結合を有する化合物に代えて、以下のエポキシ樹脂を用いた以外は、実施例1と同じように行った。
エポキシ樹脂として、ビスフェノールA/ビスフェノールFエポキシ樹脂(大日本インキ工業社製、EXA830LVP)を用いた。
環状オレフィン系樹脂の代わりに以下の非感光ポリイミドを用いた以外は、実施例2と同じように行った。
非感光ポリイミド樹脂として、公知の方法で1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと4,4’−オキシジフタル酸二無水物の縮合物(Mw=89,000)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶剤中に得た。
(実施例1A)
1.内層回路および絶縁層の形成
総厚さが0.3mmで銅箔厚さが12μmの両面銅張り積層板(住友ベークライト(株)製ELC−4781)を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層導体回路を両面に形成した。
次に内層導体回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレー吹きつけすることにより粗化処理による凹凸形成を行い、実施例1で得られた積層体の樹脂層面を導体回路面に合わせて、真空ラミネーターを使用して導体回路を埋め込み、200℃で60分間のベーキング処理を行い、絶縁層を形成した。
次に、UV−YAGレーザー装置(三菱電機(株)製ML605LDX)を用いてφ40μmの開口部(ブラインド・ヴィアホール)を形成し、デスミア処理(日本マクダーミッド(株)製マキュダイザーシリーズ)を施した後、無電解銅めっき(上村工業(株)製スルカップPRX)を15分間行い、厚さ0.5μmの給電層を形成した。次に、この給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成(株)製AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク((株)トウワプロセス製)を使用して、位置合わせ、露光装置(ウシオ電機(株)製UX−1100SM−AJN01)により露光した。炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
実施例2Aにおいて、実施例1で得られた積層体に替えて、実施例2〜14で得た積層体を用いて、実施例2Aと同様にして、それぞれ配線板を得た。
実施例2Aにおいて、実施例1で得られた積層体に替えて、比較例1〜4で得た積層体を用いて、実施例2Aと同様にして、それぞれ配線板を得た。
接続信頼性は、温度30℃、湿度70%の雰囲気下で1965時間放置後260℃リフローを3回行い、温度サイクル試験(−40℃、125℃各30分、さらしなし)を行ない、100サイクル毎に導通テストして、不良発生サイクルで評価した。
各符号は以下の通りである。
◎:800サイクル以上
○:500〜800サイクル
△:100〜500サイクル
×:100サイクル未満
絶縁信頼性は、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で100時間放置後の導体間の絶縁抵抗値をデジタル絶縁抵抗値で評価した。各符号は以下の通りである。
◎:絶縁抵抗値1010Ω以上
○:絶縁抵抗値108〜109Ω
△:絶縁抵抗値107〜108Ω
×:絶縁抵抗値107未満
更に、表2から明らかなように、実施例1A〜14Aは、接続信頼性および絶縁信頼性に優れていた。したがって、実施例においては、電気特性および信頼性双方に優れていた。これに対して、比較例1A〜3Aは、接続信頼性または絶縁信頼性のいずれかに劣っていた。これは比較例1A、3Aにおいて、加工性が劣っていたこと、また、比較例2A、3Aは、吸水性に劣っていたため耐半田リフロー性が低いことが原因であった。
2 キャリアフィルム
3 樹脂層
5 コア基板
10 配線板
31 樹脂層の開口部
32 導体回路
51 コア基板の開口部
52 導体回路
101 導体回路
102 開口部
103 コア基板
104 樹脂層
105 開口部
106 導体回路
107 導体ポスト
Claims (20)
- 配線板の絶縁層を構成する樹脂組成物であって、
環状オレフィン系樹脂と、重合性二重結合または三重結合を有する化合物とを含むことを特徴とする樹脂組成物。 - 前記重合性二重結合または三重結合を有する化合物は、アリル基、ビニル基、(メタ)アクリル基、エチニル基およびフェニルエチニル基から選ばれる基を有するものである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記重合性二重結合または三重結合を有する化合物は、その分子内に2つ以上のエポキシ基を有するものである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、更に活性エステル基を有する化合物を含むものである請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン系樹脂を含むものである請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂は、下記一般式(1)で表される繰り返し構造を含むものである請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂は、下記一般式(2)で表されるモノマーを含む環状オレフィン系モノマーの付加重合体を含むものである請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂は、(メタ)アクリル基を有する基を含むものである請求項1乃至7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、さらに充填材を含むものである請求項1乃至8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記充填材は、シリカである請求項9に記載の樹脂組成物。
- 前記充填材は、フッ素樹脂で構成される粒子である請求項9に記載の樹脂組成物。
- 前記充填材は、無機多孔体である請求項9に記載の樹脂組成物。
- 配線板に用いる積層体であって、請求項1乃至12のいずれかに記載の樹脂組成物より構成される樹脂層と、キャリアフィルムとを積層してなることを特徴とする積層体。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて絶縁層を形成する工程と、回路層を形成する工程と、前記絶縁層をレーザー照射により開孔する工程と、を含む配線板の製造方法。
- 前記絶縁層を形成する工程は、前記樹脂組成物を塗布して形成するものである請求項14に記載の配線板の製造方法。
- 前記絶縁層を形成する工程は、前記樹脂組成物を用いて得られたフィルムをラミネートして形成ものである請求項14に記載の配線板の製造方法。
- 前記絶縁層を形成する工程におけるフィルムは、金属層付きフィルムである請求項15に記載の配線板の製造方法。
- 前記絶縁層を加熱硬化する工程を含む請求項14乃至17のいずれかに記載の配線板の製造方法。
- 請求項14乃至18のいずれかに記載の製造方法により得られる配線板。
- 請求項13に記載の積層体を用いて形成された樹脂層を有することを特徴とする配線板。
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